特許第6440443号(P6440443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6440443モジュール装置センターの避雷脅威低減アーキテクチャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440443
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】モジュール装置センターの避雷脅威低減アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   B64D 41/00 20060101AFI20181210BHJP
   B64D 45/02 20060101ALI20181210BHJP
   B64C 1/00 20060101ALN20181210BHJP
【FI】
   B64D41/00
   B64D45/02
   !B64C1/00 B
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2014-206448(P2014-206448)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-74449(P2015-74449A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2017年8月21日
(31)【優先権主張番号】14/052,292
(32)【優先日】2013年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】リフリング, マーク イー.
(72)【発明者】
【氏名】パターソン, ジョン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シャンダー, マーク エス.
(72)【発明者】
【氏名】ホイットニー, マーヴィン ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ, エドワード ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼンエール, トーマス アール.
(72)【発明者】
【氏名】カリミ, カミアール ジェイ.
【審査官】 長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−516230(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0307811(US,A1)
【文献】 特表2012−505348(JP,A)
【文献】 特表2013−500895(JP,A)
【文献】 特表2009−536014(JP,A)
【文献】 特開2013−082434(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0229050(US,A1)
【文献】 特表2013−538159(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0169036(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0295551(US,A1)
【文献】 米国特許第05675194(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0267540(US,A1)
【文献】 特開2012−137486(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第03282536(EP,A1)
【文献】 特開2011−126359(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0297108(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0127564(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0037315(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0047997(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0234838(US,A1)
【文献】 特開2009−101990(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0095842(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0150356(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/069997(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 41/00
B64D 45/02
B64C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材のビークルのための電力分散システムであって、前記システムは:
前記複合材のビークルの中全体に空間的に分散される複数のモジュール装置センター(MECs)を備え、前記複数のMECsは前記複合材のビークルの中全体の複数の装置負荷に電力を分散し、前記複合材のビークルの範囲内の前記装置負荷の各々は前記複数のMECsのうちの一番近いMECによって担われ;及び
複数の多重導体ケーブルを備え、各々の多重導体ケーブルは多重の電源導体及び中立的な導体を備え、前記電源導体及び前記中立的な導体は実質的に等しいが反対向きの電流を運ぶように構成されており、各々の装置負荷は、各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の多重導体ケーブルの前記電源導体及び前記中立的な導体によって画定されるループの長さを最小化するように、前記多重導体ケーブルのうちの1つを用いて前記一番近いMECに結合され
前記ビークルは、一緒に結合されて、かつ隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する複数のビークルのセクションを備え、かつ前記ビークルは前記ビークルの複数のビークルのセクションの間のセクション区切りを横断して延伸する電流リターンネットワークを持たない、
システム。
【請求項2】
複合材のビークルのための電力分散システムであって、前記システムは:
前記複合材のビークルの中全体に空間的に分散される複数のモジュール装置センター(MECs)を備え、前記複数のMECsは前記複合材のビークルの中全体の複数の装置負荷に電力を分散し、前記複合材のビークルの範囲内の前記装置負荷の各々は前記複数のMECsのうちの一番近いMECによって担われ;及び
複数の多重導体ケーブルを備え、各々の多重導体ケーブルは多重の電源導体及び中立的な導体を備え、前記電源導体及び前記中立的な導体は実質的に等しいが反対向きの電流を運ぶように構成されており、各々の装置負荷は、各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の多重導体ケーブルの前記電源導体及び前記中立的な導体によって画定されるループの長さを最小化するように、前記多重導体ケーブルのうちの1つを用いて前記一番近いMECに結合され、
前記ビークルは、一緒に結合されて、隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する複数のビークルのセクションを備え、かつ前記多重導体ケーブルはセクション区切りを横断して延伸しない、
システム。
【請求項3】
前記各々のMECが、関連する装置負荷を担うために各々のそれぞれのビークルのセクションの範囲内のみにおいて、2次電力を分散する、請求項1又は2に記載の電力分散システム。
【請求項4】
それぞれのビークルのセクションの範囲内の1以上の前記MECsに対する電力入力の上にトランソーブをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力分散システム。
【請求項5】
前記複数の多重導体ケーブルうちの各々は、導体のペアである、請求項1から4のいずれか一項に記載の電力分散システム。
【請求項6】
前記導体のペアのうちの各々は、撚線導体のペアである、請求項に記載の電力分散システム。
【請求項7】
隣接するMECsの間で結合される安全用アース端子バスをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の電力分散システム。
【請求項8】
前記中立的な導体は、3相の給電線を用いて経路選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の電力分散システム。
【請求項9】
前記ビークルは、複合材の機体の外板を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の電力分散システム。
【請求項10】
ビークルの中全体の複数の装置負荷に電力を分散させるために、前記ークルの中全体にモジュール装置センター(MECs)を空間的に分散させること;及び
々の装置負荷を一番近いMECに結合することを含む方法であって
前記ビークルは、複合材のビークルであり、
前記方法は、前記ビークルに対する避雷の脅威を低減させる方法であって、
各々の装置負荷は、導体のペアによって一番近いMECに結合されており、
各々の導体のペアは等しいが反対向きの電流を運ぶための電源導体及び中立的な導体を備えており
前記ビークルは、一緒に結合された複数のビークルのセクションを備え、前記各々のMECが、関連する装置負荷を担うために各々のそれぞれのビークルのセクションの範囲内のみにおいて、2次電力を分散する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の中において提示される実施形態の分野は、モジュール式のビークルのアーキテクチャを対象とし、かつより具体的には、分散される電力及びデータの航空機のアーキテクチャを有する複合材の航空機のための避雷保護を対象とする。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの民間航空機は、電力装置及び通信装置を収納するための1以上の集中型の装置ベイを有する。電力及びデータは、航空機の範囲内の全ての機能を制御するために、航空機全体を通じて集中型の装置ベイから分散される。集中型の装置ベイは、航空機の中の1以上のセクション区切りを横断して、互いからずらされる。典型的には、一方の集中型の装置ベイが航空機の前方のセクションの中にあり、かつ他方が航空機の後方のセクションの中にある。
【0003】
主要な推進エンジンにより駆動される発電機は、航空機のために3相の1次電力を発生する。1次電力は、先ず後方の装置ベイへ送られ、かつその後に航空機を通して前方の装置ベイに送られる。その後、1次電力は、様々な設備負荷を担うために航空機の残りの部分全てを通じて分散されるように中央に構成される。装置ベイの範囲内の集中型のバス電力制御ユニットは、航空機の中の全ての電力機能を制御する。集中型の変換の後に、2次電力が航空機の中の全ての装置負荷を担うために遠隔電力分散ユニットに送られ、又は直接に装置負荷に送られる。
【0004】
航空機の全ての機能が、集中型の電力装置及び通信装置に依存する。集中型の装置ベイからの電力又はデータのいずれかが断ち切られる場合、受信装置は待機状態になり、航空機搭乗員が対応するシステムの状態を決定することが困難になる。また、集中型の通信装置に対する及び集中型の通信装置からのピーク時における高い帯域幅需要のために、通信ネットワークの基幹回線は特大でなければならない。
【0005】
複合材の航空機は、リターン電流経路又はネットワークとして働くアルミニウムのシャーシを有していない。結論として、ワイヤーの複合ネットワークが全ての回路のための電流リターン経路を提供するために加えられなければならないか、又は専用のリターンワイヤーが各々の装置負荷のために加えられなければならないか、のいずれかである。例えば、本明細書の中においてその全体を参照することによって組み込まれる、電流リターンネットワークというタイトルの米国特許番号8,031,458の中で説明されるように、導線の配線が、複合材の航空機の幅にわたり横方向に延伸するように加えられなければならないのと同様に、複合材の航空機の長さに沿って長手方向に延伸するように加えられなければならない。この解決法は、費用、製造及び保守の複雑さ、増加された電圧降下、及び複合材の航空機にとって望ましくない重量を加える。それ故、配線を最小化することによって複合材の航空機の中の重量を低減させる試みは、複合材の航空機における増加された避雷保護構成要素及び他の理由に対する必要性から反対されてきた。
【0006】
航空機の任意の他の導電性の金属構造と同様に、従来の航空機のアルミニウムのシャーシ(例えば、フレーム若しくは外板又はそれらの組み合わせを作り上げる構成要素)は、電圧基準点を線源分布接地点に返すための電流リターンネットワークを形成するように、一緒に結び付けられる。電流リターンネットワークはまた、身の安全の保護経路と同様に、避雷保護を提供する。しかしながら、シャーシが絶縁材から形成される複合材の航空機において、発電機から、前方及び後方の装置ベイへ、遠隔電力分散ユニット及びそれらが担う装置負荷へ、かつ電流リターンネットワークを介して前方の装置ベイへ戻る、ワイヤーの経路は大きなワイヤーループを生成する。複合材の航空機において、この長いワイヤーループは、特定の状況下にある航空機に対する雷撃の間に大きな電流を誘導する。この懸念に対処するために、ワイヤーループは遮断されるが、この大きなワイヤーループ及びその遮断は、航空機の中の多大な量の重量に望ましくない形で貢献する。
【0007】
民間航空機は、後には完全な航空機を組み立てるために一緒に接続される、別々のセクションにおいて製造される。航空機の中の様々なシステムは、複数のセクションにわたり分散される構成要素を有する。セクションが最終的に一緒に組み合わされる前に、セクションの中の構成要素の多くは、それらが正しく組み立てられることを確認するために、導入されかつ試験される。それ故、セクションを試験しかつ確認するために、構築の順序の中に未だ存在していないシステムの部分は、エミュレートされなければならない。一旦セクションの据え付けが試験されてしまうと、航空機を形成するセクションの最終的な組み立てを実行することができ、制限された接近可能性のために、この段階の後で見つかると修正することがより困難になる不具合に対する修理を行う。
【0008】
今日の航空機において、最終的な組み立てがそのように時間を浪費する工程となる理由の1つは、隣接するセクションの間の多大な数の1次及び2次電力の接続並びに多大な数のデータの接続である。航空機は、ビルドサイクルに先立って完成した航空機が機能試験のシステムによって素早く満たされるように、より早い速度及び順序で構築され、それ故、航空機の他の部分の中に置かれるいくつかの装置をエミュレートする必要性を消去し、セクション区切りを横断する接続の数を低減し、かつ航空機の配線の重量及び複雑さを最小化する。
【0009】
本明細書の中で開示が行われるのは、これらの観点及び他の観点を考慮した上でのことである。
【発明の概要】
【0010】
本発明の概要は、以下の詳細な説明でさらに述べられる内容を単純化した形式の中で、概念から選択された一部分を紹介するために提供されると理解されたい。本概要は、特許請求された主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものではない。
【0011】
本明細書の中において開示される一実施形態にしたがって、実質的に複合材から作られる複合材のビークルに対する避雷の脅威を低減するためのシステムが提供される。システムは、複合材のビークルの中全体に空間的に分散される、複数のモジュール装置センター(MECs)を備える。MECsは、複合材のビークルの中全体の装置負荷に対して電力を分散し、かつ複合材のビークルの範囲内の装置負荷の各々は、一番近いMECによって担われる。等しいが反対向きの電流を運ぶ電源導体及び中立的な導体を有する導体のペアは、各々の装置負荷を一番近いMECに結合する。導体のペアは、各々のMEC及び関連する装置負荷の間の電源導体及び中立的な導体によって画定される、ループの長さを最小化する。
【0012】
本明細書の中において開示される別の実施形態にしたがって、避雷の脅威及び複合材のビークルの中のワイヤー導体の重量を低減する方法が提供される。方法は、1以上の主要な電源から1次電力を生み出すこと、複合材のビークルの中全体の装置負荷に電力を提供するために複合材のビークルの中全体に空間的にMECsを分散すること、導体のペアを有する一番近いMECに各々の装置負荷を結合することを備え、各々の導体のペアは等しいが反対向きの電流を運ぶための電源導体及び中立的な導体を備え、かつ各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の導体のペアの電源導体及び中立的な導体によって画定されるループの長さを最小化することを含む。
【0013】
本明細書の中において開示されるさらに別の実施形態にしたがって、リターン電流を最小化しかつ複合材の航空機の中に専用のリターン経路を有する必要性を消去するためのシステムが提供される。システムは、複合材のビークルの中全体に空間的に分散されるMECs、及び複合材の航空機の中全体の装置負荷を備える。システムはさらに、MECsから装置負荷に電力を分散するための導体のペアを備える。各々の装置負荷は、各々の装置負荷及び一番近いMECの間の各々の導体のペアの長さを最小化するために、一番近いMECによって電力供給される。
【0014】
本明細書の中において開示されるさらにまた別の実施形態にしたがって、複合材のビークルに対する避雷の脅威を低減するためのシステムが提供される。MECsは、複合材のビークルの中全体に空間的に分散される。MECsは、複合材のビークルの中全体の装置負荷に対して電力を分散する。複合材のビークルの範囲内の装置負荷の各々は、一番近いMECによって担われる。撚線導体及びシールド導体のペアは、等しいが反対向きの電流を運ぶ電源導体及び中立的な導体を含む。各々の装置負荷は、各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の撚線導体及びシールド導体のペアの電源導体及び中立的な導体によって画定されるループの長さが最小化されるように、撚線導体及びシールド導体のペアのうちの一方を有する一番近いMECに結合される。複合材のビークルは、一緒に結合されて、隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する、複数のビークルのセクションを備える。複合材のビークルは、特段の定めがなければ、複数のビークルのセクションの間のセクション区切りを横断して延伸する電流リターンネットワークを持たず、かつ撚線導体及びシールド導体のペアは、セクション区切りを横断して延伸しない。
【0015】
既に説明した特徴、機能および利点は、本発明の様々な実施形態で独立に実現することが可能であり、又はさらなる別の実施形態で組み合わせることが可能であり、その詳細は以下の説明及び図面を参照すると理解できる。
【0016】
本明細書の中において提示される実施形態は、後述の詳細な説明及び添付図面によりさらによく理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、装置負荷が一番近いMECによって担われる、空間的に分散されたモジュール装置センター(MECs)を有する航空機の一構成の上面図を示している。
図2図2は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、航空機の前方及び後方に関する航空機のエンジン毎の2つの発電機の分離を図解している。
図3図3は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、電力バスネットワークに電圧を加える発電機と接続される1次給電線の一構成を図解している。
図4図4は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、1次MEC及び2次MECの一構成を図解している。
図5A】、
図5B】、
図5C】、
図5D】、
図5E】、及び
図5F図5Aから図5Fは、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、1次MECs、2次MECs、及び予備のMECの組み合わされた1次及び2次電力分散ネットワークのフォールトトレラントの一構成を図解している。
図6図6は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、航空機の前方のセクションの中の2次電力バスネットワークの一構成を図解している。
図7図7は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、装置負荷を担い、かつ分散コンピューティング機能及びMECsの間の双方向データのゲートウェイ経路指定のためのコンピューティング及びネットワークインターフェースモジュールを有する、MECの一構成を図解している。
図8図8は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、セクション区切りによって分離される空間的に分散されたMECsの間の通信バスインターフェースを有するデータネットワーク構造の一構成を図解している。
図9図9は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、分散コンピューティング機能及び双方向データのゲートウェイ経路指定のためのコンピューティング及びインターフェースモジュールの一構成を図解している。
図10A】、
図10B】、
図10C】、及び
図10D図10Aから図10Dは、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、特定の電力入力源及び複数の異なる電力出力に関する1次MECsの高い電圧の1次電力バス構造のための様々な構成を図解している。
図11図11は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、1次MECsを伴う使用のための一般的な電力入力源及び複数の一般的な電力出力を有する1次電力スイッチングネットワーク装置の一般的な構造及びレイアウトを図解している。
図12A】、
図12B】、及び
図12C図12Aから図12Cは、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、発電機からの3相電力を受信する1次MECを伴う使用のための1組の1次電力スイッチングネットワーク装置の一構成を図解している。
図13図13は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、MECの多層に統合されたトラスシステムの分解斜視図である。
図14図14は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、複数の電力及び通信の転送層を有する1次MECの一構成を図解している。
図15図15は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、ゼロ直流(DC)オフセット電圧をもたらす、主要な発電機から複数の変圧整流器ユニット(TRUs)及び単巻変圧器ユニット(ATUs)へ送られる3相1次電力の一構成を図解している。
図16図16は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、撚線及びシールド導体のペアを利用して、交流(AC)又はDC電力のいずれかをTRUs及びATUsから装置負荷へ分散する、一構成を図解している。
図17図17は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、航空機のフロアの範囲内のMECの統合されたトラスシステムの一構成を図解している。
図18図18は、本明細書の中において開示される少なくとも1つの実施形態による、避雷の脅威及び複合材のビークルの中のワイヤー導体の重量を低減するための一連の方法の一構成を図解している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、ビークルのシステム冗長を増加させるモジュール装置センターを有するビークルを対象とし、それはまた一方で、ビークル全体の重量及び生産時間を低減するために、ワイヤーの重量及び必要とされるワイヤーの接続の数を最小化するようなやり方で、ビークル全体を通してモジュール装置センター(MECs)を分散する。本発明は、多くの異なる形の実施形態を受け入れることができる。 本発明の原理を特定の開示される実施形態に限定する意図はない。例えば、「前方」、「後方」、「左側」、及び「右側」などの特定の方向が本明細書の中において参照され、それは、ビークルの後ろから前へ向かって見た場合のものである。下記の詳細な説明において、添付図面を参照するが、添付図面は本明細書の一部を形成するものであり、例示、特定の実施形態又は実施例の形で示される。ここで図面を参照するが、図面の中においては、いくつかの図面を通じて類似の番号が類似の要素を表現し、本開示の態様が提示される。
【0019】
本開示の態様は、例えば、航空機、宇宙船、衛星、船舶、潜水艦、並びに乗用車、農業用車両、及び建設車両などの、ビークルの多くの種類の中において使用され得る。本開示の態様はまた、ビークルの種々の構築において使用され得る。直接の利益が非導電性のフレーム、シャーシ、又は外板を有するビークルに向けられる一方で、本開示の特徴は、導電性の材料から作られるビークルにとっても適切でありかつ有益であり得る。本開示の態様を説明することにおける単純化のために、この明細書は第1の実施例として複合材の航空機10を利用して話が続けられる。しかしながら、後に見られるように、本開示の態様の多くは、複合材の航空機10に限定されるものではない。
【0020】
当業者によって理解されるように、図1の中に描かれる例示的な航空機10は、実質的に複合材の材料又は複合材から作られる機体を含む。航空機10の外側の複合材の機体の外板は、機体のフレームの曲線に従う。機体は、前方のセクション12、中間のセクション14、及び後方のセクション16を含む。セクション区切り18、20、22は、隣接する航空機のセクションの間で画定される。複合材の航空機10は、任意の数のエンジンを有する。図1の中において示されるように、左側のエンジン30は左側の翼の上で支持され、かつ右側のエンジン32は右側の翼の上で支持される。エンジン30、32の各々は、エンジン30、32の間の機体及び航空機システムに対する損傷が、エンジン30、32のうちの1つに関わる場合又は動作不良の結果として生じる、動翼破裂区域38(図5A)を画定する動翼を有している。
【0021】
複合材の航空機10は、任意の数のセクションを有し、かつ複合材の航空機10の範囲内の航空機のセクション又はシステムの位置は、時々、動翼破裂区域38の前方又は後方として説明される。フロアビームの上の乗客用のコンパートメント及びフロアビームの下の積荷を保持するための積荷領域を画定するために、フロアビームが機体のフレームの間で延伸する。機体のフレーム及びフロアの間で延伸する支柱は、複合材の航空機10のフロアを強化することにおいて助力となる支えを提供する。乗客用の領域は圧力が加えられ、かつ積荷領域の全て又は部分も圧力が加えられる。機体のフレーム及び支柱の間などの、乗客用のコンパートメントの上又は積荷領域の中のフロアの下の、複合材の航空機10のクラウンラン(crown run)を通してダクトが位置決めされる。
【0022】
エンジン30、32の各々の上にあるのは、高い電圧のAC左側発電機34a、34b及び高い電圧のAC右側発電機36a、36bなどの1以上の主要な1次電源である(以後、集団的に及び/又は一般的に「左側発電機34」、「右側発電機36」、又は「発電機34、36」として言及される)。1次給電線40a及び40bは左側発電機34a、34bから延伸し、かつ1次給電線42a及び42bは右側発電機36a、36bから延伸する。図1の中において示されるように、1次電力は、1次給電線40a、40b、42a、42b(以後、集団的に及び/又は一般的に「給電線40、42」として言及される)を介して、複合材の航空機10の中全体を通して分散される。複合材の航空機10はまた、エンジン30、32が動かなくなった場合に電力を供給するためと同様に、発電機34、36のうちの1以上が故障した場合における冗長性のために、1以上の高い電圧の補助電源ユニットの発電機54を有している。複合材の航空機10が停止し、かつエンジンが動いていない場合、電力は、高い電圧のAC外部電源ユニット56などの1以上の電源によって航空機に提供される。
【0023】
本開示の目的のために、低い電圧及び高い電圧は、航空機業界の範囲内において、かつ航空無線技術委員会組織によって出版されたアビオニクスハードウェアの環境テストのための標準である、機上装備のための環境条件及び試験手順の、DO−160の中において説明されているように、典型的には低い又は高い電圧のいずれかとして言及される。この開示を通して、230VACは高い電圧として言及されるが、230VACよりも高い又は低い電圧の領域の範囲内の別の電圧もまた高い電圧として言及され得る。また、28VDC及び115VDCは低い電圧として言及されるが、28VDC及び115VDCのいずれかよりも高い又は低い電圧の領域の範囲内の別の電圧もまた低い電圧として言及され得る。
【0024】
図1の中における複合材の航空機10は、電力装置及び通信装置を収納するための専用の集中型の装置ベイを有していない。装置は、MECsとして言及され、複合材の航空機10の全体を通して空間的に分散される、モジュール式の電力及び通信装置センターの中へと構成される。例えば、1以上のMECsは、前方、中間、及び後方のセクション12、14、16の各々の中に、空間的に分散される。MECsの各々は、局所的な電力変換を提供し、かつ以下に詳細に説明されるように、1次MEC44、2次MEC46、又は補助の若しくは予備のMEC48のいずれかであり得る。1次MEC44、2次MEC46、及び予備のMEC48は、概して、1以上の適用可能な参照番号44、46、48を伴う「MEC」として言及される。1次電力は、給電線40、42を介して、セクション区切り18、20、22を横断して、発電機34、36からMECs44、46、48の各々の1次電力入力へ分散される。専用の避雷保護は、過渡電圧抑制装置(トランソーブ)、又はより高い電流及び電圧を扱うことが可能ないくつかの他の装置などの、MECs44、46、48に対する各々の電力入力において含まれることが可能であり、提供された避雷保護は、MECs44、46、48に接続する給電線に伝送されるディファレンシャルスレット(differential threat)を遮断する。
【0025】
最適化されたフォールトトレランスのために、航空機10は、航空機10の後部に位置決めされる予備のMEC48、及び航空機10の前方、中間、及び後方のセクション12、14、16の各々の中に位置決めされる少なくとも2つのMECs44、46を含む。例えば、図1の中で、冗長性は、セクション区切り18、20、22を横断する必要なしに、各々の航空機のセクションの中に、複数のMECs44、46、48を有することによって取得される。好ましくは、各々のセクション12、14、16は、1次MEC44及び対応する2次MEC46を含み、それによって、MECs44、46のツーバイスリー(a two by three)プラス予備のMEC48の構成を画定する。その次に、4つの別々の航空機のセクションが存在する場合、MECs44、46のツーバイフォー(a two by four)の構成が存在する。好ましくは、MECs44、46、48は、航空機10の長さに沿って互いに関して左側及び右側に交互に置かれる。本開示は、MECs44、46、48の任意の特定の数又は構成に限定されるものではない、ということが理解されるべきである。
【0026】
装置負荷50は、ディスプレー、ファン、環境ユニット、及び同様なものを含む航空機の中の様々な電気負荷であるが、それらに限定されるものではない。時々、装置負荷50は、ライン交換ユニット(LRU)52の形をとる(図4)。航空機のセクション12、14、16の各々の範囲内の装置負荷50は、電力及び通信の1以上の区域の中へグループ化される。複数のシステムにわたる装置負荷50の各々の区域は、一番近いMEC44、46と関連し、かつそれによって担われる。好ましくは、装置負荷50の各々の区域は、単一のセクションの範囲内に置かれ、かつその同じ区域の中の少なくとも1つのMECと関連する。好ましくは、接続ワイヤー又はラインは、セクション区切り18、20、22を横断しない。
【0027】
概して、航空機10の上の任意の装置負荷50は、電力及び通信データの両方を必要とする。データは、装置負荷50に何をすべきか伝え、又はその現状についてフィードバックを提供するために必要であり、一方、電力は、装置負荷50がその意図された機能を実行できるようにするために必要とされる。電力及びデータが異なる装置センターから装置負荷50へ提供される場合、かつ電力又はデータのいずれか1つが失われる場合、その後、装置負荷50は、決定できない状態をその次に有する。決定できない状態を避けるために、各々のMEC44、46、48は、独立して、関連する区域の範囲内において局所的な装置負荷50の各々を担うために、電力及び通信データの両方を提供する。装置負荷50に対する電力及びデータ通信は、一番近いMEC44、46、48などの単一の電源から、装置負荷50に対して提供される電力及びデータ通信の両方が発生するので、一緒に同期され又はグループ化されることができる。同期された電力及び通信データは、時々、電力チャネルとして言及される。区域の範囲内の装置負荷50の各々は、特定のMEC44、46から電力を受信し、かつそれ故、それらの同じ装置負荷50に対してデータを提供するネットワーク通信スイッチは、同じMEC44、46によって電力供給される。
【0028】
MECs44、46、48は、主要な電源から受信した電力を分散するように構成される。MECs44、46、48は、独立して、1次電力を2次電力に変換する。2次電力はMECs44、46、48から分散され、その後独立して、2次ブランチ電力ネットワークがセクション区切り18、20、22を横断して延伸することなしに、各々の区域の範囲内において装置負荷50の各々を担う。そのような場合において、1次電力の制御及び変換は、1次電力のみがセクション区切り18、20、22を横断して1次MECsの間で分散されるように、航空機10の各々のセクションの1次MECs44の各々に分散される。好ましい構成において、高い電圧の給電線及びデータの基幹回線のみが生産ライン停止を回避できる。
【0029】
1次電力のみをセクション区切り18、20、22を横断して分散することは、航空機の10の複数のセクションを横断して2次電力を分散するために必要とされるワイヤーの量を低減する。これは、分散されたMECのアーキテクチャが、2次配線のより短い長さを許容する各々のセクションの範囲内で別々の2次電力分散ネットワークを生成するからである。 そのようにすることは、隣接する機体のセクションを繋ぐ場合に必要とされる2次接続の数と同様に、航空機全体を通して利用されるワイヤーの全体の重量を低減する。また、より短い2次電力の長さのために、電流リターンネットワークの範囲内の実装と比較して、給電線の長さの全ループ領域が低減される。さらに、航空機の生産工程は、セクション区切りを横断して延伸するワイヤーの2次電力ネットワークが限定され又は消去されるために、改善される。セクション区切りを横断して延伸する2次電力ワイヤーの低減は、航空機10の最終的な組み立ての前における他のセクションへの依存が低減されるため、より素早く試験され、かつより早く製造品質が確認される。
【0030】
図1の中において示されるように、1次給電線40aは、左側のエンジン30の上の発電機34bから延伸して中間のセクション14へ進み、中間のセクション14の左側の上に示されるMEC44に至り、セクション区切り20を横断して前方のセクション12の左側の上に示される別のMEC44に至り、かつその後、前方のセクション12の前の左側の上に示される別のMEC44に至る。1次給電線40bは、左側のエンジン30の上の発電機34aから延伸して中間のセクション14へ進み、左の上のMEC44に至り、セクション区切り22を横断して左後方のMEC44に至り、かつその後、左後方のMEC48に至る。給電線42aは、右側のエンジン32の上の発電機36aから延伸して中間のセクション14へ進み、セクション区切り20を横断して前方のセクション12の右側の上のMEC44に至り、かつその後、前方のセクション12の前の右側の上の別のMEC44に至る。1次給電線42bは、右側のエンジン32の上の発電機36bから延伸して中間のセクション14へ進み、中間の右側のMEC44に至り、セクション区切り22を横断して右後方のMEC44に至り、かつその後、右後方のMEC44に至る。代替的に、給電線40a、40bは、代わりに、航空機10の1以上のセクションの右側の上のMECs44に1次電力を提供してもよい。そのような場合において、給電線42a、42bは、航空機10の1以上のセクションの左側の上のMECs44に1次電力を提供する。
【0031】
また、左側のエンジン30の上の発電機34a、34bのうちの一方は、動翼破裂区域38の前方の航空機の一方の側に1次電力を提供することができ、かつ左側のエンジン30の上の発電機34a、34bのうちの他方は、動翼破裂区域38の後方の航空機10の他方の側に1次電力を提供することができる。 そのような場合、右側のエンジン32の上の発電機36a、36bのうちの一方は、動翼破裂区域38の前方の、左側の発電機34a、34bのうちの一方によって電力を送られるのと反対側に、1次電力を提供することができる。右側のエンジン32の上の発電機36a、36bのうちの他方は、動翼破裂区域38の後方の、左側の発電機34a、34bのうちの他方によって電力を送られるのと反対側に、1次電力を提供することができる。
【0032】
図2は、エンジン30、32に運用問題がある場合に1次電力の利用可能性を増加させる、航空機10の動翼破裂領域38に関するエンジン毎の2つの発電機の分割を図解している。エンジン30、32のうちの一方が失われる場合、又はエンジン30、32のうちの一方の範囲内の発電機34、36の一方が故障した場合、残っているエンジンン30、32の上の2つの残っている発電機34a、34b、36a、36bは、航空機10に対して前方及び後方の両方の1次電力を分散する。左側のエンジン30の発電機34a及び右側のエンジン32の発電機36aは、前方のタイバス76によって互いに接続される、動翼破裂区域38の前方の1次電力スイッチングバス96aのペアに電力を供給する。左側のエンジン30の発電機34b及び右側のエンジン32の発電機36bは、後方のタイバス78によって接続される、動翼破裂区域38の後方の1次電力スイッチングバス96aの別のペアに電力を供給する。中間のタイバス80は、前方の1次スイッチングバス96aのうちの少なくとも1つを、後方1次スイッチングバス96aのうちの少なくとも1つに接続する。それ故、エンジン30、32が作動上の不具合を経験する場合、航空機10は、前方及び後方のやり方において、残っているエンジン30、32から電力の分散を受けるため、航空機10の全体の長さに沿って一方の側の上で電力を得てかつ制御を行うことを継続する。電力及び制御は、配線の量を増やすことなく、動翼破裂区域38の前方及び後方の両方において、単一のエンジン30、32から分散される。図2はまた、以下に詳細に説明されるように、電力の変換及び装置負荷50に対する分散のために2次MECs46に電力を分散する、1次電力スイッチングバス96aを図解している。予備のMEC48は、以下により詳細に説明されるように、1次主要AC電源が1次電力スイッチングバス96aに対して利用可能でない場合、バックアップ電力を提供する2次MECs46に結合される。
【0033】
1以上の区域の中において担われていない装置負荷50が、先ず2つの理由で生ずる。発電機34、36の全てが故障し、かつそれ故、任意のMECs44、46に対して1次電力がもはや利用可能ではないか、バス96の1以上が動翼又はタイヤの破裂などの場合のために物理的に損傷を受ける場合のいずれかである。1以上の主要な1次電源の故障に基づく、4つの発電機34、36又は補助電源ユニットの発電機54のいずれかからの高い電圧の電力の経路再選択は、図3の中において描かれている1次電力バスネットワークシステム90によって示されるように、スイッチのオープン及びクローズの組み合わせを通して、タイバス76、78、80を介して1次バスレベルにおいて行われる。1以上の実施形態において、1以上の独立型の半導体スイッチ、例えば接触器が、1次電力スイッチネットワークシステム90の上に含まれる。半導体スイッチは各々、1以上の局所的な保護、電圧感知、及び電流感知を提供するように構成される自己完結型の制御機能を有し、それらは、他の電力システムの構成要素から独立している。独立型の半導体スイッチは、他の電力システムの構成要素からのデータを必要とすることなしに、機能することができる。半導体スイッチのオープン及びクローズは、MECs44、46、48の1以上に対して1次電力スイッチングバスの1以上を横断する1次電力を遮断しかつ送る。図3から始まり、特定の接触器が、先ずクローズしているか又は先ずオープンしているかのいずれかとして描かれている。オープンしている接触器の記号は、2つの平行線である。通常クローズしている接触器の記号は、平行線に斜線が引かれていることのみを例外として、同じである。独立型の半導体スイッチはまた、独立型の半導体スイッチを通る電流を制限する、パルス幅変調を含む。高い電圧のバス及び変換の故障に基づくMECs44、46、48の間の2次電力及び低い電圧DCの経路再選択は、図3の中において描かれる1次電力バスネットワーク90によって示されるように、スイッチのオープン及びクローズの組み合わせによって行われる。
【0034】
各々のMEC44、46、48は、1次及び2次の両方の電力を有しており、かつ中央のコンピュータシステムの上に依存することなしに、閉回路処理及びセンサの局所的な制御を実行することができる。分散された電力システムの制御アーキテクチャは、MECs44、46、48の間でビークル全体の電力分散状態を分かち合うことを許容するが、各々のMEC44、46、48は、また予備の電力を全ての他のMECs44、46に分散するMEC48を例外として、各々のMECの近傍において装置負荷50を担うことに責任を有するのみである。各々のMEC44、46、48は、各々のMEC44、46、48が独立して装置負荷50のそれ自身の区域の範囲内においてオペレーションを実行するように、一番近い装置負荷50の区域と関連するデータを管理する。
【0035】
各々のMEC44、46、48はまた、好ましくは、バス電力制御のための半導体スイッチングを有し、かつまた回路保護を提供する。図3において、発電機34、36に接続されている1次給電線40、42からの電力は、1次電力スイッチングバス96aに電圧を加える。各々の1次電力スイッチングバス96aは、MEC44の範囲内の1次電力スイッチングバス96b、及びMEC46の範囲内の1次電力スイッチングバス96cに枝を伸ばすように繋がる。分散フィード98を伴って1次電力スイッチングバス96bに接続された各々の1次電力スイッチングバス96aは、図4の中において示されるようにかつ以下により詳細に説明されるように、単一の1次MEC44に対応する。
【0036】
図4を参照すると、1次電力スイッチングバス96aを伴う各々の1次MEC44の一部分は高電力部120であり、かつ1次電力スイッチングバス96bを伴う1次MEC44の別の部分は1次MEC44の低電力部122である。1次MEC44の高電力部120は、航空機10に対して利用可能な任意の高い電力の主要な電源から1次電力を受信するように構成され、かつ時々、1次電力スイッチングネットワーク装置302として言及される(図12Aから図12C)。航空機10の範囲内の1次MECs44の高電力部120のネットワークは、高い電圧の1次電力スイッチングネットワークを画定する。
【0037】
低電力部122は、好ましくは、搭載された電源からの電力の一部分を扱うように構成されるが、未だ高電力部120と同じ電圧を扱うことができるのみである。1次電力スイッチングバス96cは、図4の中において示される2次MECs46に対応する。図4は、2次MEC46及び1次MEC44の低い電圧の部分122の間の類似性を最も良く示している。1次MECs44は、2次MECs46が有していない航空機10にわたる1次電源の経路再選択を行うために、1次電力スイッチングバス96aの1次レベルの電力ネットワークバス構造を含む。異常なオペレーションと同様に正常なオペレーションの間に、1次及び2次MECs44、46の両方は、1次及び予備の電力を有している。2次MECs46は、1次MEC44とちょうど同じように、一番近い装置負荷50を担う。
【0038】
再び図3を参照すると、分散フィード98は、各々の1次MEC44の1次電力スイッチングバス96a及び96bの間を延伸し、かつ分散フィード100は、1次MEC44の各々のバス96b、及び同じ電源から直接に電力を受信する2次MEC46の1次電力スイッチングバス96cの間を延伸する。また、クロスタイ102は、左側の発電機34aと関連する1次MEC44の1次電力スイッチングバス96b、及び右側の発電機36aと関連する1次MEC44の1次電力スイッチングバス96bの間を延伸する。クロスタイ104は、左側の発電機34aと関連する2次MEC46の1次電力スイッチングバス96c、及び右側の発電機36aと関連する2次MEC48の1次電力スイッチングバス96cの間を延伸する。クロスタイ106は、左側の発電機34bと関連する1次MEC44の1次電力スイッチングバス96b、及び右側の発電機36bと関連する1次MEC44の1次電力スイッチングバス96bの間を延伸する。クロスタイ108は、発電機34bと関連する2次MEC46の1次電力スイッチングバス96b、及び右側の発電機36bと関連する2次MEC46の1次電力スイッチングバス96bの間を延伸する。補助電源ユニットの発電機54は、クロスタイ102、106にそれぞれ接続される。
【0039】
図5Aは、航空機10の範囲内の1次、2次、及び予備のMECs44、46、48の組み合わされた1次及び2次電力分散ネットワークのフォールトトレラントの一構成を示している。より詳細に図解する目的で、図5Bから図5Eは、図5Aの中において描かれる完成したシステムを組み立てるために、互いに隣に位置決めされることができる、4つの分離した部分のクローズアップされた部分図を示している。図5Bから図5Eの各々の上の2つの鎖線は、各々の部分図のブロークンエッジを示している。図5Bは、図5Aの最上部左側の部分を示している。図5Cは、図5Aの最上部右側の部分を示している。図5Dは、図5Aの最下部左側の部分を示しており、かつ図5Eは、図5Aの最下部右側の部分を示している。また、図5Fは、図5Aのシステムの予備のMEC48の一構成を示している。図3の中において示される接触器はまた、図5Aから図5Fの中において象徴的に示されているが、図5Aから図5Fを単純化するために参照番号がなく、かつ他の図面においてもまた任意の参照番号がなく又は別の参照番号を有している。
【0040】
図5Aにおいて、1次及び2次MECs44、46は、航空機10の前方のセクションの中に全部で4つ、かつ航空機10の後方のセクションの中に別の4つが存在するようなやり方において、配置されている。好ましくは、前方のセクションのペアの各々の中に1次MEC44及び2次MEC46、かつ後方のセクションのペアの各々の中に1次MEC44及び2次MEC46が存在する。図5Aは、航空機10の後方のセクションの中の予備のMEC48を示している。予備のMEC48のための時間制限のない電源は、ラムエアタービン(RAT)128、又はバッテリ若しくは燃料電池などの他の適切な独立した時間制限のある予備の電源であり得る。全ての発電機34、36に関する作動上の不具合が生じた場合、RAT128は、発電機34a、34b、36a、36bの全てが作動上の不具合を有する場合にMECs44、46の1以上に対してするのと同様に、予備のMEC48に対して予備の電力を提供するように展開される。バッテリ598は、時間制限のないRAT128が展開されている一方で、MECs44、46の1以上に対してするのと同様に、予備のMEC48に対して作動のための一時的な電力を提供する。
【0041】
発電機34a、34b、36a、36bのうちの1つが故障した場合、電力は1次MEC46の1次電力スイッチングバス96aにおいて受信されていない。それ故、電力供給されていない1次MEC44の1次電力スイッチングバス96bのより低電力部122から装置負荷50は担われておらず、かつ電力供給されていない隣接する2次MEC46の1次電力スイッチングバス96cから装置負荷50は担われていない。その後、電力は1次レベルにおいて、その装置負荷50に電力を供給するために電力が供給されていない1次MEC44の1次電力スイッチングバス96aに電圧を加えるために、かつその装置負荷50に電力を供給するために任意の電力が供給されていない隣接する2次MEC46の1次電力スイッチングバス96cに電圧を加えるために、接触器の組み合わせのオープン及びクローズによって他の残っている作動上の電源のうちの1つから新しい経路で送られる。
【0042】
代替的に、MEC44、46、48が物理的な故障を経験しかつ結果としてその装置負荷50に電力が供給されない場合、その後、電力は、別の電力供給されているMEC44、46、48によって電力が供給されていないMEC44、46、48の装置負荷50に電力を供給するように、新しい経路で送られる。新しい経路で送られる利用可能な電力の量に応じて、臨界負荷のみなどの装置負荷50の全部又は一部分のみが再度電力供給される。また、全ての電源が失われかつMECs44、46、48に電力が供給されていない場合、その後、燃料電池又はRAT128を有する予備のMEC48が、他のMECs44、46の臨界装置負荷50に電力を供給することができる。臨界負荷は、航空機10が継続される安全な飛行及び着地を維持するために電力を供給しなければならなかったそれらの装置負荷50である。本質的な負荷は、航空機10を飛行させるために作動が必要とされないラジオ及び他の通信装置などを有することが望ましいそれらの装置負荷50である。本質的でない負荷は、調理装置、装飾的な照明、及び客室用娯楽システムを含む乗客の快適性に関わる負荷などの、優先度が一番低い装置負荷50である。
【0043】
例として、補助電源ユニットの発電機54は、主要な発電機34、36のうちの1つの故障のために失われた装置負荷50を担うことができる。その後、発電機34bが故障した場合、前方のタイバス76、後方のタイバス78、中間のタイバス80における接触器の組み合わせを通して、1次電力が残っている主要な発電機34、36から直接に提供される。代替的に、1次電力は、別の作動しているMEC44、46を通して補助電源ユニットの発電機54からクロスタイ102、104、106、108の1以上を横断して、電力が供給されていない1次MEC44の1次電力スイッチングバス96a、又は電力が供給されていない2次MEC46の1次電力スイッチングバス96cへ提供される。
【0044】
MECs44、46のうちの1以上が物理的な作動上の不具合を有する場合において、各々の作動上の不具合を有するMEC44、46と関連する区域の範囲内の複数の装置負荷50の全て又は部分は、近傍において一番近い1以上の他のMECs44、46と関連することができる。例えば、1次MEC44が物理的に故障した場合、その故障したMEC44に一旦、担われていた装置負荷50は、別のMEC44、46又はMECs44、46の組み合わせによって担われることができる。MECs44、46は、故障したMEC44によって一旦、担われていた装置負荷50の種類を判定することができ、その後、MECs44、46の組み合わせの1以上がそれらの電力を供給されていない装置負荷50を担うべきか否かを判定する。故障した1次MEC44の一番近い近傍の中にある2次MEC46が付加的な装置負荷50を担うべきと判定された場合、その後、その2次MEC46と元々関連する区域は、故障した1次MEC44によって以前、担われていた区域を包含するように拡大される。
【0045】
代替的に、付加的な装置負荷50は、故障した1次MEC44の近傍の中にある2次MEC46及び別の1次MEC44の間で分割される。そのような場合、一番近くで作動している1次MEC44と関連する装置負荷50の区域は、故障した1次MEC44によって以前、担われていた区域の一部分を含むように拡大され、かつ一番近くで作動している2次MEC46と関連する装置負荷50の区域は、故障した1次MEC44によって以前、担われていた区域の残っている部分を含むように拡大される。いずれの場合においても、故障したMEC44、46の近傍の中にある1以上の他のMECs44、46は、故障したMEC44、46によって以前、担われていた装置負荷50に対して独立してサービスを提供するように、電力供給させられる。
【0046】
各々の2次MEC46及び各々の1次MEC44の各々の低電力部122は、変換装置に結合される接触器を含む。変換装置は、変圧整流器ユニット(TRU)134を含み、それは、230VACを整流し、かつそれをバス136のための28VDCなどの主要なDC出力に変換し、かつ230VACを低い電力のAC出力バス140のための115VACに変換するための単巻変圧器又は自動ステップダウン変換ユニット(ATU)138を含む。各々の2次MEC44及び1次MEC44の低電力部122はさらに、冗長性のためだけにではなく、継続される安全な飛行及び着地のために絶対的に必要な臨界負荷に対してのみ電力を提供するための、第2のTRU142を含む。第2のTRU142を臨界負荷に対してのみ限定することは、予備の電源が負荷過剰になっていないことを確実にする。
【0047】
図6は、例えば前方のセクション12における、2次電力バス構成を図解し、ここで、1次MECs44の低電力部122の中の1次電力スイッチングバス96b、及び2次MECs46の1次電力スイッチングバス96cは、一緒に結び付けられる。上述されたように、損傷を受けたMEC44、46の電力供給されていない装置負荷50の全て又は一部分のみが別のMEC44、46によって担われるか否かは、利用可能な電力に応じる。航空機のセクションの範囲内のMECs44、46のうちの1つの中のTRUs134のうちの1つが故障した場合、作動上の不具合を起こしたTRU134からの最も臨界的な装置負荷50は、同じ航空機のセクションが様々な接触器及びバックアップバス148を横断する2次電力を提供するように、別のMEC44、46によって担われる。
【0048】
好ましくは、後方のセクション16の中のMECs44、46は、給電線のワイヤーの重量を最小化する互いに対するそれらの近接のために、補助電源ユニットの発電機54からの2次電力関係を有している。また、航空機10の前方のセクション12の中のMECs44、46は、図2及び図6の中において示されるように、外部電源ユニット56などの外部電力の地上サービス装置からの115VACなどのより低い電圧のレベルにおいて連結される。しかしながら、地上から前方のセクション12の中のMECs48の中の低い電力のAC出力バスへの115VACは、その後、航空機10の他のセクションの中の他のMECs44、46へ分散される、双方向のATUs138によって230VACなどのより高い電圧へ変換されることができる。また、典型的に、第2のTRU142は、上述されたようなより臨界的な負荷に対して使用され、失われたそれらの臨界負荷に電力を供給するために、バックアップバス148を介して、バッテリバス294からのバッテリ電力を利用可能にする。
【0049】
図7の中において示されるように、各々のMEC44、46、48の内側に置かれる、(ハードウェア及びソフトウェア)コンピューティング及びネットワークインターフェース(CNI)モジュール162は、分散コンピューティング機能及び双方向データのゲートウェイルーティングを提供する。各々のCNIモジュール162は、フォールトトレラントコンピューティングシステムになる、2つのフェールセーフコンピューティングシステムを含む。各々のフェールセーフコンピューティングシステムは、他のものに対して冗長である。このフォールトトレラントコンピューティングシステムは、航空機10の範囲内のシステム機能に対するサービスが欠乏しないことを可能にするために、予期されぬハードウェア及び/又はソフトウェアの故障に率直に反応する。CNIモジュール162は、(フレックスレイ(Flex Ray)、コントローラエリアネットワーク(CAN)、エアリンク(ARINC)664、TTP、又は他のバステクノロジー)などの内部システム通信バスを介して、内部MECコンピューティング機能及び外部MECコンピューティング機能に対して/から、データを送信/受信する。航空機10の上の他のMECs44、46、48は、それぞれ参照番号188及び190を有する、図7の中で示される外部データ通信チャネルA及び外部データ通信チャネルBを横断する、ARINC664などのデータネットワーク指定を介して、CNIモジュール162と通信することになる。
【0050】
CNIモジュール162は、航空機10のその局所的な区域の範囲内で使用される、特定のソフトウェアアプリケーションをホストする分散コンピューティング要素である。CNIモジュール162の上でホストされることができるシステムアプリケーションのいくつかの実施例は、AC及びDC電力システム、貨物口システム、乗客用の入口ドアシステム、着陸装置システム、及び乗客用の客室システムである。CNIモジュール162に対して通信するコンピューティング機能は、TRUs134、TRUs142、ATUs138、ブレーカーモジュール166の半導体スイッチ、発電機34、36のうちの1つと関連する発電機制御ユニットGCU168、ソリッドステート電力分散モジュール170、及び遠隔データ集線装置である。CNIモジュール162は、以下により詳細に説明されるように、MEC44、46、48の範囲内で、内部データチャネルA202及び内部データチャネルB204を横断して、TRUs134、142、ATUs138、ブレーカーモジュール166、GCU168、及び電力分散モジュール170と内部で通信する。
【0051】
CNIモジュール162は、これらのコンピューティング機能に対して/からデータを送信及び受信することになる。CNIモジュール162はまた、他のMECs44、46、48及び航空機のコンピューティングシステムから現状及び健全性を送信及び受信する。各々のCNIモジュール162は、他のMECs44、46、48の中で何が起きているかを知った上で、個別のMEC44、46、48の作業負荷を管理する。一旦、情報がMEC44、46、48のCNIモジュール162によって受信されてしまうと、そのコンピューティング機能は、どのシステムがデータを必要としているかを判定し、データの健全性を解釈し、任意の電力システムの異常に反応し、それを必要とするコンピューティング機能に対して緊急を要する情報を供給し、システムレベルの論理アルゴリズムを実行し、航空機レベルのシステムの故障を報告し、かつその区域に対するAC及びDC電力の分散を制御することになる。
【0052】
図8は、セクション区切り18、20、22によって分離される空間的に分散されたMECs44、46、48の間の通信バスインターフェースを有するデータネットワーク構造を図解している。この構成は、各々の個別のMEC44、46、48が、故障の全域で継続される通信を確実にするために必要とされる冗長性を提供するのと同様に、他のMECs44、46、48と通信することを可能にする。セクション区切り20は、航空機の前方及び後方のセクションを画定する。必要とされるネットワーク通信スイッチの数は、MECs44、46、48の数及び望ましいフォールトトレランスによって決定される。図8は、ネットワークスイッチ182a‐b、184a‐b、186a‐bの3つのペア(以後、集団的に及び/又は一般的に「ネットワークスイッチ182、184、186」として言及される)を有する9つのMECs44、46、48を示している。各々のネットワークスイッチ182、184、186は、相互作用するMECs44、46、48の各々のCNIモジュール162から2次電力を受信することができる、層‐3ネットワークスイッチなどの多層ネットワークスイッチである。より多くのMECs44、46、48が存在すれば、その後、同じレベルのフォールトトレランスを取得するためにより多くのネットワークスイッチが必要とされる。
【0053】
各々のMEC44、46、48は、A及びBの通信チャネルを有する。各々の1次MEC44のチャネルA及びBは、別の1次MEC44又は予備のMEC48のいずれかの上の2つの対応するA又はBスイッチと接続する。各々の1次MEC44は、チャネルA又はチャネルBのいずれかの上の1つのスイッチ182、184、186を含み、一方、航空機の後方のセクションの中の予備のMEC48は、A及びBの両方のチャネルの上のスイッチ182、184、186のペアの両方のスイッチを含む。スイッチ182a、184a、186aは、チャネルAに対応し、かつスイッチ182b、184b、186bは、チャネルBに対応する。外部通信のデータライン192は、データラインを切り替えるスイッチを示している。
【0054】
概して、セクション区切り20の一方の側の上の各々の1次MEC44の上のネットワークスイッチは、それらのMECs44、48のうちの少なくとも1つがセクション区切り20の他方の側の上にあり、かつ1つは航空機10の反対側にある、他の1次又は予備のMECs44、48の2つの他のネットワークスイッチに接続される。例えば、セクション区切り20の前方の前方右側1次MEC44のネットワークスイッチ182aは、セクション区切り20の他方の側の上において、後方左側1次MEC44の上のネットワークスイッチ184a、及び予備のMEC48の上のネットワークスイッチ186aの両方に接続される。セクション区切り20の前方の前方左側1次MEC44の上のネットワークスイッチ182bは、セクション区切り20の他方の側の上において、後方右側1次MEC44の上のネットワークスイッチ184b、及び予備のMEC48の上のネットワークスイッチ186bの両方に接続される。予備のMEC48の上のネットワークスイッチ186bはまた、航空機10の反対側の上のネットワークスイッチ184bに接続される。ネットワークスイッチ184aはまた、予備のMEC48のネットワークスイッチ186aに接続される。
【0055】
2次MECs46の各々はまた、2つの他の1次又は予備のMECs44、48を有する2つのデータチャネルを有している。外部通信のデータライン196は、2次MEC44に対する直接的な1次MEC44のネットワークスイッチのデータ接続を示している。各々の2次MEC46のチャネルのうちの一方は、セクション区切り20の他方の側の上の1次MEC44の同じチャネルの上のネットワークスイッチに接続され、かつ他方のチャネルは、別の2次MEC46に接続される。それ故、図8は、セクション区切り20を横断する8つのデータバス接続、及びセクション区切り18、22の各々を横断する4つのデータバス接続を示している。この構成は、航空機の中の配線の全体の重量と同様に、セクション区切りを横断する通信配線の量を最小化する。航空機10のクラウン及びフロアの中の空間を利用することによって、各々のデータバスの間で分離が維持される。健全なCNIモジュール162は、他の健全なCNIモジュール162からの局所的な環境情報及び通信を利用することによって、組織的に調整されたやり方で、電力システムの変化する構成に対して最適に反応することができる。
【0056】
任意の2つのMECs44、46、48に電力が供給される場合、その後、それらの2つのMECs44、46、48が互いに十分に通信できるように、通信ネットワークがアクティブになり、かつデータが提供されることになる。この通信ネットワークは、MECsのペアの間の任意の1つの接続が、MEC44、46、48の機能性が低減されることなしに失われるような、フォールトトレラントのネットワークである。さらに、同時におけるMECs44、46、48の間の最大で任意の2つの通信接続の喪失は、MECs44、46、48のうちのただ1つとのデータ通信の喪失をもたらす。
【0057】
例えば、前方右側の1次MEC44のチャネルAの上のネットワークスイッチ182aの喪失は、前方右側の1次MEC44への及びからの通信がチャネルBを通じて継続されるので、前方右側の1次MEC44への及びからの通信の完全な喪失をもたらさない。チャネルAを介して前方右側1次MEC44と通信してきた任意の他のMECs44、46、48は、チャネルBを通じて、又はチャネルBを介して前方右側1次MEC44に接続される他のMECs44、46、48を介して、直接に通信することができる。また、前方右側1次MEC44のチャネルAの上のネットワークスイッチ182aが、前方右側の2次MEC46に対するチャネルBの接続に加えて失われた場合、前方右側の1次MEC44への及びからの通信はチャネルBを介して継続されるが、その後、通信はチャネルA及びBの両方が失われたので前方右側の2次MEC46のみを伴って失われることになる。
【0058】
本開示の1つの態様は、分散電力制御アーキテクチャである。電力制御は、電力それ自体と同様に各々のMEC44、46、48に対して分散される。局所的なデータに基づいて、各々の個別のMEC44、46、48は集まって、各々のMEC44、46、48は、任意の他のMECs44、46、48に依存する必要なしに、それ自身の装置負荷50を構成するために、その関連する区域のそれ自身の電力制御を実行する。電力を新しい経路で送ることに対する必要性などの現実に必要とされるデータのみが、他のMECs44、46、48のCNIモジュール162に対して送られる。
【0059】
地上の航空機10の通常のパワーアップは、好ましくは、MECs44、46、48の順次的なパワーアップである。通常のパワーアップは、静止インバーター290及びバックアップバス148を介して、MECs44、46の中の全ての予備のバス160に電力を供給するバッテリ598を介して、行われる。バッテリ598が利用可能でない場合、外部電源ユニット56からの外部電力の限られた量は、予備のMEC48に電力を供給するために送られる。一旦、予備のMEC48がパワーアップされると、その後、電力は予備のMEC48から他の1次及び2次MECs44、46の各々に対して分散され、利用可能な電源を有しているのと同様に適切に、各々のMEC44、46の範囲内において、それらのCNIモジュール162をパワーアップし、かつ接触器を構成する。一方、MEC44、46が通常の飛行のオペレーションの間に電力供給を受けられなくなる場合、順次的なパワーアップは利用されない。MECs44、46のうちの一方の中のCNIモジュール162が1次電力を有していない場合、分散フィード100を有する1次MEC44及び2次MEC44などの、2つのMECs44、46の間の低い電力の相互接続は、上述されたように電力が供給されてないMEC44、46に今もなお電力を供給する手段を提供する。
【0060】
CNIモジュール162は、他のMECs44、46、48からの構成データと同様に、他のシステム又はLRUsからの入力/出力通信を読み込む。各々のMEC44、46、48の構成データを送信することは、他のMECs44、46、48の各々が、航空機10の中の他の場所で何が起きているかを判定することを可能にする。その後、CNIモジュール162は、そのMEC44、46、48の範囲内でブレーカー及び接触器を構成するためにこのデータを使用し、かつそれから、他のMECs44、46、48が同じことをできるように、他のMECs44、46、48に送信するために、その区域の範囲内の装置負荷50についてチャネルA又はBの上へ構成データを書き込む。各々のCNIモジュール162は、通信の入力/出力及びそれが受信する環境データの有効性をチェックし、かつ必要な場合はそれ自身の環境データ及びそのブレーカーの現状を判定するために、それを改良する。一旦、CNIモジュール162がその区域の範囲内のそのブレーカー及び接触器にどのようにして命令したいかを理解すると、その後、それは、その構成データを外の他のMECs44、46、48へ送る。
【0061】
各々のMEC44、46、48のCNIモジュール162は、そのMEC44、46、48に対して割り当てられた境界の範囲内の装置負荷50を制御するのみである。特定のMEC44、46、48の各々のCNIモジュール162は、他のMECs44、46、48の装置負荷50構成又はそれらのブレーカー若しくは接触器をどのようにして構成するかを設定しない。しかしながら、全てのMECs44、46、48は今でも、航空機10の1次及び2次電力システムのために一貫して統一された電力移送機能を提供するために、互いに相互作用する。正しく機能しているMECs44、46、48のCNIモジュール162は、作動上の問題を有しているMEC44、46、48に対して反応し、かつ電力タイバス76、78、80、分散フィード98、100、及びクロスタイ102、104、106、108を横断する電力の経路再選択を、付加的な故障を伴う場合であってもすることができる。コンピューティング及びネットワーキングのアーキテクチャは、フェールセイフ及びフォールトトレラントの両方を有している。CNIモジュール162が作動上の問題を有している場合、その接続された負荷の全ては、所定のデフォルト「フェールセイフ」状態に入る。隣接するCNIモジュール162は、それらの区域の外側の他の装置負荷を制御する容量及び正統性を有していない。
【0062】
図9の中において示されているCNIモジュール162は、CNIモジュール162の一方の側の上でチャネルAに対応する1つのネットワークスイッチ182、184、186、及び他方の側の上でチャネルBと対応する別のネットワークスイッチ182、184、186を含む。両方のネットワークスイッチ182、184、186は、外部データ通信接続を実現するための1以上のポート206を有している。CNIモジュール162の各々の側はまた、以下により詳細に説明されるように、MEC44、46、48の範囲内の内部データ通信接続を実現するための1以上のポート208を有している。CNIモジュール162は、チャネルA及びチャネルBのデータ通信を処理することに関連する複数の指示を行うための2つのマルチコアプロセッサ242、244を含む。各々のプロセッサ242、244は、ポート208においてMEC44、46、48の範囲内において通信データを受信及び送信するための、又はポート206を通じていずれかのネットワークスイッチ182、184、186を伴ってMEC44、46、48の外側の通信データを受信及び送信するための指示を処理することができる。CNIモジュール162の一方の側の上のプロセッサ242、244のうちの一方は一方の通信チャネルと対応し、かつCNIモジュール162の他方の側の上の他方のプロセッサ244は他方の通信チャネルと対応する。しかしながら、各々のプロセッサ242、244は、各々のプロセッサ242、244が両方のチャネルA及びBの通信を読み込んで処理することができるように、他方の通信チャネルのための他のネットワークスイッチ182、184、186に対する重なり部分を有する。
【0063】
CNIモジュール162などのMEC44、46、48のトラスシステムの上に置かれる各々の構成要素又はLRU52は、光学的にラベルを読み込むためのバーコードリーダ248を含む。バーコードリーダ248は、QRコード(登録商標)を読み込むための素早い反応の(QR)コードリーダである。(図示されぬ)バーコードは、MEC44、46、48の中、又はバーコードリーダ248の近傍における航空機10の中の他の場所に置かれる。バーコードを読み込むバーコードリーダ248は、MEC44、46、48が、MEC44、46、48のCNIモジュール162のソフトウェアのパラメータを設定するために、自他識別、位置、時間追跡、及び他の構成情報などの情報を入力することを可能にする。例えば、バーコードリーダ248は、MEC44、46、48がそれが航空機10のどのセクション又はどちらの側に置かれているのかを知るように、CNIモジュール162の位置を読み込む。また、CNIモジュール162の位置を決定することは、MEC44、46、48が一番近い装置負荷50を決定することを可能にする。構成情報はまた、他のMECs44、46、48、航空機10の中の他の場所、又はメンテナンス施設などの航空機10の外側の中心施設に送信される。
【0064】
どれだけの電力がMEC44、46、48から分散されるかに基づいて、CNIモジュール162は、以下に説明されるようなトラスシステムの1以上の転送層から、28VDC又は115VACなどの1以上の付加的な電力入力288、及び電源レギュレーター238を必要とする。例えば、28VDCは、バーコードリーダ248のためのレギュレーター280のユースポイントに対する入力である。各々のCNIモジュール162はまた、ネットワークスイッチ182、184、186の1つ又は両方に電力を供給するために、1以上の他のMECs44、46、48のCNIモジュール162の電力出力286から1以上のDC電力入力284を受信する。電力入力284及び電力レギュレーター246は、単一の電力故障が、任意の処理又は通信チャネルを停止させることを妨げる、冗長性を提供する。
【0065】
入力288においてトラスシステムの転送層からMEC44、46、48への電力の完全な喪失が存在する場合、その後、CNIモジュール162を有するMEC44、46、48、ネットワークスイッチ182、184、186、電力レギュレーター246、及びバーコードリーダ248は、今でも電力供給されている。他のMECs44、46、48の他のCNIモジュール162の冗長電力出力286から送られた1以上のDC電力入力284のために、電力供給されていないMEC44、46、48のCNIモジュールは、決して電力を失わず、かつ隣接するMECから電力を新しい経路で送り、その後、それ自身のMEC44、46、48の1以上の転送層をパワーアップすることができる。その後、MEC44、46、48は今でも、その装置負荷50の一部又は全部を担うことができ、かつCNIモジュール162は十分に機能的であり他のCNIモジュール162と通信することができ、それによって、MEC44、46、48のトラスシステム及び通信ネットワークをアクティブに保つ。
【0066】
図10Aから図10Dは、図5Aから図5Eの中において示される1次MECs44の各々の高い電圧の1次電力スイッチングバス構造の異なる構成を示している。各々は、どの発電機34a、34b、36a、36bが直接に4つの1次MECs44の各々に電力を供給するか、4つの1次MECs44が前方であるか又は後方であるか、及びそれらが航空機10の左側の上にあるか又は右側の上にあるか、に基づいてR1、R2、L1、又はL2と指定されている。R1は、発電機36aから1次電力を受信する前方右側の1次MEC44に対応する。R2は、発電機36bから1次電力を受信する後方右側の1次MEC44に対応する。L1は、発電機34aから1次電力を受信する前方左側の1次MEC44に対応する。L2は、発電機34bから1次電力を受信する後方左側の1次MEC44に対応する。
【0067】
図10Aは、図5A及び図5Bの前方右側の1次MEC44(R1)の1次電力スイッチングバス96a及び半導体スイッチング装置を有する高電力部120を示している。図10Bは、図5A及び図5Cの後方右側の1次MEC44(R2)の1次電力スイッチングバス96a及び半導体スイッチング装置を有する高電力部120を示している。図10Cは、図5A及び図5Dの前方左側の1次MEC44(L1)の1次電力スイッチングバス96a及び半導体スイッチング装置を有する高電力部120を示している。図10Dは、図5A及び図5Eの後方左側の1次MEC44(L2)の1次電力スイッチングバス96a及び半導体スイッチング装置を有する高電力部120を示している。一緒に、図10Aから図10Dは、各々の1次MEC44のための接続性を提供することができる半導体スイッチング装置の一般的なアーキテクチャ及びレイアウトを描いている。
【0068】
図10Aは、他の場所に位置決めされる他の1次MECs44と比較して、最も少ない数の半導体要素を有する、前方右側の1次MEC44(R1)のための1次バス構造、半導体要素、及び接続を最も良く示している。しかしながら、図10Aの中で描かれる最小の構造は、任意の他の1次MECs44のために必要とされる機能性を含むために、(仮想線で示される)付加的な半導体要素を含むように、拡大され得る。付加的な半導体要素は、全てのスロット及び全ての設置されるMECs44、46、48の中に装着されるかもしれないし、又はされないかもしれない。
【0069】
4つの1次MECs44のための図10Aから図10Dの4つの構成の各々は、主要な発電機34a、34b、36a、36bのうちの1つからの1次電力接続210、及び前方又は後方のいずれかのタイ76、78に対する接続212を有する。各々の構成はまた、関連する2次MEC46に対する出力接続214を含む。各々はまた、2つの大電流の半導体の接触器216、218、及び2つの弱電流の半導体の接触器220、222を有する。2つの大電流の接触器216、218は、接続224において一緒に接続される。大電流の接触器216のうちの一方はまた、主要な1次電力をオン及びオフするための接続210において接続され、かつ他方の大電流の接触器218はまた、1次MEC44が航空機10の前方又は後方のセクションのいずれに存在するかに応じて、前方又は後方のタイ76、78のための接続212において接続される。弱電流の接触器220は、関連する2次MEC46のための接続214に接続される。他方の弱電流の接触器222は、以下により詳細に説明されるように分散フィード98と組み合わされて、各々の1次MEC44の高電力部120及び低電力部122の間の電力をオン及びオフする。
【0070】
図10Cの中において描かれている左前方の1次MEC44(L1)は、中間のタイ80からの接続252及び前方のタイバス76のための接続212の間の別の大電流の接触器250を含む。図10Dの中において描かれている後方左側の1次MEC44(L2)は、中間のタイバス80のための接続252及び補助電源ユニットの発電機54のための入力接続262の間の別の大電流の接触器260と同様に、左前方の1次MEC44(L1)が含む付加的な大電流の接触器250を含む。後方左側の1次MEC44(L2)はまた、高い電圧ACの電力がタイ270を横断してかつ自動変圧整流器ユニット(ATRU)272及びバス274に送られる、予備のMEC48に対して同じ弱電流の接触器232を含む。
【0071】
図10Bの中において描かれている後方右側の1次MEC44(R2)はまた、予備のMEC48を高い電圧ACの電力によってタイ234を横断してATRU236及びバス240に接続するための、弱電流の接触器232を含む。全ての4つの構成はまた、図10Aから図10Dの各々の中において示されるように、230VACを必要とする電力をオン及びオフするための弱電流の接触器278などの、付加的な接触器を有するという選択肢を有する。
【0072】
製造及び在庫の利用可能性を容易にするために、図10Aから図10Dの各々の中において示される様々なアーキテクチャは、図11の中において示されるように、1次電力のスイッチングネットワーク装置(PPSND)302の類似のレイアウトを有する単一の構造の中へと再配置されることができ、ここで、上述されたように、1次電力スイッチング構成、及びMEC44が航空機10の範囲内のどこにあるかに基づいて、様々な負荷のための随意の接触器232、250、260、278が存在し得る。各々のPPSND302は、各々の1次MEC44の高電力部120に対応し、かつ必要に応じて前方、後方、及び中間のタイバス76、78、80を介して接続される、予備のMEC48から直接に1次電力を受信するための、又は補助電源ユニットの発電機54から1次電力を受信するための、付加的な接触器232、250、260、278に対する選択肢を伴う共通の電源及び出力を分かち合うように構成される。図5Cの中において示されるように、後方右側の1次MEC44の高い電力の1次電力スイッチングバス96aは、タイ234によって予備のMEC48に接続される。図5Dにおいて、前方左側の1次MEC44は、前方のタイバス76によって接触器218a‐cを伴って前方右側の1次MEC44に接続され、かつ中間のタイバス80によって接触器250a‐cを伴って後方左側の1次MEC44に接続される。図10Dの中において示される後方左側の1次MEC44は、タイ270によって接触器232a‐cを伴って予備のMEC48に接続されるのと同様に、後方及び中間のタイバス78、80を伴って他の1次MECs44に接続されている結果として、最も多い接触器を有する。
【0073】
図12Aから図12Cの中において示されているように、実質的に同一なPPSNDs302a‐cの一組は、1次MEC44を伴って、発電機34、36のうちの一方から3相の1次電力を受信するために使用されることができる。示されているPPSNDs302a‐cは、前方右側の1次MEC44(R1)と組み合わせて使用されるためにラベルを付けられているが、3つのPPSNDs302a‐cはまた、他の1次MECs44のいずれかのために3相の電力を受信するために使用され得る。1次給電線40、42の各々は、好ましくは、導体のうちの3つが3相の電力のA、B、又はCのうちのいずれかを運ぶ、1次MECs44の各々に接続されている4つの導体の電力ワイヤーである。4番目の導体は、4番目のPPSNDに接続される中立的なワイヤーとなることができる。
【0074】
さらに図11及び図12Aから図12Cを参照すると、相Aの電力は、図12AのPPSND302aの1次電力スイッチングバス96aに電力を供給するために接続210aにおいて受信され、相Bの電力は、図12BのPPSND302bの1次電力スイッチングバス96bに電力を供給するために接続210bにおいて受信され、かつ相Cの電力は、図12CのPPSND302cの1次電力スイッチングバス96cに電力を供給するために接続210cにおいて受信される。半導体の要素は、図12Aから図12Cの各々の中において正方形によって描かれており、かつ半導体の要素のいくつかの組は、図11の中において描かれているように、接触器216、218、220、222、232、250、260、及び278を構成する。
【0075】
図12Aから図12Cの中において、「a」、「b」、又は「c」で終わる参照番号は、それぞれ、相Aの電力、相Bの電力、又は相Cの電力を利用する構成要素を言及する。しかしながら、そのような参照番号自体はまた、具体的に特定の電力の相を言及することなしに、同じ構成要素を集団的及び/又は一般的に言及することができる。接触器210a‐cは、それぞれ、高い電力の1次電力スイッチングバス96a‐cに電力を供給する。1次電力は、1次電力スイッチングバス96a‐cの各々から、接触器218a‐cを横断して、前方のタイバス76a‐c(又は1次MEC44が航空機10の前方若しくは後方の中にあるかに応じて、後方のタイバス78a‐c)に至る。代替的に、電力は、前方のタイバス76a‐cから来て、接触器218a‐cを横断して1次電力スイッチングバス96a‐cに至る。1次電力はまた、接続252a‐cにおいて中間のタイバス80a‐cへ及びから提供され、かつ1次電力スイッチングバス96a‐cと関連する接触器250a‐cを横断する。1次電力はまた、接続262a‐cと接続される電力タイ130を伴う補助電源ユニットの発電機54から提供され、かつ接触器260a‐cを横断して1次電力スイッチングバス96a‐cに至る。
【0076】
1次電力は、1次電力スイッチングバス96a‐cから提供され、接触器220a‐cを横断して、2次MEC46のための出力接続214a‐cに至る。1次電力はまた、1次電力スイッチングバス96a‐cから提供され、接触器222a‐cを横断して、出力接続390a‐cに至り、かつ分散フィード98を横断して、1次MEC44の低電力部122に電力を供給する。PPSNDs302a‐cの出力接続390a‐cからの3相の1次電力は、トラスシステムを通して、PPSNDs302a‐cと同じMEC44、48の範囲内の他の構成要素に送られる。分散フィード98は、好ましくは、出力接続390aに接続される相Aの電力のための第1のワイヤー、出力接続390bに接続される第2のワイヤー、及び出力接続390cに接続される第3のワイヤーを有する、4つのワイヤーの導体である。
【0077】
3相の高い電力は、図12Aから図12Cの中において示されるPPSNDs302a‐cの上の出力接続340a‐c又は出力接続342a‐cを利用することによって、1次MEC44の高電力部120から直接に随意の又は補助の負荷に分散される。図11の中において示される接触器232及び接触器278は、図12Aから図12Cの中において示される出力接続340a‐c及び出力接続342a‐cに対応する。補助の負荷へ及びからの230VACの電力は、PPSNDs302a‐cの接触器232a‐c、278a‐cによって制御される。PPSNDs302a‐cが、図5A及び図5Eの中において示されるように左後方の1次MEC44(L2)の中で利用された場合、PPSNDs302a‐cの出力接続340a‐cに接続されている補助の3相の負荷のうちの1つは、予備のMEC48であり得る。そのような場合、予備のMEC48からの3相の電力を提供するタイ270は、3つのPPSNDs302a‐cの各々に接続される別々のワイヤー及び4番目のPPSND302に中立的に接続される4番目のワイヤーを有する4つのワイヤーの導体である。図12Aから図12Cは、2つの異なる3相の負荷の全体のための直接的な接続を描いているが、多くの他の3相の負荷は、付加的な接続を有する特定の1次MEC44によって担われる。
【0078】
MECs44、46、48のうちの1以上はまた、1以上の絶縁層によって分離される1以上のデータ及び/又は電力の転送層の設置構造を有する統合されたトラスシステムを含む。トラスは、航空機10の範囲内の簡単な設置又は交換を容易にするように構成され、かつシートメタル、熱可塑性物質、複合材、又はいくつかの他の適切な材料などの硬くて柔軟な材料から構築される。航空機において、電力又はデータは、トラスシステムの設置構造の上の様々な位置に対して、又は航空機の中の様々な位置に対して移送される。いくつかの構成において、トラスの相互接続などのビア又はメカニズムは、1つの層の中の1以上の電力又はデータラインを、電気的に、本明細書の中において参照されることによってその全体が組み入れられる、2013年6月28日に出願された、トラスの相互接続というタイトルの米国特許出願番号13/930,024の中で説明されるような、統合されたトラスシステムの1以上の異なる層の中の1以上の電力又はデータラインに接続することができる。相互接続はまた、統合されたトラスシステムの最も上の表層に設置されるLRUを電気的に相互接続するために、かつ電力をトラスの中へ又はトラスからLRUの中へ送るために使用されることができる。PPSNDs302a‐cを有するLRUは導体ボス(突起)を有し、かつ相互接続がLRUを通過しトラスシステムの中へ入ると、相互接続は、LRU及びトラスシステムの間の電気的な接続を実現するために、トラスシステムの転送層と同様にボスの中へと拡大する。
【0079】
いくつかの構成において、統合されたトラスシステムは、電力及びデータシステムの両方を電気的に接続する。さらなる構成において、トラスの相互接続はまた、統合されたトラスシステムの1以上の層の間の機械的な接続を提供することができる。付加的な構成において、トラスの相互接続は、複数の挿入及び抜き取りのために構成され、トラスの相互接続の再使用を可能にする。
【0080】
図13は、MEC44、46、48の多層的な統合されたトラスシステム500の分解斜視図を示している。統合されたトラスシステム500は、絶縁層502a‐502b(以後、集団的及び/又は一般的に「絶縁層502」として言及される)及び転送層504a‐504b(以後、集団的及び/又は一般的に「転送層504」として言及される)を含む。いくつかの構成において、絶縁層502及び転送層504は、絶縁層が少なくとも部分的に転送層504を互いから電気的に分離するように、互いの間で交互に配置される。さらなる構成において、絶縁層502は、少なくとも部分的に、転送層504のうちの1以上を1以上の他の転送層504から物理的に分離するように構成される。また、いくつかの構成において、絶縁層の1以上は、乗客及び積荷のコンパートメントの間の煙又は水切りのバリアとして作用することができる。
【0081】
MEC44、46、48の構成要素は、トラスシステム500に取り外し可能に固定される。例えば1次MEC44の高電力部120に対応する、図3の電力バスネットワークシステム90の一部分は、PPSNDs302a‐cを伴って、トラスシステム500の最も上の表面の絶縁層502aに設置されるLRU52の中に収納される。また、電力バスネットワークシステム90を有するLRU52の内側は、全ての接触器216、218、220、222、232、250、260、及び278を制御するために、CNIモジュール162からチャネルA及びBのデータ入力を受信するマイクロプロセッサである。
【0082】
3相の1次電力506a‐d(以後、集団的及び/又は一般的に「3相の1次電力506」として言及される)は、主要な発電機34、36のうちの一方から電力バスネットワークシステム90の内側のPPSNDs302a‐cへ提供される。相Aの電力506a、相Bの電力506b、又は相Cの電力506c、又は3つの全ては、出力接続390a‐cから絶縁層502を通って、トラスシステム500の1以上の転送層504に送られる。3相の1次電力506の中立的な506dはまた、絶縁層502を通じてトラスシステム500の1以上の転送層504に送られる。通信データは、1つのMEC44、46、48から2つのデータチャネル188、190(一般的に、チャネルA及びBとして言及される)を横断して、任意の他のMEC44、46、48に送られる。図13の中において示されるように、トラスシステム500の設置構造は、トラスシステム500に対して設置されるシステムの構成要素に、別々の通信チャネルを提供するように構成される別々の層を提供する。データチャネル188、190の両方は、絶縁層502を通って、トラスシステム500の1以上の転送層504に送られる。例えば、転送層504aはデータ転送経路536を含み、かつ転送層504bはデータ転送経路538を含む。データ転送経路536、538は、転送層504cなどの1以上の層502、504によって、互いから分離される。PPSNDs302を有する電力バスネットワークシステム90及びCNIモジュール162の間を行ったり来たりするデータ通信は、データチャネル188、190を横断して行ったり来たりするように送られる。データチャネル188は、転送層504aの転送経路536を通過し、かつデータチャネル190は、転送層504bの転送経路538を通過する。
【0083】
いくつかの構成において、転送層504は、1以上の電力又はデータの転送経路、又はその両方を含むように構成される。例えば、転送層504cは、3相の電力506のうちの相Bの電力506b及び中立的な506dに対応する電力の転送経路512a及び512bを含む。電力の転送経路512aは、相Bの電力を受信し、それは例えば230VACであり、かつそれを図13の中において示されるCNIモジュール162などのトラスシステム500に設置されている別のLRU52に移送する。転送経路512bは、中立的な506dを横断してCNIモジュール162からPPSNDs302のうちの1つへ戻るような、電流リターン経路である。
【0084】
各々のMEC44、46、48はまた、MECs44、46、48からの2次電力を分散するための、少なくとも1つの電力分散モジュール170を含む。各々の分散モジュール170は、1以上のLRUs52として構成される。各々の分散モジュール170は、好ましくは、3相の全てを受信するが、それらをバランスの取れたやり方で単一の相の進みへ分散する。図13の中において示されるように、相A506a及び相B506bは、トラスシステム500の2つの異なる転送層504を通して提供され、かつその後、分散モジュール170へ送られる。その後、各々の分散モジュール170は、単一の相の2次電力を、各々の特定のMEC44、46、48の割り当てられた区域の範囲内で、低い電力の装置負荷50に分散する。各々のMEC44、46、48に関連する装置負荷50は、好ましくは、3つの全ての電力の相にわたって均等に分散される。好ましくは、低い電力の装置負荷50の各々は、撚線導体のペアを有する分散モジュール170に接続される。本出願は、図面の1以上において特定の数の接続を描いているが、任意の数の装置負荷50が、利用可能な2次電力の量に影響を受けるMEC44、46、48によって担われても良い。
【0085】
図14は、トラスシステムのいくつかの層を有する1次MEC44を示している。1次MEC44は、TRUs134、142、ATU138、CNIモジュール162、分散モジュール170、及びPPNSD302を含む。1次MECs44はPPSND302を含み、かつMECs46、48は含まない。2次MEC46は、PPSND302がないということを例外として、図10Bの中のMEC44に類似するやり方で描かれることができる。2つのTRUs134、142、ATU138、CNIモジュール162、分散モジュール170、及びPPSND302は、トレースに対して電気的に相互接続され、又は相互接続のメカニズム562を挿入することによって、転送層504の中で金属化された相互接続である。相互接続のメカニズム562は、TRUs134、142、ATU138、CNIモジュール162、分散モジュール170、及びPPSND302の各々を通して挿入され、かつ転送層504の各々の中のビア566の中へ挿入される。
【0086】
トラスシステムは、チャネルAのためのトレース536を有する転送層504a及びチャネルBのためのトレース538を有する転送層504bを含む。TRUs134、142、ATU138、分散モジュール170、及びPPSND302の各々は、専用のチャネルAのトレース536及び専用のチャネルBのトレース538に接続される。しかしながら、各々の転送層504の上のトレース536、538の数は、プロトコルに応じる。他の実施形態において、TRUs134、142、ATU138、分散モジュール170、及びPPSND302は、全て、同じチャネルAのトレース536及び同じチャネルBのトレース538に接続され得る。
【0087】
図14の中のトラスシステムはまた、転送層504c、504d、504e、及び504fを含む。転送層504cは、MEC44、46、48のトラスシステム及びそれに接続されるシステムに電力を供給するために、230VACなどの3相の1次電力506を伴うトレース570を含む。それぞれのトレース570は、相Aの電力506a、相Bの電力506b、相Cの電力506c、及び中立的な506dに対応する。2つのTRUs132、142、ATU138、CNIモジュール162、及びPPSND302は、ビア566を通して相互接続のメカニズム562を有する転送層504cのトレース570に接続される。3相の1次電力506は、発電機34、36からPPSND302を通して転送層504cへ提供される。その後、2つのTRUs134、142、ATU138、及びCNIモジュール162は、転送層504cのトレース570から3相の1次電力506を受信することによって電力供給される。
【0088】
2次電力は、TRUs134、142及びATU138から転送層504d、504e、504fへ分散される。転送層504d、504eは28VDCなどの低い電圧の層であり、かつ各々は正のトレース574、負のトレース576、及び中性のトレース578を含む。転送層504eなどの、これらの転送層504のうちの1つは、RAT128又は第2のTRU142を介して燃料電池から予備の電力を提供する。転送層504d、504eのトレース574、576、578からの28VDCの電力は、分散モジュール170へ分散される。転送層504fは、相Aの電力580、相Bの電力582、相Cの電力584、及び中立的な586を含む、115VACなどの低い電圧の3相の層である。転送層504fのトレースからの115VACの電力はまた、分散モジュール170に対して分散される。
【0089】
分散モジュール170は、撚線導体及びシールド導体のペア314を有する装置負荷50に対して2次電力を分散するために、2次電力のための転送層504d、504e、540fのトレースに接続され、かつまたチャネルA及びB202、204のためのトレース536、538に接続される。分散モジュール170は、1次電力が分散モジュール170から分散されないので、3相の1次電力506を有する転送層504bに接続されない。トラスの転送層504a、504bのチャネルA及びBからの通信データは、装置負荷50を担うために、撚線導体及びシールド導体のペア314に対して、分散モジュール170がいつ2次電力をオン及びオフするかを制御する。
【0090】
図14の中において示されるように、CNIモジュール162は、MEC44、46、48のトラスシステムの全部の層504の中の全部のトレースに接続される。CNIモジュール162に対して複数の電圧入力が存在するので、電力レギュレーターは、必要とされる電圧への変換を実行する。層504の1以上の上の任意のトレースが電力供給される場合、CNIモジュール162はアクティブになる。例えば、全てのMECs44、46が1次電力を失う場合、電力はRAT128又は燃料電池を用いて予備のMEC48に対して提供され、それによって、電力を予備の層504eのトレース574、576、578に対して提供する。転送層504eのトレース574、576、578の中の電力は、CNIモジュール162をアクティブにする。CNIモジュール162はまた、転送層504a、504bのトレース536、538の各々から、チャネルA及びBの両方から、ネットワークスイッチ182、184、186と使用するための通信データを受信する。
【0091】
図14は、好ましくは、MEC44、46、48のトラスシステムの転送層504の上に位置決めされる、バリア588を描いている。図17の中において示されるようにトラスシステムがフロア構造の範囲内において位置決めされた場合、バリアは、積荷のコンパートメントからの煙が乗客用のコンパートメントに入ってくることを妨げる煙バリアとして、及び/又は航空機10のどこかの場所から滴り落ちる水を妨げるための水切りバリアとして働く。例えば、バリア588は、水がMEC44、46、48の電気的な構成要素の上に滴り落ちることを妨げることができる。代替的に、又はバリア588に加えて、絶縁層502の1以上が煙及び/又は水切りのバリアとなり得る。例えば、トラスシステムの一番上の絶縁層502は、水及び煙に対するバリアとして働くように構成されることができる。
【0092】
既存の複合材の航空機において、電流リターンネットワークは、フォールト電流リターン経路、身の安全を保護する経路、及び航空機システムのための避雷保護経路を提供する。しかしながら、上で説明されたように、電流リターンネットワークはまた、航空機に対する望ましくない致命的な量のワイヤーの重量を提供する。
【0093】
これらの既知の航空機の電流リターンネットワークはまた、大きな電圧のオフセットに対して脆弱である。AC及びDCの両方の電圧が、電流リターンネットワークの上で測定される。電流リターンネットワークの上の航空機の中全部の装置負荷の全てのリターン電流は累積され、かつそれ故、電源接地点から負荷接地点への測定される電流リターンに沿って、電圧降下が生成される。電流リターンネットワークに沿った異なる点における電圧降下は、電源接地点から航空機の後ろへ向かって、電流リターンネットワークのインピーダンス及びそれを通る電流に比例して増加する。
【0094】
図15は、概して、3相(Φ)の1次電力506が主要な発電機34、36のうちの1以上から複数の孤立したTRUs134及び孤立していないATUs138へ送られることを、示している。TRUs134及びATUs138は、図15の中において最も良く示されるような分散型のアーキテクチャの部分として、航空機10の中全体に分散される。少なくとも1つのTRU134及び少なくとも1つのATU138が、MECs44、46、48のうちの1つに対応する。TRUs134は孤立しているので、それらは便利な時にいつでも地面に置かれることができる。また、TRUs134が分散されるので、TRUs134は、種々の位置において地面に置かれることができ、かつそれ故、それらのDCリターン電流は、各々のそれぞれのMEC44、46、48に対して局所的なままである。しかしながら、リターン電流はもはや累積的ではなく、そのことはDCオフセット電圧がゼロとなることをもたらす。
【0095】
図16は、概して、ATU138又はTRU134のそれぞれからのAC又はDCの電力のいずれかの分散を示している。しかしながら、より具体的に上述されたように、1次電力506は、先ず電力変換装置に分散され、かつその後、導体が実質的に等しいが反対向きの電流を運ぶ、複数の導体ケーブルを有する低い電力の装置負荷50の各々と接続される分散モジュール170に分散される。適用に際して、導体によって運ばれる電流の中に小さな差異が存在し得る。ケーブルは、それがまた遮断され得る撚線導体のペアであり得る、導体のペアであっても良い。例えば、撚線導体及びシールド導体のペア314は、電源導体310及び中立的な若しくはリターン導体312を含む。中立的な導体は、3相の給電線を伴って経路選択される。
【0096】
1次電力506を変換した後、AC電力は、各々のATU138から、電源導体310を有するAC装置負荷50aに分散され、かつ電流は、各々のAC装置負荷50aから、撚線導体及びシールド導体のペア314の対応するリターン導体312の上に戻される。DC電力は、各々のTRU134から、電源導体310を有する装置負荷50bに提供される。電流は、各々のDC装置負荷50bから、撚線導体及びシールド導体のペア314の対応するリターン導体312の上に戻される。
【0097】
相Aの電力506a、相Bの電力506b、及び相Cの電力506cは、発電機34、36から分散される。3相の1次電力506のための発電機34、36からの4番目のワイヤーはまた、中立的な導体506dとして描かれている。ACの装置負荷50aの各々は、中立的な導体506dに接続される破線によって描かれているシールド終端ワイヤー590を含み、かつDCの装置負荷50bの各々は、中立的な導体506dに接続される破線によってまた描かれているシールド終端ワイヤー592を含む。装置負荷50a及び50bの各々は、シールド終端ワイヤー590及び592をそれぞれ有する中立的な導体506dに接続されているが、負荷リターン電流は、もはや累積的ではない。図16において、中立的な導体506dの部分は、局所的な2次電力分散のための撚線導体のペアの小さいループを使用する結果として電圧の差異がゼロになることを単に示すために、電流リターンネットワーク(CRN)として現れるように構成される。航空機10のMECs44、46、48の間に分散される3相の1次電力506の中立的な導体506dは、CRNの部分として典型的に利用される導体よりもかなり小さく、単純に安全用アース端子バス(SGB)として言及される。それ故、CRNは、撚線導体のペアによって提供される局所的な2次電力分散を有する複合材の航空機10の中で、もはや必要とされない。撚線導体及びシールド導体のペア314は今や、電流リターンを提供する。また、撚線導体及びシールド導体のペア314によって生成されるループの断面積は、複合材の航空機10に対する避雷の脅威を低減するCRNのより大きいワイヤーループによって生成される断面積よりもかなり小さい。比較すると、撚線のペアの導体は、約16から約20の間の米国電線規格(AWG)であり、一方、CRNの導体は、約2AWG又はそれより大きい直径である。
【0098】
図16は、航空機10の前方、中間、及び後方のセクションの範囲内に分散される1次MECs44の間の発電機34、36からの1次電力の分散を示している。各々の1次MEC44は、上述されるように、装置負荷50b及び50aのそれぞれを担うための、TRU134及びATU138を含んでいる。電力は、各々のMEC44から、撚線導体及びシールド導体のペア314を有する各々の装置負荷50へ分散される。図16はまた、補助的な負荷520のために230VACを提供するMECs44のペアを描いている。図12Aから図12C及び付随の文字の中において言及されているように、補助的な負荷へ及びからの230VACの電力は、1次MEC44のPPSNDs302の接触器232、278によって制御される。
【0099】
図16はまた、前方のほとんどの1次MECによって担われる、アビオニクスなどの、複数のLRUs52を示している。図16はまた、予備の電力を提供するためのバッテリ598を示している。図16は、予備の電力を前方のほとんどの1次MEC44のみに対して提供するバッテリ598を描いているが、バッテリの予備の電力は好ましくは全ての1次MECs44に提供される。
【0100】
図17は、上で説明されたように1以上の電力及びデータの移送経路を提供するために、航空機の製造の中において使用される、統合されたトラスシステム600を示している。1以上のMECs44、46、48は、ビークルシステム、MEC44、46、48の構成要素、装置負荷50、LRUs52、又は他の装置のうちの全て又は部分を取り付けるための、支持又は設置構造としてのトラスシステム600を含む。
【0101】
トラスシステム600の設置構造は、単一のユニタリーピース(a single unitary piece)として航空機10の中に設置される統合された設置構造を生成するために、一緒に積み重なる、取り外し可能に接続する、又はロックする別々の構造的な要素のマルチパート又はモジュール式アセンブリとなることができる。各々の構造的な要素は、上述されたように、1以上の転送層及び1以上の絶縁層を有している。マルチパートのトラスシステム600の各々の構造的な要素は、航空機10から損傷を受けていない構造的な要素を除去することなしに、損傷を受けた構造的な要素を修理又は交換することを可能にするために、互いから取り外すことが可能である。各々の構造的な要素の1以上の層はまた、交換されることができる。トラスシステム600の1つの要素は、全体のトラスシステム600を除去する必要なしに、取り換えられることができる。また、トラスシステム600の全て又は少なくとも一部はまた、フロアビーム又は機体フレームの部材などの、航空機10の支持構造から取り外し可能である。代替的に、トラスシステム600は、その全体において設置され又は交換される、単一のモノリシック構造として製造される。
【0102】
トラスシステム600は、フレーム部材の間の機体の側壁の中で画定される薄い構造体積の範囲内で、かつフレーム部材の深さによって延伸するように構成され、又は航空機10の乗客用及び積荷用のコンパートメントの間のフロアの中の空間の中において画定される薄い構造体積の範囲内で、かつフロアビームの深さによって延伸するように構成される。代替的に、トラスシステム600などのトラスは、従来の装置ベイの範囲内に埋め込まれるように構成される物理的な形状を有することができる。航空機10の側壁の中に設置されるトラスシステム600は、好ましくは、航空機10の機体の曲線に対応する。図17はまた、シートレール610の下の、かつ横断するフロアビーム608の間の、航空機10の側壁から側壁へと延伸するように構成される、トラスシステム600に向かって上方向に見た場合の底面図である。トラスシステム600などのトラスシステムを有する航空機10のフロア又は側壁の中に位置決めされるMEC44、46、48は、MEC44、46、48の近傍に存在する、航空機10の乗客用のコンパートメント及び積荷用のコンパートメントの範囲内の装置負荷50を担うことができる。
【0103】
トラスシステム600は、電力分散モジュール170などの構成要素を設置するための広い表面を提供するために、2つの内側の隣接するフロアビーム608の最上部を超えて延伸する狭い中間部分、及び2つの内側の隣接するフロアビーム608の両方の側からさらに外側へ向かって次のフロアビーム608へ延伸する対向する端部の部分を有するように構成される。1以上の実施形態において、トラスシステムは、隣接するフロアビーム608の間、又は互いからずらされるフロアビーム608の間の幅及び長さを有するように構成され、積荷用のコンパートメントからの煙が乗客用のコンパートメントに入ってくることを妨げるための煙バリアとして、及び/又はMEC44、46、48の範囲内において電気構成要素の上に水が滴り落ちることを妨げるための水切りバリアとして、働くために適切である。
【0104】
図17はまた、1次MEC44のトラスシステム600に設置される、CNIモジュール162、電力分散モジュール170、TRUs134、142、ATU138、及びPPSNDs302を示している。TRU134は、PPSNDs302の出力接続390から230VACを受信する。TRUs134は、分散モジュール170に電力を供給するために、28VDCで電力バスに接続する。各々の電力分散モジュール170は、1次MEC44と関連する装置負荷50と相互作用するための接続596を有している。
【0105】
トラスシステム600の各々の構造的な要素は、上述されたように、1以上の転送及び絶縁の層を有している。転送層のうちの1つは、高い電圧の電力をMEC44、46、48の一部分からその同じMEC44、46、48の別の部分に移送するように構成される。例えば、高い電圧の電力は、転送層を横断してトラスシステム600の内側に提供され、LRU52として構成され、トラスシステム600の表面に設置されるPPSNDs302へと至る。低い電圧の2次電力はまた、トラスシステム600の別の転送層を通って、トラスシステム600の表面に設置される低い電力の装置負荷50へ提供される。また、通信データは、トラス600の転送層を横断して、トラスシステム600の表面に設置される航空機のシステムの構成要素に提供されることができる。トラスシステム600の1つの転送層は、トラスシステム600の表面に設置されるシステムの構成要素に対してチャネルAを提供することができ、かつ別の転送層は、その同じシステムに対してチャネルBを提供することができる。
【0106】
今度は図18を参照すると、避雷の脅威及び複合材のビークルの中のワイヤー導体の重量を低減するための一連の方法の一構成を示している。特段の表示がなければ、図面の中において示されかつ本明細書の中において説明されるよりも多くの又は少ないオペレーションが実行され得る。加えて、特段の表示がなければ、これらのオペレーションはまた、本明細書の中において説明されるものとは異なる順番で実行され得る。
【0107】
一連の方法700はオペレーション702において始まり、1以上の電源が1次電力を発生する。オペレーション704は、電力を装置負荷50に分散するために、MECs44、46、48を複合材のビークルの中全体に空間的に分散することを含む。オペレーション706は、電力を装置負荷50に分散するために、各々のMEC44、46.48の中に電力変換機能を提供することを含む。オペレーション708は、装置負荷50を導体のペア314を用いて一番近いMEC44、46、48に結合することを含む。オペレーション710において、導体のペア314によって画定されるループの長さが、各々のMEC44、46、48及び関連する装置負荷50の間で最小化される。
【0108】
条項1
ビークルのための電力分散システムであって、前記システムは:複合材の前記ビークルの中全体で空間的に分散される複数のモジュール装置センター(MECs)を備え、前記複数のMECsは前記複合材のビークルの中全体の複数の装置負荷に電力を分散し、前記複合材のビークルの範囲内の前記装置負荷の各々は前記複数のMECsのうちの一番近いMECによって担われ;及び複数の多重導体ケーブルを備え、各々の多重導体ケーブルは多重の電源導体及び中立的な導体を備え、ここで、前記電源導体及び前記中立的な導体は実質的に等しいが反対向きの電流を運び、各々の装置負荷は、各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の多重導体ケーブルの間の前記電源導体及び前記中立的な導体によって画定されるループの長さが最小化されるように、前記多重導体ケーブルのうちの1つを用いて前記一番近いMECに結合される、システム。
【0109】
条項2
前記複数の多重導体ケーブルうちの各々は、導体のペアである、条項1に記載の電力分散システム。
【0110】
条項3
前記導体のペアのうちの各々は、撚線導体のペアである、条項2に記載の電力分散システム。
【0111】
条項4
前記ビークルは、一緒に結合されて、かつ隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する複数のビークルのセクションを備え、かつ前記ビークルは特段の定めがなければ前記ビークルの複数のビークルのセクションの間のセクション区切りを横断して延伸する電流リターンネットワークを持たない、条項1に記載の電力分散システム。
【0112】
条項5
前記ビークルは、一緒に結合されて、隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する複数のビークルのセクションを備え、かつ前記多重導体ケーブルはセクション区切りを横断して延伸しない、条項1に記載の電力分散システム。
【0113】
条項6
それぞれのビークルのセクションの範囲内の1以上の前記MECsに対する電力入力の上にトランソーブをさらに備える、条項1に記載の電力分散システム。
【0114】
条項7
隣接するMECsの間で結合される安全用アース端子バスをさらに備える、条項1に記載の電力分散システム。
【0115】
条項8
前記中立的な導体は、3相の給電線を用いて経路選択される、条項1に記載の電力分散システム。
【0116】
条項9
前記ビークルは、複合材の機体の外板を備える、条項1に記載の電力分散システム。
【0117】
条項10
複合材のビークルに対する避雷の脅威を低減させる方法であって、前記方法は:前記複合材のビークルの中全体の複数の装置負荷に対して電力を分散させるために、前記複合材のビークルの中全体にモジュール装置センター(MECs)を空間的に分散させること;及び導体のペアを用いて各々の装置負荷を一番近いMECに結合することを含み、各々の導体のペアは等しいが反対向きの電流を運ぶための電源導体及び中立的な導体を備える、方法。
【0118】
条項11
電源導体及び中立的な導体を一緒に撚り合わせて、導体のペアを形成することをさらに含む、条項10に記載の方法。
【0119】
条項12
各々のMECが関連する装置負荷を担うために各々のそれぞれのビークルのセクションの範囲内のみにおいて、2次電力を分散することをさらに含む、条項10に記載の方法。
【0120】
条項13
複合材の航空機の中においてリターン電流を最小化しかつ専用のリターン経路を有する必要性を消去するためのシステムであって、前記システムは:前記複合材の航空機の中全体に空間的に分散される複数のモジュール装置センター(MECs);前記複合材の航空機の中全体の複数の装置負荷;及び前記MECsから前記装置負荷へ電力を分散するための複数の導体のペアを備え、各々の装置負荷は各々の装置負荷及び一番近いMECの間の各々の導体のペアの長さを最小化するために前記一番近いMECによって電力供給される、システム。
【0121】
条項14
前記複合材の航空機は、一緒に結合されて、本体及び隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する複数のビークルのセクションを備え、かつ前記MECsから前記装置負荷への導体のペアはセクション区切りを横断しない、条項13に記載のシステム。
【0122】
条項15
前記導体のペアは、撚線導体及びシールド導体のペアである、条項13に記載のシステム。
【0123】
条項16
各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の導体のペアの電源導体及び中立的な導体によって画定されるループの長さが最小化される、条項13に記載のシステム。
【0124】
条項17
複合材のビークルに対する避雷の脅威を低減させるシステムであって、前記システムは:前記複合材のビークルの中全体に空間的に分散される複数のモジュール装置センター(MECs)を備え、前記複数のMECsは前記複数のビークルの中全体の複数の装置負荷に電力を分散し、前記複合材のビークルの範囲内の前記装置負荷の各々は一番近いMECによって担われ;及び複数の撚線導体及びシールド導体のペアを備え、各々の撚線導体及びシールド導体のペアは電源導体及び中立的な導体を備え、前記電源導体及び前記中立的な導体は等しいが反対向きの電流を運び、各々の装置負荷は、各々のMEC及び関連する装置負荷の間の各々の撚線導体及びシールド導体のペアの前記電源導体及び前記中立的な導体によって画定されるループの長さが最小化されるように、前記撚線導体及びシールド導体のペアのうちの1つを用いて前記一番近いMECと結合され、前記複合材のビークルは一緒に結合されてかつ隣接するビークルのセクションの間のセクション区切りを画定する複数のビークルのセクションを備え、かつ前記複合材のビークルは特段の定めがなければ前記複合材のビークルの複数のビークルのセクションの間のセクション区切りを横断して延伸する電流リターンネットワークを持たず、かつ前記複数の撚線導体及びシールド導体のペアはセクション区切りを横断して延伸しない、システム。
【0125】
条項18
各々のMECが関連する装置負荷を担うために各々のそれぞれのビークルのセクションの範囲内のみにおいて、2次電力を分散することをさらに含む、条項17に記載のシステム。
【0126】
上述の主題は、例示的な方法によってのみ提供されており、かつ限定的なものと解釈されるべきではない。図解されかつ説明された例示的な実施形態及び用途にしたがうことなく、かつ以下の特許請求の範囲の中で説明される本開示の正しい精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が本明細書の中で説明された主題に対して行われ得る。
【符号の説明】
【0127】
10 航空機
12 前方のセクション
14 中間のセクション
16 後方のセクション
18 セクション区切り
20 セクション区切り
22 セクション区切り
30 左側のエンジン
32 右側のエンジン
34a 左側発電機
34b 左側発電機
36a 右側発電機
36b 右側発電機
38 動翼破裂区域
40a 1次給電線
40b 1次給電線
42a 1次給電線
42b 1次給電線
44 1次MEC
46 2次MEC
48 予備のMEC
50 装置負荷
52 ライン交換ユニット(LRU)
54 補助電源ユニットの発電機
56 外部電源ユニット
76 前方のタイバス
78 後方のタイバス
80 中間のタイバス
90 1次電力バスネットワークシステム
96a‐c 1次電力スイッチングバス
98 分散フィード
100 分散フィード
102 クロスタイ
104 クロスタイ
106 クロスタイ
108 クロスタイ
120 高電力部
122 低電力部
128 ラムエアタービン(RAT)
130 電力タイ
134 変圧整流器ユニット(TRU)
136 バス
138 自動ステップダウン変換ユニット(ATU)
140 低い電力のAC出力バス
142 第2のTRU
148 バックアップバス
160 予備のバス
162 コンピューティング及びネットワークインターフェース(CNI)モジュール
166 ブレーカーモジュール
168 発電機制御ユニットGCU
170 電力分散モジュール
182a‐b ネットワークスイッチ
184a‐b ネットワークスイッチ
186a‐b ネットワークスイッチ
188 チャネルA
190 チャネルB
192 データライン
196 データライン
202 チャネルA
204 チャネルB
206 ポート
208 ポート
210 接続
210a‐c 接触器
212 接続
214 接続
216 接触器
218a‐c 接触器
220a‐c 接触器
222a‐c 接触器
224 接続
232 接触器
234 タイ
236 ATRU
238 電源レギュレーター
240 バス
242 プロセッサ
244 プロセッサ
246 電力レギュレーター
248 バーコードリーダ
250a‐c 接触器
252 接続
260a‐c 接触器
262 接続
270 タイ
272 自動変圧整流器ユニット(ATRU)
274 バス
278 接触器
280 レギュレーター
284 DC電力入力
286 電力出力
288 電力入力
290 静止インバーター
294 バッテリバス
296 接触器
302 1次電力スイッチングネットワーク装置
310 電源導体
312 リターン導体
314 撚線導体及びシールド導体のペア
340a‐c 出力接続
342a‐c 出力接続
390a‐c 出力接続
500 トラスシステム
502a‐b 絶縁層
504a‐d 転送層
506a‐d 3相の1次電力
512a‐b 転送経路
520 補助的な負荷
536 転送経路、トレース
538 転送経路、トレース
582 相Bの電力
590 シールド終端ワイヤー
592 シールド終端ワイヤー
596 接続
598 バッテリ
600 トラスシステム
608 フロアビーム
610 シートレール
700 一連の方法
702 オペレーション
704 オペレーション
706 オペレーション
708 オペレーション
710 オペレーション
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18