特許第6440179号(P6440179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6440179
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】レコードプレーヤー
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/12 20060101AFI20181210BHJP
   G11B 3/60 20060101ALI20181210BHJP
   G11B 33/02 20060101ALI20181210BHJP
   G11B 3/08 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   G11B33/12 313G
   G11B3/60 Z
   G11B33/02 301B
   G11B33/12 312Z
   G11B3/08 Z
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-7312(P2018-7312)
(22)【出願日】2018年1月19日
【審査請求日】2018年1月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】718000314
【氏名又は名称】諸富 栄治
(72)【発明者】
【氏名】諸富 栄治
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−251401(JP,A)
【文献】 実開昭50−054102(JP,U)
【文献】 特開平07−037201(JP,A)
【文献】 実開平04−011087(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/12
G11B 3/08
G11B 3/60
G11B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レコード盤を回転させるためのターンテーブルと、このターンテーブルに連結された複数の歯車は収納する本体部を有し、歯車を手動で回転させ、かつ、複数の歯車は着脱自在であることを特徴とするレコードプレーヤー。
【請求項2】
前記本体部には、前記複数の歯車の中心部が嵌まる軸部を有する請求項1に記載のレコードプレーヤー。
【請求項3】
前記レコードに接する針と前記針の先端を保護する保護部材を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載のレコードプレーヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手回しで再生できる無電源ポータブルレコードプレーヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なレコードプレーヤーは、電力を使ってターンテーブルを回転させ、ダイアモンドで作られた再生針を使用し、レコード盤に収録された音声を抽出して、その音声を電力を使って増幅させて、音源を再生させる。
【0003】
一方、蓄音機は、無電源で動作するものもあるが、あくまで専用のSP盤レコードを再生させるためのレコードプレーヤーであり、現在製造されている市販のレコード盤を再生するものではない。回転速度は調速機で調整する仕様で、重量があるため、携帯性に欠ける。
【0004】
海外では、50年代から70年代にかけてダンボール製の手回し蓄音機が発明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−105260
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ダンボール製の手回し蓄音機は、33回転と45回転のレコード盤のいずれかの再生回転数に応じた正しい再生速度を実現することが難しい。そのうえ、レコード盤を回転させるために穴を空けるなどの加工が施されたレコード盤の再生に限られるため、市販のレコード盤は再生できない。再生針の針先がむき出しのため、使用上の危険性が高く、安全性が考慮されていない。レコード盤を収納する機能がないため、携帯性に欠ける。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、レコード盤の汎用性、音声速度の安定性、使用上の安全性、レコード盤と本体部の携帯性のすべてを同時に満足させるレコードプレーヤーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、歯車の原理を応用し、歯車自体をターンテーブルとして使用して、複数の歯車によって間接的に回転動力を伝え、再生針とダンボール製の本体部を結合するための再生針クリップに開閉レバーを追加し、ダンボールやパルプ素材など極力軽量な素材を使用する。
本発明は、レコード盤を回転させるためのターンテーブルとこのターンテーブルに連結された複数の歯車を有し、前記歯車を手動で回転させるレコードプレーヤーである。
また、前記ターンテーブル及び前記複数の歯車は収納する本体部を有するレコードプレーヤーである。
また、前記複数の歯車は着脱自在であるレコードプレーヤーである。
また、前記本体部には、前記複数の歯車の中心部が嵌まる軸部を有するレコードプレーヤーである。
また、前記レコードに接する針と前記針の先端を保護する保護部材を更に有するレコードプレーヤーである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレコードプレーヤーを用いることで、市販のあらゆるレコード盤の音声を安定した再生速度で再生することができる。再生針の針先に対する使用上の安全性も確保され、本体とレコード盤を携帯して持ち歩くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るレコードプレーヤーの第1の実施形態を示す立体図である。
図2】本発明に係るレコードプレーヤーの第2の実施形態を示す立体図である。
図3】本発明に係るレコードプレーヤーの第2、第3の実施形態を示す平面図である。
図4】本発明に係るレコードプレーヤーの第3、第4の実施形態を示す平面図である。
図5】本発明に係るレコードプレーヤーの第3、第4の実施形態を示す平面図である。
図6】本発明に係るレコードプレーヤーの第4の実施形態を示す立体図である。
図7】本発明に係るレコードプレーヤーの第3、第4の実施形態を示す立体図である。
図8】本発明に係るレコードプレーヤーの第5の実施形態を示す立体図である。
図9】本発明に係るレコードプレーヤーの第5の実施形態を示す立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に関わるレコードプレーヤー1を再生している図となり、請求項1の実施形態を示す。ダンボール製のレコードケース2を開いてターンテーブル用歯車3を長軸部9に嵌め込み、動力軸部6に45回転用歯車4を、短軸部A8に33回転用歯車5を嵌め込んで、それぞれの歯車が連動する状態でレコード盤15をターンテーブル用歯車3の上部に配置する。レコードケース12を半切線A17に沿って折り、再生針11の先端がレコード盤15の溝に垂直に接触した状態で、手19で回転つまみ10をつまんで先端の動力軸部6に設置された45回転用歯車4の窪みに入れて、45回転用歯車4を時計回りに回転させることで、レコード盤15が回転し、溝に接触した再生針11を通じて音声が抽出される。このとき、抽出された音声がレコードケース2に伝わり、レコードケース2の本体部が共鳴することで音量が増幅され、スピーカーホール14より音声が出力される仕組みとなる。
【0012】
図2図3は、本発明に係るレコードプレーヤー1の請求項2の実施形態を示す。図2は、レコードケース2に全ての要素が内包された状態で半切線に沿って折り畳んで、レコードケース2の本体が開閉しないように留め紐19によって綴じられている様子である。
【0013】
図3は、全ての内容物が収納された状態のレコードケース2の展開図となる。レコードケース2に接着されたレコードスリーブ16にレコード盤15が収納され、再生針クリップ13によって再生針11がレコードケース2に連結されている。ターンテーブル用歯車3の上に45回転用歯車4と33回転用歯車5を動力軸部6に嵌め込まれた状態で重ねて収納され、短軸部A8に回転つまみ10を固定する仕様になる。
【0014】
図4図5は、本発明に係るレコードプレーヤー1の請求項3の実施形態を示す。ターンテーブル歯車3と45回転歯車4と33回転歯車5は取り外しが容易にできる仕様になり、ターンテーブル用歯車3をターンテーブル用軸部9に嵌め込んだ状態で、45回転歯車4と33回転歯車5の配置を変えることによって、レコード盤の再生回転数に応じた再生速度を実現する。
【0015】
図4は、45回転のレコード盤を再生する場合の歯車の配置となる。ターンテーブル用歯車3に隣接させるように33回転歯車5を短軸部B8を嵌め込み、動力軸部6に45回転歯車4を嵌め込んで、全ての歯車が連動する状態で、動力軸部6に設置された45回転歯車4を1秒間に1回転させることで、45回転のレコード盤15の正しい再生速度を実現する。
【0016】
図5は、33回転のレコード盤を再生する場合の歯車の配置となる。ターンテーブル用歯車3に隣接させるように45回転歯車4を短軸部A7を嵌め込み、動力軸部6に33回転歯車5を嵌め込んで、全ての歯車が連動する状態で、動力軸部6に設置された33回転歯車5を1秒間に1回転させることで、33回転のレコード盤15の正しい再生速度を実現する。
【0017】
図6図7は、本発明に係るレコードプレーヤー1の請求項4の実施形態を示す。図6は、レコードケース2に連結した短軸部A7と短軸部B8、動力軸部6、長軸部9に使用される軸部となり、ターンテーブル歯車3と45回転歯車4、33回転歯車5の各歯車の中心部に嵌まる仕様となり、軸の中央の切れ込みによって、軸部の直径を変化させ、各歯車の取り外しを実現する。軸部の素材は、ポリカーボネートやABS、マプカなどの樹脂が用いられるが、コスト及び成形性の点からポリカーボネートがより好ましい。
【0018】
図7は、短軸部A7と短軸部B8、動力軸部6、長軸部9に使用される軸部に歯車を嵌め込んだイメージとなり、軸の切れ込みにそって軸部を手で摘むことによって、軸部の直径が縮小し、各歯車を容易に取り外すことができる仕様になる。歯車の素材は、コスト及び成形性の点から硬度の高いパルプ素材が好ましい。
【0019】
図8図9は、レコードケース2に連結した再生針クリップ13と開閉レバー12、再生針11となり、本発明に係るレコードプレーヤーの請求項5の実施形態を示す。再生針11の針先は鋭く硬いため、安全性を考慮し、開閉レバー12によって再生針クリップ13の内部に再生針11の針先が入り込む仕様になる。再生針11の素材は、PPC、セルロースナノファイバーなどの素材が考えられるが、コスト及び成形性の点から鉄針がより好ましい。開閉レバー12と再生針クリップ13の素材は、ポリカーボネートやABS、マプカなどの樹脂が用いられるが、コスト及び成形性の点からポリカーボネートがより好ましい。
【0020】
図8は、レコード盤15を再生するために、開閉レバーによって再生針11の針先が垂直になるように出現させた状態である。抽出した音声は、再生針11に連結した開閉レバー12を経由し再生針クリップ13に伝い、クリップされたダンボール製のレコードケース2に伝導する。
【0021】
図9は、開閉レバーによって再生針11の針先を再生針クリップ13に入れ込んだ状態である。再生針11の針先が垂直に出現した状態から、開閉レバー12を180度回すことで、再生針11の針先が再生針クリップ13の内部に入り込み、針先に対する安全性が確保される。
【符号の説明】
【0022】

1 レコードプレーヤー
2 レコードケース
3 ターンテーブル用歯車
4 45回転用歯車
5 33回転用歯車
6 動力軸部
7 短軸部A
8 短軸部B
9 長軸部
10 回転つまみ
11 再生針
12 開閉レバー
13 再生針クリップ
14 スピーカーホール
15 レコード盤
16 レコードスリーブ
17 半切線A
18 半切線B
19 留め紐
20 手

【要約】      (修正有)
【課題】レコード盤の汎用性、音声速度の安定性、再生針における使用上の安全性、レコード盤と本体部の携帯性のすべてを同時に満足させるレコードプレーヤーを提供する。
【解決手段】歯車の原理を応用し、歯車自体をターンテーブル3として使用して、複数の歯車に連動させ歯車を1秒間に1回転させることで、市販のあらゆるレコード盤15を対象に最適な音声の再生速度を実現する。再生針11とダンボール製の本体部2を結合するための再生針クリップに開閉レバーを追加することで、再生針11の針先に対する使用上の安全性も確保される。極力軽量な素材を使用することで、本体とレコード盤15を携帯して持ち歩くことが可能となる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9