特許第6440810号(P6440810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6440810データ収集システム、制御装置、制御プログラム、ゲートウェイ装置およびゲートウェイプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6440810
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】データ収集システム、制御装置、制御プログラム、ゲートウェイ装置およびゲートウェイプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20181210BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   H04Q9/00 311J
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-231839(P2017-231839)
(22)【出願日】2017年12月1日
【審査請求日】2017年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 宗
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 勇輔
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−244406(JP,A)
【文献】 特開2017−167977(JP,A)
【文献】 特開2006−146596(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0122022(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
G06F 11/07
11/28−11/36
12/00
17/40
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ分けされた複数の機器からデータを繰り返し受信し、受信したデータを、メモリの、受信したデータの送信元の機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する制御装置と、
サーバ装置による監視の対象となる機器を監視機器として指定するマスタ情報を参照し、前記メモリの、前記監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を前記制御装置に繰り返し要求し、要求に応じて前記制御装置から送信されたデータを受信し、受信したデータの中から前記監視機器のデータを抽出し、抽出したデータを変換し、変換したデータを前記サーバ装置に前記要求の頻度以下の頻度で送信するゲートウェイ装置と
を備えるデータ収集システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記複数の機器から複数種別のデータを繰り返し受信し、受信したデータを、前記メモリの、受信したデータの送信元の機器が属するグループと受信したデータの種別との組み合わせに応じたアドレス範囲に格納し、
前記マスタ情報には、前記監視機器について、前記サーバ装置による監視の対象となるデータの種別を監視種別として指定する情報が含まれ、
前記ゲートウェイ装置は、前記メモリの、前記監視機器が属するグループと前記監視種別との組み合わせに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を前記制御装置に繰り返し要求する請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
前記ゲートウェイ装置は、抽出したデータを変換する処理として、データの種別によって異なる処理を実行する請求項2に記載のデータ収集システム。
【請求項4】
前記メモリに対して、アナログ値を持つアナログデータが格納されるアドレス範囲があらかじめ設定されている請求項2または3に記載のデータ収集システム。
【請求項5】
前記ゲートウェイ装置は、抽出したアナログデータを変換する処理として、前回変換したアナログデータを前記サーバ装置に送信した後に複数回抽出したアナログデータの前記アナログ値の平均値を算出する処理を実行し、変換したアナログデータとして、算出した平均値を示すデータを前記サーバ装置に送信する請求項4に記載のデータ収集システム。
【請求項6】
前記メモリに対して、単位時間における数量を示すパルス値を持つパルスデータが格納されるアドレス範囲があらかじめ設定されている請求項2から5のいずれか1項に記載のデータ収集システム。
【請求項7】
前記ゲートウェイ装置は、抽出したパルスデータを変換する処理として、前回変換したパルスデータを前記サーバ装置に送信した後に抽出したパルスデータの前記パルス値の最新値を選択する処理を実行し、変換したパルスデータとして、選択した最新値を示すデータを前記サーバ装置に送信する請求項6に記載のデータ収集システム。
【請求項8】
前記メモリに対して、デジタル値を持つデジタルデータが格納されるアドレス範囲があらかじめ設定されている請求項2から7のいずれか1項に記載のデータ収集システム。
【請求項9】
前記ゲートウェイ装置は、抽出したデジタルデータを変換する処理として、前回変換したデジタルデータを前記サーバ装置に送信した後に抽出したデジタルデータの前記デジタル値の最新値を選択する処理を実行し、変換したデジタルデータとして、選択した最新値を示すデータを前記サーバ装置に送信する請求項8に記載のデータ収集システム。
【請求項10】
前記ゲートウェイ装置は、抽出したデジタルデータを変換する処理として、複数回抽出したデジタルデータの前記デジタル値の変化を表す変化値を算出する処理を実行し、変換したデジタルデータとして、算出した変化値を示すデータを前記サーバ装置に送信する請求項8に記載のデータ収集システム。
【請求項11】
グループ分けされた複数の機器からデータを繰り返し受信する受信部と、
前記受信部により受信されたデータを、メモリの、前記受信部により受信されたデータの送信元の機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する格納部と、
サーバ装置による監視の対象となる機器である監視機器のデータを変換して前記サーバ装置に繰り返し送信するゲートウェイ装置から、前記メモリの、前記監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信が要求される度に、要求に応じて、前記メモリの該当するアドレス範囲に格納されたデータを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたデータを前記ゲートウェイ装置に送信する送信部と
を備える制御装置。
【請求項12】
コンピュータに、
グループ分けされた複数の機器からデータを繰り返し受信する受信手順と、
前記受信手順により受信されたデータを、メモリの、前記受信手順により受信されたデータの送信元の機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する格納手順と、
サーバ装置による監視の対象となる機器である監視機器のデータを変換して前記サーバ装置に繰り返し送信するゲートウェイ装置から、前記メモリの、前記監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信が要求される度に、要求に応じて、前記メモリの該当するアドレス範囲に格納されたデータを取得する取得手順と、
前記取得手順により取得されたデータを前記ゲートウェイ装置に送信する送信手順と
を実行させる制御プログラム。
【請求項13】
グループ分けされた複数の機器からデータを繰り返し受信し受信したデータを、メモリの、受信したデータの送信元の機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する制御装置と通信を行うゲートウェイ装置であって、
サーバ装置による監視の対象となる機器を監視機器として指定するマスタ情報を参照し、前記メモリの、前記監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を前記制御装置に繰り返し要求する要求部と、
前記要求部による要求に応じて前記制御装置から送信されたデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたデータの中から、前記監視機器のデータを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出されたデータを変換する変換部と、
前記変換部により変換されたデータを前記サーバ装置に前記要求の頻度以下の頻度で送信する送信部と
を備えるゲートウェイ装置。
【請求項14】
グループ分けされた複数の機器からデータを繰り返し受信し受信したデータを、メモリの、受信したデータの送信元の機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する制御装置と通信を行うコンピュータに、
サーバ装置による監視の対象となる機器を監視機器として指定するマスタ情報を参照し、前記メモリの、前記監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を前記制御装置に繰り返し要求する要求手順と、
前記要求手順による要求に応じて前記制御装置から送信されたデータを受信する受信手順と、
前記受信手順により受信されたデータの中から、前記監視機器のデータを抽出する抽出手順と、
前記抽出手順により抽出されたデータを変換する変換手順と、
前記変換手順により変換されたデータを前記サーバ装置に前記要求の頻度以下の頻度で送信する送信手順と
を実行させるゲートウェイプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集システム、制御装置、制御プログラム、ゲートウェイ装置およびゲートウェイプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から特許文献5には、M2MまたはIoTを利用して複数の機器からデータを収集する技術が開示されている。「M2M」は、Machine to Machineの略語である。「IoT」は、Internet of Thingsの略語である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−097839号公報
【特許文献2】特開2015−228612号公報
【特許文献3】特表2017−504859号公報
【特許文献4】特開2017−097739号公報
【特許文献5】特表2017−525042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、複数の機器より収集したデータの中から必要なデータを効率よくサーバ装置に送信することができない。
【0005】
本発明は、複数の機器より収集したデータの中から必要なデータを効率よくサーバ装置に送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るデータ収集システムは、
グループ分けされた複数の機器からデータを繰り返し受信し、受信したデータを、メモリの、受信したデータの送信元の機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する制御装置と、
サーバ装置による監視の対象となる機器を監視機器として指定するマスタ情報を参照し、前記メモリの、前記監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を前記制御装置に繰り返し要求し、要求に応じて前記制御装置から送信されたデータを受信し、受信したデータの中から前記監視機器のデータを抽出し、抽出したデータを変換し、変換したデータを前記サーバ装置に前記要求の頻度以下の頻度で送信するゲートウェイ装置と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、制御装置は、監視機器のデータを選別することなく、監視機器が属するグループのデータを一括でゲートウェイ装置に送信すればよいため、高頻度のデータ送信が可能となる。ゲートウェイ装置は、監視機器のデータをサーバ装置に送信する頻度に合わせて、監視機器のデータを選別および変換すればよいため、所望の形式で所望の頻度のデータ送信が可能となる。すなわち、本発明によれば、複数の機器より収集したデータの中から必要なデータを効率よくサーバ装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るデータ収集システムの構成を示すブロック図。
図2】実施の形態1に係る制御装置の構成を示すブロック図。
図3】実施の形態1に係るゲートウェイ装置の構成を示すブロック図。
図4】実施の形態1に係る制御装置の動作を示すフローチャート。
図5】実施の形態1に係るゲートウェイ装置の動作を示すフローチャート。
図6】実施の形態1に係るイベント通知設定の例を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、以下に説明する実施の形態は、部分的に実施されても構わない。
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0011】
***構成の説明***
図1を参照して、本実施の形態に係るデータ収集システム10の構成を説明する。
【0012】
データ収集システム10は、グループ分けされた複数の機器11からデータを収集する制御装置20と、制御装置20と通信を行うゲートウェイ装置30とを備える。データ収集システム10は、必要に応じて、複数の機器11からデータを収集して制御装置20に転送する中継装置40をさらに備える。
【0013】
制御装置20は、RS−485等のインタフェースを介して、複数の機器11と接続される。制御装置20は、RS−485等のインタフェースを介して、1つまたは複数の中継装置40と接続される。中継装置40は、RS−485等のインタフェースを介して、複数の機器11と接続される。
【0014】
ゲートウェイ装置30は、LAN等のネットワークを介して、制御装置20と接続される。「LAN」は、Local Area Networkの略語である。
【0015】
データ収集システム10は、インターネット50を介して、クラウドシステム60と接続される。具体的には、ゲートウェイ装置30が、インターネット50を介して、クラウドシステム60のサーバ装置61と接続される。ゲートウェイ装置30とサーバ装置61との間の通信は、任意のプロトコルを用いて行われてよいが、本実施の形態ではHTTPSを用いて行われる。「HTTPS」は、Hypertext Transfer Protocol Secureの略語である。
【0016】
複数の機器11から直接または中継装置40を経由して制御装置20で収集されたデータは、ゲートウェイ装置30で取得および変換された上でサーバ装置61に送信される。
【0017】
各機器11は、例えば、電流計、電圧計、断路器、遮断器、開閉器、入出力器または計測器といった設備機器である。
【0018】
制御装置20は、コンピュータである。制御装置20は、具体的には、PLCである。「PLC」は、Programmable Logic Controllerの略語である。
【0019】
ゲートウェイ装置30は、コンピュータである。
【0020】
中継装置40は、コンピュータである。中継装置40は、具体的には、PLCである。
【0021】
サーバ装置61は、サーバコンピュータである。
【0022】
ゲートウェイ装置30は、「データ収集」、「データ送信」、「データ変換」、「データ蓄積」、「認証/認可」、「マスタ管理」、「エラー検知」、「データ再送」および「ログ蓄積」等の機能を備える。
【0023】
「データ収集」は、制御装置20のデバイスコードを指定し、メモリマップを取得する機能である。具体的には、アナログ情報、デジタル状態および故障、または、パルス情報といった信号情報にて、デバイスマップ情報を定義しており、その範囲を一括取得する機能である。収集周期は、プロパティファイルにて保持する。例えば、24時間に1回、30分に1回、60秒に1回、30秒に1回、10秒に1回、あるいは、即時といった指定が可能である。
【0024】
「データ送信」は、収集および変換したデータおよびイベントログを定期的にクラウド上に送信する機能である。
【0025】
「データ変換」は、収集したデータを送信形式に変換する機能である。具体的には、収集したデータを16進数化したり、各設備でマッピングしたりする機能である。より具体的には、アナログ情報、デジタル状態および故障、または、パルス情報といった接点情報を制御装置20から取得し、監視機器グループに応じて、データを結合する機能である。監視機器識別情報の送信データ形式としては、「拠点識別情報+監視機器1の監視機器情報+監視機器2の監視機器情報+監視機器3の監視機器情報+監視機器4の監視機器情報+・・・」という形式が用いられる。拠点識別情報および監視機器情報は16進数化される。拠点識別情報は、ゲートウェイ装置30が設置された工場等の拠点を一意に識別するIDである。「ID」は、Identifierの略語である。データ種別情報の送信データ形式としては、「ゲートウェイ装置の識別番号+信号種別+中継機器番号+データ収集時刻」という形式が用いられる。データ値の送信データ形式としては、「信号1の信号情報|信号2の信号情報|信号3の信号情報|信号4の信号情報|・・・」という形式が用いられる。信号情報は16進数化される。タイムスタンプとしては、データ送信時刻が用いられる。
【0026】
「データ蓄積」は、変換したデータに信号種別、機器ID、タイムスタンプおよびシーケンス番号を付加して保存する機能である。
【0027】
「認証/認可」は、クライアント証明書の登録、変更または削除を行い、SSL通信を実行する機能である。「SSL」は、Secure Sockets Layerの略語である。
【0028】
「マスタ管理」は、機器情報および収集情報の登録、変更、削除、検索または表示を行う機能である。
【0029】
「エラー検知」は、ネットワーク障害および取得データの異常値を判定し、イベントログとして保持する機能である。具体的には、設定された収集周期で制御装置20のデバイスデータの読み出しを行う際に、エラーを検知する機能である。収集周期のデフォルト値は、任意の値でよいが、本実施の形態では1秒である。
・アナログ値の場合、カウント計測値以外であれば、エラーと判定する。カウント計測値は、あらかじめ設定されたデフォルト値である。平均値を算出時に、通信エラーまたはデータ取得不可等の異常が発生していれば、正常値のみで平均値を算出し、異常判定回数に応じて、エラー判定を行う。測定データがない場合は、RS−485通信エラー等を「N」で表す。測定データが異常な場合は、データが範囲外等を「O」で表す。
・定期通報のデジタル値の場合、デジタルの計測値以外であれば、エラーと判定する。計測値は、0または1である。測定データが異常な場合は、RS−485通信エラーまたはデータが範囲外等を「1」で表す。
・イベント通報のデジタル値の場合、デジタルの計測期間内のA接点、B接点および現在計測値の3点を結合した3桁の2進数のイベント通報情報をもとに異常が発生していないかを16進数で表し、計測値以外の場合、エラーと判定する。A接点は、2つ前のデフォルト収集周期の計測値、すなわち、2秒前の計測値である。B接点は、1つ前のデフォルト収集周期の計測値、すなわち、1秒前の計測値である。測定データがない場合は、RS−485通信エラー等を「N」で表す。測定データが異常な場合は、データが範囲外等を「O」で表す。
・パルス値の場合、正常値以外であれば、エラーと判定する。正常値は、あらかじめ設定されたデフォルト値である。測定データがない場合は、RS−485通信エラー等を「N」で表す。測定データが異常な場合は、データが範囲外等を「O」で表す。
【0030】
「データ再送」は、通信異常により、送信不可状態からの復旧時に蓄積データを再送する機能である。
【0031】
「ログ蓄積」は、障害発生時の詳細情報、送信失敗履歴および標準ログを保管する機能である。
【0032】
図2を参照して、制御装置20の構成を説明する。
【0033】
制御装置20は、プロセッサ21を備えるとともに、メモリ22および通信デバイス23といった他のハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0034】
制御装置20は、機能要素として、受信部24と、格納部25と、取得部26と、送信部27とを備える。受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能は、ソフトウェアにより実現される。
【0035】
プロセッサ21は、制御プログラムを実行する装置である。制御プログラムは、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能を実現するプログラムである。プロセッサ21は、例えば、CPUである。「CPU」は、Central Processing Unitの略語である。
【0036】
メモリ22は、制御プログラムを記憶する装置である。メモリ22は、例えば、フラッシュメモリまたはRAMである。「RAM」は、Random Access Memoryの略語である。
【0037】
メモリ22には、複数の機器11から送信されるデータが格納される。データの送信元の機器11が属するグループによってデータの格納先のアドレス範囲があらかじめ設定されている。本実施の形態では、複数の機器11から送信されるデータとして、複数種別のデータがあり、データの送信元の機器11が属するグループとデータの種別との組み合わせによってデータの格納先のアドレス範囲があらかじめ設定されている。データの種別としては、アナログ値を持つアナログデータと、単位時間における数量を示すパルス値を持つパルスデータと、デジタル値を持つデジタルデータとの少なくとも3つの種別がある。そのため、本実施の形態では、メモリ22に対して、アナログデータが格納されるアドレス範囲であるアナログ情報領域71と、デジタルデータが格納されるアドレス範囲であるデジタル情報領域72と、パルスデータが格納されるアドレス範囲であるパルス情報領域73とがあらかじめ設定されている。アナログ情報領域71には、アナログ値が8ビット長のワード単位で格納される。デジタル情報領域72には、デジタル値がビット単位で格納される。パルス情報領域73には、パルス値が8ビット長のワード単位で格納される。
【0038】
通信デバイス23は、制御プログラムに入力されるデータを受信するレシーバと、制御プログラムから出力されるデータを送信するトランスミッタとを含む。通信デバイス23は、例えば、通信チップまたはNICである。「NIC」は、Network Interface Cardの略語である。
【0039】
制御プログラムは、メモリ22からプロセッサ21に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。メモリ22には、制御プログラムだけでなく、OSも記憶されている。「OS」は、Operating Systemの略語である。プロセッサ21は、OSを実行しながら、制御プログラムを実行する。なお、制御プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0040】
制御プログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置は、例えば、フラッシュメモリまたはHDDである。「HDD」は、Hard Disk Driveの略語である。制御プログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されている場合、メモリ22にロードされ、プロセッサ21によって実行される。
【0041】
制御装置20は、プロセッサ21を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、制御プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、例えば、CPUである。
【0042】
制御プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ22、補助記憶装置、または、プロセッサ21内のレジスタまたはキャッシュメモリに記憶される。
【0043】
制御プログラムは、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27により行われる手順をそれぞれ受信手順、格納手順、取得手順および送信手順としてコンピュータに実行させるプログラムである。制御プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記録されて提供されてもよいし、記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0044】
制御装置20は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。制御装置20が複数台のコンピュータで構成されている場合は、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能が、各コンピュータに分散されて実現されてもよい。
【0045】
図3を参照して、ゲートウェイ装置30の構成を説明する。
【0046】
ゲートウェイ装置30は、プロセッサ31を備えるとともに、メモリ32および通信デバイス33といった他のハードウェアを備える。プロセッサ31は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0047】
ゲートウェイ装置30は、機能要素として、要求部34と、受信部35と、抽出部36と、変換部37と、送信部38とを備える。要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能は、ソフトウェアにより実現される。
【0048】
プロセッサ31は、ゲートウェイプログラムを実行する装置である。ゲートウェイプログラムは、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能を実現するプログラムである。プロセッサ31は、例えば、CPUである。
【0049】
メモリ32は、ゲートウェイプログラムを記憶する装置である。メモリ32は、例えば、フラッシュメモリまたはRAMである。
【0050】
メモリ32には、サーバ装置61による監視の対象となる機器11を監視機器として指定するマスタ情報39があらかじめ記憶されている。本実施の形態では、マスタ情報39には、監視機器について、サーバ装置61による監視の対象となるデータの種別を監視種別として指定する情報が含まれている。マスタ情報39は、前述したプロパティファイルの内容に相当する。
【0051】
通信デバイス33は、ゲートウェイプログラムに入力されるデータを受信するレシーバと、ゲートウェイプログラムから出力されるデータを送信するトランスミッタとを含む。通信デバイス33は、例えば、通信チップまたはNICである。
【0052】
ゲートウェイプログラムは、メモリ32からプロセッサ31に読み込まれ、プロセッサ31によって実行される。メモリ32には、ゲートウェイプログラムだけでなく、OSも記憶されている。プロセッサ31は、OSを実行しながら、ゲートウェイプログラムを実行する。なお、ゲートウェイプログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0053】
ゲートウェイプログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置は、例えば、フラッシュメモリまたはHDDである。ゲートウェイプログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されている場合、メモリ32にロードされ、プロセッサ31によって実行される。
【0054】
ゲートウェイ装置30は、プロセッサ31を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、ゲートウェイプログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、例えば、CPUである。
【0055】
ゲートウェイプログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ32、補助記憶装置、または、プロセッサ31内のレジスタまたはキャッシュメモリに記憶される。
【0056】
ゲートウェイプログラムは、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38により行われる手順をそれぞれ要求手順、受信手順、抽出手順、変換手順および送信手順としてコンピュータに実行させるプログラムである。ゲートウェイプログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記録されて提供されてもよいし、記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0057】
ゲートウェイ装置30は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。ゲートウェイ装置30が複数台のコンピュータで構成されている場合は、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能が、各コンピュータに分散されて実現されてもよい。
【0058】
***動作の説明***
図4および図5を参照して、本実施の形態に係るデータ収集システム10の動作を説明する。データ収集システム10の動作は、本実施の形態に係るデータ収集方法に相当する。
【0059】
ステップS1において、制御装置20の受信部24は、グループ分けされた複数の機器11からデータを繰り返し受信する。いずれかの機器11からのデータが受信部24により受信される度に、ステップS2以降の処理が実行される。
【0060】
ステップS2からステップS7において、制御装置20の格納部25は、受信部24により受信されたデータを、メモリ22の、受信部24により受信されたデータの送信元の機器11が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する。
【0061】
具体的には、格納部25は、受信部24により受信されたデータを、メモリ22の、受信部24により受信されたデータの送信元の機器11が属するグループと受信部24により受信されたデータの種別との組み合わせに応じたアドレス範囲に格納する。
【0062】
より具体的には、ステップS2において、格納部25は、受信部24により受信されたデータの種別がアナログデータであるかどうかを判定する。アナログデータであれば、ステップS3において、格納部25は、受信部24により受信されたデータを、メモリ22のアナログ情報領域71の、受信部24により受信されたデータの送信元の機器11が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する。アナログデータでなければ、ステップS4の処理が実行される。
【0063】
ステップS4において、格納部25は、受信部24により受信されたデータの種別がデジタルデータであるかどうかを判定する。デジタルデータであれば、ステップS5において、格納部25は、受信部24により受信されたデータを、メモリ22のデジタル情報領域72の、受信部24により受信されたデータの送信元の機器11が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する。デジタルデータでなければ、ステップS6の処理が実行される。
【0064】
ステップS6において、格納部25は、受信部24により受信されたデータの種別がパルスデータであるかどうかを判定する。パルスデータであれば、ステップS7において、格納部25は、受信部24により受信されたデータを、メモリ22のパルス情報領域73の、受信部24により受信されたデータの送信元の機器11が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する。
【0065】
ステップS11において、ゲートウェイ装置30の要求部34は、マスタ情報39を参照する。本実施の形態では、マスタ情報39には、収集周期を指定する情報が含まれている。収集周期としては、例えば、1秒が指定される。要求部34は、収集周期が到来したかどうかを判定する。収集周期が到来する度に、ステップS12以降の処理が実行される。
【0066】
ステップS12において、ゲートウェイ装置30の要求部34は、マスタ情報39を参照する。前述したように、マスタ情報39は、サーバ装置61による監視の対象となる機器11を監視機器として指定する情報である。監視機器は、例えば、機器11を一意に識別する機器ID、または、グループを一意に識別するグループIDと機器11をグループ内で識別する機器IDとの組み合わせによって指定される。収集単位となる監視機器の数は、任意の数でよいが、本実施の形態では、1000個の機器11が属するグループ内で4個の機器11といったようにグループ内の一部の機器11が監視機器として指定される。本実施の形態では、マスタ情報39には、制御装置20のメモリ22の、監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲を指定する情報がさらに含まれているが、機器ID、または、グループIDと機器IDとの組み合わせから、該当するアドレス範囲を特定できる場合には、この情報は省略してもよい。要求部34は、制御装置20のメモリ22の、監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を制御装置20に要求する。
【0067】
具体的には、要求部34は、マスタ情報39をさらに参照する。前述したように、本実施の形態では、マスタ情報39には、監視機器について、サーバ装置61による監視の対象となるデータの種別を監視種別として指定する情報が含まれている。要求部34は、制御装置20のメモリ22の、監視機器が属するグループと監視種別との組み合わせに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を制御装置20に要求する。
【0068】
ステップS13において、制御装置20の取得部26は、ゲートウェイ装置30からの要求に応じて、メモリ22の該当するアドレス範囲に格納されたデータを取得する。制御装置20の送信部27は、取得部26により取得されたデータをゲートウェイ装置30に送信する。ゲートウェイ装置30の受信部35は、要求部34による要求に応じて制御装置20から送信されたデータを受信する。
【0069】
具体的には、制御装置20の取得部26は、メモリ22の、監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータをすべて取得する。制御装置20の送信部27は、取得部26により取得されたデータを、取得元のアドレス順に並べてゲートウェイ装置30に送信する。ゲートウェイ装置30の受信部35は、アドレス順に並んだデータを受信する。
【0070】
ステップS14において、ゲートウェイ装置30の抽出部36は、受信部35により受信されたデータの中から、監視機器のデータを抽出する。
【0071】
具体的には、抽出部36は、マスタ情報39を参照する。本実施の形態では、マスタ情報39には、制御装置20のメモリ22の、監視機器に応じたアドレスを指定する情報がさらに含まれている。例えば、1000個の機器11が属するグループ内で4個の機器11が監視機器として指定されていれば、それら4個の機器11のデータが格納される4つのアドレスが指定される。抽出部36は、アドレス順に並んだデータの中から、監視機器に応じたアドレスに相当する位置のデータを監視機器のデータとして抽出する。
【0072】
ステップS15において、ゲートウェイ装置30の変換部37は、マスタ情報39を参照する。本実施の形態では、マスタ情報39には、送信周期を指定する情報が含まれている。送信周期としては、例えば、10秒が指定される。要求部34は、送信周期が到来したかどうかを判定する。送信周期が到来していなければ、ステップS11からステップS14の処理が再び実行される。送信周期が到来していれば、ステップS16以降の処理が実行される。
【0073】
ステップS16において、ゲートウェイ装置30の変換部37は、抽出部36により抽出されたデータを変換する。
【0074】
具体的には、変換部37は、抽出部36により抽出されたデータを変換する処理として、データの種別によって異なる処理を実行する。すなわち、変換部37は、監視種別に応じた処理を実行することで、抽出部36により抽出されたデータを変換する。
【0075】
監視種別がアナログデータであれば、変換部37は、抽出部36により抽出されたデータを変換する処理として、前回ステップS16で変換したアナログデータがステップS17でサーバ装置61に送信された後に複数回ステップS14で抽出されたアナログデータのアナログ値の平均値を算出する処理を実行する。例えば、収集周期が1秒、送信周期が10秒であれば、変換部37は、10個のアナログ値の平均値を算出する。
【0076】
監視種別が定期通報のデジタルデータであれば、変換部37は、抽出部36により抽出されたデータを変換する処理として、前回ステップS16で変換したデジタルデータがステップS17でサーバ装置61に送信された後に複数回ステップS14で抽出されたデジタルデータのデジタル値の最新値を選択する処理を実行する。例えば、収集周期が1秒、送信周期が10秒であれば、変換部37は、10個のデジタル値のうち最後のステップS14で抽出されたデジタル値を選択する。
【0077】
監視種別がイベント通報のデジタルデータであれば、変換部37は、抽出部36により抽出されたデジタルデータを変換する処理として、複数回ステップS14で抽出されたデジタルデータのデジタル値の変化を表す変化値を算出する処理を実行する。例えば、収集周期が1秒、送信周期が1秒であれば、変換部37は、直近の複数回のステップS14で抽出されたデジタル値がどのように変化しているかを表す変化値を算出する。
【0078】
具体例として、図6に示すように、デジタル計測期間内のA接点、B接点および現在の計測値の3点を結合して変化値を算出することが考えられる。結合データは、16進数化されて0からFの範囲内の変化値として出力される。A接点は、デジタル値が0から1に変化したかどうかを表す値である。B接点は、デジタル値が1から0に変化したかどうかを表す値である。現在の計測値は、現在のデジタル値が0か1かを表す値である。
【0079】
図6は、監視種別がイベント通報のデジタルデータの場合に、A接点、B接点および現在の計測値を結合して変化値を算出する処理を例示している。図6では、2秒前、1秒前および現在のデジタル値、すなわち、前々回、前回および今回抽出されたデジタル値を用いて3つのデジタル値の変化値をA接点、B接点および現在の計測値に反映している。例えば、No.3のデータでは2秒前から1秒前の変化(0→1)と、1秒前から現在の変化(1→0)とに基づき、A接点が1、B接点が1となっている。
【0080】
変形例として、1秒前および現在のデジタル値、すなわち、前回および今回抽出されたデジタル値を用いて2つのデジタル値によりA接点、B接点および現在の計測値を定めてもよい。この場合は、後述するステップS17でデータを受信したサーバ装置61は、A接点およびB接点を、現在のデジタル値とその直近のデジタル値との変化値として扱うことができる。
【0081】
監視種別がパルスデータであれば、変換部37は、抽出部36により抽出されたデータを変換する処理として、前回ステップS16で変換したパルスデータがステップS17でサーバ装置61に送信された後に複数回ステップS14で抽出されたパルスデータのパルス値の最新値を選択する処理を実行する。例えば、収集周期が1秒、送信周期が10秒であれば、変換部37は、10個のパルス値のうち最後のステップS14で抽出されたパルス値を選択する。
【0082】
ステップS17において、ゲートウェイ装置30の送信部38は、変換部37により変換されたデータをサーバ装置61に送信する。
【0083】
監視種別がアナログデータであれば、送信部38は、変換部37により変換されたアナログデータとして、ステップS16で算出された平均値を示すデータをサーバ装置61に送信する。
【0084】
監視種別が定期通報のデジタルデータであれば、送信部38は、変換部37により変換されたデジタルデータとして、ステップS16で選択された最新値を示すデータをサーバ装置61に送信する。
【0085】
監視種別がイベント通報のデジタルデータであれば、送信部38は、変換部37により変換されたデジタルデータとして、ステップS16で算出された変化値を示すデータをサーバ装置61に送信する。
【0086】
監視種別がパルスデータであれば、送信部38は、変換部37により変換されたパルスデータとして、ステップS16で選択された最新値を示すデータをサーバ装置61に送信する。
【0087】
ステップS12からステップS14の処理は、収集周期に相当する頻度で実行される。一方、ステップS16およびステップS17の処理は、送信周期に相当する頻度で実行される。送信周期は、収集周期と同じ周期か、収集周期よりも長い周期に設定される。よって、ステップS17におけるデータの送信の頻度は、ステップS12における要求の頻度以下の頻度になる。
【0088】
なお、ステップS2からステップS7において、制御装置20の格納部25は、受信部24により受信されたデータと紐付けて、当該データの送信元の機器11の機器IDをメモリ22に格納してもよい。ステップS13において、制御装置20の送信部27は、監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータと紐付けて、当該データの送信元の機器11の機器IDをゲートウェイ装置30に送信してもよい。ステップS14において、ゲートウェイ装置30の抽出部36は、受信部35により受信されたデータの中から、監視機器の機器IDに紐付けられたデータを監視機器のデータとして抽出してもよい。
【0089】
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、制御装置20は、監視機器のデータを選別することなく、監視機器が属するグループのデータを一括でゲートウェイ装置30に送信すればよいため、高頻度のデータ送信が可能となる。ゲートウェイ装置30は、監視機器のデータをサーバ装置61に送信する頻度に合わせて、監視機器のデータを選別および変換すればよいため、所望の形式で所望の頻度のデータ送信が可能となる。すなわち、本実施の形態によれば、複数の機器11より収集したデータの中から必要なデータを効率よくサーバ装置61に送信することができる。
【0090】
比較例として、設備機器の管理システムが、設備機器ごとに独自の接続形態を持っているとする。設備ごとに中継装置を設置し、中継装置は収集したデータをそのままクラウド上に送信し、負荷の高いデータ解析処理はクラウド上で行っているとする。このようなシステムでは、広域網での通信データの増大、および、データ解析処理の集中による処理の遅れ等の問題がある。
【0091】
本実施の形態では、設備機器の情報をPLCである制御装置20経由で、IoT技術が適用されたゲートウェイ装置30が収集する。ゲートウェイ装置30は信号種別ごとに閾値との比較、および、過去取得データの差分チェック等により異常判定を行う。また取得したデータを信号種類別に16進数化し、送信データの圧縮を行い、監視対象機器のデータをグループ化してクラウド上のサーバ装置61に送信する。これにより、上記のような問題を解消することが可能となる。
【0092】
アナログ、デジタルおよびパルス情報を収集する対象となる設備機器は、多種多様であり、一般的に、接続形態および通信プロトコルが独自に存在することが多い。上記の比較例では、設備ごとに中継装置を設置し、各種データを収集し、そのままクラウド上に送信し、高負荷の解析処理は、拠点側ではなく、クラウド上にて行っている。そのため、設備機器の接続形態がケーブルまたは通信プロトコルに依存したり、通信データ量が増大したり、異常判定が遅延したり、収集データの統一性および整合性が図りづらくなったりする。多種多様な設備機器全般を監視する立場からすると、データ収集の容易化、通信データ量の削減、設備異常の早期発見、および、監視対象となる設備機器データの統一化が必要となる。
【0093】
本実施の形態では、エッジ側で定期的に設備データを収集後、エラー判定を行い、異常時には即時イベント通知を行う。さらに、監視対象機器のグルーピングを行い、正常時のデータ送信形式の変換を行う。結果として、設備の異常判定速度の改善、および、データ通信量の削減を実現することができる。
【0094】
本実施の形態では、設備機器情報をPLC経由にて、信号種別ごとにデバイス範囲の定義情報にマッピングして、データ一括取得を行う。次に、取得したデータについて、信号種別ごとに閾値以外かどうか、および、過去取得データ値との差分に異常がないかを判定する。また、取得したデータを信号種別ごとに16進数化し、送信データを圧縮し、複数データを1回の通信で送信可能なように監視対象機器グループで結合するとともに、送信データを識別する情報である監視機器情報および拠点情報も同様に16進数化し、結合する。
【0095】
アナログおよびパルス値については、カウントレンジ上限および下限の閾値以内に含まれているかの判定によって異常判定が行われる。あるいは、データ収集周期の整数倍であるデータ送信周期の範囲内のデータに異常値が含まれていないかの判定によって異常判定が行われる。
【0096】
接点情報であるデジタル値については、カウントレンジ上限および下限の閾値以内に含まれているかの判定によって異常判定が行われる。あるいは、前々回計測値、前回計測値および現在計測値による連続計測値に異常が発生していないかの判定によって異常判定が行われる。
【0097】
このように、エッジ処理にてデータ判定および変換処理を行うことで、大規模な設備監視点数を保有する拠点に対しても監視用の導入機器を削減し、異常検知の早急化およびデータ通信量の削減を行うことができる。さらに、汎用的に使用できる定義情報により、信号種別ごとのデータ一括収集、変換および結合をプログラムレスで実現できる。
【0098】
本実施の形態では、収集周期を短い周期に設定することで、IoTサービスにおいて求められる機器11からの大量のデータの収集を制御装置20およびゲートウェイ装置30で行うことができる。それと同時に、送信周期を収集周期の10倍といった長い周期に設定することで、収集したデータの中から必要なデータを選別したり、データを必要な形式に変換したりする処理をゲートウェイ装置30の限られたリソースで行うことができる。
【0099】
本実施の形態では、制御装置20のメモリ22に、ワード単位で値を格納する領域と、ビット単位で格納する領域とを別々に設け、データの種別によって格納先を振り分けることで、データの書き込みおよび読み出しの効率を高めることができる。
【0100】
***他の構成***
本実施の形態では、制御装置20の受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能がハードウェアにより実現されてもよい。すなわち、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能が専用の電子回路により実現されてもよい。専用の電子回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、FPGAまたはASICである。「IC」は、Integrated Circuitの略語である。「GA」は、Gate Arrayの略語である。「FPGA」は、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。「ASIC」は、Application Specific Integrated Circuitの略語である。
【0101】
別の変形例として、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能の一部が専用の電子回路により実現され、残りがソフトウェアにより実現されてもよい。
【0102】
プロセッサ21および専用の電子回路は、いずれも処理回路である。すなわち、制御装置20の受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の機能がソフトウェアにより実現されるか、ハードウェアにより実現されるか、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されるかに関わらず、受信部24、格納部25、取得部26および送信部27の動作は、処理回路により行われる。
【0103】
本実施の形態では、ゲートウェイ装置30の要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能がハードウェアにより実現されてもよい。すなわち、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能が専用の電子回路により実現されてもよい。専用の電子回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、FPGAまたはASICである。
【0104】
別の変形例として、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能の一部が専用の電子回路により実現され、残りがソフトウェアにより実現されてもよい。
【0105】
プロセッサ31および専用の電子回路は、いずれも処理回路である。すなわち、ゲートウェイ装置30の要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の機能がソフトウェアにより実現されるか、ハードウェアにより実現されるか、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されるかに関わらず、要求部34、受信部35、抽出部36、変換部37および送信部38の動作は、処理回路により行われる。
【符号の説明】
【0106】
10 データ収集システム、11 機器、20 制御装置、21 プロセッサ、22 メモリ、23 通信デバイス、24 受信部、25 格納部、26 取得部、27 送信部、30 ゲートウェイ装置、31 プロセッサ、32 メモリ、33 通信デバイス、34 要求部、35 受信部、36 抽出部、37 変換部、38 送信部、39 マスタ情報、40 中継装置、50 インターネット、60 クラウドシステム、61 サーバ装置、71 アナログ情報領域、72 デジタル情報領域、73 パルス情報領域。
【要約】
【課題】複数の機器より収集したデータの中から必要なデータを効率よくサーバ装置に送信する。
【解決手段】制御装置20は、グループ分けされた複数の機器11からデータを繰り返し受信し、受信したデータを、メモリの、受信したデータの送信元の機器11が属するグループに応じたアドレス範囲に格納する。ゲートウェイ装置30は、サーバ装置61による監視の対象となる機器11を監視機器として指定するマスタ情報を参照し、制御装置20のメモリの、監視機器が属するグループに応じたアドレス範囲に格納されたデータの一括送信を制御装置20に繰り返し要求し、要求に応じて制御装置20から送信されたデータを受信し、受信したデータの中から監視機器のデータを抽出し、抽出したデータを変換し、変換したデータをサーバ装置61に上記要求の頻度以下の頻度で送信する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6