(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶を用いた上述のような調光セルにおいて、液晶層は配向層に隣接して設けられ、配向層を介して液晶層とは反対側に電極層が設けられている。したがって通常は、配向層、電極層及び基材層を有する積層体上に液晶が付与されることによって、液晶層、配向層、電極層及び基材層の積層構造が作られる。そのため液晶が付与される前の積層体では、電極層がポリイミド等の絶縁性の配向層によって被覆されているのが一般的である。このような積層体の電極層に対してFPC(Flexible Printed Circuits)等の外部電極を電気的に接続するためには、配向膜を取り除いて電極層を露出させ、その電極層の露出部分に外部電極を接続する必要があった。
【0006】
図9A〜
図9Dは、FPC等の外部電極体12を電極層43に接続する工程の典型例を示す図であって、外部電極体12が接続される電極接続部41の断面構造を拡大して示す。まず、
図9Aに示すような配向層42、電極層43及び基材層44の積層体を有する電極接続部41のうち配向層42が薬液処理等によって除去され、
図9Bに示すように電極層43が露出される。そして
図9Cに示すように、外部支持部47によって支持された外部電極46と露出した電極層43との間に、導電テープや導電ペーストによって構成される導電体50が配置され、
図9Dに示すように電極層43、導電体50及び外部電極体12(特に外部電極46)が圧着される。これにより、外部電極46と電極層43とは導電体50を介して電気的に接続される。
【0007】
このように液晶を用いた従来の調光セルでは、FPC等の外部電極体を電極層に接続するために、事前に配向層を取り除いて電極層を露出させる必要があった。しかしながら、配向層を取り除く作業は、手間及びコストがかかる。また、配向層を適切に取り除くのは必ずしも容易ではない。配向層が適切に除去されずに電極層上に意図せずに残存してしまうと、導通不良等の不具合を招く。
【0008】
また特に近年では、樹脂の有する軽量性、変形可能性及び安全性等の特性に注目し、電極層を支持する基材層を樹脂で構成することの要望がある。しかしながら、樹脂はガラスと比較して損傷しやすく、上述のように配向層を除去する場合には、樹脂製の基材層を痛めてしまう懸念がある。
【0009】
なお、外部電極が接続される電極接続部では予め配向層を設けずに電極層を露出させておくことで、配向層を取り除く上述の工程を省くことも考えられる。しかしながら、そのような特殊な構造の積層体を準備するには特別な処理が必要になり、手間及びコストがかかる。一方、光の透過率が可変である液晶調光部と、外部電極が接続される電極接続部との間で、配向層、電極層及び基材層の構成を共通化することによって、配向層の面内均一性が向上し、歩留まりも上がる。
【0010】
そのため、配向層を除去せずに、外部電極と電極層とを適切に電気的に導通させることができる新たな技術の提案が望まれている。
【0011】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、配向層を除去せずに、外部電極と電極層とを電気的に導通させるための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、光の透過率が可変である液晶調光部と、外部電極を接続するための電極接続部と、を備える調光セルであって、液晶調光部は、液晶層、配向層及び電極層を有し、電極接続部は、導電フィルム、配向層及び電極層を有し、電極接続部において、導電フィルムと電極層との間には少なくとも一部において配向層が配置され、導電フィルムの一部は、導電フィルムと電極層との間に配置される配向層に食い込んで配置され、導電フィルム及び電極層が相互に電気的に導通される調光セルに関する。
【0013】
導電フィルム及び電極層の両者によって覆われる範囲の全体にわたって配向層が配置されていてもよい。
【0014】
導電フィルムは、複数の導電粒子を含み、複数の導電粒子の少なくとも一部が、導電フィルムと電極層との間に配置される配向層に食い込んでいる。
【0015】
複数の導電粒子の少なくとも一部は、導電フィルムと電極層との間に配置される配向層の厚みよりも大きな径を有してもよい。
【0016】
複数の導電粒子の少なくとも一部は、導電フィルムと電極層との間に配置される配向層の厚み以下の径を有してもよい。
【0017】
電極接続部において、導電フィルム、配向層及び電極層によって構成される積層部の少なくとも一部は、150Ω・m以下の比抵抗を示してもよい。
【0018】
導電フィルムの一方側に外部電極が貼り付けられ、導電フィルムの他方側に配向層が貼り付けられ、配向層に対する外部電極の引き剥がし力は、引張速度を300mm/分とし、剥離角度を180度として測定を行った場合に1N/10mm以上であってもよい。
【0019】
液晶調光部及び電極接続部の各々は、電極層を支持する基材層を有し、基材層は樹脂によって構成されていてもよい。
【0020】
導電フィルムの一方側に外部電極が貼り付けられ、導電フィルムの他方側に配向層が貼り付けられ、導電フィルムは、相対的に厚い部分と相対的に薄い部分とを有し、外部電極は、導電フィルムのうち相対的に薄い部分を介し、電極層と電気的に導通されてもよい。
【0021】
調光セルは、電極接続部において、少なくとも配向層において存在するスペーサを更に備え、スペーサは、導電フィルムに食い込んでもよい。
【0022】
導電フィルムの一方側に外部電極が貼り付けられ、導電フィルムの他方側に配向層が貼り付けられ、外部電極は、電極接続部の配向層に向かって先細るテーパー形状を有してもよい。
【0023】
導電フィルムの一方側に外部電極が貼り付けられ、導電フィルムの他方側に配向層が貼り付けられ、外部電極を介して導電フィルムとは反対側に、外部電極を支持する層状の外部支持部が設けられ、電極接続部において、外部電極が貼り付けられていない箇所における外部支持部と電極層との間の間隔は、外部電極が貼り付けられている箇所における外部支持部と電極層との間の間隔よりも小さくてもよい。
【0024】
本発明の他の態様は、上記のいずれかの調光セルと、調光セルを支持する透明部材と、を備える調光体に関する。
【0025】
本発明の他の態様は、上記の調光体を備える移動体に関する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、配向層を除去せずに、外部電極と電極層とを電気的に導通させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、図示及び理解を容易にするため、図面に示される各要素のサイズや要素間のサイズ比率等は必ずしも図面間で一致していないが、当業者であれば各図面に示された要素のサイズやサイズ比率等を容易に理解することができる。
【0029】
図1は、調光セル10の一例を示す平面図である。
【0030】
本実施形態の調光セル10は、液晶調光部20及び外周部40を備える。液晶調光部20は、光の透過率が可変であり、例えば外部からの侵入光の透過率及び遮光率を変えて、所望の調光機能を発揮することができる。外周部40は、液晶調光部20に隣接して設けられ、
図1に示す調光セル10では液晶調光部20の周囲に設けられている。この外周部40には、FPC等の外部電極体12を接続するための電極接続部41が設けられている。
【0031】
図2は、液晶調光部20の構成例を示す拡大断面図である。なお、
図2には液晶調光部20を構成する要素の一部のみが簡略的に拡大して示されている。
【0032】
液晶調光部20は、一対の偏光板21、22と、偏光板21、22間に配置された一対の基材層23、24と、基材層23、24間に配置された一対の電極層25、26と、電極層25、26間に配置された一対の配向層27、28と、配向層27、28間に配置された液晶層29とを有する。基材層23によって支持されている電極層25は配向層27によって被覆され、基材層24により支持されている電極層26は配向層28によって被覆されている。なお、本実施形態の基材層23、24は樹脂によって構成されている。
【0033】
液晶層29は、液晶調光部20の全体にわたって設けられているが、外周部40には設けられていない。一方、配向層27、28、電極層25、26及び基材層23、24は、液晶調光部20の全体だけではなく、外周部40の全体にわたって設けられており、それぞれ液晶調光部20及び外周部40において一体的な構成を有する。偏光板21、22等の液晶調光部20を構成する他の要素は、液晶調光部20及び外周部40にわたって設けられていてもよいし、液晶調光部20のみに設けられていてもよい。
【0034】
なお、液晶調光部20の構成は特に限定されず、
図2に示す構成以外の構成を有していてもよい。ただし、本実施形態の液晶調光部20は、液晶層、配向層及び電極層を少なくとも有する。
【0035】
液晶層として、典型的には、VA(Vertical Alignment)型、TN(Twisted Nematic)型、IPS(In−Place−Switching)型、及びFFS(Fringe Field Switching)型の液晶層が知られており、液晶調光部20は液晶層の駆動方式に応じた構成を有する。
図2に示す液晶調光部20では液晶層29の両側に電極層25、26が配置されているが、例えばIPS型の液晶層等を採用する液晶調光部20では、電極が液晶層の片側にのみ配置されていてもよい。また液晶調光部20がゲストホスト型の液晶層(すなわち二色性色素(ゲスト)及び液晶(ホスト)を含む液晶層)を採用する場合には、例えば、配向層によって付与される液晶の配向性に応じて、偏光板が液晶層の片側にのみ設けられていてもよいし、偏光板が設けられていなくてもよい。また液晶調光部20は、上述の要素以外の要素を含んでいてもよく、例えば、液晶層の間隔を保持するためのスペーサ、シール部、インデックスマッチング層、ハードコート層、及びその他の機能体及び機能層が設けられていてもよい。
【0036】
次に、電極接続部41の構成について説明する。
【0037】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態に係る電極接続部41の構成例を示す拡大断面図であり、電極接続部41を構成する複数層の積層方向(すなわち
図1の紙面に垂直な方向)に関する断面を示す。
図3Aは、導電フィルム30(例えばACF:Anisotropic Conductive Film)が、両側に配置される外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)と配向層28、電極層26及び基材層24とから分離した状態を示す。
図3Bは、基材層24、電極層26、配向層28、導電フィルム30及び外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)が順次積層した状態を示す。
【0038】
電極接続部41は、配向層28、電極層26及び基材層24の他に、導電フィルム30を有する。導電フィルム30は配向層28上に形成される。電極接続部41において、導電フィルム30と電極層26との間には少なくとも一部領域において配向層28が配置されている。
図3A及び
図3Bに示す電極接続部41では、導電フィルム30と電極層26との間の全領域において配向層28が配置されており、導電フィルム30及び電極層26の両者によって覆われる範囲の全体にわたって配向層28が配置されている。
【0039】
そして導電フィルム30の一部が、導電フィルム30と電極層26との間に配置される配向層28に食い込んで配置されることによって、導電フィルム30及び電極層26は相互に電気的に導通される。なお、導電フィルム30の形成方法は特に限定されない。典型的には、電極接続部41の配向層28上に導電フィルム30を形成し、当該導電フィルム30上に外部電極体12(特に外部電極46)を圧着することによって、導電フィルム30の一部を配向層28に食い込ませる。これにより、導電フィルム30及び電極層26は相互に電気的に導通され、外部電極46及び電極層26は導電フィルム30を介して相互に電気的に導通される。
【0040】
導電フィルム30の構成は、上述の機能を発揮するのであれば特に限定されないが、典型的には、導電フィルム30は
図4A及び
図4Bに示す構成や
図5A及び
図5Bに示す構成を有しうる。
【0041】
図4A及び
図4Bは、導電フィルム30の一例を概略的に示す拡大断面図であり、電極接続部41を構成する複数層の積層方向(すなわち
図1の紙面に垂直な方向)に関する断面を示す。
図4Aは、導電フィルム30が、両側に配置される外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)と配向層28、電極層26及び基材層24とから分離した状態を示す。
図4Bは、基材層24、電極層26、配向層28、導電フィルム30及び外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)が順次積層した状態を示す。
【0042】
図4A及び
図4Bに示す導電フィルム30は、複数の導電粒子31を含む。
図4Bに示すように、導電フィルム30及び配向層28を介して外部電極体12(特に外部電極46)が電極層26に圧着されている状態で、導電フィルム30に含まれる複数の導電粒子31の少なくとも一部は、導電フィルム30と電極層26との間に配置される配向層28に食い込んでいる。
【0043】
また特に、導電フィルム30に含まれる複数の導電粒子31の少なくとも一部は、
図4A及び
図4Bに示すように、導電フィルム30と電極層26との間に配置される配向層28の厚みよりも大きな径を有する。そして、外部電極体12(特に外部電極46)が導電フィルム30上に配置され配向層28及び電極層26に向かって押圧されることにより、各導電粒子31は配向層28に食い込み、導電粒子31と電極層26との間の間隔が小さくなる。これにより、各導電粒子31と電極層26との間で絶縁破壊が生じ、外部電極46と電極層26とは各導電粒子31を介して相互に電気的に導通可能となる。
【0044】
図5A及び
図5Bは、導電フィルム30の他の例を概略的に示す拡大断面図であり、電極接続部41を構成する複数層の積層方向(すなわち
図1の紙面に垂直な方向)に関する断面を示す。
図5Aは、導電フィルム30が、両側に配置される外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)と配向層28、電極層26及び基材層24とから分離した状態を示す。
図5Bは、基材層24、電極層26、配向層28、導電フィルム30及び外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)が順次積層した状態を示す。
【0045】
図5A及び
図5Bに示す導電フィルム30は、
図4A及び
図4Bに示す導電フィルム30と同様に、複数の導電粒子31を含む。そして、導電フィルム30及び配向層28を介して外部電極体12(特に外部電極46)が電極層26に圧着されている状態(
図5B参照)で、導電フィルム30に含まれる複数の導電粒子31の一部が、導電フィルム30と電極層26との間に配置される配向層28に食い込んでいる。
【0046】
ただし、導電フィルム30に含まれる複数の導電粒子31の少なくとも一部は、
図5A及び
図5Bに示すように、導電フィルム30と電極層26との間に配置される配向層28の厚み以下の径を有する。そして、外部電極体12(特に外部電極46)が導電フィルム30上に配置され配向層28及び電極層26に向かって押圧されることにより、一部の導電粒子31が配向層28に食い込み、導電粒子31と電極層26との間の間隔が小さくなる。これにより、導電粒子31と電極層26との間で絶縁破壊が生じ、外部電極46と電極層26とは導電粒子31を介して電気的に導通可能となる。
【0047】
なお、
図4A及び
図4Bに示す電極接続部41と
図5A及び
図5Bに示す電極接続部41との各々において、導電粒子31は配向層28を貫いて電極層26に接触していてもよいし、配向層28を貫かず電極層26に接触していなくてもよい。ただし、いずれにしても、外部電極46と電極層26とは導電粒子31を介して電気的に導通可能である。導電粒子31と電極層26との間で絶縁破壊を確実に生じさせる観点からは、導電粒子31が配向層28を貫いて電極層26に対して直接的に接触するように、導電フィルム30及び配向層28を介して外部電極体12(特に外部電極46)を電極層26に圧着させることが好ましい。ただし、導電粒子31と電極層26とは必ずしも直接的に接触している必要はなく、導電粒子31と電極層26との間で絶縁破壊が生じる程度に導電粒子31が電極層26に近づいていればよい。
【0048】
また、
図4A及び
図4Bに示す電極接続部41と
図5A及び
図5Bに示す電極接続部41との各々において、導電粒子31は外部電極46に接触していてもよいし、外部電極46に接触していなくてもよい。ただし、いずれにしても、外部電極46と電極層26とは導電粒子31を介して電気的に導通可能である。導電粒子31と外部電極46との間で電気的な導通を確実に確保する観点からは、導電粒子31が外部電極46に対して直接的に接触することが好ましい。ただし、導電粒子31と外部電極46とは必ずしも接触している必要はなく、導電粒子31と外部電極46との間で電気的な導通が可能な程度に導電粒子31が外部電極46に近づいていればよい。
【0049】
なお、各導電粒子31は、電気伝導体と同等程度に電気を導通させることができるのであれば(例えば電気伝導率が10
6S/m以上であれば)、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、金属等の電気伝導体のみによって各導電粒子31を構成してもよいし、樹脂や金属等を金属等(例えば銀や金)の優れた導電性を有する電気伝導体によってコーティングすることによって各導電粒子31が作られてもよい。典型的には、ニッケル等の金属に金メッキを施した粒子を各導電粒子31として使用することができる。このように複数の材料から構成される導電粒子31は、その構成材料に基づく複数の特徴をバランス良く持つことができる。例えば、上述のように複数の材料を組み合わせることによって、単一種類の金属のみによって構成される導電粒子31に比べ、各導電粒子31を柔らかく構成することができ、各導電粒子31が電極層26を傷つけたり破損したりすることを防ぐことができる。また、
図4A、
図4B、
図5A及び
図5Bに示す各導電粒子31は球体であるが、各導電粒子31の形状は特に限定されず、各導電粒子31は、配向層28に食い込むことができる任意の形状を有することができる。また導電フィルム30には、ほぼ一定の径を有する複数の導電粒子31が含まれていてもよいし、様々な径を有する複数の導電粒子31が含まれていてもよく、例えば、配向層28の厚みよりも大きな径を有する導電粒子31と配向層28の厚み以下の径を有する導電粒子31とが混在していてもよい。
【0050】
また、導電フィルム30の構成成分のうち各導電粒子31を保持する粒子保持材の構成成分や状態も特に限定されない。例えば、流動状態(例えば液状又はゲル状)の粒子保持材を各導電粒子31とともに配向層28上に塗布し、粒子保持材が流動状態を保持している間に外部電極体12を導電フィルム30上に圧着し、その後、粒子保持材を流動状態から固体状態に変化させてもよい。この場合には、導電粒子31を配向層28に食い込ませたり、導電フィルム30の厚みを調整したり、導電フィルム30を外部電極体12(特に外部電極46)及び配向層28に対して適切に固着させたりすることが容易である。
【0051】
なお、拡大図として提供されている上述の
図4A、
図4B、
図5A及び
図5Bでは一様な厚みを有する外部電極体12が示されているが、外部電極体12は必ずしも一様な厚みを有していなくてもよい。例えば、外部電極体12のうち外部電極46及び外部支持部47が設けられている箇所と、外部支持部47のみが設けられている箇所との間で厚みが異なっていてもよい。
【0052】
図6A及び
図6Bは、本発明の他の実施形態に係る電極接続部41の構成例を示す拡大断面図であり、電極接続部41を構成する複数層の積層方向(すなわち
図1の紙面に垂直な方向)に関する断面を示し、
図6Aは電極接続部41の第1構成例を示し、
図6Bは電極接続部41の第2構成例を示す。
図6A及び
図6Bは、基材層24、電極層26、配向層28、導電フィルム30及び外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)が順次積層した状態を示す。なお
図6A及び
図6Bに示す積層順序は、上述の
図3〜
図5に示す積層順序とは上下方向に関して逆になっている。これは単なる説明の便宜のためであり、
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41は、
図3〜
図5に示す電極接続部41とは異なる部分に対応するわけではなく、また
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41の積層順序が
図3〜
図5に示す電極接続部41の積層順序と逆になっているわけではない。また
図6A及び
図6Bには、
図4A及び
図4Bに示すような配向層28の厚み以上の径を有する導電粒子31が図示されているが、
図5A及び
図5Bに示すような配向層28の厚みよりも小さい径を有する導電粒子31が導電フィルム30に含まれる場合にも、同様にして電極接続部41を構成することができる。
【0053】
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41においても、導電フィルム30の一方側(
図6A及び
図6Bの下側)に外部電極46を含む外部電極体12が貼り付けられ、導電フィルム30の他方側(
図6A及び
図6Bの上側)に配向層28、電極層26及び基材層24が貼り付けられている。したがって、導電フィルム30を介して外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)と配向層28及び電極層26とは対向する。
【0054】
ただし
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41では、導電フィルム30は、相対的に厚い部分30Bと相対的に薄い部分30Aとを有する。
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41では、導電フィルム30の相対的に薄い部分30Aは、外部電極46が配置される箇所に対応し、導電フィルム30のうち相対的に厚い部分30Bは、外部電極体12において外部電極46が配置されていない箇所(すなわち外部支持部47のみが設けられている箇所)に対応する。なお外部電極体12にも相対的に厚い部分と相対的に薄い部分とが存在し、相対的に厚い部分に外部電極46が設けられ、相対的に薄い部分には外部電極46が設けられない。
【0055】
そして外部電極46は、導電フィルム30のうち相対的に薄い部分30Aを介し、電極層26と電気的に導通される。導電フィルム30を介して外部電極体12を電極接続部41に貼り合わせる際に、導電フィルム30のうち外部電極46が設けられていない箇所(
図6A及び
図6Bの符合「30B」参照)に比べ、外部電極46に対応する箇所(
図6A及び
図6Bの符合「30A」参照)がより強く配向層28に向かって押圧される。これにより、導電フィルム30のうち外部電極46に対応する箇所(
図6A及び
図6Bの符合「30A」参照)に含まれる導電粒子31が配向層28に食い込み、この導電フィルム30のうち相対的薄い部分30Aに存在する導電粒子31と電極層26との間で絶縁破壊が生じ、外部電極46と電極層26とはその導電粒子31を介して相互に電気的に導通可能となる。このように、導電フィルム30の相対的に薄い部分30Aを介して電極層26と外部電極46とを電気的に導通させることで、その電気的な導通を比較的簡単且つ確実に実現することができる。
【0056】
また
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41には、配向層28において複数のスペーサ60が存在してもよい。これらのスペーサ60は、配向層28から導電フィルム30側に向かって突出し、導電フィルム30に食い込むように設けられていてもよく、層構造を有する配向層28及び導電フィルム30の両者にわたって存在するように設けられていてもよい。このように、導電フィルム30を介して外部電極体12を配向層28及び電極層26に対して接着した際に、配向層28により支持されているスペーサ60が導電フィルム30に食い込むように配置されることで、また配向層28により支持されているスペーサ60が層構造を有する配向層28及び導電フィルム30の両者にわたって存在するように設けられることで、配向層28及び電極層26に対する導電フィルム30及び外部電極体12(特に導電フィルム30)の密着性を向上させることができる。これにより、例えば、配向層28及び電極層26に対する導電フィルム30及び外部電極体12の位置ズレを防ぐことができ、また導電フィルム30及び外部電極体12の意図しない剥離を効果的に抑制することができる。
【0057】
なお電極接続部41に配置されるスペーサ60は、液晶調光部20(
図1参照)の液晶層29(
図2参照)において所望の厚み(すなわちセルギャップ)を確保するために液晶層29中に配置されるスペーサと同じものにすることができる。通常、そのようなスペーサのサイズは導電粒子31のサイズよりも十分に小さく、例えば
図6A及び
図6Bに示すビーズ状のスペーサ60の径は導電粒子の径の数分の1〜数十分の1程度としうる。また単位面積当たりの数についても、スペーサ60の数は導電粒子31の数の数分の1〜数十分の1程度としうる。このようなスペーサ60が電極層26と外部電極体12(特に外部電極46)との間に存在していても、スペーサ60は電極層26と外部電極体12との間の導電性や密着性に対して実質的に悪影響を及ぼさない。むしろ上述のように、電極層26と外部電極体12との間に設けられるスペーサ60は、電極層26と外部電極体12との間の密着性に関して良い影響を及ぼす。
【0058】
なお電極接続部41に配置されるスペーサ60は、液晶調光部20の液晶層29に配置されるスペーサと異なるものとしてもよい。またスペーサ60の形状及び配置は限定されない。例えば、導電フィルム30及び外部電極体12の位置ズレや剥離を抑制する観点からは、各スペーサ60の全体を配向層28の構成材料により被覆して配向層28に対する各スペーサ60の固着性を向上させることが好ましいが(
図6A参照)、各スペーサ60の一部が配向層28の構成材料により被覆されていなくてもよい(
図6B参照)。各スペーサ60の一部が配向層28の構成材料により被覆されていなくても、各スペーサ60の一部が配向層28と導電フィルムの両方にわたって存在するように設けられていれば、配向層28に対する導電フィルム30の密着性を向上させることができるという効果を得ることができる。各スペーサ60の全体を28の構成材料により被覆する場合には、例えば配向層28を形成する材料に多数のスペーサ60を予め混合しておき、この材料(塗工液)を電極層26上に塗工した後に、この塗工液の溶剤を乾燥炉等にて揮発させてもよい。このような多数のスペーサ60を含む塗工液の溶剤を揮発させると、塗工液の水位(液位)が減少するが、スペーサ60と接触している部分の塗工液の水位(液位)は、他の部分に比べて減少しない。したがって、スペーサ60の周囲では配向層28が部分的に導電フィルム30側に突出した形で固まって凸部が形成され、この凸部により各スペーサ60が保持される。
【0059】
また
図6A及び
図6Bに示す各スペーサ60は球形状を有するが、各スペーサ60は、球形状以外の形状を有していてもよく、例えば柱形状を有していてもよい。また
図6A及び
図6Bに示す各スペーサ60は配向層28を貫通していないが、各スペーサ60は、配向層28を貫通するように電極層26から導電フィルム30に向かって延在してもよい。各スペーサ60を設ける方法も限定されず、例えば電極層26上に配向層28を付与した後に配向層28上にスペーサ60を付与してもよいし、配向層28を構成する材料に予めスペーサ60が混ぜておき、その材料を電極層26上に付与して配向層28を形成してもよいし、フォトリソグラフィ等の技術により電極層26上に柱状のスペーサ60を予め形成しておき、柱状のスペーサ60が形成された状態で電極層26上に配向層28を付与してもよい。
【0060】
また
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41では、外部電極46の断面形状が、配向層28に向かって先細るテーパー形状(すなわち順テーパー形状)を有する。このように順テーパー形状を有する外部電極46によれば、外部電極体12を電極層26に対して圧着接続する際に、導電フィルム30の材料が外部電極46の側面に沿って流れ易いため、電極接続部41の形成が容易である。また外部電極46が順テーパー形状を有することによって、導電フィルム30を介して外部電極体12を配向層28及び電極層26に対して貼り合わせることで生じうる、外部電極体12と導電フィルム30との間における気泡の混入及びそのような気泡の残存を、効果的に防ぐことができる。外部電極体12と導電フィルム30との間に存在する気泡は、導電フィルム30から外部電極体12が意図せずに剥離する要因になり、また予期しない他の不具合の要因となりうる。そのため、導電フィルム30を介して外部電極体12を配向層28及び電極層26に確実且つ信頼性良く貼り合わせる観点からは、
図6A及び
図6Bに示すように外部電極46が順テーパー形状を有することが好ましい。
【0061】
なお、外部電極46の順テーパー形状の具体的な形状は特に限定されず、例えば外部電極46のテーパー部分は直線的に傾斜していてもよいし、曲線的に傾斜していてもよい。また外部電極46のある方向(例えば
図1の横方向)に関する断面が上述のような順テーパー形状を有していればよい。
【0062】
また
図6A及び
図6Bに示す電極接続部41では、外部電極46が貼り付けられていない箇所における外部支持部47と電極層26との間の間隔DBは、外部電極46が貼り付けられている箇所における外部支持部47と電極層26との間の間隔DAよりも小さい(すなわちDA>DB)。上述のように、外部電極46を介して導電フィルム30とは反対側には、外部電極46を支持する外部支持部47が設けられている。外部電極46が設けられていない箇所においては、電極層26に対する電気的な導通を確保する必要がないため、外部支持部47と電極層26との間の間隔を狭くすることができる。このように外部支持部47と電極層26と間隔を狭くすることによって、導電フィルム30を介した外部支持部47と電極層26(及び配向層28)との間の密着性を向上させることができる。
【0063】
なお、上述の各実施形態に係る調光セル10の製造方法は、典型的には、以下のステップを含む。すなわち、電極接続部41において、順次積層された配向層28、電極層26及び基材層24を有する積層体であって、配向層28上に導電フィルム30が形成された積層体が準備される。配向層28上に導電フィルム30を形成する手法は特に限定されず、塗布等によって配向層28上の所望箇所に導電フィルム30を形成することが可能である。また予め準備された導電フィルム30を配向層28に対して圧着してもよい。なお、配向層28上に形成された導電フィルム30は、上述のように流動性を有していてもよいし、有していなくてもよい。ただし、導電フィルム30が配向層28に向かって押圧されることで、導電フィルム30の構成要素の一部(上述の実施形態では導電粒子31)を配向層28に食い込ませることができる程度の圧縮性(特に積層方向の圧縮性)を導電フィルム30は有する。
【0064】
そして、外部電極46を導電フィルム30に圧着する。具体的には、外部電極46及び外部支持部47と配向層28とによって導電フィルム30を挟むように、外部電極46及び外部支持部47を導電フィルム30上に配置し、外部電極46及び外部支持部47を導電フィルム30に向かって押圧する。これにより、電極接続部41において、導電フィルム30と電極層26との間の少なくとも一部領域において配向層28が配置された状態で、導電フィルム30及び電極層26を相互に電気的に導通させるとともに、導電フィルム30及び外部電極46を相互に電気的に導通させる。なお圧着方式は特に限定されず、加熱、冷却、紫外線照射或いは電子線照射等の各種処理が、圧着のための加圧とともに行われてもよい。
【0065】
上述のように、導電フィルム30は、配向層28上から圧着された際に電極層26との間で適切な導電性を構築することが要求されるとともに、外部電極46及び配向層28に対する適切な密着性(すなわち接着力)が要求される。本実施形態の導電フィルム30は、これらの導電性及び密着性を満たすことができる組成及び構成を有する。
【0066】
具体的には、電極接続部41において、導電フィルム30、配向層28及び電極層26によって構成される積層部の少なくとも一部は、150Ω・m以下の比抵抗を示す。また配向層28に対する外部電極46の引き剥がし力は、JIS Z 0237:2009に準拠した測定条件(引張速度:300mm/分;剥離距離:150mm;剥離角度:180度)によって測定した場合に1N/10mm以上である。
【0067】
以下、導電フィルム30の導電性(抵抗)及び密着性(引き剥がし力)について考察する。
【0068】
[導電性]
本件発明者は、FPCとして構成される外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)と、基材層24、電極層26及び配向層28を含む積層体(すなわち電極接続部41)と、を準備した。基材層24は樹脂製であり、電極層26はITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)によって作られ、膜厚が0.05μmであり、表面抵抗が150Ω/□(ohms per square)であった。配向層28はポリイミドによって作られ、また配向層28の膜厚は0.1μm(マイクロメートル)であった。
【0069】
そして、デクセリアルズ株式会社製の導電フィルム30(製品名:CP923CM−25)を外部電極46と配向層28との間に配置して、これらを相互に圧着した(
図3A及び
図3B参照)。なお圧着前は、導電フィルム30の膜厚が25μmであり、配向層28の膜厚が0.1μmであった。一方、圧着後は、導電フィルム30の膜厚が18μmであり、導電粒子31が配向層28に食い込み、配向層28を介した導電粒子31の下部と電極層26との間の距離が0.05μmであった。
【0070】
このようにして得られた圧着積層体において、導電フィルム30、配向層28及び電極層26によって構成される積層部の抵抗を測定したところ、150Ω・m以下の比抵抗を示した。なお抵抗の測定には「三菱化学アナリテック製 ロレスタ−GX MCP−T700」を用いた。
【0071】
上述の考察からも、本実施形態の調光セル10において導電フィルム30を用いることで、外部電極46と配向層28との間で十分な電気的な導通性を実現することができることが分かる。
【0072】
[密着性]
本件発明者は、上述の導電性の検証に用いた圧着積層体と同じ条件下で、別の圧着積層体(すなわち基材層24、電極層26、配向層28、導電フィルム30、外部電極46及び外部支持部47を有する積層体)を準備した。この圧着積層体は、25mm(縦)×150mm(横)のサイズを有していた。
【0073】
常温常圧(約23℃、約60%RH)環境下において、引張試験機(型番:RTF−1150H;株式会社エー・アンド・デイ社製)を用いて引張速度:300mm/分、剥離距離:150mm、及び剥離角度:180度の測定条件により、外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)を他の構成要素から剥離するのに要した力(剥離力)を測定した。具体的には、上記引張試験機において、力をかけて移動する直線上に配置された2個のチャックにより圧着積層体を把持し、引張速度を300mm/分とし、剥離距離を150mmとし、剥離角度を180度として、互いに離れる方向にチャックを移動させて、外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)を他の構成要素から剥離させた。この際に、圧着積層体に作用する荷重を測定し、以下の式に基づいて、剥離に要した力(引張強さ)を算出した。
T=10×P/W
(ただし「T」は引張強さ(N/10mm)を示し、「P」は最大荷重(N)を示し、「W」は試験片(すなわち圧着積層体)の幅(mm)を示す。)
上述の条件下で複数回の測定を行ったところ、いずれの測定においても、配向層28に対する外部電極体12(すなわち外部電極46及び外部支持部47)の引張強さ(引き剥がし力)として1N/10mm以上の力を要した。
【0074】
上述の考察からも、本実施形態の調光セル10において、導電フィルム30が、外部電極46及び配向層28に対する適切な密着性(すなわち接着力)を実現することができることが分かる。
【0075】
以上説明したように上述の実施形態に係る調光セル10によれば、絶縁性を有する配向層28が用いられていても、導電フィルム30によって、配向層28を取り除くことなく、外部電極46と電極層26との間で適切な電気的導通を確保することができる。
【0076】
特に、複数の導電粒子31を含む導電フィルム30を用いることによって、FPC等の外部電極体12(特に外部電極46)を導電フィルム30及び配向層28の上から電極層26に向かって押圧するだけで、導電粒子31を配向層28に食い込ませて、外部電極46と電極層26とを相互に電気的に導通させることができる。
【0077】
また、外部電極46と電極層26との間の電気的な導通を確保するために配向層28を取り除く必要がないため、配向層28を除去する際に基材層24に加えられうるダメージを、本実施形態の調光セル10では考慮する必要がない。そのため、液晶調光部20及び電極接続部41の各々が有する基材層24を樹脂によって構成する場合には、基材層24の損傷を防ぎつつ、樹脂の有する軽量性、変形可能性及び安全性等の特性を享受することができる。
【0078】
本発明は、上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形が加えられた各種態様も含みうるものであり、本発明によって奏される効果も上述の事項に限定されない。したがって、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲及び明細書に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0079】
例えば、導電フィルム30を使用した上述の技術は、液晶層29の両側に設けられる配向層及び電極層の積層体の各々に対して適用可能である。したがって、液晶層29の一方側に配置される電極層26に対し導電フィルム30を介して外部電極体12を電気的に接続させつつ、液晶層29の他方側に配置される電極層25に対して他の導電フィルム30を介して他の外部電極体12を電気的に接続させることも可能である。また、導電フィルム30を使用した上述の技術は、液晶層29の一方側にのみ設けられる配向層及び電極層の積層体に対しても適用可能である。
【0080】
また、本発明に係る調光セル10の適用分野も特に限定されず、様々な技術分野に対して上述の調光セル10に関する技術を応用することが可能である。例えば、太陽光の透過及び遮光を調整するサンシェード装置、各種の情報を必要に応じて表示可能な発光パネル、及び光の透過率の変更を要するその他の装置に対し、本発明に係る調光セル10を応用することが可能である。典型的には窓及びドア等に対して調光セル10を適用することができる。具体的には、建築物等の非移動体の窓やドア等に対してだけではなく、飛行機、船、電車及び自動車等の移動体の窓やドア等に対しても調光セル10を適用することができる。
図7には、移動体1の一例として自動車が示されており、自動車のサンルーフに調光セル10が適用されている。このような窓やドア等への適用において、調光セル10は、ガラス等の透明部材に貼合され、或いは、
図8に示されているように、一対のガラス等の透明部材11の間に挟持されて、用いられる。すなわち、移動体1は、透明部材11と、透明部材11に積層されて透明部材11により支持される調光セル10と、を有する調光体5を、窓やドア等として備えることができる。
本発明の調光セルは、光の透過率が可変である液晶調光部と、外部電極(46)を接続するための電極接続部(41)とを備える。液晶調光部は、液晶層、配向層(28)及び電極層(26)を有する。電極接続部(41)は、導電フィルム(30)、配向層(28)及び電極層(26)を有する。電極接続部(41)において、導電フィルム(30)と電極層(26)との間には少なくとも一部において配向層(28)が配置される。導電フィルム(30)の一部は、導電フィルム(30)と電極層(26)との間に配置される配向層(28)に食い込んで配置され、導電フィルム(30)及び電極層(26)が相互に電気的に導通される。