特許第6440938号(P6440938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6440938マップデータからのアーチファクトの除去
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440938
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】マップデータからのアーチファクトの除去
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   A61B5/00 G
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-266789(P2013-266789)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-124533(P2014-124533A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2016年10月24日
(31)【優先権主張番号】13/726,719
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ルビンシュタイン・ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】バル−タル・メイル
【審査官】 高松 大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−061789(JP,A)
【文献】 米国特許第07095890(US,B2)
【文献】 特表2009−537249(JP,A)
【文献】 特開2008−136850(JP,A)
【文献】 米国特許第06301496(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0009758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッピングのための装置であって、
プローブであって、
人体器官内の各位置において測定された、初期の一連の生理的パラメーターの測定値を生成し、
空間的マップ要素の配列を含む前記器官の三次元(3D)マップを生成するように構成された、プローブと、
プロセッサであって、
前記生理的パラメーターの測定値が測定された前記各位置を、当該各位置と最も近い前記マップ要素である基本マップ要素上に投影し、前記基本マップ要素の重心における前記生理的パラメーターの値を推定し、
前記基本マップ要素と隣接するマップ要素である、隣接マップ要素を判定し、
前記基本マップ要素の重心と、前記隣接マップ要素の重心との間の、マップ要素に沿った最短経路である空間的測地線を、前記基本マップ要素と前記隣接マップ要素が共有する辺から前記基本マップ要素の重心及び前記隣接マップ要素の重心までの距離が最小となるように画定し、
前記マップ要素上での電気活動の流れの速さ及び方向を表す速度ベクトルであるスローネスベクトルを前記基本マップ要素の重心及び前記隣接マップ要素の重心について算出し、
当該スローネスベクトル及び前記測地線に基づき、前記隣接マップ要素の重心における前記生理的パラメーターの値を推定し、
前記推定された前記生理的パラメーターの値を示す前記器官のマップを表示するように構成された、プロセッサと、を備える、装置。
【請求項2】
前記人体器官が心臓を含み、前記生理的パラメーターが前記心臓の局部活性化時間を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記空間的マップ要素が、前記人体器官の壁上の場所に対応する頂点を有する平面的な多角形を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記平面的な多角形が三角形を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記マップを表示することが、前記器官と関連付けられた等時線を前記マップ内に組み込むことを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プローブが、前記各位置から前記初期の一連の生理的パラメーターの測定値を同時に受信する複数の電極を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して身体的パラメーターの測定に関し、具体的には心臓などの人体器官に関連付けられたパラメーターの測定に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の電気活動のマッピングなどの医学的手順では、一般に、測定は、比較的ノイズが多い。測定におけるノイズの影響を減少させるシステムは、有利であることになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施形態は、
人体器官の各位置において測定された、初期の一連の生理的パラメーターの測定値を受信することと、
空間的マップ要素の配列を含む器官の三次元(3D)マップを受信することと、
測定値が測定された各位置とマップ要素のサブグループとの間の対応を形成することと、
対応に応答して、生理的パラメーターの各要素値をサブグループ以外のマップ要素と関連付けることと、
マップ要素の連続している組が測地線を形成するように、各要素値を調節することと、
調節された要素値を示す器官のマップを表示することと、を含むマッピングのための方法を提供する。
【0004】
一実施形態では、人体器官は心臓を含み、生理的パラメーターは心臓の局部活性化時間から構成される。
【0005】
典型的には、空間的マップ要素は、人体器官の壁上の場所に対応する頂点を有する平面的な多角形を含む。開示された実施形態では、平面的な多角形は三角形を含み、サブグループは各位置に各最も近い三角形を含む。サブグループ以外のマップ要素は、各最も近い三角形のそれぞれと共有する辺を有する1つ又は2つ以上の隣接する三角形を含んでもよい。
【0006】
本方法は、各最も近い三角形のそれぞれと関連付けられたスローネスベクトルに応答して、1つ又は2つ以上の隣接する三角形を識別することを更に含んでもよい。
【0007】
各要素値を調節することは、測地線を形成するために、所与の最も近い三角形、及びその所定の最も近い三角形に隣接する1つ又は2つ以上の三角形の重心の要素値を調節することを含んでもよい。代替的に又は追加的に、各要素値を調節することは、重心と関連付けられた局部の変位ベクトルを最小化することを含んでもよい。
【0008】
代替的な実施形態では、サブグループ以外のマップ要素は、各最も近い三角形のそれぞれと共有する辺を有しない1つ又は2つ以上の三角形を含む。
【0009】
更なる代替的な実施形態では、測地線は、空間的測地線を含む。
【0010】
なお更なる代替的な実施形態では、マップを表示することは、器官と関連付けられた等時線をマップ内に組み込むことを含む。
【0011】
更なる開示された実施形態では、測地線は、時間的な測地線を含む。
【0012】
初期の一連の測定値を受信することは、各位置において複数の各電極から生理的パラメーターの複数の測定値を同時に受信することを含んでもよい。
【0013】
本発明の実施形態によると、
プローブであって、
人体器官内の各位置において測定された、初期の一連の生理的パラメーターの測定値を生成し、
空間的マップ要素の配列を含む器官の三次元(3D)マップを生成するように構成された、プローブと、
プロセッサであって、
測定値が測定された各位置とマップ要素のサブグループとの間の対応を形成し、
対応に応答して、生理的パラメーターの各要素値をサブグループ以外のマップ要素と関連付け、
マップ要素の連続している組が測地線を形成するように、各要素値を調節し、
調節された要素値を示す器官のマップを表示するように構成された、プロセッサと、を備える、マッピングのための装置が更に提供される。
【0014】
本開示は、以下のより詳細な実施形態と、その図面の記述により、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態による電気生理学的信号解析システムの概略図である。
図2】本発明の実施形態による、心臓の内壁の三次元マップを図示する概略線図である。
図3A】本発明の実施形態による、図2のマップ中の3つの三角形の概略線図である。
図3B】本発明の実施形態による、図2のマップ中の3つの三角形の概略線図である。
図4】本発明の実施形態による、プロセッサによって実施される、推定される心臓内の局部活性化時間を計算する工程の流れ図である。
図5】本発明の実施形態による、等時線の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概論
本発明の実施形態は、人体器官と関連付けられた身体的パラメーターをマッピングするための方法を提供する。典型的には、また本明細書で想定するように、人体器官は、被験者の心臓であり、身体的パラメーターは、心臓の鼓動と関連付けられた局部活性化時間(LAT)を含む。LATは、心臓の壁を通る電気活動の流れの指示であり、本発明の実施形態は、初期の一連のLATの測定値を使用する。
【0017】
初期の一連のLATと空間的マップ要素、典型的には心臓壁のメッシュの形態の多角形の要素のサブグループとの間に、対応が形成される。特に記述のない限り、以下の記述では、多角形の空間的マップ要素は、三角形の要素を有すると想定される。サブグループを含む空間的マップ要素は、心臓壁の測定された場所から生成されてもよい。
【0018】
一旦対応が実施されると、サブグループのもの以外の、すなわち、三角形のサブグループから離れた三角形をともなう、マップ要素と関連付けられたLATが、推定される。推定されたLAT値は、典型的にはサブグループに含まれる三角形を含む、LATと関連付けられた三角形の重心が、測地線を形成するように調節されてもよい。測地線は、典型的には空間的測地線であり、距離は最小化される。いくつかの実施形態では、測地線は、時間的な測地線を含み、この場合、重心のLATの間の測定された時間は最小化される。予想プロセスは、典型的には多重の測地線を形成する。
【0019】
一旦LATが多重の測地線を形成するように調節されると、LATは、等時線を生成するように分類される場合がある。典型的には上記のメッシュに基づく心臓のマップは、等時線の形態の調節されたLATを示して表示されてもよい。
【0020】
心臓壁のマップ上に測地線を形成するようにLATを調節することは、心臓壁の区域の場所に対してLATを平滑にすることを可能にする。発明者らは、先行技術の方法による平滑化と比べて、かかる平滑化が優れた結果をもたらすことを見出した。
【0021】
システムの説明
ここで、本発明の実施形態による電気生理学的信号解析システム20の概略図である、図1を参照する。システム20は、実質的にいかなる生理的パラメーター又はかかるパラメーターの組み合わせを解析するように構成されてもよいが、本明細書の記述では、一例として、解析された信号は、心内心電図(ECG)電位時間関係であると想定される。かかる関係を完全に特性化するために、時間内に相互に信号を参照する必要がある。
【0022】
本発明の実施形態において、この時間参照は、基準信号上の事例(本明細書では基準事例と呼ばれる)を時間内に測定することによって達成される。本明細書では、一例として、基準信号は、基準ECG電位対時間信号を含むと想定される。同様に一例として、基準事例は、ECG基準信号のQRS群の開始であると想定される。マッピングされる心臓内の任意の所与の位置に対して、位置の電気活動の局部活性化時間(LAT)と呼ばれる身体的パラメーターは、既定の条件を満たす電気活動に関して画定されてもよい。
【0023】
以下の説明において、既定の条件は、その位置における電位の最大の急速な変化の発生時間を含むと想定され、また、LATは、基準事例から、その位置における最大の急速な電位の偏向の次の発現までの時間であると想定される。LATは、正であっても負であってもよい。最大の急速な電位の偏向の発生時間を決定するための方法、並びにLATを決定するための他の定義及び条件は、当業者にはよく知られているものであり、そのようなすべての方法、定義、及び条件は、本発明の範囲内に含まれると想定される。
【0024】
簡潔性及び明瞭性のために、以下の説明は、特に記述のない限り、システム20がプローブ24を使用して心臓34からの電気信号を感知する調査手順を想定する。プローブの遠位端32は、電極22を有すると想定される。当業者であれば、この説明を、1つ又は2つ以上の電極を有する複数のプローブに関して、並びに、心臓以外の器官によって生成される信号に関して、適応させることが可能であろう。
【0025】
典型的には、プローブ24は、システム20のユーザー28によって実行されるマッピング手順の間に、被験者26の身体内に挿入されるカテーテルを含む。本明細書の説明において、ユーザー28は、一例として、医療専門家であると想定される。手技の間、被験者26は接地電極23に取り付けられると想定される。加えて、電極29が、心臓34の領域にて被験者26の皮膚に取り付けられると想定される。
【0026】
システム20は、システムプロセッサ40によって制御されてもよく、システムプロセッサ40は、メモリ44と通信する処理ユニット42を備えている。プロセッサ40は通常、制御卓46内に載置されており、制御卓46は、通常はマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイス39を有する操作制御部38を備え、専門家28はこの操作制御部38を使用してプロセッサと相互作用する。プロセッサは、記憶装置44内に格納される、プローブ経路指定モジュール30及びECGモジュール36を含むソフトウェアを使用して、システム20を操作する。プロセッサ40によって実行される操作の結果は、ディスプレイ48上で専門家に提示され、このディスプレイ48は、典型的には、ユーザーに対するグラフィックユーザーインターフェース、電極22によって感知されるECG信号の視覚的表現、及び/又は調査されている間の心臓34の画像若しくはマップを提示する。ソフトウェアは、例えばネットワークを通して電子形式でプロセッサ40にダウンロードされてもよく、又は代替的に若しくは追加的に、磁気、光学、若しくは電子的メモリ等の持続的な有形媒体に提供及び/若しくは格納されてもよい。
【0027】
ECGモジュール36は、電極22及び電極29からの電気信号を受信するよう連結されている。モジュールは、信号を解析するように構成され、ディスプレイ48上に、標準的なECG形式で、典型的には、時間と共に変動するグラフ式表現で、解析の結果を提示することができる。
【0028】
プローブ追跡モジュール30は、プローブが被験者26の体内にある間にプローブ24の各区域を追跡する。追跡モジュールは通常、被験者26の心臓内における、プローブ24の遠位端部32の位置と配向の両方を追跡する。いくつかの実施形態において、モジュール30はプローブの他の区域を追跡する。追跡モジュールは、当該技術分野において既知であるいかなるプローブ追跡方法を用いてもよい。例えば、磁場発信器からの磁場が、追跡されているプローブの各区間内に配置された追跡コイルと相互作用するように、モジュール30は、被験者の付近で磁場発信器を操作してもよい。磁場と相互作用するコイルは、モジュールに伝送される信号を生成し、モジュールはその信号を解析して、コイルの位置及び向きを決定する。(簡潔性のために、そのようなコイル及び発信器は図1には示されていない。)Biosense Webster(米国、カリフォルニア州、Diamond Bar)により生産されるCarto(登録商標)システムは、このような追跡方法を用いている。代替的に又は追加的に、追跡モジュール30は、電極23、電極29、及び電極22の間のインピーダンス、並びに、プローブ上に配置する場合がある他の電極に対するインピーダンスを測定することによって、プローブ24を追跡してもよい。(この場合には、電極22及び/又は電極29は、ECG信号及び追跡信号の双方を提供してもよい。)Biosense Websterにより生産されるCarto3(登録商標)システムは、磁界伝送器及びインピーダンス測定器の両方を追跡に用いる。
【0029】
経路指定モジュール30プロセッサ40を使用することによって、遠位端32の位置を測定することができる。加えて、経路指定モジュール30及びECGモジュール36の両方を使用することによって、プロセッサは、遠位端の位置だけでなく、これらの特定の位置において検出される信号のLATも測定することができる。明瞭性のために、本開示及び特許請求の範囲では、関連付けられたLAT測定を有しない遠位端の測定された位置は、本明細書では非LAT位置と呼ばれ、LAT測定のそれぞれを有する遠位端の測定された位置は、LAT位置と呼ばれる。本発明の実施形態では、非LAT位置は、心臓34の壁の三次元の(3D)解剖学的なマップを生成するために使用されると想定される。
【0030】
図2は、本発明の実施形態による心臓34の内壁の3Dマップ62、及びLAT位置を図示する概略線図60である。図60は、表示48上に示されてもよい。簡潔性のために、完全なマップの部分のみが、図2に示される。マップ62は、多重の非LAT位置点64を備えるメッシュとして策定され、その場所は、経路指定モジュール30によって評価されてきた。心臓壁は動くが、非LAT位置点の場所の評価では、モジュールは、例えば、すべての測定された点を、心房収縮の開始などの心臓の鼓動の間の基準時間に調節することによって、かかる動きを可能にする。当該技術分野において既知の方法によって、プロセッサ40は、接続された平面的な多角形のメッシュを形成するように、直線的な点間線66によって点64を接続する。平面的な多角形は、任意の都合の良い数の辺を有してもよく、例えば、五角形、又は六角形を含んでもよい。簡潔性のために、以下の記述では、接続された平面的な多角形は、三角形70を含むと想定され、当業者は、3つ以外の辺を有する平面的な多角形の場合の記述を適合することができるであろう。接続された三角形70は、心臓内壁表面を近似する表面を形成する。
【0031】
線図は、LAT位置68も示し、それぞれのLAT位置は、関連付けられたLATを有する。典型的には、LAT位置及びそれらの関連付けられたLATは、マップ62を生成するためにプロセッサ40によって使用された時間からの異なる時間期間に対して評価される。(表示48上の本線図60では、所与のLAT位置と関連付けられたLATの値は、LAT位置を表す点を色分けすることによって示されてもよい。)本開示では、また必要に応じて、具体的な非LAT位置64、線66、及びLAT位置68は、識別番号に接尾辞及び/又は接頭辞として参照文字を添付することによって区別される。例えば、線図60では、3つの非LAT位置64D、64E、64Fは、三角形70Dを形成し、LAT位置68Dは近いが、三角形70Dからは分離される。
【0032】
非LAT位置に関しては、LAT位置は、基準時間に対して調節される。理論的には、LAT位置及び非LAT位置の両方の種類の位置が心臓壁の上にあるべきなので、LAT位置68は、三角形70の表面と位置合せされるべきである。しかしながら、実際には、例えば、位置の測定の誤差及び測定された位置の調節誤差により、その位置は、位置合わせされない。誤差は、典型的には、少なくとも部分的に心臓の動きに起因する。本発明の実施形態は、2つの種類の位置の位置ずれを訂正する。
【0033】
図3A及び図3Bは、本発明の実施形態による、マップ62内の3つの三角形70A、70B、70Cの概略線図である。図は、一連の直交するxyz軸を基準に描かれるので、図3Bは、3つの三角形の側面図であり、図3Aは、平面図である。三角形70Aは、頂点として、非LAT位置64L、64M、64Nを有し、これらの頂点は、線66L、66M、66Nによって接続される。三角形70Bは、頂点として、非LAT位置64P、64M、64Nを有し、線66Q、66M、66Pによって接続される。三角形70Cは、頂点として、非LAT位置64L、64M、64Qを有し、線66L、66Q、66Sによって接続される。頂点64M、64N及び線66Mは、三角形70A、70Bに共通であり、かつ頂点64M、64L及び線66Lは、三角形70A、70Cに共通である。一例として、xyz直交軸は、線66Mに平行なz軸を有することが想定され、かつ三角形70Aがxz平面と平行な平面72内にあるように構成される。LAT位置68Bは、三角形70Aに近く、平面72内ではない。
【0034】
三角形70Aは、幾何学的な重心C70Aを有し、三角形70Bは、幾何学的な重心C70B有し、また三角形70Cは、幾何学的な重心C70Cを有する。重心C70A、C70B、C70Cが、三角形70A、70B、70Cそれぞれの頂点の既知の値から計算されてもよいことが理解されるであろう。図3A及び図3Bの他の要素は、以下に記載される。
【0035】
心臓の電気活動は、洞房結節において心臓の鼓動ごとの最初に開始され、心筋、及び心臓を含む結合組織を通して流れる電位として考えることができる。心臓腔壁上の任意の点において、その点におけるLATは、その点を流過する電位によって生じる。上記に説明されるように、メッシュ62は、心臓の壁を近似する。本発明の実施形態は、下記したように、測定された非LAT位置とともに、測定されたLAT位置及びそれらの関連付けられたLATの値を使用して、メッシュ62を通した電気活動の流れを推定すること、及びメッシュの三角形の重心におけるLATによって、心臓腔壁上の点におけるLATの推定を生成する。
【0036】
図4は、本発明の実施形態による、プロセッサ40によって実施される、推定される心臓34内のLATを計算する工程の流れ図100である。
【0037】
マッピング工程102では、プロセッサ及び経路指定モジュール30は、非LAT位置64の3D値を受信及び捕捉する。受信及び捕捉は、遠位端が心臓壁に接触するまでプローブ24の遠位端32を動かすことによって達成されてもよい。
【0038】
メッシュを生成する工程104では、プロセッサは、メッシュ62を形成するように、非LAT位置64を直線で接続する。メッシュ62は、三角形70を備える空間的マップ要素の配列として形成される。一連の3D点から三角形の要素のメッシュを形成する方法は、当該技術分野において既知であり、典型的にはその最も近い隣接するもののうちの1つ又は2つ以上に任意の所与の点を結合することを含む。
【0039】
重心の工程106では、プロセッサは、メッシュ三角形の各重心の値を計算する。
【0040】
「未加工の」LAT工程108では、経路指定モジュール30及びECGモジュール36を使用するプロセッサ40は、LAT位置68の組、及びそれらの関連付けられたLATを受信及び捕捉する。捕捉は、非LAT位置64の捕捉(工程102)と実質的に類似であるが、典型的には遠位端32の、それぞれのLAT位置68における滞留時間は、プロセッサが位置のLATを捕捉することができるように、非LAT位置における時間より長い。
【0041】
工程102及び108は、互いに独立である。したがって、工程は、相次いで実施されてもよく、又は代替的には実質的に同時に実施されてもよい。
【0042】
流れ図100の残りの工程では、プロセッサは、メッシュ62の実質的にすべての三角形70について、及び実質的にすべてのLAT位置68について計算を実施する。明瞭性のために、工程の説明は、図3A及び図3Bの三角形70A、70B、及び70Cを参照する。
【0043】
投影する工程110では、プロセッサは、それぞれのLAT位置68に最も近い、すなわち、それぞれのLAT位置68と対応する、三角形70を判定する。かかる三角形は、本明細書では、基本三角形と呼ばれる。一旦所与のLAT位置68に対する基本三角形が判定されると、プロセッサは、LAT投影点において、LAT位置を基本三角形上に投影する。したがって、図3Aを参照すると、プロセッサ40は、三角形70AがLAT位置68Bに最も近いことを判定し、したがって三角形70Aは、基本三角形である。プロセッサは、基本三角形70A上で、LAT位置68BをLAT投影点P68Bに投影する。
【0044】
隣接する三角形の工程111では、プロセッサは、工程110で位置付けられた基本三角形と隣接する、すなわち、連続する三角形を判定する。
【0045】
メッシュ、すなわち、LAT投影点を有するそれぞれの三角形内のそれぞれの基本三角形要素に対するγ及びLAT割当て工程112では、プロセッサは、マップ要素値を割り当て、本明細書では、式(1):
【数1】
による、重心局部活性化時間を含むことを想定し、式中tは、割り当てられた基本三角形の重心の局部活性化時間(LAT)であり、
iは、基本三角形の識別子であり、
τは、LAT位置のLATであり、
kは、LAT位置の識別子であり、
εは、測定されたLAT値(τ)と三角形重心での所望の値LAT(t)との類似性の尺度である定数である。εは、典型的には±(約0.01〜0.05)msの範囲の、小さいランダムな値として事前設定することができ、かつ
γkiは、パラメーターである。
【0046】
この式は、工程119で使用される。
【0047】
パラメーターγkiは、典型的には0〜1の範囲であり、パラメーターの値は、下記に説明するように、プロセッサ40によって調節されてもよい。典型的には、パラメーターの値は、LAT位置と重心との間の距離が減少するに従って、1に近づくように設定される。
【0048】
一実施形態では、パラメーターγkiに対する事前設定した値を公式化するために、式(1a):
【数2】
による指数関数が使用されてもよく、式中αは、スケーリング定数であり、
d(i,k)は、i番目の重心とk番目のLAT位置との間の距離である。
【0049】
図3A及び図3Bに図示される三角形については、三角形70Aは、基本三角形であり、式(1)は:
【数3】
となる。
【0050】
式(1)は、プローブ24上で単一の電極22によってなされる測定から導出されると考えてもよい。より一般的な場合(式(1)が含まれる)は、プローブ24上のM個の複数電極22によってLATが同時に測定される場合であり、Mは、正の整数である。かかる一般的な場合については、式(1c):
【数4】
が適用され、式中t、i、τ、ε、及びkは、上記の式(1)に対して定義される通りであり、
mは、電極番号であり、1≦m≦Mであり、
Δkmは、k番目のLAT位置におけるm番目の電極の遅延である。
【0051】
式(1c)では、パラメーター
【数5】
は、m個の同時に測定された点すべてに対して共通である。一実施形態では、パラメーター
【数6】
の値は、式(1d):
【数7】
によって与えられる個々のパラメーター値の平均として計算されてもよく、又は重量平均として計算されてもよく、式中αは、上記の式(1a)で定義される通りであり、
d(i+m,m)は、k番目の測定に対する、(i+m)番目の重心とm番目の電極位置との間の距離である。
【0052】
簡潔性のために、以下の記述は、測定が単一の電極によってなされた場合に対する式(1)及び式(1a)を提供することを想定している。当業者は、式(1c)及び式(1d)によって取り扱われる場合の記述、すなわち測定が同時になされる複数電極について、適合することができるであろう。
【0053】
測地線の工程117では、プロセッサ40は、基本三角形重心と、隣接する三角形重心との間の空間的測地線Δを計算する。プロセッサは、すべての三角形に対するこの計算をメッシュで実施する。空間的測地線は、2つの重心の間の変位を最小化し、空間的測地線Δは、式(2):
【数8】
によって定義されてもよく、式中
【数9】
はそれぞれ、基本三角形重心及び隣接する三角形重心から2つの三角形に共通な線への、局部の変位ベクトルであり、2つのベクトルは、共通の線上の共通の頂点を有する。
【0054】
開示及び特許請求の範囲において、要素の間の測地線は、要素の間の最短経路として理解され、測地線移動は、かかる経路に沿ったパラメーターの移動であると理解される。測地線は、空間的測地線であってもよく、この場合、最短経路は、要素の間の最短の空間的経路である。式(3)は、空間的測地線を使用した例である。代替的には、測地線は、時間的な測地線であってもよく、この場合、最短経路は、要素の間の最短の時間的な経路である。
【0055】
例示的な、重心C70BとC70Aとの間の、局部の変位ベクトル
【数10】
は、図3Aに図示され、かつ線66M上に共通の頂点76を有する。(明瞭性のために、線66L上に共通の頂点を有する、重心C70AとC70Cとの間の変位ベクトルは、図中に描かれていない。)
【0056】
LAT及びスローネス予想工程119では、すべての三角形(基本及び隣接した、すなわち、工程110、111で認識されたもの)について、プロセッサは、三角形の各重心に割り当てられる、スローネスベクトル
【数11】
を計算する。スローネス値は、関係(3):
【数12】
により定義することができ、式中
【数13】
は、i番目の基本三角形内の電気活動の流れの早さ及び方向を測定する、推定された速度ベクトルである。
【0057】
式(3)から明らかなように、スローネスは、速さの相互の大きさ、及び速度方向と同一の方向を有するベクトルである。
【0058】
重心C70Aに接続された例示のスローネスベクトル
【数14】
は、三角形70A内に図示される。
【0059】
工程119では、プロセッサ40は、下記の式(4)を使用して、すべての三角形についてスローネスベクトルを計算する。
【数15】
式中iは、1つの三角形の識別子であり、
jは、三角形iの境界となる三角形の識別子であり、
【数16】
は、隣接する位置のスローネス値の類似性の尺度である、定数ベクトルであり、
【数17】
である。典型的には、
【数18】
は、スローネスの推定された値の約0.01%〜1%である。
【0060】
【数19】
の値は、ユーザー28によってプロセッサに提供されてもよく、かつすべてのメッシュ62に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、εの異なる値が、典型的には心臓三角形の要素と関連してi,jがである基準の上で提供されてもよい。
【0061】
重心C70Bに接続された
【数20】
は、例示的な三角形スローネスベクトルを図示する。
【0062】
工程119でもまた、それぞれの基本三角形について、プロセッサ40は、割り当てられた基本三角形の重心の局部活性化時間(LAT)を計算するために、上記の式(1)を使用する。
【0063】
プロセッサは、三角形重心に割り当てられる活性化時間を、下記の式(5)により計算する。
【数21】
式中iは、カーソル前の三角形の識別子であり、
jは、カーソル前の三角形iの境界となる三角形、すなわち、カーソル後の三角形の識別子であり、
、tは、i三角形及びj三角形の重心の局部活性化時間(LAT)のそれぞれであり、
【数22】
は、i三角形及びj三角形のスローネスベクトルであり、
【数23】
は、式(2)から生成される。式(5)の右辺を精査すると、第1項が、カーソル前の三角形内の電気活動の成分の、共通の三角形線からカーソル前の三角形重心への移動時間と等しいことが示される。同様に、第2項は、カーソル後の三角形内の電気活動の、共通の三角形線とカーソル後の三角形重心との間の移動時間と等しい。
【0064】
プロセッサ40は、カーソル前の三角形重心に対する、及びカーソル後の三角形重心に対する、の両方のt及びSの値を接続するために、式(5)を適用する。式(5)の適用は、すべての基本三角形及び共役三角形に対して実施され、すべての三角形に対して活性化時間及びスローネスを生成することが、工程110及び111を判定し、本明細書では対象ゾーンと呼ばれる。
【0065】
式(5)の適用は、対象ゾーンのすべての三角形の重心の間の電気活動の測地線移動を想定することが理解されるであろう。
【0066】
続く工程122では、
【数24】
を計算するプロセスは、対象ゾーンを近接して包囲する三角形に対する計算を実施することによって延ばされる。それぞれのカーソル前の三角形は、典型的には、それと関連付けられた1つ又は2つ以上の更なるカーソル前の三角形を有し、更なるカーソル前の三角形は、カーソル前の三角形の連続する配列を形成する。更なるカーソル前の三角形の識別は、スローネスベクトルによって交差される辺を分析することによって実施されてもよい。
【0067】
同様に、それぞれのカーソル後の三角形は、これと関連付けられた1つ又は2つ以上の更なるカーソル後の三角形を有してもよく、更なるカーソル後の三角形もまた、カーソル後の三角形の連続する配列を形成する。
【0068】
例えば、図3Aでは、スローネスベクトル
【数25】
は、辺66Pと交差するので、三角形70Bと共有する辺66Pを有する、更なるカーソル前の三角形(図示せず)がある。同様に、重心C70Cに取り付けられるスローネスベクトル(図示せず)は、辺66R又は66Sのいずれかと交差し、これにより、三角形70Cと共有する辺としてこれらの辺のうちの1つを有する、更なるカーソル後の三角形がある。
【0069】
2つの配列は、1つの基本三角形から開始すると考えられる場合があり、2つの配列によって形成される経路内のすべての三角形の重心は、空間的測地線上にある。
【0070】
工程122では、プロセッサは、更なる隣接する三角形を識別するために工程111の動作を適用する。それぞれの更なる隣接する三角形が識別されると、プロセッサは、工程117の動作を適用する。プロセッサは、メッシュ62の縁、又は別の測地線上の三角形のいずれかに遭遇するまで、隣接する三角形の生成及びこれらの活性化時間を継続する。
【0071】
工程122を含むこれ以前の動作は、一連の空間的測地線を生成する。それぞれの測地線は、マッピングされる電気活動の流れによって取られる経路を形成するように接続された、連続する三角形の群を含む。
【0072】
典型的には、一旦工程122が完了すると、識別された測地線上ではなく、そのため割り当てられた活性化時間を有しない、メッシュ62の三角形が残される場合がある。
【0073】
工程124では、プロセッサは、工程122の実施後に見出される隣接する三角形に対して活性化時間及びスローネスを計算する。活性化時間及びスローネスは、これらの三角形について方程式系(4)及び(5)を解くことによって、また対象ゾーンの境界となる三角形に対して工程119で見出された、すでに決定された活性化時間及びスローネスを使用することによって計算される。
【0074】
最終的な工程128では、プロセッサは、メッシュ62の三角形の重心の活性化時間、及び/又はスローネスベクトルを、画面48上に表示する。典型的には、平滑化した等時線が、画面内に組み込まれる。
【0075】
流れ図100の記述を見直すことによって、上記に示された式(式(1)、(4)及び(5))が独立ではなく、逐次的に解くことができないことが理解されるであろう。
【0076】
図5は、本発明の実施形態による、等時線の概略図を示す。線図150は、工程108に対して上記されるように生成される、局部活性化時間から生成される等時線を示す。線は、測定されたLATのみを使用して、最小限の内挿及び外挿により描かれる。線図152は、線図150に対して使用される同一のLATに適用される、流れ図100によって生成される等時線を示す。明瞭性のために、等時線は、線と関連付けられた異なる時間を示す、異なる濃度によって分離される。線図152から明らかなように、線図152内の等時線は、線図150のものよりもかなり滑らかである。
【0077】
上記の説明は、概してシステム20に局部活性化時間を分析及び調節させることを目的としているが、上記の分析及び調節は、心臓などの器官と関連付けられた他の生理学的パラメーターに適用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、システム20は、時間によって操作するよりもむしろ、器官を移動する電圧によって操作するように構成されてもよい。別の実施例としては、器官のアブレーションの間には、熱の流れがあり、器官を通る熱の流れは、それ自身器官の温度変化として明らかになる場合がある。システム20は、器官の測定された温度を分析しかつ調節するように構成されてもよい。当業者は、システム20が、機能する際の器官からの赤外線放射などの、他の生理学的パラメーターを適用可能であることを識別することができ、すべてのかかるパラメーターが、本発明の範囲に含まれることを想定するであろう。
【0078】
加えて、上記の説明は、電気活動の測地線移動が、空間的測地線を介した移動を含むが、本発明の実施形態は、時間的な測地線を介した移動も含むことを想定する。当業者は、例えば、時間的な測地線移動を順応するために式(3)は使用しないが、むしろ式(5)を最小化することによるなどのように、記述を調節することができるであろう。
【0079】
したがって、上述の実施形態は一例として引用したものであり、また本発明は上記に具体的に図示及び記載したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ本発明の範囲には、上記に述べた様々な特徴の組み合わせ及び下位の組み合わせ、並びに当業者であれば上記の説明文を読むことで想到されるであろう、先行技術に開示されていないそれらの変更及び改変が含まれる。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) マッピングのための方法であって、
人体器官内の各位置において測定された、初期の一連の生理的パラメーターの測定値を受信することと、
空間的マップ要素の配列を含む前記器官の三次元(3D)マップを受信することと、
前記測定値が測定された前記各位置と前記マップ要素のサブグループとの間の対応を形成することと、
前記対応に応答して、前記生理的パラメーターの各要素値を前記サブグループ以外のマップ要素と関連付けることと、
前記マップ要素の連続している組が測地線を形成するように、前記各要素値を調節することと、
前記調節された要素値を示す前記器官のマップを表示することと、を含む、方法。
(2) 前記人体器官が心臓を含み、前記生理的パラメーターが前記心臓の局部活性化時間を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記空間的マップ要素が、前記人体器官の壁上の場所に対応する頂点を有する平面的な多角形を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記平面的な多角形が三角形を含み、前記サブグループが前記各位置に各最も近い三角形を含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記サブグループ以外の前記マップ要素が、前記各最も近い三角形のそれぞれと共有する辺を有する1つ又は2つ以上の隣接する三角形を含む、実施態様4に記載の方法。
【0081】
(6) 前記各最も近い三角形のそれぞれと関連付けられたスローネスベクトルに応答して、前記1つ又は2つ以上の隣接する三角形を識別することを含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記各要素値を調節することが、前記測地線を形成するために、所与の最も近い三角形、及び前記所与の最も近い三角形に隣接する前記1つ又は2つ以上の三角形の重心の要素値を調節することを含む、実施態様5に記載の方法。
(8) 前記各要素値を調節することが、前記重心と関連付けられた局部の変位ベクトルを最小化することを含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記サブグループ以外の前記マップ要素が、前記各最も近い三角形のそれぞれと共有する辺を有しない1つ又は2つ以上の三角形を含む、実施態様4に記載の方法。
(10) 前記測地線が、空間的測地線を含む、実施態様1に記載の方法。
【0082】
(11) 前記マップを表示することが、前記器官と関連付けられた等時線を前記マップ内に組み込むことを含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記測地線が、時間的な測地線を含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記初期の一連の測定値を受信することが、前記各位置において複数の各電極から前記生理的パラメーターの複数の測定値を同時に受信することを含む、実施態様1に記載の方法。
(14) マッピングのための装置であって、
プローブであって、
人体器官内の各位置において測定された、初期の一連の生理的パラメーターの測定値を生成し、
空間的マップ要素の配列を含む前記器官の三次元(3D)マップを生成するように構成された、プローブと、
プロセッサであって、
前記測定値が測定された前記各位置と前記マップ要素のサブグループとの間の対応を形成し、
前記対応に応答して、前記生理的パラメーターの各要素値を前記サブグループ以外のマップ要素と関連付け、
前記マップ要素の連続している組が測地線を形成するように、前記各要素値を調節し、
前記調節された要素値を示す前記器官のマップを表示するように構成された、プロセッサと、を備える、装置。
(15) 前記人体器官が心臓を含み、前記生理的パラメーターが前記心臓の局部活性化時間を含む、実施態様14に記載の装置。
【0083】
(16) 前記空間的マップ要素が、前記人体器官の壁上の場所に対応する頂点を有する平面的な多角形を含む、実施態様14に記載の装置。
(17) 前記平面的な多角形が三角形を含み、前記サブグループが前記各位置に各最も近い三角形を含む、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記サブグループ以外の前記マップ要素が、前記各最も近い三角形のそれぞれと共有する辺を有する1つ又は2つ以上の隣接する三角形を含む、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記プロセッサが、前記各最も近い三角形のそれぞれと関連付けられたスローネスベクトルに応答して、前記1つ又は2つ以上の隣接する三角形を識別するように構成される、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記各要素値を調節することが、前記測地線を形成するために、所与の最も近い三角形、及び前記所与の最も近い三角形に隣接する前記1つ又は2つ以上の三角形の重心の要素値を調節することを含む、実施態様18に記載の装置。
【0084】
(21) 前記各要素値を調節することが、前記重心と関連付けられた局部の変位ベクトルを最小化することを含む、実施態様20に記載の装置。
(22) 前記サブグループ以外の前記マップ要素が、前記各最も近い三角形のそれぞれと共有する辺を有しない1つ又は2つ以上の三角形を含む、実施態様17に記載の装置。
(23) 前記測地線が、空間的測地線を含む、実施態様14に記載の装置。
(24) 前記マップを表示することが、前記器官と関連付けられた等時線を前記マップ内に組み込むことを含む、実施態様14に記載の装置。
(25) 前記測地線が、時間的な測地線を含む、実施態様14に記載の装置。
【0085】
(26) 前記プローブが、前記各位置から前記初期の一連の生理的パラメーターの測定値を同時に受信する複数の電極を含む、実施態様14に記載の装置。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5