(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440470
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】燃料電池車両の安全システムおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20060101AFI20181210BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20181210BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20181210BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20181210BHJP
【FI】
B60L3/00 S
B60L11/18 G
H01M8/00 Z
H01M8/04 H
H01M8/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-240509(P2014-240509)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2015-228786(P2015-228786A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年6月1日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0067188
(32)【優先日】2014年6月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】イ、ナム、ウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、スン、イル
(72)【発明者】
【氏名】クム、ヤン、ボム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュ、ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、セ、フン
【審査官】
今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−304290(JP,A)
【文献】
特開2013−021755(JP,A)
【文献】
特開2007−282332(JP,A)
【文献】
特開2001−189161(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 3/00
B60L 11/18
H01M 8/00
H01M 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池と高電圧バッテリーを含む電源の電力を利用する燃料電池車両の安全システムにおいて、
前記電源と電力負荷を連結する電力配線に配置される電力スイッチと、
前記電力配線とシャーシとの間の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器と、
前記燃料電池車両の速度を感知する車速感知部と、
前記絶縁抵抗測定器で測定した絶縁抵抗測定値および前記燃料電池車両の速度に基づいて前記電力スイッチの作動を制御する制御部と、
空気ブロワと前記燃料電池を連結する空気供給ラインに配置され、前記制御部の制御により開閉する第2バルブと、
を含み、
前記絶縁抵抗測定値が基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下である場合にのみ、前記制御部は安全モードに進入し、前記電力スイッチがターンオフして前記電力負荷に供給する電力を遮断し、また前記第2バルブが完全に閉じられて前記燃料電池に供給する空気を遮断する、燃料電池車両の安全システム。
【請求項2】
水素タンクと前記燃料電池を連結する水素供給ラインに配置され、前記制御部の制御により開閉する第1バルブ、
をさらに含み、
前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下であれば、前記第1バルブが完全に閉じられて前記燃料電池に供給する水素を遮断する、請求項1に記載の燃料電池車両の安全システム。
【請求項3】
燃料電池と高電圧バッテリーを含む電源の電力を利用する燃料電池車両の安全システムを制御する方法において、
絶縁抵抗測定器から絶縁抵抗測定値の入力を受けるステップと、
前記絶縁抵抗測定値と基準抵抗値を比較するステップと、
前記比較結果により安全モードに進入するか否かを決めるステップと、
前記安全モードに進入すれば、前記電源から電力負荷に供給する電力を遮断するステップと、
前記安全モードに進入すれば、空気ブロワから前記燃料電池に供給する空気を遮断するステップと、
前記燃料電池車両の速度と基準速度を比較するステップ、
を含み、
前記安全モードに進入するか否かを決めるステップでは、
前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下である場合にのみ、前記安全モードに進入する、燃料電池車両の安全システム制御方法。
【請求項4】
前記安全モードに進入すれば、水素タンクから前記燃料電池に供給する水素を遮断するステップ、
をさらに含む、請求項3に記載の燃料電池車両の安全システム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池車両の安全システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池(fuel cell)は、燃料の酸化によって発生する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換させる、一種の発電装置といえる。基本的に、酸化、還元反応を利用するという点で化学電池と同一であるが、閉じられたシステムの内部で電池反応をする化学電池とは違って、反応物が外部から連続的に供給されて反応生成物が連続的にシステムの外部に除去されるという相違点がある。燃料電池の反応生成物が純粋な水であるため、環境にやさしい車両として燃料電池車両に対する研究が活発に行われている。
【0003】
燃料電池車両の衝突を感知するために、複数の衝突センサーが具備される。エアバッグ制御器(air bag control unit;ACU)は、前記複数の衝突センサーから入力された信号に基づいてエアバッグを展開するか否かを判断する。
【0004】
しかし、複数の衝突センサーから入力される信号を基準としてのみ燃料電池車両の衝突を判断する場合は、実際に発生した衝突を判断できない場合がある。例えば、衝突センサー自体のフェイル(fail)、衝突センサーと連結された配線のフェイル、または衝突センサの出力値のフェイルなどが発生する場合、実際に発生した衝突を判断できない場合がある。また、エアバッグが展開しないほどの小さい衝突が発生した場合にも、燃料電池車両の一部のシステムは破損し得て、これにより、感電のような2次事故が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためのもので、本発明が解決しようとする課題は、絶縁抵抗測定値に基づいて燃料電池車両が危険状態にあるか否かを判断することで、感電を防止することができる燃料電池車両の安全システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例に係る燃料電池と高電圧バッテリーを含む電源の電力を利用する燃料電池車両の安全システムは、前記電源と電力負荷を連結する電力配線に配置される電力スイッチと、前記電力配線とシャーシとの間の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器と、前記絶縁抵抗測定器で測定した絶縁抵抗測定値に基づいて前記電力スイッチの作動を制御する制御部とを含み、前記絶縁抵抗測定値が基準抵抗値以下であれば、前記制御部は安全モードに進入し、前記電力スイッチがターンオフして前記電力負荷に供給する電力を遮断することができる。
【0007】
前記燃料電池車両の安全システムは、水素タンクと前記燃料電池を連結する水素供給ラインに配置され、前記制御部の制御により開閉する第1バルブをさらに含み、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であれば、前記第1バルブが完全に閉じられて前記燃料電池に供給する水素を遮断することができる。
【0008】
前記燃料電池車両の安全システムは、空気ブロワと前記燃料電池を連結する空気供給ラインに配置され、前記制御部の制御により開閉する第2バルブをさらに含み、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であれば、前記第2バルブが完全に閉じられて前記燃料電池に供給する空気を遮断することができる。
【0009】
前記燃料電池車両の安全システムは、前記燃料電池車両の衝突を感知して衝突信号を前記制御部に伝達する衝突感知部をさらに含み、前記衝突が感知されれば、前記制御部は前記安全モードに進入することができる。
【0010】
本発明の他の実施例に係る燃料電池と高電圧バッテリーを含む電源の電力を利用する燃料電池車両の安全システムは、前記電源と電力負荷を連結する電力配線に配置される電力スイッチと、前記電力配線とシャーシとの間の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定器と、前記燃料電池車両の速度を感知する車速感知部と、前記絶縁抵抗測定器で測定した絶縁抵抗測定値および前記燃料電池車両の速度に基づいて前記電力スイッチの作動を制御する制御部とを含み、前記絶縁抵抗測定値が基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下であれば、前記制御部は安全モードに進入し、前記電力スイッチがターンオフして前記電力負荷に供給する電力を遮断することができる。
【0011】
前記燃料電池車両の安全システムは、水素タンクと前記燃料電池を連結する水素供給ラインに配置され、前記制御部の制御により開閉する第1バルブをさらに含み、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下であれば、前記第1バルブが完全に閉じられて前記燃料電池に供給する水素を遮断することができる。
【0012】
前記燃料電池車両の安全システムは、空気ブロワと前記燃料電池を連結する空気供給ラインに配置され、前記制御部の制御により開閉する第2バルブをさらに含み、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下であれば、前記第2バルブが完全に閉じられて前記燃料電池に供給する空気を遮断することができる。
【0013】
前記燃料電池車両の安全システムは、前記燃料電池車両の衝突を感知して衝突信号を前記制御部に伝達する衝突感知部をさらに含み、前記衝突が感知されれば、前記制御部は前記安全モードに進入することができる。
【0014】
本発明の実施例に係る燃料電池と高電圧バッテリーを含む電源の電力を利用する燃料電池車両の安全システム制御方法は、絶縁抵抗測定器から絶縁抵抗測定値の入力を受けるステップと、前記絶縁抵抗測定値と基準抵抗値を比較するステップと、前記比較結果により安全モードに進入するか否かを決めるステップと、前記安全モードに進入すれば、前記電源から電力負荷に供給する電力を遮断するステップとを含むことができる。
【0015】
前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であれば、前記安全モードに進入することができる。
【0016】
前記燃料電池車両の安全システム制御方法は、前記安全モードに進入すれば、水素タンクから前記燃料電池に供給する水素を遮断するステップをさらに含むことができる。
【0017】
前記燃料電池車両の安全システム制御方法は、前記安全モードに進入すれば、空気ブロワから前記燃料電池に供給する空気を遮断するステップをさらに含むことができる。
【0018】
前記燃料電池車両の安全システム制御方法は、衝突感知部から入力される衝突信号に基づいて衝突が感知されれば、前記安全モードに進入するステップをさらに含むことができる。
【0019】
前記燃料電池車両の安全システム制御方法は、前記燃料電池車両の速度と基準速度を比較するステップをさらに含み、前記安全モードに進入するか否かを決めるステップでは、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であり、前記燃料電池車両の速度が基準速度以下であれば、前記安全モードに進入することができる。
【発明の効果】
【0020】
上述したように本発明の実施例によると、絶縁抵抗測定値に基づいて燃料電池車両が危険状態にあるか否かを判断して、電力および水素の供給を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例に係る燃料電池車両の概略的な構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の他の実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参考として本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、ここで説明する実施例に限定されず、他の形態に具体化することもできる。
【0023】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付けた。
【0024】
また、図面に示した各構成は、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図面に示されたものに限定されない。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る燃料電池車両の概略的な構成図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の実施例に係る燃料電池車両は、燃料電池12と高電圧バッテリー14を含む電源10の電力を利用する。本発明の実施例に係る燃料電池車両の安全システム100は、絶縁抵抗測定値に基づいて制御部20の制御により電力負荷30に供給する電力、水素タンク(hydrogen tank)42から前記燃料電池12に供給する水素を遮断する。
【0027】
前記電力負荷30は、燃料電池車両を駆動させる駆動モータおよび電力を利用する各種の電子装置を含む。
【0028】
前記燃料電池12は、燃料としての水素と酸化剤である空気の電気化学的な反応によって電力を生成する。前記生成した電力は、電力負荷30に供給される。
【0029】
前記水素タンク42に貯蔵された水素は、水素供給ライン44を通じて燃料電池12に供給される。第1バルブ46は、前記水素タンク42と前記燃料電池12を連結する前記水素供給ライン44に配置される。前記第1バルブ46は、制御部20の制御により開閉し、前記第1バルブ46が完全に閉じられれば水素の供給が遮断される。
【0030】
空気ブロワ(air blower)52は、空気供給ライン54を通じて燃料電池12に酸素を含む外部空気を供給する。第2バルブ56は、前記空気供給ライン54に配置される。前記第2バルブ56は、制御部20の制御により開閉し、前記第2バルブ56が完全に閉じられれば空気の供給が遮断される。
【0031】
前記電源10と前記電力負荷30を連結する電力配線32には電力スイッチ34が配置される。前記電力スイッチ34がオンの状態である時、前記電源10で発生した電力が前記電力負荷30に供給される。
【0032】
絶縁抵抗測定器(insulation resistance measuring device)60は、前記電力配線32とシャーシ62との間の絶縁抵抗(Ri)を測定する。絶縁抵抗測定器60で測定した絶縁抵抗測定値は、制御部20に伝達される。シャーシ62は、燃料電池車両の電気的グラウンド(electrical ground)の役割をする。
【0033】
衝突感知部72は、燃料電池車両の衝突を感知して衝突信号を制御部20に伝達する。衝突感知部72は、燃料電池車両内の設定された位置に装着され、衝突が発生すれば出力値が変化する複数の衝突センサー、および衝撃量によりエアバッグを展開するか否かを判断するエアバッグ制御器(air bag control unit;ACU)のいずれか一つである。
【0034】
車速感知部74は、燃料電池車両の速度を感知し、燃料電池車両のホイールに装着される。
【0035】
制御部20は、設定されたプログラムによって動作する一つ以上のマイクロプロセッサーで具現され、このような設定されたプログラムは、後述する本発明の実施例に係る燃料電子車両の安全システムの制御方法に含まれた各ステップを行うための一連の命令を含むことにしてもよい。
【0036】
制御部20は、前記絶縁抵抗測定値に基づいて前記電力スイッチ34、前記第1バルブ46、および前記第2バルブ56の作動を制御する。
【0037】
以下、
図2および
図3を参考として、本発明の実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法を具体的に説明する。
【0038】
図2は、本発明の一実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法のフローチャートである。
【0039】
図2に示すように、本発明の実施例に係る燃料電池車両の安全システムの制御方法は、絶縁抵抗測定器60が前記絶縁抵抗(Ri)を測定することで始まる(S100)。制御部20は、前記絶縁抵抗測定器60によって測定された絶縁抵抗測定値の入力を受ける。
【0040】
制御部20は、前記絶縁抵抗測定値と基準抵抗値を比較する(S110)。前記基準抵抗値は、当業者が好ましいと判断される値(一例として、100[O/Vdc])に設定する。一般に、燃料電池車両の安全性のために、絶縁抵抗値は100[O/Vdc]より大きいように管理される。
【0041】
S110ステップにおいて、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値を超えれば、制御部20は、本発明の一実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法を終了する。
【0042】
S110ステップにおいて、前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であれば、制御部20は、燃料電池車両が危険状態(例えば、衝突または浸水)にあると判断する。
【0043】
前記絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下であれば、制御部20は、安全モード(safe mode)に進入する(S120)。前記安全モードに進入すれば、制御部20は、電力負荷30に供給する電力および燃料電池12に供給される水素を遮断する。具体的に、電力スイッチ34は、制御部20の制御信号(CONT1)によりターンオフして、電源10から電力負荷30に供給する電力が遮断される。第1バルブ46は、制御部20の制御信号(CONT2)により完全に閉じられて、燃料電池12に供給される水素を遮断する。また、第2バルブ56は、制御部20の制御信号(CONT3)により完全に閉じられて、燃料電池12に供給される空気を遮断する。
【0044】
また、制御部20は、衝突感知部72から入力される衝突信号に基づいて前記安全モードに進入するか否かを決める。つまり、衝突感知部72で衝突を感知する場合だけでなく、絶縁抵抗測定値が非正常的に低い場合も電力および水素の供給を遮断することができる。衝突感知部72の衝突信号のみを利用する場合とは違って、衝突感知部72自体のフェイル、衝突感知部72と連結された配線のフェイル、または衝突感知部72の出力値のフェイルなどが発生する場合も、絶縁抵抗測定値に基づいて燃料電池車両が危険状態にあるか否かを判断することができ、感電を防止することができる。
【0045】
図3は、本発明の他の実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法のフローチャートである。
【0046】
図3を参照すると、本発明の他の実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法は、燃料電池車両の速度と基準速度を比較するステップ(S220)をさらに含んでいることを除いては、
図2の燃料電池車両の安全システム制御方法と同一である。
【0047】
制御部20は、燃料電池車両の衝突が発生するか否かを正確に判断するために、燃料電池車両の速度と基準速度を比較する(S220)。前記基準速度は、当業者が好ましいと判断される値(一例として、0[km/h])に設定することができる。
【0048】
制御部20は、絶縁抵抗測定器60自体のフェイル、絶縁抵抗測定器60と連結された配線のフェイル、または絶縁抵抗測定器60の出力値のフェイルなどが発生する場合、誤った絶縁抵抗測定値により衝突が発生したと誤って判断し得る。従って、制御部20は、絶縁抵抗測定値が前記基準抵抗値以下の状態で、燃料電池車両が停止したか否かを判断する。
【0049】
S220ステップにおいて、前記燃料電池車両の速度が前記基準速度を超えれば、制御部20は、本発明の他の実施例に係る燃料電池車両の安全システム制御方法を終了する。
【0050】
S220ステップにおいて、前記燃料電池車両の速度が前記基準速度以下であれば、制御部20は、前記安全モードに進入する(S230)。これにより、燃料電池車両が危険状態にあるか否かを正確に判断することができる。
【0051】
上述したように本発明の実施例によると、絶縁抵抗測定値に基づいて燃料電池車両が危険状態にあるか否かを判断して、電力および水素の供給を遮断することができる。
【0052】
以上で本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0053】
10:電源
12:燃料電池
14:高電圧バッテリー
20:制御部
30:電力負荷
42:水素タンク
44:水素供給ライン
46:第1バルブ
52:空気ブロワ
54:空気供給ライン
56:第2バルブ
60:絶縁抵抗測定器
62:シャーシ
72:衝突感知部
74:車速感知部
100:安全システム