【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2,MG3と、インバータ41,42,43と、バッテリ50と、充電器60と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
【0016】
エンジン22は、燃料タンク25からのガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
【0017】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号、例えばエンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrなどが入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
【0018】
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、前輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37Fを介して連結された駆動軸36Fが接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
【0019】
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36Fに接続されている。モータMG3は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が後輪38c,38dにデファレンシャルギヤ37Rを介して連結された駆動軸36Rに接続されている。インバータ41,42,43は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2,MG3は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42,43の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
【0020】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えばモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ44,45,46からの回転位置θm1,θm2,θm3などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42,43の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ44,45,46からのモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置θm1,θm2,θm3に基づいてモータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3を演算している。
【0021】
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
【0022】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ibなどが入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。
【0023】
充電器60は、電力ライン54に接続されており、電源プラグ61が自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで家庭用電源や工業用電源などの外部電源69に接続されているときに、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50を充電する外部充電を行なうことができるように構成されている。
【0024】
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,フラッシュメモリ72,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPを挙げることができる。また、車速センサ88からの車速Vや、モード切替スイッチ92からのスイッチ信号SWC、電源プラグ61に取り付けられて電源プラグ61が外部電源69に接続されているか否かを判定する接続スイッチ62からの接続信号SWCなどを挙げることができる。HVECU70からは、各種制御信号、例えば充電器60への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。
【0025】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、CD(Charge Depleting)モードまたはCS(Charge Sustaining)モードでハイブリッド走行(HV走行)または電動走行(EV走行)を行なう。ここで、CDモードは、CSモードに比してEV走行をより優先するモードである。HV走行は、エンジン22の運転を伴って走行するモードである。EV走行は、エンジン22の運転を伴わずに走行するモードである。
【0026】
実施例では、HVECU70は、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントでシステムオフ(システム停止)して停車しているときに、電源プラグ61が外部電源69に接続されると、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50が充電されるように充電器60を制御する。そして、システムオン(システム起動)したときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1(例えば45%,50%,55%など)よりも大きいときには、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2(例えば25%,30%,35%など)以下に至るまでは、CDモードで走行し、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2以下に至った以降は、システムオフするまでCSモードで走行する。また、システムオンしたときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1以下のときには、システムオフするまでCSモードで走行する。また、CDモードで走行している最中にモード切替スイッチ92が操作されると、CSモードで走行する。モード切替スイッチ92の操作によりCSモードとされて走行している最中に再びモード切替スイッチ92が走行されると、CDモードで走行する。
【0027】
EV走行は、通常は、以下のように駆動制御される。HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動力分配比kで駆動軸36F,36Rに出力されるようモータMG2,MG3のトルク指令Tm2*,Tm3*を設定する。駆動力分配比kは、実施例では後輪38c,38dへの分配比であり、k=0のときに前輪38a,38bに100%で後輪38c,38dに0%の分配となり、k=1のときに前輪38a,38bに0%で後輪38c,38dに100%の分配となる。トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2,MG3がトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0028】
HV走行は、通常は、以下のように駆動制御される。HVECU70は、まず、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTr*を設定する。続いて、要求トルクTr*に駆動軸36Fの回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。次に、走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて車両に要求される要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36F,36Rに出力されるようエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2,MG3のトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を設定し、エンジンECU24とモータECU40とに送信する。エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*は、要求パワーPe*をエンジン22から効率よく出力する燃費最適動作ラインにより設定される。モータMG1のトルク指令Tm1*は、エンジン22が目標回転数Ne*や目標トルクTe*で運転されるようにフィードバック制御により設定される。モータMG2,MG3のトルク指令Tm2*,Tm3*は、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動力分配比kで駆動軸36F,36Rに出力されるように設定される。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。トルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2,MG3がトルク指令Tm1*,Tm2*,Tm3*で駆動されるようインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
【0029】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。特に、CDモードで走行している最中にモード切替スイッチ92が操作されてCSモードで走行した際の駆動力分配比kの設定動作と、その後再びモード切替スイッチ92が操作されてCDモードで走行した際の駆動力分配比kの設定動作とについて説明する。
図2は、HVECU70により実行される駆動力分配比設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎や数十msec毎)に繰り返し実行される。
【0030】
駆動力分配比設定処理ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、走行性能要件による駆動力分配比kdrvを設定する(ステップS100)。この走行性能要件による駆動力分配比kdrvは、実施例では、図示しない操舵角センサからの操舵角により4輪駆動が必要であると判断されたときには操舵用に予め定められた値が設定され、降雪などにより路面がすべりやすくなっていることにより4輪駆動が必要であると判断されたときにはスリップ防止のために予め定められた値が設定され、4輪駆動が必要であるとは判断されないときには値0が設定される。
【0031】
続いて、モード切替スイッチ92の操作によりCDモードからCSモードに切り替えられたか否かを判定する(ステップS110)。モード切替スイッチ92の操作によりCDモードからCSモードに切り替えられていないときには、燃費最適となる駆動力分配比knenpiを設定する(ステップS120)。燃費最適となる駆動力分配比knenpiは、モータMG2とモータMG3との損失の和が最小となるように設定される。
図3は、モータの出力トルクとモータの損失(ロス)との関係の一例を示す特性図である。一般的に、モータは出力トルクが大きいほど損失が大きくなる。したがって、モータMG2とモータMG3とから出力すべきトルクを、モータMG2の損失とモータMG3の損失との和が最小となるように分配することにより燃費最適となる。なお、モータMG2やモータMG3が過熱などにより駆動制限を受けているときには、その範囲内でモータMG2とモータMG3との損失の和が最小となるように駆動力分配比knenpiが設定される。こうして燃費最適となる駆動力分配比knenpiが設定されると、走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうち大きい方を実行用の駆動力分配比kとして設定し(ステップS130)、本ルーチンを終了する。このように、駆動力分配比kを設定することにより、主として燃費最適となる駆動力分配比knenpiが駆動力分配比kに設定されることになるから、車両のエネルギ効率を向上させることができる。
【0032】
一方、ステップS110でモード切替スイッチ92の操作によりCDモードからCSモードに切り替えられたと判定したときには、走行性能要件による駆動力分配比kdrvを実行用の駆動力分配比kに設定し(ステップS140)、本ルーチンを終了する。このように、モード切替スイッチ92の操作によりCDモードからCSモードに切り替えられたときに走行性能要件による駆動力分配比kdrvを駆動力分配比kに設定するのは、モータMG3の過熱を抑制したり、モータMG3の冷却を促進するためである。一般的に、エンジン22と共に前輪38a,38bに動力を出力するモータMG2は、走行中は常時駆動されているため、比較的大型で熱容量も大きく、過熱抑制のための冷却装置も性能的に十分なものも取り付けられている。一方、パートタイム的に駆動されるモータMG3は、比較的小型で熱容量も小さく、過熱抑制のための冷却装置も性能的に低いものが取り付けられている場合が多い。このため、モータMG3を常時駆動すると、モータMG3の過熱が生じやすくなり、モータMG3は駆動制限が課されてしまう。しかし、実施例では、モード切替スイッチ92の操作によりCDモードからCSモードに切り替えられたときには4輪駆動が必要であると判断されたときにのみモータMG3が駆動されるから、モータMG3の過熱を抑制することができるだけでなく、モータMG3の冷却を行なうことができる。したがって、その後に、モード切替スイッチ92の操作によりCSモードからCDモードに切り替えられたときにはモータMG3の性能を十分に発揮させることができる。
【0033】
図4は、蓄電割合SOCと走行モードと駆動力分配比kの時間変化の一例を示すタイムチャートである。時間T1までのCDモードで走行しているときには、蓄電割合SOCは時間の経過と共に減少し、駆動力分配比kには走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうちの大きい方が設定される。時間T1にモード切替スイッチ92が操作されて走行モードがCDモードからCSモードに切り替えられると、蓄電割合SOCは時間の経過に拘わらずに保持され、駆動力分配比kには走行性能要件による駆動力分配比kdrvが設定される。即ち、モード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときには、4輪駆動が必要であると判断されたときにのみモータMG3を駆動するのであり、CDモードのときに比してモータMG3の駆動力割合を小さくするのである。言い換えれば、CDモードで走行しているときには、モード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときに比して、モータMG3の駆動力割合を大きくするのである。このため、モード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときには、モータMG3の駆動頻度が小さくなり、モータMG3の冷却を行なうことができる。そして、再びモード切替スイッチ92が操作されて走行モードがCSモードからCDモードに切り替えられると、蓄電割合SOCは時間の経過と共に減少し、駆動力分配比kには走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうちの大きい方が設定される。このとき、モータMG3は十分に冷却されているから、過熱による駆動制限を受けることはなく、その性能を十分に発揮することができる。この結果、車両のエネルギ効率を向上させることができる。そして、蓄電割合SOCが閾値Shv2に至った時間T3に、蓄電割合SOCが低下したことにより走行モードがCDモードからCSモードに切り替えられると、蓄電割合SOCは時間の経過に拘わらずに保持され、駆動力分配比kには走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうちの大きい方が設定される。
【0034】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、CDモードで走行しているときには、走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうちの大きい方を駆動力分配比kとして設定する。これにより、車両のエネルギ効率を向上させることができる。CDモードで走行している最中にモード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときには、走行性能要件による駆動力分配比kdrvを駆動力分配比kに設定する。即ち、モード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときには、4輪駆動が必要であると判断されたときにのみモータMG3を駆動するのであり、CDモードのときに比してモータMG3の駆動力割合を小さくするのである。これにより、モータMG3の過熱を抑制すると共にモータMG2の冷却を行なうことができる。そして、再びモード切替スイッチ92が操作されてCSモードからCDモードに切り替えられると、走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうちの大きい方を駆動力分配比kとして設定する。このとき、モータMG3は冷却されているから、過熱による駆動制限を受けることはなく、その性能を十分に発揮することができる。この結果、車両のエネルギ効率を向上させることができる。これらの結果、モータMG3の過熱を抑制しつつ、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0035】
実施例のハイブリッド自動車20では、蓄電割合SOCが低下したことにより走行モードがCDモードからCSモードに切り替えられたときには、走行性能要件による駆動力分配比kdrvと燃費最適となる駆動力分配比knenpiとのうちの大きい方を駆動力分配比kに設定するものとした。しかし、この場合、モード切替スイッチ92の操作によりCDモードからCSモードに切り替えられたときと同様に、走行性能要件による駆動力分配比kdrvを駆動力分配比kに設定するものとしてもよい。
【0036】
実施例のハイブリッド自動車20では、CDモードで走行している最中にモード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときには、走行性能要件による駆動力分配比kdrvを駆動力分配比kに設定するものとした。しかし、CDモードで走行しているときのモータMG3の駆動力割合がモード切替スイッチ92が操作されてCDモードからCSモードに切り替えられたときに比して大きければよいから、走行性能要件による駆動力分配比kdrvに加えて他の要件により駆動力分配比を設定するものとしてもよい。
【0037】
実施例のハイブリッド自動車20では、電源プラグ61を外部電源69に接続してバッテリ50を充電する充電器60を備えるものとしたが、外部電源69からの電力を非接触で受電してバッテリ50を充電する充電器を備えるものとしてもよい。
【0038】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fに接続し、モータMG3を後輪38c,38dに連結された駆動軸36Rに接続する構成とした。しかし、エンジン22とモータMG1とモータMG2とを後輪に連結された駆動軸に接続し、モータMG3を前輪に連結された駆動軸に接続する構成としてもよい。
【0039】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22とモータMG1と前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fとがプラネタリギヤ30に接続されると共に駆動軸36FにモータMG2が接続され、後輪38c,38dに連結された駆動軸36RにモータMG3が接続されるものとした。
図5の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、前輪38a,38bに連結された駆動軸36Fに変速機230を介してモータMGFを接続すると共にモータMGFの回転軸にクラッチ229を介してエンジン22を接続し、後輪38c,38dに連結された駆動軸36RにモータMGRを接続する構成としてもよい。また、前輪と後輪とのうちの一方の車輪に駆動力を出力可能なエンジンと、その一方の車輪に駆動力を出力可能な第1モータと、前輪と後輪とのうちの他方の車輪に駆動力を出力可能な第2モータと、を備える構成であれば如何なるハイブリッド自動車の構成としても構わない。
【0040】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「第1モータ」に相当し、モータMG3が「第2モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御手段」に相当し、モード切替スイッチ92が「モード切替スイッチ」に相当する。
【0041】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0042】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。