特許第6439737号(P6439737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6439737
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】支持追従装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/60 20160101AFI20181210BHJP
【FI】
   A61B90/60
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-82233(P2016-82233)
(22)【出願日】2016年4月15日
(65)【公開番号】特開2017-189524(P2017-189524A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】奥田 英樹
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−093040(JP,A)
【文献】 特開2005−118457(JP,A)
【文献】 特開2001−258903(JP,A)
【文献】 特開2009−291363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/60
A61G 13/12
A61G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の身体の一部分が載置される載置部(10)と、
2つ以上の関節(31,32,33,34,35)を備え、前記載置部を支持するアーム(12)と、
1つの関節の動作を制限する1つの機構をブレーキとし、前記2つ以上の関節のうち、少なくとも2つの関節の各々における動作を制限するように設けられた、各ブレーキ(31A,32A,33A,34A,35A)と、
前記ブレーキ各々の作動状態を制御する制御部(14,S110〜S180,S210〜S280,S310〜S380)と
を備え、
前記制御部は、
少なくとも2つのブレーキのうち、少なくとも1つのブレーキにおいて制動力を発生し、前記少なくとも2つのブレーキのうち、当該制動力を発生したブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキにおいて制動力を非発生とする、前記ブレーキ各々の作動状態をパーシャルフリーモードとし、
前記作業者の身体の一部分が規定条件を満たすと、前記ブレーキ各々の作動状態を前記パーシャルフリーモードとする、支持追従装置(1)。
【請求項2】
前記少なくとも2つのブレーキの各々が制動力を発生した、前記ブレーキ各々の作動状態をホールドモードとし、
前記制御部は、
前記載置部に載置された前記作業者の身体の一部分が停止すると、前記ブレーキ各々の作動状態を、前記ホールドモードへと変更する、請求項1に記載の支持追従装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記作業者の身体の一部分が前記載置部に載置されたことを前記規定条件として、前記ブレーキ各々の作動状態を、前記パーシャルフリーモードとする、請求項1または請求項2に記載の支持追従装置。
【請求項4】
前記作業者の身体の一部分が前記載置部に非載置であり、かつ、前記少なくとも2つのブレーキの各々が制動力を発生した、前記ブレーキ各々の作動状態をウェイトモードとし、
前記制御部は、
前記ウェイトモードから前記パーシャルフリーモードへと変更する、請求項3に記載の支持追従装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記作業者の身体の一部分が前記載置部から離れたことを前記規定条件として、前記ブレーキ各々の作動状態を、前記パーシャルフリーモードとする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の支持追従装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記載置部に載置された前記作業者の身体の一部分が、予め定められた動作を実行したことを前記規定条件として、前記ブレーキ各々の作動状態を、前記パーシャルフリーモードとする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の支持追従装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記作業者の身体の一部分が前記載置部から離れたことを前記規定条件として、前記ブレーキ各々の作動状態を、前記ホールドモードから前記パーシャルフリーモードへと変更する、請求項2に記載の支持追従装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記載置部に載置された前記作業者の身体の一部分が、予め定められた動作を実行したことを前記規定条件として、前記ブレーキ各々の作動状態を、前記ホールドモードから前記パーシャルフリーモードへと変更する、請求項2に記載の支持追従装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の身体の一部分を支持する支持追従装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、例えば脳神経外科手術などのように緻密な手作業が要求される作業において、その作業者の身体の一部分を支持し当該作業に追従させる支持追従装置が知られている。この支持追従装置は、載置部と、アームと、ブレーキと、状態検出部と、制御部とを備える。
【0003】
載置部には、作業者の身体の一部分として医師の腕が載置される。アームは、少なくとも1つの関節を備え、載置部を支持する垂直多関節アームである。ブレーキは、少なくとも1つの関節の動作を制限する。状態検出部は、載置部の移動量、及び載置部に加わる荷重などを検出する。
【0004】
制御部は、状態検出部で検出された載置部、ひいては医師の腕の状況に基づいて、ブレーキの作動態様を変更する。そのブレーキの作動態様として、ウェイトモード、フリーモード、ホールドモードが用意されている。ウェイトモードとは、医師の腕が載置部に載置されていない状態で、全てのブレーキにおいて制動力を発生したブレーキの作動態様である。ホールドモードとは、医師の腕が載置部に載置された状態で、全てのブレーキにおいて制動力を発生したブレーキの作動態様である。フリーモードとは、医師の腕が載置部に載置された状態で、全てのブレーキにおいて制動力を非発生としたブレーキの作動態様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−018321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、脳神経外科手術等のように緻密な手作業が要求される作業では、載置部に載置された腕の位置を細かく調整することが求められる。
しかしながら、支持追従装置における作業中のブレーキの作動態様は、ホールドモードとフリーモードとの二種類である。そして、支持追従装置のブレーキの作動態様をホールドモードとした場合、全てのブレーキで制動力を発生するため、アームの形態を変化させることが難しく、載置部に載置された腕の位置の調整が難しい。また、支持追従装置のブレーキの作動態様をフリーモードとした場合、全てのブレーキを非制動状態とするため、アームの形態を変化させる自由度が高く、載置部に載置された腕の位置を細かく調整することが難しい。
【0007】
つまり、従来の技術では、載置部に載置された腕の位置を細かく調整することが難しいという課題があった。
そこで、本発明は、支持追従装置において、載置部に載置された腕の空間上での位置を細かく調整可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様は、載置部(10)と、アーム(12)と、各ブレーキ(31A,32A,33A,34A,35A)と、制御部(14,S110〜S180,S210〜S280,S310〜S380)とを備える、支持追従装置(1)に関する。
【0009】
載置部には、作業者の身体の一部分が載置される。アームは、2つ以上の関節(31,32,33,34,35)を備え、載置部を支持する。
各ブレーキは、2つ以上の関節のうち、少なくとも2つの関節の各々における動作を制限するように設けられている。各ブレーキは、1つの関節の動作を制限する1つの機構である。
【0010】
制御部は、ブレーキ各々の作動状態を制御する。そして、制御部は、作業者の身体の一部分が規定条件を満たすと、ブレーキ各々の作動状態をパーシャルフリーモードとする。
パーシャルフリーモードとは、少なくとも2つのブレーキのうち、少なくとも1つのブレーキにおいて制動力を発生し、少なくとも2つのブレーキのうち、当該制動力を発生したブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキにおいて制動力を非発生とする、ブレーキ各々の作動状態である。
【0011】
つまり、支持追従装置によれば、複数のブレーキのうち少なくとも1つのブレーキにおいて制動力を発生する。さらに、支持追従装置によれば、複数のブレーキのうち当該制動力を発生したブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキにおいて制動力を非発生とする。
【0012】
このため、支持追従装置によれば、制動力が非発生であるブレーキが設けられた関節が可動する平面において、載置部に載置された腕の位置を調整可能である。しかも、支持追従装置によれば、他のブレーキにおいて制動力を発生するため、載置部の位置を変更する自由度が必要以上に高くなることを抑制できる。
【0013】
したがって、支持追従装置によれば、載置部に載置された腕の空間上での位置を細かく調整可能とする技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】支持追従装置の外観を示す斜視図である。
図2】支持追従装置におけるアームの構成を示す説明図である。
図3】支持追従装置の制御系を示すブロック図である。
図4】第1実施形態におけるモード設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態におけるモード設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6】第3実施形態におけるモード設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[1. 第1実施形態]
<1−1. 構造>
図1に示す支持追従装置1は、医療行為を行う作業者としての医師の身体における一部分を支持し、その支持した身体の一部分を医療行為における動作に追従させる装置である。
【0016】
医療行為とは、患者の傷病の治療、診断、または予防のために医学に基づいて実施される行為である。医療行為には、外科手術、脳神経外科手術を含む。また、医師とは、医療行為を実施する人物であり、例えば、外科医、脳神経外科医である。
【0017】
また、身体の一部分とは、身体の全体における1つの箇所である。身体の一部分には、例えば、肘よりも掌側の部位、即ち前腕を含む。作業者とは、作業を行う人物である。
支持追従装置1は、載置部10と、アーム12と、制御装置14とを備える。
【0018】
載置部10は、医師の身体の一部分が載置される台である。載置部10は、上方が開いた形状に構成されている。上方が開いた形状とは、例えば、断面U字形である。
図2に示すように、アーム12は、多自由度の多関節アームである。アーム12は、複数の関節31,32,33,34,35と、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aと、エンコーダ31B,32B,33B,34B,35Bと、ベース部41と、肩部42と、第1腕部43と、第2腕部44と、バネ46,47と、カウンタウェイト48と、力センサ50とを備えている。
【0019】
ベース部41は、床Fに配置され、アーム12全体を支持する。なお、ベース部41は、キャスタを有していてもよい。
肩部42、第1腕部43、及び第2腕部44は、それぞれ、リンク機構を構成するリンクである。関節31,32,33,34,35は、それぞれ、回転軸を中心に回転する回転関節である。
【0020】
ベース部41の上端には、関節31を介して肩部42が接続されている。この肩部42は、関節31により、ベース部41に対して鉛直軸回りに回転可能となる。肩部42の上端には、関節32を介して第1腕部43の一端が接続されている。第1腕部43は、関節32により、肩部42に対して水平軸回りに揺動可能となる。
【0021】
第1腕部43の他端には、関節33を介して第2腕部44の一端が接続されている。第2腕部44は、関節33により、第1腕部43に対して水平軸回りに揺動可能になされている。第2腕部44の他端には、関節35を介して載置部10が接続されている。関節35は、関節34とは回転軸が直交するように配置されている。なお、関節34は、第2腕部44の先端において、水平軸回りに回転可能となるように設けられる。
【0022】
バネ46,47は、それぞれ、第1腕部43と関節33との間、第2腕部44と関節33との間に設けられている。バネ46,47は、載置部10に、鉛直方向上方への付勢力を付与する。
【0023】
カウンタウェイト48は、第1腕部43の関節32側の先端部に設けられている。カウンタウェイト48は、関節32に対して第1腕部43が鉛直方向上方に動作するように付勢する。
【0024】
すなわち、バネ46,47とカウンタウェイト48とから加わる付勢力が、アーム12の自重、載置部10の自重及び腕の自重の和と釣り合うことにより、載置部10が支持される。換言すると、バネ46,47及びカウンタウェイト48によって、載置部10に医師の腕が載置された場合に、載置部10及びアーム12に加わる力のバランスを保つ。
【0025】
自重による鉛直方向下方への力と鉛直方向上方への付勢力とは、完全に釣り合うことが理想的であるが、医師の手が患者の患部の鉛直方向上方から作業を行うことを考慮して、安全方向である鉛直方向上方へ、載置部10を極めて弱い力で付勢するように設定されていてもよい。なお、カウンタウェイト48だけでバランスが取れる場合は、バネ46,47は省略されていてもよい。
【0026】
ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aは、それぞれ、関節31,32,33,34,35の動作を制限する。関節の動作とは、軸周りの回転運動である。また、制限とは、回転運動に対して制動力を加えることであり、各関節31,32,33,34,35の回転を停止状態とすることを含む。制動力とは、運動を制動する力であり、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aによって発生する力である。
【0027】
本実施形態では、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aとして、電磁ブレーキが用いられている。
これにより、支持追従装置1におけるブレーキの作動状態として、ウェイトモードと、ホールドモードと、フリーモードと、パーシャルフリーモードとが実現される。ブレーキの作動状態とは、制動力を発生するブレーキと、制動力を発生しないブレーキとの組み合わせによって決定される支持追従装置1の動作態様である。このブレーキの作動状態は、後述するモード設定処理によって設定される。また、以下では、ブレーキの作動状態を、動作モードとも称す。
【0028】
ウェイトモードとは、医師の身体の一部分が載置部10に非載置である状態で、載置部10の移動を制限する動作モードである。ホールドモードとは、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、載置部10の移動を制限する動作モードである。フリーモードとは、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、載置部10の移動を許容する動作モードである。パーシャルフリーモードとは、載置部10に載置された医師の腕の部分的な移動を許容する動作モードである。
【0029】
ウェイトモードは、載置部10に医師が腕を載置していない状態を想定した動作モードである。ウェイトモードでは、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aをオンとして制動力を発生させ、関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。これにより、ウェイトモードでは、載置部10の位置が固定される。
【0030】
ホールドモードは、医師が医療行為における実作業を実施する状態を想定した動作モードである。ホールドモードでは、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aをオンとして制動力を発生させ、関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。これにより、ホールドモードでは、載置部10の位置が固定される。
【0031】
フリーモードは、載置部10に載置された腕を支持し、その腕の動きにアーム12を追従させる状態を想定した動作モードである。フリーモードでは、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aをオフとして制動力を非発生とし、関節31,32,33,34,35の回転運動を可能とする。これにより、フリーモードでは、載置部10を自由に動かすことができる。
【0032】
パーシャルフリーモードは、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、載置部10の一方向への移動を許容し、他の方向への移動を停止する動作モードである。パーシャルフリーモードでは、複数のブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aのうち、少なくとも1つのブレーキをオンとして制動力を発生させ、当該制動力を発生させたブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキをオフとして制動力を非発生とする。
【0033】
具体的にパーシャルフリーモードにおいて、制動力を非発生とするブレーキは、アーム12を1つの平面上で移動させる関節に設けられたブレーキである。また、パーシャルフリーモードにおいて、制動力を発生するブレーキは、アーム12が移動可能となる平面と交差する平面にてアーム12を移動させる関節に設けられたブレーキであることが好ましい。この一例として、本実施形態のパーシャルフリーモードでは、例えば、ブレーキ32A,33A,34Aをオンとして制動力を発生させ、ブレーキ31A,35Aをオフとして制動力を非発生とすることが考えられる。
【0034】
制動力を非発生とは、制動力を発生しないことであり、ブレーキを掛けない状態である。
ただし、パーシャルフリーモードにおいて、制動力を非発生とするブレーキは、これに限るものではなく、医療行為の内容に応じて決定されてもよいし、医師が腕を動かす方向に応じて決定されてもよい。さらに言えば、パーシャルフリーモードにおいて制動力を非発生とするブレーキの個数は、これに限るものではなく、1つであってもよいし、3以上であってもよい。
【0035】
なお、パーシャルフリーモードにおいて制動力を非発生とするブレーキは、支持追従装置1が備える全てのブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aではない。また、パーシャルフリーモードにおいて制動力を発生するブレーキは、支持追従装置1が備える全てのブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aではない。
【0036】
エンコーダ31B,32B,33B,34B,35Bは、関節31,32,33,34,35各々の回転角度を検出する。
力センサ50は、載置部10に加わる鉛直方向の力、及び、載置部10とアーム12とを接続する軸に加わるトルクを検出する。なお、力センサ50にて検出する、載置部10に加わる鉛直方向の力とは、重力方向の力である。この載置部10に加わる鉛直方向の力には、重量、または質量を含む。
【0037】
図3に示すように、制御装置14は、CPU15、ROM16及びRAM17を備えた電子制御回路を内蔵する。
ROM16には、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aを制御することにより、動作モードを、ウェイトモード、フリーモード、ホールドモード、及びパーシャルフリーモードのうちのいずれかに切り替えるモード設定処理を、制御装置14が実行するための処理プログラムが格納されている。
【0038】
すなわち、制御装置14は、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aを制御することにより、動作モードを、ウェイトモード、フリーモード、ホールドモード、及びパーシャルフリーモードのうちのいずれかに切り替える。
<1−2. モード設定処理>
モード設定処理が起動されると、図4に示すように、制御装置14は、まず、動作モードをウェイトモードに設定する(S110)。これにより、アーム12は、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオンとなり、制動力により関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。
【0039】
続いて、制御装置14は、医師の身体の一部分が載置部10に置かれたか否かを判定する(S120)。具体的にS120では、規定された条件である第1規定条件を満たしていれば、医師の身体の一部分が載置部10に置かれたものと判定する。
【0040】
第1規定条件とは、次の条件1、または条件2である。
条件1は、力センサ50で検出したトルクが、予め規定されたトルク閾値Tt1以上であることを、所定時間以上継続していることである。トルク閾値Tt1は、身体の一部分が載置部10に置かれた状態で載置部10に加わる最小のトルクとして予め規定された閾値である。
【0041】
条件2は、力センサ50で検出した力が、予め規定された荷重閾値Tf1以上であることを、所定時間以上継続していることである。荷重閾値Tf1は、身体の一部分が載置部10に置かれた状態で載置部10に加わる最小の力として予め規定された閾値である。なお、所定時間とは、予め定められた時間長である。
【0042】
このS120での判定の結果、医師の身体の一部分が載置部10に置かれていなければ(S120:NO)、制御装置14は、医師の身体の一部分が載置部10に置かれるまで待機する。そして、医師の身体の一部分が載置部10に置かれると(S120:YES)、制御装置14は、動作モードをパーシャルフリーモードに設定する(S130)。これにより、アーム12では、複数のブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aのうち、少なくとも1つのブレーキがオンとなり、制動力を発生させる。さらに、アーム12は、当該制動力を発生させたブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキがオフであり制動力を非発生となる。
【0043】
また、図4においては、パーシャルフリーモードをP−Freeモードと表記している。
さらに、モード設定処理では、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められたか否かを判定する(S140)。具体的にS140では、制御装置14は、載置部10の移動速度、ひいては、アーム12の先端の移動速度が、予め規定された速度閾値Tv以下であることを、所定時間以上継続していれば、医師の身体における一部分の移動が止められているものと判定する。アーム12の先端の移動速度は、エンコーダ31B,32B,33B,34B,35Bの検出結果に基づく周知の手法で特定したアーム先端の位置の推移に従って導出すればよい。
【0044】
このS140での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められていなければ(S140:NO)、制御装置14は、その医師の身体における一部分の移動が止められるまで待機する。
【0045】
そして、載置部10に載置された医師における身体の一部分の移動が止められると、(S140:YES)、制御装置14は、動作モードをホールドモードに設定する(S150)。これにより、アーム12は、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオンとなり、関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。
【0046】
続いて、モード設定処理では、制御装置14は、身体の一部分が載置部10から離れたか否かを判定する(S160)。具体的にS160では、規定された条件である第2規定条件を充足していれば、身体の一部分が載置部10から離れたものと判定する。ここで言う第2規定条件とは、次の条件3、または条件4である。
【0047】
条件3は、力センサ50で検出したトルクが、予め規定されたトルク閾値Tt2以下であることを、所定時間以上継続していることである。トルク閾値Tt2とは、身体の一部分が載置部10から離れた状態で載置部10に加わる最大のトルクとして予め規定された閾値であり、トルク閾値Tt1よりも小さいトルクである。
【0048】
条件4は、力センサ50で検出した力が、予め規定された荷重閾値Tw2以下であることを、所定時間以上継続していることである。ただし、荷重閾値Tw2は、身体の一部分が載置部10に置かれた状態で載置部10に加わる最大の力として予め規定された閾値であり、荷重閾値Tw1よりも小さい力である。
【0049】
すなわち、「身体の一部分が載置部10から離れた」には、身体の一部分によって載置部10を押圧する力、即ち、鉛直方向下向きの力を弱める抜重を含む。
そして、S160での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れていれば(S160:YES)、制御装置14は、モード設定処理をS110へと戻す。
【0050】
一方、S160での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れていなければ(S160:NO)、制御装置14は、モード設定処理をS170へと移行させる。
そのS170では、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行したか否かを判定する(S170)。予め定められた動作とは、例えば、載置部10を下方に押圧するクリック動作である。具体的にS170では、制御装置14は、力センサ50で検出した力が、予め規定された荷重閾値Tw3以上となり、その後、所定期間内に、力センサ50で検出した質量が荷重閾値Tw4以下へと戻った場合に、予め定められた動作、即ちクリック動作が実行されたものと判定すればよい。
【0051】
このS170での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行していなければ(S170:NO)、制御装置14は、モード設定処理をS160へと戻す。
【0052】
一方、S170での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行していれば(S170:YES)、制御装置14は、動作モードをフリーモードに設定する。これにより、アーム12は、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオフとなり、関節31,32,33,34,35の回転運動が可能となる。
【0053】
制御装置14は、その後、モード設定処理をS110へと戻す。
[1−3. 第1実施形態の効果]
(1A) 本実施形態のモード設定処理によれば、医師の身体の一部が載置部に載置されたことを規定条件として、動作モードをパーシャルフリーモードとすることができる。規定条件とは、予め規定された条件である。
【0054】
(1B) パーシャルフリーモードでは、複数のブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aのうち、少なくとも1つのブレーキをオンとして制動力を発生させ、当該制動力を発生させたブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキをオフとして制動力を非発生とすることができる。すなわち、支持追従装置1によれば、複数のブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aのうち、一部のブレーキにおける制動力を非発生とする。
【0055】
このため、支持追従装置1によれば、制動力が非発生であるブレーキが設けられた関節の可動平面において、載置部10に載置された腕の位置を調整可能である。しかも、支持追従装置1によれば、他のブレーキにおいて制動力を発生するため、載置部10の位置を変更する際の自由度が必要以上に高くなることを抑制できる。
【0056】
したがって、支持追従装置1によれば、載置部10に載置された腕の空間上での位置を細かく調整可能とする技術を提供できる。
(1C) なお、本実施形態のモード設定処理では、ウェイトモードからパーシャルモードへと変更することができる。
【0057】
(1D) さらに、モード設定処理では、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が停止すると、動作モードをホールドモードへと変更する。
したがって、支持追従装置1によれば、医師が医療行為における作業を実行する場合には、動作モードをホールドモードとすることができ、作業を支援することができる。
[2. 第2実施形態]
本実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態の支持追従装置1と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態及び第2実施形態の支持追従装置1とは異なる構成及び処理を中心に説明する。
【0058】
本実施形態の支持追従装置では、動作モードとしてのウェイトモードが省略されている。
<2−1. モード設定処理>
本実施形態におけるモード設定処理が起動されると、図5に示すように、制御装置14は、まず、医師の身体の一部分が載置部10に置かれたか否かを判定する(S210)。具体的にS210では、第1規定条件を満たしていれば、医師の身体の一部分が載置部10に置かれたものと判定すればよい。
【0059】
このS210での判定の結果、医師の身体の一部分が載置部10に置かれていなければ(S210:NO)、制御装置14は、載置部10の状況が第1規定条件を満たすまで待機する。
【0060】
そして、医師の身体の一部分が載置部10に置かれると(S210:YES)、制御装置14は、動作モードをフリーモードに設定する(S220)。これにより、アーム12は、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオフとなり、関節31,32,33,34,35の回転運動が可能となる。
【0061】
さらに、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められたか否かを判定する(S230)。具体的にS230では、制御装置14は、載置部10の移動速度、ひいては、アーム12の先端の移動速度が、予め規定された速度閾値Tv以下であることを、所定時間以上継続している場合に、身体における一部分の移動が止められたものと判定すればよい。
【0062】
このS230での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められていなければ(S230:NO)、制御装置14は、医師の身体における一部分の移動が止められるまで待機する。
【0063】
そして、載置部10に載置された医師における身体の一部分の移動が止められると、(S230:YES)、制御装置14は、動作モードをホールドモードに設定する(S240)。これにより、アーム12は、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオンとなり、関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。
【0064】
続いて、モード設定処理では、制御装置14は、身体の一部分が載置部10から離れたか否かを判定する(S250)。具体的にS250では、第2規定条件を充足していれば、身体の一部分が載置部10から離れたものと判定する。
【0065】
そして、S250での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れていれば(S250:YES)、即ち、抜重されると、制御装置14は、詳しくは後述するS270へとモード設定処理を移行させる。
【0066】
一方、S250での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れていなければ(S250:NO)、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行したか否かを判定する(S260)。具体的にS260では、制御装置14は、力センサ50で検出した力が、予め規定された荷重閾値Tw3以上となり、その後、所定期間内に、力センサ50で検出した質量が荷重閾値Tw4以下へと戻った場合に、予め定められた動作、即ちクリック動作を実行したものと判定すればよい。
【0067】
このS260での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行していなければ(S260:NO)、制御装置14は、モード設定処理をS250へと戻す。
【0068】
一方、S260での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行していれば(S260:YES)、制御装置14は、モード設定処理をS220へと戻す。そのS220では、制御装置14は、動作モードをフリーモードに設定する。
【0069】
ところで、S250での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れた場合に移行するS270では、制御装置14は、動作モードをパーシャルフリーモードに設定する。これにより、アーム12では、複数のブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aのうち、少なくとも1つのブレーキがオンとなり、制動力を発生させる。さらに、アーム12は、当該制動力を発生させたブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキがオフであり制動力を非発生となる。また、図5においては、パーシャルフリーモードをP−Freeモードと表記している。
【0070】
続いて、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められたか否かを判定する(S280)。具体的にS280では、制御装置14は、S250と同様の方法で、医師の身体における一部分の移動が止められたか否かを判定すればよい。
【0071】
このS280での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められていなければ(S280:NO)、制御装置14は、モード設定処理をS270へと戻す。一方、S280での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められていれば(S280:YES)、制御装置14は、モード設定処理をS240へと戻す。そのS240では、制御装置14は、動作モードをホールドモードに設定する。
[2−2.第2実施形態の効果]
(2A) 本実施形態の支持追従装置によれば、動作モードをパーシャルフリーモードとすることで、載置部10に載置された腕の空間上での位置を細かく調整することができる。
【0072】
(2B) さらに、本実施形態のモード設定処理によれば、身体の一部分が載置部10から離れたこと、即ち、抜重されたことを規定条件として、動作モードをパーシャルフリーモードに変更することができる。そして、本実施形態の支持追従装置によれば、ホールドモードからパーシャルフリーモードへと変更することができる。
[3. 第3実施形態]
本実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態の支持追従装置1と同様の構成及び処理には、同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態及び第2実施形態の支持追従装置1とは異なる構成及び処理を中心に説明する。
<3−1. モード設定処理>
モード設定処理が起動されると、図6に示すように、制御装置14は、まず、動作モードをウェイトモードに設定する(S310)。これにより、アーム12では、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオンとなり、制動力により関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。
【0073】
続いて、制御装置14は、医師の身体の一部分が載置部10に置かれたか否かを判定する(S320)。具体的にS320では、制御装置14は、第1規定条件を満たしていれば、医師の身体の一部分が載置部10に置かれたものと判定すればよい。
【0074】
このS320での判定の結果、医師の身体の一部分が載置部10に置かれていなければ(S320:NO)、制御装置14は、医師の身体の一部分が載置部10に置かれるまで待機する。
【0075】
そして、医師の身体の一部分が載置部10に置かれると(S320:YES)、制御装置14は、動作モードをフリーモードに設定する(S330)。これにより、アーム12は、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオフとなり、関節31,32,33,34,35の回転運動が可能となる。
【0076】
さらに、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められたか否かを判定する(S340)。具体的にS340では、制御装置14は、載置部10の移動速度、ひいては、アーム12の先端の移動速度が、予め規定された速度閾値Tv以下であることを、所定時間以上継続していれば、医師の身体における一部分の移動が止められたものと判定すればよい。
【0077】
このS340での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分の移動が止められていなければ(S340:NO)、制御装置14は、その医師の身体における一部分の移動が止められるまで待機する。
【0078】
そして、載置部10に載置された医師における身体の一部分の移動が止められると、(S340:YES)、制御装置14は、動作モードをホールドモードに設定する(S350)。これにより、アーム12は、医師の身体の一部分が載置部10に載置された状態で、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aがオンとなり、関節31,32,33,34,35の回転運動が停止される。
【0079】
続いて、モード設定処理では、制御装置14は、身体の一部分が載置部10から離れたか否かを判定する(S360)。具体的にS360では、第2規定条件を充足していれば、身体の一部分が載置部10から離れたものと判定すればよい。
【0080】
そして、S360での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れていれば(S360:YES)、制御装置14は、モード設定処理をS310へと戻す。
一方、S360での判定の結果、身体の一部分が載置部10から離れていなければ(S360:NO)、制御装置14は、モード設定処理をS370へと移行させる。
【0081】
そのS370では、制御装置14は、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行したか否かを判定する(S370)。具体的にS370では、制御装置14は、力センサ50で検出した力が、予め規定された荷重閾値Tw3以上となり、その後、所定期間内に、力センサ50で検出した質量が荷重閾値Tw4以下へと戻った場合に、予め定められた動作、即ちクリック動作を実行したものと判定すればよい。
【0082】
このS370での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行していなければ(S370:NO)、制御装置14は、モード設定処理をS360へと戻す。
【0083】
一方、S370での判定の結果、載置部10に載置された医師の身体における一部分が、予め定められた動作を実行していれば(S370:YES)、制御装置14は、動作モードをパーシャルフリーモードに設定する。これにより、アーム12では、複数のブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aのうち、少なくとも1つのブレーキがオンとなり、制動力を発生させる。さらに、アーム12は、当該制動力を発生させたブレーキとは異なる少なくとも1つのブレーキがオフであり制動力を非発生となる。また、図5においては、パーシャルフリーモードをP−Freeモードと表記している。
【0084】
制御装置14は、その後、モード設定処理をS310へと戻す。
[3−2. 第3実施形態の効果]
(3A) 本実施形態の支持追従装置によれば、動作モードをパーシャルフリーモードとすることで、載置部10に載置された腕の空間上での位置を細かく調整することができる。
【0085】
(3B) さらに、本実施形態のモード設定処理によれば、載置部10に載置された医師の身体の一部が、予め定められた動作を実行したことを規定条件として、動作モードをパーシャルフリーモードに変更することができる。そして、本実施形態の支持追従装置によれば、ホールドモードからパーシャルフリーモードへと変更することができる。
[4. その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0086】
(4A) 上記実施形態の支持追従装置1におけるアーム12は、5個の関節31,32,33,34,35を備えた、5自由度の多関節アームであったが、アーム12が備える関節の個数は、これに限るものではない。アーム12が備える関節の個数は、2個でもよいし、3個でもよいし、6個以上でもよい。
【0087】
(4B) また、上記実施形態の支持追従装置1におけるアーム12は、ブレーキ31A,32A,33A,34A,35Aを、関節31,32,33,34,35の各々に備えていたが、ブレーキは、関節の各々に設けられていなくともよい。この場合、予め定められた特定の2つ以上の関節に設けられていてもよい。
【0088】
(4D) ところで、上記実施形態のモード設定処理では、予め定められた動作をクリック動作として説明したが、予め定められた動作は、クリック動作に限るものではない。予め定められた動作は、載置部10の側面を押圧する動作であってもよいし、その他の定められた動作であってもよい。
【0089】
(4E) 更に言えば、上記実施形態のパーシャルフリーモードでは、載置部10の移動が許容される方向を一方向としていたが、パーシャルフリーモードにおいて、載置部10の移動が許容される方向は、2方向であってもよい。この2方向とは、3次元の直交座標系における2方向であってもよい。
【0090】
(4F) 上記実施形態では、パーシャルフリーモードへと移行する規定条件を、医師の身体の一部が載置部に載置されたこと、身体の一部分が載置部10から離れた(即ち、抜重された)こと、または載置部10に載置された医師の身体の一部が、予め定められた動作を実行したこと、としていた。しかしながら、パーシャルフリーモードへと移行する規定条件は、これに限るものではなく、例えば、スイッチが操作されたことであってもよい。すなわち、規定条件は、予め規定された条件であれば、どのようなものであってもよい。
【0091】
(4G) なお、上記実施形態の支持追従装置1として、医療行為を行う作業者としての医師の身体における一部分を支持し、その支持した身体の一部分を医療行為における動作に追従させる装置を想定したが、作業者は、医師に限るものではない。例えば、作業者は、精密機械の組み立てを行う作業員であってもよい。この場合、支持追従装置1によって支援される作業の内容は、精密機械の組み立てであってもよい。
【0092】
(4H) 上記実施形態における制御装置14が実行する機能の一部または全部は、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成されていてもよい。
(4I) 上記実施形態においては、ROM16にプログラムが格納されていたが、プログラムを格納する記憶媒体は、これに限るものではなく、半導体メモリなどの非遷移的実体的記憶媒体に格納されていてもよい。
【0093】
(4J) なお、上記実施形態の構成の一部を省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
【0094】
(4K) 上記実施形態の説明で用いる符号を特許請求の範囲にも適宜使用しているが、各請求項に係る発明の理解を容易にする目的で使用しており、各請求項に係る発明の技術的範囲を限定する意図ではない。
[5. 対応関係の一例]
モード設定処理におけるS110〜S180,S210〜S280,またはS310〜S380を実行することで得られる機能が、制御部の一例に相当する。
【符号の説明】
【0095】
1…支持追従装置 10…載置部 12…アーム 14…制御装置 15…CPU 16…ROM 17…RAM 31,32,33,34,35…関節 31A,32A,33A,34A,35A…ブレーキ 31B,32B,33B,34B,35B…エンコーダ 41…ベース部 42…肩部 43…第1腕部 44…第2腕部 46,47…バネ 48…カウンタウェイト 50…力センサ F…床
図1
図2
図3
図4
図5
図6