特許第6440545号(P6440545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6440545蓄圧器ユニット、水素ステーション、及び、水素充填方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440545
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】蓄圧器ユニット、水素ステーション、及び、水素充填方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   F17C5/06
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-62918(P2015-62918)
(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-183685(P2016-183685A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2017年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】JXTGエネルギー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(72)【発明者】
【氏名】蓑田 愛
(72)【発明者】
【氏名】山本 暁
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−510352(JP,A)
【文献】 特開2010−121657(JP,A)
【文献】 特開2008−064160(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/194248(WO,A2)
【文献】 特開2010−032053(JP,A)
【文献】 特開2013−040648(JP,A)
【文献】 特開2004−293752(JP,A)
【文献】 特開2013−231457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 5/06
F17C 5/00
B60S 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素燃料タンクに充填される水素を貯蔵可能な蓄圧器ユニットであって、
水素を貯蔵可能な円筒状の圧力容器である第1の蓄圧器を1つ以上備えて、前記水素燃料タンクの内圧が低圧状態であるときに前記水素燃料タンクに水素を充填可能な第1の蓄圧器バンクと、
水素を貯蔵可能な円筒状の圧力容器である第2の蓄圧器を1つ以上備えて、前記水素燃料タンクの内圧が、前記低圧状態よりも高い高圧状態であるときに前記水素燃料タンクに水素を充填可能な第2の蓄圧器バンクと、
水素を貯蔵可能な円筒状の圧力容器である第3の蓄圧器を1つ以上備えて、前記水素燃料タンクの内圧が、前記低圧状態よりも高く、かつ、前記高圧状態よりも低い中圧状態であるときに前記水素燃料タンクに水素を充填可能な第3の蓄圧器バンクと、
を備え、
前記第3の蓄圧器の容積が、前記第1の蓄圧器の容積よりも小さく、かつ、前記第2の蓄圧器の容積よりも大きく、
前記第3の蓄圧器の内圧が、前記第1の蓄圧器の内圧よりも高く、かつ、前記第2の蓄圧器の内圧よりも低く、
前記蓄圧器ユニットから前記水素燃料タンクへの水素充填時には、まず、前記第1の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填され、次に、前記第3の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填され、次に、前記第2の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填され、
前記第2の蓄圧器バンクから前記水素燃料タンクに水素が充填される時間は、前記第3の蓄圧器バンクから前記水素燃料タンクに水素が充填される時間よりも短く、
前記第3の蓄圧器バンクから前記水素燃料タンクに水素が充填される時間は、前記第1の蓄圧器バンクから前記水素燃料タンクに水素が充填される時間よりも短い、蓄圧器ユニット。
【請求項2】
前記第3の蓄圧器の長手方向の長さは、前記第1の蓄圧器の長手方向の長さよりも短く、かつ、前記第2の蓄圧器の長手方向の長さよりも長い、請求項1に記載の蓄圧器ユニット。
【請求項3】
前記水素燃料タンクは車両に搭載されている、請求項1又は請求項2に記載の蓄圧器ユニット。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の蓄圧器ユニットを備え、前記蓄圧器ユニットに貯蔵された水素を前記水素燃料タンクに充填する水素ステーション。
【請求項5】
水素を昇圧する圧縮機を更に備え、
前記蓄圧器ユニットを構成する前記蓄圧器は、前記圧縮機で昇圧された水素を貯蔵可能である、請求項4に記載の水素ステーション。
【請求項6】
各々の容積が異なる複数の蓄圧器を含んで構成される蓄圧器ユニットから水素燃料タンクに水素を充填する方法であって、
前記容積の大小順に沿って、大きな容積の蓄圧器から順番に、貯蔵された水素を前記水素燃料タンクに充填することを含み、
蓄圧器の容積が小さいほど、該蓄圧器の内圧が高くなっており、
蓄圧器の容積が小さいほど、該蓄圧器から前記水素燃料タンクに水素を充填する時間を短くする、水素充填方法。
【請求項7】
前記水素燃料タンクは車両に搭載されている、請求項6に記載の水素充填方法。
【請求項8】
前記蓄圧器は、圧縮機で昇圧された水素を貯蔵可能である、請求項6又は請求項7に記載の水素充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素燃料タンクに充填される水素を貯蔵可能な蓄圧器ユニット、この蓄圧器ユニットを備える水素ステーション、及び、蓄圧器ユニットから水素燃料タンクに水素を充填する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、燃料電池自動車(FCV)などの車両に搭載された水素燃料タンク(車載容器)に水素(圧縮水素ガス)を充填するための技術を開示している。具体的には、特許文献1は、蓄圧器ユニットから水素燃料タンクに水素を充填する圧縮水素ガス充填装置を開示している。この蓄圧器ユニットは複数の蓄圧器バンクを備えている。特許文献1では、各バンクに、互いに異なる圧力値の水素を貯蔵している。また、特許文献1では、蓄圧器ユニットから水素燃料タンクへの水素充填時に、圧力値の低い蓄圧器バンクから順番に、貯蔵された水素を水素燃料タンクに充填する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−064160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水素ステーションにて前述の水素燃料タンクに水素を充填するときには、水素燃料タンク内の水素がかなり減少した状態となっていることが多い。それゆえ、特許文献1に記載のように、圧力値の低い蓄圧器バンクから順番に、貯蔵された水素を水素燃料タンクに充填する場合には、圧力値の低い蓄圧器バンクに貯蔵された水素が先に使われて、その足りない分を補うように、圧力値の高い蓄圧器バンクに貯蔵された水素が使われる。ゆえに、水素燃料タンクへの水素充填時において、圧力値の高い蓄圧器バンクからの水素の払い出し量は、圧力値の低い蓄圧器バンクからの水素の払い出し量よりも小さい。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の、圧力値の高い蓄圧器バンクについては、水素の払い出し量が比較的小さいにもかかわらず、圧力値の低い蓄圧器バンクと同等の容積を有する蓄圧器(蓄圧容器)を用いている。このように、圧力値の高い蓄圧器バンクについては、その水素の払い出し量に対して過度に大きな容積の蓄圧器を用いることが多く、その結果、当該蓄圧器自体の製造コストが増大し、ひいては、蓄圧器ユニット全体の製造コストの増大を招いていた。
【0006】
また、圧力値の高い蓄圧器バンクを構成する蓄圧器の容積が過度に大きいと、その分、当該蓄圧器への水素補充に時間を要するので、当該蓄圧器への水素補充時に当該蓄圧器を迅速に昇圧することが難しかった。
本発明は、このような実状に鑑み、蓄圧器ユニットの製造コストを低減すること、及び、蓄圧器への水素補充時の作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため本発明の第1の態様では、蓄圧器ユニットは、水素燃料タンクに充填される水素を貯蔵可能である。蓄圧器ユニットは、水素を貯蔵可能な円筒状の圧力容器である第1の蓄圧器を1つ以上備えて、水素燃料タンクの内圧が低圧状態であるときに水素燃料タンクに水素を充填可能な第1の蓄圧器バンクと、水素を貯蔵可能な円筒状の圧力容器である第2の蓄圧器を1つ以上備えて、水素燃料タンクの内圧が、前記低圧状態よりも高い高圧状態であるときに水素燃料タンクに水素を充填可能な第2の蓄圧器バンクと、水素を貯蔵可能な円筒状の圧力容器である第3の蓄圧器を1つ以上備えて、水素燃料タンクの内圧が、前記低圧状態よりも高く、かつ、前記高圧状態よりも低い中圧状態であるときに水素燃料タンクに水素を充填可能な第3の蓄圧器バンクと、を備える。第3の蓄圧器の容積が、第1の蓄圧器の容積よりも小さく、かつ、第2の蓄圧器の容積よりも大きい。第3の蓄圧器の内圧が、第1の蓄圧器の内圧よりも高く、かつ、第2の蓄圧器の内圧よりも低い。蓄圧器ユニットから水素燃料タンクへの水素充填時には、まず、第1の蓄圧器バンクからの水素が水素燃料タンクに充填され、次に、第3の蓄圧器バンクからの水素が水素燃料タンクに充填され、次に、第2の蓄圧器バンクからの水素が水素燃料タンクに充填される。第2の蓄圧器バンクから水素燃料タンクに水素が充填される時間は、第3の蓄圧器バンクから水素燃料タンクに水素が充填される時間よりも短い。第3の蓄圧器バンクから水素燃料タンクに水素が充填される時間は、第1の蓄圧器バンクから水素燃料タンクに水素が充填される時間よりも短い。
【0008】
本発明の第2の態様では、水素ステーションは前記蓄圧器ユニットを備え、前記蓄圧器ユニットに貯蔵された水素を水素燃料タンクに充填する。
【0009】
本発明の第3の態様では、各々の容積が異なる複数の蓄圧器を含んで構成される蓄圧器ユニットから水素燃料タンクに水素を充填する方法として、前記容積の大小順に沿って、大きな容積の蓄圧器から順番に、貯蔵された水素を水素燃料タンクに充填することを含む。ここで、蓄圧器の容積が小さいほど、該蓄圧器の内圧が高くなっている。この方法では、蓄圧器の容積が小さいほど、該蓄圧器から水素燃料タンクに水素を充填する時間を短くする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様及び第2の態様によれば、第2の蓄圧器バンクを構成する第2の蓄圧器の容積が、第1の蓄圧器バンクを構成する第1の蓄圧器の容積よりも小さい。これにより、第2の蓄圧器を、その水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、第2の蓄圧器の製造コストを低減することができ、ひいては、蓄圧器ユニットの製造コストを低減することができる。また、第2の蓄圧器の小型化により、第2の蓄圧器への水素補充時に第2の蓄圧器を迅速に昇圧することができるので、第2の蓄圧器への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【0011】
本発明の第3の態様によれば、蓄圧器ユニットから水素燃料タンクへの水素充填時に、蓄圧器の容積の大小順に沿って、大きな容積の蓄圧器から順番に、貯蔵された水素を水素燃料タンクに充填する。これにより、蓄圧器ユニットから水素燃料タンクへの水素充填時に、その終盤で用いられ得る蓄圧器を、その水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、蓄圧器の製造コストを低減することができ、ひいては、蓄圧器ユニットの製造コストを低減することができる。また、前記終盤で用いられ得る蓄圧器の小型化により、当該蓄圧器への水素補充時に当該蓄圧器を迅速に昇圧することができるので、当該蓄圧器への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態における水素ステーションの構成を示す図
図2】前記第1実施形態における蓄圧器ユニットの側面図及び正面図
図3】前記第1実施形態における蓄圧器ユニットから水素燃料タンクへの水素充填方法の一例を示すフローチャート
図4】前記第1実施形態における水素充填時の水素燃料タンクの内圧と時間との関係を示す図
図5】本発明の第2実施形態における水素ステーションの構成を示す図
図6】前記第2実施形態における蓄圧器ユニットの側面図及び正面図
図7】本発明の第3実施形態における水素ステーションの構成を示す図
図8】前記第3実施形態における蓄圧器ユニットの側面図及び正面図
図9】本発明の第4実施形態における水素ステーションの構成を示す図
図10】前記第4実施形態における蓄圧器ユニットの側面図及び正面図
図11】前記第4実施形態における蓄圧器ユニットから水素燃料タンクへの水素充填方法の一例を示すフローチャート
図12】前記第4実施形態における水素充填時の水素燃料タンクの内圧と時間との関係を示す図
図13】本発明の第5実施形態における水素ステーションの構成を示す図
図14】前記第5実施形態における蓄圧器ユニットの側面図及び正面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における水素ステーションの構成を示す図である。図2(A)は、水素ステーションを構成する蓄圧器ユニットの側面図であり、図2(B)は、その蓄圧器ユニットの正面図である。ここで、図2(A)及び図2(B)については、蓄圧器ユニットを構成するラック及び複数の蓄圧器のみを図示している。
尚、本実施形態では、本発明に係る水素ステーションの一例として、他の場所で製造された水素が輸送されるオフサイト型の水素ステーションを挙げて説明するが、水素ステーションの構成はこれに限らない。
【0014】
図1に示すように、本実施形態における水素ステーション1は、水素(水素ガス)を昇圧する圧縮機2と、圧縮機2で昇圧された水素を貯蔵可能な蓄圧器ユニット3と、蓄圧器ユニット3に貯蔵された水素を、例えば燃料電池自動車(FCV)などの車両4に搭載された水素燃料タンク5に充填するディスペンサー6と、制御装置8と、を備えている。
【0015】
蓄圧器ユニット3は、当該蓄圧器ユニット3に水素が流入する入口部3aと、当該蓄圧器ユニット3から水素が流出する出口部3bと、を有している。蓄圧器ユニット3の入口部3aには、連結管9の一端が接続される。連結管9には、その途中に圧縮機2が設けられている。連結管9の他端は、水素ステーション1に備えられた荷卸し容器10に接続されている。荷卸し容器10は、例えば、図示しない複数の高圧水素容器により構成されており、これら高圧水素容器は、各々が、例えば45MPaの水素を貯蔵し得る。尚、荷卸し容器10には、トラクタやトラックなどの輸送用車両によって搬送される水素輸送用容器(図示せず)から、水素が充填され得る。この充填時には、水素輸送用容器からの水素が、水素ステーション1に備えられた圧縮機(図示せず)によって昇圧されて、この昇圧された水素が荷卸し容器10に供給されてもよい。ここで、前述の水素輸送用容器には、水素トレーラー、水素カードル、水素タンクなどが含まれる。
【0016】
尚、本実施形態では、連結管9の他端に荷卸し容器10を接続しているが、これに代えて、連結管9の他端を着脱可能に構成し、この連結管9の他端に、前述の水素輸送用容器を装着してもよい。この場合には、前述の水素輸送用容器が、連結管9を介して、蓄圧器ユニット3に接続される。
蓄圧器ユニット3の出口部3bには、接続管11の一端が接続されており、この接続管11の他端はディスペンサー6に接続されている。
【0017】
蓄圧器ユニット3は、低圧バンク31、中圧バンク32、及び、高圧バンク33を含んで構成されている。本実施形態では、蓄圧器ユニット3は、低圧バンク31、中圧バンク32、及び、高圧バンク33からなる3バンク構成となっている。
低圧バンク31は、水素を貯蔵可能な1つ以上の蓄圧器311を含んで構成され得る。ここで、本実施形態は、低圧バンク31が1つの蓄圧器311を備える例を示している。また、後述する本発明の第5実施形態では、低圧バンク31が複数(例えば2つ)の蓄圧器311を備える例を示している。第5実施形態については、図13及び図14を用いて後述する。
低圧バンク31は、水素燃料タンク5の内圧(換言すれば、水素燃料タンク5内の水素の圧力)が低圧状態であるときに水素燃料タンク5に水素を充填し得る。ここで、蓄圧器311が本発明の「第1の蓄圧器」に相当する。また、低圧バンク31が本発明の「第1の蓄圧器バンク」に相当する。
【0018】
中圧バンク32は、水素を貯蔵可能な1つ以上の蓄圧器321を含んで構成され得る。ここで、本実施形態は、中圧バンク32が1つの蓄圧器321を備える例を示している。また、後述する本発明の第5実施形態では、中圧バンク32が複数(例えば2つ)の蓄圧器321を備える例を示している。
中圧バンク32は、水素燃料タンク5の内圧が、低圧状態よりも高い中圧状態であるときに水素燃料タンク5に水素を充填し得る。ここで、蓄圧器321が本発明の「第3の蓄圧器」に相当する。また、中圧バンク32が本発明の「第3の蓄圧器バンク」に相当する。
【0019】
高圧バンク33は、水素を貯蔵可能な1つ以上の蓄圧器331を含んで構成され得る。ここで、本実施形態は、高圧バンク33が1つの蓄圧器331を備える例を示している。また、後述する本発明の第5実施形態では、高圧バンク33が複数(例えば2つ)の蓄圧器331を備える例を示している。
高圧バンク33は、水素燃料タンク5の内圧が、中圧状態よりも高い高圧状態であるときに水素燃料タンク5に水素を充填し得る。ここで、蓄圧器331が本発明の「第2の蓄圧器」に相当する。また、高圧バンク33が本発明の「第2の蓄圧器バンク」に相当する。
【0020】
蓄圧器ユニット3を構成する3段式のラック34には、蓄圧器311〜331が収納されている。本実施形態では、ラック34の下段に蓄圧器311が収納され、ラック34の中段に蓄圧器321が収納され、ラック34の上段に蓄圧器331が収納されている。
蓄圧器311〜331は、円筒状の高圧水素容器である。蓄圧器311〜331は、アルミニウムや樹脂などの内容器に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を巻き付けて形成される複合圧力容器であるか、又は、鋼製の圧力容器であり得る。
【0021】
本実施形態では、1つの蓄圧器321の容積は、1つの蓄圧器311の容積よりも小さく、かつ、1つの蓄圧器331の容積よりも大きい。
本実施形態では、蓄圧器311〜331の各々の長手方向に垂直な断面での形状が互いに同じであり(すなわち円環状であり)、長手方向での長さが互いに異なっている。すなわち、蓄圧器321は、蓄圧器311よりも短く、かつ、蓄圧器331よりも長い。
尚、本実施形態では、例えば、1つの蓄圧器311の容積が300リットルであり、1つの蓄圧器321の容積が230リットルであり、1つの蓄圧器331の容積が150リットルであるが、蓄圧器311〜331の容積はこれらに限らない。
【0022】
本実施形態では、蓄圧器321の内圧(換言すれば、蓄圧器321内の水素の圧力)が、蓄圧器311の内圧(換言すれば、蓄圧器311内の水素の圧力)よりも高くなるように設定されている。また、蓄圧器331の内圧(換言すれば、蓄圧器331内の水素の圧力)が、蓄圧器321の内圧よりも高くなるように設定されている。
【0023】
尚、本実施形態では、例えば、蓄圧器311の内圧が60MPaになるように設定され、蓄圧器321の内圧が70MPaになるように設定され、蓄圧器331の内圧が82MPaになるように設定されているが、蓄圧器311〜331の内圧の設定はこれらに限らない。換言すれば、本実施形態では、例えば、蓄圧器311が60MPaの水素を貯蔵するように設定され、蓄圧器321が70MPaの水素を貯蔵するように設定され、蓄圧器331が82MPaの水素を貯蔵するように設定されているが、蓄圧器311〜331の各々が貯蔵する水素の圧力の設定はこれらに限らない。
【0024】
また、本実施形態では、蓄圧器311〜331の設定圧を異ならせるものとしたが、一部又は全ての蓄圧器311〜331の設定圧を同じに設定してもよい。具体的には、例えば、蓄圧器311〜331の各々が82MPaの水素を貯蔵するように設定されてもよい。又は、蓄圧器311が60MPaの水素を貯蔵するように設定され、蓄圧器321,331の各々が82MPaの水素を貯蔵するように設定されてもよい。又は、蓄圧器311,321の各々が70MPaの水素を貯蔵するように設定され、蓄圧器331が82MPaの水素を貯蔵するように設定されてもよい。
【0025】
蓄圧器311〜331の各々の水素の充填口と放出口を兼ねる出入口部には、専用の弁機構(例えば、電磁弁)35及び圧力検知部40が設けられている。蓄圧器311〜331の各々は、その出入口部に設けられた専用の弁機構35と、バンク31〜33毎に設けられた逆止弁36及び弁機構37とを介して、蓄圧器ユニット3の入口部3aに接続されている。また、蓄圧器311〜331の各々は、その出入口部に設けられた専用の弁機構35と、バンク31〜33毎に設けられた弁機構38及び逆止弁39とを介して、蓄圧器ユニット3の出口部3bに接続されている。尚、逆止弁36はバンク31〜33側から入口部3a側へ水素が流れること防止するものであり、逆止弁39は出口部3b側からバンク31〜33側へ水素が流れること防止するものである。
【0026】
これにより、蓄圧器ユニット3では、弁機構38が閉じた状態で、弁機構37と弁機構35を選択的に開くと、圧縮機2で昇圧された水素が所定のバンク31〜33における所定の蓄圧器311〜331に充填され、開弁した弁機構37又は弁機構35を閉じると所定の蓄圧器311〜331への水素の充填が停止される。また、弁機構37が閉じた状態で、弁機構38と弁機構35を選択的に開くと、所定のバンク31〜33における所定の蓄圧器311〜331から水素が放出され、開弁した弁機構38又は弁機構35を閉じると所定の蓄圧器311〜331からの水素の放出が停止される。尚、弁機構35,37,38は、例えば、電磁式の開閉弁と流量調整弁を備えて構成されている。
【0027】
ディスペンサー6は、水素燃料タンク5に水素を充填することができる装置であり、具体的には、蓄圧器311〜331から放出された水素を水素燃料タンク5に充填する。また、ディスペンサー6には、車両4から水素燃料タンク5に関する情報(圧力センサなどにより測定された内圧(残圧)P、予め設定された最高使用圧力など)が入力されるようになっている。尚、本実施形態において、水素燃料タンク5は、例えば70MPaの水素を充填可能に構成されている。
【0028】
制御装置8には、圧力検知部40によって検知された蓄圧器311〜331の内圧(残圧)やディスペンサー6に入力された水素燃料タンク5に関する情報(内圧P、最高使用圧力など)を含む各種情報が入力される。そして、制御装置8は、入力された各種情報やオペレータによる動作指令などに基づいて、圧縮機2及び弁機構35,37,38などを適宜制御する。
【0029】
ここで、制御装置8が実施する各種処理のうち、水素燃料タンク5への水素充填処理の一例について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態における蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填方法の一例を示すフローチャートである。この例では、水素燃料タンク5の内圧Pが70MPaに達するまで、水素燃料タンク5に水素を充填する。
【0030】
制御装置8は、まず、ステップS1にて、水素燃料タンク5の内圧Pが第1の閾値Pより小さいか否かを判定する。ここで、第1の閾値Pとは、低圧バンク31から水素燃料タンク5への水素充填を行うか否かを判定するための閾値であり、予め設定されている。ここで、第1の閾値Pと、後述する第2の閾値Pと、後述する第3の閾値Pとは、以下の式(1)を満たすように予め設定される。
<P<P ・・・(1)
尚、本実施形態では、例えば、第1の閾値Pは40MPaであり、第2の閾値Pは60MPaであり、第3の閾値Pは70MPaであるが、閾値P,P,Pはこれらの値に限らない。
【0031】
ステップS1にて水素燃料タンク5の内圧Pが第1の閾値Pより小さい場合には、低圧バンク31から水素燃料タンク5への水素充填を行うと判定し、ステップS2に進み、低圧バンク31(蓄圧器311)から水素燃料タンク5へ、差圧充填により、水素を充填する。この低圧バンク31から水素燃料タンク5への水素充填は、水素燃料タンク5の内圧Pが第1の閾値Pに達するまで継続される。また、この水素充填時には、水素燃料タンク5の内圧Pと第1の閾値Pとの比較が断続的に行われる。
【0032】
水素燃料タンク5の内圧Pが第1の閾値Pに達すると、低圧バンク31から水素燃料タンク5への水素充填を停止し、ステップS3に進む。
ステップS3では、水素燃料タンク5の内圧Pが第2の閾値Pより小さいか否かを判定する。ここで、第2の閾値Pとは、中圧バンク32から水素燃料タンク5への水素充填を行うか否かを判定するための閾値であり、予め設定されている。
【0033】
ステップS3にて水素燃料タンク5の内圧Pが第2の閾値Pより小さい場合には、中圧バンク32から水素燃料タンク5への水素充填を行うと判定し、ステップS4に進み、中圧バンク32(蓄圧器321)から水素燃料タンク5へ、差圧充填により、水素を充填する。この中圧バンク32から水素燃料タンク5への水素充填は、水素燃料タンク5の内圧Pが第2の閾値Pに達するまで継続される。また、この水素充填時には、水素燃料タンク5の内圧Pと第2の閾値Pとの比較が断続的に行われる。
【0034】
水素燃料タンク5の内圧Pが第2の閾値Pに達すると、中圧バンク32から水素燃料タンク5への水素充填を停止し、ステップS5に進む。
ステップS5では、水素燃料タンク5の内圧Pが第3の閾値Pより小さいか否かを判定する。ここで、第3の閾値Pとは、高圧バンク33から水素燃料タンク5への水素充填を行うか否かを判定するための閾値であり、予め設定されている。
【0035】
ステップS5にて水素燃料タンク5の内圧Pが第3の閾値Pより小さい場合には、高圧バンク33から水素燃料タンク5への水素充填を行うと判定し、ステップS6に進み、高圧バンク33(蓄圧器331)から水素燃料タンク5へ、差圧充填により、水素を充填する。この高圧バンク33から水素燃料タンク5への水素充填は、水素燃料タンク5の内圧Pが第3の閾値Pに達するまで継続される。また、この水素充填時には、水素燃料タンク5の内圧Pと第3の閾値Pとの比較が断続的に行われる。
【0036】
水素燃料タンク5の内圧Pが第3の閾値Pに達すると、高圧バンク33から水素燃料タンク5への水素充填を停止し、蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填を終了する。
【0037】
図4は、図3に示した蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填方法を用いて、水素燃料タンク5の内圧Pを、第1の閾値Pより小さい圧力Pから第3の閾値Pまで昇圧したときの、水素燃料タンク5の内圧Pと時間との関係を示す図である。
ここで、図4に示す時刻tから時刻tまでの時間tは、水素燃料タンク5の内圧Pを、圧力Pから第1の閾値Pまで昇圧するのに要する時間である。この時間tでは、低圧バンク31(蓄圧器311)から水素燃料タンク5へ水素が充填される。
【0038】
また、時刻tから時刻tまでの時間tは、水素燃料タンク5の内圧Pを、第1の閾値Pから第2の閾値Pまで昇圧するのに要する時間である。この時間tでは、中圧バンク32(蓄圧器321)から水素燃料タンク5へ水素が充填される。
また、時刻tから時刻tまでの時間tは、水素燃料タンク5の内圧Pを、第2の閾値Pから第3の閾値Pまで昇圧するのに要する時間である。この時間tでは、高圧バンク33(蓄圧器331)から水素燃料タンク5へ水素が充填される。
【0039】
図4に示すように、時間tは時間tよりも短く、時間tは時間tよりも短い。この傾向は、バンク31〜33の各々における水素の払い出し量についても同様である。すなわち、高圧バンク33からの水素の払い出し量は中圧バンク32からの水素の払い出し量よりも小さく、中圧バンク32からの水素の払い出し量は低圧バンク31からの水素の払い出し量よりも小さい。ゆえに、本実施形態では、水素の払い出し量が小さい蓄圧器(バンク)ほど、その容積を小さくしている。これにより、蓄圧器を、その水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、蓄圧器の製造コストを低減することができ、ひいては、蓄圧器ユニット3の製造コストを低減することができる。また、蓄圧器の小型化により、蓄圧器への水素補充時に蓄圧器を迅速に昇圧することができるので、蓄圧器への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【0040】
本実施形態によれば、蓄圧器ユニット3は、水素燃料タンク5に充填される水素を貯蔵可能である。蓄圧器ユニット3は、水素を貯蔵可能な1つ以上の蓄圧器311(第1の蓄圧器)を含んで構成されて、水素燃料タンク5の内圧Pが低圧状態(例えば、図4に示す第1の閾値P未満である状態)であるときに水素燃料タンク5に水素を充填可能な低圧バンク31(第1の蓄圧器バンク)と、水素を貯蔵可能な1つ以上の蓄圧器331(第2の蓄圧器)を含んで構成されて、水素燃料タンク5の内圧Pが、前記低圧状態よりも高い高圧状態(例えば、図4に示す第2の閾値P以上であり、かつ、第3の閾値P未満である状態)であるときに水素燃料タンク5に水素を充填可能な高圧バンク33(第2の蓄圧器バンク)と、を備える。蓄圧器331は、その容積が、蓄圧器311の容積よりも小さい。これにより、蓄圧器331を、その水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、蓄圧器331の製造コストを低減することができ、ひいては、蓄圧器ユニット3の製造コストを低減することができる。また、蓄圧器331の小型化により、蓄圧器331への水素補充時に蓄圧器331を迅速に昇圧することができるので、蓄圧器331への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【0041】
また本実施形態によれば、蓄圧器ユニット3は、水素を貯蔵可能な1つ以上の蓄圧器321(第3の蓄圧器)を含んで構成されて、水素燃料タンク5の内圧Pが、前記低圧状態よりも高く、かつ、前記高圧状態よりも低い中圧状態(例えば、図4に示す第1の閾値P以上であり、かつ、第2の閾値P未満である状態)であるときに水素燃料タンク5に水素を充填可能な中圧バンク32(第3の蓄圧器バンク)を更に備える。これにより、低圧バンク31から水素燃料タンク5への水素充填時に蓄圧器311の内圧が低下して水素の流量が低下しても、低圧バンク31から中圧バンク32にスムーズに切り替えて、水素燃料タンク5への水素充填を継続することができる。
【0042】
また本実施形態によれば、蓄圧器321(第3の蓄圧器)は、その容積が、蓄圧器311(第1の蓄圧器)の容積よりも小さく、かつ、蓄圧器331(第2の蓄圧器)の容積よりも大きい。これにより、蓄圧器311〜331を、各々の水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、蓄圧器311〜331の製造コストを低減することができる。
【0043】
また本実施形態によれば、蓄圧器321(第3の蓄圧器)は、その内圧が、蓄圧器311(第1の蓄圧器)の内圧よりも高い。これにより、蓄圧器311(低圧バンク31)からの水素の払い出しの後に、蓄圧器321(中圧バンク32)から、より高圧な水素を払い出すことができる。
【0044】
また本実施形態によれば、蓄圧器321(第3の蓄圧器)は、その内圧が、蓄圧器331(第2の蓄圧器)の内圧よりも低い。これにより、蓄圧器321(中圧バンク32)からの水素の払い出しの後に、蓄圧器331(高圧バンク33)から、より高圧な水素を払い出すことができる。
【0045】
また本実施形態によれば、蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填時には、まず、低圧バンク31(第1の蓄圧器バンク)からの水素が水素燃料タンク5に充填され(ステップS2)、次に、中圧バンク32(第3の蓄圧器バンク)からの水素が水素燃料タンク5に充填され(ステップS4)、次に、高圧バンク33(第2の蓄圧器バンク)からの水素が水素燃料タンク5に充填される(ステップS6)。このように蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5へ水素の充填を行うことにより、蓄圧器ユニット3(バンク31〜33)と水素燃料タンク5との間の差圧が過度に大きくなることを抑制することができるので、ジュール・トムソン効果及び断熱圧縮に起因する、水素充填時の水素燃料タンク5内での発熱を抑制することができる。
【0046】
また本実施形態によれば、水素燃料タンク5は燃料電池自動車(FCV)などの車両4に搭載されている。これにより、車両4に搭載された水素燃料タンク5に蓄圧器ユニット3から水素を効率良く充填することができる。
【0047】
また本実施形態によれば、水素ステーション1は蓄圧器ユニット3を備え、蓄圧器ユニット3に貯蔵された水素を水素燃料タンク5に充填する。これにより、水素ステーション1では、蓄圧器ユニット3を構成する高圧バンク33(蓄圧器331)への水素補充時に高圧バンク33を迅速に昇圧することができるので、高圧バンク33への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【0048】
また本実施形態によれば、水素ステーション1は、水素を昇圧する圧縮機2を更に備える。蓄圧器ユニット3を構成する蓄圧器311〜331は、圧縮機2で昇圧された水素を貯蔵可能である。これにより、本実施形態では、蓄圧器311〜331にて、例えば82MPa程度の圧縮水素ガスを貯蔵することができる。
【0049】
また本実施形態によれば、各々の容積が異なる複数の蓄圧器311〜331を含んで構成される蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5に水素を充填する方法として、蓄圧器311〜331の容積の大小順に沿って、大きな容積の蓄圧器から順番に(例えば、蓄圧器311、蓄圧器321、蓄圧器331の順番に)、貯蔵された水素を水素燃料タンク5に充填することを含む。これにより、蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填時に、その終盤で用いられ得る蓄圧器331を、その水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、蓄圧器331の製造コストを低減することができ、ひいては、蓄圧器ユニット3の製造コストを低減することができる。また、前記終盤で用いられ得る蓄圧器331の小型化により、蓄圧器331への水素補充時に蓄圧器331を迅速に昇圧することができるので、蓄圧器331への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【0050】
また本実施形態によれば、蓄圧器311〜331は、その容積が小さいほど、内圧が高くなっている。これにより、蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填時に、蓄圧器ユニット3(バンク31〜33)と水素燃料タンク5との間の差圧が過度に大きくなることを抑制することができるので、ジュール・トムソン効果及び断熱圧縮に起因する、水素充填時の水素燃料タンク5内での発熱を抑制することができる。
【0051】
図5は、本発明の第2実施形態における水素ステーションの構成を示す図である。図6(A)は、水素ステーションを構成する蓄圧器ユニットの側面図であり、図6(B)は、その蓄圧器ユニットの正面図である。ここで、図6(A)及び図6(B)については、蓄圧器ユニットを構成するラック及び複数の蓄圧器のみを図示している。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0052】
本実施形態では、1つの蓄圧器321の容積は、1つの蓄圧器331の容積よりも大きく、かつ、1つの蓄圧器311の容積と同じである。
本実施形態では、蓄圧器311〜331の各々の長手方向に垂直な断面での形状が互いに同じであり(すなわち円環状であり)、蓄圧器311,321の長手方向での長さと、蓄圧器331の長手方向での長さとが互いに異なっている。すなわち、蓄圧器311,321は、蓄圧器331よりも長い。
尚、本実施形態では、例えば、1つの蓄圧器311の容積と1つの蓄圧器321の容積とが、それぞれ、300リットルであり、1つの蓄圧器331の容積が150リットルであるが、蓄圧器311〜331の容積はこれらに限らない。
【0053】
特に本実施形態によれば、蓄圧器321(第3の蓄圧器)は、その容積が、蓄圧器311(第1の蓄圧器)の容積と同じである。これにより、蓄圧器311と同じ寸法のものを蓄圧器321として用いることができるので、例えば、蓄圧器311を中圧バンク32用に切り替え、かつ、蓄圧器321を低圧バンク31用に切り替えて、蓄圧器ユニット3を運用することができる。それゆえ、蓄圧器ユニット3の運用態様の選択肢を増やすことができる。
【0054】
図7は、本発明の第3実施形態における水素ステーションの構成を示す図である。図8(A)は、水素ステーションを構成する蓄圧器ユニットの側面図であり、図8(B)は、その蓄圧器ユニットの正面図である。ここで、図8(A)及び図8(B)については、蓄圧器ユニットを構成するラック及び複数の蓄圧器のみを図示している。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0055】
本実施形態では、1つの蓄圧器321の容積は、1つの蓄圧器311の容積よりも小さく、かつ、1つの蓄圧器331の容積と同じである。
本実施形態では、蓄圧器311〜331の各々の長手方向に垂直な断面での形状が互いに同じであり(すなわち円環状であり)、蓄圧器311の長手方向での長さと、蓄圧器321,331の長手方向での長さとが互いに異なっている。すなわち、蓄圧器311は、蓄圧器321,331よりも長い。
尚、本実施形態では、例えば、1つの蓄圧器311の容積が300リットルであり、1つの蓄圧器321の容積と1つの蓄圧器331の容積とが、それぞれ、150リットルであるが、蓄圧器311〜331の容積はこれらに限らない。
【0056】
特に本実施形態によれば、蓄圧器321(第3の蓄圧器)は、その容積が、蓄圧器331(第2の蓄圧器)の容積と同じである。これにより、蓄圧器331と同じ寸法のものを蓄圧器321として用いることができるので、例えば、蓄圧器331を中圧バンク32用に切り替え、かつ、蓄圧器321を高圧バンク33用に切り替えて、蓄圧器ユニット3を運用することができる。それゆえ、蓄圧器ユニット3の運用態様の選択肢を増やすことができる。
【0057】
図9は、本発明の第4実施形態における水素ステーションの構成を示す図である。図10(A)は、水素ステーションを構成する蓄圧器ユニットの側面図であり、図10(B)は、その蓄圧器ユニットの正面図である。ここで、図10(A)及び図10(B)については、蓄圧器ユニットを構成するラック及び複数の蓄圧器のみを図示している。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0058】
本実施形態では、前述の中圧バンク32が省略されており、蓄圧器ユニット3は、低圧バンク31及び高圧バンク33からなる2バンク構成となっている。
本実施形態においてラック34は2段式であり、このラック34には蓄圧器311,331が収納されている。本実施形態では、ラック34の下段に蓄圧器311が収納され、ラック34の上段に蓄圧器331が収納されている。
【0059】
本実施形態では、例えば、蓄圧器311の内圧が70MPaになるように設定され、蓄圧器331の内圧が82MPaになるように設定されているが、蓄圧器311,331の内圧の設定はこれらに限らない。換言すれば、本実施形態では、例えば、蓄圧器311が70MPaの水素を貯蔵するように設定され、蓄圧器331が82MPaの水素を貯蔵するように設定されているが、蓄圧器311,331の各々が貯蔵する水素の圧力の設定はこれらに限らない。
【0060】
尚、本実施形態では、蓄圧器311,331の設定圧を異ならせるものとしたが、全ての蓄圧器311,331の設定圧を同じに設定してもよい。具体的には、例えば、蓄圧器311,331の各々が82MPaの水素を貯蔵するように設定されてもよい。
【0061】
図11は、本実施形態における蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填方法の一例を示すフローチャートである。この例では、水素燃料タンク5の内圧Pが70MPaに達するまで、水素燃料タンク5に水素を充填する。
【0062】
図11に示す蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填方法については、図3に示した第1実施形態における蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填方法のうち、ステップS3及びステップS4が省略されたものとなっている。ここで、本実施形態においては、例えば、第1の閾値Pは60MPaであり、第3の閾値Pは70MPaであるが、閾値P,Pはこれらの値に限らない。
【0063】
図12は、図11に示した蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填方法を用いて、水素燃料タンク5の内圧Pを、第1の閾値Pより小さい圧力Pから第3の閾値Pまで昇圧したときの、水素燃料タンク5の内圧Pと時間との関係を示す図である。
ここで、図12に示す時刻tから時刻t11までの時間tは、水素燃料タンク5の内圧Pを、圧力Pから第1の閾値Pまで昇圧するのに要する時間である。この時間tでは、低圧バンク31(蓄圧器311)から水素燃料タンク5へ水素が充填される。
【0064】
また、時刻t11から時刻t12までの時間tは、水素燃料タンク5の内圧Pを、第1の閾値Pから第3の閾値Pまで昇圧するのに要する時間である。この時間tでは、高圧バンク33(蓄圧器331)から水素燃料タンク5へ水素が充填される。
【0065】
図12に示すように、時間tは時間tよりも短い。この傾向は、バンク31,33の各々における水素の払い出し量についても同様である。すなわち、高圧バンク33からの水素の払い出し量は低圧バンク31からの水素の払い出し量よりも小さい。ゆえに、本実施形態では、水素の払い出し量が小さい蓄圧器(バンク)ほど、その容積を小さくしている。これにより、蓄圧器を、その水素の払い出し量に対応する大きさに抑えることができるので、蓄圧器の製造コストを低減することができ、ひいては、蓄圧器ユニット3の製造コストを低減することができる。また、蓄圧器の小型化により、蓄圧器への水素補充時に蓄圧器を迅速に昇圧することができるので、蓄圧器への水素補充時の作業効率を向上させることができる。
【0066】
特に本実施形態によれば、蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5への水素充填時には、高圧バンク33(第2の蓄圧器バンク)からの水素が水素燃料タンク5に充填される(ステップS6)に先立って、低圧バンク31(第1の蓄圧器バンク)からの水素が水素燃料タンク5に充填される(ステップS2)。このように蓄圧器ユニット3から水素燃料タンク5へ水素の充填を行うことにより、蓄圧器ユニット3(バンク31,33)と水素燃料タンク5との間の差圧が過度に大きくなることを抑制することができるので、ジュール・トムソン効果及び断熱圧縮に起因する、水素充填時の水素燃料タンク5内での発熱を抑制することができる。
【0067】
また本実施形態によれば、蓄圧器331(第2の蓄圧器)は、その内圧が、蓄圧器311(第1の蓄圧器)の内圧よりも高い。これにより、蓄圧器311(低圧バンク31)からの水素の払い出しの後に、蓄圧器331(高圧バンク33)から、より高圧な水素を払い出すことができる。
【0068】
図13は、本発明の第5実施形態における水素ステーションの構成を示す図である。図14(A)は、水素ステーションを構成する蓄圧器ユニットの側面図であり、図14(B)は、その蓄圧器ユニットの正面図である。ここで、図14(A)及び図14(B)については、蓄圧器ユニットを構成するラック及び複数の蓄圧器のみを図示している。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0069】
本実施形態では、低圧バンク31が複数(例えば2つ)の蓄圧器311を備える。また、中圧バンク32が複数(例えば2つ)の蓄圧器321を備える。また、高圧バンク33が複数(例えば2つ)の蓄圧器331を備える。このように、バンク31〜33については、各々が、複数の蓄圧器により構成され得る。
尚、前述の第2〜第4実施形態においても、本実施形態と同様に、各バンクが複数の蓄圧器により構成されてもよいことは言うまでもない。
【0070】
尚、前述の第1〜第5実施形態では、各バンクを構成する蓄圧器の個数が同じであるが、この他、各バンクを構成する蓄圧器の個数をバンク毎に異ならせてもよい。
【0071】
また、前述の第1〜第5実施形態では、蓄圧器311〜331には、各々の長手方向の一端側に、水素の充填口と放出口とを兼ねる出入口部が設けられているが、蓄圧器の構成はこれに限らない。例えば、蓄圧器311〜331には、各々の長手方向の一端側に、水素の充填口となる入口部が設けられると共に、他端側に、水素の放出口となる出口部が設けられてもよい。この場合には、前述の弁機構35及び圧力検知部40が、蓄圧器311〜331の入口部と出口部との双方に設けられる。また、蓄圧器311〜331の各々は、その入口部に設けられた専用の弁機構35と、バンク31〜33毎に設けられた逆止弁36及び弁機構37とを介して、蓄圧器ユニット3の入口部3aに接続される。また、蓄圧器311〜331の各々は、その出口部に設けられた専用の弁機構35と、バンク31〜33毎に設けられた弁機構38及び逆止弁39とを介して、蓄圧器ユニット3の出口部3bに接続される。
【0072】
また、前述の第1〜第5実施形態では、蓄圧器ユニット3は2バンク構成であるか又は3バンク構成であるが、蓄圧器ユニット3の構成はこれらに限らず、蓄圧器ユニット3は4以上のバンクにより構成されてもよい。
【0073】
また、前述の第1〜第5実施形態では、本発明に係る水素ステーションの一例として、他の場所で製造された水素が輸送されるオフサイト型の水素ステーションを挙げて説明したが、水素ステーションの構成はこれに限らず、例えば、その場で水素を製造するオンサイト型の水素ステーションであってもよい。又は、オフサイト型とオンサイト型の両方の機能を備えた水素ステーションであってもよい。
【0074】
以上からわかるように、前述の第1〜第5実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
尚、出願当初の請求項は以下の通りであった。
請求項1:
水素燃料タンクに充填される水素を貯蔵可能な蓄圧器ユニットであって、
水素を貯蔵可能な1つ以上の第1の蓄圧器を含んで構成されて、前記水素燃料タンクの内圧が低圧状態であるときに前記水素燃料タンクに水素を充填可能な第1の蓄圧器バンクと、
水素を貯蔵可能な1つ以上の第2の蓄圧器を含んで構成されて、前記水素燃料タンクの内圧が、前記低圧状態よりも高い高圧状態であるときに前記水素燃料タンクに水素を充填可能な第2の蓄圧器バンクと、
を備え、
前記第2の蓄圧器は、その容積が、前記第1の蓄圧器の容積よりも小さい、蓄圧器ユニット。
請求項2:
水素を貯蔵可能な1つ以上の第3の蓄圧器を含んで構成されて、前記水素燃料タンクの内圧が、前記低圧状態よりも高く、かつ、前記高圧状態よりも低い中圧状態であるときに前記水素燃料タンクに水素を充填可能な第3の蓄圧器バンクを更に備える、請求項1に記載の蓄圧器ユニット。
請求項3:
前記第3の蓄圧器は、その容積が、前記第1の蓄圧器の容積よりも小さく、かつ、前記第2の蓄圧器の容積よりも大きい、請求項2に記載の蓄圧器ユニット。
請求項4:
前記第3の蓄圧器は、その容積が、前記第1の蓄圧器の容積と同じである、請求項2に記載の蓄圧器ユニット。
請求項5:
前記第3の蓄圧器は、その容積が、前記第2の蓄圧器の容積と同じである、請求項2に記載の蓄圧器ユニット。
請求項6:
前記第3の蓄圧器は、その内圧が、前記第1の蓄圧器の内圧よりも高い、請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載の蓄圧器ユニット。
請求項7:
前記第3の蓄圧器は、その内圧が、前記第2の蓄圧器の内圧よりも低い、請求項2〜請求項6のいずれか1つに記載の蓄圧器ユニット。
請求項8:
前記蓄圧器ユニットから前記水素燃料タンクへの水素充填時には、まず、前記第1の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填され、次に、前記第3の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填され、次に、前記第2の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填される、請求項2〜請求項7のいずれか1つに記載の蓄圧器ユニット。
請求項9:
前記第2の蓄圧器は、その内圧が、前記第1の蓄圧器の内圧よりも高い、請求項1に記載の蓄圧器ユニット。
請求項10:
前記蓄圧器ユニットから前記水素燃料タンクへの水素充填時には、前記第2の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填されるに先立って、前記第1の蓄圧器バンクからの水素が前記水素燃料タンクに充填される、請求項1又は請求項9に記載の蓄圧器ユニット。
請求項11:
前記水素燃料タンクは車両に搭載されている、請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の蓄圧器ユニット。
請求項12:
請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の蓄圧器ユニットを備え、前記蓄圧器ユニットに貯蔵された水素を前記水素燃料タンクに充填する水素ステーション。
請求項13:
水素を昇圧する圧縮機を更に備え、
前記蓄圧器ユニットを構成する前記蓄圧器は、前記圧縮機で昇圧された水素を貯蔵可能である、請求項12に記載の水素ステーション。
請求項14:
各々の容積が異なる複数の蓄圧器を含んで構成される蓄圧器ユニットから水素燃料タンクに水素を充填する方法であって、
前記容積の大小順に沿って、大きな容積の蓄圧器から順番に、貯蔵された水素を前記水素燃料タンクに充填することを含む、水素充填方法。
請求項15:
前記蓄圧器は、その容積が小さいほど、内圧が高くなっている、請求項14に記載の水素充填方法。
請求項16:
前記水素燃料タンクは車両に搭載されている、請求項14又は請求項15に記載の水素充填方法。
請求項17:
前記蓄圧器は、圧縮機で昇圧された水素を貯蔵可能である、請求項14〜請求項16のいずれか1つに記載の水素充填方法。
【符号の説明】
【0075】
1 水素ステーション
2 圧縮機
3 蓄圧器ユニット
3a 入口部
3b 出口部
4 車両
5 水素燃料タンク
6 ディスペンサー
8 制御装置
9 連結管
10 荷卸し容器
11 接続管
31 低圧バンク
32 中圧バンク
33 高圧バンク
34 ラック
35,37,38 弁機構
36,39 逆止弁
40 圧力検知部
311,321,331 蓄圧器
図1
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