【実施例】
【0052】
ここで、本発明の実施形態によって、工程43の実施中に撮られた心臓65の代表的な局所興奮到達時間マップ63を例示する画面ディスプレイ61である、
図3を参照する。マッピングカテーテルを使用して局所興奮到達時間マップを作成するための手順が既知であり、したがってそれの詳細は本明細書では論じられない。局所興奮到達時間は典型的には疑似色を用いてコード化される。
図3において、局所興奮到達時間情報がキー67に従ってパターンを使用してコード化される。これらのパターンは実際の機能的マップの疑似色を模擬する。部位39は比較的に短いLATを有し、かつ異常であるとして、自動的に旗で知らされるか又は操作者によって選択される。部位39は比較的に長い局所興奮到達時間を有する部位69によって制限される。
【0053】
ここで、本発明の実施形態によって、注目点を例示する局所興奮到達時間マップ73の画面ディスプレイ71である、
図4を参照する。該マップ73は、
図2を参照して先述した手順に従って得られたPVC点75及びSR点77の位置を示す。該点75、77は視認性向上のために円によって囲まれている。点75、77を取得するためにビートバッファから選択される拍動は、注目ウィンドウインターバル81とともに右ペイン79に示されている。右ペイン79はまたPVC点75及びSR点77の興奮到達時間を右下部分における目盛83上に示す。選択された拍動は、それぞれ円85、87によって指示されるSR及びPVC点である。換言すれば、等時点がPVC中に(工程45)及び洞律動中に(工程49)ビートバッファを使用して注目部位から取得され、それぞれ点75、77としてマップ73上に示される。点75、77はビートバッファ内の異なる拍動に基づいて異なる時間に測定された、よって異なる時間スタンプと関連付けられている。それらは異なるマップ位置を有することが明らかである。特に、LATマップは、その関連付けされた興奮到達時間データが異なる時間において得られたSR点の物理的座標を表示する。
【0054】
ここで、本発明の実施形態によって、局所興奮到達時間マップ91の作成におけるスプラインカテーテルの役割を例示する画面ディスプレイ89である、
図5を参照する。
【0055】
スプラインカテーテル93、例えば、前述したPentaray NAVカテーテルは、スプライン95の1つの電極が全体にわたって異常な短い興奮到達時間を有する、着色部位97上の点に接触しているようにナビゲートされた。スプラインカテーテル93の適切な再位置決めによって、PVC及びSR点は、次いで、1つ又は複数のスプラインを使用して自動的に取得され、
図2を参照して先述した方法に従って処理されてよい。
【0056】
別の実施形態
本発明の別の実施形態は、例えばPaSo(商標)ソフトウェア。
【0057】
を使用してペースマッピングを伴う。ペースマッピングは心室性頻脈症病巣の同定に使用される診断技術である。これは心室性頻脈症レートにおいて室をペーシングすることを伴う、次いで、ペーシング中に取得された体表面12誘導ECGを、誘発されたか又は事前に記録されたかいずれかの、臨床的不整脈中に記録されたECGと比較する。
【0058】
この実施形態では、マッピングフェーズはペース−マップ相関、すなわち心室性頻脈症中に生成された信号とペースマッピングによって生成された信号との間の相関(ペースマッピング−誘起された信号(PM−IS)相関と称せられる)を同定するのに使用され、これは参照により本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第7,907,994号(Stolarskiらに付与)に教示されている。ペースメーカーによるリズム点はそこからPVCが発生するPVC点として働く。ペーシング中に作成されたマップは先の実施形態において洞律動中に作成されたマップと同じように機能する。
【0059】
ここで、本発明の先行する代替実施形態によって、被験者が洞律動にある間に心室性期外収縮を発生させる催不整脈性部位をマッピングする方法のフローチャートである、
図6を参照する。
図6における工程のいくつかが
図2の工程と同じ方法で実施される。それらの説明は簡潔さのために繰り返されない。
【0060】
最初の工程37を実施した後に、ペーシングが工程99において行われる。点が、次いで、工程101において取得され、かつペーシングが次いで工程103において中止される。
【0061】
次に、工程105において、ビートバッファがペースマッピングされた(PM)拍動及びSR拍動で満たされる。
【0062】
次に、工程107において、PM拍動がビートバッファから選択される。
【0063】
次いで、工程47、49及び51を先述したように実施した後、工程109において、工程47において取得されたPM点に基づいてペースマッピングされた相関が、工程51において選択された、SR点位置に割り当てられる。
【0064】
次に、工程111において、PM点はフローティングとして提示される。
【0065】
次に、工程113において、SRマップはPM−IS相関データとともに提示され、これはSR−PMマップと称される。
【0066】
次いで、最後の工程115において、アブレーションがSR−PMマップに従って実施される。
【0067】
当業者であれば、本発明は、上記に具体的に示し、説明したものに限定されない点は認識されるところであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記に述べた異なる特性の組み合わせ及び一部の組み合わせ、並びに上記の説明文を読むことで当業者には想到されるであろう、従来技術ではない変形及び改変をも含むものである。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) アブレーションの方法であって、
生存被験者の心臓の中へプローブを挿入する工程であって、前記プローブがマッピング電極を有する、工程と、
前記マッピング電極を前記心臓の注目領域内の標的組織との接触関係へと付勢する工程と、
前記マッピング電極を使用して心不整脈を検出する工程の間に、局所興奮到達時間を前記注目領域内の第1の位置と関連付ける工程と、
前記心不整脈の不在を検出する工程及び前記接触関係を維持する工程の間に、前記局所興奮到達時間を前記心臓内の第2の位置と関連付ける工程と、
前記第1の位置の電気的データを前記第2の位置に割り当てる工程と、
前記第1の位置の前記割り当てられた電気的データを使用して前記第2の位置の表示のために少なくとも前記第2の位置を含めることによって前記心臓の電気解剖学的マップを作成する工程と、を含む、方法。
(2) 心不整脈を検出する工程及び前記心不整脈の不在を検出する工程は、
前記マッピング電極を介して心電図信号を得る工程と、
バッファにおける一連の前記心電図信号を保持する工程と、
前記心不整脈を示すものとして前記バッファから第1の信号を選択する工程と、
前記心不整脈の前記不在を示すものとして前記バッファから第2の信号を選択する工程と、を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) アブレーション電極を前記第2の位置のアブレーションのために前記第2の位置の前記割り当てられた電気的データまでナビゲートする工程と、
前記アブレーション電極をナビゲートする工程の間、前記電気解剖学的マップを参照する工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記第1の位置を前記電気解剖学的マップ上に表示する工程と、前記電気解剖学的マップを作成する工程における計算から前記第1の位置を除外する工程と、を更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 心不整脈を検出する工程が心室性期外収縮を特定する工程を含み、そのサイクル長さが所定の範囲内である、実施態様1に記載の方法。
【0069】
(6) 前記プローブが複数のマッピング電極を有し、前記マッピング電極のそれぞれを使用して前記第1の位置及び前記第2の位置の複数のインスタンスを取得する工程を、更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記マッピング電極を使用する工程がペースマッピング工程を含み、心室性頻脈症の間に生成される信号とペースマッピングによって生成される信号との間のペースマップ相関を対応する位置において判定する工程、を更に含み、かつ電気的データを割り当てる工程が、前記第1の位置の前記ペースマップ相関を前記第2の位置に割り当てる工程を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 医療装置であって、
心臓の中への挿入に適合される、プローブであって、細長い本体、及び前記本体の遠位部分の上に配置されるマッピング電極を備える、プローブと、
中にプログラムが格納されたメモリと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに結合され、かつ前記メモリにアクセスして前記プログラムを実行するように連結されているプロセッサであって、前記マッピング電極によって提供される入力を受信するように接続可能である、プロセッサと、を備え、前記プログラムが前記プロセッサに、
前記マッピング電極を介して前記心臓内の標的から心電図信号を得る工程と、
一連の前記心電図信号をバッファ内に保持する工程と、
心不整脈を示すものとして前記バッファから第1の信号を選択する工程であって、前記第1の信号が第1の時点において発生する、工程と、
前記心不整脈の不在を示すものとして前記バッファから第2の信号を選択する工程であって、前記第2の信号が第2の時点において発生する、工程と、
前記第1の時点における前記マッピング電極の第1の位置での前記標的の第1の局所興奮到達時間を関連付ける工程と、
前記第2の時点における前記マッピング電極の第2の位置での前記標的の第2の局所興奮到達時間を関連付ける工程と、
前記第1の位置の電気的データを前記第2の位置に割り当てる工程と、
前記第2の位置における前記割り当てられた電気的データに基づいて電気解剖学的マップを作成する工程と、
前記ディスプレイ上に前記電気解剖学的マップを提示する工程であって、前記電気解剖学的マップが前記第1の位置及び前記第2の位置を示す、工程と、を行わせる、医療装置。
(9) 前記心不整脈が心室性期外収縮を含み、そのサイクル長さが所定の範囲内である、実施態様8に記載の医療装置。
(10) 前記プローブが複数のマッピング電極を有するスプラインカテーテルであり、かつ前記プロセッサが前記マッピング電極のそれぞれを使用して前記第1の位置及び前記第2の位置の複数のインスタンスを取得するように動作可能である、実施態様8に記載の医療装置。
【0070】
(11) 前記プロセッサが、心室性頻脈症中に生成される信号とペースマッピングによって生成される信号との間のペースマップ相関を対応する位置において判定するために動作可能であり、かつ電気的データを割り当てる工程が前記第1の位置の前記ペースマップ相関を前記第2の位置に割り当てる工程を含む、実施態様8に記載の医療装置。