特許第6440941号(P6440941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6440941
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】アンテナ装置及びその給電構造体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/50 20060101AFI20181210BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H01Q1/50
   H01Q1/38
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-11538(P2014-11538)
(22)【出願日】2014年1月24日
(65)【公開番号】特開2014-147067(P2014-147067A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2017年1月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0008749
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】パク ブン キ
【審査官】 宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/126306(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0050121(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/50
H01Q 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射体と、
前記放射体に信号を供給するための給電部、前記放射体の接地のための接地部、及び前記給電部と前記接地部との間に配置され、前記給電部と前記接地部のいずれか一つと連結される共振付加部を含む給電構造体と、
前記放射体と前記給電構造体とを連結し、前記給電部と、前記接地部と前記共振付加部のいずれか二つと連結される接触部と、
前記共振付加部又は前記接地部のいずれか一つに配置されるリアクタンス素子と、を含むことを特徴とする、アンテナ装置。
【請求項2】
前記接触部は、
前記給電構造体における前記接触部の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つによって、前記給電構造体で決定される共振周波数帯域を調節し、
前記接触部は、前記給電部に配置される第1接触部と、前記接地部と前記共振付加部のいずれか一つに配置される第2接触部とを含み
前記給電構造体における前記第1接触部と前記第2接触部との間の間隔によって、前記共振周波数帯域が調節されることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記放射体と前記給電構造体との間前記接触部の長さによって前記共振周波数帯域が調節されることを特徴とする、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第2接触部が前記共振付加部に配置され、
前記給電部と前記共振付加部とが相互に開放されることを特徴とする、請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第2接触部が前記接地部に配置され、
前記共振付加部と前記接地部とが相互に開放されることを特徴とする、請求項3に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信端末機の構成に関し、特にアンテナ装置及びその給電構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、通信端末機は電磁波を送受信するためのアンテナ装置を備える。このようなアンテナ装置は、特定周波数帯域で共振して、該当周波数帯域の電磁波を送受信する。この際、該当周波数帯域で共振したとき、アンテナ装置のインピーダンスは虚数となる。そして、アンテナ装置に対する該当周波数帯域でのSパラメータが急激に減少する。
【0003】
このために、アンテナ装置は所望の周波数帯域に対応する波長λに対してλ/2の電気的長さを有する導線を備える。このようなアンテナ装置は、導線を通じて電磁波を伝送し、電磁波が導線で定常波を形成することによって、アンテナ装置で共振がなされる。この際、アンテナ装置は長さが相異する複数個の導線を備えることによって、共振周波数帯域を拡張することができる。
【0004】
ところが、上記のようなアンテナ装置では共振周波数帯域に対応して導線の電気的長さが決定されるため、アンテナ装置のサイズが共振周波数帯域によって決定される。これによって、アンテナ装置で具現しようとする共振周波数帯域が低くなるほど、アンテナ装置のサイズが大型化する問題点がある。これは、アンテナ装置で導線の数が増加するほど、より深刻化する。すなわち、アンテナ装置で共振周波数帯域が拡張されるほど、アンテナ装置のサイズが大型化する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、アンテナ装置において共振周波数帯域を容易に調節することにある。すなわち、本発明はアンテナ装置のサイズを大型化しなくても、アンテナ装置の共振周波数帯域を調節するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明に従うアンテナ装置は、放射体と、放射体に信号を供給するための給電部、放射体の接地のための接地部、及び給電部と接地部との間に配置される共振付加部を含む給電構造体と、放射体と給電構造体とを連結する接触部とを含むことを特徴とする。
【0007】
この際、本発明に従うアンテナ装置において、接触部は、給電構造体における接触部の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つによって、給電構造体で決定される共振周波数帯域を調節する。
【0008】
そして、本発明に従うアンテナ装置において、接触部は、給電部に配置される第1接触部と、接地部又は共振付加部のうち、いずれか一つに配置される第2接触部とを含む。
【0009】
ここで、本発明に従うアンテナ装置において、第2接触部が共振付加部に配置され、給電部と共振付加部とが相互に開放される。
【0010】
又は、本発明に従うアンテナ装置において、第2接触部が接地部に配置され、共振付加部と接地部とが相互に開放される。
【0011】
また、本発明に従うアンテナ装置において、接触部は、接地部又は共振付加部のうち、他の一つに配置される第3接触部を更に含むことができる。
【0012】
ここで、本発明に従うアンテナ装置において、給電部と共振付加部とが相互に開放され、共振付加部と接地部とが相互に開放される。
【0013】
一方、上記の課題を解決するための本発明に従う給電構造体は、接地部と接地部に向かって信号を供給するための給電部とを連結して形成される共振部と、給電部と接地部との間に配置される共振付加部と、共振部又は共振付加部のうち、少なくともいずれか一つに配置される接触部とを含むことを特徴とする。
【0014】
この際、本発明に従う給電構造体において、接触部は、接触部の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つによって、共振部及び共振付加部で決定される共振周波数帯域を調節する。
【0015】
そして、本発明に従う給電構造体において、接触部は、給電部に配置される第1接触部と、接地部又は共振付加部のうち、いずれか一つに配置される第2接触部を含む。
【0016】
ここで、本発明に従う給電構造体において、第2接触部が共振付加部に配置され、給電部と共振付加部とが相互に開放されたり、第2接触部が接地部に配置され、共振付加部と接地部とが相互に開放されたりすることができる。
【0017】
また、本発明に従う給電構造体において、接触部は、接地部又は共振付加部のうち、他の一つに配置される第3接触部を更に含むことができる。
【0018】
ここで、本発明に従う給電構造体において、給電部と共振付加部とが相互に開放され、共振付加部と接地部とが相互に開放される。
【発明の効果】
【0019】
本発明に従うアンテナ装置及びその給電構造体は、アンテナ装置の共振周波数帯域を容易に調節することができる。すなわち、アンテナ装置が共振付加部を含むことによって、複数個の共振帯域で動作することができる。そして、アンテナ装置がリアクタンス素子を含むことによって、共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを容易に調節することができるだけでなく、アンテナ装置が接触部を含むことによって、共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを容易に調節することができる。この際、接触部の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つによって共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節されるため、アンテナ装置内の空間を効率的に用いることができる。これによって、アンテナ装置のサイズを大型化しなくても、アンテナ装置の共振周波数帯域を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
図2図1でA−A’に沿って切断した断面を示す断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に従うアンテナ装置の動作特性を示すグラフである。
図4】本発明の第2実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
図5】本発明の第3実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
図6】本発明の第4実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
図7】本発明の第5実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。この際、添付した図面で同一な構成要素はできる限り同一の符号で表していることに留意しなければならない。そして、本発明の要旨を曖昧にすることがある公知機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。そして、図2図1でA−A’に沿って切断した断面を示す断面図である。また、図3は本発明の第1実施形態に従うアンテナ装置の動作特性を図示するグラフである。
【0023】
図1及び図2を参照すると、本実施形態のアンテナ装置100は、駆動基板110、接地体120、アンテナ素子130、及び実装部材170を含む。
【0024】
駆動基板110は、アンテナ装置100において給電及び支持のために提供される。この際、駆動基板110は印刷回路基板(PCB)でありうる。このような駆動基板110は平板構造を有する。ここで、駆動基板110は単一基板で具現してもよいし、複数個の基板を積層して具現してもよい。
【0025】
そして、駆動基板110は接地領域111と共振領域113とに区分される。また、駆動基板110に、伝送線路(図示せず)が内在する。伝送線路は一端部を通じて制御モジュール(図示せず)に連結される。さらに、伝送線路は他端部を通じて共振領域113に露出される。すなわち、伝送線路は制御モジュールで信号を受信して、一端部から他端部に信号を伝達する。
【0026】
また、駆動基板110は誘電体を含む。ここで、駆動基板110の導電率(σ)は0.02でありうる。そして、駆動基板110の誘電率(ε)は4.4でありうる。さらに、駆動基板110の損失タンジェント(loss tangent)は0.02でありうる。この際、伝送線路は導電性物質からなる。ここで、伝送線路は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Gu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち、少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0027】
接地体120はアンテナ装置100で接地のために提供される。このような接地体120は駆動基板110に取り付けられる。この際、接地体120は接地領域111に配置される。ここで、接地体120は駆動基板110の下部面又は上部面のうち、少なくともいずれか一つに配置できる。又は、駆動基板110が複数個の基板からなる場合、接地体120は基板の間に配置することもできる。そして、接地体120は平板構造を有することができる。ここで、接地体120は接地領域111を全体的にカバーすることができる。又は、接地体120は接地領域111を部分的にカバーすることもできる。
【0028】
アンテナ素子130はアンテナ装置100で信号送受信のために提供される。この際、アンテナ素子130は共振周波数帯域で信号を送受信する。すなわち、アンテナ素子130は共振周波数帯域で動作して、電磁波を送受信する。ここで、アンテナ素子130は駆動基板110で信号が供給されることによって動作できる。そして、アンテナ素子130は予め定まったインピーダンスで共振する。
【0029】
この際、アンテナ素子130の共振周波数帯域は複数個の共振帯域を含む。すなわち、共振周波数帯域は第1共振帯域及び第2共振帯域を含む。ここで、第1共振帯域は第2共振帯域と比較して相対的に低周波に該当することができる。言い換えると、第2共振帯域は第1共振帯域と比較して相対的に高周波に該当することができる。そして、第1共振帯域と第2共振帯域とは周波数上で相互に離隔してもよい。これによって、アンテナ素子130の共振周波数帯域は複数の周波数帯域に該当することができる。又は、第1共振帯域と第2共振帯域とは周波数上で相互結合してもよい。これによって、アンテナ素子130の共振周波数帯域は広周波数帯域に該当することができる。
【0030】
このようなアンテナ素子130は駆動基板110に実装される。この際、アンテナ素子130は共振領域113に配置される。ここで、アンテナ素子130は駆動基板110の上部面に配置できる。そして、アンテナ素子130は共振領域113で伝送線路に接触する。また、アンテナ素子130は接地体120に接触する。ここで、アンテナ素子130は給電構造体140、接触部150、及び放射体160を含む。
【0031】
給電構造体140は、アンテナ素子130で給電のために提供される。すなわち、給電構造体140は放射体160を動作させる。そして、給電構造体140は放射体160と共に動作する。この際、給電構造体140は放射体160に信号を供給する。また、給電構造体140は、放射体160で信号が伝達されるようにする。ここで、給電構造体140は、共振部141、共振付加部147、及びリアクタンス素子149を含む。
【0032】
共振部141は、アンテナ素子130の共振周波数帯域で第1共振帯域を決定する。このような共振部141は、共振領域113で伝送線路に接触する。そして、共振部141は接地体120に接触する。また、共振部141は給電部143及び接地部145を含む。
【0033】
給電部143は放射体160に信号を供給する。このような給電部143は、駆動基板110の伝送線路に接触する。この際、給電部143は一端部を通じて伝送線路に接触する。ここで、給電部143の一端部が給電点(Feeding Point;FP)と定義される。例えば、給電点は接地体120に近接した位置で、伝送線路に接触することができる。言い換えると、給電点は接地体120と接触しない。そして、給電部143は伝送線路から延びる。この際、給電部143は他端部を通じて延びる。ここで、給電部143は他端部で開放(open)される。これによって、給電部143は一端部から他端部に、放射体160に信号を供給する。また、給電部143は導電性物質からなる。ここで、給電部143は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Gu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち、少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0034】
接地部145は放射体160を接地させる。このような接地部145は、接地体120に接触する。この際、接地部145は一端部を通じて接地体120に接触する。ここで、接地部145の一端部が接地点と定義される。そして、接地部145は接地体120から延びる。この際、接地部145は他端部を通じて延びる。これによって、接地部145は他端部から一端部に、接地体120に向かって信号が伝達されるようにする。また、接地部145は導電性物質からなる。ここで、接地部145は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Gu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち、少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0035】
共振付加部147は、アンテナ素子130の共振周波数帯域に第2共振帯域を付加する。すなわち、共振付加部147はアンテナ素子130の共振周波数帯域で第2共振帯域を決定する。このような共振付加部147は、共振部141で給電部143と接地部145との間に配置される。この際、共振付加部147は給電部143から開放される。そして、共振付加部147は接地部145に連結される。言い換えると、給電部143と共振付加部147とが相互に開放され、給電部143と接地部145とが相互に開放される。これによって、共振部141から共振付加部147に信号が流入する。
【0036】
そして、共振付加部147は接地体120に連結される。この際、共振付加部147は一端部を通じて接地体120に連結される。ここで、共振付加部147は一端部を通じて接地体120に接触することができる。また、共振付加部147は接地体120から延びる。この際、共振付加部147は他端部を通じて接地体120から延びる。ここで、共振付加部147は他端部を通じて接地部145に連結される。これによって、共振付加部147が他端部から一端部に接地される。
【0037】
また、共振付加部147は導電性物質を含む。ここで、共振付加部147は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Gu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち、少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0038】
リアクタンス素子149は、アンテナ素子130において共振周波数帯域の調節のために提供される。すなわち、リアクタンス素子149はアンテナ素子130の電気的特性を調節する。この際、リアクタンス素子149は予め決定されるリアクタンスを有する。すなわち、リアクタンス素子149はリアクタンスによって、アンテナ素子130の電気的特性を調節する。そして、リアクタンス素子149は容量性素子又は誘導性素子のうち、少なくともいずれか一つを含む。ここで、容量性素子はコンデンサであってもよいし、誘導性素子はインダクタであってもよい。このようなリアクタンス素子149は共振付加部147に配置される。
【0039】
接触部150は、アンテナ素子130において給電構造体140と放射体160との連結のために提供される。すなわち、接触部150は給電構造体140と放射体160との間に介在する。この際、接触部150は、給電構造体140が配置される平面から突出する。すなわち、接触部150は給電構造体140から放射体160に延びる。ここで、接触部150は一端部を通じて給電構造体140に接触する。そして、接触部150は他端部を通じて延びる。また、接触部150は他端部を通じて放射体160に接触する。
【0040】
そして、接触部150は給電構造体140及び放射体160と共に動作する。この際、接触部150は給電構造体140から放射体160に信号を伝達する。また、接触部150はアンテナ素子130で共振周波数帯域を調節する。すなわち、接触部150はアンテナ素子130の電気的特性を調節する。この際、接触部150は予め決定されるサイズ、すなわち長さ及び断面積を有する。ここで、接触部150の長さは給電構造体140から放射体160に延びる方向によって決定される。さらに、接触部150の断面積は給電構造体140から放射体160に延びる方向に垂直に決定される。言い換えると、接触部150は長さ及び断面積によってアンテナ素子130の電気的特性を調節する。
【0041】
このような接触部150は、共振部141及び共振付加部147に配置される。この際、接触部150は、第1接触部151及び第2接触部153を含む。第1接触部151は共振部141に配置される。ここで、第1接触部151は給電部143に配置される。すなわち、第1接触部151は給電部143の給電点と共振付加部147との間に配置される。第2接触部153は、共振付加部147に配置される。ここで、第2接触部153は、共振付加部147で共振部141とリアクタンス素子149との間に配置できる。又は、図示してはいないが、第2接触部153は共振付加部147で接地体120とリアクタンス素子149との間に配置することもできる。又は、図示してはいないが、接触部150が複数個の第2接触部153を含んで、第2接触部153が共振付加部147でリアクタンス素子149の両端部に配置されてもよい。
【0042】
また、接触部150は導電性物質を含む。ここで、接触部150は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Gu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち、少なくともいずれか一つを含むことができる。さらに、接触部150はピン(pin)タイプで形成できる。又は、接触部150はC−クリップ(C-clip)で形成できる。
【0043】
放射体160はアンテナ素子130で実質的な動作のために提供される。この際、給電構造体140から信号が供給されると、放射体160は共振周波数帯域で動作する。ここで、放射体160は、接地体120、給電構造体140、及び接触部150と共に動作する。このような放射体160は接触部150に接触する。ここで、放射体160は接触部150の他端部に接触する。そして、放射体160は接触部150を通じて給電構造体140に連結される。この際、放射体160は共振部141及び共振付加部147に連結される。また、放射体160は導電性物質からなる。ここで、放射体160は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Gu)、金(Au)、ニッケル(Ni)のうち、少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0044】
実装部材170は、アンテナ装置100において放射体160の支持のために提供される。すなわち、放射体160が実装部材170に実装されることによって、実装部材170が放射体160を支持する。この際、図示してはいないが、アンテナ装置100が通信端末機(図示せず)に取り付けられる場合、実装部材170が通信端末機の外部ケースの内部表面に取付できる。ここで、通信端末機の外部ケースによって形成される内部空間に駆動基板110が配置できる。
【0045】
このような実装部材170は、駆動基板110に対応して配置される。ここで、実装部材170は駆動基板110の共振領域113に対応して配置される。そして、実装部材170は接触部150によって駆動基板110又は給電構造体140から離隔する。また、実装部材170は下部面171、下部面171に対応する上部面173、及び下部面171と上部面173とを連結する側部面175を含む。ここで、実装部材170は上部面173を通じて通信端末機の外部ケースに取付けることができる。
【0046】
この際、放射体160は実装部材170の下部面171に取付けてもよい。又は、図示してはいないが、放射体160が実装部材170の上部面173に取付けてもよい。ここで、放射体160が通信端末機の外部ケースと実装部材170との間に介在してもよい。そして、放射体160は実装部材170の側部面175に沿って下部面171に延長できる。一方、放射体160は実装部材170を貫通して下部面171に延長できる。これによって、放射体160は接触部150に接触できる。
【0047】
これによって、給電構造体140、接触部150、及び放射体160が共に動作する。この際、駆動基板110から信号が印加されると、給電構造体140で信号が伝達される。そして、給電構造体140から放射体160に信号が供給される。ここで、給電部143が第1接触部151に信号を伝達し、第1接触部151が放射体160に信号を伝達する。また、放射体160から給電構造体140に信号が伝達される。ここで、放射体160が第2接触部153に信号を伝達し、第2接触部153が接地部145及び共振付加部147に信号を伝達する。これによって、アンテナ素子130で2つの共振ループ、すなわち第1共振ループと第2共振ループが形成される。
【0048】
第1共振ループは、共振部141及び接触部150によって形成される。すなわち、第1共振ループは、給電部143、接地部145、第1接触部151、及び第2接触部153を含む。そして、第1共振ループがアンテナ素子130の共振周波数帯域で第1共振帯域を決定する。この際、第1共振ループのサイズによって第1共振帯域が決定される。ここで、第1共振ループのサイズは、給電部143及び接地部145のサイズ、給電構造体140における第1接触部151及び第2接触部153の位置及びサイズによって決定される。これによって、第1接触部151と第2接触部153との間の間隔又は第1接触部151及び第2接触部153の長さ及び断面積のうち、少なくともいずれか一つによって第1共振帯域が調節できる。
【0049】
第2共振ループは、接地部145、共振付加部147、リアクタンス素子149、及び第2接触部153によって形成される。すなわち、第2共振ループは、接地部145、共振付加部147、リアクタンス素子149、及び第2接触部153を含む。そして、第2共振ループがアンテナ素子130の共振周波数帯域で第2共振帯域を決定する。この際、第2共振ループのサイズ及びリアクタンス素子149のリアクタンスによって第2共振帯域が決定される。ここで、第2共振ループのサイズは、接地部145及び共振付加部147のサイズ、第2接触部153の位置及びサイズによって決定される。これによって、第2接触部153の長さ及び断面積によって第2共振帯域が調節できる。
【0050】
これによって、アンテナ装置100は予め決定された共振周波数帯域で動作する。例えば、アンテナ装置100は図3に示すような動作特性を有することができる。すなわち、アンテナ装置100は第1共振ループによって第1共振帯域で共振する。ここで、第1共振帯域が第1共振ループによって決定される。そして、アンテナ装置100は第2共振ループによって第2共振帯域で共振する。ここで、第2共振帯域が第2共振ループによって決定される。この際、第1接触部151及び第2接触部153の位置及びサイズが初期決定されることによって、第1共振帯域及び第2共振帯域が決定される。
【0051】
そして、接触部150の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つが調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。この際、第1接触部151と第2接触部153との間隔が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。そして、第1接触部151及び第2接触部153の長さ及び断面積が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。すなわち、アンテナ装置100の動作性能を維持しながら第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを調節できる。ここで、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つをより低周波帯域に調節してもよいし、より高周波帯域に調節してもよい。
【0052】
図4は、本発明の第2実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
【0053】
図4を参照すると、本実施形態のアンテナ装置200は、駆動基板210、接地体220、アンテナ素子230、及び実装部材270を含む。そして、アンテナ素子230は、給電構造体240、接触部250、及び放射体260を含む。また、給電構造体240は、共振部241、共振付加部247、及びリアクタンス素子249を含む。また、共振部241は給電部243及び接地部245を含む。この際、本実施形態で各々の構成は前述した実施形態の対応する構成と類似しているので、詳細な説明を省略する。
【0054】
ただし、本実施形態のアンテナ装置200において、給電部243と共振付加部247とが連結される。すなわち、給電部243と共振付加部247とが相互に開放されない。ここで、給電部243の他端部と共振付加部247の他端部とが連結される。これに反して、接地部245と共振付加部247とが相互に開放される。ここで、接地部245が他端部から開放される。言い換えると、給電部243と接地部245とが相互に開放され、接地部245と共振付加部247とが相互に開放される。
【0055】
そして、リアクタンス素子249は共振付加部247に配置される。このようなリアクタンス素子249は、アンテナ素子230で共振周波数帯域を調節する。すなわち、リアクタンス素子249はアンテナ素子230の電気的特性を調節する。この際、リアクタンス素子249は予め決定されるリアクタンスを有する。すなわち、リアクタンス素子249はリアクタンスによってアンテナ素子230の電気的特性を調節する。そして、リアクタンス素子249は容量性素子又は誘導性素子のうち、少なくともいずれか一つを含む。ここで、容量性素子はコンデンサであってもよいし、誘導性素子はインダクタであってもよい。
【0056】
また、接触部250は共振部241に配置される。言い換えると、接触部250は共振付加部247に配置されない。この際、接触部250は、第1接触部251及び第2接触部253を含む。第1接触部251及び第2接触部253は共振部241に個別的に配置される。ここで、第1接触部251は給電部243に配置される。また、第2接触部253は接地部245に配置される。すなわち、第2接触部253は共振付加部247と接地部245の接地点との間に配置される。
【0057】
これによって、給電構造体240、接触部250、及び放射体260が共に動作する。すなわち、アンテナ素子230において、2つの共振ループ、すなわち第1共振ループ及び第2共振ループが形成される。
【0058】
第1共振ループは、共振部241、接触部250によって形成される。すなわち、第1共振ループは、給電部243、接地部245、第1接触部251、及び第2接触部253を含む。そして、第1共振ループがアンテナ素子230の共振周波数帯域で第1共振帯域を決定する。この際、第1共振ループのサイズによって第1共振帯域が決定される。ここで、第1共振ループのサイズは給電部243及び接地部245のサイズ、給電構造体240における第1接触部251及び第2接触部253の位置及びサイズによって決定される。これによって、第1接触部251と第2接触部253との間の間隔又は第1接触部251及び第2接触部253の長さ及び断面積のうち、少なくともいずれか一つによって第1共振帯域が調節できる。
【0059】
第2共振ループは、接地部245、共振付加部247、リアクタンス素子249、及び第2接触部253により形成される。すなわち、第2共振ループは、接地部245、共振付加部247、リアクタンス素子249、及び第2接触部253を含む。そして、第2共振ループがアンテナ素子230の共振周波数帯域で第2共振帯域を決定する。この際、第2共振ループのサイズ及びリアクタンス素子249のリアクタンスによって第2共振帯域が決定される。ここで、第2共振ループのサイズは接地部245及び共振付加部247のサイズ、第2接触部253の位置及びサイズによって決定される。これによって、第2接触部253の長さ及び断面積によって第2共振帯域が調節できる。
【0060】
これによって、アンテナ装置200は予め決定された共振周波数帯域で動作する。すなわち、アンテナ装置200は第1共振ループによって第1共振帯域で共振する。ここで、第1共振帯域が第1共振ループによって決定される。そして、アンテナ装置200は第2共振ループによって第2共振帯域で共振する。ここで、第2共振帯域が第2共振ループによって決定される。この際、第1接触部251及び第2接触部253の位置及びサイズが初期決定されることによって、第1共振帯域及び第2共振帯域が決定される。
【0061】
そして、接触部250の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つが調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。この際、第1接触部251と第2接触部253との間隔が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。そして、第1接触部251及び第2接触部253の長さ及び断面積が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。すなわち、アンテナ装置200の動作性能を維持しながら、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを調節できる。ここで、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つをより低周波帯域に調節してもよいし、より高周波帯域に調節してもよい。
【0062】
図5は、本発明の第3実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
【0063】
図5を参照すると、本実施形態のアンテナ装置300は、駆動基板310、接地体320、アンテナ素子330、及び実装部材370を含む。そして、アンテナ素子330は、給電構造体340、接触部350、及び放射体360を含む。また、給電構造体340は、共振部341、共振付加部347、及びリアクタンス素子349を含む。また、共振部341は給電部343及び接地部345を含む。この際、本実施形態で各々の構成は前述した実施形態の対応する構成と類似しているので、詳細な説明を省略する。
【0064】
ただし、本実施形態のアンテナ装置300において、給電部343と共振付加部347とが相互に開放される。ここで、給電部343が他端部で開放される。そして、接地部345と共振付加部347とが連結される。すなわち、接地部345と共振付加部347とが相互に開放されない。ここで、接地部345の他端部と共振付加部347の他端部とが連結される。言い換えると、給電部343と共振付加部347とが相互に開放され、給電部343と接地部345とが相互に開放される。
【0065】
そして、リアクタンス素子349は接地部345に配置される。すなわち、リアクタンス素子349は共振付加部347と接地部345の接地点との間に配置される。このようなリアクタンス素子349は、アンテナ素子330において共振周波数帯域を調節する。すなわち、リアクタンス素子349はアンテナ素子330の電気的特性を調節する。この際、リアクタンス素子349は予め決定されるリアクタンスを有する。すなわち、リアクタンス素子349はリアクタンスによって、アンテナ素子330の電気的特性を調節する。そして、リアクタンス素子349は容量性素子又は誘導性素子のうち、少なくともいずれか一つを含む。ここで、容量性素子はコンデンサであってもよいし、誘導性素子はインダクタであってもよい。
【0066】
また、接触部350は共振部341及び共振付加部347に配置される。この際、接触部350は、第1接触部351及び第2接触部353を含む。第1接触部351は、共振部341に配置される。ここで、第1接触部351は給電部343に配置される。すなわち、第1接触部351は給電部343の給電点と共振付加部347との間に配置される。また、第2接触部353は共振付加部347に配置される。
【0067】
これによって、給電構造体340、接触部350、及び放射体360が共に動作する。すなわち、アンテナ素子330において、2つの共振ループ、すなわち第1共振ループ及び第2共振ループが形成される。
【0068】
第1共振ループは、共振部341、リアクタンス素子349、及び接触部350によって形成される。すなわち、第1共振ループは、給電部343、接地部345、リアクタンス素子349、第1接触部351、及び第2接触部353を含む。そして、第1共振ループがアンテナ素子330の共振周波数帯域で第1共振帯域を決定する。この際、第1共振ループのサイズ及びリアクタンス素子349のリアクタンスによって第1共振帯域が決定される。ここで、第1共振ループのサイズは給電部343及び接地部345のサイズ、給電構造体340における第1接触部351及び第2接触部353の位置及びサイズによって決定される。これによって、第1接触部351と第2接触部353との間の間隔又は第1接触部351及び第2接触部353の長さ及び断面積のうち、少なくともいずれか一つによって第1共振帯域が調節できる。
【0069】
第2共振ループは、接地部345、共振付加部347、リアクタンス素子349、及び第2接触部353によって形成される。すなわち、第2共振ループは、接地部345、共振付加部347、リアクタンス素子349、及び第2接触部353を更に含む。そして、第2共振ループがアンテナ素子330の共振周波数帯域で第2共振帯域を決定する。この際、第2共振ループのサイズ及びリアクタンス素子349のリアクタンスによって第2共振帯域が決定される。ここで、第2共振ループのサイズは接地部345及び共振付加部347のサイズ、第2接触部353の位置及びサイズによって決定される。これによって、第2接触部353の長さ及び断面積によって第2共振帯域が調節できる。
【0070】
これによって、アンテナ装置300は予め決定された共振周波数帯域で動作する。すなわち、アンテナ装置300は第1共振ループによって第1共振帯域で共振する。ここで、第1共振帯域が第1共振ループによって決定される。そして、アンテナ装置300は第2共振ループによって第2共振帯域で共振する。ここで、第2共振帯域が第2共振ループによって決定される。この際、第1接触部351及び第2接触部353の位置及びサイズが初期決定されることによって、第1共振帯域及び第2共振帯域が決定される。
【0071】
そして、接触部350の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つが調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。この際、第1接触部351と第2接触部353との間隔が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。そして、第1接触部351及び第2接触部353の長さ及び断面積が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。すなわち、アンテナ装置300の動作性能を維持しながら、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを調節できる。ここで、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つをより低周波帯域に調節してもよいし、より高周波帯域に調節してもよい。
【0072】
図6は、本発明の第4実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
【0073】
図6を参照すると、本実施形態のアンテナ装置400は、駆動基板410、接地体420、アンテナ素子430、及び実装部材470を含む。そして、アンテナ素子430は、給電構造体440、接触部450、及び放射体460を含む。また、給電構造体440は、共振部441、共振付加部447、及びリアクタンス素子449を含む。さらに、共振部441は給電部443及び接地部445を含む。この際、本実施形態における各々の構成は前述した実施形態の対応する構成と類似しているので、詳細な説明を省略する。
【0074】
ただし、本実施形態のアンテナ装置400において、給電部443と共振付加部447とが連結される。すなわち、給電部443と共振付加部447とが相互に開放されない。ここで、給電部443の他端部と共振付加部447の他端部とが連結される。これに反して、接地部445と共振付加部447とが相互に開放される。ここで、接地部445が他端部で開放される。言い換えると、給電部443と接地部445とが相互から開放され、接地部445と共振付加部447とが相互に開放される。
【0075】
そして、リアクタンス素子449は接地部445に配置される。すなわち、リアクタンス素子449は共振付加部447と接地部445の接地点との間に配置される。このようなリアクタンス素子449は、アンテナ素子430で共振周波数帯域を調節する。すなわち、リアクタンス素子449はアンテナ素子430の電気的特性を調節する。この際、リアクタンス素子449は予め決定されるリアクタンスを有する。すなわち、リアクタンス素子449はリアクタンスによってアンテナ素子430の電気的特性を調節する。そして、リアクタンス素子449は容量性素子又は誘導性素子のうち、少なくともいずれか一つを含む。ここで、容量性素子はコンデンサであってもよいし、誘導性素子はインダクタであってもよい。
【0076】
また、接触部450は共振部441に配置される。言い換えると、接触部450は共振付加部447に配置されない。この際、接触部450は、第1接触部451及び第2接触部453を含む。第1接触部451及び第2接触部453は共振部441に個別的に配置される。ここで、第1接触部451は給電部443に配置される。また、第2接触部453は接地部445に配置される。例えば、第2接触部453は接地部445で共振付加部447とリアクタンス素子449との間に配置できる。又は、図示してはいないが、第2接触部453は接地部445で接地体420とリアクタンス素子449との間に配置することもできる。又は、図示してはいないが、接触部450が複数個の第2接触部453を含んで、第2接触部453が接地部445でリアクタンス素子449の両端部に配置されてもよい。
【0077】
これによって、給電構造体440、接触部450、及び放射体460が共に動作する。すなわち、アンテナ素子430において、2つの共振ループ、すなわち第1共振ループ及び第2共振ループが形成される。
【0078】
第1共振ループは、共振部441、リアクタンス素子449、及び接触部450によって形成される。すなわち、第1共振ループは、給電部443、接地部445、リアクタンス素子449、第1接触部451、及び第2接触部453を含む。そして、第1共振ループがアンテナ素子430の共振周波数帯域で第1共振帯域を決定する。この際、第1共振ループのサイズ及びリアクタンス素子449のリアクタンスによって第1共振帯域が決定される。ここで、第1共振ループのサイズは給電部443及び接地部445のサイズ、給電構造体440における第1接触部451及び第2接触部453の位置及びサイズによって決定される。これによって、第1接触部451と第2接触部453との間の間隔又は第1接触部451及び第2接触部453の長さ及び断面積のうち、少なくともいずれか一つによって第1共振帯域が調節できる。
【0079】
第2共振ループは、接地部445、共振付加部447、リアクタンス素子449、及び第2接触部453によって形成される。すなわち、第2共振ループは、接地部445、共振付加部447、リアクタンス素子449、及び第2接触部453を含む。そして、第2共振ループがアンテナ素子430の共振周波数帯域で第2共振帯域を決定する。この際、第2共振ループのサイズ及びリアクタンス素子449のリアクタンスによって第2共振帯域が決定される。ここで、第2共振ループのサイズは接地部445及び共振付加部447のサイズ、第2接触部453の位置及びサイズによって決定される。これによって、第2接触部453の長さ及び断面積によって第2共振帯域が調節できる。
【0080】
これによって、アンテナ装置400は予め決定された共振周波数帯域で動作する。すなわち、アンテナ装置400は第1共振ループによって第1共振帯域で共振する。ここで、第1共振帯域が第1共振ループによって決定される。そして、アンテナ装置400は第2共振ループによって第2共振帯域で共振する。ここで、第2共振帯域が第2共振ループによって決定される。この際、第1接触部451及び第2接触部453の位置及びサイズが初期決定されることによって、第1共振帯域及び第2共振帯域が決定される。
【0081】
そして、接触部450の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つが調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。この際、第1接触部451と第2接触部453との間隔が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。そして、第1接触部451と第2接触部453の長さ及び断面積が調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。すなわち、アンテナ装置400の動作性能を維持しながら、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを調節できる。ここで、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つをより低周波帯域に調節してもよいし、より高周波帯域に調節してもよい。
【0082】
図7は、本発明の第5実施形態に従うアンテナ装置の分解斜視図である。
【0083】
図7を参照すると、本実施形態のアンテナ装置500は、駆動基板510、接地体520、アンテナ素子530、及び実装部材570を含む。そして、アンテナ素子530は、給電構造体540、接触部550、及び放射体560を含む。また、給電構造体540は、共振部541、共振付加部547、及びリアクタンス素子549を含む。さらに、共振部541は給電部543及び接地部545を含む。この際、本実施形態における各々の構成は前述した実施形態の対応する構成と類似しているので、詳細な説明を省略する。
【0084】
ただし、本実施形態のアンテナ装置500において、給電部543と共振付加部547とが相互に開放される。そして、接地部545と共振付加部547とが相互に開放される。また、給電部543と接地部545とが相互に開放される。ここで、給電部543、接地部545、及び共振付加部547が各々の他端部で個別的に開放される。
【0085】
そして、リアクタンス素子549は共振付加部547に配置される。このようなリアクタンス素子549は、アンテナ素子530で共振周波数帯域を調節する。すなわち、リアクタンス素子549はアンテナ素子530の電気的特性を調節する。この際、リアクタンス素子549は予め決定されるリアクタンスを有する。すなわち、リアクタンス素子549はリアクタンスによってアンテナ素子530の電気的特性を調節する。そして、リアクタンス素子549は容量性素子又は誘導性素子のうち、少なくともいずれか一つを含む。ここで、容量性素子はコンデンサであってもよいし、誘導性素子はインダクタであってもよい。
【0086】
また、接触部550は共振部541及び共振付加部547に配置される。この際、接触部550は、第1接触部551、第2接触部553、及び第3接触部555を含む。第1接触部551は、給電部543に配置される。すなわち、第1接触部551は給電部543の給電点と共振付加部547との間に配置される。また、第2接触部553は接地部545に配置され、第3接触部555は共振付加部547に配置される。
【0087】
これによって、給電構造体540、接触部550、及び放射体560が共に動作する。すなわち、アンテナ素子530において、2つの共振ループ、すなわち第1共振ループ及び第2共振ループが形成される。
【0088】
第1共振ループは、共振部541、第1接触部551、及び第2接触部553によって形成される。すなわち、第1共振ループは、給電部543、接地部545、第1接触部551、及び第2接触部553を含む。そして、第1共振ループがアンテナ素子530の共振周波数帯域で第1共振帯域を決定する。この際、第1共振ループのサイズによって第1共振帯域が決定される。ここで、第1共振ループのサイズは給電部543及び接地部545のサイズ、給電構造体540における第1接触部551及び第2接触部553の位置及びサイズによって決定される。これによって、第1接触部551と第2接触部553との間の間隔又は第1接触部551及び第2接触部553の長さ及び断面積のうち、少なくともいずれか一つによって、第1共振帯域が調節できる。
【0089】
第2共振ループは、接地部545、共振付加部547、リアクタンス素子549、第2接触部553、及び第3接触部555によって形成される。すなわち、第2共振ループは、接地部545、共振付加部547、リアクタンス素子549、第2接触部553、及び第3接触部555を含む。そして、第2共振ループがアンテナ素子530の共振周波数帯域で第2共振帯域を決定する。この際、第2共振ループのサイズ及びリアクタンス素子549のリアクタンスの長さ及び断面積によって第2共振帯域が決定される。ここで、第2共振ループのサイズは接地部545及び共振付加部547のサイズ、給電構造体540における第2接触部553及び第3接触部555の位置及びサイズによって決定される。これによって、第2接触部553と第3接触部555との間の間隔又は第2接触部553及び第3接触部555の長さ及び断面積のうち、少なくともいずれか一つによって第2共振帯域が調節できる。
【0090】
これによって、アンテナ装置500は予め決定された共振周波数帯域で動作する。すなわち、アンテナ装置500は第1共振ループによって第1共振帯域で共振する。ここで、第1共振帯域が第1共振ループによって決定される。そして、アンテナ装置500は第2共振ループによって第2共振帯域で共振する。ここで、第2共振帯域が第2共振ループによって決定される。この際、第1接触部551、第2接触部553、並びに第3接触部555の位置及びサイズが初期決定されることによって、第1共振帯域及び第2共振帯域が決定される。
【0091】
そして、接触部550の長さ又は断面積のうち、少なくともいずれか一つが調節されると、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節できる。この際、第1接触部551と第2接触部553との間隔が調節されると、第1共振帯域が調節できる。そして、第1接触部551及び第2接触部553の長さ及び断面積が調節されると、第1共振帯域が調節できる。一方、第2接触部553と第3接触部555との間隔が調節されると、第2共振帯域が調節できる。そして、第3接触部553及び第3接触部555の長さ及び断面積が調節されると、第2共振帯域が調節できる。すなわち、アンテナ装置500の動作性能を維持しながら、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを調節できる。ここで、第1共振帯域又は第2共振帯域のうち、少なくともいずれか一つをより低周波帯域に調節してもよいし、より高周波帯域に調節してもよい。
【0092】
本発明によれば、アンテナ装置100、200、300、400、500の共振周波数帯域を容易に調節することができる。すなわち、アンテナ装置100、200、300、400、500が共振付加部147、247、347、447、547を含むことによって、複数個の共振帯域で動作することができる。そして、アンテナ装置100、200、300、400、500がリアクタンス素子149、249、349、449、549を含むことによって、共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを容易に調節することができるだけでなく、アンテナ装置100、200、300、400、500が接触部150、250、350、450、550を含むことによって、共振帯域のうち、少なくともいずれか一つを容易に調節することができる。この際、接触部150、250、350、450、550の位置又はサイズのうち、少なくともいずれか一つによって、共振帯域のうち、少なくともいずれか一つが調節されるため、駆動基板110、210、310、410、510と実装部材170、270、370、470、570との間の空間を効率的に用いることができる。これによって、アンテナ装置100、200、300、400、500のサイズを大型化しなくても、アンテナ装置100、200、300、400、500の共振周波数帯域を調整することができる。
【0093】
本明細書及び図面に開示された本発明の実施形態は本発明の技術内容を容易に説明し、本発明の理解を助けるために特定例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。すなわち、本発明の技術的思想に基づいた他の変形例が実施可能であるということは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に自明である。
【符号の説明】
【0094】
100、200、300、400、500 アンテナ装置
110、210、310、410、510 駆動基板
170、270、370、470、570 実装部材
147、247、347、447、547 共振付加部
149、249、349、449、549 リアクタンス素子
150、250、350、450、550 接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7