(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、操作装置101及び車両用シフト装置500について説明する。先ず、操作装置101を用いた車両用シフト装置500について説明を行う。
図1は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態の係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する図であって、
図2(a)は、
図1に示すY2側から見た正面図であり、
図2(b)は、
図1に示すX2側から見た側面図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500を説明する分解斜視図である。
【0035】
本発明の第1実施形態の操作装置101を用いた車両用シフト装置500は、
図1及び
図2に示すような外観を呈し、
図3に示すように、操作者によって把持されるシフトノブ50Nと、操作者によるシフトノブ50Nの傾倒操作を受けて多方向への操作が行える操作装置101と、操作装置101からの信号を受けて車両側機器に信号を送信する制御部50Cと、操作装置101の操作部材1が位置する複数のポジションを検出する位置検出手段(図示していない)と、を備えて構成されている。そして、この車両用シフト装置500は、車両に搭載され、第1方向D1(
図3に示すX方向)と第1方向D1と直交する第2方向D2(
図3に示すY方向)の傾倒操作が行える、車両のシフト操作のために用いられる。
【0036】
車両用シフト装置500のシフトノブ50Nは、
図1ないし
図3に示すように、操作者によって把持し易いように細長い形状で形成され、
図1及び
図2に示すように、
図3に示す操作装置101の操作部材1の操作軸1jを覆うようにして操作部材1に係合されて配設されている。
【0037】
車両用シフト装置500の制御部50Cは、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、操作装置101の箱状のケースK1に収容された配線基板19(
図3を参照)に搭載されている。そして、制御部50Cは、図示していないコネクタを介して車両側機器に接続され、シフトノブ50Nの傾倒操作を受けて操作がされた位置情報信号を車両側機器に送信している。この位置情報信号を受けて、車両側では、シフトパターンに対応した動作を行うとともに、シフトパターンにおけるシフトノブ50Nのポジションをインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示するようにしている。
【0038】
車両用シフト装置500の位置検出手段は、図示はしていないが、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗パターンを摺接する摺動子とから構成される回転型可変抵抗器を用いており、第1方向D1の傾倒操作での複数のポジションを検出するための第1検出器と、第2方向D2の傾倒操作での複数のポジションを検出するための第2検出器と、を有して構成されている。そして、第1検出器及び第2検出器は、操作装置101の箱状のケースK1に収容されている。なお、後述するが、第1検出器が支持体2の第2傾倒軸22j(後述する
図6(b)を参照)に係合されて第2傾倒軸22jの回転角度を検出しているとともに、第2検出器が支持体2の傾倒軸(第1傾倒軸)12e(後述する
図6(a)を参照)に係合されて傾倒軸12eの回転角度を検出している。
【0039】
また、位置検出手段には、第1位置検出器及び第2位置検出器からのそれぞれの信号を処理する第1信号処理部51S及び第2信号処理部52Sを有しており、第1信号処理部51S及び第2信号処理部52Sは、
図3に示すように、配線基板19に搭載されている。また、第1信号処理部51S及び第2信号処理部52Sのそれぞれは、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)を介して、第1位置検出器及び第2位置検出器のそれぞれに接続されている。そして、第1信号処理部51Sは、第1位置検出器からの信号に基づいて第2傾倒軸22jの回転角度を算出し、この回転角度から操作部材1の第1方向D1への移動を検出している。同様にして、第2信号処理部52Sは、第2位置検出器からの信号に基づいて傾倒軸12eの回転角度を算出し、この回転角度から操作部材1の第2方向D2への移動を検出している。
【0040】
ここで、本発明の第1実施形態における、操作装置101を用いた車両用シフト装置500のシフト操作について、
図4を用いて具体的に説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置101を用いた車両用シフト装置500の操作を具体的に説明する図であって、
図4(a)は、車両のシフトの配置(シフトパターン)を示した平面図であり、
図4(b)は、シフトノブ50Nのポジション位置を示した平面図である。
図4(a)に示すシフトパターンは、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示される。また、
図4(b)に示すポジション位置は、シフトノブ50N(操作部材1)が操作されて、操作部材1が移動した位置を模式化したものである。
【0041】
本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500は、シフトノブ50Nが変速機に直接接続されている機械制御方式の車両ではなく、電子制御方式の車両に適用される。故に、操作装置101から送信されるシフト位置の情報信号だけで、車両のシフト操作が行われる。このシフト位置は、前述したインストルメントパネル等に設けられた表示部に表示されたシフトパターンに示されている。
【0042】
例えば、シフトノブ50N(操作部材1)が
図4(b)に示す第2ポジションP2に位置し、シフト位置が
図4(a)に示すニュートラルモード“N”に位置する場合、シフトノブ50NをY1方向に傾倒操作して、
図4(b)に示す前1段ポジションS21にすると、
図4(a)に示すリバースモード“R”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフト操作が行われる。そして、操作者は、操作が完了したためシフトノブ50Nから手を離すので、シフトノブ50Nが自動復帰して、第2ポジションP2に戻るようになる。
【0043】
また、その後の操作で、第2ポジションP2に位置するシフトノブ50NをY2方向に傾倒操作し、
図4(b)に示す後1段ポジションS23、後2段ポジションS24と順に操作すると、リバースモード“R”にあったシフト位置が、
図4(a)に示すニュートラルモード“N”、ドライブモード“D”へと順に移動する。この操作を受けて、
図4(a)に示すドライブモード“D”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフト操作が行われる。そして、操作者は、操作が完了したためシフトノブ50Nから手を離すので、シフトノブ50Nが自動復帰して、第2ポジションP2に戻るようになる。
【0044】
このようにして、車両用シフト装置500は、リバースモード“R”、ニュートラルモード“N”及びドライブモード“D”を有するオート操作に対して、基準位置であるオート操作ポジションを操作装置101の操作部材1の第2ポジションP2に割り付けて使用している。この際に、前述したように、リバースモード“R”からドライブモード“D”に切り換えるため、操作装置101の操作部材1は、後1段ポジションS23、後2段ポジションS24とY2方向に2段に傾倒操作できるようになっている。同様にして、ドライブモード“D”からリバースモード“R”に切り換えるため、操作装置101の操作部材1は、
図4(b)に示す前1段ポジションS21、前2段ポジションS22とY1方向に2段に傾倒操作できるようになっている。なお、操作装置101の操作部材1のY方向への移動方向、所謂傾倒方向を、車両のシフト操作の第2方向D2として割り付けを行っている。
【0045】
一方、例えば、
図4(a)に示すドライブモード“D”にシフト位置がある場合、第2ポジションP2に位置するシフトノブ50NをX2方向に傾倒操作し、
図4(b)に示す操作部材1の第1ポジションP1にすると、ドライブモード“D”にあったシフト位置が、
図4(a)に示すマニュアルモード“M”に移動する。この際に、操作者がシフトノブ50Nから手を離しても、操作部材1(シフトノブ50N)は、第1ポジションP1に留まり、操作部材1の傾倒状態をそのまま維持している。
【0046】
また、その後の操作で、第1ポジションP1に位置するシフトノブ50NをY1方向に傾倒操作し、
図4(b)に示す前方ポジションS11にすると、
図4(a)に示すシフトアップモード“+”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフトアップ操作が行われる。同様にして、第1ポジションP1に位置するシフトノブ50NをY2方向に傾倒操作し、
図4(b)に示す後方ポジションS13にすると、
図4(a)に示すシフトダウンモード“−”にシフト位置が移動したと、情報信号が車両側に送信され、車両のシフトダウン操作が行われる。
【0047】
このようにして、車両用シフト装置500は、シフトアップモード“+”及びシフトダウンモード“−”を有するマニュアル操作に対して、基準位置であるマニュアル操作ポジションを操作装置101の操作部材1の第1ポジションP1に割り付けて使用している。なお、操作装置101の操作部材1が第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動するX方向への移動方向、所謂傾倒方向を、車両のシフト操作の第1方向D1として割り付けを行っている。また、
図2及び
図3でも、説明を分かり易くするため、傾倒操作の第1方向D1及び第2方向D2を図示している。
【0048】
次に、操作装置101について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する斜視図である。
図6は、本発明の第1実施形態の操作装置101を説明する図であって、
図6(a)は、
図5に示すY2側から見た正面図であり、
図6(b)は、
図5に示すX1側から見た側面図である。
図7は、
図5に示す支持体2の枠体32及び第2傾倒軸22jを省略した斜視図である。
図8(a)は、
図7をY2側から見た正面図であり、
図8(b)は、
図7をX1側から見た側面図である。なお、
図5ないし
図8は、操作部材1が、第1方向D1の第2ポジションP2に位置する状態で、第2方向D2の傾倒操作がされない基準位置にある場合を示している。
【0049】
本発明の第1実施形態の操作装置101は、
図5及び
図6に示すような外観を呈し、
図5及び
図6に示すように、操作者の操作を受けて傾倒動作可能な操作部材1と、操作部材1を傾倒動作可能に支持する支持体2と、
図7及び
図8(b)に示すように、操作部材1とともに第2方向D2(
図8に示すY方向)へ傾倒動作する複数の可動側磁性体MMと、互いに対向する一対の可動側磁性体MMの間に配置された対向側磁性体TMと、対向側磁性体TMの傾倒動作を止めるストッパー部6(後述する
図12及び
図13を参照)と、を備えて構成されている。他に、本発明の第1実施形態では、操作装置101は、
図8(b)に示すように、可動側磁性体MMを保持し連動して傾倒動作する複数の可動部材HKと、可動部材HKに設けられ可動側磁性体MMを対向側磁性体TMに向けて付勢可能な付勢部材FBと、
図7に示すように、操作部材1とともに第1方向D1(
図7に示すX方向)へ傾倒動作する傾倒側磁性体KMと、傾倒側磁性体KMを挟んで対向した一の固定側磁性体RMと、
図3に示すように、シフトノブ50N以外の部分の全体を覆うように配設された箱状のケースK1と、ケースK1の開口部K1kを覆うカバーK2と、ケースK1に収容され制御部50Cが搭載された配線基板19と、を有している。そして、操作装置101は、操作者の傾倒操作を受けて、操作部材1が第1ポジションP1及び第2ポジションP2間を移動する第1方向D1の傾倒動作と、第1方向D1と直交する第2方向D2(
図4に示すY1方向及びY2方向)の傾倒動作と、が行える多方向への操作が可能な装置となっている。
【0050】
先ず、操作装置101の操作部材1について説明する。
図9は、操作部材1を説明する図であって、
図9(a)は、操作部材1の斜視図であり、
図9(b)は、
図9(a)をX1側から見た操作部材1の側面図である。
【0051】
操作部材1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT、polybutyleneterephtalate)等の合成樹脂材を成形して作製されており、
図9に示すように、垂直方向(
図5に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸1jと、操作軸1jの他端側に設けられ操作軸1jの軸中心が貫く平面に広がる基体部1dと、を有して構成されている。そして、操作部材1の操作軸1jには、前述したように、車両用シフト装置500のシフトノブ50Nが覆われて配設されている。
【0052】
操作部材1の基体部1dは、
図9に示すように、操作軸1jを挟んで左右(
図9に示すY1方向及びY2方向)に延設して形成されており、その中央部分には、基体部1dの延設方向(
図9に示すY方向)と直交する方向(
図9に示すX方向)に貫く貫通孔1hが設けられている。この貫通孔1hには、操作部材1の傾倒動作を可能にする支持体2の傾倒軸(第1傾倒軸)12eが挿通されて嵌合されている。そして、操作部材1の第2方向D2(
図7に示すY方向)への傾倒動作に伴って、基体部1dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
【0053】
また、基体部1dは、操作装置101が組み立てられた際には、
図8(b)に示すように、複数の可動部材HKの間に配設されて、基体部1dが傾倒軸12eを軸中心として回動した際には、可動部材HKと当接するように構成されている。そして、基体部1dには、
図9(b)に示すように、可動部材HK(後述する第1可動部材H13)に対して平行で対向した第1押圧部11pと、可動部材HK(後述する第2可動部材H23)に対して傾斜して対向した第2押圧部21pと、を有している。この第1押圧部11pと第2押圧部21pとは、傾倒軸12eを挟んで操作軸1jの両側にそれぞれ設けられている。また、本発明の第1実施形態では、可動部材HK(後述する第3可動部材H33)に対して平行で対向した第3押圧部31pと、可動部材HK(後述する第4可動部材H43)に対して傾斜して対向した第4押圧部41pと、を有している。この第3押圧部31pと第4押圧部41pとは、傾倒軸12eを挟んで操作軸1jの両側にそれぞれ設けられている。
【0054】
次に、操作装置101の支持体2について説明する。
図10は、支持体2を説明する図であって、
図10(a)は、支持体2である枠体32の上方斜視図であり、
図10(b)は、枠体32の下方斜視図である。
【0055】
支持体2は、
図6に示すように、操作部材1の傾倒動作(第2方向D2への傾倒動作)を可能にする傾倒軸(第1傾倒軸)12eと、軸線方向が傾倒軸12eと直交する第2傾倒軸22jと、操作部材1の傾倒操作(第1方向D1への傾倒動作)に応じて第2傾倒軸22jを回動中心として回動する枠体32と、ケースK1に設けられ第2傾倒軸22jが挿通されて枠体32を回動可能に支持している軸受け部42k(
図3を参照)、から主に構成されている。
【0056】
支持体2の枠体32は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材を成形して作製されており、
図10に示すように、矩形状で枠状に形成された第1枠体32Aと、第1枠体32Aの短手方向(
図10に示すX2方向)の側壁(長辺壁)に連続して形成された第2枠体32Bと、で構成されている。そして、操作装置101が組み立てられた際には、枠体32の各枠内に、操作部材1の基体部1dと複数の対向側磁性体TMと傾倒側磁性体KMの一部とが収容される。
【0057】
枠体32の第1枠体32Aには、
図10に示すように、対向する長辺壁にそれぞれ穴部32hが形成されており、この穴部32hに傾倒軸12eが挿通されて(
図6を参照)、傾倒軸12eが枠体32に回動可能に支持されている。これにより、この傾倒軸12eを軸中心(回動中心)として、操作部材1が第2方向D2への回動できるようになっており、基体部1dも、この傾倒軸12eを軸中心として回動するようになっている。つまり、この第1枠体32Aは、操作部材1の第2方向D2への傾倒動作と連動しなく、第2方向D2への傾倒動作が行われない部材(保持部材)となっている。
【0058】
また、第1枠体32Aには、
図10に示すように、第1枠体32Aの長手方向(
図10に示すY方向)の側壁(短辺壁)にそれぞれ孔部32kが形成されており、この孔部32kに第2傾倒軸22jが挿通される(
図6(a)を参照)。そして、操作装置101が組み立てられた際には、この第2傾倒軸22jは、ケースK1に設けられた軸受け部42k挿通されて、回動可能に支持されるようになる(
図3を参照)。これにより、この第2傾倒軸22jを回動中心(軸中心)として、枠体32が第1方向D1へ回動できるようになっており、枠体32に係合された操作部材1も、この第2傾倒軸22jを軸中心として回動するようになっている。以上のことから、支持体2は、傾倒軸(第1傾倒軸)12eと第2傾倒軸22jと枠体32と軸受け部42kとを用いて、操作部材1を傾倒動作可能に支持していることとなる。
【0059】
また、第1枠体32Aの長辺壁側には、
図10に示すように、第1枠体32A内に向けて延出された爪部32tが、上下(
図10に示すZ方向)に対向して1対、この1対が左右(
図10に示すX方向)に対向してもう一組、更にこの一組が長手方向(
図10に示すY方向)に一組、設けられている。そして、詳細な図示はしていないが、対向側磁性体TMの端部がこの爪部32tに嵌合されて、対向側磁性体TMが第1枠体32A(枠体32)に保持されるようになる。
【0060】
また、枠体32の第2枠体32Bにも、
図10に示すように、第2枠体32B内に向けて延出された爪部32tが、上下(
図10に示すZ方向)に対向して1対、この1対が長手方向の前後(
図10に示すY方向)に対向してもう一組、設けられている。そして、詳細な図示はしていないが、傾倒側磁性体KMの端部がこの爪部32tに嵌合されて、傾倒側磁性体KMが第2枠体32B(枠体32)に保持されるようになる。
【0061】
次に、操作装置101の可動部材HK及び付勢部材FBについて説明する。
図11(a)は、
図8(a)に示す可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMを省略した正面図であり、
図11(b)は、
図8(b)に示す可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMを省略した側面図である。
【0062】
操作装置101の可動部材HKは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材である非磁性体からなり、
図11(a)に示すように、基体部1dの第1押圧部11pと対向して配設された第1可動部材H13と、
図11(b)に示すように、基体部1dの第2押圧部21pと対向して配設された第2可動部材H23と、
図11(a)に示すように、基体部1dの第3押圧部31pと対向して配設された第3可動部材H33と、
図11(b)に示すように、基体部1dの第4押圧部41pと対向して配設された第4可動部材H43と、を有して構成されている。そして、この複数の可動部材HKは、操作部材1の傾倒操作と連動して傾倒動作する。
【0063】
可動部材HKの第1可動部材H13と第2可動部材H23とは、
図11(b)に示すように、支持体2の傾倒軸12e(
図8(b)を参照)を挟んでそれぞれ設けられており、第1可動部材H13及び第2可動部材H23の一端側が傾倒軸12eに回動可能に遊嵌されて、傾倒軸12eを中心にしてそれぞれが回動するようになっている。そして、操作部材1が一方向(
図11(b)に示すY1方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの傾倒操作方向(一方向への傾倒操作方向)に傾倒動作する基体部1dの第1押圧部11pにより、第1押圧部11pと対向する第1可動部材H13が押圧され、更に傾倒操作が一方向に継続された際に、第1押圧部11p側(
図11(b)に示すY2方向側)と傾倒軸12eを挟んで反対側(
図11(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第2押圧部21pにより、第2押圧部21pと対向する第2可動部材H23が押圧されるように構成されている。
【0064】
また、可動部材HKの第3可動部材H33と第4可動部材H43とは、
図11(b)に示すように、支持体2の傾倒軸12e(
図8(b)を参照)を挟んでそれぞれ設けられており、第3可動部材H33及び第4可動部材H43の一端側が傾倒軸12eに回動可能に遊嵌されて、傾倒軸12eを中心にしてそれぞれが回動するようになっている。そして、操作部材1が他方向(
図11(b)に示すY2方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの傾倒操作方向(他方向への傾倒操作方向)に傾倒動作する基体部1dの第3押圧部31pにより、第3押圧部31pと対向する第3可動部材H33が押圧され、更に傾倒操作が他方向に継続された際に、第3押圧部31p側(
図11(b)に示すY2方向側)と傾倒軸12eを挟んで反対側(
図11(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第4押圧部41pにより、第4押圧部41pと対向する第4可動部材H43が押圧されるように構成されている。
【0065】
操作装置101の付勢部材FBは、
図7及び
図8に示すように、第1可動部材H13と第3可動部材H33に設けられ、第1可動部材H13及び第3可動部材H33にそれぞれ一体で形成されている。これにより、別部材として新たな付勢部材FBを用いることがないとともに、付勢部材FBを所望の位置に容易に配設することができる。
【0066】
そして、図示はしていないが、付勢部材FBの開放端側には、付勢部材FBと当接可能な規制部材が配設されており、可動部材HKの傾倒動作を受けて、付勢部材FBの開放端と規制部材が当接することにより、付勢部材FBが可動部材HKの傾倒動作を押さえ込むようになる。これにより、付勢部材FBが、可動側磁性体MMが傾倒される方向(傾倒操作方向)に抗して可動側磁性体MMを対向側磁性体TMに向けて付勢することとなる。このことにより、付勢部材FBを設けた側の傾倒操作において、操作者に対して、より強い操作荷重感やより強い節度感等を与えることができる。
【0067】
次に、操作装置101の傾倒側磁性体KM及び固定側磁性体RMについて説明する。先ず、操作装置101の傾倒側磁性体KMは、
図7及び
図8(a)に示すように、矩形で板状形状の永久磁石からなり、詳細な図示はしていないが、
図10に示す第2枠体32B内に収容されて、爪部32tにより枠体32に固定されている。そして、傾倒側磁性体KMは、枠体32が第2傾倒軸22jを回動中心(軸中心)として第1方向D1へ回動するのに連動して、第1方向D1へ回動するようになっている。つまり、本発明の第1実施形態では、操作装置101の第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動するのに伴って、傾倒側磁性体KMが第2傾倒軸22jを回動中心(軸中心)として回動するようになる。
【0068】
次に、操作装置101の固定側磁性体RMは、鉄等の軟磁性体からなり、
図7に示すように、傾倒側磁性体KMを挟み込む位置に配設された第1固定側磁性体R14及び第2固定側磁性体R24の一対で構成されている。そして、詳細な図示はしていないが、固定側磁性体RM(第1固定側磁性体R14及び第2固定側磁性体R24)は、ケースK1に固定されている。なお、
図8(a)では、傾倒側磁性体KMと固定側磁性体RMとの間が一定間隔を有しているように図示されているが、この間には、傾倒側磁性体KMと固定側磁性体RMが直接当接する際に生じる当接音を防止するために、図示していない緩衝部材が傾倒側磁性体KM側或いは固定側磁性体RM側に設けられている。
【0069】
また、固定側磁性体RM(第1固定側磁性体R14及び第2固定側磁性体R24)は、全体が矩形で板状形状をしており、固定側磁性体RMの両端側のそれぞれが互いの端面同士が対向するようにして曲げられている。なお、図示はしていないが、固定側磁性体RM(第1固定側磁性体R14及び第2固定側磁性体R24)は、ケースK1に固定されている。
【0070】
ここで、操作部材1が第1ポジションP1と第2ポジションP2とを移動する第1方向D1の動きについて、
図8(a)を参照して説明する。
【0071】
先ず、
図8(a)に示す基準位置である第1ポジションP1では、第1固定側磁性体R14と傾倒側磁性体KMとは近接して対向配置されているので、第1固定側磁性体R14と傾倒側磁性体KMとは強く引き合っている状態である。そして、操作部材1が第1ポジションP1に留まり、操作部材1の傾倒状態がそのまま維持されている。
【0072】
次に、基準位置である第1ポジションP1から、操作者によりX1方向に傾倒操作がされて基準位置である第2ポジションP2に操作部材1が位置する際には、傾倒側磁性体KMが第2傾倒軸22j(
図6(a)を参照)を回動中心としてX1方向に回動し、傾倒側磁性体KMが、第1固定側磁性体R14から離れるとともに、第2固定側磁性体R24に近づく。そして、第2ポジションP2に操作部材1が位置した際には、傾倒側磁性体KMと第2固定側磁性体R24とは近接して対向配置されて、傾倒側磁性体KMと第2固定側磁性体R24とは強く引き合っている状態になる。これにより、操作部材1が第2ポジションP2に留まり、操作部材1の傾倒状態がそのまま維持されるようになる。
【0073】
このようにして、第1ポジションP1における第1固定側磁性体R14と傾倒側磁性体KMとの強い吸引状態から、第2ポジションP2へ移動する際に、第1固定側磁性体R14と傾倒側磁性体KMとが引き剥がされた弱い吸引状態へ変化することになる。このことにより、操作者に対して、節度感を与えることができる。なお、説明は省略するが、操作者によりX2方向に傾倒操作がされて、第2ポジションP2から第1ポジションP1への移動においても、同様な動作、作用が働き、操作者に対して、節度感を与えることができる。
【0074】
次に、操作装置101の対向側磁性体TM及び可動側磁性体MMについて説明する。先ず、操作装置101の対向側磁性体TMは、矩形で板状形状の永久磁石からなり、
図7に示すように、操作部材1の基体部1dを挟んで、第1可動部材H13(第3可動部材H33)側に配設された第1対向側磁性体T14と、第2可動部材H23(第4可動部材H43)側に配設された第2対向側磁性体T24と、を有して構成されている。
【0075】
また、本発明の第1実施形態では、対向側磁性体TM(第1対向側磁性体T14及び第2対向側磁性体T24)は、詳細な図示はしていないが、
図10に示す第1枠体32A内に収容されて枠体32に固定されている。つまり、対向側磁性体TMは、操作部材1の傾倒動作と連動しない保持部材(この第1枠体32A)に保持されているので、操作者の傾倒操作に関わらず、一定の位置に固定される。
【0076】
次に、操作装置101の可動側磁性体MMは、鉄等の軟磁性体からなり、
図7及び
図8(b)に示すように、第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14と、第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24と、第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34と、第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44と、から構成されている。そして、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが対をなして、第1対向側磁性体T14を間に挟み、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが対をなして、第2対向側磁性体T24を間に挟み、一対の可動側磁性体MM同士が近づけられて配置されていて互いに吸引されている。なお、
図8(b)では、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとの間が一定間隔を有しているように図示されているが、この間には、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMが直接当接する際に生じる当接音を防止するために、図示していない緩衝部材が可動側磁性体MM側或いは対向側磁性体TMに設けられている。
【0077】
また、可動側磁性体MM(第1可動側磁性体M14、第2可動側磁性体M24、第3可動側磁性体M34及び第4可動側磁性体M44)は、全体が矩形で板状形状をしており、可動側磁性体MMの両端側のそれぞれが互いの端面同士が対向するようにして曲げられている。これにより、対向側磁性体TM(永久磁石)が発生する磁束が一対の可動側磁性体MM間でより閉じ込められることとなり、一対の可動側磁性体MM間の吸引力を高めることができる。
【0078】
また、可動側磁性体MMは、非磁性体の可動部材HKに保持されているので、例えば軟磁性体からなる可動部材に保持されている場合と比較して、一対の可動側磁性体MM間で磁束が閉じ込められ、一対の可動側磁性体MM間の吸引力をより強めることができる。これにより、同等な吸引力を得ようとした場合には、対向側磁性体TMを小さくすることができ、高価な永久磁石(対向側磁性体TM)を小さくすることができ、操作装置101を安く作製することができる。
【0079】
次に、操作装置101のストッパー部6について説明する。操作装置101のストッパー部6は、操作部材1が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)から第2方向D2に傾倒されて次の複数のポジションに位置する際に、一対の可動側磁性体MMの内、他方の可動側磁性体MMの傾倒動作を止める機能を有している。つまり、本発明の第1実施形態では、ストッパー部6は、支持体2の第1枠体32A(保持部材)に保持された対向側磁性体TMに設けられている。
【0080】
以下に、
図8(b)、
図12及び
図13に示す模式図を交えながら、操作装置101における、第1方向D1とは別な第2方向D2への動きについて説明することにより、ストッパー部6の詳細を説明することとする。また、第2方向D2に移動する動きについては、この第1ポジションP1或いは第2ポジションP2を基準位置として(
図4(b)を参照)、操作者の傾倒操作によって行われるが、ここでは、第2ポジションP2を基準位置とした動きについて詳細に説明する。
図12は、本発明の第1実施形態の操作装置101における動作を説明する模式図であって、
図12(a)は、基準位置の状態の図であり、
図12(b)は、一方向(
図12に示すY1方向)に傾倒した状態の図であり、
図12(c)は、
図12(b)より更に一方向に傾倒した状態の図である。
図13は、本発明の第1実施形態の操作装置101における動作を説明する模式図であって、
図13(a)は、
図12(a)と同じ基準位置の状態の図であり、
図13(b)は、他方向(
図13に示すY2方向)に傾倒した状態の図であり、
図13(c)は、
図13(b)より更に他方向に傾倒した状態の図である。
【0081】
先ず、第2方向D2における操作部材1の一方向(
図12に示すY1方向)の傾倒動作について説明する。操作部材1が第2ポジションP2の基準位置にある際には、
図8(b)に示すように、操作部材1の基体部1dは、Y方向に対して水平が保たれており、この基体部1dと対向した4つの可動部材HK(第1可動部材H13、第2可動部材H23、第3可動部材H33、第4可動部材H43)も水平が保たれている。そして、4つの可動部材HKに保持された第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34、及び第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44が、それぞれ第1対向側磁性体T14及び第2可動側磁性体M24を間に挟み、近接して対向配設されている。これにより、操作部材1が基準位置(第2ポジションP2)にある場合には、対向側磁性体TMを挟んでそれぞれの可動側磁性体MMとがすべて吸引されて吸着しているので、操作部材1にガタツキが生じないという効果を奏している。
【0082】
次に、操作者により操作部材1が
図12(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から一方向(
図8(b)に示すY1方向)に傾倒操作されると、
図8に示す傾倒軸(第1傾倒軸)12eを回動中心として操作部材1の回動が行われ、傾倒操作側と反対側(
図12(b)に示すY2方向側)にある基体部1dの第1押圧部11p(
図9(b)を参照)が対向する第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13が上方側に回動するようになる。そして、第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14も回動して一方向に傾倒動作する。
【0083】
一方、第1可動側磁性体M14と対をなす他方の第3可動側磁性体M34は、緩衝部材を介して第1対向側磁性体T14に吸着しており、第3可動側磁性体M34における一方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第1対向側磁性体T14によって止められることとなる。そして、
図12(b)に示すように、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反し、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、第2ポジションP2から前1段ポジションS21(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、第2ポジションP2から前1段ポジションS21に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第3可動側磁性体M34の傾倒動作を止めているのは、第1対向側磁性体T14、強いて云うなら第3可動側磁性体M34と対向する第1対向側磁性体T14の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6aとする)となっている。なお、第1ポジションP1を基準位置とした第2方向D2の動きについては、上述した第2ポジションP2を基準位置とした第2方向D2の動きと同様である。
【0084】
更に、操作者により
図12(b)に示す位置(前1段ポジションS21)から一方向(Y1方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材1の更なる回動が行われ、傾倒操作側(
図12(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第2押圧部21p(
図9(b)を参照)が対向する第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23が下方側に回動するようになる。そして、第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24も回動して一方向に傾倒動作する。
【0085】
一方、第2可動側磁性体M24と対をなす他方の第4可動側磁性体M44は、緩衝部材を介して第2対向側磁性体T24に吸着しており、第4可動側磁性体M44における一方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第2対向側磁性体T24によって止められることとなる。そして、
図12(c)に示すように、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反し、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第4可動側磁性体M44の傾倒動作を止めているのは、第2対向側磁性体T24、強いて云うなら第4可動側磁性体M44と対向する第2対向側磁性体T24の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6bとする)となっている。
【0086】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101は、操作部材1が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、
図12に示すように、各複数のポジションに対応したストッパー部6をそれぞれ有している。具体的には、
図4(b)に示す前1段ポジションS21(前方ポジションS11)に対応して、ストッパー部6aが設けられ、
図4(b)に示す前2段ポジションS22に対応して、ストッパー部6bが設けられている。
【0087】
これにより、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21)、次のポジション(前1段ポジションS21)から更に次のポジション(前2段ポジションS22)への切り換えに際し、一方の可動側磁性体MMにおける一方向への傾倒動作が継続されるとともに、それぞれに対応したストッパー部6(6a、6b)により他方の可動側磁性体MMの傾倒動作が止められることとなる。このため、各ポジションにおいて、一対の可動側磁性体MM同士が引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、操作者に対して、節度感を与えることができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れている操作装置101を提供することができる。
【0088】
更に、永久磁石(対向側磁性体TM)を挟んで一対の可動側磁性体MMを配設して、互いを離反させた構成としたので、最小限(1個)の永久磁石で、非接触での節度感を得られることができる。このため、高価な永久磁石を極力少なくすることができ、操作装置101を安く作製することができる。
【0089】
また、本発明の第1実施形態の操作装置101では、操作部材1が一方向(
図12に示すY1方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの第1押圧部11pが第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14が傾倒動作され、ストッパー部6(6a)が第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が一方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第2押圧部21pが第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24が傾倒動作され、ストッパー部6(6b)が第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44の傾倒動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、傾倒動作している第1可動側磁性体M14とストッパー部6aに止められた第3可動側磁性体M34とが容易に離反して、更に傾倒操作が一方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、傾倒動作している第2可動側磁性体M24とストッパー部6bに止められた第4可動側磁性体M44とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジション(前1段ポジションS21及び前2段ポジションS22)に対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
【0090】
一方、本発明の第1実施形態の操作装置101では、操作部材1の他方向(
図8(b)に示すY2方向)の傾倒操作においても、同様な構成を有している。そこで、第2方向D2における操作部材1の他方向(
図13に示すY2方向)の傾倒動作についても説明する。
【0091】
先ず、操作者により操作部材1が
図13(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から他方向(
図8(b)に示すY2方向)に傾倒操作されると、
図8に示す傾倒軸(第1傾倒軸)12eを回動中心として操作部材1の回動が行われ、傾倒操作側(
図13(b)に示すY2方向側)にある基体部1dの第3押圧部31p(
図9(b)を参照)が対向する第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33が下方側に回動するようになる。そして、第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34も回動して他方向に傾倒動作する。
【0092】
一方、第3可動側磁性体M34と対をなす他方の第1可動側磁性体M14は、緩衝部材を介して第1対向側磁性体T14に吸着しており、第1可動側磁性体M14における他方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第1対向側磁性体T14によって止められることとなる。そして、
図13(b)に示すように、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反し、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、第2ポジションP2から後1段ポジションS23(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、第2ポジションP2から後1段ポジションS23に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第1可動側磁性体M14の傾倒動作を止めているのは、第1対向側磁性体T14、強いて云うなら第1可動側磁性体M14と対向する第1対向側磁性体T14の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6cとする)となっている。なお、第1ポジションP1を基準位置とした第2方向D2の動きについては、上述した第2ポジションP2を基準位置とした第2方向D2の動きと同様である。
【0093】
更に、操作者により
図13(b)に示す位置(後1段ポジションS23)から他方向(Y2方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材1の更なる回動が行われ、傾倒操作側とは反対側(
図13(b)に示すY1方向側)にある基体部1dの第4押圧部41p(
図9(b)を参照)が対向する第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43が上方側に回動するようになる。そして、第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44も回動して他方向に傾倒動作する。
【0094】
一方、第4可動側磁性体M44と対をなす他方の第2可動側磁性体M24は、緩衝部材を介して第2対向側磁性体T24に吸着しており、第2可動側磁性体M24における他方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第2対向側磁性体T24によって止められることとなる。そして、
図13(c)に示すように、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反し、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材1は、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第1実施形態では、第2可動側磁性体M24の傾倒動作を止めているのは、第2対向側磁性体T24、強いて云うなら第2可動側磁性体M24と対向する第2対向側磁性体T24の面であり、この面がストッパー部6(説明を分かり易くするためストッパー部6dとする)となっている。
【0095】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101は、操作部材1が他方向(
図13に示すY2方向)に傾倒操作された際に、基体部1dの第3押圧部31pが第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34が傾倒動作され、ストッパー部6(6c)が第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が他方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第4押圧部41pが第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44が傾倒動作され、ストッパー部6(6d)が第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24の傾倒動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、傾倒動作している第3可動側磁性体M34とストッパー部6cに止められた第1可動側磁性体M14とが容易に離反して、更に傾倒操作が他方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、傾倒動作している第4可動側磁性体M44とストッパー部6dに止められた第2可動側磁性体M24とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジション(後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)に対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
【0096】
また、本発明の第1実施形態では、操作部材1をY1方向或いはY2方向に傾倒させて、
図12(b)及び
図12(c)或いは
図13(b)及び
図13(c)に示すように、一対の可動側磁性体MM(第1可動側磁性体M14及び第3可動側磁性体M34、第2可動側磁性体M24及び第4可動側磁性体M44)が離反した際に、一対の可動側磁性体MM同士がそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置にそれぞれ配設されている。これにより、例えば各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた一対の可動側磁性体MM同士が互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材1を基準位置(第2ポジションP2)に自動復帰させることができる。なお、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反してから第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反する迄に、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とをそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設するようにし、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反した際に、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とをそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設するようにしても良い。これにより、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、先ず、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との吸着が行われ、次に、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との吸着が行われて、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材1を基準位置に自動復帰させることができる。
【0097】
最後に、操作装置101のケースK1、カバーK2及び配線基板19について説明する。先ず、操作装置101のケースK1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材を成形して作製されており、
図3に示すように、一方面が開放された開口部K1kを有して、矩形状で箱状に形成されている。このケースK1には、支持体2、複数の可動側磁性体MM、複数の対向側磁性体TM及び複数の可動部材HK等が収容されている。
【0098】
また、ケースK1には、
図3に示すように、その天井面に円形の貫通穴K1hが形成されており、この貫通穴K1hに操作部材1の操作軸1jが挿通されて、ケースK1の上面側に操作軸1jが露出している。また、ケースK1には、前述したように、その側面に支持体2の軸受け部42kが形成されており、この軸受け部42kに支持体2の第2傾倒軸22jが挿通されて、軸受け部42kが支持体2の枠体32を回動可能に支持している。また、図示はしていないが、ケースK1の内側面には、固定側磁性体RM(第1固定側磁性体R14及び第2固定側磁性体R24)が固定されている。
【0099】
次に、操作装置101のカバーK2は、ケースK1と同じように、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の合成樹脂材を成形して作製されており、
図3に示すように、板状に形成されて、ケースK1の開口部K1kを覆うようにして配設されている(
図1及び
図2を参照)。そして、図示はしていないが、カバーK2は、ケースK1と係合されている。
【0100】
最後に、操作装置101の配線基板19は、プリント配線板(printed wiring board)を用いており、前述したように、制御部50C、第1信号処理部51S及び第2信号処理部52Sが搭載されている(
図3を参照)。また、配線基板19には、図示はしていないが、第1位置検出器及び第2位置検出器と第1信号処理部51S及び第2信号処理部52Sとの電気的接続のためのフレキシブルプリント基板(FPC)が接続されているとともに、外部機器との接続のためのコネクタが搭載されている。
【0101】
以上のように、本発明の第1実施形態の操作装置101は、
図4(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置500に好適に適用することができる。つまり、本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500が各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行えるシフトの配置(シフトパターン)を有しているので、操作装置101は、この車両用シフト装置500に好適に適用することができる。これにより、車両用シフト装置500は、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置となる。
【0102】
更に、操作装置101の操作部材1が基準位置にある場合には、対向側磁性体TMを挟んで、一対の可動側磁性体MM同士がすべて吸引されて吸着しているので、操作部材1に係合されたシフトノブ50Nが基準位置にある際に、車両が走行中であってもシフトノブ50Nにガタツキが生じなく、車両用シフト装置500に、より一層好適である。
【0103】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用シフト装置500における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0104】
本発明の第1実施形態の操作装置101は、操作部材1が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)から傾倒されて複数のポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)に位置する際には、各複数のポジションに対応したストッパー部6(6a、6b、6c、6d)をそれぞれ有している。これにより、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)、次のポジション(前1段ポジションS21或いは後1段ポジションS23)から更に次のポジション(前2段ポジションS22或いは後2段ポジションS24)への切り換えに際し、一方の可動側磁性体MMにおける一方向への傾倒動作が継続されるとともに、それぞれに対応したストッパー部6(6a或いは6c、6b或いは6d)により他方の可動側磁性体MMの傾倒動作が止められることとなる。このため、各ポジションにおいて、一対の可動側磁性体MM同士が引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化より、操作者に対して、節度感を与えることができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れている操作装置101を提供することができる。
【0105】
また、操作部材1が一方向に傾倒操作された際に、基体部1dの第1押圧部11pが第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14が傾倒動作され、ストッパー部6(6a)が第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が一方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第2押圧部21pが第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24が傾倒動作され、ストッパー部6(6b)が第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44の傾倒動作を止めるように構成した。これにより、傾倒動作している第1可動側磁性体M14とストッパー部6aに止められた第3可動側磁性体M34とが容易に離反して、更に傾倒操作が一方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、傾倒動作している第2可動側磁性体M24とストッパー部6bに止められた第4可動側磁性体M44とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジションに対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
【0106】
また、操作部材1が他方向に傾倒操作された際に、基体部1dの第3押圧部31pが第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34が傾倒動作され、ストッパー部6(6c)が第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が他方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第4押圧部41pが第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44が傾倒動作され、ストッパー部6(6d)が第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24の傾倒動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、傾倒動作している第3可動側磁性体M34とストッパー部6cに止められた第1可動側磁性体M14とが容易に離反して、更に傾倒操作が他方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、傾倒動作している第4可動側磁性体M44とストッパー部6dに止められた第2可動側磁性体M24とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジションに対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置101を容易に作製することができる。
【0107】
また、可動部材HKには、可動側磁性体MMを対向側磁性体TMに向けて付勢可能な付勢部材FBが設けられているので、操作者による付勢部材FBを設けた側の傾倒操作が行われた際に、この付勢部材FBにより可動側磁性体MMが傾倒される方向(傾倒操作方向)に抗して可動側磁性体MMを付勢することとなる。このことにより、操作者に対して、より強い操作荷重感やより強い節度感等を与えることができ、より良い操作感を与えることができる。
【0108】
また、付勢部材FBが可動部材HKと一体で形成されているので、別部材として新たな付勢部材FBを用いることがないとともに、付勢部材FBを所望の位置に容易に配設できる。このことにより、節度感を有した操作装置をより容易に作製することができる。
【0109】
また、操作部材1の傾倒動作と連動しない保持部材(第1枠体32A)に対向側磁性体TMが保持されているので、操作者の傾倒操作に関わらず、対向側磁性体TMを一定の位置に固定することができる。このことにより、可動側磁性体MMと対向側磁性体TMとの引き剥がしを安定して行うことができる。
【0110】
また、一対の可動側磁性体MMの両端側それぞれが互いの端面同士が対向するようにして曲げられているので、対向側磁性体TM(永久磁石)が発生する磁束が一対の可動側磁性体MM体間でより閉じ込められることとなる。このため、一対の可動側磁性体MM間の吸引力を高めることができ、操作者に対して、より強い操作荷重感やより強い節度感等を与えることができる。一方、同等の操作荷重感や節度感等であれば、一対の可動側磁性体MM及び対向側磁性体TMを小さくすることもできる。
【0111】
また、一対の可動側磁性体MM(第1可動側磁性体M14及び第3可動側磁性体M34、第2可動側磁性体M24及び第4可動側磁性体M44)が離反した際に、一対の可動側磁性体MM同士がそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置にそれぞれ配設されている。これにより、各ポジションにおいて、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた一対の可動側磁性体MM同士が互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材1を基準位置に自動復帰させることができる。
【0112】
本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500は、各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行える操作装置101を車両用シフト装置500のシフトの配置(シフトパターン)に好適に適用することができる。これにより、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置500を提供することができる。
【0113】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、操作装置102について説明する。但し、第2実施形態の操作装置102は、第1実施形態の操作装置101に対し、操作部材10の形状が異なるのみで、他の構成要素は同じである。従って、操作部材10と第2方向D2における操作部材10の傾倒動作についてのみ説明し、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する図であって、
図14(a)は、操作部材10の斜視図であり、
図14(b)は、
図14(a)をX1側から見た操作部材10の側面図である。
図15は、第1実施形態の操作装置101を示した
図8(b)と比較した側面図である。なお、本発明の第2実施形態では、操作部材10の形状が異なるので、操作部材10が傾倒動作した際に、押圧する可動部材HKが異なり、
図8(b)と同じ位置にある可動部材HK及び可動側磁性体MMであっても、操作部材10の押圧に対応した可動部材HK及び可動側磁性体MMとしている。また、同様な理由により、
図8(b)と同じ位置にある付勢部材FBであっても、操作装置102では、付勢部材FBは、第2可動部材H23と第4可動部材H43に一体で形成されていることとなる(操作装置101では、付勢部材FBは、第1可動部材H13と第3可動部材H33に一体で形成されている)。
【0114】
先ず、本発明の第2実施形態の操作装置102の操作部材10は、液晶ポリマー(LCP、Liquid Crystal Polymer)等の合成樹脂材を成形して作製されており、
図14に示すように、垂直方向(
図14に示すZ方向)に延設された柱状の操作軸10jと、操作軸10jの他端側に設けられ操作軸10jの軸中心が貫く平面に広がる基体部10dと、を有して構成されている。そして、操作部材10の操作軸10jには、車両用シフト装置500のシフトノブ50Nが覆われて配設されている。
【0115】
操作部材10の基体部10dは、
図14に示すように、操作軸10jを挟んで左右(
図14に示すY1方向及びY2方向)に延設して形成されており、その中央部分には、基体部10dの延設方向(
図14に示すY方向)と直交する方向(
図14に示すX方向)に貫く貫通孔1hが設けられている。この貫通孔1hには、操作部材10の傾倒動作を可能にする支持体2の傾倒軸(第1傾倒軸)12eが挿通されて嵌合されている。そして、操作部材10の第2方向D2(
図15に示すY方向)への傾倒動作に伴って、基体部10dも連動して傾倒動作を行うように構成されている。
【0116】
また、基体部10dは、操作装置102が組み立てられた際には、
図15に示すように、複数の可動部材HKの間に配設されて、基体部10dが傾倒軸12eを軸中心として回動した際には、可動部材HKと当接するように構成されている。そして、基体部10dには、
図14(b)に示すように、可動部材HK(第1可動部材H13)に対して平行で対向した第1押圧部11pと、可動部材HK(第2可動部材H23)に対して傾斜して対向した第2押圧部21pと、を有している。この第1押圧部11pと第2押圧部21pとは、傾倒軸12eを挟んで操作軸10jの両側にそれぞれ設けられている。また、本発明の第2実施形態では、可動部材HK(第3可動部材H33)に対して傾斜して対向した第5押圧部51pと、可動部材HK(第4可動部材H43)に対して平行で対向した第6押圧部61pと、を有している。この第5押圧部51pと第6押圧部61pとは、傾倒軸12eを挟んで操作軸10jの両側にそれぞれ設けられている。
【0117】
次に、操作装置102における、第2方向D2への動きについて、
図16及び
図17に示す模式図を交えながら説明する。また、第2方向D2に移動する動きについては、この第1ポジションP1或いは第2ポジションP2を基準位置として(
図4(b)を参照)、操作者の傾倒操作によって行われるが、ここでは、第2ポジションP2を基準位置とした動きについて詳細に説明する。
図16は、本発明の第2実施形態の操作装置102における動作を説明する模式図であって、
図16(a)は、基準位置の状態の図であり、
図16(b)は、一方向に傾倒した状態の図であり、
図16(c)は、
図16(b)より更に一方向に傾倒した状態の図である。
図17は、本発明の第2実施形態の操作装置における動作を説明する模式図であって、
図17(a)は、基準位置の状態の図であり、
図17(b)は、他方向に傾倒した状態の図であり、
図17(c)は、
図17(b)より更に他方向に傾倒した状態の図である。
【0118】
先ず、第2方向D2における操作部材10の一方向(
図16に示すY1方向)の傾倒動作について説明する。操作部材10が第2ポジションP2の基準位置にある際には、
図15に示すように、操作部材10の基体部10dは、Y方向に対して水平が保たれており、この基体部10dと対向した4つの可動部材HK(第1可動部材H13、第2可動部材H23、第3可動部材H33、第4可動部材H43)も水平が保たれている。そして、4つの可動部材HKに保持された第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34、及び第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44が、それぞれ第1対向側磁性体T14及び第2可動側磁性体M24を間に挟み、近接して対向配設されている。これにより、操作部材10が基準位置(第2ポジションP2)にある場合には、対向側磁性体TMを挟んでそれぞれの可動側磁性体MMとがすべて吸引されて吸着しているので、操作部材10にガタツキが生じないという効果を奏している。
【0119】
次に、操作者により操作部材10が
図16(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から一方向(
図15に示すY1方向)に傾倒操作されると、
図15に示す傾倒軸(第1傾倒軸)12eを回動中心として操作部材10の回動が行われ、傾倒操作側(
図16(b)に示すY1方向側)にある基体部10dの第1押圧部11p(
図14(b)を参照)が対向する第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13が下方側に回動するようになる。そして、第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14も回動して一方向に傾倒動作する。
【0120】
一方、第1可動側磁性体M14と対をなす他方の第3可動側磁性体M34は、緩衝部材を介して第1対向側磁性体T14に吸着しており、第3可動側磁性体M34における一方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第1対向側磁性体T14によって止められることとなる。そして、
図16(b)に示すように、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反し、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材10は、第2ポジションP2から前1段ポジションS21(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、第2ポジションP2から前1段ポジションS21に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第2実施形態では、第3可動側磁性体M34の傾倒動作を止めているのは、第1対向側磁性体T14、強いて云うなら第3可動側磁性体M34と対向する第1対向側磁性体T14の面であり、この面がストッパー部26(説明を分かり易くするためストッパー部26aとする)となっている。なお、第1ポジションP1を基準位置とした第2方向D2の動きについては、上述した第2ポジションP2を基準位置とした第2方向D2の動きと同様である。
【0121】
更に、操作者により
図16(b)に示す位置(前1段ポジションS21)から一方向(Y1方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材10の更なる回動が行われ、傾倒操作側とは反対側(
図16(b)に示すY2方向側)にある基体部10dの第2押圧部21p(
図14(b)を参照)が対向する第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23が上方側に回動するようになる。そして、第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24も回動して一方向に傾倒動作する。
【0122】
一方、第2可動側磁性体M24と対をなす他方の第4可動側磁性体M44は、緩衝部材を介して第2対向側磁性体T24に吸着しており、第4可動側磁性体M44における一方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第2対向側磁性体T24によって止められることとなる。そして、
図16(c)に示すように、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反し、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材10は、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、前1段ポジションS21から前2段ポジションS22に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第2実施形態では、第4可動側磁性体M44の傾倒動作を止めているのは、第2対向側磁性体T24、強いて云うなら第4可動側磁性体M44と対向する第2対向側磁性体T24の面であり、この面がストッパー部26(説明を分かり易くするためストッパー部26bとする)となっている。
【0123】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102は、操作部材10が基準位置(第1ポジションP1或いは第2ポジションP2)から傾倒されて複数のポジションに位置する際には、
図16に示すように、各複数のポジションに対応したストッパー部26をそれぞれ有している。具体的には、
図4(b)に示す前1段ポジションS21(前方ポジションS11)に対応して、ストッパー部26aが設けられ、
図4(b)に示す前2段ポジションS22に対応して、ストッパー部26bが設けられている。
【0124】
これにより、例えば基準位置(第2ポジションP2)から次のポジション(前1段ポジションS21)、次のポジション(前1段ポジションS21)から更に次のポジション(前2段ポジションS22)への切り換えに際し、一方の可動側磁性体MMにおける一方向への傾倒動作が継続されるとともに、それぞれに対応したストッパー部26(26a、26b)により他方の可動側磁性体MMの傾倒動作が止められることとなる。このため、各ポジションにおいて、一対の可動側磁性体MM同士が引き剥がされて、お互い離反するようになり、その際の強い吸引状態から弱い吸引状態への変化により、操作者に対して、節度感を与えることができる。このことにより、従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れている操作装置102を提供することができる。
【0125】
更に、永久磁石(対向側磁性体TM)を挟んで一対の可動側磁性体MMを配設して、互いを離反させた構成としたので、最小限(1個)の永久磁石で、非接触での節度感を得られることができる。このため、高価な永久磁石を極力少なくすることができ、操作装置102を安く作製することができる。
【0126】
また、本発明の第2実施形態の操作装置102では、操作部材10が一方向(
図16に示すY1方向)に傾倒操作された際に、基体部10dの第1押圧部11pが第1可動部材H13を押圧し、第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14が傾倒動作され、ストッパー部26(26a)が第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が一方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第2押圧部21pが第2可動部材H23を押圧し、第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24が傾倒動作され、ストッパー部26(26b)が第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44の傾倒動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、傾倒動作している第1可動側磁性体M14とストッパー部26aに止められた第3可動側磁性体M34とが容易に離反して、更に傾倒操作が一方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、傾倒動作している第2可動側磁性体M24とストッパー部26bに止められた第4可動側磁性体M44とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジション(前1段ポジションS21及び前2段ポジションS22)に対応して、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができるとともに、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置102を容易に作製することができる。
【0127】
一方、本発明の第2実施形態の操作装置102では、操作部材10の他方向(
図15に示すY2方向)の傾倒操作においても、同様な構成を有している。そこで、第2方向D2における操作部材10の他方向(
図17に示すY2方向)の傾倒動作についても説明する。
【0128】
先ず、操作者により操作部材10が
図17(a)に示す基準位置(第2ポジションP2)から他方向(
図15に示すY2方向)に傾倒操作されると、
図15に示す傾倒軸(第1傾倒軸)12eを回動中心として操作部材10の回動が行われ、傾倒操作側(
図17(b)に示すY2方向側)にある基体部10dの第6押圧部61p(
図14(b)を参照)が対向する第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43が下方側に回動するようになる。そして、第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44も回動して他方向に傾倒動作する。
【0129】
一方、第4可動側磁性体M44と対をなす他方の第2可動側磁性体M24は、緩衝部材を介して第2対向側磁性体T24に吸着しており、第2可動側磁性体M24における他方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第2対向側磁性体T24によって止められることとなる。そして、
図17(b)に示すように、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反し、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材10は、第2ポジションP2から後1段ポジションS23(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、第2ポジションP2から後1段ポジションS23に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第2実施形態では、第2可動側磁性体M24の傾倒動作を止めているのは、第2対向側磁性体T24、強いて云うなら第2可動側磁性体M24と対向する第2対向側磁性体T24の面であり、この面がストッパー部26(説明を分かり易くするためストッパー部26cとする)となっている。なお、第1ポジションP1を基準位置とした第2方向D2の動きについては、上述した第2ポジションP2を基準位置とした第2方向D2の動きと同様である。
【0130】
更に、操作者により
図17(b)に示す位置(後1段ポジションS23)から他方向(Y2方向)への傾倒操作が継続されると、操作部材10の更なる回動が行われ、傾倒操作側とは反対側(
図17(b)に示すY1方向側)にある基体部10dの第5押圧部51p(
図14(b)を参照)が対向する第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33が上方側に回動するようになる。そして、第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34も回動して他方向に傾倒動作する。
【0131】
一方、第3可動側磁性体M34と対をなす他方の第1可動側磁性体M14は、緩衝部材を介して第1対向側磁性体T14に吸着しており、第1可動側磁性体M14における他方向への傾倒動作が、第1枠体32A(保持部材)に保持されて一定の位置に固定された第1対向側磁性体T14によって止められることとなる。そして、
図17(c)に示すように、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反し、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との強い吸引状態から弱い吸引状態へ変化する。その際には、操作部材10は、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24(
図4(b)を参照)に位置するようになり、操作者に対して、後1段ポジションS23から後2段ポジションS24に移動する際の節度感(クリック感)が得られるようになる。なお、本発明の第2実施形態では、第1可動側磁性体M14の傾倒動作を止めているのは、第1対向側磁性体T14、強いて云うなら第1可動側磁性体M14と対向する第1対向側磁性体T14の面であり、この面がストッパー部26(説明を分かり易くするためストッパー部26dとする)となっている。
【0132】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102は、操作部材10が他方向(
図17に示すY2方向)に傾倒操作された際に、基体部10dの第6押圧部61pが第4可動部材H43を押圧し、第4可動部材H43に保持された第4可動側磁性体M44が傾倒動作され、ストッパー部26(26c)が第2可動部材H23に保持された第2可動側磁性体M24の傾倒動作を止め、更に傾倒操作が他方向(傾倒操作方向)に継続された際に、第5押圧部51pが第3可動部材H33を押圧し、第3可動部材H33に保持された第3可動側磁性体M34が傾倒動作され、ストッパー部26(26d)が第1可動部材H13に保持された第1可動側磁性体M14の傾倒動作を止めるように、具体的に構成されている。これにより、傾倒動作している第4可動側磁性体M44とストッパー部26cに止められた第2可動側磁性体M24とが容易に離反して、更に傾倒操作が他方向に継続された際に、傾倒軸12eを挟んで反対側にあり、傾倒動作している第3可動側磁性体M34とストッパー部26dに止められた第1可動側磁性体M14とが容易に離反するようになる。このことにより、各ポジション(後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)に対応して、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とを容易に離反させることができるとともに、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とを容易に離反させることができる。従って、節度感を有した操作装置102を容易に作製することができる。
【0133】
また、本発明の第2実施形態では、操作部材10をY1方向或いはY2方向に傾倒させて、
図16(b)及び
図16(c)或いは
図17(b)及び
図17(c)に示すように、一対の可動側磁性体MM(第1可動側磁性体M14及び第3可動側磁性体M34、第2可動側磁性体M24及び第4可動側磁性体M44)が離反した際に、一対の可動側磁性体MM同士がそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置にそれぞれ配設されている。これにより、例えば各ポジション(前1段ポジションS21、前2段ポジションS22、後1段ポジションS23及び後2段ポジションS24)において、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、引き剥がされた一対の可動側磁性体MM同士が互いの吸引力により再び吸引することとなる。このことにより、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材10を基準位置(第2ポジションP2)に自動復帰させることができる。なお、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とが離反してから第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反する迄に、一対の第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34とをそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設するようにし、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とが離反した際に、一対の第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44とをそれぞれの間に働く吸引力が消失しない位置に配設するようにしても良い。これにより、操作者による傾倒操作の力が取り除かれたときに、先ず、第2可動側磁性体M24と第4可動側磁性体M44との吸着が行われ、次に、第1可動側磁性体M14と第3可動側磁性体M34との吸着が行われて、自動復帰のための復帰部材を使用しなくても、操作部材10を基準位置に自動復帰させることができる。
【0134】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102も同様に、
図4(a)に示すシフトの配置(シフトパターン)を有した車両用シフト装置500に好適に適用することができる。つまり、本発明の第1実施形態の車両用シフト装置500が各ポジション(前1段ポジションS21或いは前方ポジションS11、前2段ポジションS22、第2ポジションP2或いは第1ポジションP1、後1段ポジションS23或いは後方ポジションS13、後2段ポジションS24)への操作が行えるシフトの配置(シフトパターン)を有しているので、操作装置102は、この車両用シフト装置500に好適に適用することができる。これにより、車両用シフト装置500は、節度感を有したシフト操作を行うことができ、しかも従来例と比較して、節度感を生じさせる部分に摺動機構がないため、耐久性が優れた車両用シフト装置となる。
【0135】
更に、操作装置102の操作部材10が基準位置にある場合には、対向側磁性体TMを挟んで、一対の可動側磁性体MM同士がすべて吸引されて吸着しているので、操作部材10に係合されたシフトノブ50Nが基準位置にある際に、車両が走行中であってもシフトノブ50Nにガタツキが生じなく、車両用シフト装置500に、より一層好適である。
【0136】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0137】
<変形例1>
上記第1実施形態では、付勢部材FBを第1可動部材H13及び第3可動部材H33に設ける構成としたが、これに限るものではなく、第2可動部材H23及び第4可動部材H43に設ける構成でも良く、その組合せは任意に決めることができる。また、所望の操作感を得るために、付勢部材FBの個数や設ける位置、角度等を任意に変更することもできる。
【0138】
<変形例2>
上記第1実施形態では、付勢部材FBと規制部材とが当接可能なように僅かな間隔を空けて配設する構成としたが、付勢部材FBと規制部材とを当接させて配設しても良いし、少し離して配設しても良い。これにより、操作感が変わる変化点を任意に決めることができる。
【0139】
<変形例3>
上記実施形態では、ストッパー部6或いはストッパー部26として、支持体2の枠体32(第1枠体32A)に保持された対向側磁性体TMの面を好適に用いたが、これに限るものではなく、一対の可動側磁性体MMの他方の傾倒動作を止める機構を別途設けるようにしても良い。
【0140】
<変形例4><変形例5>
上記実施形態では、対向側磁性体TMを支持体2の枠体32に保持する構成としたが、これに限るものではない。例えば、可動側磁性体MMの一方に固定して可動側磁性体MMと一緒に傾倒動作する構成でも良い(変形例4)。その際には、一対の可動側磁性体MMの他方の傾倒動作を止める機構を別途設ける必要がある。また、対向側磁性体TMを支持体2の枠体32に保持する構成と可動側磁性体MMの一方に固する構成を適宜組み合わせても良い(変形例5)。
【0141】
<変形例6>
上記実施形態では、対向側磁性体TM(第1対向側磁性体T14及び第2対向側磁性体T24)の大きさや形状を同じにして、磁界の強さを同じにした構成としたが、左右で違う磁界の強さにしても良い。これにより、第2方向D2での傾倒方向(Y1方向或いはY2方向)による操作感を変えることができる。
【0142】
<変形例7>
上記実施形態では、可動部材HKが非磁性体の合成樹脂から作製されていたが、この合成樹脂に限るものではない。例えば、非磁性体であれば好適であり、アルミニウムや銅合金等の金属材であっても良い。例えば、軟磁性体の鉄等の金属材であっても良い。
【0143】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。