特許第6439735号(P6439735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6439735
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】運転支援用装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/09 20120101AFI20181210BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20181210BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20181210BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   B60W40/09
   G08G1/09 F
   G08G1/00 D
   G07C5/00 Z
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-81504(P2016-81504)
(22)【出願日】2016年4月14日
(65)【公開番号】特開2017-190084(P2017-190084A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2017年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大角 良太
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 雅人
【審査官】 田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−024595(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/080070(WO,A1)
【文献】 特開2001−250139(JP,A)
【文献】 特表2007−528815(JP,A)
【文献】 特開2010−228740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 − 10/30
B60W 30/00 − 50/16
G07C 1/00 − 15/00
G08G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された運転支援装置の運転支援レベルと、前記車両の位置又は時刻とを含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した車両情報を車両情報格納部に記録する車両情報記録部と
前記取得した車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転を評価する運転者評価部とを備え、
前記取得した車両情報は、前記運転支援装置が前記車両の緊急回避動作を運転支援する緊急回避機能の作動情報を含み、
前記運転者評価部は、前記運転支援レベルが高いレベルで前記運転支援装置が前記緊急回避機能を作動させた場合、前記運転支援レベルが低いレベルで前記運転支援装置が前記緊急回避機能を作動させた場合に比べて、前記運転者の運転の評価を下げる度合を小さくする、運転支援用装置。
【請求項2】
車両に搭載された運転支援装置の運転支援レベルと、前記車両の位置又は時刻とを含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した車両情報を車両情報格納部に記録する車両情報記録部と
前記取得した車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転を評価する運転者評価部とを備え、
前記運転者評価部は、前記運転支援レベルが所定値以上の高いレベルで前記運転支援装置が前記車両を運転支援する時間が長い場合、当該時間が短い場合に比べて、前記運転者の運転を高く評価する、運転支援用装置。
【請求項3】
車両に搭載された運転支援装置の運転支援レベルと、前記車両の位置又は時刻とを含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した車両情報を車両情報格納部に記録する車両情報記録部と
前記取得した車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転を評価する運転者評価部とを備え、
前記取得した車両情報は、前記車両の運転者の運転操作情報を含み、
前記運転支援レベルが、前記運転者の運転操作が必要なレベルである場合において、
前記運転者評価部は、前記運転者の運転操作があるとき、前記運転者の運転操作がないときに比べて、前記運転者の運転を高く評価する、運転支援用装置。
【請求項4】
前記運転支援レベルが、前記運転者の運転操作が不要なレベルである場合において、
前記運転者評価部は、前記運転者の運転操作がないとき、前記運転者の運転操作があるときに比べて、前記運転者の運転を高く評価する、請求項3に記載の運転支援用装置。
【請求項5】
車両に搭載された運転支援装置の運転支援レベルと、前記車両の位置又は時刻とを含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した車両情報を車両情報格納部に記録する車両情報記録部と
前記取得した車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転を評価する運転者評価部とを備え、
前記取得した車両情報は、前記車両の運転者の運転操作情報を含み、
前記運転支援レベルが、前記運転者の運転操作が不要なレベルである場合において、
前記運転者評価部は、前記運転者の運転操作がないとき、前記運転者の運転操作があるときに比べて、前記運転者の運転を高く評価する、運転支援用装置。
【請求項6】
前記車両情報記録部は、前記車両の位置又は時刻と、当該位置又は当該時刻での前記運転支援レベルとを、前記車両情報格納部に記録する、請求項1から5のいずれか一項に記載の運転支援用装置。
【請求項7】
前記運転者評価部による評価結果を運転者評価格納部に記録する運転者評価記録部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の運転支援用装置。
【請求項8】
前記車両情報は、前記車両の位置、時刻及び前記運転支援レベル以外の前記車両の状況を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の運転支援用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者の安全運転レベルを判定し、安全運転レベルに応じた妥当な保険料を算出する安全運転診断システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。このシステムは、プリクラッシュセーフティ等の運転支援機能の作動頻度が高い場合、事故リスクが高いと考え、安全運転レベルが低いと判断する。
【0003】
また、運転支援レベルの情報を取得する運転支援レベル情報取得手段と、運転支援レベル情報取得手段が取得した情報に基づき、運転支援レベルに応じた運転支援を実行する運転支援実行手段とを備えた運転支援装置が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−128486号公報
【特許文献2】特開2010−948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の運転支援技術の進歩に伴って、運転支援装置が比較的高い運転支援レベルで運転支援をしている場合(例えば、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)が規定する完全自動運転をしている場合)、車両の安全性が統計上高くなることが分かってきている。運転支援装置が車両の運転を支援するレベル(運転支援レベル)が高くなるほど、車両の運転に対する運転者の寄与度は低くなる。
【0006】
しかしながら、従来の技術では、運転支援レベルが考慮されずに「運転支援機能の作動が短期間に頻繁に起こる場合は、事故リスクが高い」と一律に評価される。そのため、比較的高い運転支援レベルで運転支援している運転支援装置に車両の運転を運転者が委ねても、運転者による運転の評価が下がるおそれがある。
【0007】
運転支援装置から運転支援を受ける運転者の運転を適切に評価するためには、どのような位置又は時刻で運転支援装置がどのような運転支援レベルで運転支援したのかを把握することが重要である。
【0008】
そこで、本発明の一態様は、どのような位置又は時刻で運転支援装置がどのような運転支援レベルで運転支援したのかを把握することが可能となる、運転支援用装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一態様では、
車両に搭載された運転支援装置の運転支援レベルと、前記車両の位置又は時刻とを含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した車両情報を車両情報格納部に記録する車両情報記録部とを備え、
前記車両情報記録部は、前記車両の位置又は時刻と、当該位置又は当該時刻での前記運転支援レベルとを、前記車両情報格納部に記録する、運転支援用装置が提供される。
【0010】
本態様によれば、前記車両情報記録部は、前記車両の位置又は時刻と、当該位置又は当該時刻での前記運転支援レベルとを、前記車両情報格納部に記録する。したがって、前記車両の位置又は時刻と、当該位置又は当該時刻での前記運転支援レベルとを、前記車両情報格納部から読み出すことによって、どのような位置又は時刻で前記運転支援装置がどのような運転支援レベルで運転支援したのかを把握することができる。
【0011】
その結果、例えば、前記運転支援装置が前記車両を運転支援している場面で、前記車両の運転に対する運転者の寄与度が同じ運転支援レベルで変化しても、当該運転者が前記車両の運転にどの程度寄与しているのかを精度高く検証することが可能となる。
【0012】
本発明の他の一態様は、
前記取得した車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転を評価する運転者評価部と、
前記運転者評価部による評価結果を運転者評価格納部に記録する運転者評価記録部とを備えることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記運転者評価部は、前記取得した車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転を評価し、前記運転者評価記録部は、前記運転者評価部による評価結果を運転者評価格納部に記録する。したがって、前記運転者評価部による評価結果を前記運転者評価格納部から読み出すことで、前記運転者の評価結果を得ることができる。
【0014】
本発明の他の一態様は、
前記車両情報は、前記車両の位置、時刻及び前記運転支援レベル以外の前記車両の状況を含むことを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記車両の状況に関する車両情報自体を外部の情報提供先(例えば、運転者の評価結果を利用したサービスを提供する保険会社)に提供しなくても、運転者の評価結果を当該情報提供先に提供可能となる。したがって、前記車両の状況に関する車両情報を外部に提供することによるプライバシーの低下を抑え、プライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【0016】
ここで、「車両の状況」とは、車両の運動状況(センサ値や算出値に基づく加速度、速度等)、車両の制御状況(制御の作動指令、指令値、設定値、フラグ等)、車両の走行状況(センサ値や算出値に基づく先行車との距離、走行レーン等)、車両の操作状況(センサ値に基づくアクセル開度やブレーキ操作量等)、車両の環境状況(センサ値に基づく室内温度、室外温度、雨滴の有無等)を意味する。
【0017】
「車両に搭載された運転支援装置の運転支援レベル」は、運転者の意思又は車両の周辺環境によって時々刻々変化し得るデータであるので、車両の状況(より詳細には、車両の制御状況)に関する車両情報の一つである。
【0018】
本発明の他の一態様は、
前記取得した車両情報は、前記運転支援装置が前記車両の緊急回避動作を運転支援する緊急回避機能の作動情報を含み、
前記運転者評価部は、前記運転支援レベルが高いレベルで前記運転支援装置が前記緊急回避機能を作動させた場合、前記運転支援レベルが低いレベルで前記運転支援装置が前記緊急回避機能を作動させた場合に比べて、前記運転者の運転の評価を下げる度合を小さくする、ことを特徴とする。
【0019】
前記運転支援装置が高い運転支援レベルで前記車両を運転支援するほど、前記車両の安全性は高くなる。つまり、前記運転支援レベルが高いレベルでの前記緊急回避機能の作動は、前記運転支援装置が前記車両の安全性を高めるための動作とみなすことができる。したがって、本態様によれば、前記運転支援レベルが高いレベルでの前記緊急回避機能の作動によって、前記運転者の評価が不当に下がることを抑制することができる。
【0020】
「緊急回避機能の作動情報」は、緊急回避機能の作動があるか否かを知らせるための情報であるので、車両の状況(より詳細には、車両の制御状況)に関する車両情報の一つである。
【0021】
本発明の他の一態様は、
前記運転者評価部は、前記運転支援レベルが所定値以上の高いレベルで前記運転支援装置が前記車両を運転支援する時間が長い場合、当該時間が短い場合に比べて、前記運転者の運転を高く評価する、ことを特徴とする。
【0022】
前記運転支援レベルが所定値以上の高いレベルで前記運転支援装置が前記車両を運転支援する場面では、前記運転者が前記車両に対する運転の権限を前記運転支援装置に移譲している時間が長いほど、前記車両の安全性が高まり易い。したがって、本態様によれば、所定値以上の高い運転支援レベルで運転支援している運転支援装置に前記車両の運転を委ねる運転者の運転を適切に評価することができる。また、本態様によれば、前記運転者の運転の評価のために前記車両の全ての情報を記録し続けなくても、前記運転者の運転を適切に評価することができる。つまり、前記運転者の運転の適切な評価に必要な情報量が膨大になることを防ぐことができ、格納部の必要容量の削減が可能となる。
【0023】
本発明の他の一態様は、
前記取得した車両情報は、前記車両の運転者の運転操作情報を含み、
前記運転者評価部は、前記運転支援レベルと前記運転操作情報とに基づいて、前記運転者の運転を評価する、ことを特徴とする。
【0024】
運転支援レベルによっては、運転者の介入操作が必要な場合と不要な場合とがある。そこで、前記運転者評価部は、前記運転支援レベルと前記運転操作情報とに基づいて、前記運転者の運転を評価することで、前記運転支援装置の運転支援への介入操作が適切か否かについて評価することができる。
【0025】
「前記車両の運転者の運転操作情報」は、前記運転者の運転操作があるか否かを知らせるための情報であるので、車両の状況(より詳細には、車両の操作状況)に関する車両情報の一つである。
【0026】
本発明の他の一態様は、
前記運転支援レベルが、前記運転者の運転操作が必要なレベルである場合において、
前記運転者評価部は、前記運転者の運転操作があるとき、前記運転者の運転操作がないときに比べて、前記運転者の運転を高く評価する、ことを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、前記運転支援装置が前記運転者の運転操作が必要な比較的低い運転支援レベルで運転支援しているときに前記運転者が運転操作をすると、前記運転者の運転が高く評価される。したがって、前記運転者が行うべき介入操作を促すことが可能になる。
【0028】
本発明の他の一態様は、
前記運転支援レベルが、前記運転者の運転操作が不要なレベルである場合において、
前記運転者評価部は、前記運転者の運転操作がないとき、前記運転者の運転操作があるときに比べて、前記運転者の運転を高く評価する、ことを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、前記運転支援装置が前記運転者の運転操作が不要な運転支援レベルで運転支援しているときに前記運転者が運転操作をしないと、前記運転者の運転が高く評価される。したがって、前記運転支援装置が前記運転者の運転操作が不要な運転支援レベルで運転支援しているときに、前記運転者が不用意に介入操作をすることを防止することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一態様によれば、どのような位置又は時刻で運転支援装置がどのような運転支援レベルで運転支援したかを把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】運転者評価システムの構成の一例を概略的に示す図である。
図2】車載制御装置のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図3】運転支援装置の運転支援レベルの一例を示す図である。
図4】運転支援装置の運転支援レベルの他の一例を示す図である。
図5】自動運転ECUのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図6】第1の実施形態に係る運転者評価システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図7】運転支援レベルと緊急制御機能の作動との関係の一例を示すタイミングチャートである。
図8】第1の実施形態に係る車載の制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】第1の実施形態に係るセンターのサーバーの動作の一例を示すフローチャートである。
図10】運転者評価システムの構成の一例を概略的に示す図である。
図11】運転者評価システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
【0033】
<運転者評価システムの実施形態>
図1は、運転者評価システム1の構成の一例を概略的に示す構成図である。運転者評価システム1は、車両に搭載された運転支援装置から運転支援を受ける運転者の運転を、当該運転支援装置の運転支援レベルを考慮して評価するシステムの一例である。運転者評価システム1は、運転者の評価結果を、保険会社などの情報提供先に提供できる。運転者評価システム1は、車両11に搭載された車載制御装置2と、センター4に配備されたサーバー3と、保険会社に配備された保険会社サーバー5とを備える。
【0034】
車載制御装置2は、複数の車両11のそれぞれに搭載されることが想定される。以下では、特に言及しない限り、任意の一つの車両に搭載された車載制御装置2について説明する。また、以下では、特に言及しない限り、自車とは、車載制御装置2が搭載された車両を表し、運転者とは、自車を運転する人を表す。車両11は、車両11の状況に関する車両情報などのプローブ情報の収集対象である。
【0035】
センター4は、車載制御装置2を搭載する車両11から離れた場所に存在する施設である。センター4に配備されたサーバー3は、車載制御装置2に無線通信回線を利用して接続可能である。サーバー3は、保険会社に配備された保険会社サーバー5に有線通信回線又は無線通信回線を利用して接続可能である。
【0036】
サーバー3は、車両情報格納部301と、運転者評価格納部302とを備える。車両情報格納部301は、車両11のそれぞれから取得した車両情報を蓄積するデータベースである。運転者評価格納部302は、車両11のそれぞれの運転者の運転についての評価結果を蓄積するデータベースである。
【0037】
サーバー3は、運転者評価格納部302に記録された各運転者の評価結果を保険会社に提供できる。保険会社サーバー5は、保険情報格納部501を備える。保険情報格納部501は、サーバー3から提供された各運転者の評価結果を蓄積するデータベースである。保険会社は、例えば、運転者の保険料の算出に当該運転者の評価結果を利用する。
【0038】
運転者の評価結果の提供先として、保険会社の他に、車両11、情報提供端末6、情報提供先車両7が挙げられる。
【0039】
車両11は、通信モジュール13と、運転支援装置12とを備える。通信モジュール13は、無線通信回線を利用してサーバー3との接続を可能にする装置である。運転支援装置12による運転支援を受ける乗員(運転者とその同乗者)は、ユーザ認証が成立した場合、運転者の評価結果を取得できる。
【0040】
情報提供端末6は、無線通信回線を利用してサーバー3との接続が可能な装置の一例であり、ユーザ認証が成立した場合に運転者の評価結果を表示可能なディスプレイを備える。情報提供端末6の具体例として、スマートフォン、タブレット端末などが挙げられる。
【0041】
情報提供先車両7は、通信モジュール8と、ECU(Electronic Control Unit)9と、ナビゲーション装置10とを備える。通信モジュール8は、無線通信回線を利用してサーバー3との接続を可能にする装置の一例である。ナビゲーション装置10は、ユーザ認証が成立した場合に運転者の評価結果を表示可能なディスプレイを備える。
【0042】
図2は、車載制御装置2のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。車載制御装置2は、通信モジュール13と、運転支援装置12とを備える。
【0043】
通信モジュール13は、運転支援装置12の自動運転ECU40と上述のセンター4のサーバー3とを無線通信回線を介して接続するための通信機の一例である。通信モジュール13は、例えば携帯電話における無線通信回線を利用して無線通信可能な送受信部である。
【0044】
運転支援装置12は、自車の運転支援を行う。運転支援装置12は、自動運転スイッチ14、GPS受信機15、車速センサ16、ヨーレートセンサ17、カメラ18、ミリ波レーダ19、ライダー20、時計21、スピーカ22、アクセルペダルセンサ23、ブレーキペダルセンサ24、操舵角センサ25、スロットルアクチュエータ26、ブレーキアクチュエータ27、ステアリングアクチュエータ28、自動運転情報DB29、ディスプレイ30、車車間通信装置31、路車間通信装置32、自動運転ECU40を備える。
【0045】
自動運転スイッチ14は、運転者により操作されることで運転者の自車両に対する運転支援の要求レベルを自動運転ECU40に出力するスイッチである。自動運転スイッチ14は、運転支援の要求レベルとして、例えばレベル0〜4の5段階の要求レベルのいずれかを出力する。
【0046】
図3は、運転支援装置12の運転支援レベルの一例を示す図であり、NHTSAの自動化のレベルの定義の概略を示す。自動運転スイッチ14は、図3に示される運転支援の要求内容に応じたレベル0〜4の要求レベルのいずれかを出力する。レベルの数値が高いほど、運転支援レベルは高い。運転支援レベルは、自動運転の自動化レベルを表す。運転支援レベルが上がるほど、自動運転の自動化レベルも上がる。運転支援レベルは、レベル0〜レベル4まで段階的に上がる。レベル0は、運転操作の支援が無い状態を表す。
【0047】
図4は、運転支援装置12の運転支援レベルの他の一例を示す図である。上記同様に、自動運転スイッチ14は、図4に示される運転支援の要求内容に応じたレベル0〜4の要求レベルのいずれかを出力する。
【0048】
なお、自動運転スイッチ14から出力される要求レベルは、運転者が自車に対して要求するレベルである。運転支援装置12の運転支援レベルは、自動運転スイッチ14からの要求レベルや自車の状況などの検出結果に応じて、自動運転ECU40によって最終的に決定される。運転支援装置12は、自動運転ECU40により決定された運転支援レベルに応じた運転支援内容で自車の運転を支援する。
【0049】
図2において、GPS(Global Positioning System)受信機15は、GPS衛星からの電波に基づいて、自車の現在位置を検出する車両位置検出手段の一例である。
【0050】
車速センサ16は、自車の速度を検出する車速検出手段の一例である。
【0051】
ヨーレートセンサ17は、自車のヨーレートを検出するヨーレート検出手段の一例である。
【0052】
カメラ18は、自車の前方を含む周囲の画像を取得する画像取得手段(画像検出手段)の一例である。カメラ18は、自車の運転者の画像を取得してもよい。
【0053】
ミリ波レーダ19は、自車の周囲に存在する物体(例えば、先行車や障害物など)と自車との距離をミリ波の送信によって検出する距離検出手段の一例である。
【0054】
ライダー(LIDER:Light Detection and Ranging)20は、自車両の周囲に存在する物体(例えば、先行車や障害物など)の三次元位置を検出する三次元位置検出手段の一例である。
【0055】
時計21は、現在時刻の情報を出力する時刻情報出力手段(時刻検出手段)の一例である。
【0056】
スピーカ22は、警報等の音を出力する音出力手段の一例である。
【0057】
アクセルペダルセンサ23は、自車の運転者により操作されるアクセルペダルの操作量を検出する加速操作検出手段の一例である。
【0058】
ブレーキペダルセンサ24は、自車の運転者により操作されるブレーキペダルの操作量を検出する制動操作検出手段の一例である。
【0059】
操舵角センサ25は、自車の運転者により操作されるステアリングの操作量を検出する操舵操作検出手段の一例である。
【0060】
スロットルアクチュエータ26は、自車の加速量を調整する加速量調整手段の一例であり、自車のエンジンのスロットルを駆動することによって自車を加速量を調整する。
【0061】
ブレーキアクチュエータ27は、自車の制動力を調整する制動力調整手段の一例である。
【0062】
ステアリングアクチュエータ28は、自車のタイヤの転舵角を調整する転舵角調整手段の一例である。
【0063】
自動運転情報DB29は、運転支援(特に、完全自動運転)に使用される地図情報などを蓄積するデータベースであり、ダイナミックマップと称されることがある。自動運転情報DB28は、例えば、三次元の道路形状情報、道路規制情報、事故情報、気象情報などの静的又は動的な情報を蓄積する。
【0064】
ディスプレイ30は、自車の運転者等の乗員に情報を視覚的に提供する表示手段の一例である。ディスプレイ30は、運転者評価システム1の運転者評価部によって得られる運転者の評価結果を表示する。
【0065】
車車間通信装置31は、自車と他車との間で情報を無線で送受する車車間無線通信手段の一例である。
【0066】
路車間通信装置32は、自車と路側施設との間で情報を無線で送受する路車間無線通信手段の一例である。
【0067】
自動運転ECU40は、自車の運転支援(自動運転を含む)の動作を制御する電子制御装置の一例である。自動運転ECU40は、一つ又は複数のECUから構成される。自動運転ECU40が複数のECUから構成されている場合、各ECUは、例えば、CAN(Controller Area Network)等の通信回線を介して相互に接続される。また、図2は、自動運転ECU40とそれ以外の各装置とが一対一に接続されているように示しているが、自動運転ECU40と各装置がCAN等の信号線を介して接続されてもよい。また、各装置が自動運転ECU40を経由せずに相互に接続されてもよい。
【0068】
図5は、自動運転ECU40のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。自動運転ECU40は、CPU(Central Processing Unit)41と、RAM(Random Access Memory)42と、ROM(Read Only Memory)43と、接続インターフェース44とを有する。CPU41とRAM42とROM43と接続インターフェース44とは、バス45で相互に接続されている。自動運転ECU40は、例えば、CPU41、RAM42及びROM43を内蔵するマイクロコンピュータを備える。自動運転ECU40は、接続インターフェース44を介して、通信モジュール13等の装置に接続されている。
【0069】
<第1の実施形態>
図6は、第1の実施形態に係る運転者評価システム1Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。運転者評価システム1Aは、図1に示される運転者評価システム1の一例であり、車載制御装置200と、サーバー300と、保険会社サーバー500とを備える。車載制御装置200は、車載制御装置2の一例であり、サーバー300は、サーバー3の一例であり、保険会社サーバー500は、保険会社サーバー5の一例である。車載制御装置200は、運転支援用装置の一例である。
【0070】
図6において、車載制御装置200は、車両情報取得部201、車両情報記録部202、運転支援レベル判定部203、運転者評価部204、運転者評価記録部205、ACC(Adaptive Cruise Control)制御部206、LKA(Lane Keeping Assist)制御部207、PCS(Pre-Crash Safety)制御部208、RSA(Road Sign Assist)制御部209、車車間通信制御部210、路車間通信制御部211、自動運転制御部212、緊急対応制御部213を備える。これらの各機能は、ROM43(図5参照)に記憶されたプログラムをCPU41(図5参照)が実行することによって実現される。
【0071】
一方、サーバー300は、記憶制御部303と、車両情報格納部301と、運転者評価格納部302とを備える。サーバー300のハードウェア構成は、図5に示した自動運転ECU40のハードウェア構成と実質的に同一であるため、その図示については省略する。記憶制御部303は、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。車両情報格納部301は、車載制御装置200から送信された車両情報を蓄積するデータベースであり、運転者評価格納部302は、車載制御装置200を備える車両を運転する運転者の評価結果を運転者毎に蓄積するデータベースである。
【0072】
保険会社サーバー500は、記憶制御部502と、保険情報格納部501とを備える。保険会社サーバー500のハードウェア構成は、図5に示した自動運転ECU40のハードウェア構成と実質的に同一であるため、その図示については省略する。記憶制御部502は、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。保険情報格納部501は、サーバー300から提供された評価結果(運転者評価格納部302に記録された運転者毎の運転評価結果)を蓄積するデータベースである。
【0073】
車両情報取得部201は、車両に搭載された運転支援装置12の運転支援レベルと当該車両の位置又は時刻とを含む車両情報であって当該車両の状況に関する車両情報を取得する手段の一例である。車両情報取得部201は、車両の状況に関する車両情報の一つとして、運転支援装置12の運転支援レベルを取得する。車両情報取得部201は、例えば、運転支援レベル判定部203から運転支援レベルを取得する。
【0074】
運転支援レベル判定部203は、運転支援装置12の運転支援レベルを判定する手段の一例である。
【0075】
運転支援レベルの判定方法例について説明する。運転支援レベル判定部203は、ACC制御機能、LKA制御機能、PCS制御機能、RSA制御機能のいずれかが有効な状態である場合、運転支援レベルがレベル1と判定する。運転支援レベル判定部203は、ACC制御機能、LKA制御機能、PCS制御機能の全てが有効な状態である場合、運転支援レベルがレベル2と判定する。運転支援レベル判定部203は、ACC制御機能、LKA制御機能、PCS制御機能、RSA制御機能、車車間通信機能、路車間通信機能、自動運転機能の全てが有効な状態である場合、運転支援レベルがレベル3と判定する。運転支援レベル判定部203は、レベル3で挙げた各機能と緊急対応機能の全てが有効な状態である場合、運転支援レベルがレベル4と判定する。
【0076】
ここで、「制御機能が有効な状態」とは、制御機能がオンしている状態を意味し、具体的には、制御機能が実際に作動している状態又は制御機能の作動が許可されている状態を意味する。例えば、PCS制御機能が有効な状態とは、PCS制御機能による自動ブレーキが実際に作動している状態又は当該自動ブレーキの作動が許可されている状態を意味する。制御機能が有効な状態ではない状態(つまり、無効な状態)とは、制御機能の作動が禁止されている状態を意味する。
【0077】
運転支援レベル判定部203は、例えば、各制御部の制御機能が有効か無効かの状態を表す動作情報(例えば、フラグ)を参照することによって、各制御機能が有効な状態か否かを判定する。
【0078】
なお、各制御機能について以下に簡単に説明する。
【0079】
ACC制御部206により行われるACC制御機能は、あらかじめ設定した速度内で、ミリ波レーダ19(図2参照)等により適切な車間距離を保ちながら、自車を先行車に追従走行させる運転支援機能の一つである。
【0080】
LKA制御部207により行われるLKA制御機能は、カメラ18(図2参照)等により認識された車線に沿うように自車を走行させる運転支援機能の一つである。
【0081】
PCS制御部208により行われるPCS制御機能は、カメラ18等により事前に衝突を検知し、衝突に備えることによって被害の軽減を支援する運転支援機能の一つである。PCS制御機能は、自車の衝突の可能性があると判断したとき、警報をスピーカ22(図2参照)から発して運転者に対してブレーキ操作を促し、衝突が避けられないと判断したとき、自動ブレーキを作動させる。
【0082】
RSA制御部209により行われるRSA制御機能は、カメラ18により標識を認識し、その認識した標識に関する情報をディスプレイ30(図2参照)に表示させることによって運転者に知らせる運転支援機能の一つである。
【0083】
車車間通信制御部210により行われる車車間通信機能は、自車と他車との間で情報を無線で送受する制御を車車間通信装置31(図2参照)を使用して行う運転支援機能の一つである。
【0084】
路車間通信制御部211により行われる路車間通信機能は、自車と路側施設との間で情報を無線で送受する制御を路車間通信装置32(図2参照)を使用して行う運転支援機能の一つである。
【0085】
自動運転制御部212により行われる自動運転機能は、ライダー20や自動運転情報DB29(図2参照)等の情報に基づいて、正確な自車、他車、歩行者、障害物などを認識し、交通ルールを順守するように算出された走行態様で自動運転を実施する運転支援機能の一つである。
【0086】
緊急対応制御部213により行われる緊急対応機能は、緊急回避や緊急制動が必要な場合に、各緊急対応動作を行う場合のリスクを評価し、リスクが最小の緊急対応動作を自動的に行う運転支援機能の一つである。
【0087】
図6において、車両情報取得部201は、運転支援レベル判定部203による判定等により特定された運転支援レベルを周期的に取得し、取得した運転支援レベルをRAM42(図5参照)の運転支援レベル格納領域に格納する。車両情報取得部201は、運転支援レベルの前回取得値がRAM42の運転支援レベル格納領域に既に格納されている場合、RAM42の運転支援レベル格納領域に格納する運転支援レベルを前回取得値から今回取得値に更新する。
【0088】
また、車両情報取得部201は、GPS受信機15(図2参照)から自車の位置情報を周期的に取得し、取得した位置情報をRAM42の位置情報格納領域に格納する。車両情報取得部201は、位置情報の前回取得値がRAM42の位置情報格納領域に既に格納されている場合、RAM42の位置情報格納領域に格納する位置情報を前回取得値から今回取得値に更新する。
【0089】
また、車両情報取得部201は、時計21(図2参照)から時刻情報を周期的に取得し、取得した時刻情報をRAM42の時刻情報格納領域に格納する。車両情報取得部201は、時刻情報の前回取得値がRAM42の時刻情報格納領域に既に格納されている場合、RAM42の時刻情報格納領域に格納する位置情報を前回取得値から今回取得値に更新する。
【0090】
車両情報記録部202は、車両情報取得部201が取得した車両情報を車両情報格納部301に記録する手段の一例である。車両情報記録部202は、車両情報取得部201が取得した車両情報をユーザIDを付して通信モジュール13(図2参照)によってサーバー300に無線送信する。そして、車両情報記録部202は、記憶制御部303を介して、車両情報取得部201が取得した車両情報を車両情報格納部301に記録する。
【0091】
ユーザIDは、自車又は自車の運転者又は自車に搭載された車載制御装置200を特定するための識別情報である。記憶制御部303は、車両情報記録部202が無線送信した車両情報及びユーザIDを受信し、受信した車両情報を車両情報格納部301にユーザID毎に記録する。
【0092】
車両情報記録部202は、自車の位置と、当該位置での時刻と、当該位置及び当該時刻での運転支援レベルとを、車両情報格納部301に記録する。車両情報記録部202は、例えば、RAM42の各格納領域に現在格納されている情報を読み出すことによって、自車の位置と、当該位置での時刻と、当該位置及び当該時刻での運転支援レベルとを取得できる。車両情報記録部202は、このようにRAM42の各格納領域から読み出して取得した車両情報(自車の位置と、当該位置での時刻と、当該位置及び当該時刻での運転支援レベル)をユーザIDを付して通信モジュール13によってサーバー300に無線送信する。
【0093】
よって、車両情報記録部202は、RAM42の各格納領域から読み出して取得した車両情報(自車の位置と、当該位置での時刻と、当該位置及び当該時刻での運転支援レベル)を、記憶制御部303を介して、車両情報格納部301に記録できる。したがって、自車の位置と、当該位置での時刻と、当該位置及び当該時刻での運転支援レベルとを、車両情報格納部301から読み出すことによって、運転支援装置12が運転支援したときの位置、時刻及び運転支援レベルを把握可能となる。
【0094】
その結果、例えば、運転支援装置12が自車を運転支援している場面で、自車の運転に対する運転者の寄与度が同じ運転支援レベルで変化しても、当該運転者が自車の運転にどの程度寄与していたのかを精度高く検証することが可能となる。また、車両情報記録部202によれば、時刻と、当該時刻での運転支援レベルとが紐づけられて車両情報格納部301に保存される。したがって、運転支援装置12による運転支援が自車の全走行期間のうちのどの期間で実施されたのかを運転支援レベル毎に把握することが可能となる。
【0095】
例えば、時刻と、当該時刻での運転支援レベルとが車両情報格納部301から読み出されることによって、運転支援装置12による運転支援がどんな時刻で実施されたのかを運転支援レベル毎に把握することが可能になる。具体的には、運転支援装置12による運転支援が夜の時間帯に実施されたときの運転支援レベルを特定することができる。その結果、例えば、比較的高い運転支援レベルで運転支援が実施される頻度が夜の時間帯に高ければ、
運転者が昼の時間帯に比べて運転しにくい夜の時間帯で、運転支援が効果的に働いていることを検証することが可能になる。
【0096】
例えば、位置と、当該位置での運転支援レベルとが車両情報格納部301から読み出されることによって、運転支援装置12による運転支援がどんな位置で実施されたのかを運転支援レベル毎に把握することが可能になる。具体的には、運転支援装置12による運転支援が一般道で実施されたときの運転支援レベルを特定することができる。その結果、例えば、比較的高い運転支援レベルで運転支援が実施される頻度が一般道で高ければ、運転者が自動車専用道に比べて運転しにくい一般道路で、運転支援が効果的に働いていることを検証することが可能になる。
【0097】
運転者評価部204は、車両情報取得部201が取得した車両情報に基づいて、自車の運転者の運転を評価する手段の一例である。運転者評価部204は、例えば、車両情報取得部201が取得した車両情報に基づいて、所定の運転評価基準に従って、自車の運転者の運転についての評価点を算出する。評価点が高いほど、運転の評価が高いことを表す。運転者評価部204は、所定の運転評価基準に従って算出した評価点を、運転支援装置12の運転支援レベル等に応じて加点又は減点することによって補正する(詳細は後述)。補正する前の評価点の算出方法は任意でよく、様々な周知の技術が適用可能である。
【0098】
運転者評価記録部205は、運転者評価部204による評価結果を運転者評価格納部302に記録する手段の一例である。運転者評価記録部205は、運転者評価部204による評価結果をユーザIDを付して通信モジュール13(図2参照)によってサーバー300に無線送信する。そして、運転者評価記録部205は、記憶制御部303を介して、運転者評価部204による評価結果を車両情報格納部301に記録する。記憶制御部303は、運転者評価記録部205が無線送信した評価結果及びユーザIDを受信し、受信した評価結果を運転者評価格納部302にユーザID毎に記録する。
【0099】
したがって、運転者評価部204による評価結果を運転者評価格納部302から読み出すことで、保険会社サーバー500が運転者の評価結果を得ることができる。また、自車の状況に関する車両情報自体を外部の情報提供先(例えば、運転者の評価結果を利用したサービスを提供する保険会社)に提供しなくても、運転者の評価結果を当該情報提供先に提供可能となる。したがって、自車の状況に関する車両情報を外部に提供することによるプライバシーの低下を抑え、プライバシーに配慮した情報提供が可能となる。
【0100】
車両情報取得部201は、車両の状況に関する車両情報の一つとして、運転支援装置12が車両の緊急回避動作を運転支援する緊急回避機能の作動情報を取得する。上述のPCS制御機能は、緊急回避機能の一例である。
【0101】
運転者評価部204は、運転支援レベルが高いレベルで運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合、運転支援レベルが低いレベルで運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合に比べて、運転者の運転の評価を下げる度合を小さくする。
【0102】
運転支援装置12が高い運転支援レベルで自車を運転支援するほど、自車の安全性は高くなる。つまり、運転支援レベルが高いレベルでの緊急回避機能の作動は、運転支援装置12が自車の安全性を高めるための動作とみなすことができる。したがって、本態様によれば、運転支援レベルが高いレベルでの緊急回避機能の作動によって、運転者の評価が不当に下がることを抑制することができる。
【0103】
図7は、運転支援レベルと緊急制御機能の作動との関係の一例を示すタイミングチャートである。運転支援装置12は、期間T1(t1〜t4)においてレベル3の運転支援レベルで運転支援していて、期間T2(t4〜t7)においてレベル4の運転支援レベルで運転支援している。運転支援装置12は、期間T1内で緊急回避機能を期間T3(t2〜t3)作動させ、期間T2内で緊急回避機能を期間T4(t5〜t6)作動させている。
【0104】
運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4で運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合、運転支援レベルがレベル3で運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合に比べて、運転者の運転の評価を下げる度合を小さくする。
【0105】
例えば、運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4で運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合、運転者の評価点を減点しないが、運転支援レベルがレベル3で運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合、評価点を減点する。あるいは、運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4で運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合、運転支援レベルがレベル3で運転支援装置12が緊急回避機能を作動させた場合に比べて、運転者の評価点の減点数を小さくする。
【0106】
また、運転者評価部204は、運転支援レベルが所定値以上の高いレベルで運転支援装置12が自車を運転支援する時間が長い場合、当該時間が短い場合に比べて、運転者の運転を高く評価する。
【0107】
運転支援レベルが所定値以上の高いレベルで運転支援装置12が自車を運転支援する場面では、運転者が自車に対する運転の権限を運転支援装置12に移譲している時間が長いほど、自車の安全性が高まり易い。したがって、本態様によれば、所定値以上の高い運転支援レベルで運転支援している運転支援装置12に自車の運転を運転者の運転を適切に評価することができる。また、本態様によれば、自車の運転者の評価のために自車の全ての情報を記録し続けなくても、当該運転者の運転を適切に評価することができる。つまり、当該運転者の運転の適切な評価に必要な情報量が膨大になることを防ぐことができ、格納部の必要容量の削減が可能となる。
【0108】
例えば図7において、運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4で運転支援装置12が自車を運転支援する期間T2が、運転支援レベルがレベル3で運転支援装置12が自車を運転支援する期間T1よりも長い場合、運転者の運転を高く評価する。例えば、運転者評価部204は、期間T2での運転者の評価点の加点数を、期間T1での運転者の評価点の加点数よりも大きくする。
【0109】
図8は、車載制御装置2の動作の一例を示すフローチャートである。車載制御装置2は、スタートからエンドまでの処理を周期的に繰り返す。
【0110】
ステップS101にて、車両情報記録部202は、RAM42の各格納領域から現在格納されている各種車両情報を読み出して取得する。
【0111】
ステップS101にて、車両情報記録部202は、RAM42の位置情報格納領域から自車の位置情報を読み出して取得し、RAM42の時刻情報格納領域から時刻情報を読み出して取得する。
【0112】
また、ステップS101にて、車両情報記録部202は、各制御部206〜213の制御機能(運転支援機能)が有効か無効かの状態を表す動作情報を、RAM42の各動作情報格納領域から読み出して取得する。RAM42の各動作情報格納領域には、車両情報取得部201が各制御部206〜213から周期的に取得した各動作情報が格納される。車両情報取得部201は、動作情報の前回取得値がRAM42の動作情報格納領域に既に格納されている場合、RAM42の動作情報格納領域に格納する動作情報を前回取得値から今回取得値に更新する。
【0113】
また、ステップS101にて、車両情報記録部202は、RAM42の運転支援レベル格納領域から運転支援レベルを読み出して取得する。
【0114】
また、ステップS101にて、車両情報記録部202は、自車の運転者の運転操作情報を、RAM42の各運転操作情報格納領域から読み出して取得する。RAM42の各運転操作情報格納領域には、車両情報取得部201が各センサ(図2に示したブレーキペダルセンサ24等の各検出手段)から周期的に取得した各運転操作情報が格納される。車両情報取得部201は、運転操作情報の前回取得値がRAM42の運転操作情報格納領域に既に格納されている場合、RAM42の運転操作情報格納領域に格納する運転操作情報を前回取得値から今回取得値に更新する。
【0115】
ステップS104にて、車両情報記録部202は、ステップS101で取得した各種の略同一タイミングでの車両情報を、ユーザIDを付して通信モジュール13によってセンターのサーバー300に無線送信する。
【0116】
ステップS105〜S108にて、運転者評価部204は、ステップS101にて取得された運転支援レベルと運転操作情報とに基づいて、自車の運転者の運転を評価する。運転支援レベルによっては、運転者の介入操作が必要な場合と不要な場合とがある。そこで、運転者評価部204は、運転支援レベルと運転操作情報とに基づいて、運転者の運転を評価することで、運転支援装置の運転支援への介入操作が適切か否かについて評価する。図8では、レベル3が、運転支援装置の運転支援への介入操作が必要なレベルであり、レベル4が、運転支援装置の運転支援への介入操作が不要なレベルである場合を例示する。
【0117】
ステップS105にて、運転者評価部204は、ステップS101にて取得された運転支援レベルがレベル3か否かを判定する。運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル3と判定した場合、ステップS106の運転者の介入操作評価を実施し、運転支援レベルがレベル3ではないと判定した場合、ステップS107の判定処理を実施する。
【0118】
ステップS106にて、運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル3の場合の介入操作評価を実施する。運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル3の場合、ステップS101にて取得された運転操作情報に基づいて、運転者の運転操作があるとき当該運転操作がないときに比べて、運転者の運転を高く評価する。例えば、運転者評価部204は、運転者の運転操作がないとき、運転者の評価点を加点しないが、当該運転操作があるとき、評価点を加点する。あるいは、運転者評価部204は、運転者の運転操作があるとき当該運転操作がないときに比べて、運転者の評価点の加点数を大きくする。
【0119】
運転者評価部204は、例えば、「TTC(Time To Collision)が所定値以下になった場合に運転者が制動操作を実施した場合」、「操舵による回避が必要な障害物を認識した場合に、運転者が操舵操作を実施した場合」、「手動運転に切り替える旨の情報告知をした場合に、運転者が規定時間内に手動運転を実施した場合」、運転者の運転を高く評価する。なお、TTCは、先行車と自車との車間距離を相対速度で除した値である。
【0120】
このように、ステップS106によれば、運転支援装置12が運転者の運転操作が必要な比較的低い運転支援レベル(レベル3)で運転支援しているときに運転者が運転操作をすると、運転者が高く評価される。したがって、運転者が行うべき介入操作を促すことが可能になる。
【0121】
ステップS107にて、運転者評価部204は、ステップS101にて取得された運転支援レベルがレベル4か否かを判定する。運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4と判定した場合、ステップS108の運転者の介入操作評価を実施し、運転支援レベルがレベル4ではないと判定した場合、運転者の介入操作評価の実施を不要と判断する。
【0122】
ステップS108にて、運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4の場合の介入操作評価を実施する。運転者評価部204は、運転支援レベルがレベル4の場合、ステップS101にて取得された運転操作情報に基づいて、運転者の運転操作がないとき当該運転操作があるときに比べて、運転者の運転を高く評価する。例えば、運転者評価部204は、運転者の運転操作があるとき、運転者の評価点を加点しないが、当該運転操作がないとき、評価点を加点する。あるいは、運転者評価部204は、運転者の運転操作がないとき当該運転操作があるときに比べて、運転者の評価点の加点数を大きくする。
【0123】
運転者評価部204は、例えば、「TTC(Time To Collision)が所定値以下になって自動制動した場合に運転者が加速操作を実施した場合」、「操舵による回避が必要な障害物を認識した場合に、自動操舵を妨げる方向に運転者が操舵操作を実施した場合」、「手動運転に切り替える旨の情報告知をしていない場合に、運転者が手動運転切り替え操作をせずに手動運転を強引に実施した場合」、運転者の運転を低く評価する。
【0124】
このように、ステップS108によれば、運転支援装置12が運転者の運転操作が不要な運転支援レベルで運転支援しているとき、運転操作をしない運転者の運転が高く評価され、運転操作をした運転者の運転が低く評価される。したがって、運転支援装置12が運転者の運転操作が不要な運転支援レベル(レベル4)で運転支援しているときに、運転者が不用意に介入操作をすることを防止することができる。
【0125】
ステップS109にて、運転者評価記録部205は、運転者評価部204による運転者の評価結果をユーザIDを付して通信モジュール13によってサーバー300に無線送信する。なお、ステップS104で送信された各種の車両情報は、ステップS109で送信されてもよい。
【0126】
図9は、サーバー300の動作の一例を示すフローチャートである。サーバー300は、スタートからエンドまでの処理を周期的に繰り返す。
【0127】
ステップS202にて、記憶制御部303は、車両の車載制御装置200からの情報受信があるか否かを判定する。情報受信がある場合、ステップS203が実施される。
【0128】
ステップS203にて、記憶制御部303は、車載制御装置200からの各種の車両情報を車両情報格納部301に書き込む。
【0129】
ステップS204にて、記憶制御部303は、車載制御装置200からの運転者の評価結果に、前回の評価結果から更新があるか否かを判断する。更新がある場合、ステップS205が実施される。
【0130】
ステップS205にて、記憶制御部303は、運転者の評価結果を運転者評価格納部302にユーザID毎に書き込む。
【0131】
ステップS206にて、記憶制御部303は、運転者が保険会社の顧客か否かを判断する。運転者が顧客である場合、ステップS207が実施される。
【0132】
ステップS207にて、記憶制御部303は、更新された評価結果を保険会社サーバー5に送信する。これにより、保険会社サーバー5の保険情報格納部501の情報が更新される。
【0133】
<第2の実施形態>
図10は、第2の実施形態に係る運転者評価システム1Bの機能的な構成の一例を示すブロック図である。運転者評価システム1Bは、図1に示される運転者評価システム1の一例であり、車載制御装置220と、サーバー320と、保険会社サーバー500とを備える。車載制御装置220は、車載制御装置2の一例であり、サーバー320は、サーバー3の一例であり、保険会社サーバー500は、保険会社サーバー5の一例である。サーバー320は、運転支援用装置の一例である。
【0134】
第2の実施形態は、車両情報取得部、車両情報記録部、運転支援レベル判定部、運転者評価部及び運転者評価記録部が、車載制御装置ではなく、サーバーに配備されている点で、図6の第1の実施形態と相違する。第2の実施形態については、第1の実施形態との相違点について主に説明し、第1の実施形態と同様の点の説明については第1の実施形態の上述の説明を援用して省略する。
【0135】
車両情報取得部321は、車載制御装置220との無線通信によって、車載制御装置220を搭載する車両の状況に関する車両情報をユーザIDとともに取得する。
【0136】
運転支援レベル判定部323は、各制御部206〜213の制御機能が有効か無効かの状態を表す動作情報(例えば、フラグ)を、車載制御装置220との無線通信を介して、ユーザIDとともに取得して、各制御機能が有効な状態か否かを判定する。
【0137】
車両情報取得部321は、運転支援レベル判定部323による判定等により特定された運転支援レベルを周期的に取得し、取得した運転支援レベルをサーバー320のRAMの運転支援レベル格納領域に格納する。他の車両情報についても同様である。
【0138】
車両情報記録部322は、車両情報取得部321が取得した車両情報をユーザID毎に車両情報格納部301に記録する。
【0139】
運転者評価部324は、車両情報取得部321が取得した車両情報に基づいて、車載制御装置220を搭載する車両の運転者の運転を評価する。運転者評価記録部325は、運転者評価部324による評価結果を運転者評価格納部302にユーザID毎に記録する。
【0140】
<第3の実施形態>
図11は、第3の実施形態に係る運転者評価システム1Cの機能的な構成の一例を示すブロック図である。運転者評価システム1Cは、図1に示される運転者評価システム1の一例であり、車載制御装置230と、サーバー330と、保険会社サーバー500とを備える。車載制御装置230は、車載制御装置2の一例であり、サーバー330は、サーバー3の一例であり、保険会社サーバー500は、保険会社サーバー5の一例である。車載制御装置230は、運転支援用装置の一例である。
【0141】
第3の実施形態は、運転者評価部及び運転者評価記録部が、車載制御装置ではなく、サーバーに配備されている点で、図6の第1の実施形態と相違する。第3の実施形態については、第1の実施形態との相違点について主に説明し、第1の実施形態と同様の点の説明については第1の実施形態の上述の説明を援用して省略する。
【0142】
運転者評価部334は、車両情報取得部201が取得した車両情報に基づいて、車載制御装置230を搭載する車両の運転者の運転を評価する。運転者評価部334は、車両情報取得部201が取得した車両情報を、車載制御装置230との無線通信によって、ユーザIDとともに取得する。運転者評価記録部335は、運転者評価部334による評価結果を運転者評価格納部302にユーザID毎に記録する。
【0143】
以上、運転支援用装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【0144】
例えば、車両の位置情報と時刻情報の両方が車両情報格納部に記録されるのではなく、車両の位置情報と時刻情報とのうちのいずれか一方のみが車両情報格納部に記録されてもよい。
【0145】
例えば、図3及び図4において示した運転支援レベルは一例にすぎない。運転支援レベルは、運転支援の支援度合が段階的に表現されていればよく、より詳細化又は簡略化して区分けされたものでよい。また、各運転支援レベルに割り振られた運転支援の内容も一例である。
【符号の説明】
【0146】
1,1A,1B,1C 運転者評価システム
2,200,220,230 車載制御装置
3,300,320,330 サーバー
4 センター
5,500 保険会社サーバー
6 情報提供端末
7 情報提供先車両
12 運転支援装置
13 通信モジュール
201,321 車両情報取得部
202,322 車両情報記録部
203,323 運転支援レベル判定部
204,324,334 運転者評価部
205,325,335 運転者評価記録部
301 車両情報格納部
302 運転者評価格納部
501 保険情報格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11