(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態による情報共有システムの概要
2.基本構成
2−1.HMDの構成
2−2.ユーザ端末の構成
2−3.クラウドストレージの構成
3.動作処理
3−1.ライフログの保存処理
3−2.メタデータ生成処理
3−3.起動処理
3−4.検索処理
3−5.キーワード検索処理
3−6.共有処理
3−7.共有資料のコピー処理
4.まとめ
【0019】
<<1.本開示の一実施形態による情報共有システムの概要>>
まず、本開示の一実施形態による情報共有システムの概要について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態による情報共有システムは、ユーザの頭部に装着されるウェアラブル装置の一例であるHMD(Head Mounted Display)1と、スマートフォンやタブレット端末等により実現されるユーザ端末2と、クラウドストレージ3を含む。
【0020】
HMD1、ユーザ端末2、およびクラウドストレージ3は、互いに無線/有線接続し、データの送受信を行うことが可能である。例えば、無線LAN(Local Area Network)、Wi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等の通信方式により接続され得る。また、クラウドストレージ3は、HMD1およびユーザ端末2と、ネットワークに接続されたAP(アクセスポイント)を介して接続し得る。
【0021】
(背景)
ここで、ユーザAとユーザBが、現実空間での会議やTV会議等で場を共有している場合、対話者に関連する過去の記憶、例えば過去の会議の内容等を思い返すことがあるが、正確な資料内容まで思い返すことは困難である。また、このように思い浮かべた過去の記憶を対話者と共有することができれば、より快適に議論を行うことができるが、上述した従来技術では、思い浮かべた過去の記憶(回想データ)を共有することについて何ら考慮されていなかった。
【0022】
そこで、本実施形態では、ユーザが他者と場を共有している際に思い起こした対話者に関連する過去データ(回想データ)を対話者と視覚的に共有することができる。
【0023】
例えば、日頃からユーザAのライフログや、ユーザAがユーザ端末2aでクリップした情報群(書類、写真、そのリンクなど)が、ユーザAがアクセス権限を持つあらゆるストレージ(例えばクラウドストレージ3)に保存されていることを前提として以下のステップが行われる。
【0024】
まず、
図1に示すように、HMD1a、1bをそれぞれ装着したユーザAとユーザBが同席、もしくはテレビ会議などで場を共有して議論を行っている場合に、ユーザAが過去の記憶を思い返す動作を行うと、対話者のユーザBに関連する情報がユーザAに提示される。一般的に、人間は過去の記憶を思い返す際、過去のことを絵画的・図形的に頭の中に描き、それを描写するため感覚脳である右脳を使うので、視線は逆の左上に向くことが知られている。そこで、HMD1aは、例えばユーザAの視線が左上に向いたことをトリガとして、対話者のユーザBに関連する情報をHMD1aの表示部(
図2Bに示す表示部12)に表示してユーザAに提示する。
【0025】
対話者のユーザBに関連する情報は、例えば、ユーザBとの過去のメールのやり取りや、対話者との過去の会議の内容等である。ここでは、例えばユーザBから直近で送信された動画データ400が、
図1に示すように、HMD1aの表示部12を介したユーザAの視界120の左上に表示される。なお動画データ400は、クラウドストレージ3からユーザ端末2aを介して取得され、ユーザ端末2aの制御によりHMD1aの表示部12に表示される。また、HMD1aは、ユーザBに関連する情報を複数提示し、ユーザAによる視線操作や指さし操作、ユーザ端末2aでのフリック操作等により選択させてもよい。
【0026】
次いで、提示されている動画データ400を対話者と共有したい場合、ユーザAは動画データ400の共有設定を指示する。これにより、動画データ400の共有指示がユーザ端末2aからユーザ端末2bに通知され、ユーザ端末2bは、ユーザBが装着しているHMD1bの表示部12に動画データ400を表示するよう制御する。この際、ユーザ端末2bは、
図1に示すように、動画データ400が、表示部12を介したユーザBの視界122においてユーザAの頭上に表示されるよう制御する。これにより、ユーザBはユーザAが思い返している過去のデータ(回想データ)を視覚的に認識して、記憶を共有した上で議論することができる。
【0027】
また、ユーザBは、視線操作や指さし操作、ユーザ端末2bでのフリック操作等により、共有された動画データ400を再生したり、自分のストレージにコピーしたりすることができる。
【0028】
以上、本開示の一実施形態による情報共有システムの概要について説明した。続いて、本開示による情報共有システムに含まれるHMD1、ユーザ端末2、およびクラウドストレージ3の基本構成について
図2〜
図5を参照して説明する。
【0029】
<<2.基本構成>>
<2−1.HMDの構成>
まず、ユーザの頭部に装着されるHMD1の外観および内部構成について、
図2〜
図3を参照して説明する。
【0030】
(2−1−1.外観構成)
図2Aおよび
図2Bは、本実施形態によるHMD1の各方向からの外観の一例を示す図である。
図2Aおよび
図2Bに示すように、本実施形態によるHMD1は、帽子形状の構造を有し、本体の前部に重量物が集中していても、装置の荷重を頭部全体に分散させて、ユーザの負担を軽減して装着することができる。具体的には、HMD1は、表示系統を含む大部分の部品を含んだ本体部101と、本体部101の上面から突設した額当て部102と、上バンド104及び下バンド105に分岐されるヘッド・バンドと、左右のヘッドフォン110からなる。本体部101内には、表示部12や回路基板が収容される。また、本体部101の下方には、鼻背に倣うように鼻当て部103が形設されている。
【0031】
また、HMD1の本体部101の前方には、撮像レンズ14aが設けられる。撮像レンズ14aは、例えば全天球カメラレンズまたは魚眼レンズにより実現され、HMD1に外付けまたは埋め込みで設けられる。これにより、HMD1は、周囲180度〜360度を撮影することができる。なお魚眼レンズで取得した画像は、歪み補正を行った上で利用される。また、撮像レンズをアレイ状に複数設けて周囲360度を撮影することも可能である。
【0032】
また、撮像レンズ14aの設置位置は
図2Aに示す例に限定されず、例えば
図3左に示すように、全天球カメラレンズまたは魚眼レンズにより実現される撮像レンズ14bを、本体部101上面に設けてもよい。若しくは、
図3右に示すように、左右のこめかみ部分にそれぞれ撮像レンズ14c、14dを設けてもよい。この場合、撮像レンズ14c、14dで撮像された左右180度ずつの撮像画像を360度の画像に補正した上で利用される。
【0033】
ヘッド・バンドは、例えばナイロンやポリプロピレンなどの柔らかいが伸縮しない素材で製作され、上バンド104は、柔らかさを持ち、装着時には荷重を支えるために頭に沿って曲がるが、伸びにくく、HMD1の落下を防止することができる。また、下バンド105は、シリコン・ゴムやエラストマーのような伸縮可能な素材で構成されるが、異種材の2色成形により、上バンド104と一体部品とすることができる。
【0034】
また、HMD1の表示部12は、装着状態において、ユーザの両眼の直前に左眼用と右眼用の一対で配置される構成となっている。表示部12には、例えば撮像レンズ14aで撮像された現実空間の撮像画像が表示される。
【0035】
また、HMD1の本体部101には、前方および左右に、外部音声を収音する複数のマイクロホン130(マイクアレー130とも称す)が配置される。
【0036】
さらに、HMD1の本体部101内側における表示部12付近には、ユーザの視線を検出するための撮像レンズ15aが内側に向けて設けられる。
【0037】
以上、HMD1の外観構成について具体的に説明したが、
図2A、
図2Bに示すHMD1の装着部分の構造(額当て部102、上バンド104、および下バンド105)は一例であって、HMD1をユーザが装着するための構造は多様に考えられる。HMD1は、一般に眼鏡型、あるいは頭部装着型とされる装着ユニットで形成されればよく、少なくとも本実施の形態としては、ユーザの眼の前方に近接して表示部12が設けられていればよい。
【0038】
また、表示部12は透過型であってもよく、HMD1により表示部12がスルー状態、即ち透明または半透明の状態とされることで、ユーザは、スルー状態の表示部12を介して現実空間を視認できるので、HMD1を眼鏡のように常時装着していても通常の生活には支障がない。この場合、表示部12は、両眼に対応して一対設けられる他、片側の眼に対応して1つ設けられる構成でもよい。
【0039】
また、左右のヘッドフォン110は、ステレオスピーカとせずに、一方の耳にのみ装着するために1つ設けられるのみでもよい。さらに、ヘッドフォン110を備えない構成も考えられる。以下に説明する内部構成例(
図4参照)では、ヘッドフォン110(音声出力部)を備えない構成が示される。
【0040】
(2−1−2.内部構成)
続いて、本実施形態によるHMD1の内部構成について
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態によるHMD1の内部構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、HMD1は、制御部10、通信部11、表示部12、収音部13、撮像部14、視線検出部15、および記憶部16を有する。
【0041】
(制御部10)
制御部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ、インタフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、HMD1の各構成を制御する。
【0042】
本実施形態による制御部10は、例えば収音部13、撮像部14、および視線検出部15で取得したデータを、通信部11を介してユーザ端末2またはクラウドストレージ3に送信するよう制御する。また、制御部10は、通信部11を介してユーザ端末2から受信した指示に従って、表示部12にデータを表示するよう制御する。
【0043】
(通信部11)
通信部11は、外部機器との間でのデータの送受信を行う。例えば通信部11は、Wi−FiまたはBluetooth(登録商標)等によりユーザ端末2と無線接続し、データの送受信を行う。
【0044】
(表示部12)
表示部12は、制御部10による制御に従って、画像データを表示する。具体的には、本実施形態による表示部12は、装着者から見て左上に対話者に関連する過去データを表示する。
【0045】
(収音部13)
収音部13は、例えば
図2Aに示すようなマイクアレー130と、マイクアレー130で得られた音声信号を増幅処理するマイクアンプ部やA/D変換器を有し、音声データを制御部10に出力する。また、収音部13から出力される音声データは、音声データに対してノイズ除去、音源分離等の処理を行う音声信号処理部(不図示)を介して制御部10に出力されてもよいし、制御部10により音声信号処理が行われてもよい。
【0046】
(撮像部14)
撮像部14は、撮像レンズ14a、絞り、ズームレンズ、及びフォーカスレンズ等により構成されるレンズ系、レンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせる駆動系、レンズ系で得られる撮像光を光電変換して撮像信号を生成する固体撮像素子アレイ等を有する。固体撮像素子アレイは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサアレイや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサアレイにより実現されてもよい。
【0047】
(視線検出部15)
視線検出部15は、装着者の視線位置を検出する機能を有し、検出結果を制御部10に出力する。具体的には、例えば視線検出部15は、内側に向けて設けられた撮像レンズ15a(
図2B参照)を有する撮像部により実現される。この場合、視線検出部15は、撮像されたユーザの眼球の撮像画像に基づいて瞳孔の中心点を認識する処理を行い、視線位置を検出する。
【0048】
(記憶部16)
記憶部16は、制御部10による各種処理を実行するためのプログラムが格納される。
【0049】
以上、HMD1の内部構成について説明した。なお
図4に示すHMD1の構成は一例であって、HMD1の構成はこれに限定されない。例えばHMD1は、さらに照明部、音声出力部等を有していてもよい。
【0050】
<2−2.ユーザ端末の構成>
図5は、本実施形態によるユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、ユーザ端末2は、制御部20、通信部21、操作部22、表示部23、および記憶部24を有する。
【0051】
(制御部20)
制御部20は、例えばCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、インタフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、ユーザ端末2の各構成を制御する。また、制御部20は、
図5に示すように、ライフログ取得制御部210、話者認識部220、検索制御部230、表示制御部240、共有設定制御部250、および言語処理部260として機能する。
【0052】
ライフログ取得制御部210は、ユーザの周囲の状況を継続的に記憶するよう制御する。具体的には、例えばライフログ取得制御部210は、HMD1の収音部13、撮像部14で取得された音声データ、画像データをHMD1から受信して、記憶部24またはクラウドストレージ3に格納するよう制御する。
【0053】
話者認識部220は、HMD1から送信される音声データ、画像データに基づいて、対話者を認識する。具体的には、例えば話者認識部220は、音声データに対して音源分離を行い、混合されている音声データを音源毎に分離する。これにより、話者認識部220は、音声データを、環境音や、ユーザA自身の発話音、対話者(ユーザB)の発話音等に分離することができる。また、話者認識部220は、音源分離した各個別音声データに対して解析処理を行って、個別音声を発する音源の方向を示す方向データと、音源までの距離を示す距離データを生成してもよい。ここで、音声の音源の方向および距離は、その音声を収音したHMD1のマイクアレー等の収音部13を基準とした方向および距離である。そして、話者認識部220は、個別音声データが発話音である場合、発話者の認識を行う。具体的には、話者認識部220は、音声データ取得時の撮像画像(画像データ)を参照し、音源の方向を示す方向データおよび/または距離を示す距離データに合致する位置の人物(顔画像)を話者として認識し、顔認識処理により話者を識別する。また、話者認識部220は、発話音と判断された個別音声データを分析して得た音声の特徴量に基づいて話者を識別することも可能である。
【0054】
検索制御部230は、話者認識部220により認識された対話者に関連する情報(過去データ)を検索する機能を有する。具体的には、検索制御部230は、クラウドストレージ3、またはローカルストレージである記憶部24に対して検索要求を行う。ここで、クラウドストレージ3において検索される範囲は、ユーザがアクセス可能な記憶領域であって、継続的に蓄積されたライフログや、クリップ等して保存したドキュメント群、他者と送受信したデータ等から検索される。検索制御部230は、検索の際、過去データに関連付けられたメタデータに基づいて対話者に関連する過去データを検索し得る。また、検索制御部230は、対話者に関連する過去データのうち、現在日時、場所、ユーザの現在のスケジュール情報と照らし合わせて、検索してもよい。例えば、検索制御部230は、対話者に関連する過去データのうち、現在ユーザが出席している会議の過去の会議で利用された資料を検索する。
【0055】
表示制御部240は、ユーザ端末2の表示部23の表示制御の他、HMD1の表示部12の表示制御も行い得る。例えば表示制御部240は、検索制御部230により検索された対話者に関連する情報(過去データ)を、HMD1の表示部12に表示するよう制御する。具体的には、表示制御部240は、通信部21を介して、対話者に関連する情報と、表示指示をHMD1に送信する。
【0056】
共有設定制御部250は、過去データの他者との共有設定の制御を行う。具体的には、共有設定制御部250は、ユーザが対話者への共有が許可された場合、対話者のユーザ端末に対して共有が許可された過去データを送信し、また、クラウドストレージ3に対して共有通知を行う。
【0057】
言語処理部260は、HMD1の収音部13で取得され、HMD1から送信された音声データに対して言語解析処理を行い、指示語や名詞等のキーワード抽出を行う。抽出されたキーワードは、対話者に関連する過去データの検索キーワードの候補としてユーザに提示される。
【0058】
(通信部21)
通信部21は、外部機器との間でのデータの送受信を行う。例えば通信部21は、Wi−FiまたはBluetooth(登録商標)等によりHMD1、およびクラウドストレージ3と接続し、データの送受信を行うことができる。
【0059】
(操作部22)
操作部22は、ユーザによる操作入力を受け付け、受け付けた入力情報を制御部20に出力する。操作部22は、ボタン、スイッチ等の他、表示画面への操作入力を受け付けるタッチセンサにより実現される。
【0060】
(表示部23)
表示部23は、制御部20の表示制御部240の制御にしたがって、所定の表示画面を表示する。表示部23は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)またはOLED(Organic Light−Emitting Diode)等により実現される。
【0061】
(記憶部24)
記憶部24は、制御部20が各種処理を実行するためのプログラム等を記憶する。また、本実施形態では、ライフログやドキュメント群等がクラウドストレージ3に格納されているが、ローカルストレージの一例である記憶部24に格納されていてもよい。
【0062】
以上、ユーザ端末2の構成例について具体的に説明した。なおユーザ端末2は、
図1に示すスマートフォンに限定されず、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistants)、PC(Personal Computer)、タブレット端末等であってもよい。
【0063】
<2−3.クラウドストレージの構成>
図6は、本実施形態によるクラウドストレージ3の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、クラウドストレージ3は、制御部30、通信部31、メタデータ生成部33、および記憶部34を有する。
【0064】
(制御部30)
制御部30は、例えばCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、インタフェース部を備えたマイクロコンピュータにより構成され、クラウドストレージ3の各構成を制御する。例えば、制御部30は、ユーザ端末2からの要求に応じて、対話者に関連する過去データを記憶部34から検索する機能を有する。また、制御部30は、記憶部34に記憶されている音声データや画像データ、ドキュメント群等を取得してメタデータ生成部33に送り、メタデータ生成部33で生成されたメタデータを、音声データ等にそれぞれ関連付けて記憶部34に格納するよう制御する。
【0065】
(通信部31)
通信部31は、外部機器との間でのデータの送受信を行う。例えば通信部31は、ネットワークを介して、ユーザ端末2、およびHMD1と接続し、データの送受信を行うことができる。
【0066】
(メタデータ生成部33)
メタデータ生成部33は、記憶部34に記憶される音声データ、画像データ(動画/静止画)、ドキュメント群等を解析し、メタデータを生成(抽出)する。例えば、メタデータ生成部33は、画像データや音声データについて、録音/録画日時、録音/録画場所、顔認識/音声認識により得られた被写体/話者の識別情報、被写体/話者(音源)の方向データ・距離データ、アクセス権限者(ユーザ名)、音声認識、テキスト化データ等をメタデータとして生成する。また、メタデータ生成部33は、ドキュメント群(テキストデータ)について、利用日時、改変日時、ユーザのスケジュールとの紐付け情報(例えば会議名、参加者/同席者等)、コンテンツ内容(例えばタイトル)等をメタデータとして生成する。
【0067】
(記憶部34)
記憶部34は、各ユーザ端末2から送信されたライフログ(音声データ、画像データ等)や、ドキュメント群、各ユーザのスケジュール情報等を記憶する。また、記憶部34に記憶されているデータは、アクセス権限を有するユーザにより日常的に閲覧、追加・削除などの操作がなされる。
【0068】
記憶部34に記憶されているデータには各々アクセス権が設定され、各ユーザのプライベートなデータとして設定され得る。また、アクセス権を有するユーザの指示に従って、対象データに対するアクセスを他ユーザに許可される場合(共有される場合)や、所定グループのユーザに対して対象データがパブリックにされる場合もある。
【0069】
以上、本実施形態による情報共有システムに含まれる各装置の構成について詳細に説明した。続いて、本実施形態による情報共有システムの動作処理について説明する。
【0070】
<<3.動作処理>>
<3−1.ライフログの保存処理>
まず、情報共有システムに含まれるクラウドストレージ3に日常的に蓄積されるユーザのライフログの保存処理について
図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態によるライフログの保存処理を示すシーケンス図である。
【0071】
図7に示すように、ステップS103において、ユーザ端末2の操作部22は、ユーザによるログ開始操作を受け付ける。
【0072】
次いで、ステップS106において、操作部22はログ開始指示を制御部20に出力し、制御部20は、通信部21を介してHMD1にログ開始指示を送信する。
【0073】
次に、ステップS109において、HMD1の制御部10は、ライフロガーの起動処理(ライフログの保存開始)を行う。
【0074】
続いて、ライフロガーの起動処理後の動作処理について
図8を参照して説明する。
図8は、ライフロガー起動中の動作処理を示すシーケンス図である。
図8に示すように、ステップS123およびS126において、HMD1の制御部10は、収音部13で収音された音データや、撮像部14で撮像された画像データ(静止画/動画)をライフログとして取得する。
【0075】
次に、ステップS129において、制御部10は、取得したライフログ(音データ、画像データ)を、通信部11を介してユーザ端末2に送信する。
【0076】
次いで、ステップS132において、ユーザ端末2の制御部20は、ライフログ取得制御部210として機能し、HMD1から受信したライフログをクラウドストレージ3に送信する。
【0077】
次に、ステップS135において、クラウドストレージ3の制御部30は、通信部31を介してユーザ端末2から受信したライフログを、記憶部34におけるユーザがアクセス可能な記憶領域に格納する。
【0078】
以上説明したステップS123〜S135の処理は、ライフロガー起動中において繰り返し行われる。これにより、ユーザの周囲の状況や周囲の音声を、全天球カメラや魚眼レンズで実現された360度カメラ(撮像部14の一例)や、マイクアレー(収音部13の一例)で取得し、常時ライフログとしてクラウドストレージ3に蓄積することができる。
【0079】
なお、クラウドストレージ3に蓄積されるユーザのデータは、音声データや画像データに限定されず、例えばドキュメント群(テキストデータ)も含まれる。
【0080】
また、クラウドストレージ3に蓄積されるデータは、ライフログに限定されず、例えばユーザ端末2でフリック操作して登録したデータ(音声データ、画像データ、テキストデータ)や、他ユーザと送受信したデータ、およびスケジュール情報等も含まれる。
【0081】
<3−2.メタデータ生成処理>
次に、クラウドストレージに蓄積されている各種データのメタデータ生成について
図9を参照して説明する。
図9は、本実施形態によるメタデータ生成処理を示すシーケンス図である。
【0082】
図9に示すように、まず、ステップS146において、クラウドストレージ3の制御部30は、記憶部34から各種データ(コンテンツデータとも称す)を取得する。
【0083】
次に、ステップS149において、制御部30は、記憶部34から取得したコンテンツデータをメタデータ生成部33に転送すると共に、メタデータの生成指示を出す。
【0084】
次いで、ステップS152において、メタデータ生成部33は、コンテンツデータを解析してメタデータを抽出する。具体的には、上述したように、画像データや音声データについては、録音/録画日時、被写体/話者の識別情報、テキスト化データ等がメタデータとして生成され、また、ドキュメント群については、利用日時、改変日時、ユーザのスケジュールとの紐付け情報等がメタデータとして生成される。
【0085】
次に、ステップS155において、メタデータ生成部33は、抽出したメタデータを制御部30に転送する。
【0086】
続いて、ステップS158において、制御部30は、コンテンツデータとメタデータを関連付ける。
【0087】
そして、ステップS161において、関連付けたメタデータを記憶部34に格納する。
【0088】
<3−3.起動処理>
次に、本実施形態による対話者に関連する過去データを表示する処理(以下、回想アプリケーションとも称す)の起動について、
図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態による回想アプリケーションの起動処理を示すシーケンス図である。なお、ここでは、会議の場面で出席者がそれぞれ本システムを利用可能なHMD1を装着している状況を想定する。また、会議の出席者には、ユーザAおよびユーザBが含まれる。
【0089】
また、本システムでは、各々のHMD1に設けられている収音部13および撮像部14により取得された音声データおよび画像データの解析結果に基づいて、会議の出席者や発言者等が自動認識される。これにより、例えばユーザAの前でユーザBが話している際、ユーザAのHMD1aまたはユーザ端末2aでは、目の前にいる人物がユーザBであることと、ユーザBが話者であることが明示される。このような状況において、本実施形態によるユーザ端末2は、ユーザの視線の動きをトリガとして回想アプリケーションを起動する。
【0090】
具体的には、
図10に示すように、まずステップS173、S176において、HMD1の制御部10は、収音部13から収音された音声データを取得し、撮像部14から撮像された画像データを取得する。収音部13は、会議中の会話を収音し、撮像部14は、ユーザの周囲に居る会議参加者を撮像している。
【0091】
次に、ステップS179において、制御部10は、通信部11を介して、取得データをユーザ端末2に送信するよう制御する。
【0092】
次いで、ステップS182において、ユーザ端末2の制御部20は、話者認識部220として機能し、通信部21を介してHMD1から取得したデータ(音声データ、画像データ)を解析してリアルタイムで話者認識を行う。これにより、例えばユーザAの対話者としてユーザBを認識することができる。また、上記ステップS173〜S182は繰り返し行われ、話者の変更も認識され得る。
【0093】
次に、ステップS185において、HMD1の制御部10は、視線検出部15により検出された装着者の視線検出データを取得する。
【0094】
次いで、ステップS188において、制御部10は、通信部11を介して、視線検出データをユーザ端末2に送信するよう制御する。
【0095】
次に、ステップS191において、ユーザ端末2の制御部20は、通信部21を介してHMD1から受信した視線検出データに基づいて、ユーザの視線が左上を向いたか否かを判断する。
【0096】
続いて、ユーザの視線が左上を向いたと判断した場合(S191/Yes)、ステップS194において、制御部20は、回想アプリケーションを起動する。上述したように、一般的に人間は過去の記憶を思い返す際、視線が左に向くことが知られているので、ここでは一例としてユーザの視線が左上に向いたことをトリガとして回想アプリケーションを起動する。
【0097】
次いで、ステップS197において、制御部20は、表示制御部240として機能し、HMD1に対して回想情報(対話者に関連する過去データ)を表示するよう制御する。なお回想情報はクラウドストレージ3から取得するが、当該回想情報の検索処理については後述する。
【0098】
次に、ステップS200において、HMD1の制御部10は、ユーザ端末2からの指示に従って、表示部12に対して回想情報を表示するよう制御する。
【0099】
そして、ステップS201において、HMD1の表示部12は、制御部10の制御に従って、回想情報を表示する。
【0100】
以上、回想アプリケーションの起動処理について説明した。ここで、回想アプリケーション起動時におけるHMD1を介した視界の変化(表示例)について
図11を参照して説明する。
【0101】
図11に示す例は、回想アプリケーション起動時におけるHMD1を装着しているユーザの視界であって、HMD1の表示部12が
図2に示すように透過しない場合、撮像部14により撮像された前方の風景の撮像画像が表示される。また、メガネ型シースルーHMD等、表示部12が透過するタイプの場合、ユーザは透過した表示部12を介して実空間の前方の風景が見える。上述したように、本システムでは会議中継続的に話者認識が行われるので、図
11上に示すように、誰が話者であるかを示す表示が、HMD1の表示部12において前方の撮像画像または実空間の風景に重畳表示される。
【0102】
そして、ユーザが相手ユーザと議論しながら過去の記憶を思い返す際、ユーザの視点40が自然に左上に移動すると、継続的に視線検出を行っていた本システムは回想アプリケーションを起動する。回想アプリケーションが起動すると、HMD1は、ユーザ端末2の制御に従って、例えばユーザの視界の左上に吹き出し画像42を表示し、吹き出し画像42内に、クラウドストレージ3から検索された対話者に関連する過去データの資料群421〜423を表示する。これにより、ユーザが過去の記憶を思い返そうとすると、自動的にクラウドストレージ3から検索されたデータが表示されるので、ユーザは過去のデータを確認した上でより有意義に議論を行うことができる。
【0103】
なお、ここではトリガとして視線移動を用いたが、回想アプリケーションの起動トリガはこれに限定されず、例えばユーザによる明示的な起動操作等であってもよい。また、検索される過去データの資料群421〜423(回想情報)は、
自動選択された話者に関連するものであるが、本実施形態はこれに限定されず、例えばユーザ操作により任意に選択された他の参加者の過去データであってもよい。
【0104】
<3−4.検索処理>
続いて、本実施形態による過去データ(回想情報)の検索処理について
図12を参照して説明する。
図12は、本実施形態による過去データの検索処理を示すシーケンス図である。
【0105】
図12に示すステップS194において、
図10に示す動作処理の同ステップの処理、すなわちユーザ端末2の制御部20による回想アプリケーションの起動処理が行われる。この際、上記ステップS182において、話者は既に認識されている状態を想定する。
【0106】
次に、ステップS194−1において、制御部20は、検索制御部230として機能し、認識された話者(例えばユーザB)に関連する情報の検索要求を、通信部21を介してクラウドストレージ3に対して行う。
【0107】
次いで、ステップS194−2において、クラウドストレージ3の制御部30は、記憶部34から関連情報の検索を行う。この際、制御部30は、例えば話者と認識されたユーザBに関連する情報として、ユーザBが出席している本会議の過去の資料や、ユーザBが他者に共有している資料全般、ユーザBとユーザAが以前話していた時に利用した資料、ユーザBとの会話の内容等を検索する。具体的には、制御部30は、記憶部34に記憶されている各種コンテンツデータのメタデータを参照してこれらの資料を検索する。例えば、ライフログには、その時周囲に居た人物や対話者の認識結果がメタデータとして紐付けられているので、ユーザBと一緒に居た時の音声データや画像データが検索結果として抽出される。また、ライフログから判明するユーザBと一緒に居た時刻の前後にユーザAが送受信したメールの内容や、アクセスしたURL等が検索結果として抽出されてもよい。
【0108】
次に、ステップS194−3において、制御部30は、記憶部34から検索したコンテンツデータを、通信部31を介して、検索結果としてユーザ端末2に送信する。
【0109】
そして、ステップS197において、ユーザ端末2の制御部20は、表示制御部240として機能し、HMD1に対して回想情報の表示指示を行う(
図10の同ステップ参照)。
【0110】
以上、本実施形態による検索処理について説明した。なお検索結果が複数ある場合、
図11に示すように、吹き出し画像42内に複数の過去データの資料群421〜423が表示されるので、ユーザは任意の資料を絞り込んで所望の資料を閲覧することができる。以下、
図13、
図14を参照して資料の絞り込みについて説明する。絞り込み操作は、ユーザの手元にあるユーザ端末2の操作部22(例えばタッチパネル)からフリック、タップ操作等により行ってもよい。この場合、ユーザ端末2の表示部23にも吹き出し画像42および過去データの資料群421〜423が表示され、ユーザ端末2での絞り込み操作がHMD1の表示部12にも反映される。
【0111】
図13は、フリック操作で資料群を閲覧する場合について説明するための図である。
図13に示すように、過去データとして複数の資料が吹き出し画像42内に表示されている場合、ユーザAは、指5aで左右にフリック操作を行うことで、並列して並ぶ他の資料群を閲覧することができる。例えば、
図13に示す例では過去データの資料群421〜423が吹き出し画像42内に表示されているが、さらに他の資料群が並んでいる場合、吹き出し画像42内には全て表示され得ないので、ユーザはフリック操作により他の資料群を閲覧する。
【0112】
図14は、個別の資料の中身を閲覧する場合について説明するための図である。
図14上に示すように、各資料群421〜423のうち、例えば資料群422をタップして資料群422の内訳を表示させることができる。次いで、
図14中央に示すように、資料群422の内訳として資料422−1〜422−3が表示されると、ユーザは所望の資料422−2をタップして資料422−2の中身を表示させることができる。
【0113】
そして、
図14下に示すように、資料422−2の中身が展開されると、ユーザは上下左右のフリック操作により資料422−2をスクロールさせて閲覧することができる。
【0114】
以上、資料の絞り込み操作をユーザ端末2の操作部22から行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば指さし等のジェスチャー入力で行ってもよい。指さし等のジェスチャーは、HMD1に設けられた撮像部14により撮像され、撮像画像の解析によりジェスチャー入力として受け付けられる。また、ジェスチャー入力の際、手や指の撮像画像がHMD1の表示画面に重畳表示されてもよい。
【0115】
<3−5.キーワード検索処理>
以上説明した検索処理では、話者(またはユーザが任意に指定した人物)に関連する過去データが検索され、ユーザが絞り込み操作を行っているが、本実施形態はこれに限定されず、話者との会話から抽出したキーワードを用いて資料の絞り込みが行われてもよい。
【0116】
(3−5−1.キーワード表示)
まず、
図15〜
図18を参照して抽出したキーワードの表示と資料の絞り込みについて説明する。
図15は、キーワードの表示制御処理を示すシーケンス図である。
【0117】
図15に示すように、ステップS203において、HMD1の制御部10は、収音部13から話者との会話(音データ)を取得し、次のステップS206において、ユーザ端末2に送信する。
【0118】
次いで、ステップS209において、ユーザ端末2の制御部20は、言語処理部260として機能し、通信部21を介してHMD1から受信した音データに対して言語処理を行い、名詞や指示語等のキーワードを抽出する。
【0119】
また、ステップS212において、制御部20は、話者認識部220として機能し、通信部21を介してHMD1から受信した音データに対して話者認識を行う。
【0120】
次に、ステップS215において、制御部20は、話者との会話から抽出したキーワードを、通信部21からHMD1に送信するよう制御する。
【0121】
次いで、ステップS218において、HMD1の制御部10は、ユーザ端末2から通信部11を介して送信されたキーワードを、表示部12において、対応する話者付近に表示するよう制御する。
【0122】
そして、ステップS221において、HMD1の表示部12は、話者との会話から抽出されたキーワードを話者付近に表示するよう制御する。
【0123】
以上説明したキーワードの表示制御は会議中にリアルタイムで継続的に行われる。ここで、キーワードの表示例について
図16を参照して説明する。
図16は、本実施形態によるキーワードの表示例について説明するための図である。
図16に示す例は、HMD1の表示部12を介したユーザの視界であって、認識された話者であるユーザB付近には、「Bさん、話者」と表示される。また、回想アプリケーションが起動すると、吹き出し画像42が左上に表示される。そして、上述したキーワード表示制御処理により、
図16に示すように、ユーザBとの会話から抽出されたキーワード群43が表示される。かかるキーワード表示制御処理は、会議中にリアルタイムで継続的に行われるので、
図16に示すように、順次抽出されたキーワードが表示される。
【0124】
(3−5−2.キーワードの選択と検索処理)
続いて、表示されたキーワードの選択と検索処理について
図17を参照して説明する。
図16を参照して上述したようにキーワード群43が表示された場合、ユーザは検索したいキーワードを選択する。選択操作は、ユーザ端末2の操作部22からタップ操作等により行ってもよいし、指さし等のジェスチャー入力であってもよい。
図17に示すシーケンス図では、一例としてユーザ端末2の操作部22からタップ操作により選択する場合について説明する。
【0125】
図17は、本実施形態によるキーワード選択および検索処理を示すシーケンス図である。
図17に示すよう、まず、ステップS233において、ユーザ端末2の操作部22は、キーワード「あの資料」の選択を受け付ける。
【0126】
次に、ステップS236において、操作部22は検出したキーワード選択の内容(キーワード「あの資料」を選択したこと)を制御部20に出力する。
【0127】
次いで、ステップS239において、制御部20は、検索制御部230として機能し、キーワード「あの資料」を検索する際の具体的な検索ワードを生成する。例えば、「あの資料」からは、話者が今開かれている会議で過去に使った資料や、話者が今開かれている会議に参加しているメンバーと話したときに使った資料等が推定されるので、現在行われている会議の名称や、参加者全員の氏名等が具体的な検索ワードとして生成される。
【0128】
続いて、ステップS242において、制御部20は、生成した検索ワードに基づいて、資料候補情報取得要求を、通信部21を介してクラウドストレージ3に対して行う。
【0129】
次に、ステップS245において、クラウドストレージの制御部30は、ユーザ端末2からの要求に応じて、検索ワードに基づき、資料候補情報を記憶部34から検索する。この際、制御部30は、記憶部34に格納されているコンテンツデータに紐付けられているメタデータを参照し、所定の会議の過去の資料等を検索する。
【0130】
次いで、ステップS248において、制御部30は、検索結果をユーザ端末2に送信する。
【0131】
次に、ステップS251において、ユーザ端末2の制御部20は、検索結果に基づいて、「あの資料」の資料候補情報を表示するようHMD1に対して指示を送る。
【0132】
そして、ステップS254において、HMD1の制御部10は、ユーザ端末2からの指示に従って、資料候補情報を表示部12に表示するよう制御する。この際、制御部10は、回想アプリケーション起動により表示された吹き出し画像の中に、資料候補情報を表示するよう制御してもよい。以下、
図18を参照して説明する。
【0133】
図18は、キーワード検索の結果表示画面の一例を示す図である。
図18上に示すように、ユーザBとの会話中に抽出されたキーワード群43が表示されている場合に、ユーザが「あの資料」を選択すると、
図18下に示すように、吹き出し画像42内に「あの資料」と推定される資料候補群440(検索結果)が表示される。このように、本実施形態では、会話中に抽出されたキーワードに基づいて絞り込み検索を行うことができる。
【0134】
(3−5−3.検索資料の推定処理)
上述した検索処理では、会話から抽出した名詞または指示語からキーワードを一つ選択して対象資料の検索を行っているが、本実施形態はこれに限定されず、選択されたキーワードが登場した会話の前後の会話に基づいて、より正確に対象資料を推定することもできる。以下、
図19〜
図22を参照して具体的に説明する。
【0135】
図19は、対象資料の推定処理を説明するための図である。
図19に示す処理は、例えばユーザ端末2の制御部20により実行される。また、
図19に示す「DB(データベース)」は、例えばユーザ端末2の記憶部24が相当する。
【0136】
まず、ステップS260において、制御部20は、HMD1から送信された撮像画像(例えばHMD1の全方向の撮像画像)に基づいて、周囲に居る人物の顔を認識する。ここで、会議の出席者にはユーザA、ユーザBが含まれる。また、ここでは、一例としてユーザAが所持するユーザ端末2の処理として説明する。
【0137】
次に、ステップS262において、制御部20は、HMD1から送信された音声データおよび/または撮像画像に基づいて、話者(ここでは、ユーザAまたはユーザB)を特定する。
【0138】
次いで、ステップS264において、制御部20は、ユーザAとユーザBの会話を全て音声認識・言語解析し、ユーザ毎にキーワードをラベル化し、DB(記憶部24)に保存する。なお、制御部20によるラベル化は、音声認識に基づくものに限定されず、例えば画像(静止画/動画)認識、行動認識等全ての認識結果に基づいて行う。ここで、DBに保存されるラベル化されたキーワードの一例を下記表1に示す。
【0140】
次いで、ステップS266において、制御部20は、会話中から「あれ・これ」といった指示語を判別する。例えば、制御部20は、ユーザAが「あれってどこだっけ」という会話から、指示語「あれ」を判別する。
【0141】
次に、ステップS268において、制御部20は、判別した指示語に相当する内容の解析を開始する。
【0142】
具体的には、ステップS270において、制御部20は、判別した指示語「あれ」の前後の会話のラベルを解析し、キーワードを抽出する。例えば、ユーザBによる「年末最後のCさんとの会議で使った『あれ』はJのフォルダに入っているよ」といった会話から、「人:Aさん・Bさん・Cさん」、「時間:年末最後」、「場所:会議室」、「コンテンツ内容:会議内容、お昼の会話」といったキーワードが抽出される。
【0143】
次いで、ステップS272において、制御部20は、抽出された「キーワード」と、各コンテンツデータのメタデータとをマッチングして、「あれ」に相当するコンテンツデータ(会議資料、写真、動画等)を抽出する。メタデータが紐付けられたコンテンツデータは、クラウドストレージ3から取得されて、ユーザ端末2の記憶部24に一時的に格納される。ここで、マッチングによる「あれ」候補一覧の一例を
図20に示す。
図20に示すように、各コンテンツデータのメタデータと、抽出されたキーワードのマッチングにより、「あれ」候補1〜3が挙げられる。
【0144】
次に、ステップS274において、制御部20は、「あれ」候補1〜3を、優先度順(マッチング度の高い順)に、HMD1の表示部12において、ユーザAから見て左上に表示される吹き出し画像内で提示するよう制御する。なお、ユーザ端末2から選択操作を行う場合は、ユーザ端末2の表示部23にも同様に候補1〜3を表示するよう制御する。
【0145】
そして、ステップS276において、HMD1の表示部12に表示された「あれ」候補1〜3のうち、ユーザAにより正しい資料が選択され、正解が示される。また、候補1〜3が、後述する共有設定によりユーザBに公開された場合、ユーザBにより正しい資料が選択され、正解が示される場合もある。正しい資料が選択されると、ユーザ端末2の制御部20は、正解が示された「あれ」候補(コンテンツデータ)のメタデータをフィードバック学習により拡充する。
図21は、フィードバック学習によるメタデータの拡充を説明するための図である。
図21に示すように、例えば「○○.ppt」が正解だった場合、当該コンテンツデータのメタデータに、「時間:年末最後」、「人:Cさん」「その他:Jのフォルダ」等のキーワードがメタデータとして追加される。
【0146】
以上説明した推定処理では、会話に参加しているユーザAまたはユーザBの発言に基づいて候補資料を推定して提示しているが、本実施形態はこれに限定されず、例えばそれまでの会話に参加していなかった者に対しても資料候補を提示することも可能である。以下、
図22を参照して説明する。
【0147】
図22は、会話の非参加者に対して資料候補を提示する処理を説明するための図である。
図22に示すように、まず、ステップS280において、ユーザ端末2の制御部20は、HMD1から送信された撮像画像(例えばHMD1の全方向の撮像画像)に基づいて、周囲に居る人物の顔を認識する。ここで、会議の出席者にはユーザA、ユーザB、ユーザCが含まれる。また、ここでは、一例としてユーザCが所持するユーザ端末2の処理として説明する。
【0148】
次に、ステップS282において、制御部20は、HMD1から送信された音声データおよび/または撮像画像に基づいて、話者(ここでは、ユーザAまたはユーザB)を特定する。この時、ユーザCは会話に参加しておらず、会話の外にいる。
【0149】
次いで、ステップS284において、制御部20は、ユーザCの周りで行われているユーザAとユーザBの会話を全て音声認識・言語解析し、ユーザ毎にキーワードをラベル化し、DB(記憶部24)に保存する。
【0150】
次に、ステップS286において、制御部20は、会話に参加していないユーザCに対してユーザAが「そういえば、『あれ』ってどうなったの?」と話しかけてきた場合でも、会話から指示語「あれ」を判別する。
【0151】
次いで、ステップS288において、制御部20は、判別した指示語に相当する内容の解析を開始する。
【0152】
具体的には、ステップS290において、制御部20は、判別した指示語「あれ」の前後の会話のラベルを解析し、キーワードを抽出する。上述したように、ユーザCが会話に参加していない間も、ユーザCのユーザ端末2における制御部20は、ユーザCの周りの会話を解析してキーワードをラベル化しているので、ユーザAが話しかけてきた時までの会話からもキーワードを抽出することが可能である。
【0153】
次いで、ステップS292において、制御部20は、抽出された「キーワード」と、各コンテンツデータのメタデータとをマッチングして、「あれ」に相当するコンテンツデータ(会議資料、写真、動画等)を抽出する。
【0154】
次に、ステップS294において、制御部20は、複数の「あれ」候補を、優先度順(マッチング度の高い順)に、HMD1の表示部12において、ユーザCから見て左上に表示される吹き出し画像内で提示するよう制御する。この際、制御部20は、ユーザAとユーザBの会話から抽出されたキーワードを併せて提示してもよい。
【0155】
そして、ステップS296において、HMD1の表示部12に表示された複数の「あれ」候補のうち、ユーザCにより正しい資料が選択され、正解が示される。また、複数の候補が、後述する共有設定によりユーザA、ユーザBに公開された場合、ユーザAまたはユーザBにより正しい資料が選択され、正解が示される場合もある。正しい資料が選択されると、ユーザ端末2の制御部20は、正解が示された「あれ」候補(コンテンツデータ)のメタデータをフィードバック学習により拡充する。
【0156】
以上説明したように、本実施形態によるユーザ端末2は、ユーザが会話に参加していない間も周囲の会話を解析することで、話しけられた会話から指示語が抽出された場合に、それまでの会話を解析してラベル化したキーワードに基づいて候補資料を推定し、ユーザに提示することが可能である。
【0157】
<3−6.共有処理>
続いて、回想アプリケーションの起動により、ユーザに提示された過去データ(候補資料)を他ユーザと共有する場合について、
図23〜
図25を参照して説明する。また、ここでは、一例としてユーザAがユーザBに過去データを共有する場合を想定する。
【0158】
図23は、本実施形態による共有処理を示すシーケンス図である。
図23に示すように、まず、ステップS313において、ユーザAが所持するユーザ端末2aの操作部22は、過去データのユーザBへの共有設定を受け付ける。共有設定の操作は、例えば
図24に示すように、共有したい過去データに対応して表示される共有設定ボタン425、426を選択することにより行われる。なお対話者であるユーザBのみに共有する場合は共有設定ボタン425を選択し、同席者全員に共有する場合は共有設定ボタン426を選択する。
【0159】
次に、ステップS316において、ユーザ端末2aの操作部22は、ユーザBへの共有設定操作を検出した旨を制御部20に出力する。
【0160】
次いで、ステップS319において、制御部20は、指定の資料(
図24に示す例では、「Bさんによるこの会議の資料2」)をユーザBに共有する旨をクラウドストレージ3に通知する。
【0161】
次に、ステップS322において、クラウドストレージ3の制御部30は、記憶部34のユーザAがアクセス権限を有する領域に格納された指定の資料に共有フラグをセットするよう制御する。
【0162】
また、ステップS325において、ユーザ端末2aの制御部20は、共有設定されたユーザBが所持するユーザ端末2bに対して、指定の資料を送信する。
【0163】
次に、ステップS328において、ユーザ端末2bは、ユーザ端末2aから送信された共有資料を、ユーザBに装着されるHMD1bで表示するよう指示する。
【0164】
そして、ステップS331において、HMD1bは、ユーザ端末2bの指示に従って、ユーザAから共有された資料を、表示画面においてユーザAに対応する位置(例えばユーザAの頭上)に表示する。ここで、ユーザAからユーザBに共有された資料の提示画面の一例を
図25に示す。
図25では、HMD1bを装着したユーザBの視界(表示部12による表示画面)を図示する。
【0165】
図25に示すように、ユーザAの頭上に表示される吹き出し画像42a内に、ユーザAからユーザBに対して共有された資料が提示される。これにより、ユーザBは、ユーザAが現在思い返している過去データを直感的に把握することができる。また、ユーザBは、当該過去データをユーザAの頭上の吹き出し画像42a内で展開して中身を閲覧することもできるし、また、自分の記憶領域にコピーすることもできる。共有資料のコピーについては後述する。
【0166】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが思い返した過去データを他ユーザにも共有することができるので、より有意義な議論を行うことができる。なお、
図23を参照した共有処理では、ユーザ端末2aからユーザ端末2bに共有する資料(コンテンツデータ)を送信しているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、クラウドストレージ3の記憶部34において共有フラグがセットされた場合に、クラウドストレージ3の制御部30が、共有設定されたユーザBのユーザ端末2bに対して、共有資料を送信してもよい。
【0167】
<3−7.共有資料のコピー処理>
次に、共有資料のコピー処理について
図26〜
図28を参照して説明する。ここでは、一例としてユーザAがユーザBに共有した資料(過去データ)のコピーについて説明する。コピー操作は、ユーザ端末2の操作部22からドラッグ・ドロップ操作等により行ってもよいし、指さし等のジェスチャー入力であってもよい。
【0168】
図26は、本実施形態による共有資料のコピー処理を示すシーケンス図である。
図26に示すシーケンス図では、一例としてユーザ端末2bの操作部22から操作する場合について説明する。
【0169】
図26に示すように、まず、ステップS343において、ユーザ端末2bの操作部22は、共有資料のコピー操作を受け付ける。
【0170】
次に、ステップS346において、操作部22は、コピー操作を検出した旨を制御部20に出力する。
【0171】
次いで、ステップS349において、制御部20は、指定の資料をユーザBがアクセス可能な記憶領域にコピーするよう、クラウドストレージ3に対して指示する。
【0172】
次に、ステップS352において、クラウドストレージ3の制御部30は、記憶部34のユーザAがアクセス可能な領域に記憶され、共有フラグがセットされた共有資料を、ユーザBがアクセス可能な領域にコピーする。
【0173】
また、ステップS358において、ユーザ端末2bの制御部20は、コピー操作された共有資料をHMD1の表示画面において、ユーザBの吹き出し画像内に表示するよう制御する。
【0174】
そして、ステップS361において、HMD1bは、コピー操作された共有資料を、ユーザBから見て左上に表示した吹き出し画像内に表示することで、ユーザは、共有資料がコピーされたことを直感的に把握できる。
【0175】
以上説明した共有資料のコピー操作は、例えば
図27に示すように、ドラッグ・ドロップ操作により行うことができる。
図27は、共有資料のコピー操作について説明するための図である。
【0176】
図27上に示すように、ユーザAの頭上に表示された吹き出し画像42a内の共有資料を指5bでロングタップすることでドラッグを開始することができる。ユーザは、ロングタップした共有資料を、左上に表示される自身の吹き出し画像44の領域に移動させ、吹き出し画像44内にドロップする。これにより、共有資料のコピー操作が完了し、共有資料はクラウドストレージ3の記憶部34においてユーザBがアクセス可能な記憶領域にコピーされる。
【0177】
続いて、コピーした共有資料の閲覧について
図28を参照して説明する。
図28上に示すように、ユーザBが吹き出し画像44内にコピーした共有資料をタップすると、
図28下に示すように、共有資料の中身が展開され、画面全体に重畳表示される。ユーザは、フリック操作等で共有資料の中身をスクロールさせて閲覧することができる。
【0178】
なお、
図28に示す例では、ユーザ端末2の表示部23にHMD1の表示部12と同様の画面が表示され、操作部22から受け付けたタップ操作やフリック操作に応じた画面変化が、HMD1の表示部12に反映される。また、本実施形態はユーザ端末2の操作部22からの操作入力に限定されず、指さし等のジェスチャー入力を行うことも可能である。
【0179】
<<4.まとめ>>
上述したように、本開示の実施形態による情報共有システムは、対話者に関連する過去データを、対話者と視覚的に共有することができるので、会議をより有意義に行うことができる。また、本実施形態による情報共有システムは、対話者に関連する過去データは、例えば視線検出に基づいてユーザが過去の記憶を思い返す動作を行った場合(視線位置が左上に移動した場合)をトリガとして自動的に提示することで、本システムの利便性を向上させる。
【0180】
また、本実施形態による情報共有システムは、対話者との会話の内容に基づいて候補資料(過去データ)を推定することで、より正確にユーザが所望する過去データを提示することができる。
【0181】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0182】
例えば、上述したHMD1、ユーザ端末2、またはクラウドストレージ3に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、HMD1、ユーザ端末2、またはクラウドストレージ3の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0183】
また、上述した実施形態では、一例としてHMD1aを装着する者の視線が左上に移動したことをトリガとして対話者のユーザBに関連する情報を提示しているが、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、過去の記憶を思い返す際に視線がどの方向に移動するかは個人差があるので、視線が左下、右上、または右下等に移動した場合に所定の情報を提示してもよい。
【0184】
また、上述した実施形態では、右脳が使われる際に視線が左に向く事例を挙げたが、一方の左脳は、論理・現実的・言語を司るものであって、「架空の出来事」や「イメージ」、「嘘」を構築する際に、話に破綻や矛盾がないよう論理脳である左脳が使われ、視線は逆の右に向くことが知られている。そこで、本実施形態では、HMD1aの装着者の視線が右上に移動したことをトリガとして、自動的に構築した架空の話を提示することも可能である。
【0185】
例えばHMD1aを装着するユーザAがユーザBと対話している際に、ユーザAの視線が右上に向くと、対話者であるユーザBに関連する情報を抽出するとともに、抽出した情報を一部変更した情報(架空の出来事)をユーザAに提示する。具体的には、例えば対話者であるユーザBに関連する情報として、対話の中に登場したユーザCとユーザAとの会食に関する情報が抽出された場合、当該情報を、ユーザCとユーザAとユーザDとで行ったランチミーティングに変更してHMD1aの表示部12に表示する。このように、本実施形態では、装着者の視線が左上に移動した場合は過去データをそのまま提示し、右上に移動した場合は過去データを一部変更して加工した情報を提示することで、装着者のニーズに応じた情報を提示し、利便性をさらに向上させることができる。なお、架空の出来事や嘘を構築する際に視線がどの方向に移動するかは個人差があるので、視線が右下、左上、または左下等に移動した場合に所定の情報を提示するようにしてもよい。
【0186】
さらに、本実施形態による情報共有システムは、ユーザ端末2を含まなくとも実現され得る。この場合、HMD1の制御部10、または、クラウドストレージ3の制御部30が、
図4に示すユーザ端末2の制御部20の各機能を実行する。
【0187】
また、ライフログ等のコンテンツデータが蓄積されるのはクラウドストレージ3に限定されず、例えば、ユーザ端末2や、ユーザ個人のPC(パーソナルコンピュータ)等のローカルストレージであってもよい。
【0188】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0189】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
認識された対話者に関連する過去データを、ユーザの眼前に配置される表示部に表示するよう制御する表示制御部と、
前記過去データの他者との共有を設定するよう制御する共有設定制御部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記情報処理装置は、
前記対話者に関連する過去データを、記憶部に記憶されている過去データに関連付けられたメタデータに基づいて検索するよう制御する検索制御部をさらに備える、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記検索制御部は、現在日時、場所、またはユーザの現在のスケジュール情報を参照して過去データを検索する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記検索制御部は、会話から抽出したキーワードに関連する過去データを検索する、前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記検索制御部は、会話から抽出した指示語の前後のキーワードと、過去データに関連付けられたメタデータのマッチングにより、前記指示語の候補資料を前記過去データとして検索する、前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記表示制御部は、検出されたユーザの視線位置が所定範囲に移動して回想動作を行った際に、前記過去データを表示するよう制御する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(7)
前記表示制御部は、対話者から共有設定された過去データを表示するよう制御する、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(8)
前記表示制御部は、前記過去データを、共有設定を行った対話者に対応する位置に表示するよう制御する、前記(7)に記載の情報処理装置。
(9)
認識された対話者に関連する過去データを、ユーザの眼前に配置される表示部に表示するよう制御することと、
前記過去データの他者との共有を設定するよう制御することと、
を含む、制御方法。
(10)
コンピュータを、
認識された対話者に関連する過去データを、ユーザの眼前に配置される表示部に表示するよう制御する表示制御部と、
前記過去データの他者との共有を設定するよう制御する共有設定制御部と、
として機能させるための、プログラム。
(11)
各ユーザの過去データを格納するサーバと、
ユーザの頭部に装着され、前記ユーザの眼前に配置される表示部を有するウェアラブル装置と、
前記サーバから取得した、認識された対話者に関連する過去データを、前記表示部に表示するよう制御する表示制御部と;
前記過去データの他者との共有を設定するよう制御する共有設定制御部と;を有するユーザ端末と、
を備える、システム。