特許第6440197号(P6440197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440197
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】非接触給電システム及び送電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20181210BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20181210BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20181210BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20181210BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H02J50/80
   H02J50/12
   H02J7/00 301D
   G06K19/07 080
   G06K19/07 230
   G06K7/10 184
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-73852(P2015-73852)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-195482(P2016-195482A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】道坂 岳央
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正俊
(72)【発明者】
【氏名】五十部 慎也
(72)【発明者】
【氏名】松山 和真
【審査官】 猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−268310(JP,A)
【文献】 特開2012−065472(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/038265(WO,A1)
【文献】 特開2013−009479(JP,A)
【文献】 特開2014−200172(JP,A)
【文献】 特表2011−514801(JP,A)
【文献】 特開2010−051137(JP,A)
【文献】 特開2013−240132(JP,A)
【文献】 特開2014−079091(JP,A)
【文献】 特開2000−259787(JP,A)
【文献】 特開2011−054093(JP,A)
【文献】 特開2014−017747(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0280650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G06K 19/07
H02J 7/00− 7/12
H02J 7/34− 7/36
H02J 50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信機器と、所定領域内に存在する非接触通信機器に対して非接触通信及び非接触給電を行う送電器とを有する非接触給電システムであって、
前記送電器は、
前記非接触通信を行うための通信用電力及び前記非接触給電を行うための給電用電力をそれぞれ供給する電力制御部と、
前記電力制御部から供給された通信用電力で非接触通信機器に対して非接触通信を行う通信送受信部と、
前記電力制御部から供給された給電用電力を非接触通信機器に送電することで該非接触通信機器に対して非接触給電を行う電力送電部とを有し、
前記非接触通信機器は、前記電力送電部から送電された給電用電力を受電した場合、その旨を前記送電器に通知し、
前記電力制御部は、前記通信送受信部が前記所定領域内に存在する非接触通信機器のみと非接触通信可能となるように設定された最大の通信用電力を前記通信送受信部に対して供給するとともに、前記電力送電部に対して前記給電用電力を供給していない状態において、前記通信送受信部が前記非接触通信によって非接触通信機器を検出した場合、前記電力送電部に対して供給する給電用電力を増加させていき、前記検出された非接触通信機器から、前記電力送電部から送電された給電用電力を受電した旨が通知された場合、前記給電用電力の増加を停止し、前記給電用電力の増加を停止した後、前記通信送受信部に対して供給する通信用電力を、前記通信送受信部が、前記検出された非接触通信機器と非接触通信可能な最小電力まで減少させていく、非接触給電システム。
【請求項2】
所定領域内に存在する非接触通信機器に対して非接触通信及び非接触給電を行う送電器であって、
前記非接触通信を行うための通信用電力及び前記非接触給電を行うための給電用電力をそれぞれ供給する電力制御部と、
前記電力制御部から供給された通信用電力で非接触通信機器に対して非接触通信を行う通信送受信部と、
前記電力制御部から供給された給電用電力を非接触通信機器に送電することで該非接触通信機器に対して非接触給電を行う電力送電部とを有し、
前記電力制御部は、前記通信送受信部が前記所定領域内に存在する非接触通信機器のみと非接触通信可能となるように設定された最大の通信用電力を前記通信送受信部に対して供給するとともに、前記電力送電部に対して前記給電用電力を供給していない状態において、前記通信送受信部が前記非接触通信によって非接触通信機器を検出した場合、前記電力送電部に対して供給する給電用電力を増加させていき、前記検出された非接触通信機器から、前記電力送電部から送電された給電用電力を受電した旨が通知された場合、前記給電用電力の増加を停止し、前記給電用電力の増加を停止した後、前記通信送受信部に対して供給する通信用電力を、前記通信送受信部が、前記検出された非接触通信機器と非接触通信可能な最小電力まで減少させていく、送電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信機器に対して非接触通信及び非接触給電を行う非接触給電システムに関し、特に、非接触給電における無駄な電力を削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触通信機器に対してワイヤレスで給電を行う非接触給電が実用化されており、電磁誘導方式と磁界共鳴方式との2つの標準化が進められている。このうち電磁誘導方式は、現在、最も製品化が進んでいるWPC規格のQi(チー)にも採用されており、送電用コイルと受電用コイルとを1対1で近接させて給電を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような非接触給電は、送電側装置と受電側装置とのそれぞれにケーブルを接続するための端子を設ける必要がないとともに、送電用コイルに受電用コイルを近接させるだけで受電側装置に給電が行われるため、今後のさらなる普及が予想される。
【0004】
ところが、電磁誘導方式による非接触給電においては、給電を行うために送電用コイルと受電用コイルとを1対1で近接させることになるため、1つの送電側装置によって複数の受電側装置に給電を行うためには、1つの送電側装置に複数の送電用コイルを設けなければならない。
【0005】
一方、磁界共鳴方式による非接触給電においては、1つの送電用コイルによって複数の受電側装置への給電を行うことができるため、上述したように、1つの送電側装置にて複数の受電側装置に給電を行う場合であっても、1つの送電側装置に複数の送電用コイルを設ける必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−39271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したように、磁界共鳴方式において1つの送信側装置によって複数の受電側装置に非接触給電を行う環境では、送電側コイルと複数の受電側装置との距離は必然的に異なるものとなる。そのため、磁界共鳴方式においては、非接触給電を行う所定領域内のどの場所に受電側装置が設置された場合であっても、送電用コイルから送電された電力が受電側装置にて受電される必要があり、それにより、受電側装置が送電用コイルの近傍に存在している場合でも、非接触給電を行う所定領域内の全領域にて受電できるような電力で常時給電を行っておく必要があり、無駄な電力が発生してしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされものであって、非接触通信機器が所定領域内の任意の場所に設置されて1つの送電器によって非接触通信及び非接触給電を行う場合であっても給電における無駄な電力を削減することができる非接触給電システム及び送電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
非接触通信機器と、所定領域内に存在する非接触通信機器に対して非接触通信及び非接触給電を行う送電器とを有する非接触給電システムであって、
前記送電器は、
前記非接触通信を行うための通信用電力及び前記非接触給電を行うための給電用電力をそれぞれ供給する電力制御部と、
前記電力制御部から供給された通信用電力で非接触通信機器に対して非接触通信を行う通信送受信部と、
前記電力制御部から供給された給電用電力を非接触通信機器に送電することで該非接触通信機器に対して非接触給電を行う電力送電部とを有し、
前記非接触通信機器は、前記電力送電部から送電された給電用電力を受電した場合、その旨を前記送電器に通知し、
前記電力制御部は、前記通信送受信部が前記所定領域内に存在する非接触通信機器のみと非接触通信可能となるように設定された最大の通信用電力を前記通信送受信部に対して供給するとともに、前記電力送電部に対して前記給電用電力を供給していない状態において、前記通信送受信部が前記非接触通信によって非接触通信機器を検出した場合、前記電力送電部に対して供給する給電用電力を増加させていき、前記検出された非接触通信機器から、前記電力送電部から送電された給電用電力を受電した旨が通知された場合、前記給電用電力の増加を停止し、前記給電用電力の増加を停止した後、前記通信送受信部に対して供給する通信用電力を、前記通信送受信部が、前記検出された非接触通信機器と非接触通信可能な最小電力まで減少させていく
【0010】
上記のように構成された本発明においては、所定領域内に存在する非接触通信機器に対して非接触通信及び非接触給電を行う場合に、まず、通信送受信部にて電力制御部から供給された通信用電力による非接触通信によって非接触通信機器が検出されることになるが、電力制御部からは、通信送受信部が所定領域内に存在する非接触通信機器のみと非接触通信可能となるように設定された最大の通信用電力が通信送受信部に対して供給されており、通信送受信部においてこの通信用電力による非接触通信によって非接触通信機器が検出されるので、所定領域内のどの場所に非接触通信機器が存在していても、その非接触通信機器が確実に検出されることになる。この際、電力制御部からは、非接触通信機器に対して非接触給電を行うための給電用電力が電力送電部に供給されていないので、電力送電部からは、非接触通信機器に非接触給電を行うための給電用電力が所定領域内に送電されていない。所定領域内に存在する非接触通信機器が上記のようにして検出されると、電力制御部から電力送電部に供給される給電用電力が増加していき、その後、通信送受信部にて検出された非接触通信機器から、電力送電部から送電された給電用電力を受電した旨が通知されると、電力制御部から電力送電部に対して供給される給電用電力の増加が停止し、電力送電部からその給電用電力が非接触通信機器に送電されることで非接触通信機器に対する給電が行われることになる。これにより、電力送電部において、所定領域内に存在する非接触通信機器に対して非接触給電可能な最小の電力で給電が行われることになり、無駄な電力が送電されることがなくなる。
【0011】
また、電力制御部から電力送電部に対して供給される給電用電力の増加が停止した後、電力制御部から通信送受信部に対して供給される通信用電力を、通信送受信部が検出された非接触通信機器と非接触通信可能な最小電力まで減少させていくことで、通信送受信部における非接触通信のための電力においても無駄な電力が生じないとともに、不要な非接触通信によるエラーが生じてしまう可能性が低減される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、所定領域内に非接触通信機器が存在する場合、その非接触通信機器が確実に検出されながらも、その後、所定領域内に存在する非接触通信機器に対して非接触給電可能な最小電力で給電が行われることになるため、非接触通信機器が任意の場所に設置されて1つの送電器によって非接触通信及び非接触給電を行う場合であっても給電における無駄な電力を削減することができる。
【0013】
また、電力制御部から電力送電部に対して供給される給電用電力の増加が停止した後、電力制御部から通信送受信部に対して供給される通信用電力を、通信送受信部が検出された非接触通信機器と非接触通信可能な最小電力まで減少させていくことにより、非接触通信機器に対する非接触通信についても無駄な電力を削減することができるとともに、不要な非接触通信によるエラーが生じてしまう可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の非接触給電システムの実施の一形態を示す図であり、(a)はシステムが設置される環境の一例を横方向から見た図、(b)は(a)に示した環境を上方向から見た図、(c)はリーダ/ライタ及び携帯端末の構成を示すブロック図である。
図2図1に示した非接触給電システムにおける処理動作を説明するためのフローチャートである。
図3図2に示した処理動作による図1に示した部屋内における通信エリア及び給電エリアの変化を示す図である。
図4図1に示した制御テーブル記憶部に記憶される制御テーブルの一例を示す図である。
図5図1に示した非接触給電システムにおける制御テーブル記憶部に記憶された制御テーブルを用いた処理動作を説明するためのフローチャートである。
図6】リーダ/ライタにてチェック通信が行われた際の部屋内における通信エリア及び給電エリアの変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の非接触給電システムの実施の一形態を示す図であり、(a)はシステムが設置される環境の一例を横方向から見た図、(b)は(a)に示した環境を上方向から見た図、(c)はリーダ/ライタ10及び携帯端末20の構成を示すブロック図である。
【0017】
本形態における非接触給電システムは図1に示すように、所定領域となる決められた部屋1内に設置された机3a〜3i上に載置される携帯端末20と、部屋1の天井に設置されたリーダ/ライタ10とから構成される。
【0018】
リーダ/ライタ10は、本発明における送電器となるものであって、部屋1の天井中央に、給電エリア及び通信エリアが下方に向くように取り付けられており、通信送受信部11と、電力送電部12と、アンテナ13と、コイル14と、電力制御部15と、制御テーブル記憶部16とを有している。
【0019】
電力制御部15は、部屋1内に存在する携帯端末20に対して非接触通信を行うための通信用電力を通信送受信部11に供給し、また、部屋1内に存在する携帯端末20に対して非接触給電を行うための給電用電力を電力送電部12に供給する。
【0020】
通信送受信部11は、電力制御部15から供給された通信用電力で、部屋1内に存在する携帯端末20に対してアンテナ13を介して非接触通信を行う。非接触通信方式は、UHF帯の電波やBluetooth、あるいは赤外線等の近距離通信技術を用いることができる。
【0021】
電力送電部12は、電力制御部15から供給された給電用電力を、部屋1内に存在する携帯端末20にコイル14を介して送電することで携帯端末20に対して非接触給電を行う。この非接触給電の方式は、磁界共鳴方式を用いている。
【0022】
制御テーブル記憶部16は、部屋1内に存在する携帯端末20に対する給電用電力と通信用電力とが対応づけて記憶されている。
【0023】
携帯端末20は、本発明における非接触通信機器となるものであって、リーダ/ライタ10を用いた充電あるいはリーダ/ライタ10との間にて非接触通信を行う場合に、部屋1内の机3a〜3i上に載置される。本形態においては、説明をわかりやすくするためにその一例として、1台の携帯端末20が机3f上に載置されているが、携帯端末20は他の机3a〜3e,3g〜3i上に載置されてもよいし、複数台の携帯端末20が、互いに異なる机3a〜3i上に載置されていてもよい。
【0024】
携帯端末20は、通信送受信部21と、電力受電部22と、アンテナ23と、コイル24と、制御部25と、スイッチ26と、バッテリー27とを有している。
【0025】
通信送受信部21は、アンテナ23を介してリーダ/ライタ10との間にて非接触通信を行う。
【0026】
電力受電部22は、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力をコイル24を介して受電し、バッテリー27に蓄電する。
【0027】
スイッチ26は、電力受電部22にて受電された送電用電力のバッテリー27への蓄電や、バッテリー27に蓄電された電力の通信送受信部21への供給のON/OFFを切り替えるためのものである。
【0028】
制御部25は、通信送受信部21におけるリーダ/ライタ10との間の非接触通信を制御するとともに、通信送受信部21を介した非接触通信に基づいてスイッチ26を切り替える。
【0029】
以下に、上記のように構成された非接触給電システムにおける処理動作について説明する。
【0030】
図2は、図1に示した非接触給電システムにおける処理動作を説明するためのフローチャートである。なお、図2中、リーダ/ライタ10と携帯端末20との間のやりとりで通信によるものを破線の矢印で示し、給電によるものを一点鎖線の矢印で示している。図3は、図2に示した処理動作による図1に示した部屋1内における通信エリア及び給電エリアの変化を示す図である。
【0031】
図1に示した非接触給電システムにおいては、部屋1内に設置された机3a〜3iのいずれにも携帯端末20が載置されていない状態においては、電力制御部15から通信送受信部11に対して、部屋1内に存在する携帯端末20と非接触通信をするための最大電力が通信用電力として供給されている(ステップ1)。この最大電力は、リーダ/ライタ10の最大電力ではなく、通信送受信部11において、部屋1内に存在する携帯端末20のみと非接触通信が可能となるように設定されたものであり、それにより、図3(a)に示すように、通信送受信部11にてアンテナ13を介して非接触通信可能な通信エリア4は、部屋1外の領域は含まれず、部屋1内に設置された机3a〜3iを全て含むものとなる。なお、図3(a)に示す通信エリア4は、部屋1の角部までは届いていないものとなっているが、部屋1の角部まで届くような通信エリアを設定した場合、通信エリアの一部が部屋1の外部にはみ出してしまい、部屋1の外部に存在する携帯端末20まで非接触通信によって検出してしまうことになる。本形態においては、通信エリア4が、部屋1の角部を含まないものの、携帯端末20が載置される机3a〜3iを全て含むものであるため、机3a〜3i上に載置された携帯端末20のみを非接触通信によって検出するためには十分なものとなっている。ただ、この最大電力は、用途に応じて適宜設定することができ、通信エリア4が部屋1の外部を一部含むようなものであってもよい。
【0032】
この状態で机3f上に携帯端末20が載置されると、携帯端末20が通信送受信部11における通信エリア4に入ることから、リーダ/ライタ10の通信送受信部11と携帯端末20の通信送受信部21との間にてアンテナ13,23を介して非接触通信が可能な状態となる。
【0033】
そして、携帯端末20の通信送受信部21から、送電を依頼する送電依頼と、携帯端末20の識別情報や小電力/中電力を示す電力情報等の種類情報とがアンテナ23を介して送信されると(ステップ2,3)、これらがリーダ/ライタ10のアンテナ13を介して通信送受信部11にて受信される(ステップ4,5)。それにより、リーダ/ライタ10において、部屋1内に携帯端末20が存在することが検出されることになる。
【0034】
すると、リーダ/ライタ10の通信送受信部11から、携帯端末20のスイッチ26を、電力受電部22にて受電した電力をバッテリー27に蓄電するように切り替える旨の依頼が送信される(ステップ6)。これは、部屋1内に複数の携帯端末が存在している場合等において、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が大きなことにより、携帯端末20が破壊されてしまうことを回避するために行うものである。
【0035】
また、リーダ/ライタ10においては、携帯端末20に対して非接触給電を行うための給電用電力が給電出力として電力制御部15から電力送電部12に供給され、電力送電部12において電力制御部15から供給された給電用電力がコイル14を介して部屋1内に送電されることにより、携帯端末20に対する送電が開始される(ステップ7)。
【0036】
一方、携帯端末20においては、スイッチ26を切り替える旨の依頼がアンテナ23を介して通信送受信部21にて受信されると(ステップ8)、制御部25の制御によって、スイッチ26が、電力受電部22にて受電した電力をバッテリー27に蓄電するように切り替えられ(ステップ9)、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力の受電状態となる(ステップ10)。
【0037】
そして、制御部25において、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力がコイル24を介して電力受電部22にて受電されているかどうかが確認され、その確認結果である受電状況がアンテナ23を介して通信送受信部21から送信される(ステップ11)。
【0038】
リーダ/ライタ10においては、携帯端末20から送信された受電状況がアンテナ13を介して通信送受信部11にて受信されると(ステップ12)、受信された受電状況が、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が携帯端末20にて受電されていないことを示すものである場合(ステップ13)、電力制御部15において、電力送電部12に供給する給電用電力が1ステップ分増加される(ステップ14)。なお、給電用電力を増加する1ステップは任意に設定可能であるが、細かくすればそれだけ無駄な電力を効率よく削減することができ、一方、大まかなものとすれば、処理が簡略化される。
【0039】
ここで、部屋1内に設置された机3a〜3iのいずれにも携帯端末20が載置されていない状態においては、電力制御部15から電力送電部12に対して、部屋1内に存在する携帯端末20に対して非接触給電を行うための給電用電力が供給されていないため、ステップ7,14の処理によって、電力制御部15から電力送電部12に給電用電力が供給されはじめ、その後、電力制御部15から電力送電部12に供給する給電用電力が増加していくこととなる。
【0040】
そして、電力送電部12において、電力制御部15から供給された給電用電力がコイル14を介して部屋1内に送電されることにより、リーダ/ライタ10から携帯端末20への給電用電力の送電が行われ、この処理が、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が携帯端末20にて受電されるまで繰り返し行われることにより、図3(a)に示すように、電力送電部12による給電エリア5が広がっていく。
【0041】
一方、携帯端末20から送信された受電状況が、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が携帯端末20にて受電されていることを示すものである場合、すなわち、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が携帯端末20にて受電されるようになって、その旨が携帯端末20からリーダ/ライタ10に通知されると、電力制御部15において、電力送電部12に供給する給電用電力の増加が停止し、その給電用電力で携帯端末20に対する非接触給電が行われることになる。
【0042】
すなわち、電力送電部12から供給される給電用電力による給電エリア5が、図3(b)に示すように、携帯端末20を含むようなものとなるまで給電エリア5が広がっていき、携帯端末20を含むようなものとなった状態で給電エリア5の広がりが停止することとなる。
【0043】
次に、リーダ/ライタ10においては、通信送受信部11から、携帯端末20にてリーダ/ライタ10と通信ができているかどうかを示す通信状況を送信するための通信状況送信依頼がアンテナ13を介して送信される(ステップ15)。
【0044】
携帯端末20においては、通信送受信部11から送信された通信状況送信依頼がアンテナ23を介して通信送受信部21にて受信された場合(ステップ16)、リーダ/ライタ10との間にて通信ができていることになるため、リーダ/ライタ10との間にて通信ができていることを示す通信状況が通信送受信部21からアンテナ23を介して送信される(ステップ17)。
【0045】
リーダ/ライタ10においては、携帯端末20から送信された通信状況がアンテナ13を介して通信送受信部11にて受信された場合(ステップ18)、携帯端末20がリーダ/ライタ10との間にて通信ができていることになるため(ステップ19)、電力制御部15において、通信送受信部11に供給する通信用電力が1ステップ分減少される(ステップ20)。なお、通信用電力を減少させる1ステップにおいても、給電用電力と同様に任意に設定可能であるが、細かくすればそれだけ無駄な電力を効率よく削減することができ、一方、大まかなものとすれば、処理が簡略化される。
【0046】
そして、通信送受信部11において、電力制御部15から供給された通信用電力で携帯端末20に対して非接触通信が行われ、この処理が、携帯端末20とリーダ/ライタ10との非接触通信が不可能となって、リーダ/ライタ10にて携帯端末20から通信状況が受信されなくなるまで繰り返し行われることにより、図3(c)に示すように、通信送受信部11による通信エリア4が狭まっていく。
【0047】
携帯端末20とリーダ/ライタ10との非接触通信が不可能となって、リーダ/ライタ10の通信送受信部11にて携帯端末20から通信状況が受信されなくなると、電力制御部15から通信送受信部11に供給される通信用電力が1ステップ分増加され(ステップ21)、通信状況の停止依頼が通信送受信部11からアンテナ13を介して携帯端末20に送信される(ステップ22)。
【0048】
これにより、電力制御部15の制御によって、給電用電力の増加が停止した後、通信送受信部11に対して供給される通信用電力が、通信送受信部11が携帯端末20と非接触通信可能な最小電力まで減少していき、それにより、通信送受信部11による通信エリア4が、図3(d)に示すように、携帯端末20を含む最小範囲となるまで狭まっていき、通信エリア4と給電エリア5とがほぼ等しいものとなり、携帯端末20を含む最小範囲となった状態で通信エリア4の狭まりが停止することとなる。
【0049】
一方、携帯端末20においては、リーダ/ライタ10から送信された通信状況停止依頼がアンテナ23を介して通信送受信部21にて受信されると(ステップ23)、リーダ/ライタ10に対する通信状況の送信が停止される(ステップ24)。
【0050】
また、リーダ/ライタ10においては、電力制御部15から電力送電部12に供給される給電用電力の値と、電力制御部15から通信送受信部11に供給される通信用電力の値とを用いて、制御テーブルが作成され、制御テーブル記憶部16に記憶される(ステップ25)。
【0051】
図4は、図1に示した制御テーブル記憶部16に記憶される制御テーブルの一例を示す図である。
【0052】
リーダ/ライタ10においては、図4に示すように、上記のようにして設定された給電出力となる給電用電力と通信出力となる通信用電力とが対応づけられ、制御テーブルとして制御テーブル記憶部16に記憶される。なお、本例においては、携帯端末20からリーダ/ライタ10に送信される種類情報によって、携帯端末20が小電力で通信を行うものであるのか、中電力で通信を行うものであるのかを判断し、この電力の違いによって通信用電力の値を分けている。
【0053】
このように本形態においては、まず、通信送受信部11が部屋1内に存在する携帯端末20のみと非接触通信可能な最大の通信用電力が電力制御部15から通信送受信部11に対して供給されており、通信送受信部11においてこの通信用電力による非接触通信によって携帯端末20が検出されるので、部屋1内に設置されたいずれの机3a〜3i上に携帯端末20が載置されていても、携帯端末20が確実に検出されることになる。また、初期状態において、携帯端末20に対して非接触給電を行うための給電用電力が電力制御部15から電力送電部12に供給されておらず、部屋1内に存在する携帯端末20が上記のようにして検出されると、電力制御部15から電力送電部12に供給される給電用電力が増加していき、その後、電力送電部12から送電された給電用電力が携帯端末20にて受電されると、電力制御部15から電力送電部12に対して供給される給電用電力の増加が停止し、その給電用電力が携帯端末20に送電されることで給電が行われることになるため、電力送電部12において、部屋1内に存在する携帯端末20に対して非接触給電可能な最小の電力で給電が行われることになり、無駄な電力が送電されることがなくなる。これにより、リーダ/ライタ10によって非接触給電が行われる部屋1内に設置された机3a〜3iのうち任意の机上に携帯端末20が設置されて1つのリーダ/ライタ10によって携帯端末20に対して非接触通信及び非接触給電を行う場合であっても給電における無駄な電力を削減することができる。また、電力制御部15から電力送電部12に対して供給される給電用電力の増加が停止した後、電力制御部15から通信送受信部11に対して供給される通信用電力が、通信送受信部11が検出された携帯端末20と非接触通信可能な最小電力まで減少させていくことにより、携帯端末20に対する非接触通信についても無駄な電力を削減することができるとともに、不要な非接触通信によるエラーが生じてしまう可能性を低減することができる。
【0054】
以下に、図1に示した非接触給電システムにおいて制御テーブル記憶部16に記憶された制御テーブルを用いた処理動作について説明する。
【0055】
図5は、図1に示した非接触給電システムにおける制御テーブル記憶部16に記憶された制御テーブルを用いた処理動作を説明するためのフローチャートである。なお、図5中、リーダ/ライタ10と携帯端末20との間のやりとりで通信によるものを破線の矢印で示し、給電によるものを一点鎖線の矢印で示している。
【0056】
図1に示した非接触給電システムにおいては、上述したように制御テーブル記憶部16に制御テーブルが記憶されている場合は、部屋1内に設置された机3a〜3iのいずれにも携帯端末20が載置されていない状態においては、電力制御部15から通信送受信部11に対して、小電力で通信を行う携帯端末に対して非接触通信を行う際の最大電力が通信用電力として供給されている(ステップ101)。
【0057】
この状態で、例えば机3f上に携帯端末20が載置されると、携帯端末20が通信送受信部11における通信エリアに入ることから、リーダ/ライタ10の通信送受信部11と携帯端末20の通信送受信部21との間にてアンテナ13,23を介して非接触通信が可能な状態となる。
【0058】
そして、携帯端末20の通信送受信部21から、送電を依頼する送電依頼と、携帯端末20の識別情報や小電力/中電力を示す電力情報等の種類情報とがアンテナ23を介して送信されると(ステップ102,103)、これらがリーダ/ライタ10のアンテナ13を介して通信送受信部11にて受信される(ステップ104,105)。それにより、リーダ/ライタ10において、部屋1内に携帯端末20が存在することが検出されることになる。
【0059】
次に、通信送受信部11から、携帯端末20にてリーダ/ライタ10と通信ができているかどうかを示す通信状況を送信するための通信状況送信依頼がアンテナ13を介して送信される(ステップ106)。
【0060】
また、リーダ/ライタ10においては、ステップ105にて携帯端末20から受信された種類情報に基づいて、携帯端末20が中電力で通信を行うものである場合(ステップ107)、電力制御部15から通信送受信部11に対して供給される通信用電力が、中電力で通信を行う携帯端末に対して非接触通信を行う際の最大電力に下げられる(ステップ108)。
【0061】
携帯端末20においては、通信送受信部11から送信された通信状況送信依頼がアンテナ23を介して通信送受信部21にて受信された場合(ステップ109)、リーダ/ライタ10との間にて通信ができていることになるため、リーダ/ライタ10との間にて通信ができていることを示す通信状況が通信送受信部21からアンテナ23を介して送信される(ステップ110)。
【0062】
リーダ/ライタ10においては、携帯端末20から送信された通信状況がアンテナ13を介して通信送受信部11にて受信された場合(ステップ111)、携帯端末20がリーダ/ライタ10との間にて通信ができていることになるため(ステップ112)、通信ができていることを示すフラグ“1”が設定され(ステップ113)、電力制御部15において、通信送受信部11に供給する通信用電力が1ステップ分減少される(ステップ114)。
【0063】
そして、通信送受信部11において、電力制御部15から供給された通信用電力で携帯端末20に対して非接触通信が行われ、この処理が、携帯端末20とリーダ/ライタ10との非接触通信が不可能となって、リーダ/ライタ10にて携帯端末20から通信状況が受信されなくなるまで繰り返し行われることにより、通信送受信部11による通信エリアが狭まっていく。
【0064】
携帯端末20とリーダ/ライタ10との非接触通信が不可能となって、リーダ/ライタ10の通信送受信部11にて携帯端末20から通信状況が受信されなくなると、フラグ“1”が設定されている場合(ステップ115)、電力制御部15から通信送受信部11に供給される通信用電力が1ステップ分増加すれば、リーダ/ライタ10と携帯端末20との通信が可能となるため、電力制御部15から通信送受信部11に供給される通信用電力が1ステップ分増加され(ステップ116)、通信状況の停止依頼が通信送受信部11からアンテナ13を介して携帯端末20に送信される(ステップ117)。
【0065】
これにより、通信送受信部11に対して供給される通信用電力が、通信送受信部11が携帯端末20と非接触通信可能な最小電力まで減少していき、それにより、通信送受信部11による通信エリアが、携帯端末20を含む最小範囲となるまで狭まっていき、携帯端末20を含む最小範囲となった状態で通信エリア4の狭まりが停止することとなる。
【0066】
また、リーダ/ライタ10においては、通信送受信部11から、携帯端末20のスイッチ26を、電力受電部22にて受電した電力をバッテリー27に蓄電するように切り替える旨の依頼が送信される(ステップ118)。
【0067】
その後、リーダ/ライタ10においては、制御テーブル記憶部16に記憶された制御テーブルが参照され、ステップ116にて設定された通信用電力に対応づけられた給電用電力が電力制御部15において呼び出される(ステップ119)。
【0068】
そして、制御テーブルから呼び出された給電用電力が給電出力として電力制御部15から電力送電部12に供給され、電力送電部12において電力制御部15から供給された給電用電力がコイル14を介して部屋1内に送電されることにより、携帯端末20に対する送電が開始される(ステップ120)。
【0069】
一方、携帯端末20においては、リーダ/ライタ10から送信された通信状況停止依頼がアンテナ23を介して通信送受信部21にて受信され(ステップ121)、その後、スイッチ26を切り替える旨の依頼がアンテナ23を介して通信送受信部21にて受信されると、制御部25の制御によって、スイッチ26が、電力受電部22にて受電した電力をバッテリー27に蓄電するように切り替えられ(ステップ122)、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が受電されて、バッテリー27に蓄電されることになる(ステップ123)。
【0070】
上記のように、制御テーブル記憶部16に記憶された制御テーブルを参照して給電用電力を設定することにより、図2に示したステップ7〜14までの処理が不要となり、リーダ/ライタ10と携帯端末20との間において、通信のやりとりのみで給電用電力を設定することができる。
【0071】
また、図4に示した制御テーブルは、携帯端末20が小電力で通信を行うものと、中電力で通信を行うものとのそれぞれについて、給電出力となる給電用電力と通信出力となる通信用電力とが対応づけられているが、机3a〜3i上に載置されてリーダ/ライタ10との間にて非接触通信及び非接触給電が行われた携帯端末のそれぞれについて給電出力となる給電用電力と通信出力となる通信用電力とが対応づけておけば、携帯端末にとって最適な給電用電力で非接触給電を行うことが可能となる。また、例えば、制御テーブルにて対応づけられた1組の給電出力と通信出力を用いて、その1組の給電出力の間の給電出力に対応する通信出力を補間して制御テーブルに設定してもよい。
【0072】
ここで、図3(d)に示したような通信エリア4で非接触通信や非接触給電を行っている際に、通信エリア4に含まれていない机3a,3c,3g,3i上に携帯端末が載置された場合、その携帯端末は、リーダ/ライタ10の通信エリア4に含まれないため、リーダ/ライタ10から非接触給電を受けることができない。
【0073】
そこで、リーダ/ライタ10において、現在の通信エリア4外に携帯端末が存在しているかどうかを検出するためのチェック通信を一定時間毎に実施することが好ましい。
【0074】
図6は、リーダ/ライタ10にてチェック通信が行われた際の部屋1内における通信エリア及び給電エリアの変化を示す図である。
【0075】
図6(a)に示すように、図3(d)に示したような通信エリア4及び給電エリア5で、机3f上に載置された携帯端末20aとリーダ/ライタ10との間にて非接触通信及び非接触給電が行われている際に、通信エリア4に含まれていない机3c上に携帯端末20bが載置されたとする。
【0076】
リーダ/ライタ10においては、机3f上に載置された携帯端末20aに応じた通信エリア4及び給電エリア5で非接触通信及び非接触給電が行われている間においても、図3に示したステップ1と同様の最大電力が一定時間毎に電力制御部15から通信送受信部11に対して供給され、図6(b)に示すように、通信送受信部11において、部屋1内に設置された机3a〜3iを全て含む通信エリア4で非接触通信が行われることとなる。
【0077】
そして、このチェック通信によって、携帯端末20bが通信エリア4に含まれることにより、リーダ/ライタ10において、部屋1内に携帯端末20bが存在することが検出されると、図2にて示した処理と同様に、まず、電力制御部15から電力送電部12に供給する給電用電力が増加していき、それにより、図6(c)に示すように、リーダ/ライタ10による給電エリア5が広がっていく。
【0078】
その後、リーダ/ライタ10から送電された給電用電力が携帯端末20bにて受電されると、図2にて示した処理と同様に、電力制御部15において電力送電部12に供給する給電用電力の増加が停止し、図6(d)に示すように、その給電用電力で携帯端末20bに対する非接触給電が行われることになる。
【0079】
次に、図2にて示した処理と同様に、電力制御部13から通信送受信部11に対して供給される通信用電力が、通信送受信部11が携帯端末20と非接触通信可能な最小電力まで減少していき、それにより、図6(e)に示すように、その通信エリア4が狭まっていく。
【0080】
そして、電力制御部13から通信送受信部11に対して供給される通信用電力が、通信送受信部11が携帯端末20と非接触通信可能な最小電力まで減少していき、それにより、通信送受信部11による通信エリア4が、図6(f)に示すように、携帯端末20bを含む最小範囲となるまで狭まっていき、携帯端末20bを含む最小範囲となった状態で通信エリア4の狭まりが停止することとなる。
【0081】
これにより、図3(d)に示したような通信エリア4で非接触通信や非接触給電を行っている際に、通信エリア4に含まれていない机3c上に携帯端末20bが載置された場合であっても、携帯端末20bがリーダ/ライタ10から非接触給電を受けることができるようになる。
【0082】
なお、図6に示した例は、図3(d)に示したような通信エリア4で非接触通信や非接触給電を行っている際に、通信エリア4に含まれていない机3c上に携帯端末20bが載置された場合についての通信エリア4及び給電エリア5の変化であるが、図3(d)に示したような通信エリア4で非接触通信を行っている際に、通信エリア4に含まれている他の机3b,3d,3e,3h上に携帯端末が載置された場合や、机3a〜3i上に載置されていた携帯端末が移動した場合は、図5に示したものと同様の処理を行うことで、複数の携帯端末それぞれについて、リーダ/ライタ10との間にて非接触通信及び非接触給電を行うことができる。
【0083】
また、机3a〜3i上に載置されていた携帯端末が部屋1の外に取り出されることにより、部屋1内に携帯端末が存在しなくなった場合は、上述した初期状態に戻り、電力制御部15から通信送受信部11に対して、部屋1内に存在する携帯端末20のみと非接触通信をするための最大電力が通信用電力として供給されるとともに、給電用電力が電力制御部15から電力送電部12に供給されていない状態に戻る。
【符号の説明】
【0084】
1 部屋
3a〜3i 机
4 通信エリア
5 給電エリア
10 リーダ/ライタ
11,21 通信送受信部
12 電力送電部
13,23 アンテナ
14,24 コイル
15 電力制御部
16 制御テーブル記憶部
20,20a,20b 携帯端末
22 電力受電部
25 制御部
26 スイッチ
27 バッテリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6