特許第6440543号(P6440543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6440543電力需要予測装置および電力需要予測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440543
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】電力需要予測装置および電力需要予測方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20181210BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20181210BHJP
   G06F 19/00 20180101ALI20181210BHJP
   E03F 5/22 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H02J3/00 130
   G06Q50/06
   G06F19/00 100
   E03F5/22
【請求項の数】11
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-55470(P2015-55470)
(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公開番号】特開2016-178738(P2016-178738A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2017年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 剛
(72)【発明者】
【氏名】西田 義人
(72)【発明者】
【氏名】岩田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】坂上 聡子
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−161336(JP,A)
【文献】 特開2014−061508(JP,A)
【文献】 特開2006−241900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00−5/00
E03F 5/22
G06F 19/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測装置において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得し、前記電力需要実績値に対して対象時刻の第一所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記電力需要実績値を検出して前記対象時刻の最大電力量値として抽出する実績データ取得部と、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出する気象情報取得部と、
前記対象時刻の最大電力量値を蓄積する最大電力量値データベースと、
前記対象時刻の過去降水量を蓄積する過去降水量データベースと、
前記対象時刻の将来降水量を蓄積する将来降水量データベースと、
前記最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測する需要予測部とを備えた電力需要予測装置。
【請求項2】
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測装置において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得する実績データ取得部と、
対象時刻の第四所定時間前から前記対象時刻までの前記ポンプの運転状態を対象運転状態として抽出するポンプデータ取得部と、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出する気象情報取得部と、
前記対象時刻の前記対象運転状態を蓄積するポンプ運転状態データベースと、
前記対象時刻の過去降水量を蓄積する過去降水量データベースと、
前記対象時刻の将来降水量を蓄積する将来降水量データベースと、
前記対象運転状態、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測する需要予測部とを備えた電力需要予測装置。
【請求項3】
前記ポンプデータ取得部は、前記対象運転状態を、前記対象時刻の第四所定時間前から前記対象時刻までの前記ポンプの最大起動数または前記ポンプの延べ起動数として抽出する請求項2に記載の電力需要予測装置。
【請求項4】
前記ポンプデータ取得部は、前記需要予測部にて予測された前記予測対象時刻の前記電力量予測値から、前記予測対象時刻の前記ポンプの運転状態を予測する請求項2または請求項3に記載の電力需要予測装置。
【請求項5】
前記需要予測部は、前記予測対象時刻の前記電力量予測値を、前記予測対象時刻の前記電力需要実績値として前記実績データ取得部に設定する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力需要予測装置。
【請求項6】
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測装置において、
前記ポンプの第一電力需要実績値と、前記施設の前記ポンプ以外の第二電力需要実績値とを取得し、
前記第一電力需要実績値に対して対象時刻の第五所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記第一電力需要実績値を検出して前記対象時刻のポンプ最大電力量値として抽出する実績データ取得部と、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値と気温値とを含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の気温値を抽出し、かつ、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出する気象情報取得部と、
前記対象時刻のポンプ最大電力量値を蓄積するポンプ最大電力量値データベースと、
前記対象時刻の気温値を蓄積する気温値データベースと、
前記対象時刻の過去降水量を蓄積する過去降水量データベースと、
前記対象時刻の将来降水量を蓄積する将来降水量データベースと、
前記ポンプ最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記第一電力需要実績値とから前記予測対象時刻の前記ポンプの第一電力量予測値を予測し、前記気温値と前記第二電力需要実績値との関係から前記予測対象時刻の前記ポンプ以外の第二電力量予測値を予測して前記第一電力量予測値と前記第二電力量予測値との合計値を前記電力量予測値として予測する需要予測部とを備えた電力需要予測装置。
【請求項7】
前記需要予測部は、前記予測対象時刻の前記第一電力量予測値を、前記予測対象時刻の前記第一電力需要実績値として、かつ、前記予測対象時刻の前記第二電力量予測値を、前記予測対象時刻の前記第二電力需要実績値として前記実績データ取得部に設定する請求項6に記載の電力需要予測装置。
【請求項8】
前記気象情報取得部は、
前記過去降水量を、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の前記降水量値に重み付けして算出し、
前記将来降水量を、前記対象時刻から前記対象時刻第三所定時間後までの各時刻の前記降水量値重み付けして算出する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力需要予測装置。
【請求項9】
下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測方法において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得し、前記電力需要実績値に対して対象時刻の第一所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記電力需要実績値を検出して前記対象時刻の最大電力量値として抽出し、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出し、
前記最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測する電力需要予測方法。
【請求項10】
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測方法において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得し、
対象時刻の第四所定時間前から前記対象時刻までの前記ポンプの運転状態を対象運転状態として抽出し、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出し、
前記対象運転状態、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測する電力需要予測方法。
【請求項11】
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測方法において、
前記ポンプの第一電力需要実績値と、前記施設の前記ポンプ以外の第二電力需要実績値とを取得し、前記第一電力需要実績値に対して対象時刻の第五所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記第一電力需要実績値を検出して前記対象時刻のポンプ最大電力量値として抽出し、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値と気温値とを含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の気温値を抽出し、かつ、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出し、
前記ポンプ最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記第一電力需要実績値とから前記予測対象時刻の前記ポンプの第一電力量予測値を予測し、前記気温値と前記第二電力需要実績値との関係から前記予測対象時刻の前記ポンプ以外の第二電力量予測値を予測して前記第一電力量予測値と前記第二電力量予測値との合計値を前記電力量予測値として予測する電力需要予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、雨水および排水を合流式にて処理する下水道ポンプ場または水再生センタなどの下水処理を行う施設の電力需要量を予測する電力需要予測装置および電力需要予測方法に関し、特に施設における雨水による電力需要量の変動を正確に予測することができるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池または発電機などの分散型電源の導入が進み、それらを連携制御するためのエネルギーマネジメントシステムが開発されている。分散型電源を最適に連携制御するには、需要家施設内の電力需要を正確に把握する必要があり、これまで、気象情報と電力需要との関係をモデル化した予測モデルを構築し、電力需要量を予測する方法が提案されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている電力需要予測方法では、各時刻の気温と電力量との関係から予測モデルを構築し、予測モデルを用いて電力需要量を予測している。また、特許文献2に記載されている電力需要予測方法では、天気および雨量等の気象データを用いて予測モデルを構築し、電力需要を予測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−164388号公報
【特許文献2】特開2013−161336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、下水処理施設は、排水処理だけでなく雨水を処理する役割を有している。通常、雨水は下水道幹線を経由して、雨水排出ポンプから海または河川へ放水される。そのため、下水処理施設の電力需要は気温との関係があまりなく、特許文献1の電力需要予測方法では、正確に予測できないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献2のように、雨量降水量を用いることで電力需要をある程度予測することができるが、下水処理施設では、一般的な施設に備わっている照明および空調などの設備に加えて、ポンプおよび貯蔵槽などの雨を処理するための設備を備えている。そして、ポンプは貯蔵槽に流れ込んできた雨水をくみ上げる際に電力を消費する。
【0007】
そのため、施設全体の電力需要は、ポンプ等の水処理設備の運転状況の影響も受けて変化する。ポンプ等の水処理設備は、これまでの数時間でどのくらいの雨が降ったのか、これから数時間でどのくらいの雨が降るのかなどの累積値によって運転状況が変化し、また、過去にいつポンプ等の水処理設備を運転したのかによって今後の運転状況が変わる。そのため、単純に雨量および電力需要量の関係に基づいた電力需要予測では正確な予測ができないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、下水処理を行う施設における雨水による電力需要量の変動を正確に予測する電力需要予測装置および電力需要予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の電力需要予測装置は、
下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測装置において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得し、前記電力需要実績値に対して対象時刻の第一所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記電力需要実績値を検出して前記対象時刻の最大電力量値として抽出する実績データ取得部と、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出する気象情報取得部と、
前記対象時刻の最大電力量値を蓄積する最大電力量値データベースと、
前記対象時刻の過去降水量を蓄積する過去降水量データベースと、
前記対象時刻の将来降水量を蓄積する将来降水量データベースと、
前記最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測する需要予測部とを備えたものである。
【0010】
また、この発明の電力需要予測装置は、
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測装置において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得する実績データ取得部と、
対象時刻の第四所定時間前から前記対象時刻までの前記ポンプの運転状態を対象運転状態として抽出するポンプデータ取得部と、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出する気象情報取得部と、
前記対象時刻の前記対象運転状態を蓄積するポンプ運転状態データベースと、
前記対象時刻の過去降水量を蓄積する過去降水量データベースと、
前記対象時刻の将来降水量を蓄積する将来降水量データベースと、
前記対象運転状態、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測する需要予測部とを備えたものである。
【0011】
また、この発明の電力需要予測装置は、
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測装置において、
前記ポンプの第一電力需要実績値と、前記施設の前記ポンプ以外の第二電力需要実績値とを取得し、
前記第一電力需要実績値に対して対象時刻の第五所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記第一電力需要実績値を検出して前記対象時刻のポンプ最大電力量値として抽出する実績データ取得部と、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値と気温値とを含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の気温値を抽出し、かつ、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出する気象情報取得部と、
前記対象時刻のポンプ最大電力量値を蓄積するポンプ最大電力量値データベースと、
前記対象時刻の気温値を蓄積する気温値データベースと、
前記対象時刻の過去降水量を蓄積する過去降水量データベースと、
前記対象時刻の将来降水量を蓄積する将来降水量データベースと、
前記ポンプ最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記第一電力需要実績値とから前記予測対象時刻の前記ポンプの第一電力量予測値を予測し、前記気温値と前記第二電力需要実績値との関係から前記予測対象時刻の前記ポンプ以外の第二電力量予測値を予測して前記第一電力量予測値と前記第二電力量予測値との合計を値前記電力量予測値として予測する需要予測部とを備えたものである。
【0012】
また、この発明の電力需要予測方法は、
下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測方法において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得し、前記電力需要実績値に対して対象時刻の第一所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記電力需要実績値を検出して前記対象時刻の最大電力量値として抽出し、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出し、
前記最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測するものである。
【0013】
また、この発明の電力需要予測方法は、
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測方法において、
前記施設の各時刻の電力需要実績値を取得する実績データ取得部と、
対象時刻の第四所定時間前から前記対象時刻までの前記ポンプの運転状態を対象運転状態として抽出し、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値を含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出し、
前記対象運転状態、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記電力需要実績値から前記予測対象時刻の前記電力量予測値を予測するものである。
【0014】
また、この発明の電力需要予測方法は、
ポンプを有し下水および雨水処理を行う施設における予測対象時刻の電力量予測値の予測を行う電力需要予測方法において、
前記ポンプの第一電力需要実績値と、前記施設の前記ポンプ以外の第二電力需要実績値とを取得し、前記第一電力需要実績値に対して対象時刻の第五所定時間前から前記対象時刻までの最大の前記第一電力需要実績値を検出して前記対象時刻のポンプ最大電力量値として抽出し、
前記施設に関係する実績値および予報値の降水量値と気温値とを含む気象情報を取得し、前記気象情報に対して、前記対象時刻の気温値を抽出し、かつ、前記対象時刻の第二所定時間前から前記対象時刻までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の過去降水量として抽出し、かつ、前記対象時刻から前記対象時刻の第三所定時間後までの各時刻の各前記降水量値の累積降水量を算出して前記対象時刻の将来降水量として抽出し、
前記ポンプ最大電力量値、前記過去降水量、および前記将来降水量の関係と前記第一電力需要実績値とから前記予測対象時刻の前記ポンプの第一電力量予測値を予測し、前記気温値と前記第二電力需要実績値との関係から前記予測対象時刻の前記ポンプ以外の第二電力量予測値を予測して前記第一電力量予測値と前記第二電力量予測値との合計を値前記電力量予測値として予測するものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明の電力需要予測装置および電力需要予測方法によれば、雨水による電力需要量の変動を正確に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態1の電力需要予測装置の構成を示す図である。
図2図1に示した電力需要予測装置における最大電力量値を説明するための図である。
図3図1に示した電力需要予測装置における過去降水量を説明するための図である。
図4図1に示した電力需要予測装置における将来降水量を説明するための図である。
図5図1に示した電力需要予測装置の需要予測部におけるニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図6図1に示した電力需要予測装置の需要予測部の動作を説明するためのフローチャートである。
図7図1に示した電力需要予測装置における最大電力量値を説明するための図である。
図8図1に示した電力需要予測装置における最大電力量値を説明するための図である。
図9図1に示した電力需要予測装置における過去降水量を説明するための図である。
図10図1に示した電力需要予測装置における過去降水量を説明するための図である。
図11図1に示した電力需要予測装置における将来降水量を説明するための図である。
図12図1に示した電力需要予測装置における将来降水量を説明するための図である。
図13】この発明の実施の形態2の電力需要予測装置の構成を示す図である。
図14図13に示した電力需要予測装置におけるポンプの対象運転状態を説明するための図である。
図15図13に示した電力需要予測装置の需要予測部におけるニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図16図13に示した電力需要予測装置の需要予測部の動作を説明するためのフローチャートである。
図17図13に示した電力需要予測装置におけるポンプの対象運転状態を説明するための図である。
図18図13に示した電力需要予測装置におけるポンプの対象運転状態を説明するための図である。
図19】この発明の実施の形態3の電力需要予測装置の構成を示す図である。
図20図19に示した電力需要予測装置の需要予測部におけるニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図21図19に示した電力需要予測装置の需要予測部におけるニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図22図19に示した電力需要予測装置の需要予測部の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における電力需要予測装置の構成を示すブロック図である。
図2図1に示した電力需要予測装置における対象時刻の最大電力量値を説明するための図である。
図3図1に示した電力需要予測装置における対象時刻の過去降水量を説明するための図である。
図4図1に示した電力需要予測装置における対象時刻の将来降水量を説明するための図である。
【0018】
図5図1に示した電力需要予測装置の需要予測部におけるニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図6図1に示した電力需要予測装置の需要予測部の動作を説明するためのフローチャートである。
図7図1に示した電力需要予測装置における予測開始時刻の最大電力量値を説明するための図である。
図8図1に示した電力需要予測装置における予測対象時刻の最大電力量値を説明するための図である。
【0019】
図9図1に示した電力需要予測装置における予測開始時刻の過去降水量を説明するための図である。
図10図1に示した電力需要予測装置における予測対象時刻の過去降水量を説明するための図である。
図11図1に示した電力需要予測装置における予測開始時刻の将来降水量を説明するための図である。
図12図1に示した電力需要予測装置における予測対象時刻の将来降水量を説明するための図である。
【0020】
図1において、電力需要予測装置1は、雨水および排水を合流式にて処理する下水道ポンプ場または水再生センタなどの下水処理を行う施設2の電力需要量を予測するものである。施設2には、例えば、ポンプ、ブロア、照明、および空調などの電力を使用する設備が存在する。よって、施設2の電力需要量は、これら各設備の使用量に応じて変動するものである。
【0021】
電力需要予測装置1は、実績データ取得部50と、気象情報取得部30と、需要予測部40と、電力需要実績値データベース(以下、データベースはDBと略して示す)11と、最大電力量値DB12と、降水量DB13と、過去降水量DB14と、将来降水量DB15とを備えている。
【0022】
実績データ取得部50は、施設2にて使用した電力の実績値を電力需要実績値ENとして取得し、時刻毎の電力需要実績値ENを電力需要実績値DB11に格納する。尚、ここでは時刻毎として、1時間毎のデータを取得するものとする。さらに、実績データ取得部50は、電力需要実績値DB11の電力需要実績値ENから、対象時刻TNの第一所定時間M1前から対象時刻TNまでの各時刻の電力需要実績値ENの内、最大の電力需要実績値ENを検出して、対象時刻TNの最大電力量値GNとして抽出する。そして、実績データ取得部50は、対象時刻TNの最大電力量値GNとして最大電力量値DB12に格納する。
【0023】
気象情報取得部30は、降水量の実績値および降水量の予報値を含む気象情報3を外部から取得し、時刻毎の降水量値SNを降水量DB13に格納する。尚、施設2に関係する気象情報3としては、外部の気象情報を提供する会社から取得してもよいし、施設2内に設置したセンサから取得してもよい。また、施設2に関係する気象情報3とは、施設2に対して雨水として流れ込むと考えられる範囲の気象情報3をさすものである。その範囲は、施設2の規模および予測の実績などにより適宜設定されるものである。また、ここでの時刻毎とは、先の電力需要実績値ENと同一の時刻毎であり、1時間毎のデータを取得するものとする。
【0024】
さらに、気象情報取得部30は、降水量DB13の各時刻の降水量値SNから、対象時刻TNの第二所定時間M2前から対象時刻TNまでの各時刻の各降水量値SNの累積降水量を算出し、対象時刻TNの過去降水量RNとして抽出する。そして、気象情報取得部30は、対象時刻TNの過去降水量RNとして過去降水量DB14に格納する。
【0025】
さらに、気象情報取得部30は、降水量DB13の各時刻の降水量値SNから、対象時刻TNから対象時刻TNの第三所定時間M3後までの各時刻の各降水量値SNの累積降水量を算出し、対象時刻TNの将来降水量QNとして抽出する。そして、気象情報取得部30は、対象時刻TNの将来降水量QNとして将来降水量DB15に格納する。
【0026】
需要予測部40は、電力需要実績値DB11、最大電力量値DB12、過去降水量DB14、および、将来降水量DB15に蓄積されている対象時刻TNの最大電力量値GN、過去降水量RN、および将来降水量QNの関係性および電力需要実績値ENから予測対象時刻TXの電力量予測値FXを予測するものである。
【0027】
上記のように構成された実施の形態1の電力需要予測装置1の予測対象時刻TXの電力量予測値FXを予測する方法について説明する。まず、当該予測を行う前に、例えば、過去数年に渡る施設2および気象情報3のデータを用いて、各対象時刻TNの最大電力量値GN、過去降水量RN、および、将来降水量QNを抽出または算出して関係性を得る。尚、数年に渡るデータが存在すれば、季節毎の変化の関係性を得ることができるため適当であるものの、これに限られることなく、数日間または数ヶ月間のデータを用いて算出しても当該予測を行うことは可能である。尚、このことは以下の実施の形態においても同様のため、その説明は適宜省略する。
【0028】
次に、実績データ取得部50は、施設2にて使用した電力の実績値を1時間毎に電力需要実績値ENとして取得して、時刻毎の電力需要実績値ENを電力需要実績値DB11に格納する。そして、実績データ取得部50は、電力需要実績値DB11の電力需要実績値ENから、図2に示すように、対象時刻TNの第一所定時間M1前、ここでは例えば4時間(4H)前の対象時刻TN−M1から対象時刻TNまでの各時刻の電力需要実績値ENをそれぞれ抽出する。そして各電力需要実績値EN内、最大の電力需要実績値ENを検出して、対象時刻TNの最大電力量値GNとして抽出する。
【0029】
そして、実績データ取得部50は、対象時刻TNの最大電力量値GNとして最大電力量値DB12に格納する。このように各時刻をそれぞれ対象時刻TNとして、各時刻(対象時刻TN)の最大電力量値GNを検出して、それぞれ対象時刻TNに関連付けて格納しておく。
【0030】
次に、気象情報取得部30は、1時間毎の降水量の実績値および降水量の予報値を含む気象情報3を外部から取得し、1時間毎の降水量値SNを降水量DB13に格納する。
そして、気象情報取得部30は、降水量DB13の各時刻の降水量値SNから、図3に示すように、対象時刻TNの第二所定時間M2前、ここでは例えば7時間(7H)前の対象時刻TN−M2から対象時刻TN(但し、対象時刻TNを含まない)までの各時刻の各降水量値SNの累積降水量を算出する。そして、対象時刻TNの過去降水量RNとして抽出する。
【0031】
ここで、過去降水量RNを算出する場合、各時刻に対する降水量値SNに重み付けを行わない場合、または、各時刻に対する降水量値SNに重み付けを行うために重みαLを乗算して算出する場合が考えられる。
【0032】
各時刻に重み付けを行わない場合は、ここでは第二所定時間M2が7時間であるため、重みαLは、
{α0、α1、α2、α3、α4、α5、α6}={1.0、1.0、1.0、1.0、1.0、1.0、1.0}
と、全て1.0同じ値を取り、各時刻の重み付けを行わない場合が考えられる。
尚、重みαLの添え字Lは、対象時刻TNから1時間前の時刻T1から対象時刻TN−M2にかけて、0、1、2、3、4、5、6と値を取るものである。
【0033】
また、各時刻の降水量値SNに重み付けを行う場合は、重みαLは、0.0から1.0までの実数値を取り、
{α0、α1、α2、α3、α4、α5、α6}={0.0、1.0、0.75、0.5、0.25、0.125、0.0625}
このように、各時刻によって異なる重み付け値の重みαLを取ることが考えられる。よって、以下に示す(式1)にて過去降水量RNを求めることができる。
【0034】
【数1】
【0035】
尚、この重み付け値は、各施設2と、降水量との関係により適宜変更され設定されるものであり、一般的には、対象時刻TNに近い時刻に対して重みαLの値が大きくなると考えられる。但し、ここでは、対象時刻TNに一番近い1時間前の過去の時刻T1の降水量は、施設2に流れ込むまでに達していないと考え、重みα0=0として過去降水量RNに対して実施的に積算しない考えを示している。
【0036】
そして、気象情報取得部30は、対象時刻TNの過去降水量RNとして過去降水量DB14に格納する。このように各時刻をそれぞれ対象時刻TNとして、各時刻(対象時刻TN)の過去降水量RNを算出して、それぞれ対象時刻TNに関連付けて格納しておく。
【0037】
さらに、気象情報取得部30は、降水量DB13の各時刻の降水量値SNから、図4に示すように、対象時刻TNから対象時刻TNの第三所定時間M3後前、ここでは例えば6時間(6H)後の対象時刻TN+M3までの各時刻の各降水量値SNの累積降水量を算出する。そして、対象時刻TNの将来降水量QNとして抽出する。
【0038】
ここで、将来降水量QNを算出する場合、各時刻に対する降水量値SNに重み付けを行わない場合、または、各時刻に対する降水量値SNに重み付けを行うために重みβKを乗算して算出する場合が考えられる。
【0039】
各時刻に重み付けを行わない場合は、ここでは第三所定時間M3が6時間であるため、重みβKは、
{β0、β1、β2、β3、β4、β5}={1.0、1.0、1.0、1.0、1.0、1.0}
と、全て1.0と同じ値を取り、各時刻の重み付けを行わない場合が考えられる。
尚、重みβKの添え字Kは、対象時刻TNから対象時刻TN+M3にかけて、0、1、2、3、4、5と値を取るものである。
【0040】
また、各時刻の降水量値SNに重み付けを行う場合は、重みβKは、0.0から1.0までの実数値を取り、
{β0、β1、β2、β3、β4、β5}={1.0、0.75、0.5、0.25、0.125、0.0625}
このように、各時刻によって異なる重み付け値の重みβKを取ることが考えられる。よって、以下に示す(式2)にて将来降水量QNを求めることができる。
【0041】
【数2】
【0042】
尚、この重み付け値は、各施設2と、降水量との関係により適宜変更され設定されるものであり、一般的には、対象時刻TNに近い時刻に対して重みβKの値が大きくなると考えられる。
【0043】
そして、気象情報取得部30は、対象時刻TNの将来降水量QNとして将来降水量DB15に格納する。このように各時刻をそれぞれ対象時刻TNとして、各時刻(対象時刻TN)の将来降水量QNを算出して、それぞれ対象時刻TNに関連付けて格納しておく。
【0044】
尚、ここで示した例においては、対象時刻TNの降水量値SNは、過去降水量RNに積算せず、将来降水量QNに積算する方法を示したが、これに限られることはなく、過去降水量RNに積算して、将来降水量QNに積算しない方法も考えられる。
【0045】
次に、需要予測部40について説明する。
上記に示したように求められた、過去の各対象時刻TNに対する過去降水量DB14、将来降水量DB15、最大電力量値DB12、電力需要実績値DB11の各値を用いて、対象時刻TN毎の予測モデルを構築する。そして、予測対象時刻TXの過去降水量RX、将来降水量QX、最大電力量値GXから予測対象時刻TXの電力量予測値FXを算出する。
【0046】
尚、電力量予測値FXの算出方法としては、重回帰分析、または、ニューラルネットワークによる予測モデルを用いて算出する方法が考えられる。また、パターンマッチングによる手法を用いる方法が考えられる。
【0047】
まず、具体例として、重回帰分析による予測モデルを用いた電力量予測値の算出方法について説明する。
予測モデルを用いた予測対象時刻TXの電力量予測値FXの算出式を、(式3)にて次に示す。
【0048】
電力量予測値(FX)=PP・過去降水量(RN)+PF・将来降水量(QN)+MAX・最大電力量値(GN)+intercept ・・・(式3)
【0049】
ここで、PP、PF、MAXとは偏回帰係数であり、interceptとは切片をそれぞれ表している。尚、各編回帰係数と切片とは最小二乗法を用いて、以下に示す(式4)の誤差の平方和が最小となるような定数項を求める。
【0050】
【数3】
【0051】
次に、具体例として、ニューラルネットワークによる予測モデルを用いた電力量予測値の算出方法について説明する。
ニューラルネットワークの予測モデルの例を図5に示す。
図5に示すように、予測対象時刻TXの過去降水量RX、将来降水量QX、最大電力量値GXを入力値とし、予測モデルを用いて予測対象時刻TXの電力量予測値FXを算出する。電力量予測値FXの算出式を、(式5)にて次に示す。
【0052】
【数4】
【0053】
ここで、Xjは入力値である、過去降水量RX、将来降水量QX、最大電力量値GXを表し、wiは中間層から出力層を結ぶ各ユニットの結合係数、wijは入力層と中間層を結ぶ各ユニットの結合係数、fは出力層における出力関数、fjは中間層における出力関数を表す。尚、各ユニットの結合係数wi、wijについては、過去の各時刻の過去降水量RN、将来降水量QN、最大電力量値GNと、電力需要実績値ENとの関係から最小二乗法により算出する。
【0054】
次に、具体例として、パターンマッチングによる手法を用いた電力量予測値FXの算出方法について説明する。図6は需要予測部40における電力需要予測の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
まず、電力需要予測に使用する電力需要実績値ENを過去の電力需要実績値DB11から取得するための絞り込み条件を取得する(図6のステップST1)。
例えば、絞り込み条件とは、過去降水量RN、将来降水量QN、最大電力量値GNの3つを使用した、以下の例が考えられる。
【0056】
|予測対象時刻TXの過去降水量RX−比較する対象時刻TNの過去降水量RN|≦A1=1mm
|予測対象時刻TXの将来降水量QX−比較する対象時刻TNの将来降水量QN|≦A2=2mm
|予測対象時刻TXの最大電力量値GX−比較する対象時刻TNの最大電力量値GN|≦A3=500kW
以上、各式を絞り込み条件とする。
【0057】
尚、予測対象時刻TXとは、現在時刻を含む将来の電力需要を予測する任意の時刻のことである。また、比較の対象時刻TNとは、現在時刻を含まない過去の任意の時刻のことである。また、A1、A2、A3は、ここでは1mm、5mm、500kWをそれぞれ設定したが、これに限られることはなく、0以上の値を取り、施設2の設備構成および排水処理の可能量などによって異なるため、システム導入時に過去データを使用して精度評価を実施し、最もよい値を設定する。
【0058】
次に、絞り込み条件に基づいて、電力需要実績値DB11から絞り込み条件に該当する比較の対象時刻TNの電力需要実績値ENを取得する(図6のステップST2)。
次に、取得した電力需要実績値ENの平均値を算出し、この値を予測対象時刻TXの電力量予測値FXとする(図6のステップST3)。
【0059】
以上に示したように、需要予測部40にて各方法を用いて予測された予測対象時刻TXの電力量予測値FXは、予測対象時刻TXの電力需要実績値EXとして電力需要実績値DB11に格納する。尚、予測対象時刻TXの時刻の予測に基づいて保存された電力需要実績値EXは、実際の時刻が予測対象時刻TXに到達して、実際の電力需要実績値EXを得ることができた際には、実際の電力需要実績値EXを置き換えて保存するものである。
【0060】
以下、実際に予測を行う場合について更に説明する。予測を行う時刻である予測開始時刻TYにおいて、予測を行うべき時刻である予測対象時刻TXまでの電力需要実績値ENは、図7に示すように、予測開始時刻TYも含めて予測対象時刻TXまで存在しない。
【0061】
よって、上記に示した方法により、まず、予測開始時刻TYの電力量予測値FYを算出する。そして、図8に示すように、この電力量予測値FYを、予測開始時刻TYの電力量予測値FYとして、電力需要実績値DB11に登録する。そして、この予測開始時刻TYから予測対象時刻TXまでの各対象時刻TNに対応する電力量予測値FXを順次求める。
【0062】
またこの場合における、予測対象時刻TXにおける過去降水量RXについて説明する。図9に示すように、予測開始時刻TYにおいては、実績値の降水量値SNのみにて、過去降水量RYは求められる。しかしながら、図10に示すように、予測対象時刻TXの第二所定時間M2時間前から予測対象時刻TXまでの各時刻の降水量値SNは実績値が存在しないため、予報値を用いて算出することとなる。
【0063】
また、予測対象時刻TXにおける将来降水量QXについて説明する。図11および図12に示すように、予測開始時刻TY、予測対象時刻TXのいずれの場合も、降水量の実績値は存在しないため、各時刻の降水量値SNの予報値を用いて、将来降水量QY、将来降水量QXとしてそれぞれ算出することとなる。
【0064】
上記のように構成された実施の形態1の電力需要予測装置によれば、
所定時間前から予測対象時刻までの累積降水量、予測対象時刻から所定時間先までの累積降水量と、所定時間前から予測対象時刻までの最大電力量値と、電力需要実績値との関係を用いて、予測対象時刻の電力量予測値の予測を行っているので、施設における雨水の変動を加味した電力需要を精度よく予測することができる。
【0065】
また、需要予測部は、予測対象時刻の電力量予測値を、予測対象時刻の電力需要実績値として電力需要実績値DBに格納し、実績データ取得部が予測対象時刻の電力需要実績値として設定できるため、順々に予測対象時刻の電力量予測値を行うことができる。
【0066】
また、過去降水量および将来降水量を、各対象時刻の降水量値に重み付けして算出しているため、施設の状況に応じて、雨水の変動を加味した電力需要をさらに精度よく予測することができる。
【0067】
尚、上記実施の形態1において示した、各パラメータ(所定時間、時間毎、重みなどの値)は、施設の設備構成および排水処理の可能量などによって異なる。このため、各パラメータは過去データを使用して精度評価を実施し、適切であると考えられる値を設定するものである。
【0068】
また、各パラメータは始めに設定したものに限定されるものではなく、電力量の予測の評価に応じて、適宜変更することが考えられる。
また、このことは以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
【0069】
実施の形態2.
図13はこの発明の実施の形態2における電力需要予測装置の構成を示すブロック図である。
図14図13に示した電力需要予測装置の対象時刻におけるポンプの対象運転状態を説明するための図である。
図15図13に示した電力需要予測装置の需要予測部におけるニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
【0070】
図16図13に示した電力需要予測装置の需要予測部の動作を説明するためのフローチャートである。
図17図13に示した電力需要予測装置の予測開始時刻におけるポンプの対象運転状態を説明するための図である。
図18図13に示した電力需要予測装置の予測対象時刻におけるポンプの対象運転状態を説明するための図である。
尚、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
図13において、電力需要予測装置1は、ポンプデータ取得部60と、ポンプ運転状態DB16とを備える。ポンプデータ取得部60は、施設2のポンプの運転状態を取得し、時刻毎のポンプの運転状態をポンプ運転状態DB16に格納する。尚、ここでは時刻毎として、上記実施の形態1と同様に1時間毎のデータを取得するものとする。
さらに、ポンプデータ取得部60は、ポンプ運転状態DB16のポンプの運転状態から、対象時刻TNの第四所定時間M4前から対象時刻TNまでのポンプの運転状態を対象時刻TNの対象運転状態として抽出してポンプ運転状態DB16に格納する。
【0072】
次に上記のように構成された実施の形態2の電力需要予測装置1の動作について説明する。尚、上記実施の形態1と同様の動作の部分は適宜省略する。
まず、ポンプデータ取得部60は、施設2のポンプの運転状態として、ポンプのONまたはOFFの1時間毎のポンプのONの台数の運転情報を、例えば図14に示すように取得する。
【0073】
そして、ポンプデータ取得部60は、対象時刻TNの第四所定時間M4前、ここでは例えば7時間(7H)前の対象時刻TN−7Hから対象時刻TNまでの各時刻のポンプの運転状態をそれぞれ抽出する。そして、ここでは、各ポンプの運転状態の内、最大起動数VNを対象運転状態として検出して、対象時刻TNの最大起動数VNとして抽出する。
【0074】
そして、ポンプデータ取得部60は、対象時刻TNの対象運転状態を最大起動数VNとしてポンプ運転状態DB16に格納する。このように、各時刻をそれぞれ対象時刻TNとして、各時刻(対象時刻TN)の最大起動数VNを検出して、それぞれ対象時刻TNに関連付けて格納しておく。
【0075】
尚、対象時刻TNの対象運転状態として、対象時刻TNの第四所定時間M4時間前から対象時刻TNまでの各時刻のポンプの起動数の内の最大起動数VNを設定する場合を示したが、これに限られることはなく、例えば、対象時刻TNのM4時間前から対象時刻TNまでの各時刻のポンプの起動数の延べ起動数を設定してもよい。
【0076】
次に、需要予測部40について説明する。尚、対象時刻TNにおける、過去降水量RNおよび将来降水量QNは、上記実施の形態1と同様に算出するため、その説明は省略する。上記のようにして求められた、過去の各対象時刻TNに対する過去降水量DB14、将来降水量DB15、ポンプ運転状態DB16、電力需要実績値DB11の各値を用いて、対象時刻TN毎の予測モデルを構築する。そして、予測対象時刻TXの過去降水量RX、将来降水量QX、最大起動数VXから予測対象時刻TXの電力量予測値FXを算出する。
【0077】
尚、電力量予測値FXの算出方法としては、上記実施の形態1と同様に、重回帰分析、または、ニューラルネットワークによる予測モデルを用いて算出する方法が考えられる。また、パターンマッチングによる手法を用いる方法が考えられる。
【0078】
まず、具体例として、重回帰分析による予測モデルを用いた電力量予測値の算出方法について説明する。予測モデルを用いた予測対象時刻TXの電力量予測値FXの算出式を、(式6)にて次に示す。
【0079】
電力量予測値(FX)=PP・過去降水量(RN)+PF・将来降水量(QN)+pomp・ポンプ起動状態(VN)+intercept ・・・(式6)
【0080】
ここで、PP、PF、pompとは偏回帰係数であり、interceptとは切片をそれぞれ表している。尚、各編回帰係数と切片とは最小二乗法を用いて、以下に示す(式7)の誤差の平方和が最小となるような定数項を求める。
【0081】
【数5】
【0082】
次に、具体例として、ニューラルネットワークによる予測モデルを用いた電力量予測値の算出方法について説明する。ニューラルネットワークの予測モデルの例を図15示す。図15に示すように、予測対象時刻TXの過去降水量RX、将来降水量QX、最大起動数VXを入力値とし、予測モデルを用いて予測対象時刻TXの電力量予測値FXを算出する。電力量予測値FXの算出式を、(式8)にて次に示す。
【0083】
【数6】
【0084】
ここで、Xjは入力値である、過去降水量RX、将来降水量QX、最大起動数VXを表し、wiは中間層から出力層を結ぶ各ユニットの結合係数、wijは入力層と中間層を結ぶ各ユニットの結合係数、fは出力層における出力関数、fjは中間層における出力関数を表す。尚、各ユニットの結合係数wi、wijについては、過去の各時刻の過去降水量RN、将来降水量QN、最大起動数VNと、電力需要実績値ENとの関係から最小二乗法により算出する。
【0085】
次に、具体例として、パターンマッチングによる手法を用いた電力量予測値の算出方法について説明する。図16は需要予測部40における電力需要予測の処理手順を示すフローチャートである。
【0086】
まず、電力需要予測に使用する電力需要実績値ENを過去の電力需要実績値DB11から取得するための絞り込み条件を取得する(図16のステップST11)。
例えば、絞り込み条件とは、過去降水量RN、将来降水量QN、最大起動数VNの3つを使用した、以下の例が考えられる。
【0087】
|予測対象時刻TXの過去降水量RX−比較する対象時刻TNの過去降水量RN|≦A4=1mm
|予測対象時刻TXの将来降水量QX−比較する対象時刻TNの将来降水量QN|≦A2=5mm
予測対象時刻TXの最大起動数VX=比較する対象時刻TNの最大起動数VN
以上、各式を絞り込み条件とする。
【0088】
尚、予測対象時刻TXとは、現在時刻を含む将来の電力需要を予測する任意の時刻のことである。また、比較する対象時刻TNとは、現在時刻を含まない過去の任意の時刻のことである。また、A4、A5は、ここでは1mm、5mmをそれぞれ設定したが、これに限られることはなく、0以上の値を取り、施設2の設備構成および排水処理の可能量などによって異なるため、システム導入時に過去データを使用して精度評価を実施し、最もよい値を設定する。
【0089】
次に、絞り込み条件に基づいて、電力需要実績値DB11から絞り込み条件に該当する比較の対象時刻TNの電力需要実績値ENを取得する(図16ステップST12)。
次に、取得した電力需要実績値ENの平均値を算出し、この値を予測対象時刻TXの電力量予測値FXとする(図16のステップST13)。
【0090】
以上に示したように、需要予測部40にて各方法を用いて予測された予測対象時刻TXの電力量予測値FXは、予測対象時刻TXの電力需要実績値EXとして電力需要実績値DB11に格納する。尚、予測対象時刻TXの時刻の予測に基づいて保存された電力需要実績値EXは、実際の時刻が予測対象時刻TXに到達して、実際の電力需要実績値EXを得ることができた際には、実際の電力需要実績値EXを置き換えて保存するものである。
【0091】
以下、実際に予測を行う場合について更に説明する。予測を行う時刻である予測開始時刻TYにおいて、予測を行うべき時刻である予測対象時刻TXまでの最大起動数VNは、図17に示すように、予測開始時刻TYから予測対象時刻TXまで、ポンプの運転状態の情報が存在しないため、検出することができない。尚、予測開始時刻TYの最大起動数VYは、”2”として抽出できる。よって、それ以後の予測対象時刻TXまで最大起動数VXを、簡便に予測するために、図18に示すように、予測開始時刻TYも含めて予測対象時刻TXまで、最大起動数VNからVXをそれぞれ0として設定して行うことも考えられる。
【0092】
また、予測開始時刻TYから予測対象時刻TXまでの、最大起動数VNを求める方法として、まず、上記に示した方法により、予測開始時刻TYの電力量予測値FYを算出する。そして、この電力量予測値FYを、予測開始時刻TYの電力需要実績値EYとして、電力需要実績値DB11に登録する。
【0093】
そして、ポンプデータ取得部60が、この予測開始時刻TYの電力量予測値FY(=電力需要実績値EY)から、予測開始時刻TYのポンプの運転状態、すなわち、ポンプの運転台数を予測する。その際例えば、次のような条件式に基づいて予測することができる。
【0094】
ポンプ0台:0≦電力量予測値FY≦閾値γ1
ポンプ1台:閾値γ1≦電力量予測値FY≦閾値γ2
ポンプ2台:閾値γ2≦電力量予測値FY≦閾値γ3
・・・
ポンプn台:閾値γn≦電力量予測値FY
尚、閾値γnは施設2のポンプの台数分存在し、この閾値については、過去の電力需要実績値ENとポンプの運転台数とから推定した値を設定する。
【0095】
具体的は、施設2にポンプが3台、第一ポンプ、第二ポンプ、および、第三ポンプが存在し、各ポンプ起動時の電力量が以下に示す場合について説明する。
第一ポンプ起動時=1000kW
第二ポンプ起動時=1500kW
第三ポンプ起動時=800kW
【0096】
よって、上記に示した条件式は以下に示すように設定される。
ポンプ0台:0≦電力量予測値FY<800kW
ポンプ1台:800kW≦電力量予測値FY<1800kW
ポンプ2台:1800kW≦電力量予測値FY<2500kW
ポンプ3台:2500kW≦電力量予測値FY
【0097】
よって、例えば、電力量予測値FYが1000kWであれば、ポンプの起動台数は1台と推定される。そして、算出した予測開始時刻TYのポンプの運転状態をポンプ運転状態DB16に格納する。このようにして、予測対象時刻TXまでの各対象時刻TNに対応するポンプの運転状態である順次求め、これに基づいて、予測対象時刻TXまでの各対象時刻TNに対応する電力量予測値FXを順次求める。
【0098】
上記のように構成された実施の形態2の電力需要予測装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、所定時間前から予測対象時刻までの累積降水量、予測対象時刻から所定時間先までの累積降水量と、所定時間前から予測対象時刻までのポンプの対象運転状態と、電力需要実績値との関係を用いて、予測対象時刻の電力量予測値の予測を行っているので、施設の雨水の変動を加味した電力需要を精度よく予測することができる。
【0099】
また、ポンプデータ取得部は、対象運転状態を、ポンプの最大起動数またはポンプの延べ起動数として抽出して設定できるため、対象運転状態の設定を簡便に行うことができる。
【0100】
さらに、電力量予測値を用いてポンプの運転状態を予測することができるため、電力量予測値をより精度の高く予測することが可能になる。
【0101】
実施の形態3.
図19はこの発明の実施の形態3における電力需要予測装置の構成を示すブロック図である。
図20図19に示した電力需要予測装置の需要予測部における第一電力量予測値を求めるためのニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図21図19に示した電力需要予測装置の需要予測部における第二電力量予測値を求めるためのニューラルネットワークの予測モデルを説明するための図である。
図22図19に示した電力需要予測装置の需要予測部の動作を説明するためのフローチャートである。
尚、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0102】
図19において、電力需要予測装置1は、第一電力需要実績値DB17と、ポンプ最大電力量値DB18と、第二電力需要実績値DB19と、気温値DB20とを備える。
そして、実績データ取得部50は、施設2のポンプのみの時刻毎の第一電力需要実績値EPNを第一電力需要実績値DB17に格納する。
さらに、実績データ取得部50は、施設2のポンプ以外の時刻毎の第二電力需要実績値EENを第二電力需要実績値DB19に格納する。
尚、ここでは時刻毎として、上記各実施の形態と同様に1時間毎のデータを取得するものとする。
【0103】
さらに、実績データ取得部50は、第一電力需要実績値DB17の第一電力需要実績値EPNから、対象時刻TNの第五所定時間M5前から対象時刻TNまでの各時刻の第一電力需要実績値EPNの内、最大の第一電力需要実績値EPNを検出して、対象時刻TNのポンプ最大電力量値GPNとして抽出する。
そして、実績データ取得部50は、対象時刻TNのポンプ最大電力量値GPNとしてポンプ最大電力量値DB18に格納する。
【0104】
気象情報取得部30は、気温値の実績値および気温値の予測値を含む気象情報3を外部から取得し、時刻毎の気温値UNを気温値DB20に格納する。
また、ここでの時刻毎とは、各電力需要実績値EPN、EENと同一の時刻毎であり、1時間毎のデータを取得するものとする。
尚、気象情報取得部30の降水量に関しては、上記実施の形態1と同様に取得し、さらに、対象時刻TNにおける、過去降水量RNおよび将来降水量QNについては、上記実施の形態1と同様に算出するため、その説明は適宜省略する。
【0105】
次に上記のように構成された実施の形態3の電力需要予測装置1の動作について説明する。尚、上記各実施の形態と同様の動作の部分は適宜省略する。
まず、実績データ取得部50は、施設2に設置されているポンプ、ブロア、照明、空調、等のそれぞれの設備の時刻毎の電力需要実績値を取得する。そして、取得したデータをポンプのみの第一電力需要実績値EPNと、ポンプ以外の第二電力需要実績値EENとに分けて算出する。そして、第一電力需要実績値EPNを第一電力需要実績値DB17に、また、第二電力需要実績値EENを第二電力需要実績値DB19にそれぞれ格納する。
【0106】
そして、実績データ取得部50は、第一電力需要実績値DB17の第一電力需要実績値EPNから、対象時刻TNの第五所定時間M5前、ここでは例えば4時間(4H)前の対象時刻TN−M5から対象時刻TNまでの各時刻の第一電力需要実績値EPNをそれぞれ抽出する。そして各第一電力需要実績値EPNの内、最大の第一電力需要実績値EPNを検出して、対象時刻TNのポンプ最大電力量値GPNとして抽出する。
【0107】
そして、実績データ取得部50は、対象時刻TNのポンプ最大電力量値GPNとしてポンプ最大電力量値DB18に格納する。このように各時刻をそれぞれ対象時刻TNとして、各時刻(対象時刻TN)のポンプ最大電力量値GPNを検出して、それぞれ対象時刻TNに関連付けて格納しておく。
尚、この方法は、上記実施の形態1にて示した、最大電力量値GNと同様に行うことができるため、その詳細の説明は省略する。
【0108】
次に、気象情報取得部30は、1時間毎の気温値の実績値および気温値の予報値を含む気象情報3を外部から取得し、1時間毎の気温値UNを気温値DB20に格納する。
尚、気象情報取得部30の降水量に関しては、上記実施の形態1と同様に取得し、さらに、対象時刻TNにおける、過去降水量RNおよび将来降水量QNについては、上記実施の形態1と同様に算出するため、その説明は適宜省略する。
【0109】
次に、需要予測部40について説明する。
本実施の形態3においては、電力需要予測を、施設2のポンプと、施設2のポンプ以外とに分けて予測する。
上記に示したように求められた、過去の各対象時刻TNに対する過去降水量DB14、将来降水量DB15、ポンプ最大電力量値DB18、第一電力需要実績値DB17の各値を用いて、対象時刻TN毎の予測モデルを構築する。
【0110】
そして、予測対象時刻TXの過去降水量RX、将来降水量QX、ポンプ最大電力量値GPXから予測対象時刻TXの第一電力量予測値FPXを算出する。さらに、第二電力需要実績値DB19、気温値DB20の各値を用いて、対象時刻TN毎の予測モデルを構築する。そして、予測対象時刻TXの気温値UXから予測対象時刻TXの第二電力量予測値FFXを算出する。そして、これら第一電力量予測値FPXと第二電力量予測値FFXとを合計して、予測対象時刻TXの電力量予測値FXを予測する。
【0111】
尚、電力量予測値FXの算出方法としては、上記各実施の形態と同様に、重回帰分析、または、ニューラルネットワークによる予測モデルを用いて算出する方法が考えられる。また、パターンマッチングによる手法を用いる方法が考えられる。
【0112】
まず、具体例として、重回帰分析による予測モデルを用いたポンプの第一電力量予測値FPXの算出方法について説明する。
予測モデルを用いた予測対象時刻TXのポンプの第一電力量予測値FPXの算出式を、(式9)にて次に示す。
【0113】
第一電力量予測値(FPX)=PP・過去降水量(RN)+PF・将来降水量(QN)+MAX・ポンプ最大電力量値(GPN)+intercept ・・・(式9)
【0114】
ここで、PP、PF、MAXとは偏回帰係数であり、interceptとは切片をそれぞれ表している。尚、各編回帰係数と切片とは最小二乗法を用いて、以下に示す(式10)の誤差の平方和が最小となるような定数項を求める。
【0115】
【数7】
【0116】
次に、重回帰分析による予測モデルを用いたポンプ以外の第二電力量予測値FFXの算出方法について説明する。
予測モデルを用いた予測対象時刻TXのポンプ以外の第二電力量予測値FFXの算出式を、(式11)にて次に示す。
【0117】
第二電力量予測値(FFX)=temp・気温値(U)+intercept
・・・(式11)
【0118】
ここで、tempは回帰係数であり、interceptとは切片をそれぞれ表している。尚、回帰係数と切片とは最小二乗法を用いて、以下に示す(式12)の誤差の平方和が最小となるような定数項を求める。
【0119】
【数8】
【0120】
そして、このようにして求められた、第一電力量予測値FPXおよび第二電力量予測値FFXを合計して、施設2の予測対象時刻TXの電力量予測値FXを算出する。
【0121】
次に、具体例として、ニューラルネットワークによる予測モデルを用いた電力量予測値の算出方法について説明する。
ポンプの第一電力量予測値FPXを算出するためのニューラルネットワークの予測モデルの例を図20に示す。
【0122】
図20に示すように、予測対象時刻TXの過去降水量RX、将来降水量QX、ポンプ最大電力量値GPNを入力値とし、予測モデルを用いて予測対象時刻TXの第一電力量予測値FPXを算出する。第一電力量予測値FPXの算出式を、(式13)にて次に示す。
【0123】
【数9】
【0124】
ここで、Xjは入力値である、過去降水量RX、将来降水量QX、ポンプ最大電力量値GPNを表し、wiは中間層から出力層を結ぶ各ユニットの結合係数、wijは入力層と中間層を結ぶ各ユニットの結合係数、fは出力層における出力関数、fjは中間層における出力関数を表す。尚、各ユニットの結合係数wi、wijについては、過去の各時刻の過去降水量RN、将来降水量QN、最大起動数VNと、第一電力需要実績値EPNとの関係から最小二乗法により算出する。
【0125】
ポンプ以外の第二電力量予測値FFXを算出するためのニューラルネットワークの予測モデルの例を図21に示す。
図21に示すように、予測対象時刻TXの気温値、同一日の最高気温値、同一日の最低気温値を入力値とし、予測モデルを用いて予測対象時刻TXの第二電力量予測値FFXを算出する。第二電力量予測値FFXの算出式を、(式14)にて次に示す。
【0126】
【数10】
【0127】
ここで、Xjは入力値である、気温、同一日の最高気温、同一日の最低気温を表し、wiは中間層から出力層を結ぶ各ユニットの結合係数、wijは入力層と中間層を結ぶ各ユニットの結合係数、fは出力層における出力関数、fjは中間層における出力関数を表す。尚、各ユニットの結合係数wi、wijについては、過去の各時刻の気温、同一日の最高気温、同一日の最低気温、第二電力需要実績値EENとの関係から最小二乗法により算出する。
【0128】
そして、このようにして求められた、第一電力量予測値FPXおよび第二電力量予測値FFXを合計して、施設2の予測対象時刻TXの電力量予測値FNを算出する。
【0129】
次に、具体例として、パターンマッチングによる手法を用いた電力量予測値の算出方法について説明する。図22は需要予測部40における電力需要予測の処理手順を示すフローチャートである。
【0130】
まず、電力需要予測に使用する第二電力需要実績値EENを過去の第二電力需要実績値DB19から取得するための絞り込み条件を取得する(図22のステップST21)。
例えば、絞り込み条件とは、気温値UNを使用した、以下の例が考えられる。
【0131】
|予測対象時刻TXの気温値UX(予測値)−比較の対象時刻TNの気温値UN(実測値)|≦A7
上記、式を絞り込み条件とする。
尚、A7は、0以上の値を取り、施設2の設備構成および排水処理の可能量などによって異なるため、システム導入時に過去データを使用して精度評価を実施し、最もよい値を設定する。
【0132】
次に、絞り込み条件に基づいて、第二電力需要実績値DB19から絞り込み条件に該当する比較の対象時刻TNの第二電力需要実績値EENを取得する(図22のステップST22)。
次に、取得した第二電力需要実績値EENの平均値を算出し、この値を予測対象時刻TXの第二電力量予測値FFXとする(図22のステップST23)。
【0133】
次に、電力需要予測に使用する第一電力需要実績値EPNを過去の第一電力需要実績値DB17から取得するための絞り込み条件を取得する(図22のステップST24)。
例えば、絞り込み条件とは、上記実施の形態1と同様に行う。このため、その説明は適宜省略する。但し、本実施の形態3においては、最大電力量値GNに変えて、ポンプ最大電力量値GPNを用いるものである。
【0134】
次に、絞り込み条件に基づいて、第一電力需要実績値DB17から絞り込み条件に該当する比較の対象時刻TNの第一電力需要実績値EPNを取得する(図22のステップST25)。
次に、取得した第一電力需要実績値EPNの平均値を算出し、この値を予測対象時刻TXの第一電力量予測値FPXとする(図22のステップST26)。
次に、先のステップST23にて算出した第二電力量予測値FFXと、第一電力量予測値FPXとを合計して、施設2の予測対象時刻TXの電力量予測値FXとして算出する(図22のステップST27)。
【0135】
以上に示したように、需要予測部40にて各方法を用いて予測された予測対象時刻TXの第一電力量予測値FPXおよび第二電力量予測値FFXは、予測対象時刻TXの第一電力需要実績値EPXとして第一電力需要実績値DB17に、また、予測対象時刻TXの第二電力需要実績値EEXとして第二電力需要実績値DB19にそれぞれ格納される。尚、予測対象時刻TXの時刻の予測に基づいて保存された各電力需要実績値EPX、EEXは、実際の時刻が予測対象時刻TXに到達して、実際の各電力需要実績値EPX、EEXを得ることができた際には、実際の各電力需要実績値EPX、EEXを置き換えて保存するものである。
【0136】
上記のように構成された実施の形態3の電力需要予測装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、降水量およびポンプの運転状態の影響を大きく受けて変化すると考えられるポンプの電力量予測値と気温の影響を大きく受けて変化すると考えられるポンプ以外の電力量予測値とを別々に算出することで、施設の雨水を加味した電力需要を精度よく予測することができる。
【0137】
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 電力需要予測装置、2 施設、3 気象情報、11 電力需要実績値DB、
12 最大電力量値DB、13 降水量DB、14 過去降水量DB、
15 将来降水量DB、16 ポンプ運転状態DB、17 第一電力需要実績値DB、
18 ポンプ最大電力量値DB、19 第二外電力需要実績値DB、20 気温値DB、30 気象情報取得部、40 需要予測部、50 実績データ取得部、
60 ポンプデータ取得部、GN 最大電力量値(対象時刻TNにおける)、
GY 最大電力量値(予測開始時刻TYにおける)、
GX 最大電力量値(予測対象時刻TXにおける)、
EN 電力需要実績値(対象時刻TNにおける)、
EX 電力需要実績値(予測対象時刻TXにおける)、
EY 電力需要実績値(予測開始時刻TYにおける)、
FY 電力量予測値(予測開始時刻TYにおける)、
FX 電力量予測値(予測対象時刻TXにおける)、TN 対象時刻、T1 時刻、
TY 予測開始時刻、TX 予測対象時刻、M1 第一所定時間、M2 第二所定時間、M3 第三所定時間、M4 第四所定時間、
RN 過去降水量(対象時刻TNにおける)、
RY 過去降水量(予測開始時刻TYにおける)、
RX 過去降水量(予測対象時刻TXにおける)、
QN 将来降水量(対象時刻TNにおける)、
QY 将来降水量(予測開始時刻TYにおける)、
QX 将来降水量(予測対象時刻TXにおける)、SN 降水量値、UN 気温値、
UX 気温値(予測対象時刻TXにおける)、VN 最大起動数、VY 最大起動数、
VX 最大起動数、αL 重み、βL 重み、γL 重み、αK 重み、βK 重み、
γK 重み。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22