特許第6440907号(P6440907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6440907照明器具に取り付けられるよう構成される照明モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6440907
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】照明器具に取り付けられるよう構成される照明モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   H05B37/02 Z
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-527062(P2018-527062)
(86)(22)【出願日】2016年11月15日
(86)【国際出願番号】EP2016077713
(87)【国際公開番号】WO2017089178
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2018年9月13日
(31)【優先権主張番号】15196485.5
(32)【優先日】2015年11月26日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】アリアクセイエウ ディミトリ ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】エンゲレン ディルク ヴァレンティヌス ルネー
(72)【発明者】
【氏名】ニュートン フィリップ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】デッケル ティム
(72)【発明者】
【氏名】クラウト ラモーン アントワーヌ ウィロー
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/002280(WO,A1)
【文献】 特表2011−527810(JP,A)
【文献】 特表2014−509435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具に機械的及び電気的に取り付けられるよう構成されるポータブル照明デバイスであって、当該ポータブル照明デバイスは、
光出力を提供するための少なくとも1つの光源、及び
当該ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられているかどうかを判断する、及び当該ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられている場合、当該ポータブル照明デバイスを第1の動作モードに設定するよう構成されるプロセッサ、
を含み、
前記少なくとも1つの光源の光出力は、当該ポータブル照明デバイスが前記第1の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存して制御され、
前記プロセッサは、当該ポータブル照明デバイスが前記照明器具から取り外されている場合、当該ポータブル照明デバイスを第2の動作モードに設定するよう構成され、
前記少なくとも1つの光源の光出力は、当該ポータブル照明デバイスが前記第2の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存せずに制御される、
ポータブル照明デバイス。
【請求項2】
当該ポータブル照明デバイスは、ユーザ入力を受けるよう構成されるユーザインタフェースを含み、前記プロセッサは、当該ポータブル照明デバイスが前記第2の動作モードにある場合、前記ユーザ入力に従って当該ポータブル照明デバイスの光出力を制御するよう構成される、請求項1に記載のポータブル照明デバイス。
【請求項3】
当該ポータブル照明デバイスは、ユーザ入力を受けるよう構成されるユーザインタフェースを含み、前記プロセッサは、前記ユーザ入力に基づいて照明制御信号を生成するよう構成され、当該ポータブル照明デバイスは、前記照明制御信号を前記照明器具及び/又はさらなる照明デバイスに送信するための送信機を含む、請求項1に記載のポータブル照明デバイス。
【請求項4】
当該ポータブル照明デバイスは、光を検出するよう構成される光センサを含み、前記照明制御信号は、前記照明器具及び/又は前記さらなる照明デバイスにより発せられる光が前記光センサにより検出される場合、送信される、請求項3に記載のポータブル照明デバイス。
【請求項5】
前記プロセッサは、当該ポータブル照明デバイスと前記照明器具及び/又は前記さらなる照明デバイスとの間の近接を判断するよう構成され、前記照明制御信号は、当該ポータブル照明デバイス並びに前記照明器具及び/又は前記さらなる照明デバイスが所定の近接範囲内にある場合、送信される、請求項3又は4に記載のポータブル照明デバイス。
【請求項6】
当該ポータブル照明デバイスは、当該ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられている場合、前記照明器具により充電されるよう構成されるバッテリを含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載のポータブル照明デバイス。
【請求項7】
当該ポータブル照明デバイスは、バッテリ、及び前記バッテリを充電するよう構成される無線電力レシーバを含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載のポータブル照明デバイス。
【請求項8】
ポータブル照明デバイスの光源の光出力を制御するための照明器具であって、当該照明器具は、
請求項1乃至7の何れか一項に記載のポータブル照明デバイスとインタフェースするためのコネクタ、及び
前記ポータブル照明デバイスが当該照明器具に取り付けられているかどうかを判断する、及び前記ポータブル照明デバイスが前記第1の動作モードにある場合、当該照明器具の光設定に従って前記少なくとも1つの光源の光出力を制御するよう構成される制御ユニット
を含む、照明器具。
【請求項9】
当該照明器具は、前記ポータブル照明デバイスが前記第2の動作モードにある場合、前記ポータブル照明デバイスから照明制御信号を受信するよう構成される受信機を含み、前記制御ユニットは、受信した前記照明制御信号に基づいて当該照明器具の光設定を設定するよう構成される、請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
当該照明器具は、さらなるポータブル照明デバイスとインタフェースするためのさらなるコネクタを含み、前記制御ユニットは、前記ポータブル照明デバイスが当該照明器具に取り付けられている場合、第1の光設定に従って前記さらなるポータブル照明デバイスの光出力を制御する、及び前記ポータブル照明デバイスが当該照明器具から取り外されている場合、第2の光設定に従って前記さらなるポータブル照明デバイスの光出力を制御するよう構成される、請求項8又は9に記載の照明器具。
【請求項11】
照明器具、
少なくとも1つの光源を含むポータブル照明デバイス、及び
少なくとも1つのプロセッサ、
を含む照明システムであって、
前記照明器具及び前記ポータブル照明デバイスは、互いに機械的及び電気的に取り付けられるよう構成され、
前記プロセッサは、前記ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられているかどうかを判断する、及び前記ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられている場合、前記ポータブル照明デバイスを第1の動作モードに設定するよう構成され、前記少なくとも1つの光源の光出力は、前記ポータブル照明デバイスが前記第1の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存して制御され、
前記プロセッサは、前記ポータブル照明デバイスが前記照明器具から取り外されている場合、前記ポータブル照明デバイスを第2の動作モードに設定するよう構成され、前記少なくとも1つの光源の光出力は、前記ポータブル照明デバイスが前記第2の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存せずに制御される、
照明システム。
【請求項12】
当該照明システムは、前記照明器具に含まれる第1のプロセッサ及び前記ポータブル照明デバイスに含まれる第2のプロセッサを含み、前記第1のプロセッサは、前記ポータブル照明デバイスが前記第1の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存して前記少なくとも1つの光源の光出力を制御するよう構成され、前記第2のプロセッサは、前記ポータブル照明デバイスが前記第2の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存せずに前記少なくとも1つの光源の光出力を制御するよう構成される、請求項11に記載の照明システム。
【請求項13】
照明器具に機械的及び電気的に取り付けられるよう構成されるポータブル照明デバイスの光出力を制御する方法であって、当該方法は、
前記ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられているかどうかを判断するステップ、
前記ポータブル照明デバイスが前記照明器具に取り付けられている場合、前記ポータブル照明デバイスを第1の動作モードに設定する、又は前記ポータブル照明デバイスが前記照明器具から取り外されている場合、前記ポータブル照明デバイスを第2の動作モードに設定するステップ、及び
前記ポータブル照明デバイスが前記第1の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存して少なくとも1つの光源の光出力を制御する、又は前記ポータブル照明デバイスが前記第2の動作モードにある場合、前記照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップ、
を含む、方法。
【請求項14】
当該方法は、ユーザインタフェースを介してユーザ入力を受けるステップを含み、前記照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップは、前記ユーザ入力に従って前記ポータブル照明デバイスの光出力を制御するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニットで実行される場合請求項13又は14に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に取り付けられるよう構成される照明モジュールに関する。本発明はさらに、照明モジュールの光源の光出力を制御するための照明器具に関する。本発明はさらに、照明システムに関する。本発明はさらに、照明モジュールの光出力を制御する方法、及び本方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在及び将来のスマート照明デバイス(smart lighting device)は、すでにデジタル制御されているか、デジタル制御されるようになるであろう。これは、このような照明デバイスのための新しい制御パラダイムを提供する。このようなスマート照明デバイスの例は、様々なランプを受け入れるよう構成されるソケットを含む、モジュラーUSB照明器具(modular USB luminaire)である。ユーザは、例えば、照明器具の第1のソケットから、タスク照明を提供するよう構成される、ランプを取り外し、このランプをアンビエント照明を提供するよう構成されるランプと交換することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、照明器具から取り外された場合に制御可能なポータブル照明デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、前記目的は、照明器具に機械的及び電気的に取り付けられるよう構成されるポータブル照明デバイスであって、当該ポータブル照明デバイスは、
光出力を提供する(rendering)ための少なくとも1つの光源、及び
当該ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられているかどうかを判断する、及び当該ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合、当該ポータブル照明デバイスを第1の動作モードに設定するよう構成されるプロセッサ、
を含み、
少なくとも1つの光源の光出力は、当該ポータブル照明デバイスが第1の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存して制御され、
プロセッサは、当該ポータブル照明デバイスが照明器具から取り外されている場合、当該ポータブル照明デバイスを第2の動作モードに設定するよう構成され、
少なくとも1つの光源の光出力は、当該ポータブル照明デバイスが第2の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存せずに制御される、
ポータブル照明デバイスにより達成される。
【0005】
ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられているか否かに基づいて動作モードを設定することによって、プロセッサは、ポータブル照明デバイスがどのように制御されるかを決定することができる。これにより、ユーザは、ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合に、例えば、照明器具の光出力を制御することによって、ポータブル照明デバイスの光出力を制御することができ、ポータブル照明デバイスが照明器具から取り外されている場合に、例えば、ポータブル照明デバイスとインタラクトすることによって、ポータブル照明デバイスの光出力を制御することができる。これは、部屋の光設定を柔軟につくれる利点がある。さらに、ユーザが、照明器具内に1つ以上のポータブル照明デバイスを「保管(store)」し、必要に応じてそれらを取り外すことを可能にするので、有益である。
【0006】
ポータブル照明デバイスの一実施形態において、当該ポータブル照明デバイスは、ユーザ入力を受けるよう構成されるユーザインタフェースを含み、プロセッサは、当該ポータブル照明デバイスが第2の動作モードにある場合、ユーザ入力に従って当該ポータブル照明デバイスの光出力を制御するよう構成される。この実施形態は、ユーザが、ユーザインタフェースを介して入力を提供し、それによりポータブル照明デバイスの光出力を制御することができるので、有益である。
【0007】
付加的に又は代替的に、当該ポータブル照明デバイスは、ユーザ入力を受けるよう構成されるユーザインタフェースを含み、プロセッサは、ユーザ入力に基づいて照明制御信号を生成するよう構成され、当該ポータブル照明デバイスは、照明制御信号を照明器具及び/又はさらなる照明デバイスに送信するための送信機を含む。この実施形態は、ユーザが、ポータブル照明デバイスのユーザインタフェースを介して入力を提供するだけで、照明器具の光出力及び/又はさらなる照明デバイスの光出力を制御することができるので、有益である。
【0008】
本発明のさらなる実施形態において、当該ポータブル照明デバイスは、光を検出するよう構成される光センサを含み、照明制御信号は、照明器具及び/又はさらなる照明デバイスにより発せられる光が光センサにより検出される場合、送信される。この実施形態において、ポータブル照明デバイスは、当該ポータブル照明デバイスが照明器具及び/又はさらなる照明デバイスによって照らされる位置に位置する場合、照明器具及び/又はさらなる照明器具を制御するよう構成される。位置は、例えば、ポータブル照明デバイスによって検出され得る埋め込みコードを含む光によって照らされ、それによりポータブル照明デバイスが該位置を照らす照明器具及び/又はさらなる照明器具を識別することを可能にする。これは、ユーザが、照明器具及び/又はさらなる照明デバイスによって照らされる領域にポータブル照明デバイスを単に位置付けることによって、照明器具及び/又はさらなる照明デバイスを制御できるので、有利である。
【0009】
付加的に又は代替的に、プロセッサは、当該ポータブル照明デバイスと照明器具及び/又はさらなる照明デバイスとの間の近接(proximity)を判断するよう構成され、制御信号は、当該ポータブル照明デバイス並びに照明器具及び/又はさらなる照明デバイスが所定の近接範囲内にある場合、送信される。この実施形態において、ポータブル照明デバイスは、当該ポータブル照明デバイスが照明器具及び/又はさらなる照明デバイスの所定の近接範囲内の位置に位置する場合、照明器具及び/又はさらなる照明デバイスを制御するよう構成される。近接は、例えば、照明器具及び/又はさらなる照明デバイスにより発せられる光の光強度に基づいて決定されてもよく、又は照明器具から発せられ、ポータブル照明デバイスにより受信される信号の受信信号強度若しくは飛行時間に基づいて決定されてもよい。これにより、ユーザは、ポータブル照明デバイスを照明器具及び/又はさらなる照明デバイスの近くに単に位置付けることによって、照明器具及び/又はさらなる照明デバイスを制御することができる。
【0010】
ポータブル照明デバイスの一実施形態において、当該ポータブル照明デバイスは、当該ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合、照明器具により充電されるよう構成されるバッテリを含む。この実施形態は、ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合にバッテリの充電を可能にするので有益である。ユーザは、バッテリが(完全に)充電されたポータブル照明デバイスを取り外すことができ、これは、当該ポータブル照明デバイスをポータブル照明デバイスとして使用することを可能にする。
【0011】
付加的に又は代替的に、当該ポータブル照明デバイスは、バッテリ、及びバッテリを充電するよう構成される無線電力レシーバを含む。これは、照明デバイスが照明器具から取り外されている場合にバッテリの充電を可能にするので、有益であり得る。さらに、照明器具は、ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられているか照明器具から取り外されている場合にバッテリを充電するための無線電力トランスミッタを備えてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、前記目的は、ポータブル照明デバイスの光源の光出力を制御するための照明器具であって、当該照明器具は、
上述した実施形態のうちの任意の実施形態のポータブル照明デバイスとインタフェースするためのコネクタ、及び
ポータブル照明デバイスが当該照明器具に取り付けられているかどうかを判断する、及びポータブル照明デバイスが第1の動作モードにある場合、当該照明器具の光設定に従って少なくとも1つの光源の光出力を制御するよう構成される制御ユニット
を含む、照明器具により達成される。
【0013】
制御ユニットは、ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合にポータブル照明デバイスを制御することができる。これにより、照明器具の制御ユニットは、照明効果を作り出すことができる。複数のポータブル照明デバイスが照明器具に接続されている場合、又は照明器具がさらなる光源を含む場合、制御ユニットは、所望の照明効果を作り出すために相応にポータブル照明器具を制御することができる。
【0014】
照明器具の一実施形態において、当該照明器具は、ポータブル照明デバイスが第2の動作モードにある場合、ポータブル照明デバイスから照明制御信号を受信するよう構成される受信機を含み、制御ユニットは、受信した照明制御信号に基づいて当該照明器具の光設定を設定するよう構成される。これは、照明器具が、ポータブル照明デバイスから制御コマンドを受信することを可能にし、これにより、ユーザは、例えば、ユーザがポータブル照明デバイスにユーザ入力を提供することによって、照明器具の光出力を制御できるので、有益である。
【0015】
照明器具の一実施形態において、当該照明器具は、さらなるポータブル照明デバイスとインタフェースするためのさらなるコネクタを含み、制御ユニットは、ポータブル照明デバイスが当該照明器具に取り付けられている場合、第1の光設定に従ってさらなるポータブル照明デバイスの光出力を制御する、及びポータブル照明デバイスが当該照明器具から取り外されている場合、第2の光設定に従ってさらなるポータブル照明デバイスの光出力を制御するよう構成される。この実施形態は、照明器具が、ポータブル照明デバイスが照明器具から取り外されている場合に取り付けられたポータブル照明デバイスの光設定を調整することを可能にする。これは、制御ユニットが、例えば、光を発するポータブル照明デバイスの取り外しを補償することができる(例えば、制御ユニットは、斯かる取り外しを補償するために取り付けられたポータブル照明デバイスの輝度又はビーム角度を増加させることができる)ので、有益であり得る。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、前記目的は、
照明器具、
少なくとも1つの光源を含むポータブル照明デバイス、及び
少なくとも1つのプロセッサ、
を含む照明システムであって、
照明器具及びポータブル照明デバイスは、互いに機械的及び電気的に取り付けられるよう構成され、
プロセッサは、ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられているかどうかを判断する、及びポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合、ポータブル照明デバイスを第1の動作モードに設定するよう構成され、少なくとも1つの光源の光出力は、ポータブル照明デバイスが第1の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存して制御され、
プロセッサは、ポータブル照明デバイスが照明器具から取り外されている場合、ポータブル照明デバイスを第2の動作モードに設定するよう構成され、少なくとも1つの光源の光出力は、ポータブル照明デバイスが第2の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存せずに制御される、
照明システムにより達成される。
【0017】
ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられているか否かに基づいて動作モードを設定することによって、少なくとも1つのプロセッサは、ポータブル照明デバイスがどのように制御されるかを決定することができる。これにより、ユーザは、ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合に、例えば、照明器具の光出力を制御することによって、ポータブル照明デバイスの光出力を制御することができ、ポータブル照明デバイスが照明器具から取り外されている場合に、例えば、ポータブル照明デバイスとインタラクトすることによって、ポータブル照明デバイスの光出力を制御することができる。これは、部屋の光設定を柔軟につくれる利点がある。さらに、ユーザが、照明器具内に1つ以上のポータブル照明デバイスを「保管」し、必要に応じてそれらを取り外すことを可能にするので、有益である。
【0018】
照明システムの一実施形態において、当該照明システムは、照明器具に含まれる第1のプロセッサ及びポータブル照明デバイスに含まれる第2のプロセッサを含み、第1のプロセッサは、ポータブル照明デバイスが第1の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存して少なくとも1つの光源の光出力を制御するよう構成され、第2のプロセッサは、ポータブル照明デバイスが第2の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するよう構成される。
【0019】
本発明の第4の態様によれば、前記目的は、照明器具に機械的及び電気的に取り付けられるよう構成されるポータブル照明デバイスの光出力を制御する方法であって、当該方法は、
ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられているかどうかを判断するステップ、
ポータブル照明デバイスが照明器具に取り付けられている場合、ポータブル照明デバイスを第1の動作モードに設定する、又はポータブル照明デバイスが照明器具から取り外されている場合、ポータブル照明デバイスを第2の動作モードに設定するステップ、及び
ポータブル照明デバイスが第1の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存して少なくとも1つの光源の光出力を制御する、又はポータブル照明デバイスが第2の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップ、
を含む、方法により達成される。
【0020】
方法の一実施形態において、当該方法は、ユーザインタフェースを介してユーザ入力を受けるステップを含み、照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップは、ユーザ入力に従ってポータブル照明デバイスの光出力を制御するステップを含む。
【0021】
本発明の第5の態様によれば、前記目的は、コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニットで実行される場合上述した方法の任意の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムにより達成される。
【0022】
本発明の文脈において、(ポータブル照明デバイスが照明器具から外されている場合にアクティブにされる)「第2の動作モード」は、ポータブル照明デバイスの光源が、(照明器具の光設定に依存しない)光設定に従って光を発するように制御される動作モードである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
開示された照明モジュール、照明器具、照明システム及び方法の上記の及び他の目的、特徴並びに利点は、添付の図面を参照し、以下の例示的及び非限定的なデバイス及び方法の実施形態の詳細な説明を通して、よりよく理解されるであろう。
図1】照明器具に取り付けられるよう構成される本発明による照明モジュールの一実施形態を概略的に示す。
図2】照明モジュール及び照明器具を含む本発明による照明システムの一実施形態を概略的に示す。
図3a】複数の着脱可能な照明モジュール及びさらなる光源を含むペンダントランプの一実施形態を概略的に示す。
図3b】複数の着脱可能な照明モジュール及びさらなる光源を含むペンダントランプの一実施形態を概略的に示す。
図4a】複数の着脱可能な照明モジュールを含むペンダントランプの一実施形態を概略的に示す。
図4b】複数の着脱可能な照明モジュールを含むペンダントランプの一実施形態を概略的に示す。
図5】照明モジュールの光出力を制御するための本発明による方法のステップを概略的に示す。
【0024】
全ての図面は、概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、概して、本発明を説明するために必要な部分のみを示しており、他の部分は省略されているか又は単に示唆されている可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、照明器具110に取り付けられるよう構成される本発明による照明モジュール100の一実施形態を概略的に示す。照明モジュール100は、光出力を提供するための少なくとも1つの光源102、及び照明モジュール100が照明器具110に取り付けられているかどうかを判断するよう構成されるプロセッサ104(例えば、マイクロコントローラ、回路、マイクロチップ等)を備える。プロセッサ104は、照明モジュール100が照明器具110に取り付けられている場合に照明モジュール100を第1の動作モードに設定し、照明モジュール100が照明器具110から取り外されている場合に照明モジュール100を第2の動作モードに設定するよう構成される。プロセッサ104はさらに、照明モジュール100が第1の動作モードにある場合に照明器具110の光設定に依存して少なくとも1つの光源102の光出力を制御し、照明モジュール100が第2の動作モードにある場合に照明器具110の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源102の光出力を制御するよう構成される。プロセッサ104は、例えば、照明モジュール100の色相、彩度、輝度、色温度等を制御するよう構成されてもよい。
【0026】
照明モジュール100のプロセッサ104は、照明モジュール100が照明器具110に取り付けられている(したがって、第1の動作モードにある)場合に、少なくとも1つの光源102の光出力を制御するため照明器具110から制御命令を受信することができる。これにより、照明器具110の制御ユニット(例えば、マイクロコントローラ、回路、マイクロチップ等)は、照明器具に依存する光設定をつくることができる。これは、ユーザが、1つの照明デバイスとして照明器具110を制御することによって、取り付けられた照明モジュール100の光出力を制御できるので、有利である。ユーザは、例えば、照明器具110の光出力を調光することができ、これに応じて、照明器具110の制御ユニットは、取り付けられた照明モジュール100の光出力、及び場合によっては、照明器具110の他の光源(図示せず)の光出力を調光する。照明モジュール100を照明器具110から取り外すと、照明モジュール100のプロセッサ104は、照明モジュール100を第2の動作モードに設定し、プロセッサ104は、制御命令を他のソースから(例えば、照明モジュール100に位置する又は接続されるユーザインタフェースから)受信することができる。ユーザは、例えば、照明モジュール100のユーザインタフェース(図示せず)を介して色の選択に関連するユーザ入力を提供することにより、照明モジュール104の光源102の色を変更することができる。
【0027】
照明モジュール100はさらに、照明器具110の第2のコネクタ108とインタフェースするよう構成される第1のコネクタ106を備えてもよい。このインタフェース(すなわち、接続)は、照明器具110から照明モジュール100への一方向又は双方向のデータ通信及び電力転送を可能にする。照明モジュール100は、例えば、USBモジュールであってもよく、第2のコネクタ108は、照明モジュール100を受けるためのUSBソケットであってもよい。接続されたUSBモジュールは、例えば、そのidVendor及びidProduct(これらは標準化されたUSB記述子である)を照明器具110に通信し、それにより照明器具110は照明モジュール100を識別(及び制御)することができる。USBモジュールはさらに、そのデバイスに関連する特性(発光特性、調光特性、光色、ビーム形状、検知特性等)を照明器具110に通信してもよい。照明器具110の制御ユニットは、相応に照明モジュール100の光源102を制御するためにこれらの特性を使用してもよい。照明器具110は、識別された照明モジュール100の特性を記憶するためのメモリを含んでもよい。
【0028】
第1のコネクタ106は、照明器具110の第2のコネクタ108とインタフェースするよう構成される任意のコネクタであってもよい。照明モジュール100を第2のコネクタ108に接続することによって、プロセッサ104は、照明モジュール100が照明器具110に接続されていることを判断することができる。第1のコネクタ106は、例えば、ソケット(例えば、ネジソケット(E14、E26、E27等)、バヨネットソケット、USBソケット、PoE(Power over Ethernet)(登録商標)ソケット等)、又はプラグ(例えば、ネジプラグ(E14、E26、E27等)、バヨネットプラグ、USBプラグ、PoEプラグ等)であってもよいが、他の任意の機械的接続(例えば、磁気的接続)を介して照明器具110と接続するよう構成されるコネクタであってもよい。
【0029】
照明モジュール100は、少なくとも1つの光源102(例えば、LED光源、OLED光源、白熱光源、蛍光光源等)を含む。照明モジュール100は、一般照明、タスク照明、アンビエント照明、雰囲気照明、アクセント照明等を提供するよう構成されてもよい。照明モジュール100は、ポータブル照明デバイス、例えば、LEDキューブ、エレクトロニックキャンドルライト、LED球体、物体/動物形状の照明デバイス、Philips Hue Go等の手持ちサイズのデバイスであってもよい。代替的に、照明モジュール100は、ユーザによって着用され得、照明器具110に取付けられた場合には照明器具110により充電(及び制御)され得る、着用可能な照明デバイス(例えば、ライトブレスレット、ライトネックレス等)であってもよい。
【0030】
照明モジュール100はさらに、照明モジュール100のコンポーネントに給電するよう構成されるバッテリ(図示せず)を備えてもよい。照明モジュール100が照明器具110に取り付けられている場合、照明モジュール100のコンポーネントは、照明器具110によって給電されてもよい。バッテリは、照明モジュール100が照明器具110に取り付けられている場合に照明器具110によって充電されるよう構成されてもよく、照明モジュール100が取り外されると、バッテリは、照明モジュール100のコンポーネントに給電してもよい。付加的に又は代替的に、照明モジュール100はさらに、バッテリを充電するよう構成される無線電力レシーバを備えてもよい。当技術分野で知られている様々な無線電力伝送技術が、バッテリの無線充電を可能にするために用いられてもよい。斯かる無線電力伝送技術の例は、誘導結合による電力伝送、容量結合による電力伝送、無線又はマイクロ波による電力伝送等である。
【0031】
図2は、照明モジュール100及び照明器具110を備える本発明による照明システム200の一実施形態を概略的に示す。照明器具110は、着脱可能な照明モジュール100とインタフェースするよう構成される任意のタイプの照明器具であってもよい。照明器具110は、例えば、ペンダントランプ(図3a図4b参照)、テーブルランプ、シャンデリア、オフィスランプ、トロファ、ポータブル照明デバイス、固定照明デバイス、街路灯、天井照明器具、壁照明器具等であってもよい。照明器具110は、照明器具110の制御ユニットによって制御され得るさらなる光源を備えてもよい。図2の照明システムはさらに、少なくとも1つのプロセッサを備えてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、照明器具110及び/又は照明モジュール100内に、及び/又は照明モジュール100及び照明器具110から離れて(図示せず)配置されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、照明モジュール100が照明器具110に取り付けられているかどうかを判断し、照明モジュール100が照明器具110に取り付けられている場合、照明モジュール100を第1の動作モードに設定する、及び照明モジュール100が照明器具110から取り外されている場合、照明モジュール100を第2の動作モードに設定するよう構成される。照明システム200は、照明器具110に含まれる第1のプロセッサ204及び照明モジュール100に含まれる第2のプロセッサ104を備えてもよい。第1のプロセッサ204は、照明モジュール100が第1の動作モードにある場合、照明器具110の光設定に依存して少なくとも1つの光源102の光出力を制御するよう構成されてもよい。第2のプロセッサ104は、照明モジュール100が第2の動作モードにある場合、照明器具110の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源102の光出力を制御するよう構成されてもよい。照明システム200の照明器具110はさらに、照明モジュールが照明器具110から取り外されている場合、照明モジュール100から照明制御信号を受信するよう構成される受信機202を備えてもよい。これにより、ユーザは、照明モジュール100を遠隔制御デバイスとして使用して、照明器具110の光出力(光設定)を制御することができる。
【0032】
照明器具110はさらに、さらなる照明モジュール(図2には図示せず)とインタフェースするためのさらなるコネクタを備えてもよい。照明器具110の制御ユニット204(例えば、マイクロコントローラ、回路、マイクロチップ等)は、照明モジュール100が照明器具110に取り付けられている場合には、第1の光設定に従ってさらなる照明モジュールの光出力を制御する、及び照明モジュール100が照明器具110から取り外されている場合には、第2の光設定に従ってさらなる照明モジュールの光出力を制御するよう構成されてもよい。照明器具110の制御ユニット204は、例えば、照明器具110により発せられる全体的な光束を維持するために、照明モジュール100の取り外し時にさらなる照明モジュールの輝度を増加させることができる。例示的な実施形態において、4つの(線形に組み立てられた)照明モジュールは、勾配照明効果(gradient lighting effect)(第1の照明モジュールは赤色光を発し、第2の照明モジュールは橙色光を発し、第3の照明モジュールは黄色光を発し、第4の照明モジュールは白色光を発する)を作り出してもよく、照明器具110の制御ユニット204は、勾配照明効果を保存するために、1つ以上の照明モジュールが取り外された場合、取り付けられた照明モジュールのいずれかの光出力を変更することを決定してもよい。例えば、第1の照明モジュールが照明器具から取り外されている場合、照明器具110の制御ユニット204は、赤色光を発するように第2の照明モジュールの光出力を制御し、橙色と黄色の混合である光を発するように第3の照明モジュールの光出力を制御し、白色光を発するように第4の照明モジュールの光出力を制御するよう構成されてもよい。このようにして、第1の照明モジュールを取り外す前に照明器具110によって作り出された光効果が保存される。
【0033】
照明モジュール100はさらに、ユーザ入力を受信するよう構成されるユーザインタフェース(図示せず)を備えてもよい。照明モジュールのプロセッサ104はさらに、照明モジュール100が照明器具110から取り外されている場合、ユーザ入力に従って照明モジュール100の少なくとも1つの光源102の光出力を制御するよう構成されてもよい。照明モジュール100は、ユーザ入力を受信するよう構成される任意のタイプのユーザインタフェースを備えてもよい。ユーザインタフェースは、例えば、タッチ入力を受けるためのタッチパッド、タッチスクリーン、1つ以上のボタン及び/又は1つ以上のスライダ等のタッチセンシティブデバイスを含むことができる。タッチ入力は、照明モジュール100の少なくとも1つの光源102の光出力の(例えば、カラーホイール、カラースライダ、異なる光設定及び/又は色等を表示するタッチスクリーンを介してユーザ入力を提供することによる)色、彩度及び/又は輝度の選択に関連してもよい。これにより、ユーザは、例えば、照明モジュール100のユーザインタフェースでタッチ入力を提供するだけで、照明モジュール100の光設定を選択することができる。付加的に又は代替的に、ユーザインタフェースは、音声信号(例えば、ボイスコマンド又はサウンドコマンド)を検出するよう構成されるマイクロフォン等のオーディオセンサを備えてもよく、少なくとも1つの光源102の光出力は、相応にプロセッサ104により制御されてもよい。これにより、ユーザは、例えば、照明モジュール100のためのサウンドコマンドを提供するだけで、照明モジュール100のための光設定を選択することできる。付加的に又は代替的に、ユーザインタフェースは、照明モジュール100の動きを検出するための加速度計、磁力計及び/又はジャイロスコープ等のモーションセンサを備えてもよく、少なくとも1つの光源102の光出力は、相応にプロセッサ104により制御されてもよい。これにより、ユーザは、例えば、照明モジュール100を回転、移動、又は振動させるだけで、照明モジュール100のための光設定を選択することができる。上述のタイプのユーザインタフェースは、本発明を限定するものではなく、例示に過ぎず、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、照明モジュール100上に多くの代替的なユーザインタフェースを設計できるであろうことに留意されたい。
【0034】
付加的に又は代替的に、照明モジュール100は、照明モジュール100が照明器具から取り外されている場合、ユーザインタフェースを含むスマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチ又はスマートグラス等のスマートウェアラブルデバイス)等の遠隔制御デバイスによって制御されてもよい。ユーザは、例えば、遠隔制御デバイス上で照明モジュール100のための光設定を選択することができ、光設定は、照明モジュール100に(無線で)通信される。それゆえ、照明モジュール100は、遠隔制御デバイスからの照明制御コマンドを受信するよう構成される受信機(図示せず)を備えてもよく、照明制御コマンドは、光設定を適用するための命令を含んでもよい。当技術分野で知られている様々な無線通信技術、例えば、Bluetooth、4G、Wi-Fi又はZigBeeが、遠隔制御デバイスと照明モジュール100との間の接続を確立するために用いられてもよい。遠隔制御デバイスはさらに、遠隔制御デバイス上で動作するアプリケーションを表示するよう構成されるディスプレイを備えてもよい。ディスプレイは、ユーザに照明モジュール100及び/又は照明器具110の仮想表現を提供してもよく、さらに照明モジュール100の現在の動作モードを表示してもよい。例えば、ディスプレイは、照明器具110の仮想表現に取り付けられている又は取り外されている1つ以上の照明モジュール100の仮想表現を表示してもよい。
【0035】
照明モジュール100のプロセッサ104はさらに、ユーザ入力に基づいて照明制御信号を生成するよう構成されてもよい。照明モジュール100はさらに、照明制御信号を照明器具110及び/又はさらなる照明デバイスに送信するための送信機(図示せず)を備えてもよい。当技術分野で知られている様々な無線通信技術、例えば、Bluetooth、4G、Wi-Fi又はZigBeeが用いられてもよい。これにより、ユーザは、照明モジュール100においてユーザ入力を提供することによって、照明器具110及び/又はさらなる照明デバイス(例えば、LEDストリップ、スマートライティングデバイス、他の取り外された照明モジュール、スタンドアローン照明デバイス等)の光出力を制御することができる。照明モジュール100のユーザインタフェースは、例えば、上述したユーザインタフェースのいずれかであってもよい。
【0036】
図3a及び図3bは、照明モジュール304、304'のユーザインターフェース(図示せず)がどのようにして照明モジュール304'の少なくとも1つの光源(図示せず)、及び場合によっては、照明器具の光設定を制御することができるかの一例を示す。図3aは、表面310を照らす4つの照明モジュール302、304、306及び308を含む天井320から吊り下げられたペンダント照明器具300を示す。ペンダント照明器具300はさらに、(例えば、天井320を照らすために配置されてもよい)追加の光源330を備えてもよい。図3bに示されるように、ユーザは、照明モジュール304'を照明器具300から取り外すことができる。照明モジュール304'が取り外されると、照明モジュール304'は、(照明モジュール304の少なくとも1つの光源(図示せず)の光出力が、照明器具300の光設定に依存して制御される)第1の動作モードから、(照明モジュール304'の少なくとも1つの光源の光出力が、照明器具300の光設定に依存しないように制御される)第2の動作モードに設定される。照明モジュール302、306及び308は、照明器具300に取り付けられたままであり、したがって、第1の動作モードにとどまる。取り外されると、ユーザは、照明モジュール304'に含まれる少なくとも1つの光源の光出力を制御するために、照明モジュール304'とインタラクトすることができる。図3bの例では、ユーザは、照明モジュール304'を回転させることができる。1つ以上のセンサ(例えば、加速度計、磁力計等)(図示せず)は、この動きを検出し、それをプロセッサ(図示せず)に通信することができ、プロセッサは、この動きに応じて光出力を制御することができる。プロセッサは、例えば、回転運動が検出されると順次、虹の色(赤、橙、黄、緑、青、紫)に従って光出力を制御し、ユーザが回転運動を停止したときに発せられている色に光出力を設定することができる。
【0037】
付加的に又は代替的に、照明モジュール304'のプロセッサ(図示せず)は、ユーザ入力に基づいて照明制御信号を生成するよう構成されてもよい。照明モジュール304'はさらに、照明制御信号を照明器具300に送信するための送信機(図示せず)を備えてもよい。照明器具300はさらに、照明モジュール304'から照明制御信号を受信するための受信機(図示せず)、及び照明制御信号に基づいて照明器具に取り付けられた照明モジュール302、306及び308(及び場合によっては、追加の光源330)を制御するための制御ユニット(図示せず)を備えてもよい。照明制御信号は、例えば、照明器具に取り付けられた1つ以上の照明モジュールの光出力の色、輝度及び/又は飽和度を調整するための命令を含んでもよい。図3bの例では、ユーザは、照明モジュール304'を回転させることができる。1つ以上のセンサ(例えば、加速度計、磁力計等)(図示せず)は、この動きを検出し、それをプロセッサ(図示せず)に通信することができ、プロセッサは、照明制御信号を生成することができ、照明制御信号は、照明器具300に送信されることができる。照明モジュール304'のプロセッサは、例えば、回転運動が検出されると、照明器具により発せられる光の強度を制御する照明制御信号を照明器具に送り、それによって光源(例えば、照明器具300の照明モジュール302、306及び308の光源)の光出力を制御することができる。ユーザが照明モジュール304'の回転を停止すると、照明器具の光設定は、ユーザが照明モジュール304'の回転を停止した瞬間の光強度に基づいて設定される。この例は、ユーザが照明器具300の光の放射の強度をどのように制御することができるかを示すが、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、照明モジュール100とインタラクトすることにより照明器具110の光出力を制御する多くの代替的な方法を設計することができるであろう。
【0038】
照明モジュール100はさらに、照明器具110に接続された光源により発せられる(又は、LEDストリップ、LEDマトリックス、さらなる取り外された照明モジュール、スタンドアローン照明デバイス等のさらなる照明デバイスの光源により発せられる)光を検知するよう構成される光センサを含んでもよい。光源は、埋め込みコード(符号化光信号)を含む光を放射するよう構成されてもよく、埋め込みコードは、照明器具110の識別子を含んでもよい。埋め込みコードは、カメラ、光電センサ、イメージセンサ等の光センサによって検出可能な光出力の変化を生成するために、照明デバイス110の光源への時間変化する変調電流を制御することにより生成されてもよい。光センサは、光信号を受信し、それによりプロセッサが照明器具により発せられた光を識別し、取り外された照明モジュール100が照明器具110によって照らされる領域に位置するかどうかを判断可能にするようなセンサを含むことができる。一実施形態において、取り外された照明モジュール100のプロセッサ104は、照明モジュールが照明器具110によって照らされる領域に位置する場合、照明制御信号を(送信機を介して)照明器具110に送信するよう構成される。照明モジュール100のプロセッサ104は、照明モジュール100が照明器具110によって照らされる領域に位置していない場合、照明制御信号を生成しないか、又は送信しないよう構成されてもよい。これは、ユーザが、照明器具110の光設定を制御するために照明モジュール100を照明領域に単に位置付けるか、又は、例えば、照明モジュール100の光出力を制御するために照明モジュール100を照明領域外に位置付けることができるという利点を提供する。
【0039】
図4a及び図4bは、照明モジュールが照明器具400の光源(照明モジュール402及び406)によって照らされる領域(それぞれ、402'及び406')内にある場合、照明モジュール404'が照明器具の光設定をどのように制御するかの一例を示す。図4aは、表面410を照らす3つの照明モジュール402、404及び406を含む天井420から吊り下げられたペンダント照明器具400を示す。図4bに示されるように、ユーザは、照明モジュール404'を照明器具400から取り外すことができる。照明モジュール404'が取り外されると、照明モジュール404'は、(照明モジュール404の少なくとも1つの光源(図示せず)の光出力が、照明器具400の光設定に依存して制御される)第1の動作モードから、(照明モジュール404'の少なくとも1つの光源の光出力が、照明器具400の光設定に依存しないように制御される)第2の動作モードに設定される。照明モジュール402及び406は、照明器具400に取り付けられたままであり、したがって第1の動作モードにとどまる。取り外されると、ユーザは、照明モジュール404'が照明器具400によって照らされる領域402'、406'内に位置する場合、照明器具400の光設定(及び照明モジュール402及び/又は406の光出力)を制御するために照明モジュール404'とインタラクトすることができる。図4bの例では、ユーザは、照明モジュール404'のユーザインタフェース(図示せず)を介して(例えば、タッチ、動き、サウンド等を介して)ユーザ入力を提供することができ、照明モジュール404'は、照明モジュール404'の光センサ(図示せず)が照明器具400により発せられた光を検出した場合、照明器具400に照明制御信号を送信することができる。さらなる実施形態において、照明モジュール404'は、光センサによって光が検出される光源の光出力にのみ影響を及ぼす照明制御信号を照明器具400に送信することができる(図4bの例では、照明制御信号は、照明モジュール404'が照明モジュール406によって照らされる領域に位置しているので、照明モジュール406の光出力にしか影響を及ぼさない)。ユーザが、照明器具400の光源(照明モジュール402及び406)によって照らされる領域の外側に照明モジュール404'を位置付ける場合、照明モジュール404'のプロセッサは、照明制御信号を生成しないか、又は送信しない。
【0040】
プロセッサ104はさらに、照明モジュール100と照明器具110及び/又はさらなる照明デバイスとの間の近接を判断するよう構成されてもよい。この実施形態では、照明モジュール100及び照明器具110(及び/又はさらなる照明デバイス)が所定の近接範囲内にある場合、制御信号が送信される。照明モジュール100は、照明器具110が照明モジュール100の所定の近接(距離)内にあるかどうかを判断するために、照明モジュール100及び照明器具110の位置情報を受信するための受信機を備えてもよい。付加的に又は代替的に、照明モジュール100は、照明器具110の光源によって発せられる符号化光信号を検出するための光センサを備えてもよい。この少なくとも1つの符号化光信号は、照明器具110に関する場所/位置情報を含んでもよく、それにより、プロセッサ104は、受信した符号化光信号の特性に基づいて(例えば、光の光強度、信号の信号/ノイズ比等に基づいて)照明器具110と照明モジュール100との間の距離(近接)を判断することができる。付加的に又は代替的に、照明モジュール100は、照明器具110から信号を受信するよう構成される受信機を備えてもよい。これらの信号、例えば、無線周波数信号を受信することにより、プロセッサ104は、受信信号の特性に基づいて(例えば、受信信号強度、信号の飛行時間等に基づいて)照明器具110と照明デバイス100との間の距離を決定することができる。上述した近接/距離判定技術は、照明モジュール100と照明器具110との間の近接性を決定する例に過ぎず、当業者は、特許請求の範囲を逸脱することなく多くの代替的な近接/距離判定技術を設計することができることに留意されたい。
【0041】
図5は、照明モジュールの光出力を制御するための本発明による方法500のステップを概略的に示す。方法500は、
照明モジュールが照明器具に取り付けられているかどうかを判定するステップ502、
照明モジュールが照明器具に取り付けられている場合、照明モジュールを第1の動作モードに設定するステップ504、又は照明モジュールが照明器具から取り外されている場合、照明モジュールを第2の動作モードに設定するステップ504'、及び
照明モジュールが第1の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存して少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップ506、又は照明モジュールが第2の動作モードにある場合、照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップ506'、
を含む。
【0042】
付加的に、本方法は、ユーザインタフェースを介してユーザ入力を受信するステップ505を含んでもよい。この場合、照明器具の光設定に依存せずに少なくとも1つの光源の光出力を制御するステップ506'は、ユーザ入力に従って照明モジュールの光出力を制御するステップを含む。
【0043】
本方法は、コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピューティングデバイスの処理ユニットで実行される場合本方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムにより(例えば、図2の照明システムの少なくとも1つのプロセッサで)実行されてもよい。
【0044】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替実施形態を設計できることに留意されたい。
【0045】
特許請求の範囲において、括弧内に置かれた参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する」という動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する冠詞「a」又は「an」は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。本発明は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータ又は処理装置によって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段のいくつかは、同一のハードウェアのアイテムによって具体化されることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
【0046】
本発明の態様は、コンピュータによって実行され得るコンピュータ可読記憶デバイスに記憶されたコンピュータプログラム命令の集合体であり得るコンピュータプログラムにおいて実施され得る。本発明の命令は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)又はJavaクラスを含むが、これに限定されない任意の解釈可能又は実行可能コードメカニズムであってもよい。この命令は、完全な実行可能プログラム、部分実行可能プログラム、既存のプログラムに対する修正(例えば更新)、又は既存のプログラムに対する拡張(例えば、プラグイン)として提供され得る。さらに、本発明の処理の一部は、複数のコンピュータ又はプロセッサにわたって分散されてもよい。
【0047】
コンピュータプログラム命令を格納するのに適した記憶媒体には、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス、内部及び外部ハードディスクドライブ等の磁気ディスク、リムーバブルディスク及びCD-ROMディスクを含むが、これらに限定されないすべての形態の不揮発性メモリが含まれる。コンピュータプログラムは、斯様な記憶媒体上で配布されてもよく、又はHTTP、FTP、電子メール、又はインターネット等のネットワークに接続されたサーバを介してダウンロード用に提供されてもよい。
【要約】
照明器具(110)に取り付けられるよう構成される照明モジュール(100)が開示される。照明モジュール(100)は、光出力を提供するための少なくとも1つの光源(102)、及び照明モジュール(100)が照明器具(110)に取り付けられているかどうかを判断するよう構成されるプロセッサ(104)を含む。プロセッサ(104)は、照明モジュール(100)が照明器具(110)に取り付けられている場合、照明モジュール(100)を第1の動作モードに設定する、及び照明モジュール(100)が照明器具(110)から取り外されている場合、照明モジュール(100)を第2の動作モードに設定するよう構成される。少なくとも1つの光源(102)の光出力は、照明モジュール(100)が第1の動作モードにある場合、照明器具(110)の光設定に依存して制御され、少なくとも1つの光源の光出力(102)は、照明モジュール(100)が第2の動作モードにある場合、照明器具(110)の光設定に依存せずに制御される。これにより、ユーザは、照明モジュール(100)が照明器具(110)に取り付けられている場合、照明モジュール(100)の光出力を、例えば照明器具(110)の光出力を制御することにより、制御することができ、照明モジュール(100)が照明器具(100)から取り外されている場合、照明モジュール(100)の光出力を、例えば照明モジュール(100)とインタラクトすることにより、制御することができる。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5