特許第6440101号(P6440101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6440101-燃料電池モジュール 図000002
  • 特許6440101-燃料電池モジュール 図000003
  • 特許6440101-燃料電池モジュール 図000004
  • 特許6440101-燃料電池モジュール 図000005
  • 特許6440101-燃料電池モジュール 図000006
  • 特許6440101-燃料電池モジュール 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440101
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】燃料電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0265 20160101AFI20181210BHJP
   H01M 8/0254 20160101ALI20181210BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20181210BHJP
【FI】
   H01M8/0265
   H01M8/0254
   !H01M8/10 101
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-97306(P2016-97306)
(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公開番号】特開2017-204450(P2017-204450A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2017年11月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】中路 宏弥
(72)【発明者】
【氏名】柴田 和則
(72)【発明者】
【氏名】岡部 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】川尻 浩右
(72)【発明者】
【氏名】二見 諭
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】蟹江 誉将
【審査官】 藤原 敬士
(56)【参考文献】
【文献】 仏国特許出願公開第02816448(FR,A1)
【文献】 国際公開第2011/108022(WO,A1)
【文献】 実開平04−063562(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0258 − 8/0265
H01M 8/0254
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜電極接合体とセパレータとの間に配置される流路形成体を備えた燃料電池モジュールであって、
前記流路形成体は、
前記流路形成体の前記膜電極接合体側の面に並設された複数の凸部間に設けられ、燃料電池にガスを供給するガス流路と、
前記流路形成体の前記セパレータ側の面に、前記ガス流路に隣接して設けられ、前記燃料電池から生じた生成水を排水する導水路と、
前記凸部を形成する隔壁に形成され、前記ガス流路と前記導水路とを連通した連通路と、を有し、
前記凸部を流路方向に対して垂直な断面でみたときに、凸部外形の両端部の一方は、流路方向に沿って流路が直線形状と仮定した仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成されており、
前記凸部中央側に位置する部分は、前記凸部を流路方向にみたときに、前記連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に形成されていることを特徴とする燃料電池モジュール。
【請求項2】
前記ガス流路の入口側では、前記連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に前記凸部中央側に位置する部分が形成された2つの凸部単体の流路方向の間隔を、前記ガス流路の中央側よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池モジュール。
【請求項3】
前記ガス流路の出口側では、前記連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に前記凸部中央側に位置する部分が形成された2つの凸部単体の流路方向の間隔を、前記ガス流路の中央側よりも小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池モジュール。
【請求項4】
隣り合う前記凸部を流路方向に対して垂直な断面でみたときに、隣り合う前記凸部の両端部のうちの同じ端部が、前記仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール。
【請求項5】
隣り合う前記凸部を流路方向に対して垂直な断面でみたときに、隣り合う前記凸部の両端部のうちの異なる端部が、前記仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層がそれぞれ設けられ、それらの外側にガス拡散層が積層されて膜電極接合体が形成されている。また、膜電極接合体とセパレータ間には、流路形成体が配置されている。
【0003】
上記流路形成体の膜電極接合体側の面には、複数の溝状のガス流路が直線状に並設され、流路形成体のセパレータ側の面(ガス流路が形成される面とは反対側の面)には、ガス流路と隔壁を介して複数の導水路が直線状に並設されている。ガス流路は、反応ガスを燃料電池に供給する流路であり、導水路は、燃料電池から生じた生成水を排水する流路である。また、ガス流路と導水路を連通する連通路(スリット)が切り込み形成されており、膜電極接合体における電極反応によって生成した生成水は、この連通路を通ってガス流路から導水路に排水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−167860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ガス流路と導水路とを連通する連通路を流路形成体に形成し、この連通路を介して生成水をセパレータ側(導水路側)に移動させて、生成水を円滑に排水する技術が提案されている。しかし、ガス流路を流れるガスを、積極的に電極(膜電極接合体)へ送り込む流路形成体の形状については何ら考慮されていなく、電極へのガス供給性の観点では改善する必要があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極へのガス供給性を向上することができる燃料電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池モジュールは、膜電極接合体とセパレータとの間に配置される流路形成体を備えた燃料電池モジュールであって、前記流路形成体は、前記流路形成体の前記膜電極接合体側の面に並設された複数の凸部間に設けられ、燃料電池にガスを供給するガス流路と、前記流路形成体の前記セパレータ側の面に、前記ガス流路に隣接して設けられ、前記燃料電池から生じた生成水を排水する導水路と、前記凸部を形成する隔壁に形成され、前記ガス流路と前記導水路とを連通した連通路と、を有し、前記凸部を流路方向に対して垂直な断面でみたときに、前記凸部外形の両端部の一方は、流路方向に沿って流路が直線形状と仮定した仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成されており、前記凸部中央側に位置する部分は、前記凸部を流路方向にみたときに、前記連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に形成されていることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成された凸部外形の両端部の一方が、凸部を流路方向にみたときに、連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に形成されているため、ガス流路を流れるガスは、凸部における連通路が形成された位置でその流れが乱される。このようにガスの流れが乱されるため、(流路形成体の膜電極接合体側の面に形成された)ガス流路を流れるガスのうち膜電極接合体側へ送り込まれるガス量が増加する。その結果、電極へのガス供給性を向上させることができる。
【0009】
また本発明に係る燃料電池モジュールにおいて、前記ガス流路の入口側では、前記連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に前記凸部中央側に位置する部分が形成された2つの凸部単体の流路方向の間隔を、前記ガス流路の中央側よりも大きくすることが好ましい。
【0010】
また本発明に係る燃料電池モジュールにおいて、前記ガス流路の出口側では、前記連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に前記凸部中央側に位置する部分が形成された2つの凸部単体の流路方向の間隔を、前記ガス流路の中央側よりも小さくすることが好ましい。
【0011】
また本発明に係る燃料電池モジュールにおいて、隣り合う前記凸部を流路方向に対して垂直な断面でみたときに、隣り合う前記凸部の両端部のうちの同じ端部が、前記仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成されていることが好ましい。
【0012】
また本発明に係る燃料電池モジュールにおいて、隣り合う前記凸部を流路方向に対して垂直な断面でみたときに、隣り合う前記凸部の両端部のうちの異なる端部が、前記仮想面よりも凸部中央側に位置するように形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電極へのガス供給性を向上することができる燃料電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態における燃料電池の流路形成体の構成を説明するための概略斜視図である。
図2図1に示すA−A断面図及びB−B断面図である。
図3】隣り合う凸部が同じ形状の場合の流路形成体を説明するための図である。
図4】隣り合う凸部が線対称の場合の流路形成体を説明するための図である。
図5】ガス流路の入口側及び出口側の流路形成体を説明するための図である。
図6】従来の流路形成体の構成を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0016】
まず、本実施形態における燃料電池(燃料電池モジュール)に用いられる流路形成体の構成について説明する。図1は、流路形成体の構成を説明するための概略斜視図である。本実施形態における流路形成体は、アノード、カソードに燃料ガス(水素)又は酸化剤ガス(酸素、通常は空気)を供給するための流体通路を形成するものである。
【0017】
なお、本発明の実施形態における燃料電池は、多数の単セル(図示略)を積層して構成される。この単セルは、イオン交換膜からなる電解質膜の両面に配置された一対の電極(アノード及びカソード)を有する膜電極接合体(MEA)と、アノード及びカソードにそれぞれ設けられたガス拡散層と、ガス拡散層の外側に配置された流路形成体10(図1等)と、流路形成体10の外側に配置されるセパレータとを備える。上記一対の電極は、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材で構成されている。一方の電極(アノード)には燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード)には空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEA内で電気化学反応が生じて単セルの起電力が得られるようになっている。
【0018】
図1に示す流路形成体10は、単セルにおける膜電極接合体とセパレータとの間に配置され、ガス流路120と導水路110とを表裏一体に形成した構造を有する。なお、図1は、流路形成体10を膜電極接合体側(言い換えれば、ガス拡散層側)からみた図を示す。単セルを構成する部材として流路形成体10を用いる場合、図1における流路形成体10の上側(表面側)に、ガス拡散層(図示略)が配置され、図1における流路形成体10の下側(裏面側)に、セパレータ(図示略)が配置される。また、図1において、矢印Wを流路方向Wとする。
【0019】
ガス流路120は、流路形成体10の膜電極接合体側の面(ガス流路形成面10a)に並設された複数の凸部11間に複数設けられ、燃料電池にガスを供給する溝状の流路である。
【0020】
導水路110は、ガス流路形成面10aとは反対側の面(図1では裏面)、言い換えれば、流路形成体10のセパレータ側の面に設けられ、燃料電池から生じた生成水を排水する流路である。導水路110は、ガス流路120と凸部11を形成する隔壁を介して反対側に複数並設されている。
【0021】
流路形成体10には、図1に示すように、ガス流路120と導水路110とを連通する連通路130が形成されている。連通路130は、凸部11を形成する隔壁に、流路方向Wにおいて所定間隔毎に複数形成され、この連通路130を介してガス流路120と導水路110との間で水が流通することができる。膜電極接合体の電極反応によって生成した生成水は、連通路130を通ってガス流路120から導水路110(言い換えれば、セパレータ側)に移動され、排水される。
【0022】
流路形成体10の凸部11形状について更に説明する。図2は、図1に示す流路形成体10を、流路方向Wに対して垂直な方向で切断したときの凸部の断面図である。図2(A)は、図1のA−A断面図である。図2(B)は、図1のB−B断面図である。
【0023】
図2(A)及び図2(B)に示すように、凸部11を流路方向Wに対して垂直な断面でみたときに、凸部中心軸Cに対して凸部両端部(11L、11R)のいずれか一部をトリムした形状をしており、連通路130を挟んでトリムした位置が左右反転して形成されている。具体的には、凸部11を流路方向Wに対して垂直な断面でみたときに、凸部両端部(11L、11R)の一方は、流路方向Wに沿って直線状に流路が形成されたと仮定した仮想面(図2に示す破線、以下、仮想面210と称する)よりも、凸部中央側(凸部中心軸C側)に位置するように形成されている。更に、凸部両端部(11L、11R)のうち凸部中央側に位置する部分は、凸部11を流路方向Wにみたときに、連通路130を挟んで左右反対側の凸部11外形の端部に形成されている。図2(A)では、凸部11の左端部11Lがトリムされた形状、すなわち、左端部11Lが仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成され、図2(B)では、凸部11の右端部11Rがトリムされた形状、すなわち、右端部11Rが仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成されている。
【0024】
なお、図2等では、凸部11の左端部11Lがトリムされた量(左端部11Lにおける中央側へのオフセット量)と、凸部11の右端部11Rがトリムされた量(右端部11Rにおける中央側へのオフセット量)とが左右同じ例(すなわち、左右対称の形状の例)が示されているが、この例に限定されない。つまり、本発明における「(凸部両端部のうち凸部中央側に位置する部分が)連通路を挟んで左右反対側の凸部外形の端部に形成」とは、図に示す形状に限定されず、左右のオフセット量(左端部11Lにおける中央側へのオフセット量、右端部11Rにおける中央側へのオフセット量)が違う形状(言い換えれば、左右非対称の形状)も含まれる。
【0025】
また本実施形態では、図2に示すように、流路形成体10のピッチPを、流路方向Wに同一とした状態で(言い換えれば、凸部11の位相ピッチをずらさずに)、凸部両端部(11L、11R)の一方の形状を可変させている。例えば図6に示すように、位相ピッチPhをずらして凸部201を設けた流路形成体200では、ガスが蛇行(ウェーブ)しながら流れるため(図6のガス流れ方向W2)、圧損が高くなるという問題がある。これに対し、本実施形態では、図1及び図2に示すように、ピッチPを同一とした流路形成体10としているため、成形時の切れのリスクも抑えられると共に生産性も良くなり、更には、ガスの乱れ(図1に示す矢印Wb)を発生させながら圧損上昇を少なくすることができる。
【0026】
続いて、隣り合う凸部11の形状について更に説明する。流路形成体10の面内の位置に応じて、隣り合う凸部11の形状を変えてガス供給量を調整することが可能である。この例を図3及び図4を参照しながら説明する。
【0027】
図3は、隣り合う凸部11の形状が同じ場合の流路形成体10の説明図である。なお、図1及び図2を参照しながら説明した本実施形態と同じ部分については、その説明を省略する。
【0028】
図3に示すように、隣り合う凸部11を流路方向Wに対して垂直な断面でみたときに、凸部両端部(11L、11R)のうちの同じ端部が、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成されている。具体的には、図3(B)では、隣り合う凸部11の左端部11Lがトリムされた形状、言い換えれば、隣り合う凸部11の左端部11Lが仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成されている。図3(C)では、隣り合う凸部11の右端部11Rがトリムされた形状、言い換えれば、隣り合う凸部11の右端部11Rが仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成されている。更に言い換えれば、流路方向Wに対して垂直な断面でみたときに、隣り合う凸部11の間の中心を通る軸C2に対して左側の凸部11と、軸C2に対して右側の凸部11とが同じ形状となっている。
【0029】
図3に示すように、隣り合う凸部11を同じ形状とすることで、矢印Wbに示すように、各々のガス流路120を流路方向Wに見たときに、交互にガスの流れを乱すことができ(図3の矢印Wb)、電極へのガス供給量が調整される。
【0030】
(第1変形例)
続いて、隣り合う凸部11形状を変更した第1変形例について説明する。図4は、隣り合う凸部11の形状が軸C2に対して線対称の場合の流路形成体10の説明図である。なお、図4(B)は、図4(A)のB−B断面図であり、図4(C)は、図4(A)のC−C断面図である。
【0031】
図4に示すように、凸部11を流路方向Wに対して垂直な断面でみたときに、隣り合う凸部11のトリムされた位置が軸C2に対して線対称となっている。言い換えれば、凸部両端部(11L、11R)のうち、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成された部分が、軸C2に対して線対称となっている。具体的には、図4(B)では、軸C2に対して左側の凸部11の左端部11Lが、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成され、軸C2に対して右側の凸部11の右端部11Rが、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成されている。図4(C)では、軸C2に対して左側の凸部11の右端部11Rが、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成され、軸C2に対して右側の凸部11の左端部11Lが、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように形成されている。
【0032】
このように、隣り合う凸部11の形状を軸C2に対して線対称とすることで、各々のガス流路120を流路方向Wに見たときに、ガス流路120における連通路130に対応する位置(凸部11の連通路130が形成された位置)でガスの流れを乱すことができ(図4に示す矢印Wb)、電極へのガス供給量が調整される。
【0033】
(第2変形例)
続いて、隣り合う凸部11形状を変更した第2変形例について説明する。流路形成体10の面内の位置に応じて、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように可変させる形状の間隔を変えることでガス供給量を調整することができる。この例について図5を参照しながら説明する。
【0034】
図5(A)は、ガス流路の入口側の流路形成体の変形例を示す図であり、図5(B)は、ガス流路の出口側の流路形成体の変形例を示す図である。
【0035】
図5(A)に示すように、ガス流路120の入口側では、仮想面210(図2参照)よりも凸部中央側に位置する部分が連通路130を挟んで左右反対側の凸部11外形の端部に形成された2つの凸部単体111a、111b(隣接する凸部単体)の流路方向Wの間隔L1を、ガス流路120の中央側における2つの凸部単体(図示略)の流路方向の間隔より広くする。なお、図5(A)に示す凸部単体111aは、凸部11のうち、その左端部11L(図2(A)参照)を、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように可変させた部分を示し、図5(A)に示す凸部単体111bは、凸部11のうち、その右端部11R(図2(B)参照)を、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように可変させた部分を示す。ガス流路120の入口側では酸素濃度が高いので、間隔L1を大きくすることで、凸部形状を左右反転させた部分(すなわち、凸部11における連通路130が形成された部分)の位置で生じるガスの乱れ(矢印Wb)を抑えて、圧損上昇を少なくすることができる。
【0036】
一方、図5(B)に示すように、ガス流路120の出口側では、仮想面210(図2参照)よりも凸部中央側に位置する部分が連通路130を挟んで左右反対側の凸部11外形の端部に形成された2つの凸部単体111a、111b(隣接する凸部単体)の流路方向Wの間隔L2を、ガス流路120の中央側における2つの凸部単体(図示略)の流路方向の間隔よりも狭くする。なお、図5(B)に示す凸部単体111aは、凸部11のうち、その左端部11L(図2(A)参照)を、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように可変させた部分を示し、図5(B)に示す凸部単体111bは、凸部11のうち、その右端部11R(図2(B)参照)を、仮想面210よりも凸部中央側に位置するように可変させた部分を示す。ガス流路120の出口側では酸素濃度が低下するので、図5(B)に示すように間隔L2を小さくすることで、凸部形状を左右反転させた部分(すなわち、凸部11における連通路130が形成された部分)の位置で生じるガスの乱れ(矢印Wb)の量を増加させて、電極へのガス供給量を促進させることができる。
【0037】
なお、以上説明した図3図5に示す形態を、1つの流路形成体10の一部分にのみ(例えば図5の変形例のみ)設けても良いし、例えば図3又は図4に示す形態を流路形成体10の全体に設けても良い。また、1つの流路形成体10にそれぞれの形態を組み合わせて配設しても良い。すなわち、ガス流路120の入口側及び出口側で、図5に示す形態(間隔L1、間隔L2の例)を適用し、更には、流路形成体10の一部分では図3に示す形態(隣り合う凸部が同じ形状の例)を用いると共に、流路形成体10の他の部分では図4に示す形態(隣り合う凸部が線対称の形状の例)を用いても良い。
【0038】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0039】
10:流路形成体
10a:ガス流路形成面
11:凸部
11L:凸部左端部
11R:凸部右端部
110:導水路
111a、110b:凸部単体
120:ガス流路
130:連通路
210:仮想面
C:凸部中心軸
L1、L2:間隔
W:流路方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6