(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記録パケット選択部は、前記パケット収集部が収集したパケットと指定のパターンとの一致または不一致を判定して記録するパケットを選択する1つ以上のフィルタの組合せで構成される、請求項3〜5のいずれかに記載の通信装置。
前記計数パケット選択部は、前記パケット収集部が収集したパケットと指定のパターンとの一致または不一致を判定して計数するパケットを選択するする1つ以上のフィルタの組合せで構成される、請求項3〜6のいずれかに記載の通信装置。
前記通信制御部は、前記他の装置に前記指示情報を送信する際に、該他の装置のネットワークアドレスを設定したパケットを生成し、該パケットを該他の装置とは異なる装置に送信する、請求項1〜9のいずれかに記載の通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.システム構成例
1.2.通信装置の構成例
1.3.ネットワーク監視機能実行時のシステム動作例
1.4.通信装置の動作例
2.ハードウェア構成例
3.まとめ
【0014】
<1.本開示の一実施形態>
[1.1.システム構成例]
(第1の構成例)
まず、図面を参照しながら本開示の実施の形態について説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例を示す説明図である。以下、
図1を用いて本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例について説明する。
【0015】
図1に示した映像編集システムは、制御装置1と、入力装置2a、2b、2cと、記録装置3と、編集装置4と、表示装置5a、5bと、出力装置6と、を含んで構成される。制御装置1と、入力装置2a、2b、2cと、記録装置3と、編集装置4と、表示装置5a、5bと、出力装置6とは、ネットワークスイッチ群10を介してネットワークに接続されている。
【0016】
制御装置1は、各装置間の通信フローの経路を設定する装置である。
図1には、入力装置2aから表示装置5a及び編集装置4へ送信されるフローa、入力装置2bから記録装置3へ送信されるフローb、入力装置2cから編集装置4へ送信されるフローc、編集装置4から表示装置5bへ送信されるフローd、編集装置4から出力装置6へ送信されるフローeの5つの通信フローが、制御装置1によって設定された状態が例示されている。
【0017】
入力装置2a、2b、2c、記録装置3、編集装置4、表示装置5a、5b、出力装置6は、いずれもSDI(Serial Digital Interface)信号を処理する機能を有する。そして入力装置2a、2b、2c、記録装置3、編集装置4、表示装置5a、5b、出力装置6は、いずれも、SDI信号とIP(Internet Protocol)信号とを相互に変換するSDI−IP変換部11と、ネットワークに流れるIP信号の状態を監視する監視部12と、を含んでいる。監視部12は、SDI−IP変換部11と、ネットワークスイッチ群10とがやり取りする全てのフローを監視対象としている。
【0018】
図1に示した映像編集システムは、信号のリアルタイム処理が求められる。従って、上記の通信フローの通信プロトコルには、UDP(User Datagram Protocol)やRTP(Real−time Transport Protocol)が用いられる。通信プロトコルにUDPやRTPを用いると、TCP(Transmission Control Protocol)と異なり、パケットエラーによる映像品質の劣化を避けるため、装置や経路の冗長設計や、誤り訂正機能の実装が求められる。冗長化させた装置や経路、また誤り訂正機能が有効に機能することで映像品質の劣化に至らなくても、個々の通信フローにどの程度の誤りがどの箇所で発生しているかどうかを常に監視して、冗長設計や誤り訂正機能が有効に働く範囲にあることを維持することが求められる。
【0019】
図1では、編集装置4の監視部12が、自装置の送受信フローを監視対象に設定し、その送受信フローに関係する各装置の監視部12をリモートで設定する様子を破線で図示している。すなわち、編集装置4に関係する通信フローはa、c、d、eであるので、
図1では、編集装置4の監視部12が、入力装置2a、2c、表示装置5b、出力装置6の監視部12をリモートで設定している様子が
図1に示されている。
【0020】
図1に示した例では、編集装置4は、自装置の監視部12で通信フローaと通信フローcの受信状態の監視を実行し、通信フローaの送信元である入力装置2aの監視部12に対し、通信フローaの送信状態を監視するようにリモートで設定している。同様に、通信フローcについては入力装置2cの監視部12へ通信フロー
cの送信状態を監視するようにリモートで設定し、通信フローdについては表示装置5bの監視部12へ通信フローdの受信状態を監視するようにリモートで設定し、通信フローeについては出力装置6の監視部12へ通信フローeの
受信状態を監視するようにリモートで設定している。
【0021】
フローaについて注目すると、入力装置2aで送信状態を監視し、編集装置4で受信状態を監視していることになる。この入力装置2aの監視部12と編集装置4の監視部12に設定する項目は、監視対象とするフローaのネットワークアドレス情報を始めとして、共通する内容が少なくない。
【0022】
監視部12は、監視動作としてパケットデータの記録動作を実行する。監視部12が実行するパケットデータ記録動作は、監視部12に設定される項目の内容に依存する。このような項目の内容としては、例えば定期的に記録及び解析を実行する、特定の開始条件を満足した場合に記録(上書き記録)を開始する、特定の停止条件を満足した場合に記録(上書き記録)を停止する、などの設定である。
【0023】
なお上述しなかった通信フローbについては、入力装置2bと記録装置3との間で、同様に監視部12の間でリモート設定が行われることで、同様に監視対象とすることが出来る。
【0024】
以上により、本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、SDI信号の処理機能を有するすべての装置に、リモート制御が可能な監視部12を実装することで、同一の通信フローを複数の場所で同時に監視することが出来る。同一の通信フローを複数の場所で同時に監視することで、本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、障害発生時の原因特定だけでなく、障害警告を発生する場合に効果を発揮することが出来る。
【0025】
図2は、
図1に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムでパケットエラーが検出された場合の動作を説明するための説明図である。以下では、入力装置2cから編集装置4への通信フローcにおいて、編集装置4の監視部12がパケットエラーを検出した場合の動作を説明する。
【0026】
編集装置4の監視部12は、通信フローcにおいてパケットエラーを検出すると、入力装置2cの監視部12に対し、
図2の破線のように、通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定する。入力装置2cの監視部12が編集装置4の監視部12から通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定されると、以降は編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが、通信フローcを同時に監視する。
【0027】
編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが通信フローcを同時に監視することで、編集装置4の監視部12で検出したパケットエラーに該当するパケットが、実際に入力装置2cから送出されていたのかどうかの判定が可能になる。編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが通信フローcを同時に監視することが、障害発生時の原因特定作業の一助となる。
【0028】
なお上述の説明では、通信フローcの送出元の入力装置2cに対し、監視部12に設定する必要がある項目は編集装置4の監視部12からリモートで設定するが、監視動作の実行までは編集装置4の監視部12からリモートで指示しないことを前提としている。そして、編集装置4の監視部12でパケットエラーを検出すると、編集装置4の監視部12から入力装置2cの監視部12へ監視動作の実行をリモートで指示するものとする。
【0029】
入力装置2cの監視部12へは異なる動作設定も可能である。例えば、装置間の通信フローの経路設定が変更される時点でパケットエラーが集中する傾向があるか否かを確認するのであれば、経路設定変更を支持するパケットの受信を開始条件として、複数の装置で同時に監視を実行することができる。
【0030】
(第2の構成例)
映像編集システムの別の例を示す。
図3は、本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例を示す説明図である。以下、
図3を用いて本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例について説明する。
【0031】
図3に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、
図1に示した映像編集システムに加え、監視用途の専用装置として監視装置7が設けられたものである。監視装置7には、SDI信号の処理機能を有する他の装置と同様に、監視部12が含まれている。
【0032】
図3に示したように、監視用途の専用装置として監視装置7が映像編集システムに設けられる場合は、SDI信号の処理機能を有する他の全ての装置に対し、監視部12をリモートで設定する。なお、設定の際に必要となる各通信フローの経路情報は制御装置1から取得する。
図3では、各通信フローは
図1と同様に制御装置1によって設定されたものとする。
【0033】
図3のように構成される映像編集システムにおいて、
図2と同様に、編集装置4の監視部12が通信フローcにパケットエラーを検出した場合の動作を説明する。
図4は、
図3に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムでパケットエラーが検出された場合の動作を説明するための説明図である。以下では、入力装置2cから編集装置4への通信フローcにおいて、編集装置4の監視部12がパケットエラーを検出した場合の動作を説明する。
【0034】
編集装置4の監視部12は、通信フローcにおいてパケットエラーを検出すると、入力装置2cの監視部12に対し、
図4の破線のように、通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定する。入力装置2cの監視部12が編集装置4の監視部12から通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定されると、以降は編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが、通信フローcを同時に監視する。
【0035】
図4に示した例では、編集装置4の監視部12が入力装置2cの監視部12へ直接リモートで設定していたが、編集装置4の監視部12は、監視装置7を経由して、入力装置2cの監視部12へ直接リモートで設定してもよい。
【0036】
図5は、
図3に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムでパケットエラーが検出された場合の動作を説明するための説明図である。以下では、入力装置2cから編集装置4への通信フローcにおいて、編集装置4の監視部12がパケットエラーを検出した場合の動作を説明する。
【0037】
編集装置4の監視部12は、通信フローcにおいてパケットエラーを検出すると、監視装置7の監視部12に対し、
図5の破線のように、通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定する。監視装置7の監視部12は、編集装置4の監視部12からの設定を受信すると、入力装置2cの監視部12に対し、
図5の破線のように、通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定する。入力装置2cの監視部12が監視装置7の監視部12から通信フローcの監視を実行するようにリモートで設定されると、以降は編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが、通信フローcを同時に監視する。
【0038】
このように、編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが通信フローcを同時に監視することで、編集装置4の監視部12で検出したパケットエラーに該当するパケットが、実際に入力装置2cから送出されていたのかどうかの判定が可能になる。編集装置4の監視部12と入力装置2cの監視部12とが通信フローcを同時に監視することが、障害発生時の原因特定作業の一助となる。また
図3に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、編集装置4の監視部12及び入力装置2cの監視部12で得られたパケットデータを、監視装置7の監視部12に送信することで、監視装置7で一括して監視結果に対する処理が可能となる。
【0039】
(第3の構成例)
映像編集システムの別の例を示す。
図6は、本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例を示す説明図である。以下、
図6を用いて本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例について説明する。
【0040】
図6に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、
図3に示した映像編集システムにおいて、ネットワーク上のある中継点20における通信フローについても監視対象としたものである。なお、ネットワーク上の中継点とは、例えば、映像編集システムが複数のネットワークスイッチで構成されている場合のスイッチ間の接続にインライン挿入されたタップのモニタポートや、ミラーリングが設定されたスイッチのポートが相当する。
【0041】
図6に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、ネットワーク上のある中継点20における通信フローも各監視部12での監視対象とすることで、受信点、送信点及び中継点における通信フローの同時監視が可能になる。従って、
図6に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、障害発生時の原因特定作業がより効果的に実行できる。また
図6に示した本開示の一実施形態に係る映像編集システムは、編集装置4の監視部12及び入力装置2cの監視部12で得られたパケットデータを、監視装置7の監視部12に送信することで、監視装置7で一括して監視結果に対する処理が可能となる。
【0042】
以上、本開示の一実施形態に係る映像編集システムの構成例について説明した。続いて、本開示の一実施形態に係る映像編集システムに含まれる、監視機能を有する装置の機能構成例について説明する。
【0043】
[1.2.通信装置の機能構成例]
図7は、本開示の一実施形態に係る通信装置100の機能構成例を示す説明図である。
図7に示した通信装置100は、
図1から
図6に示した、本開示の一実施形態に係る映像編集システムに含まれる、監視機能を有する各装置の機能構成例である。以下、
図7を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100の機能構成例について説明する。
【0044】
図7に示したように、本開示の一実施形態に係る通信装置100は、ネットワークインタフェース110と、パケット収集部111と、通信制御部112と、情報処理部113と、制御情報処理部114と、制御情報生成部115と、メモリ制御部116と、メモリ117と、カウンタ制御部118と、カウンタ119と、パケットフィルタ部120と、記録情報処理部130と、記録情報通信処理部131と、を含んで構成される。
【0045】
ネットワークインタフェース110は、ネットワークスイッチ群10で構成されるネットワークと接続し、他の装置との間でデータの送受信を実行する。またネットワークインタフェース110は、レイヤ2以上のネットワーク機能を有する通信制御部112とパケットのやりとりを実行する。またネットワークインタフェース110は、ネットワークの監視の用途のため、ネットワークインタフェース110を通過する送信パケット及び受信パケットをパケット収集部111に伝送する。
【0046】
パケット収集部111は、ネットワークインタフェース110を通過する送信パケット及び受信パケットをネットワークインタフェース110から取得する。そしてパケット収集部111は、ネットワークインタフェース110から取得したパケットをパケットフィルタ部120に伝送する。
【0047】
通信制御部112は、ネットワークインタフェース110との間でパケットのやりとりを実行する。また通信制御部112は、情報処理部113、制御情報処理部114及び記録情報通信処理部131との間で情報の通信を実行する。
【0048】
情報処理部113は、通信装置100の通信サービス用のデータ、例えば映像データと音声データの処理、通信装置100の動作制御に関する情報の処理を実行する。また情報処理部113は、メモリ117の動作の制御に関する情報の生成のために、情報の処理過程で生じたログ情報やイベント情報をメモリ制御部116及びカウンタ制御部118に伝送する。
【0049】
制御情報生成部115は、例えば、図示されていないキーボード、マウス、ディスプレイ等のハードウェアや、ユーザインタフェースなどのソフトウェアによって、通信装置100でのネットワーク監視機能の動作に用いられる情報(制御情報)を生成する。
【0050】
制御情報は、例えば、通信フローを設定するための情報、パケットの記録動作条件を設定するための情報、パケットの記録情報の内容を設定するための情報、監視動作を設定するための情報、等に大きく分類される。
【0051】
通信フローを設定するための情報には、例えば、宛先及び送信
元の装置のネットワークアドレスや、通信プロトコルの情報などが含まれ得る。
【0052】
パケットの記録動作条件を設定するための情報には、例えば、メモリサイズ、上書き許可/禁止の条件、記録の開始条件、記録の停止条件、記録するパケットの情報、計数するパケットの情報、記録の周期の情報などが含まれ得る。
【0053】
パケットの記録情報の内容を設定するための情報には、例えば、パケット内での記録箇所(以下、パケットデータ表記とも称する)の情報などが含まれ得る。
【0054】
監視動作を設定するための情報には、例えば、名前を付けて保存するまたは廃棄する、自装置で解析するまたは他装置に転送する、自装置の記録情報だけを利用するまたは他装置の記録情報も利用する、リモート制御の許可/不許可、SNMP TRAP転送の許可/不許可の設定などが含まれ得る。
【0055】
上述した制御情報はあくまで一例であり、これらの情報や設定に限定されないことは言うまでもない。
【0056】
制御情報処理部114は、制御情報生成部115で生成された制御情報を基に、各処理ブロックで必要となる情報を算出し、各処理ブロックに伝達する。制御情報処理部114が制御情報をやり取りする処理ブロックは、メモリ117の書き込み動作及び読み出し動作を制御するメモリ制御部116、所定の指定パケットの送受信数をカウントするカウンタ119を制御するカウンタ制御部118、収集した送受信パケットから、メモリ117に記録するパケットデータの特定、カウントするパケットの特定、メモリ117を制御するメモリ制御用データを生成するパケットフィルタ部120、記録情報であるパケットデータ及びカウント値を収集し、その記録情報を整理する記録情報処理部130、及び、記録情報であるパケットデータ及びカウント値を他の装置へ通信する記録情報通信処理部131である。
【0057】
例えば、制御情報の1つにメモリサイズの情報が含まれていれば、制御情報処理部114は、そのメモリサイズの情報を基に、実際に利用するメモリアドレスの値を算出し、メモリ制御部116のメモリアドレス値を保持するレジスタに書き込む処理を行なう。
【0058】
また、制御情報処理部114は、制御情報生成部115で生成された制御情報を確定する機能及び通信制御部112を経由して他の装置に制御情報を伝送する機能を有する。
【0059】
メモリ制御部116は、メモリ117の書き込み動作及び読み出し動作を、制御情報処理部114から送られた情報に基づいて制御する。メモリ制御部116は、制御情報処理部114から送られた情報に基づいて、パケットを記録するメモリ117のサイズ及びアドレスを設定し、パケットをメモリ117に記録したり、メモリ117に記録したパケットを読みだしたりする。メモリ制御部116は、例えばパケットエラーが検出された場合に、メモリ117からパケットを読み出して記録情報処理部130に送る。
【0060】
カウンタ制御部118は、所定の指定パケットの送受信数をカウントするカウンタ119を、制御情報処理部114から送られた情報に基づいて制御する。カウンタ制御部118は、例えばパケットエラーが検出された場合に、カウンタ119がカウントしたカウント値を読み出して記録情報処理部130に送る。
【0061】
パケットフィルタ部120は、パケット収集部111が収集した送受信パケットから、メモリ117に記録するパケットデータの特定、カウントするパケットの特定、メモリ117を制御するメモリ制御用データを、制御情報処理部114から送られた情報に基づいて生成する。パケットフィルタ部120の構成例については後に詳述する。
【0062】
記録情報処理部130は、記録情報であるパケットデータ及びカウント値をメモリ制御部116及びカウンタ制御部118から収集し、その記録情報を、制御情報処理部114から送られた情報に基づいて整理する。例えば記録情報処理部130は、メモリ制御部116及びカウンタ制御部118から収集した記録情報について、発生順序を整理する。
【0063】
記録情報通信処理部131は、記録情報処理部130が整理した、記録情報であるパケットデータ及びカウント値を他の装置へ通信すると共に、図示されていないキーボード、マウス、ディスプレイ等のハードウェアや、ユーザインタフェースなどのソフトウェアによって、記録情報処理部130によって整理された記録情報を出力する機能を有する。
【0064】
図7に示した通信装置100の構成の内、情報処理部113が、
図1から
図6に示した各装置におけるSDI−IP変換部11に相当する。従って情報処理部113は、SDI信号とIP信号とを相互に変換する機能を有する。また
図7に示した通信装置100の構成の内、情報処理部113を除いたものが
図1から
図6に示した各装置における監視部12に相当する。
【0065】
本開示の一実施形態に係る通信装置100は、
図7に示したような構成を有することで、他の装置と連携した、より効果的なネットワーク監視機能を実現することが出来る。
【0066】
以上、
図7を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100の機能構成例について説明した。続いて、本開示の一実施形態に係る通信装置100に含まれるパケットフィルタ部120の機能構成例について説明する。
【0067】
図8は、本開示の一実施形態に係る通信装置100に含まれるパケットフィルタ部120の機能構成例を示す説明図である。以下、
図8を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100に含まれるパケットフィルタ部120の機能構成例について説明する。
【0068】
図8に示したように、パケットフィルタ部120は、パケットフィルタ121、122、123、124を含んで構成される。パケットフィルタ121は、カウンタ119でカウントするパケットを選別するためのフィルタである。パケットフィルタ121は、指定された所定のパターンを有する、または有しないパケットをカウントする場合、制御情報処理部114によって、そのパターン及びパターンとの一致/不一致が設定される。
【0069】
パケットフィルタ122、123、124は、メモリ117への記録に関係するパケットを選別するためのフィルタである。例えば、パケットフィルタ122は、メモリ117に記録するパケットを選別するためのフィルタであり、パケットフィルタ123は、メモリ117への記録開始のトリガとなるトリガパケットを選別するためのフィルタであり、パケットフィルタ124は、メモリ117への記録停止のトリガとなるトリガパケットを選別するためのフィルタであるとする。指定された所定のパターンを有する、または有しないパケットを選別する場合、パケットフィルタ122、123、124も、パケットフィルタ121と同様に、制御情報処理部114によって、パターン及びパターンとの一致/不一致が設定される。
【0070】
図8には、4つのパケットフィルタ121、122、123、124がパケットフィルタ部120に含まれている構成を示しているが、本開示は係る例に限定されるものではない。パケットフィルタ部120は、メモリ117に記録するパケットの種類や、カウンタ119の数に応じて、多段構成としたり、数を異ならせたりしたパケットフィルタの構成を有していてもよい。
【0071】
例えばパケットフィルタ部120は、指定された所定のパターンとの一致または不一致の条件を、複数、同時に有効にするようなパケットフィルタの構成を有していてもよい。また例えば、カウンタ119でカウントするパケットを選別するパケットフィルタ121を複数の独立したパケットフィルタで構成した場合、複数の異なる通信フローにおける送信パケットと受信パケットとを、カウンタ119で同時にカウントすることが出来るので、各通信フローでのスループットの観測がより効果的に行える効果がある。
【0072】
以上、
図8を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100に含まれるパケットフィルタ部120の機能構成例について説明した。続いて、本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いたネットワーク監視機能実行時のシステム動作例を説明する。
【0073】
[1.3.ネットワーク監視機能実行時のシステム動作例]
図9は、本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いたネットワーク監視機能実行時のシステム動作例を説明する説明図である。
図9には、2つの通信装置100を用いてネットワーク監視機能を実行する際のシステムの構成が示されている。
図9では、2つの通信装置100を装置A、装置Bとして説明する。以下では、装置Aが生成した制御情報を装置Bに送ることで、装置Aと装置Bとで同一の条件で記録情報を収集する場合の動作例を説明する。
【0074】
なお、
図9では、装置A、装置B共に、説明に用いる機能ブロックのみを抜粋している。
【0075】
装置Aとして動作する通信装置100は、制御情報生成部115が生成した制御情報を、制御情報処理部114で確定する。制御情報処理部114は、確定した制御情報を、自装置において制御情報を必要とする各ブロックに伝送するとともに、通信制御部112、ネットワークインタフェース110を経由して、装置Bとして動作する通信装置100にも伝送する。
【0076】
装置Bとして動作する通信装置100は、装置Aとして動作する通信装置100から制御情報をネットワークインタフェース110で受信すると、通信制御部112を経由して制御情報処理部114で受信して、制御情報処理部114で制御情報を確定する。装置Bとして動作する通信装置100の制御情報処理部114は、確定した制御情報を、自装置において制御情報を必要とする各ブロックに伝送する。
【0077】
装置Aで生成された制御情報に部分的な変更が生じた場合、装置Aとして動作する通信装置100で制御情報を変更して装置Bとして動作する通信装置100へ送信する方法もあるが、装置Bとして動作する通信装置100でその変更分を作成する方法も採り得る。制御情報に部分的な変更が生じた場合とは、例えば監視対象のネットワークアドレスだけを変更し、その他の情報には変更が生じないような場合である。
【0078】
装置Aと装置Bとが、通信プロトコルにUDPとRTPを使用して映像データを通信する場合、例えば送信側装置を装置B、受信側装置を装置Aとして、同じ映像データのパケットを装置Aと装置Bとで監視する場合、両装置で設定が必要になる制御情報の多くが共通することになる。制御情報は、上述したように、多岐にわたる多くの情報で構成される。本開示の一実施形態に係る通信装置100は、この多岐にわたる多くの情報で構成される制御情報を、簡単な手順で他の通信装置に設定する事が可能になる。
【0079】
図10は、本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いたネットワーク監視機能実行時のシステム動作例を説明する説明図である。
図10には、3つの通信装置100を用いてネットワーク監視機能を実行する際のシステムの構成が示されている。
図10では、データを送受信する通信装置100を装置A、装置Bとして、また制御情報を生成する通信装置100を制御装置として説明する。以下では、制御装置が生成した制御情報を装置A及び装置Bに送ることで、装置Aと装置Bとで同一の条件で記録情報を収集する場合の動作例を説明する。
【0080】
なお、
図10では、装置A、装置B、制御装置のいずれについても、説明に用いる機能ブロックのみを抜粋している。
【0081】
制御装置として動作する通信装置100は、制御情報生成部115が生成した制御情報を、制御情報処理部114で確定する。制御情報処理部114は、確定した制御情報を、通信制御部112、ネットワークインタフェース110を経由して、装置Aとして動作する通信装置100及び装置Bとして動作する通信装置100に伝送する。
【0082】
制御装置で生成された制御情報に部分的な変更が生じた場合、制御装置として動作する通信装置100で制御情報を変更して、装置A、装置Bとして動作する通信装置100へ送信する方法もあるが、装置A、装置Bとして動作する通信装置100でその変更分を作成する方法も採り得る。
【0083】
図11は、本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いたネットワーク監視機能実行時のシステム動作例を説明する説明図である。
図11には、3つの通信装置100を用いてネットワーク監視機能を実行する際のシステムの構成が示されている。
図11では、データを送受信する通信装置100を装置A、装置Bとして、また制御情報を生成する通信装置100を制御装置として説明する。以下では、制御装置が生成した制御情報を装置A及び装置Bに送ることで、装置Aと装置Bとで同一の条件で記録情報を収集し、収集した記録情報を制御
装置に送信する場合の動作例を説明する。
【0084】
なお、
図11では、装置A、装置B、制御装置のいずれについても、説明に用いる機能ブロックのみを抜粋している。
【0085】
制御装置として動作する通信装置100は、制御情報生成部115が生成した制御情報を、制御情報処理部114で確定する。制御情報処理部114は、確定した制御情報を、通信制御部112、ネットワークインタフェース110を経由して、装置Aとして動作する通信装置100及び装置Bとして動作する通信装置100に伝送する。制御装置として動作する通信装置100は、装置A及び装置Bへ送信する制御情報には、収集した記録情報を制御装置へ送信する指示の情報を含める。
【0086】
そして、装置Aとして動作する通信装置100及び装置Bとして動作する通信装置100は、制御情報に基づいて収集した記録情報を、記録情報通信処理部131、通信処理部112、及びネットワークインタフェース110を通じて、制御装置として動作する通信装置100へ送信する。制御装置として動作する通信装置100は、装置Aとして動作する通信装置100及び装置Bとして動作する通信装置100から送られてきた記録情報を、ネットワークインタフェース110、通信制御部112を通じて記録情報通信処理部131で受信し、記録情報処理部130で整理する。
【0087】
図12は、本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いたネットワーク監視機能実行時のシステム動作例を説明する説明図である。
図12には、3つの通信装置100を用いてネットワーク監視機能を実行する際のシステムの構成が示されている。
図12では、データを送受信する通信装置100を装置A、装置Bとして、また制御情報を生成する通信装置100を制御装置として説明する。以下では、制御装置が生成した制御情報を装置A及び装置Bに送り、装置Aが収集した記録情報を装置Bで処理する場合の動作例を説明する。
【0088】
なお、
図12では、装置A、装置B、制御装置のいずれについても、説明に用いる機能ブロックのみを抜粋している。
【0089】
制御装置として動作する通信装置100は、制御情報生成部115が生成した制御情報を、制御情報処理部114で確定する。制御情報処理部114は、確定した制御情報を、通信制御部112、ネットワークインタフェース110を経由して、装置Aとして動作する通信装置100及び装置Bとして動作する通信装置100に伝送する。制御装置として動作する通信装置100は、装置Aへ送信する制御情報には、収集した記録情報を装置Bへ送信する指示の情報を含める。また制御装置として動作する通信装置100は、装置Bへ送信する制御情報には、装置Aが収集した記録情報を装置Bで受信する指示の情報を含める。
【0090】
そして、装置Aとして動作する通信装置100は、制御情報に基づいて収集した記録情報を、記録情報通信処理部131、通信処理部112、及びネットワークインタフェース110を通じて、装置Bとして動作する通信装置100へ送信する。装置Bとして動作する通信装置100は、装置Aとして動作する通信装置100から送られてきた記録情報を、ネットワークインタフェース110、通信制御部112を通じて記録情報通信処理部131で受信し、記録情報処理部130で整理する。
【0091】
このように本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いることで、自装置で生成した制御情報を他の装置に共有させて、同一の条件でネットワークの監視を行なうことが出来る。またこのように本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いることで、自装置で生成した制御情報を他の装置に送信し、送信先の装置で制御情報に基づいて収集された記録情報を受信したり、またさらに他の装置に転送させたりすることが出来る。
【0092】
以上、本開示の一実施形態に係る通信装置100を用いたネットワーク監視機能実行時のシステム動作例を説明した。続いて、本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例を説明する。
【0093】
[1.4.通信装置の動作例]
図13は、本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例を示す流れ図である。
図13に示したのは、通信装置100で制御情報を生成し、その生成した制御情報を他の装置に送信する際の、通信装置100の動作例である。以下、
図13を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例について説明する。
【0094】
通信装置100は、制御情報生成部115で制御情報を作成する(ステップS101)。制御情報の作成にあたっては、上述したように、キーボード、マウス、ディスプレイ等のハードウェアや、ユーザインタフェースなどのソフトウェアによって、通信装置100のネットワーク監視機能の動作に必要な情報を制御情報生成部115で生成する。
【0095】
上記ステップS101で、制御情報生成部115が制御情報を作成すると、続いて通信装置100は、作成された制御情報を制御情報処理部114で確定するとともに、確定した制御情報に基づき、通信装置100の内部の各機能ブロックに設定するための各種制御レジスタ値を制御情報処理部114で算出し、各種制御レジスタを制御情報処理部114で各機能ブロックに設定する(ステップS102)。
【0096】
上述したように、制御情報処理部114が制御情報をやり取りする処理ブロックは、メモリ制御部116、カウンタ制御部118、パケットフィルタ部120、記録情報処理部130、及び記録情報通信処理部131である。
【0097】
続いて通信装置100は、制御情報を送信することでリモート制御する対象の装置があるかどうかを、例えば制御情報処理部114で判断する(ステップS103)。リモート制御する対象の装置がなければ、通信装置100はそのまま処理を終了する。一方、リモート制御する対象の装置があれば、続いて通信装置100は、対象の装置と通信を実行し、その対象の装置がリモート制御を許諾する設定になっているかどうかを、例えば制御情報処理部114で判断する(ステップS104)。
【0098】
上記ステップS104の判断の結果、対象の装置がリモート制御を許諾する設定になっていれば、通信装置100は、その対象の装置へ向けて制御情報を制御情報処理部114、通信制御部112、ネットワークインタフェース110を通じて送信する。そして通信装置100は、その対象の装置からの応答によって、リモート制御の対象の装置で制御情報の設定が成功したことを確認する(ステップS105)。
【0099】
一方上記ステップS104の判断の結果、対象の装置がリモート制御を許諾する設定になっていなければ、通信装置100は、その対象の装置へのリモート制御の実行には、対象の装置にリモート制御を許可するよう設定する必要がある旨の情報を、例えば図示されていない表示装置へ出力する(ステップS106)。通信装置100は、対象の装置にリモート制御を許可するよう設定する必要がある旨の情報を出力することで、ユーザに対し、対象の装置の設定変更が必要であることを通知することが出来る。
【0100】
なお、リモート制御を許諾するかどうかの設定は、例えば各装置が上記ステップS101の制御情報の作成の手順の中で実行する。
【0101】
以上、通信装置100で制御情報を生成し、その生成した制御情報を他の装置に送信する際の、通信装置100の動作例について説明した。
【0102】
図14は、本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例を示す流れ図である。
図14に示したのは、メモリ制御部116で用いる、メモリ117への書き込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報が発生したことを、複数の装置で共有する際の通信装置100の動作例である。以下、
図14を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例について説明する。
【0103】
ネットワークシステム内にSNMP(Simple Network Management Protocol)マネージャ装置が存在する場合、通信装置は、情報処理過程で異常事象が発生すると、SNMPマネージャ装置宛にSNMP TRAPを送信する。
図14に示した流れ図は、このSNMP TRAPの送信機能を転用して、複数の装置で情報を共有する際の動作例である。
【0104】
メモリ制御部116が、メモリ117への書き込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報の発生を検出すると、通信装置100は、SNMPマネージャの機能が搭載された装置宛に、その情報内容が識別できるSNMP TRAPを送信する(ステップS202)。
【0105】
SNMP TRAPは、SNMPマネージャ機能を搭載した装置宛のユニキャスト通信パケットであるため、このSNMPマネージャ機能を2台の通信装置100のいずれかが搭載している場合を除き、2台の通信装置100の間で通信されることはない。そこで、SNMP TRAPを受信した装置は、制御情報に含まれるSNMP TRAP転送許可/不許可の設定項目を確認することで、SNMP TRAP転送動作の有無を決定する(ステップS203)。
【0106】
SNMP TRAPを受信した装置は、SNMP TRAP転送を許可するよう設定されている場合は、情報を共有すべき通信装置100のアドレス宛てにSNMP TRAPを複製して転送する(ステップS204)。SNMP TRAP転送を許可するよう設定されていない場合は、SNMP TRAPを受信した装置は、ステップS204の処理をスキップする。
【0107】
上述の例では、SNMPマネージャ機能を搭載した装置に送るSNMP TRAP情報が複製される場合を示したが、情報を共有すべき通信装置100のアドレス宛てに送られるSNMP TRAPは、メモリ117への書込みの開始動作と停止動作を直接指示する内容であってもよい。
【0108】
また、メモリ117への書込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報が、情報処理部113の処理に起因する場合、異常事象だけでなく正常事象に対してもSNMP TRAPが定義されてもよい。異常事象だけでなく正常事象に対してもSNMP TRAPが定義されることで、異常事象と正常事象の両方がメモリ117への書込みの開始動作と停止動作の制御に利用できるようになる。
【0109】
また、メモリ117への書込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報は、所定の異常事象及び所定の正常事象が時系列に複数発生することを条件として生成されてもよい。
【0110】
また、メモリ117への書込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報が、パケットフィルタ部120の処理に起因する場合は、この場合に対してもSNMP TRAPが定義されてもよい。パケットフィルタ部120の処理に起因する場合であっても、メモリ117への書込みの開始動作と停止動作の制御に利用できるようになる。
【0111】
なお、メモリ117への書込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報を共有すべき通信装置100が複数存在しうるネットワークシステムでは、その情報の発生原因である通信装置100を特定してSNMP TRAPを送信することができる。
【0112】
例えば、装置Aが装置Bと装置Cからの通信データを同時処理するネットワークシステムを例にすると、装置Aは、情報処理の過程で検出された事象がどの装置に関係する事象であるかを判定し、関係する装置に対してSNMP TRAPを送信する。装置Aのパケットフィルタ部120で検出された事象であれば、そのパケットのアドレス情報から、どの装置からのパケットであるかを判定し、そのパケットを送信した通信装置100に対してSNMP TRAPを送信することができる。
【0113】
以上、メモリ117への書き込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報が発生したことを、複数の装置で共有する際の通信装置100の動作例について説明した。なお、本実施形態では、SNMP TRAPによって、メモリ117への書き込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報が発生したことを複数の装置で共有していたが、本開示は係る例に限定されるものではない。メモリ117への書き込みの開始動作と停止動作の制御に関する情報が発生したことを確実に相手に伝送することが出来るプロトコルであれば、他のプロトコルも用いることが可能である。
【0114】
図15は、本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例を示す流れ図である。
図15に示したのは、パケットデータと共に記録するタイムスタンプに関する、通信装置100の動作例である。以下、
図15を用いて本開示の一実施形態に係る通信装置100の動作例について説明する。
【0115】
一般に、LANアナライザ装置がパケットを記録する場合、時刻情報として絶対時刻と相対時刻の2種類のタイムスタンプが使用できる。ここで相対時刻の定義は、記録した第1パケットの記録時刻を“0秒”とするものである。
【0116】
記録開始条件が満たされた時刻と第1パケットの発生時刻との間に要した時間は、通信装置100の情報処理動作を解析するうえで有効な情報であることが多い。相対時刻の他に絶対時刻を使用してパケットが記録され、かつ、記録開始条件を満たした時刻がログ記録として別に保存されている場合には、相対時刻と絶対時刻の両方の記録を参照することで上記情報を得ることはできる。しかしこの場合は、前者と後者で使用する時刻表現の粒度が一致していなければならない。また、時刻記録を伴わない類のイベントを記録開始条件として利用するには、このイベントに対しても発生時刻を記録するように特別に設計する必要がある。いずれにせよ、相対時刻と絶対時刻の両方の記録を比較操作する手間が発生する。
【0117】
本実施形態では、記録開始条件が満たされた時点の相対時刻を“0秒”として処理することで、上述した相対時刻と絶対時刻の両方の記録を比較操作する手間を無くす方法を提案する。
【0118】
本開示の一実施形態に係る通信装置100は、記録開始条件が満たされた時点で生成される記録開始の指示があるまで待機する(S301)。記録開始の指示があると、通信装置100は、制御情報の一部として設定される相対時刻の選択内容を確認する(S302)。
【0119】
上記ステップS302の判断の結果、制御情報の一部として設定される相対時刻の選択内容が“通常”であれば、通信装置100は、記録する第1パケットの発生まで待機し(ステップS303)、相対時刻を“0秒”にセットする(ステップS304)。
【0120】
一方、上記ステップS302の判断の結果、制御情報の一部として設定される相対時刻の選択内容が“特殊”の場合には、通信装置100は、直ちに相対時刻を“0秒”にセットする(ステップS304)。
【0121】
本開示の一実施形態に係る通信装置100は、制御情報に相対時刻の選択内容を設定し、
図15に示したような動作を実行することで、絶対時刻と相対時刻の両方の記録の参照の手間を省略させることが出来る。
【0122】
<2.ハードウェア構成例>
上記の各アルゴリズムは、例えば、
図16に示すハードウェア構成を用いて実行することが可能である。つまり、当該各アルゴリズムの処理は、コンピュータプログラムを用いて
図16に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、接触式又は非接触式のICチップ、接触式又は非接触式のICカード、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0123】
図16に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0124】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0125】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0126】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0127】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0128】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0129】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0130】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は接触又は非接触通信用のデバイス等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0131】
<3.まとめ>
以上説明したように本開示の一実施形態によれば、複数の通信装置で構成されるネットワークシステム、特に、映像データおよび音声データを処理する通信装置で構成されるネットワークシステムで、効果的にネットワークを監視する通信装置100が提供される。
【0132】
本開示の一実施形態に係る通信装置100は、ネットワーク監視機能の動作に用いられる制御情報を生成し、その制御情報に基づいてレジスタに値を設定するとともに、その制御情報を、通信フローにおける相手先の他の通信装置100に送信する。制御情報を受信した当該他の通信装置100は、自装置に適したレジスタ値を生成し、レジスタに値を設定する。
【0133】
本開示の一実施形態に係る通信装置100は、生成した制御情報を他の通信装置100に送信することで、複数の通信装置100で構成されるネットワークシステム、特に、映像データおよび音声データを処理する通信装置100で構成されるネットワークシステムで、効果的にネットワークを監視することが出来る。
【0134】
本明細書の各装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0135】
また、各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【0136】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0138】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
ネットワークへ送信するパケット及び前記ネットワークから受信したパケットを収集するパケット収集部と、
前記パケット収集部が収集したパケットを用いてパケットの記録の開始及び停止を指示する指示情報を生成する契機となるパケットが存在するか検出するパケット検出部と、
パケットの監視動作に用いる情報及び前記指示情報を含んだ制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報生成部が生成した前記制御情報を前記ネットワークに接続される他の装置に送信する通信制御部と、
を備える、通信装置。
(2)
前記制御情報生成部は、記録するパケットの情報及び計数するパケットの情報を含んだ前記制御情報を生成する、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記パケット検出部は、
前記パケット収集部が収集したパケットから記録するパケットを選択する記録パケット選択部と、
前記記録パケット選択部が選択したパケットの指定する部分を記録する記録制御部と、
前記パケット収集部が収集したパケットから計数するパケットを選択する計数パケット選択部と、
前記計数パケット選択部が選択したパケットを計数する計数制御部と、
を備える、前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(4)
前記パケット収集部が収集したパケットに関する情報を整理して出力する記録情報処理部をさらに備える、前記(3)に記載の通信装置。
(5)
前記記録情報処理部は、
前記記録制御部が記録したパケットの情報であるパケット記録情報と、前記計数制御部が計数したパケットの情報であるパケット計数情報と、他の装置で収集されたパケット記録情報とパケット計数情報とについて、発生順序を整理する、前記(4)に記載の通信装置。
(6)
前記記録パケット選択部は、前記パケット収集部が収集したパケットと指定のパターンとの一致または不一致を判定して記録するパケットを選択する1つ以上のフィルタの組合せで構成される、前記(3)〜(5)のいずれかに記載の通信装置。
(7)
前記計数パケット選択部は、前記パケット収集部が収集したパケットと指定のパターンとの一致または不一致を判定して計数するパケットを選択する1つ以上のフィルタの組合せで構成される、前記(3)〜(6)のいずれかに記載の通信装置。
(8)
前記記録制御部は、パケットの記録開始の指示の発生時点の時刻を基準時刻とする相対時刻を選択して、パケットと同時に記録する制御を行なう、前記(3)〜(7)のいずれかに記載の通信装置。
(9)
前記通信制御部は、前記他の装置に前記制御情報に基づくリモート制御の許可を確認する、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の通信装置。
(10)
前記通信制御部は、前記他の装置に前記指示情報を送信する際に、該他の装置のネットワークアドレスを設定したパケットを生成し、該パケットを該他の装置とは異なる装置に送信する、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の通信装置。
(11)
ネットワークへ送信するパケット及び前記ネットワークから受信したパケットを収集するステップと、
収集された前記パケットを用いてパケットの記録の開始及び停止を指示する指示情報を生成する契機となるパケットが存在するか検出するステップと、
パケットの監視動作に用いる情報及び前記指示情報を含んだ制御情報を生成するステップと、
生成された前記制御情報を前記ネットワークに接続される他の装置に送信するステップと、
を含む、パケット監視方法。
(12)
コンピュータに、
ネットワークへ送信するパケット及び前記ネットワークから受信したパケットを収集するステップと、
収集された前記パケットを用いてパケットの記録の開始及び停止を指示する指示情報を生成する契機となるパケットが存在するか検出するステップと、
パケットの監視動作に用いる情報及び前記指示情報を含んだ制御情報を生成するステップと、
生成された前記制御情報を前記ネットワークに接続される他の装置に送信するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。