特許第6439850号(P6439850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6439850
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   F24H1/00 H
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-238487(P2017-238487)
(22)【出願日】2017年12月13日
(62)【分割の表示】特願2013-124517(P2013-124517)の分割
【原出願日】2013年6月13日
(65)【公開番号】特開2018-40563(P2018-40563A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2017年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 和宏
(72)【発明者】
【氏名】岡橋 健治
(72)【発明者】
【氏名】戸田 明宏
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−78078(JP,A)
【文献】 特開2002−277058(JP,A)
【文献】 特開2006−287639(JP,A)
【文献】 特開2006−277600(JP,A)
【文献】 特開2007−271124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24H 1/18
F24H 1/20
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯対象に温水を供給するための給湯機本体と、
前記給湯機本体を制御する制御装置と、
前記制御装置と接続され、前記給湯機本体の設定値や運転状態を変更する機能を有するリモコンと、
前記制御装置と接続され、前記給湯機本体を操作するための操作命令の受信や該給湯機本体の動作状態情報の送信を行うインターフェースユニットと、
遠隔通信端末から前記操作命令が発信されたときに、外部ネットワークと宅内ネットワークのうち少なくとも一方のネットワークを介して該操作命令を受信し、当該操作命令を前記インターフェースユニットに送信するとともに、該インターフェースユニットを経由して前記給湯機本体の動作状態情報を受信する送受信手段を備えた通信制御装置と、を備え、
前記インターフェースユニットで受信した前記給湯機本体への前記操作命令を、無効にするための無効手段を操作する操作部を、当該インターフェースユニット上または前記リモコンの少なくともいずれか一方に備え、
当該操作部を操作して前記無効手段により前記操作命令を無効にした状態で、再度当該操作部を操作した場合には、前記無効手段は、前記操作命令の無効を解除するようにしたことを特徴とする給湯システム。
【請求項2】
給湯対象に温水を供給するための給湯機本体と、
前記給湯機本体を制御する制御装置と、
前記制御装置と接続され、前記給湯機本体の設定値や運転状態を変更する機能を有するリモコンと、
前記制御装置と接続され、前記給湯機本体を操作するための操作命令の受信や該給湯機本体の動作状態情報の送信を行うインターフェースユニットと、
遠隔通信端末から前記操作命令が発信されたときに、外部ネットワークと宅内ネットワークのうち少なくとも一方のネットワークを介して該操作命令を受信し、当該操作命令を前記インターフェースユニットに送信するとともに、該インターフェースユニットを経由して前記給湯機本体の動作状態情報を受信する送受信手段を備えた通信制御装置と、を備え、
前記インターフェースユニットで受信した前記給湯機本体への前記操作命令を、無効にするための無効手段を操作する操作部を、備え、
初期状態は、前記無効手段が動作した状態、かつ前記給湯機本体の動作状態情報を送信可能な状態とすることを特徴とする給湯システム。
【請求項3】
前記操作部により、前記インターフェースユニットで受信した前記給湯機本体への前記操作命令を、無効にするための無効手段が動作した場合、
前記遠隔通信端末からの前記操作命令は、前記給湯機本体で実行されず無効となる一方、前記給湯機本体の前記動作状態情報は、前記遠隔通信端末に送信可能に構成されたことを
特徴とする、請求項1に記載の給湯システム。
【請求項4】
初期状態は、前記無効手段が動作した状態であることを特徴とする、請求項1または3に記載の給湯システム。
【請求項5】
前記操作部を、前記インターフェースユニット上で使用者が操作可能な位置に備えたことを特徴とする請求項2乃至4に記載の給湯システム。
【請求項6】
前記通信制御手段と前記インターフェースユニットとの前記操作命令の送受信状態を表示する表示手段を、該インターフェースユニットに備えたことを特徴とする、請求項1乃至5に記載の給湯システム。
【請求項7】
前記無効手段は、
前記通信制御装置から送信された前記操作命令が前記インターフェースユニットから前記制御装置へ送信される通信ルートのうち、いずれかを物理的に遮断する遮断手段であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯対象に温水を供給する機能を備えた給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
外部の携帯端末からインターネットを経由して住宅設備機器や家電機器などを遠隔操作することができるシステムがある。例えば特許文献1 に示されるシステムは、給湯装置に携帯端末と通信可能なインターフェースが設けられていて、このインターフェースを介して、携帯端末から給湯装置を遠隔操作するものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−271124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、家屋内に配置された複数の宅内リモコンなどの送受信装置に対し、集中制御装置から送信される操作命令に応じて給湯装置が動作を実行している。このため、例えばインターネットなどを経由して操作命令が悪意をもって行われ、給湯機の所有者の意図しない操作命令が成されたとしても、宅内の所有者はその外部からの操作命令に対しての対抗策を何ら有していないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、外部から所有者の意図しない操作命令が成されたとしても、その外部からの操作命令に対し、操作命令の受信を制限、禁止等の適切な対応処理を行うことができる、使い勝手のよい給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る給湯システムは、給湯対象に温水を供給するための給湯機本体と、給湯機本体を制御する制御装置と、制御装置と接続され、給湯機本体の設定値や運転状態を変更する機能を有するリモコンと、制御装置と接続され、給湯機本体を操作するための操作命令の受信や該給湯機本体の動作状態情報の送信を行うインターフェースユニットと、遠隔通信端末から操作命令が発信されたときに、外部ネットワークと宅内ネットワークのうち少なくとも一方のネットワークを介して該操作命令を受信し、当該操作命令をインターフェースユニットに送信するとともに、該インターフェースユニットを経由して給湯機本体の動作状態情報を受信する送受信手段を備えた通信制御装置と、を備え、インターフェースユニットで受信した給湯機本体への操作命令を、無効にするための無効手段を操作する操作部を、当該インターフェースユニット上またはリモコンの少なくともいずれか一方に備え、当該操作部を操作して無効手段により操作命令を無効にした状態で、再度当該操作部を操作した場合には、無効手段は、操作命令の無効を解除するようにしたものである。また、給湯対象に温水を供給するための給湯機本体と、給湯機本体を制御する制御装置と、制御装置と接続され、給湯機本体の設定値や運転状態を変更する機能を有するリモコンと、制御装置と接続され、給湯機本体を操作するための操作命令の受信や該給湯機本体の動作状態情報の送信を行うインターフェースユニットと、遠隔通信端末から操作命令が発信されたときに、外部ネットワークと宅内ネットワークのうち少なくとも一方のネットワークを介して該操作命令を受信し、当該操作命令をインターフェースユニットに送信するとともに、該インターフェースユニットを経由して給湯機本体の動作状態情報を受信する送受信手段を備えた通信制御装置と、を備え、インターフェースユニットで受信した給湯機本体への操作命令を、無効にするための無効手段を操作する操作部を、備え、初期状態は、無効手段が動作した状態、かつ給湯機本体の動作状態情報を送信可能な状態とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外部から所有者の意図しない操作命令が成されたとしても、その外部からの操作命令に対し、操作命令の受信を制限、禁止等の適切な対応処理を行うことができる、使い勝手のよい給湯システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1による貯湯式の給湯システムを示す全体構成図である。
図2】本発明の実施の形態1による給湯機の具体的な構成を示す構成図である。
図3】本発明の実施の形態1のリモコンの一例を示す図である。
図4】本発明の他の実施の形態による貯湯式の給湯システムを示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。なお、本明細書で使用する各図においては、共通する要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略するものとする。図1は、本発明の実施の形態1による貯湯式の給湯機を含む給湯システムを示す全体構成図である。この図に示すように、給湯システムは、ヒートポンプユニット7、タンクユニット33、制御装置36、リモコン44及び通信制御装置51を備えている。ヒートポンプユニット7は、ヒートポンプサイクルにより構成されている。ヒートポンプユニット7とタンクユニット33とは、給湯機本体35を構成するもので、後述のヒートポンプ往き配管14及びヒートポンプ戻り配管15により相互に接続されている。次に、個々の構成要素について説明する。
【0010】
図2は、本発明の実施の形態1による給湯システムの具体的な構成を示す構成図である。ヒートポンプユニット7は、タンクユニット33から導かれた低温水を加熱(沸上げ)して高温水を生成するもので、圧縮機1、水加熱用熱交換器3、膨張弁4及び蒸発器5を冷媒循環配管6により環状に接続することによって構成されている。一方、タンクユニット33には、貯湯タンク8と共に、各種の弁類、ポンプ類、配管等が搭載されている。貯湯タンク8は、ヒートポンプユニット7により加熱した温水を貯湯する密閉型のタンク等により構成されている。貯湯タンク8の下部側には、水導入口8a、水導出口8b及び温水導入口8cが設けられ、貯湯タンク8の上部側には、温水導入出口8dが設けられている。
【0011】
貯湯タンク8の水導入口8aには、市水を減圧弁31で所定圧力に調圧した上で供給するための第3給水配管9cが接続されており、貯湯タンク8の温水導入出口8dには、タンク内に貯留した湯水を給湯機外部へ供給するための給湯配管21が接続されている。給湯機の運転時には、後述のように、貯湯タンク8の上部からタンク内に高温水が流入し、貯湯タンク8の下部からタンク内に低温水が供給される。このため、貯湯タンク8の内部には、上部側に高温水が滞留し、下部側に低温水が滞留するように温度成層が形成される。また、貯湯タンク8の表面には、互いに高さが異なる位置に複数個のタンク温度センサ42,43が設けられている(図中では、2個の場合を例示)。制御装置36は、これらのタンク温度センサ42,43の出力に基いて、貯湯タンク8内の残湯量を検出し、後述する沸上げ運転の開始及び停止等を制御する。
【0012】
また、タンクユニット33内には、熱源ポンプ12およびふろ用熱交換器20が内蔵されている。熱源ポンプ12は、タンクユニット33内の後述する各種配管に湯水を循環させるもので、後述のヒートポンプ往き配管14に設けられている。なお、ヒートポンプ往き配管14のうち熱源ポンプ12の下流側の部位には、循環する湯水の温度を検出する冷却循環温度センサ39aが設けられている。ふろ用熱交換器20は、貯湯タンク8やヒートポンプユニット7から供給される高温水を利用して、2次側の加熱対象水(浴槽水や暖房用循環水など)を加熱するための熱交換器である。なお、本実施形態では、ふろ用熱交換器20の2次側の構成として、浴槽30内の湯水を循環させるふろ往き配管27とふろ戻り配管28を例に挙げて説明する。ふろ用熱交換器20は、ふろ往き配管27とふろ戻り配管28の途中に設置されている。また、ふろ往き配管27とふろ戻り配管28の途中には、浴槽水を循環させるためのふろ循環ポンプ29と、浴槽30から出た浴槽水の温度を検出するふろ戻り温度センサ38と、ふろ用熱交換器20から出た熱交換後の湯の温度を検出するふろ往き温度センサ37とが設置されている。
【0013】
次に、タンクユニット33が備える弁類および配管類について説明する。タンクユニット33は、電磁駆動式の三方弁11および四方弁18を有している。三方弁11は、湯水が流入する2つの入口(aポート、bポート)と、湯水が流出する1つの出口(cポート)とを有し、aポートまたはbポートの何れかから湯水が流入するように湯水の経路を切換えるものである。四方弁18は、湯水が流入する2つの入口(bポート、cポート)と、湯水が流出する2つの出口(aポート、dポート)とを有し、4つの経路(a−b経路、a−c経路、b−d経路、c−d経路)の間で湯水の流路形態を切換えるものである。
【0014】
また、タンクユニット33は、水導出口配管10、ヒートポンプ往き配管14、ヒートポンプ戻り配管15、温水導入配管20a、第1のバイパス配管16、温水導出配管20b及び第2のバイパス配管17を備えている。水導出口配管10は、貯湯タンク8の水導出口8bと三方弁11のaポートとを接続する流路である。ヒートポンプ往き配管14は、三方弁11のcポートとヒートポンプユニット7の入口側とを接続するもので、ヒートポンプ戻り配管15は、ヒートポンプユニット7の出口側と四方弁18のcポートとを接続している。
【0015】
給湯配管21は、四方弁18のdポートと貯湯タンク8の温水導入出口8dとを接続するもので、第1のバイパス配管16は、四方弁18のaポートと貯湯タンク8の温水導入口8cとを接続している。また、温水導入配管20aは、貯湯タンク8の上部と四方弁18との間で給湯配管21から分岐し、ふろ用熱交換器20の1次側入口に接続されている。温水導出配管20bは、ふろ用熱交換器20の1次側出口と三方弁11のbポートとを接続している。さらに、第2のバイパス配管17は、三方弁11とヒートポンプユニット7の入り口側との間でヒートポンプ往き配管14から分岐し、四方弁18のbポートに接続されている。
【0016】
また、タンクユニット33は、給水管路9、第1給水配管9a、第2給水配管9b、給湯用混合弁22、ふろ用混合弁23、第1給湯配管24、第2給湯配管25を備えている。給水管路9は、一端が市水源に接続された第1給水配管9aと、第1給水配管9aの他端に減圧弁31を介して接続された第2給水配管9bと、前述の第3給水配管9cとにより構成されている。第2給水配管9bは途中から分岐して給湯用混合弁22とふろ用混合弁23とにそれぞれ接続されている。また、給湯配管21は分岐して給湯用混合弁22とふろ用混合弁23とにそれぞれ接続されている。給湯用混合弁22及びふろ用混合弁23は、給湯配管21から供給される高温水と第2給水配管9bから流入する低温水とを混合しつつ、両者の混合比に応じた温度をもつ温水を生成する。
【0017】
この温水は、給湯栓、浴槽30等の給湯対象に給湯される。給湯される温水の温度(給湯温度)は、給湯システムのユーザがリモコン44、宅外の携帯端末61等により設定するものである。具体的に述べると、給湯用混合弁22で温度調整された温水は、第1給湯配管24から給湯栓34を経由して、シャワーやカラン等の蛇口(図示せず)に供給される。一方、ふろ用混合弁23で設定温度に調整された温水は、第2給湯配管25からふろ用電磁弁26、流量センサ45、ふろ往き配管27、ふろ戻り配管28を経由して、浴槽30に供給される。
【0018】
ここで、三方弁11及び四方弁18により実現される流路形態について説明する。まず、三方弁11は、以下に述べる第1及び第2の流路形態の間で、タンクユニット33内の湯水の流路を切換えるものである。「第1流路形態」とは、貯湯タンク8の水導出口8bと水加熱用熱交換器3とが水導出口配管10及びヒートポンプ往き配管14を介して連通する流路形態である。「第2流路形態」とは、温水導出配管20bと水加熱用熱交換器3とがヒートポンプ往き配管14を介して連通する流路形態である。
【0019】
四方弁18は、以下に述べる第1乃至第4の流路形態の間で、タンクユニット33内の湯水の流路を切換えるものである。「第1流路形態」とは、水加熱用熱交換器3と給湯配管21とがヒートポンプ戻り配管15を介して連通する流路形態である。「第2流路形態」とは、水加熱用熱交換器3と第1のバイパス配管16とがヒートポンプ戻り配管15を介して連通する流路形態である。また、「第3流路形態」とは、第2のバイパス配管17と第1のバイパス配管16とが連通する流路形態である。「第4流路形態」とは、第1のバイパス配管16と給湯配管21とが連通する流路形態である。
【0020】
次に、本実施の形態による給湯システムの制御系統について説明する。制御装置36は、演算処理装置と記憶回路とを有するマイクロコンピュータ等により構成され、その入力側には、上述した各種のセンサを含むセンサ系統が接続されている。制御装置36の出力側には、ヒートポンプユニット7及びタンクユニット33に搭載されたポンプ類、弁類等を含む各種のアクチュエータが接続されている。制御装置36は、センサ系統の出力、ユーザの設定等に基いてアクチュエータを駆動することにより、給湯機本体35を制御し、一般的な沸き上げ運転、給湯運転等を実行すると共に、後述の給湯温度制御を実行する。
【0021】
また、本実施の形態によるシステムは、例えば台所に配置された台所リモコン44aと、浴室に配置された浴室リモコン44bとを備えている。なお、本実施の形態では、2個のリモコン44a,44bを備える場合を例示したが、本発明は、1個のリモコン、または3個以上のリモコンを備えたシステムにも適用されるものである。また、以下の説明では、リモコン44a,44bをまとめてリモコン44と表記する場合がある。リモコン44は、給湯機本体35を操作するもので、制御装置36と接続されている。給湯システムのユーザは、リモコン44を操作して各種の設定値や運転状態を変更することができる。また、リモコン44の少なくとも1つは、後述の通信制御装置51に有線または無線(図1は無線の例)で接続され、給湯機本体35を操作するための操作命令の受信や給湯機本体35の動作状態情報の送信を行う機能を有している。
【0022】
さらに、本実施の形態によるシステムは、図1に示すように、リモコン44を経由して制御装置36と接続された通信制御装置51を備えている。通信制御装置51は、例えば家屋に設置されたLAN等の宅内ネットワークと、インターネット等の外部ネットワークとを接続するホームゲートウェイにより構成されている。通信制御装置51は、宅外の携帯端末61等から発信される給湯機用の操作命令をインターネット53上のサーバー52等を介して受信し、当該操作命令をリモコン44を経由して制御装置36に送信する機能およびリモコン44を経由して給湯機本体35の動作状態情報を受信する受信機能を備えている。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1のリモコン44の一例を示す図である。図において、リモコン44には、液晶や蛍光表示管などで構成された表示部44dが設けられており、給湯機本体35の動作状態や通信制御装置51との通信状態などを表示したり、給湯機本体の各種設定(給湯温度、湯はり温度、湯はり量など)を表示するものである。また、図示は省略しているが、給湯機本体35の各種操作設定を行うための操作スイッチがリモコン44には設けられている。また、表示部44dに代えて、または表示部44dとは別に、通信制御手段51との通信状態を表示する表示ランプ44eを備えていてもよい。例えば、表示ランプ44eが青く点灯していれば通信制御装置51との通信は正常であり、赤く点滅しているときは、通信を遮断している状態である、など色あるいは点滅等で通信状態を簡易的に表示する手段として作用する。また、通信制御装置51との通信について、操作命令を無効にするための無効手段を操作する操作部としての通信スイッチ44fを備えていてもよい。通信スイッチ44fについては後述する。
【0024】
また、通信制御装置51は、屋内で使用されるタブレット端末62から発信される給湯システム用の操作命令を宅内ネットワークにより受信し、当該操作命令をリモコン44を経由して制御装置36に送信する機能、およびリモコン44を経由して得た給湯機本体35の動作状態情報をタブレット端末62へ送信する送信機能を備えている。なお、通信制御装置51としては、必ずしも外部ネットワークと宅内ネットワークの両方から操作命令を受信可能な装置を用いる必要はなく、何れか一方のネットワークからのみ操作命令を受信する構成を採用してもよい。
【0025】
制御装置36は、上記操作命令に基いて給湯機本体35の設定、運転状態を制御し、例えば給湯温度制御を実行する。給湯温度制御とは、例えばユーザの給湯操作により給湯運転が行われるときに、ユーザにより設定された目標給湯温度に対して実際の給湯温度が一致するように、給湯用混合弁22を制御するものである。目標給湯温度は、宅内のリモコン44、タブレット端末62、または宅外の携帯端末61等により設定される。なお、目標給湯温度の設定内容は、前述の操作命令として制御装置36に送信される。また、給湯機本体35の動作状態は、リモコン44の表示部44d、通信制御装置51を経由してタブレット端末62、または宅外の携帯端末61等の表示部に表示され、使用者(各端末の操作者)は、給湯機本体35の動作状態を把握することができる。
【0026】
より詳しく述べると、給湯温度制御の実行時には、貯湯タンク8の温水導入出口8dから給湯配管21、給湯用混合弁22、第1給湯配管24及び給湯栓34を介して宅内の給湯配管に給湯する経路が形成される。これにより、貯湯タンク8の温水導入出口8dから高温水が流出し、この高温水の温度は、給湯用混合弁22により第2給水配管9bから流入する低温水と混合し目標給湯温度に調整された後に、宅内の給湯配管等を経由して給湯対象に供給される。このとき、制御装置36は、例えば温度センサ等により実際の給湯温度を検出しつつ、給湯用混合弁22を駆動することにより、給湯温度をフィードバック制御する。
【0027】
ここで、給湯機本体を制御する各種の操作命令は、台所リモコン44a、浴室リモコン44b、携帯端末61及びタブレット端末62からなる複数の操作機器により、送信可能となっている。このため、例えば外部ネットワーク等を経由して、使用者以外の第三者が悪意をもって給湯機本体35を操作するために、通信制御装置51に対して操作命令を送信した場合、給湯機本体35を使用している使用者は、意図せず給湯機本体35を操作されてしまう虞がある。このため、本発明では、以下の構成により使用者の意図しない操作命令が成されたとしても、その操作命令に対し、操作命令の受信を制限、禁止等の適切な対応処理を行うことで、使い勝手のよい給湯システムを提供することができる。
【0028】
すなわち、使用者が給湯機本体35を使用中に、使用者の意図しない動作が行われていることを認識した場合、リモコン44の通信スイッチ44fを操作する。この通信スイッチ44fの操作により、リモコン44あるいは制御装置36は、通信制御装置51とリモコン44との通信のうち、通信制御装置51からリモコン44へ送信される操作命令について、リモコン44が受信しても制御装置36へ送信しないように制御する(または、リモコン44から制御装置36に操作命令が送信されても、制御装置36がその操作命令を受付けないように制御する、など他の方法でもよい)。これにより、給湯機本体35の操作命令は宅内のリモコン44からのみ可能となるので、使用者の意図しない動作が行われることがなくなる。
【0029】
なお、このとき制御装置36は、通信スイッチ44fの操作によって操作命令が遮断された場合、その遮断される直前に給湯機本体35が実施中であった動作を継続するように構成してよい。これにより、使用者が通信スイッチ44fを操作したあと、それまでの動作を継続したい場合に改めて操作する必要がなくなる。
【0030】
または、通信スイッチ44fでの操作命令の遮断後、制御装置36は、遮断直前の給湯機本体35で動作中であった動作を全て停止するように構成してもよい。この場合、直前の動作が使用者の意図しないものである場合に、その動作の停止と、それ以上の意図しない操作命令の遮断の両方を一度に実現可能となる。
【0031】
または、通信スイッチ44fでの操作命令の遮断後、制御装置36は、遮断直前の給湯機本体35の動作のうち、所定の動作、例えば給湯温度を50℃以上の高温設定にする操作命令や、浴槽へ高温の湯をさし湯する高温さし湯動作等、それまでよりも安全性に配慮が必要となる方向への操作命令についてのみ停止するように構成してもよい。これによれば、使用者が通信スイッチ44fを操作したあと、それまでの動作のうち安全性に配慮不要な動作を継続し、改めて操作する必要がなくなるとともに、安全性に配慮が必要な動作を停止することができ、それ以上の意図しない操作命令の遮断も実現可能となる。
【0032】
また、上述の、「遮断直前の動作を継続」、「遮断直前の動作を全て停止」、「遮断直前の動作のうち、所定の動作を停止」のいずれかとなるように、使用者が予めリモコン44で設定できるように構成してもよい。
【0033】
使用者は、外部からの意図しない操作命令を通信スイッチ44fで遮断したあと、適宜、通信スイッチ44fを再度操作し、通信制御装置51とリモコン44との通信を再開(開通)させる。これにより、リモコン44以外からの給湯機本体35の操作が可能となる。
【0034】
なお、給湯機本体35の制御装置36および、リモコン44などの、本システムは、工場出荷状態での初期設定を、上述の通信スイッチ44fが操作された状態、すなわち通信制御装置51からの操作命令については受付けないが、給湯機本体35の設定や動作状態等の情報については、外部に送信可能な状態、での設定となるように構成してもよい。これによれば、例えば、工場出荷時の出荷検査等では、何ら操作することなしに給湯機本体35の動作状態の受信内容を確認することで通信関連の確認検査が可能となり、外部からの意図しない操作を遮断した状態を継続することが可能となる。また、住宅等への設置に際しても、現地で同様に据付業者は受信内容を確認することで通信関連の確認が可能となり、使用者への引渡しまでにある程度の期間があっても、それまでの間に外部からの意図しない操作を受けない状態(遮断した状態)を、何ら操作することなく継続することが可能となる。
【0035】
なお、本実施の形態1では、リモコン44に通信スイッチ44fを備え、通信スイッチ44fで通信制御装置51との通信を制御する構成について説明したが、例えば、通信スイッチ44fをリモコン44に設けず、リモコン44に既存の給湯機本体35の操作を行う操作スイッチを所定の方法(例えば2つのスイッチを同時に押す、特定のスイッチを3秒程度長時間押し続ける、特定の設定モードへ遷移させて通信の遮断や開通を設定する、など)で操作することで、通信スイッチ44fの操作と同様の作用を持たせるように構成してもよい。これによれば、特別に通信スイッチ44fを設けなくても、既存のスイッチにより上述の効果を得ることができ、リモコン上のスイッチ数低減によるコスト低減効果や、リモコン上の限られたスペースでのスイッチ配置性の改善効果、使用者の通信スイッチの誤操作(リモコン上に単独で設けられる場合に比較して、操作が複雑になるので)の低減等の効果を奏する。
【0036】
また、本実施の形態1では、通信制御手段との通信遮断や開通をソフトウエア上で実現する場合(送受信において、給湯機本体35の動作状態は送信するが、外部からの操作命令は受信しても受付けないようにした)について説明したが、例えばこれに代えて、通信制御装置51から送信された操作命令が、リモコン44から制御装置36へ送信される通信ルートのうち、いずれかのルートを物理的に遮断する遮断手段(例えばリモコン44内の受信装置の電源を遮断する電源遮断手段)を、リモコン上に設けてもよい。これによれば、給湯機本体35のソフトウエアの動作状態によらず、機械的に外部からの操作命令を遮断することができるので、例えば外部からの操作命令(ウイルス等による攻撃など)により既に給湯機本体35のソフトウエアが正常動作しておらず、上述の通信スイッチ44fでのソフト的な操作を受付けられない状態となっていても、確実に外部からの操作命令を遮断することが可能となる。なお、この場合も同様に給湯機本体35の動作状態は外部へ送信可能に構成し、外部からの操作命令のみを物理的に遮断する遮断手段とすることで、上述と同様の効果を奏する。
【0037】
なお、本実施の形態では、通信制御装置51との操作命令や動作状態などの送受信を行う相手をリモコン44としたが、例えば図4のように通信清書装置51との送受信を行う昨日をリモコン44から独立させたインターフェースユニット45を、リモコンと別個に設けても良い。図4において、制御装置36とインターフェースユニット45とは、リモコン44同様、有線接続されており、インターフェースユニット45は、通信制御装置51からの給湯機本体35を操作するための操作命令の受信や給湯機本体35の動作状態情報の送信が可能に構成されている。
【0038】
前述のリモコン44の代わりに、またはリモコン44に加えて、インターフェースユニット45を設けることでも前述と同様の効果を奏する。また、リモコン44が通信制御装置51との通信機能を備えていなくても、インターフェースユニット45により通信が可能となるため、例えば通信機能を持たないリモコンを備えた給湯機にインターフェースユニット45を増設するだけで、本発明と同様の効果を奏する。なお、インターフェースユニット45には、図3のような表示部や通信スイッチなどを備えてもよい。
【0039】
以上本発明によれば、外部から所有者の意図しない操作命令が成されたとしても、その外部からの操作命令に対し、操作命令の受信を制限、禁止等の適切な対応処理を行うことができる、使い勝手のよい給湯システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0040】
7 ヒートポンプユニット,8 貯湯タンク,21 給湯配管,33 タンクユニット,35 給湯機本体,36 制御装置,44 リモコン,44a 台所リモコン,44b 浴室リモコン,44d 表示部,44e 表示ランプ, 44f 通信スイッチ, 51 通信制御装置,61 携帯端末(遠隔通信端末),62 タブレット端末(遠隔通信端末)
図1
図2
図3
図4