特許第6440439号(P6440439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440439
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】火災感知器
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   G08B17/00 G
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-202883(P2014-202883)
(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公開番号】特開2016-71775(P2016-71775A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111074
【氏名又は名称】ニッタン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】工藤 彰久
(72)【発明者】
【氏名】金子 宏
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−185181(JP,A)
【文献】 特開2010−073019(JP,A)
【文献】 特開2012−038220(JP,A)
【文献】 特開2006−119832(JP,A)
【文献】 特開2002−358583(JP,A)
【文献】 米国特許第05914489(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災を検出する回路が形成されている基板と、
前記基板に実装もしくは接続されている2以上の光源と、
前記基板と光源を収納する筐体と、
前記光源からの光により前記筐体の表面側で発光する発光部とを備える火災感知器において、
前記筐体は、中央に開口部を有し前記基板および光源を収納するための空間を内部に有するドーム状の本体ケースと、前記本体ケースに装着される裏面カバー部材と、前記開口部を閉塞する透明な光透過窓部材と、を備え、
前記発光部は、前記開口部の縁部に沿って配設される環状の光放出部と、前記環状の光放出部の接線方向に延設された1または2以上の光導入部と、該1または2以上の光導入部のそれぞれに前記光源からの光を入射させる1または2以上の棒状の光入射部と、前記光導入部と前記光入射部との結合部位に設けられ前記光入射部からの光を前記光導入部へ向けて反射可能な反射部とを備えるように構成され、
前記本体ケースには、前記光入射部が挿通される貫通孔が形成され、前記光入射部には前記貫通孔との間の隙間を封止可能なOリングが嵌挿されていることを特徴とする火災感知器。
【請求項2】
前記光放出部は断面が矩形もしくは台形状をなすように形成され、
前記光導入部は断面が前記光放出部の断面形状に対応して矩形もしくは台形状をなすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。
【請求項3】
前記光放出部は、その外周面が複数の平面が所定の角度を有して連続することで多角形をなすように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の火災感知器。
【請求項4】
前記開口部よりも大きく前記光放出部の外形よりも小さな開口部を有し前記本体ケースの前面に装着される押さえ板を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の火災感知器。
【請求項5】
前記押さえ板は、前記光入射部が挿通される貫通孔に対応する部位の近傍にビス穴を有し、ビスによって前記本体ケースの前面に装着されることを特徴とする請求項4に記載の火災感知器。
【請求項6】
記貫通孔の前記本体ケース前面側の端部には、前記Oリングを収納するための凹部が設けられ、
前記光入射部にはフランジ部が形成され、該フランジ部が前記凹部に収納された前記Oリングに当接可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の火災感知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示灯を備える火災感知器に関し、特に防水機能を有する火災感知器に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の火災感知器においては、感知器が作動していることを示す表示灯が、例えば特許文献1に開示されているように、感知器の表面の1カ所に設けられるのが一般的であった。このような表示灯が1カ所である火災感知器は、表示状態を確認できる方向が特定され、見る方向によっては表示灯が見えなくなって、感知器が作動しているか否か分かりにくいという課題があった。
そこで本出願人は、発光部をリング状に光らせることで、どのような方向からも点灯を確認することができるようにした火災感知器を開発し特許を取得した(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭61−1511号公報
【特許文献2】特許第5096549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載されている先願特許の火災感知器は、防水機能について考慮していなかった。本発明者らは、特許文献2に記載されているリング状に光る発光部(光放出部)を備えた火災感知器の新製品を開発するに当たり、防水・防塵機能を設けることについて検討を行なった。
かかる火災感知器に防水・防塵機能を設ける場合、光放出部の裏面側に防水パッキンを設けるのが一般的であるが、そのように構成すると、光放出部の形状に合わせた専用の防水パッキンが必要となりコストアップを招くとともに、光放出部を構成する透明部材越しに防水パッキンが見えてしまう。そのため、発光部の見え方が悪くなるという課題があることが分かった。
【0005】
また、特許文献2の火災感知器においては、ケースを貫通するのが、リング状に光る発光部に光を誘導する棒状の光入射部であるので、棒状の光入射部にOリングを設けることを検討した。しかし、そのような構成の場合、専用の防水パッキンが不要であるためコストアップを回避することはできるものの、やはり透明部材越しに光入射部のOリングが見えてしまい発光部の美観が損なわれるという課題があることが分かった。
【0006】
この発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、リング状に光る発光部(光放出部)を備えた火災感知器において、コストアップおよび発光部の見え方が低下するのを抑えつつ防水・防塵機能を付加することができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
火災を検出する回路が形成されている基板と、
前記基板に実装もしくは接続されている1または2以上の光源と、
前記基板と光源を収納する筐体と、
前記光源からの光により前記筐体の表面側で発光する発光部とを備える火災感知器において、
前記筐体は、中央に開口部を有し前記基板および光源を収納するための空間を内部に有するドーム状の本体ケースと、前記本体ケースに装着される裏面カバー部材と、前記開口部を閉塞する透明な光透過窓部材と、を備え、
前記発光部は、前記開口部の縁部に沿って配設される環状の光放出部と、前記環状の光放出部の接線方向に延設された1または2以上の光導入部と、該1または2以上の光導入部のそれぞれに前記光源からの光を入射させる1または2以上の棒状の光入射部と、前記光導入部と前記光入射部との結合部位に設けられ前記光入射部からの光を前記光導入部へ向けて反射可能な反射部とを備えるように構成され、
前記本体ケースには、前記光入射部が挿通される貫通孔が形成され、前記光入射部には前記貫通孔との間の隙間を封止可能なOリングが嵌挿されているようにした。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、リング状に光る発光部(光放出部)を備えた火災感知器において、市販のOリングで防水することができ、専用の防水パッキンが不要であるため、コストを押さえつつ防水・防塵機能を実現することができる。また、防水用のOリングは、リング状に光る発光部から外側にずれた位置に設けられることとなるため、押さえ板等で隠すことができ発光部の見え方が低下することもない。さらに、光導入部が光放出部の接線方向に延設されているため、光源からの光を効率よく光放出部へ導入させることができる。なお、光源と光導入部と光入射部をそれぞれ1つずつとした場合、光放出部の発光均一性は劣るものの部品点数を減らしつつ全体を光らせることができる。また、光源と光導入部と光入射部をそれぞれ2以上設けることで、光放出部の発光均一性を高めることができる。
【0009】
ここで、望ましくは、前記光放出部は断面が矩形もしくは台形状をなすように形成し、前記光導入部は断面が前記光放出部の断面形状に対応して矩形もしくは台形状をなすように形成する。
かかる構成によれば、光導入部は断面が光放出部の断面形状に対応した形状であるため、光入射部から入射された光を光放出部へ効率的に導入させることができる。
【0010】
また、望ましくは、前記光放出部は、その外周面が複数の平面が所定の角度を有して連続することで多角形をなすように形成する。
これにより、光放出部へ導入された光を外周面で繰り返し反射させて、光放出部の形状に沿って進行させ、光放出部全体に光が広がるようにすることができ、それによって光放出部の表面から放出される光の均一性を向上させることができる。
【0011】
さらに、望ましくは、前記開口部よりも大きく前記光放出部の外形よりも小さな開口部を有し前記本体ケースの前面に装着される押さえ板を備えるように構成する。
これにより、光導入部に嵌挿されたOリングが外部から見えないように隠して発光部の見え方が低下するのを防止することができる。
【0012】
また、望ましくは、前記押さえ板は、前記光入射部が挿通される貫通孔に対応する部位の近傍にビス穴を有し、ビスによって前記本体ケースの前面に装着されるように構成する。
かかる構成によれば、ビスによる締め付け力で押さえ板を介してOリングを押圧変形させることができ、シール性を高めることができる。
【0013】
さらに、望ましくは、前記貫通孔の前記本体ケース前面側の端部には、前記Oリングを収納するための凹部を設け、
前記光入射部にはフランジ部が形成され、該フランジ部が前記凹部に収納された前記Oリングに当接可能に構成する。
これにより、光導入部のOリングとの接触部の剛性を高めることができ、それによってOリングからの反発力や熱応力が作用することで変形し易い光入射部と光導入路との結合部分の変形を軽減させつつ反射部の性能低下を防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リング状に光る発光部(光放出部)を備えた火災感知器において、コストアップおよび発光部の見え方が低下するのを抑えつつ防水・防塵機能を付加することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一例としての火災感知器を示したもので、(A)は平面図、(B)は断面図である。
図2図1の火災感知器を構成する発光部を示したもので、(A)は発光部の平面図、(B)は発光部の一部拡大斜視図である。
図3図2の発光部の光入射部及び反射部の構成及び作用を示す断面図である。
図4図2の発光部の光入射部のシール構造を示す一部拡大断面図である。
図5図1の火災感知器を構成する発光部の変形例を示す平面図である。
図6図1の火災感知器の第2の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の火災感知器10の外観を示したもので、(A)は平面図、(B)は(A)におけるB-B線に沿った断面図であり、火災感知器10は図1(B)の上側(頭頂部側)を下に向けて建造物の天井面に設置されるようになっている。以下の説明では、図1(B)の姿勢を基準に「上」と「下」の用語を使用する。
【0017】
本実施形態の火災感知器10は、図1(B)に示すように、ドーム状をなす本体ケース11、該本体ケース11の裏面側開口部を閉塞するように接合されることで筐体が構成する本体裏カバー12、本体ケース11内に収納された印刷配線基板13、本体ケース11の前面開口部を閉塞する光透過窓14、リング状(円環状)に光る発光部15、該発光部15を囲繞するように本体ケース11の上面に設けられる不透明な化粧プレート16などから構成される。なお、本実施形態では、発光部とは自ら発光するものではなく、外部の発光源から導入された光で間接的に発光するものを意味する。
【0018】
上記印刷配線基板13には、光透過窓14に臨むように、例えば3個の炎検知素子17a,17b,17cや発光ダイオード(LED)のような発光素子18および火災検出判定回路を構成する素子(図示省略)が実装されている。
本体ケース11の中央の開口11aを楕円形としたのは、印刷配線基板13上に3個の炎検知素子17a,17b,17cを実装しているためであり、実装する炎検知素子が1個の場合には、円形としても良い。炎検知素子17a,17b,17cは、赤外線検出素子や所望の波長の光を検出する光検出素子で構成することができる。
【0019】
本体ケース11は、中央に楕円形の開口11aが形成され、該開口11aの周囲には上面よりも一段低くされた凹部11bが設けられている。また、本体ケース11の中央の開口11aを閉塞する光透過窓14の周縁部と本体ケース11の内壁面との間にはパッキンあるいは接着剤などからなるシール材19が設けられている。本体ケース11は、樹脂あるいはアルミやステンレス等の金属で形成することができる。
光透過窓14は、光を透過可能な材料で板状に形成されている。発光部15は、全体がアクリル系樹脂のような透明な樹脂で形成されており、リング状の光放出部15aと、本体ケース11の上壁を貫通し上記発光素子18に対向する棒状の光入射部15bと、該光入射部15bから入射された光を上記光放出部15aへ導入させる光導入路15cとからなり、光入射部15bの基部に防水・防塵用のOリング20が嵌挿されている。このOリング20には、市販されている標準規格のものを使用することができる。
【0020】
上記光放出部15aの断面は横長な長方形や内側にテーパ面を有する台形状とし、上面は緩やかに湾曲した面もしくは2つの平面を突き合わせた屋根状としても良い。
化粧プレート16は、その一部が発光部15の光放出部15aの周縁部と重なるような形状とされ、光放出部15aの表面と本体ケース11の表面に跨るように接合されることで、発光部15の押さえ板として機能するように構成されている。化粧プレート16は、接着剤で固定しても良いし、その内面周縁部形成した係止用の爪で本体ケース11に結合、あるいは後述のようにビスで本体ケース11に取り付けるようにしても良い。
【0021】
図2には、発光部15の詳細な構造が示されている。このうち、(A)は平面図、(B)は部分拡大斜視図である。
図2(A)に示すように、本実施形態の火災感知器における発光部15は、楕円形のリング状をなす光放出部15aと、光放出部15aから接線方向へ延設され光放出部15aへ導入させる一対の光導入路15cとを備える。光放出部15aはその下面が概ね平坦にされ、本体ケース11の上面に広く接触するようになっている。光導入路15cを接線方向ではなく光放出部15aと直交するように設けることも考えられるが、その場合には光導入路15cと光放出部15aと結合部位に光の向きを変える反射部が必要になるが、光放出部15aの接線方向に延設するように光導入路15cを設けることで、反射部を不要とすることができる。
【0022】
また、発光部15は、図2(B)および図3(A)に示すように、上記光導入路15cの先端部から下方へ延びる発光素子18に対向する棒状の光入射部15bと、該光入射部15bの端面から入射された光を、上記光導入路15c側へ反射する約45度の傾斜を有する反射部15dと、該反射部15dの近傍に設けられたフランジ部15eとを備える。光入射部15bは、図3(B)に示すように、その下端面が発光素子18に対抗するように配置され、端面から入射された光は反射部15dによって上記光導入路15c側へ反射される。
【0023】
光放出部15aの表面(露出側の面およびケース側の面を含む)には、一様にヘアライン状の微細な溝である細溝(微構造部)がメッシュ状をなすように多数形成されており、光放出部15a内に導入された光はこれらの細溝により様々な方向に反射され、あたかも全体がほぼ均等に発光するように光を放射する。溝の代わりに突起をヘアライン状に形成するようにしてもよい。なお、前記光放出部の表面に微細な溝おもしくは突起からなる微構造を設ける代わりに、前記光入射部内部に光を乱反射する微粒子を混入させるようにしても良い。
【0024】
さらに、本実施形態では、特に限定されるものではないが、光導入路15cは断面が矩形状をなすように形成され、反射部15dもこの光導入路15cの断面形状に対応して矩形状をなすように形成されている。これにより、光入射部15bから入射された光を同じく矩形状をなす光放出部15aへ効率的に導入させることができる。光放出部15aの断面形状が台形である場合には、これに対応して光導入路15cの断面形状を台形状としても良い。なお、光放出部15aの断面が台形状である場合にも、光導入路15cの断面を矩形状としてもよい。
【0025】
また、本実施形態では、フランジ部15eを設けたことによって、図4に示すように、光入射部15bの外周に係合されたOリング20を、フランジ部15eと本体ケース11との間に挟持して変形させることでシール性を高めることができるようになっている。また、フランジ部15eを設けることで、光導入路15cのOリング20との接触部の剛性を高めることができ、それによってOリング20からの反発力や熱応力が作用することで変形し易い光入射部15bと光導入路15cとの結合部分の変形を軽減させつつ反射部15dの性能低下を防止することができる。
【0026】
さらに、本実施形態では、上記光入射部15bが挿通される貫通孔11cが本体ケース11に設けられているとともに、上記Oリング20の収納凹部15dが貫通孔11cの上部に形成されている。そして、この収納凹部15dはOリング20の径よりも若干浅くなるように形成されており、これによって、フランジ部15eと本体ケース11との間に挟持されたOリング20が押圧変形され、発光部15のリング状をなす光放出部15aの下面が本体ケース11の上面に接触して隙間が生じないようになっている。
【0027】
次に、上記実施形態の火災感知器の変形例について説明する。
第1の変形例は、図5(A)に示すように、発光部15を構成するリング状をなす光放出部15aの外周面に、互いに所定の角度をなす複数の平面を設けることによって、平面視で外形が多角形(例えば八角形)をなすように形成することで、図5(B)に示すように、光導入路15cにより光放出部15aへ導入された光を、外周面で反射を繰り返して光放出部15aの形状に沿って進行させ、光放出部15a全体に光が広がるように構成したものである。
このような構成を採用することで、採用しない場合に比べて光放出部15aの表面から放出される光の均一性を向上させることができるようになる。
【0028】
第2の変形例は、図6に示すように、発光部15の表面側に設けられ発光部15を本体ケース11から抜けないように押さえる押さえ板として機能する化粧プレート16を、ビス21、21によって本体ケース11に固定するように構成したものである。このように、化粧プレート16をビス21、21によって本体ケース11に固定することによって、接着剤で固定する方式のものに比べて、検査や修理が容易に行えるようになる。
また、この変形例では、ビス21、21が挿通される本体ケース11の前面のビス穴11dの位置を、発光部15を構成する光導入路15cが挿通される貫通孔11dの近傍に設定している。これにより、貫通孔11dから離れた位置でビス止めするものに比べて、Oリング20を挟持する力を大きくしてOリング20のシール性を高めることができるという利点がある。
【0029】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、前記実施形態では、発光部15の光放出部15aを楕円形としたものを示したが、環状であれば円形や長円形、多角形状等に形成されていてもよい。さらに、光入射部15bの数は2本に限定されず、3本以上設けても良い。
また、本発明の発光部は、必ずしも前記実施形態で説明したような1つの部材からなるものでなく、複数の部品を組み合わせて構成されてもよい。
【0030】
さらに、本体ケース11の発光部15との接触面や反射部15dの傾斜面には、光反射物として機能する塗料を塗布したり、金属箔や金属膜を貼付もしくは形成(蒸着)するようにしてもよい。また、前記実施形態では、発光素子18が印刷配線基板13上に実装されているが、印刷配線基板13から離れた位置に発光素子18を配設しリード線等により印刷配線基板13上の回路と接続した構成としても良い。発光素子18は、LED(発光ダイオード)に限定されず、ランプ等であっても良い。
【符号の説明】
【0031】
10 火災感知器
11 本体ケース
12 本体裏カバー
13 印刷配線基板
14 光透過窓
15 発光部
15a 光放出部
15b 光入射部
15c 光導入部
15d 反射部
15e フランジ部
16 化粧プレート(押さえ板)
17 炎検知素子
18 発光素子
19 シール材
20 Oリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6