(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
容器と蓋材とを備え、前記容器が、被収容物を収容する複数のポケット部と、該複数のポケット部の開口の周囲に設けられ、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部とを備えるプレススルー包装体であって、
前記蓋材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒートシールシートからなることを特徴とするプレススルー包装体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<ヒートシールシート>
本発明のヒートシールシートは、アルミニウム箔基材と、
前記アルミニウム箔基材の一方の面上に積層した熱接着層と、
を備え、
前記熱接着層が、水性媒体と、前記水性媒体に分散した熱接着性樹脂と、濡れ剤とを含む水系塗料から形成された層であり、
前記熱接着層の全固形分中の前記熱接着性樹脂の含有量が30〜99.9質量%で、前記濡れ剤の含有量が0.1〜20質量%であり、
前記熱接着層の単位面積当たりの固形分量が0.1〜20.0g/m
2であることを特徴とする。
【0012】
以下、本発明のヒートシールシートについて、添付の図面を参照し、実施形態を示して説明する。
図1は、本発明のヒートシールシートの第一実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のヒートシールシート1は、アルミニウム箔基材3と、アルミニウム箔基材3の一方の面に積層した熱接着層5とを備える。
ヒートシールシート1において、熱接着層5は、アルミニウム箔基材3の一方の面の全面に形成されている。ただし本発明はこれに限定されず、熱接着層5は、アルミニウム箔基材3の一方の面の全面ではなく、接着対象(PTPの容器等)との接着部分にのみ、または接着部分およびその周辺にのみ形成されていてもよい。
【0013】
(アルミニウム箔基材)
アルミニウム箔基材3としては、一般にPTPの蓋材等に用いられているものを用いることができる。たとえばJIS H 4000:2006に規定される1N30材、8021材、8079材等の硬質材を採用することができる。
アルミニウム箔基材3の厚みは、10〜40μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。
アルミニウム箔基材3の厚みは、典型的には、全体において均一である。
【0014】
(熱接着層)
熱接着層5は、水性媒体と、前記水性媒体に分散した熱接着性樹脂と、濡れ剤とを含む水系塗料から形成された層であり、前記接着性樹脂と前記濡れ剤とを含む。
水系塗料は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、熱接着性樹脂および濡れ剤以外の他の成分を含んでもよい。水系塗料が他の成分を含む場合、熱接着層5が該他の成分を含むものとなる。
【0015】
本発明において「水性媒体」とは、典型的には、水道水、蒸留水又はイオン交換水等の一般的な水のことをいうが、水溶性又は水に分散可能な有機溶剤であって熱接着性樹脂の原料(例えば、単量体等)との反応性に乏しい有機溶剤をさらに含んでもよい。
前記有機溶剤としては、水に均一に溶解又は分散するものが好ましく、たとえばメタノール、エタノール等のアルコール等が挙げられる。
水性媒体中、有機溶剤の含有量は、熱接着性樹脂の分散性を損なわない範囲で適宜設定される。
【0016】
熱接着性樹脂としては、水性媒体に分散可能なものであれば特に限定されず、広く一般的にヒートシール剤、ホットメルト接着剤等として使用されている熱可塑性樹脂等を使用することができる。このような熱接着性樹脂としては、アニオン性、非イオン性または両性のものが知られている。アニオン性の熱接着性樹脂は、水性媒体中でアニオン性を示す官能基(例えばカルボン酸基、スルホン酸基等)を有する。非イオン性熱接着性樹脂は水性媒体中でイオン性(アニオン性またはカチオン性)を示す官能基を有さない。両性の熱接着性樹脂は、水性媒体中でアニオン性を示す官能基および水性媒体中でカチオン性を示す官能基(例えば4級アンモニウム基等)の両方を有する。
【0017】
熱接着性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリエチレン−ポリブテン混合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル重合体、アイオノマー等が挙げられる。熱接着性樹脂は、カルボン酸基、スルホン酸基、および4級アンモニウム基等の官能基のうちの一種または二種以上を有していてもよい。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸のいずれか一方または両方を示す。
アイオノマーは、比較的非極性の高分子鎖上に側鎖としてあるいは主鎖として比較的少量のイオンを含有する高分子である。ヒートシール剤として使用できるのは、熱が掛けられた時にイオンを介した結合が切れ、熱が取り除かれた際にはまたイオン結合が復活し、元の形状に戻ることを利用したものである。イオンとしては、たとえばNa
+、K
+等の金属イオン、NH
4+等が利用されるのが一般的であるが、これらに特に限定されるものではない。
【0018】
熱接着性樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
熱接着性樹脂としては、接着力とイージーピール性のバランスを向上させる観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが好ましい。
熱接着性樹脂としては、塗料安定性の観点から、アニオン性のものが好ましい。
【0019】
濡れ剤は、塗工面(アルミニウム箔基材3の表面)における水系塗料の接触角を低下させ、濡れ性を高める作用を有する成分である。
濡れ剤としては、公知のものを用いることができ、たとえば非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等のアルカンジオール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;ポリオルガノシロキサン類等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0020】
熱接着性樹脂がアニオン性である場合は、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤は好ましくなく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、たとえばアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングルコール等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、アルキルモノグリセリルエーテル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、たとえば2−ジ−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
両性性界面活性剤としては、たとえばコカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン等が挙げられる。
【0021】
濡れ剤としては、水系塗料の粘度を低くでき、熱接着層5をより均一な厚みで形成しやすい点で、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が8〜16であるものが好ましく、HLB値が11〜14であるものがより好ましい。HLB値が前記範囲内であれば、水系塗料のアルミニウム箔基材3表面の被覆性に優れる。
本発明において、HLB値は、グリフィン法により求められる値である。
濡れ剤としては、HLB値が上記の範囲内であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が特に好ましい。
【0022】
他の成分としては、特に限定するものではないが、たとえば水溶性高分子化合物(デンプン、変性デンプン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩等)、水性高分子化合物(スチレン−ブタジエン共重合体エマルション、アクリル酸エステル共重合体エマルション、尿素樹脂、スチレン−アクリル樹脂エマルション等)、離型剤、消泡剤、分散剤、有色染料、有色顔料、無機顔料(クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、合成マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、有機顔料(ポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン等のポリアルケン類、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系モノマーの重合体や共重合体類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等の各種の密実型、中空型または貫通孔型粒子等)等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0023】
熱接着層5の全固形分(100質量%)中の熱接着性樹脂の含有量は、30〜99.9質量%であり、50〜99.9質量%が好ましく、70〜99.9質量%がより好ましい。熱接着性樹脂の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、充分な熱接着力が得られやすく、上限値以下であれば、イージーピール適性がより優れる。
熱接着層5の全固形分中の熱接着性樹脂の含有量は、熱接着層5を形成する水系塗料の全固形分中の熱接着性樹脂の割合に等しい。
【0024】
熱接着層5の全固形分(100質量%)中の濡れ剤の含有量は、0.1〜20質量%であり、0.5〜15質量%が好ましく、1.0〜10質量%がより好ましい。濡れ剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、水系塗料のアルミニウム箔基材3表面への被覆性が良好となり、また、イージーピール適性がより優れたものとなる。濡れ剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、水系塗料の塗工適性が良好である。
熱接着層5の全固形分中の濡れ剤の含有量は、熱接着層5を形成する水系塗料の全固形分中の濡れ剤の割合に等しい。
【0025】
熱接着層5の単位面積当たりの固形分量(水系塗料の乾燥塗布量)は、0.1〜20.0g/m
2であり、0.2〜15g/m
2が好ましく、0.2〜10g/m
2がより好ましい。
熱接着層5の単位面積当たりの固形分量が前記範囲の下限値以上であれば、充分な熱接着力が得られやすい。たとえばPTPの蓋材として容器に熱接着された場合、ポケット部を押し込んで被収容物を押し出す際に、蓋材が剥がれにくい。熱接着層5の単位面積当たりの固形分量が前記範囲の上限値以下であれば、イージーピール時にアルミニウム箔基材3の破壊が発生しにくい。
【0026】
熱接着層5は、アルミニウム箔基材3の一方の面上に前記水系塗料を塗布し乾燥することにより形成できる。
前記水系塗料は、たとえば、熱接着性樹脂が水性媒体に分散した水分散体(水系エマルション、水系ディスパージョン等)と、濡れ剤と、必要に応じてさらなる水性媒体、任意の他の成分等を混合することにより調製できる。
熱接着性樹脂の水分散体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂のエマルションおよび/またはアイオノマーのディスパージョンが好ましい。
水系塗料の固形分濃度は、塗布可能な範囲で適宜設定でき、たとえば5〜75質量%が好ましい。
【0027】
水系塗料の塗布方法としては、特に限定されず、各種公知の湿式塗布法を利用して行うことができる。たとえばトランスファーロールコーター(シムサイザー、ゲートロールコーター等)、スプレー装置等、さらにはブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、シムサイザー、ゲートロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、ツーロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター等、さらにはフレキソ印刷機、グラビア印刷機等の印刷装置を用いて、ベタ印刷またはグリッドや網点のパターン印刷により形成することもできる。
乾燥設備については、塗布面と接触しないエアードラーヤーや赤外線ヒーター等の乾燥設備による乾燥が好ましい。
【0028】
(破裂強度)
ヒートシールシート1は、ISO2758に準じて測定される破裂強度が、40〜200kPaであることが好ましく、50〜150kPaがより好ましく、60〜130kPaがさらに好ましい。
破裂強度が200kPa以下であると、ヒートシールシート1をPTP用蓋材として用いた場合に、被収容物を取り出すためにポケット部を押し込んで蓋材を押し破るのに要する力が大きくならず、非力な人でも負担が小さい。また、力の掛け具合の調節が容易であり、力を掛けたときに被収容物を飛び出させることなく蓋材を押し破ることができる。また、取り出された被収容物への蓋材の付着、このような被収容物を服用することによる蓋材の誤飲等が生じにくい。また、蓋材を押し破るために必要な力が小さいため、蓋材を押し破る際に被収容物の変形や割れが生じにくい。特に顆粒状の薬剤を内包したカプセル剤の場合、カプセル剤の変形は押し出しに支障を来たす虞がある。
破裂強度が40kPa以上であると、イージーピールに耐え得る充分な強度を有し、剥離時にアルミニウム箔基材3の破壊が生じにくい。また、ヒートシールシート1をPTP用蓋材として用いた場合に、小さな衝撃で被収容物が押し出されにくく、PTPの取り扱いが容易になる。
ヒートシールシート1の破裂強度は、アルミニウム箔基材3の材質、アルミニウム箔基材3の厚さ、熱接着層5の単位面積当たりの固形分量等により調整できる。
【0029】
(剥離強度)
ヒートシールシート1は、下記条件で測定される剥離強度が0.06〜1.00kN/mであるであることが好ましく、0.30〜0.70kN/mがより好ましく、0.40〜0.60kN/mがさらに好ましい。剥離強度が前記上限値以下であれば、イージーピール適性に優れる。剥離強度が前記下限値以上であれば、PTPの蓋材として容器に熱接着された場合に、ポケット部を押し込んで被収容物を押し出す際に蓋材が剥がれにくい。
ヒートシールシート1の剥離強度は、熱接着層5の単位面積当たりの固形分量、熱接着層5を構成する各成分の種類や配合割合等により調整できる。
【0030】
「剥離強度の測定条件」
ヒートシールシート1の熱接着層5が設けられた側の面上にポリ塩化ビニル樹脂フィルムを重ね、熱プレス試験機により150℃、0.294MPa、1.1秒間の条件で加圧して得られる積層体を、幅15mmに断裁して試料を作製する。次いで、前記試料について、ヒートシールシート1と前記ポリ塩化ビニル樹脂フィルムの剥離強度を、JIS P 8113:2006に準じて、180°ピール法、剥離速度300mm/分の条件で測定する。
なお、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムとしては、一般的にPTP用に使用されているもの(たとえば、三菱樹脂社製のPTP用ビニホイル(登録商標)、グレードC−0471、C−0416、C−0436、C−0446等)を採用することができる。
【0031】
(製造方法)
ヒートシールシート1は、たとえば、以下の工程(α1)を有する製造方法により製造できる。
(α1)アルミニウム箔基材3の一方の面上に、水性媒体と、前記水性媒体に分散した熱接着性樹脂と、濡れ剤とを含む水系塗料を塗布し乾燥して熱接着層5を形成し、ヒートシールシート1を得る工程。
工程(α1)は前述の手順で実施できる。
【0032】
(作用効果)
ヒートシール1にあっては、熱接着層5が、水性媒体とこれに分散した熱接着性樹脂と濡れ剤とを含む水系塗料から形成され、熱接着性樹脂および濡れ剤をそれぞれ特定の含有量で含有し、特定の単位面積当たりの固形分量を有するため、イージーピール適性に優れる。たとえば前記水系塗料による熱接着層5は、溶剤系塗料による熱接着層より成膜性が低いため、ヒートシール1を被着体(PTPの容器等)に熱接着した後、被着体から剥離する際に、穏やかに剥離でき、アルミニウム箔基材3が破れにくい。また、熱接着層5がフィルム状に剥がれることも少ない。そのため、PTP等の蓋材に適用した場合、アルミニウム箔基材3の破片や熱接着層5が内容物を汚染するおそれが少ない。
濡れ剤は、水系塗料のアルミニウム箔基材3表面に対する濡れ性を高める。そのため、アルミニウム箔基材3の表面に均一に熱接着層5を形成でき、これを蓋材としてPTPの容器に貼り合わせたときに、全体的に均一な強度で容器と接着する。蓋材を剥離する際に破れの起点となるような、局所的に強く接着する部分が無いことで、アルミニウム箔基材3が破れにくいと考えられる。
また、ヒートシール1にあっては、アルミニウム箔基材3の厚さ等によっては、破裂強度を充分に低くして、プレススルー適性を優れたものとすることもできる。
【0033】
イージーピール適性およびプレススルー適性が共に優れている場合、ヒートシール1は、PTP用蓋材として有用である。
ただし、ヒートシール1の用途はPTP用蓋材に限定されず、PTP以外の用途、たとえばヒートシールシートを袋状に加工した包装体、ブリスターパック用蓋材、ストローを突き刺して飲用する液体容器用蓋材等の用途にも適用できる。
【0034】
以上、本発明のヒートシールシートについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、ヒートシールシート1のアルミニウム箔基材3と熱接着層5との間に他の層を有してもよい。他の層としては、たとえば印刷層、印刷適性向上層等が挙げられる。アルミニウム箔基材3と熱接着層5との間に設けられる他の層は1層でもよく2層以上でもよい。
また、アルミニウム箔基材3の熱接着層5側とは反対側の面に印刷層を有してもよい。印刷層上にさらにオーバープリント層を有してもよい。
【0035】
<PTP>
本発明のPTP(プレススルー包装体)は、容器と蓋材とを備え、前記容器が、被収容物を収容する複数のポケット部と、該複数のポケット部の開口の周囲に設けられ、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部とを備えるものであって、
前記蓋材が、本発明のヒートシールシートからなることを特徴とする。
【0036】
以下、本発明のPTPについて、添付の図面を参照し、実施形態を示して説明する。なお、以下において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2は、本発明のPTPの第一実施形態を模式的に示す断面図である。
本実施形態のPTP10は、蓋材11と、容器13とを備える。
蓋材11は、
図1に示したヒートシールシート1からなり、熱接着層5側を容器13側に向けて配置されている。
容器13は、被収容物19を収容する複数のポケット部15と、該複数のポケット部15の開口の周囲に設けられ、蓋材11と貼り合わされるフランジ部17とを備える。
フランジ部17の蓋材11側の表面は平面状であり、蓋材11と密着する。
複数のポケット部15はそれぞれ、フランジ部17の蓋材11側とは反対側の表面から突出して形成されており、突出した部分の内側に、被収容物19を収容する凹部を有する。凹部は、フランジ部17の蓋材11側の表面に開口し、該開口が蓋材11で封止されることにより、被収容物19を収容する空間が形成されている。
【0037】
(蓋材)
蓋材11を構成するヒートシールシート1は、アルミニウム箔基材3の厚みが10〜40μmであることが好ましい。アルミニウム箔基材3の厚みの上限、下限それぞれの好ましい値は前記と同様である。アルミニウム箔基材3の厚みが前記範囲の下限値以上であれば、イージーピールに耐えうる強度が得られやすく、剥離時の基材破壊が起こりにくい。アルミニウム箔基材3の厚みが前記範囲の上限値以下であれば、ヒートシールシート1の破裂強度を低く抑えることができ、PTP10のポケット部15から被収容物19を押し出すのに必要な力が少なく、プレススルー適性に優れる。
【0038】
(容器)
容器13の材質は、特に限定されず、公知の各種の素材が使用できる。たとえばポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂とポリ塩化ビニリデン樹脂との複合樹脂等が挙げられる。
【0039】
容器13は、たとえば、前述の素材のフィルムに複数のポケット部15を成形することにより製造できる。
前述の素材のフィルムとしては、市販のものを用いることができる。例えばポリ塩化ビニル樹脂フィルムとしては、例えば三菱樹脂社製のPTP用ビニホイル、グレードC−0471、C−0416、C−0436、C−0446等が挙げられる。ポリ塩化ビニル樹脂とポリ塩化ビニリデン樹脂との複合樹脂フィルムとしては、同じく三菱樹脂社製のPTP用ビニホイル、グレードF−9450、F−9455、F−9459、F−9460、F−9259等が挙げられる。
ポケット部15の成形方法としては、特に限定するものではないが、たとえばプラグアシスト成形法、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、熱プレス法等が挙げられる。
【0040】
PTP10において、蓋材11と容器13のフランジ部17とは、蓋材11を容器13からイージーピール方式で剥離できるように貼り合わされることが好ましい。
蓋材11を容器13からイージーピール方式で剥離できるかどうかは、蓋材11とフランジ部17とを貼り合わせる際の熱接着条件(加熱温度、圧力、時間等)、熱接着層5を構成する熱接着性樹脂と被着体の材質との組み合わせ、濡れ剤の種類や含有量、熱接着層5の単位面積当たりの固形分量等により調整できる。
PTP10においては、蓋材11をイージーピール方式で剥離したときに、典型的には、
図3に示すように、蓋材11とフランジ部17とが接触していた部分で、熱接着層5の層間剥離が生じ、アルミニウム箔基材3側およびフランジ部17側の双方に熱接着層5が残留した状態になる。
【0041】
蓋材11と容器13との剥離強度は、特に限定しないが、たとえば下記の剥離強度が、0.06〜1.00kN/mであることが好ましく、0.30〜0.70kN/mがより好ましく、0.40〜0.60kN/mがさらに好ましい。剥離強度が前記範囲の下限値以上であれば、ポケット部15を押し込んで被収容物19を取り出す際に蓋材11が剥離しにくい。剥離強度が前記範囲の上限値以下であれば、イージーピール方式での剥離時に基材破壊を来たさずに剥離できる。
剥離強度:引張試験機(たとえば、テンシロンRTC−1250A、オリエンテック社製)を用いて、JIS P 8113:2006に準じて、幅15mmに断裁したPTP10の蓋材11、容器13それぞれの端部をチャッキングして180°ピール法で剥離速度300mm/分にて測定した剥離強度。
【0042】
(製造方法)
PTP10は、たとえば、容器13のポケット部15に被収容物19を収容し、該容器13に、蓋材11を、ポケット部15の開口を封止するように重ねて熱接着することにより製造できる。熱圧着条件としては、特に限定されない。
被収容物19としては、特に限定されず、たとえば錠剤、坐剤、カプセル剤等の薬剤、菓子(飴、チョコレート等)等の食品、化粧品等が挙げられる。
【0043】
(作用効果)
従来、アルミニウム箔を基材とするヒートシールシートでは、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを両立することは難しかった。
PTP10にあっては、蓋材11がヒートシール1からなるため、優れたイージーピール適性とプレススルー適性とを両立できる。たとえば容器13から蓋材11を剥離する際に、アルミニウム箔基材3の破壊や部分的な容器側への残留が発生しにくい。また、充分に少ない力でポケット部15を押し込んで蓋材11を破断させ、被収容物19を取り出すことができる。
したがって、PTP10は、実用上極めて有用なものである。
【0044】
以上、本発明のPTPについて、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
たとえば、蓋材11を構成するヒートシールシートは、本発明のヒートシールシートであればよく、ヒートシールシート1に限定されない。
また、容器13の少なくとも片面に印刷層を有してもよい。印刷層上にさらにオーバープリント層を有してもよい。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【0046】
<実施例1>
[水系塗料の調製]
水150質量部、熱接着性樹脂水系エマルションとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション(商品名:EA−H700、東洋インキ社製、固形分濃度50%;以下「EA−H700」という。)100質量部、濡れ剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:メイカサーフS−28、明成化学工業社製、HLB値13、固形分濃度20%;以下「S−28」という。)3.75質量部を混合撹拌して水系塗料を調製した。
【0047】
[ヒートシールシートの製造]
市販の厚み20μmのアルミニウム箔(硬質箔)の片面に、上記で得られた水系塗料を、バーコーターを用いて、乾燥後の塗布量(熱接着層の単位面積当たりの固形分量)が0.5g/m
2となるように塗布および乾燥して熱接着層を形成し、ヒートシールシートを得た。
【0048】
[PTPの製造]
以下の容器を用意し、上記で得られたヒートシールシートを蓋材として用いて以下の手順でPTPを製造した。
容器:直径10mm、深さ5mmのポケット部が12個(6個×2列)設けられた、厚さ250μmのポリ塩化ビニル樹脂フィルム製のPTP用容器。
上記容器のポケット部に薬剤(市販の錠剤タイプの風邪薬、錠剤の直径9.5mm、厚さ4mm)を入れ、蓋材を、熱接着層側の面が容器と接するように重ね、熱プレス試験機を用いて、150℃、0.294MPa、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着して、上記薬剤が封緘されたPTPを製造した。
【0049】
<実施例2>
実施例1のヒートシールシートの製造において、水系塗料の乾燥後の塗布量を5.0g/m
2とした以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0050】
<実施例3>
実施例1のヒートシールシートの製造において、水系塗料の乾燥後の塗布量を11.0g/m
2とした以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0051】
<実施例4>
水系塗料の調製において、S−28の代わりにアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:オルフィン(登録商標)E1004、日信化学工業社製、HLB値8、固形分濃度100%;以下「E1004」という。)0.75質量部を使用した以外は実施例2と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0052】
<実施例5>
水系塗料の調製において、S−28の代わりにアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:オルフィンE1030、日信化学工業社製、HLB値17、固形分濃度100%;以下「E1030」という。)0.75質量部を使用した以外は実施例2と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0053】
<実施例6>
水系塗料の調製において、S−28の代わりにアニオン性界面活性剤(2−ジ−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、商品名:ラピゾール(登録商標)B−07、日本油脂社製、固形分濃度:8.3%;以下「B−07」という。)を90質量部を使用した以外は実施例2と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0054】
<実施例7>
実施例1のヒートシールシートの製造において、水系塗料の乾燥後の塗布量を18.0g/m
2とした以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0055】
<比較例1>
実施例1のヒートシールシートの製造において、水系塗料の代わりに、熱接着性樹脂溶液であるエチレン−酢酸ビニル共重合体溶液(商品名:TOMOFLEX(登録商標) AD−1790−15、東洋モートン社製、固形分濃度:15%;以下「AD−1790−15」という。)をそのまま溶剤系塗料として用い、これを乾燥後の塗布量が5.0g/m
2となるように塗布および乾燥した以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0056】
<比較例2>
実施例1の水系塗料の調製において、S−28を使用しなかった以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートの製造を行った。
しかし、ヒートシールシート製造時に、水系塗料がアルミニウム箔上ではじかれて塗工不可であったため、PTPの製造は行わなかった。
【0057】
<比較例3>
実施例1のヒートシールシートの製造において、水系塗料の乾燥後の塗布量を25g/m
2とした以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0058】
<比較例4>
実施例1の水系塗料の調製において、S−28の使用量を70質量部とした以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートの製造を行った。
しかし、ヒートシールシート製造時に、水系塗料の泡立ちがひどく塗工不可であったため、PTPの製造は行わなかった。
【0059】
<比較例5>
実施例1のヒートシールシートの製造において、水系塗料の乾燥後の塗布量を0.05g/m
2とした以外は実施例1と同様にしてヒートシールシートおよびPTPを順次製造した。
【0060】
表1に、実施例1〜7、比較例1〜5それぞれにおける塗料(水系塗料または溶剤系塗料)に用いた熱接着性樹脂の水系エマルションまたは溶液の種類、濡れ剤の種類と使用量(固形分での質量部)、熱接着層の全固形分中の熱接着性樹脂および濡れ剤の含有量、熱接着層の単位面積当たりの固形分量(塗料の乾燥後の塗布量)を示す。
【0061】
<評価>
実施例1〜7、比較例1〜5それぞれで得たヒートシールシート(蓋材)およびPTPについて以下の評価を行い、結果を表2に示した。
【0062】
[破裂強度の測定]
各例のヒートシールシートの破裂強度(kPa)を、破裂試験機(型式:MD200、熊谷理機工業社製)を用いて、ISO2758に準じて測定した。
【0063】
[剥離強度の測定および基材破壊の状態の評価]
各例のヒートシールシートと、容器に使用したポリ塩化ビニル樹脂フィルム(ポケット部は未成形)とを、ヒートシールシートの熱接着層側の面がポリ塩化ビニル樹脂フィルムと接するように重ねて、熱プレス試験機を用いて、150℃、0.294MPa、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着物を作成した。次に、この熱圧着物を幅15mmに断裁して、剥離強度測定用サンプルを作成した。
得られたサンプルの剥離強度(kN/m)を、引張試験機(型式:テンシロンRTC−1250A、オリエンテック社製)を用いて、JIS P 8113:2006に準じて、サンプルのポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ヒートシールシートそれぞれの端部をチャッキングして180°ピール法で剥離速度300mm/分で測定した。
また、剥離強度の測定の際、ヒートシールシートのアルミニウム箔基材の破れ(基材破壊)の状態を目視で確認し、以下の基準で評価した。
(剥離試験時の基材破壊の状態の評価基準)
○:基材破壊が起こらなかった。
△:ヒートシールシートを剥離できたが、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムにアルミニウム箔片の付着が見られた。
×:基材破壊が発生した。若しくは熱接着層がアルミニウム箔、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムどちらにも付着せず、剥離した。
【0064】
[薬剤押し出し力の測定]
各例のヒートシールシートと、あらかじめ直径10mmの孔を開けた容器用ポリ塩化ビニル樹脂フィルム(ポケットは未成形)とを、ヒートシールシートの熱接着層側の面がポリ塩化ビニル樹脂フィルムと接するように重ねて、熱プレス試験機を用いて、150℃、0.294MPa、1.1秒間の熱圧着条件で熱圧着物を作成した。
次にテクスチャーアナライザー(型式:TA−XT plus、英弘精機社製)を用いて、直径20mmの孔が開けられたポリカーボネート製の樹脂板(10cm×10cm、厚さ30mm)を、孔の中心が円柱状プローブの中心と重なるようにセットした。
次に、上記樹脂板の上に、樹脂板の孔の中心に上記熱圧着物のポリ塩化ビニル樹脂フィルムに開けられた孔の中心が来るように、またポリ塩化ビニル樹脂フィルムが上になるようにセットした。
次に、テクスチャーアナライザーの円柱状プローブの先端に薬剤(市販の錠剤タイプの風邪薬、錠剤の直径9.5mm、厚さ4mm)を貼り付け、プローブの下降速度300mm/分で下降させて、薬剤の押し出しに掛かった力に掛かった力(薬剤押し出し力)(N)を測定した。薬剤押し出し力は、プローブ先端の薬剤が熱圧着物のヒートシールシートを押し破って熱圧着物の下側に押し出されるのに要した力であり、薬剤押し出し力が小さいほど、プレススルー適性が優れる。なお、無理なく押し出せる力としては概ね18N以下程度と考えられる。
【0065】
[プレススルー適性およびイージーピール適性の官能評価]
得られたPTPについて実際に、以下の基準でプレススルー性およびイージーピール適性を官能評価した。
(プレススルー適性)
○:問題なく薬剤が押し出せた。
○’:薬剤を押し出すのにやや大きな力を要した。
△:薬剤を押し出すのに大きな力を要した。
×:蓋材が強すぎて薬剤が押し出せなかった。または、薬剤を押し出す前に蓋材が剥がれてしまった。
(イージーピール適性)
○:蓋材が問題なくイージーピールできた。
○’:蓋材が概ねイージーピールでき、薬剤取り出しに支障を来たさないものの、容器側にアルミニウム片の付着が若干見られた。
△:蓋材が概ねイージーピールでき、薬剤取り出しに支障を来たさないものの、容器側にアルミニウム片の付着が相当量見られた。
×:基材破壊が起こり、イージーピールできなかった。もしくは、熱接着層が剥離して薬剤を汚染した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
表2中、剥離強度の欄の「−」は、基材破壊が発生したため、または水系塗料が塗工不可であったため、剥離強度が測定不可であったことを示す。
【0069】
上記結果に示すとおり、実施例1〜7のヒートシールシートは、剥離試験での剥離強度が適正範囲であり、基材破壊が見られず、PTPについて行った実際の官能評価でも同様の結果であった。これらの結果から、イージーピール適性に優れることが確認できた。
熱接着層の形成状態については、実施例4〜6については、若干塗工ムラが発生し、実施例1〜3、7よりもアルミニウム箔表面のカバーリングはやや劣っていた。
なお、実施例1〜7のPTPについて、イージーピール適性の評価で蓋材を剥離した後、容器、蓋材それぞれの剥離面(ポリ塩化ビニル樹脂フィルム面、アルミニウム箔面)の赤外分光(IR)分析を行ったところ、両面からエチレン−酢酸ビニル共重合体が検出された。このことから、剥離の際に熱接着層が、
図3に示すように、容器側とアルミニウム箔側とに分かれたことが確認された。
【0070】
一方、溶剤系塗料を用いた比較例1、熱接着層の単位面積当たりの固形分量が20.0g/m
2超の比較例3のヒートシールシートは、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムとの接着強度が強すぎるため、剥離時に基材破壊を起こし、剥離強度が測定不可であった。また、薬剤の取り出しに支障を来たした。
濡れ剤を使用しなかった比較例2では、水系塗料がアルミニウム箔上ではじかれたため、塗工不可であった。
水系塗料中の濡れ剤の含有量が全固形分中20質量%超の比較例4では、水系塗料の泡立ちがひどいため、やはり塗工不可であった。
熱接着層の単位面積当たりの固形分量が0.1g/m
2未満の比較例5のヒートシールシートは、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムとの接着強度が弱く、薬剤の取り出しに蓋材が剥がれてしまい、ヒートシールシートとしての性能が不充分であった。