特許第6441007号(P6441007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6441007洞律動中の心室性/心房性期外収縮をマッピングする医療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441007
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】洞律動中の心室性/心房性期外収縮をマッピングする医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0402 20060101AFI20181210BHJP
   A61B 5/044 20060101ALI20181210BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   A61B5/04 310M
   A61B5/04 314G
   A61B18/12
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-185070(P2014-185070)
(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公開番号】特開2015-54250(P2015-54250A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2017年7月3日
(31)【優先権主張番号】14/024,859
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヨラム・クミエル
(72)【発明者】
【氏名】ガル・ハヤム
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−237882(JP,A)
【文献】 特表2012−509701(JP,A)
【文献】 特表2005−508695(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0188765(US,A1)
【文献】 特表2005−501642(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0065459(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0268059(US,A1)
【文献】 特表2012−505047(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0094274(US,A1)
【文献】 特開2001−61789(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/092016(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/04− 5/053
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
心臓の中への挿入に適合される、プローブであって、細長い本体、及び前記本体の遠位部分の上に配置されるマッピング電極を備える、プローブと、
中にプログラムが格納されたメモリと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに結合され、かつ前記メモリにアクセスして前記プログラムを実行するように連結されているプロセッサであって、前記マッピング電極によって提供される入力を受信するように接続可能である、プロセッサと、を備え、前記プログラムが前記プロセッサに、
前記マッピング電極を介して前記心臓内の標的から心電図信号を得る工程と、
一連の前記心電図信号をビートバッファ内に保持する工程と、
新しい拍動によって置換されるのを防止するように、前記ビートバッファを凍結する工程と、
心室性期外収縮であるPVCを示す前記ビートバッファ内の拍動を同定する工程であって、該拍動がPVC拍動である工程と、
前記PVC拍動に基づきPVC点を取得する工程であって、前記PVC拍動のサイクル長さが所定の範囲内に収まる場合に限り前記PVC点が取得される工程と、
前記ビートバッファから洞律動ビートであるSRビートを同定する工程であって、前記SRビートは、正常な洞律動を表す工程と、
前記SRビートに基づきSR点を取得する工程と、
単一の電気解剖学的マップ上に、前記PVC点および前記SR点を表示する工程と、
前記PVC点の局所興奮到達時間であるLATを、単一の代表的なディスプレイ内の前記SR点と関連付ける工程であって、該関連付けは、前記PVC点の前記LATを前記SR点に割り当てることによって成し遂げられる工程と、
更なる電気解剖学的マップを作成する工程であって、前記更なる電気解剖学的マップはSR−PVCマップであり、前記SR−PVCマップは、前記SR点に対する前記PVCの前記LATの割り当てを反映しており、前記SR−PVCマップは、前記洞律動中の前記心臓の幾何形状を反映しており、前記PVCを経験している間の前記心臓の興奮到達時間を反映している工程と、を行わせ、
それにより、アブレーションは、アブレーションカテーテルがSR位置に表示される状態で、データ調節されたSR点において実施され、アブレーション電極の進行は前記SR−PVCマップによって案内される、医療装置。
【請求項2】
前記プローブが複数のマッピング電極を有するスプラインカテーテルであり、かつ前記プロセッサが前記マッピング電極のそれぞれを使用して前記PVC点及び前記SR点の複数のインスタンスを取得するように動作可能である、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、心室性頻脈症中に生成される信号とペースマッピングによって生成される信号との間のペースマップ相関を対応する位置において判定するために動作可能であ、請求項1に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵襲性の医療デバイスに関する。より詳細には、本発明は侵襲性のプローブを使用して心腔の低頻度期外収縮の解剖学的起源を同定することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書内で使用する特定の頭字語及び略語の意味については、表1に示す。
【0003】
【表1】
【0004】
心房細動などの心不整脈は、心組織の特定の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導されることにより、正常な心周期が乱されて非同期的リズムを生ずる場合に発生する。
【0005】
不整脈治療の手順としては、不整脈の原因となっている信号源を外科的に遮断する工程、並びにそのような信号の伝達経路を遮断する工程が挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止する又は変更することが時に可能である。このアブレーション処理は、非伝導性の損傷部位を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。
【0006】
今日、心臓の電気的活動のマッピングのために電気生理学的センサを含む心臓カテーテルを用いて心臓内の電位をマッピングすることが、一般的に行われている。典型的には、時間的に変化する心内膜内の電位を検出し、心臓内における位置の関数として記録した後に、これを用いて局所電位図又は局所興奮到達時間のマッピングを行う。興奮到達時間は、電気的インパルスが心筋を通して伝導するのに要する時間に応じて、心内膜内における点ごとに異なる。心臓内の任意の点におけるこの電気伝導の方向は、従来、等電活動面(isoelectric activation front)に垂直な活性化ベクトルによって表現されており、これら等電活動面及び活性化ベクトルのいずれも、興奮到達時間のマップから導出され得る。心内膜の任意の点を通る活動面の伝播速度は、速度ベクトルとして表現され得る。
【0007】
活動面及び伝導場をマッピングすることは、心臓組織内の電気的伝播障害の部位に起因する、心室性及び心房性頻脈症並びに心室及び心房細動などの異常を特定しかつ診断する際に医師を支援する。
【0008】
心臓の活性化信号状態の局所的欠陥は、多活動面、活性化ベクトルの異常な集中、又は速度ベクトルの変化若しくはこのベクトルの正常値からの逸脱等の現象を観察することによって確認され得る。このような欠陥の例としては、コンプレックス細分化電位図として知られる信号パターンと関連付けられ得るリエントラント型の領域が挙げられる。いったん欠陥がこのようなマッピングによって突き止められると、心臓の正常な機能を可能な限り復旧するために、その欠陥はアブレーションされてよい(異常に機能しているのであれば)、ないしは別の方法で処置されてよい。
【0009】
心筋内の電気的興奮到達時間をマッピングするためには、各測定時において心臓内におけるセンサの位置が分かっている必要がある。過去においては、このようなマッピングは心臓内部の単一の可動電極センサを用いて行われ、このセンサが、固定的な外部参照電極に対する興奮到達時間を測定していた。しかしながらこの技術では、較正、例えば、身体のインピーダンスに無関係なインピーダンス調整を行うインピーダンス較正が必要となる。単一の電極を使用した電気的興奮到達時間のマッピングは、更に、一般に透視撮像の下で行われる、長期にわたる手順であった、かつこれによって被験者を望ましくない電離放射線に被曝させる。更に、不整脈性の心臓において、単一の場所における興奮到達時間は連続拍動間で変化する。
【0010】
単一電極マッピングがこのような欠点を有することから、記述のように、多くの発明者が、複数の電極を用いて心内膜内の別々の場所における電位を同時測定することで、興奮到達時間をより迅速かつ便利にマッピングできるようにすることを教示してきた。
【0011】
洞性PVCを発生させるリエントリ回路はアブレーション治療に適している1つの病理学的な条件である。アブレーションのラインの最適な点を同定することは、現在の電気解剖学的マッピング設備を備えていても、実際的には困難である。Ciaccioらに発行された米国特許第7,245,962号は、洞律動中の被験者の心臓内のリエントリ回路頻拍起源(isthmus)を同定し、かつ局所的にする(localizing)ための方法及びシステムを提案する。この方法は、(a)電極を介して洞律動中に心臓から電位図信号を受信することと、(b)電位図信号に基づいたマップを作成することと、(c)このマップに基づいて、心臓内のリエントリ回路頻拍起源(isthmus)の場所を決定することと、(d)リエントリ回路頻拍起源(isthmus)の位置を表示することと、を含んでよい。
【0012】
Thiagalingamらに発行された米国特許出願公開第2009/0099468号は、電位図データ及びその電位図データを記録する電極の対応する空間位置データを記録することによってアブレーションする注目領域を位置付けること、一時的位置を決定するための基準拍動を含有し、かつそれに照らして記録された電位図データの拍動が比較される、少なくとも1つの基準チャネルを定義すること、記録された電位図データを調べること、記録された電位図データの拍動毎の一時的位置を定義すること、及び一時的位置の指数及び記録された電位図内の拍動の他の情報を生成及び解析すること、を提案する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態によって、プローブを生存被験者の心臓の中へ挿入すること、プローブのマッピング電極を心臓の注目領域内の標的組織との接触関係へと付勢すること、及びマッピング電極を使用して、心不整脈を検出する間、局所興奮到達時間を注目領域内の第1位置と関連付けることにより遂行される、アブレーション方法が提供される。該方法は、心不整脈の不在を検出し、接触関係を維持する間、局所興奮到達時間を心臓内の第2位置と関連付けること、第1位置の電気的データを第2位置に割り当てること、及び第1位置の割り当てられた電気的データを使用して第2の位置の表示のために少なくとも第2位置を含むことで心臓の電気解剖学的マップを作成することにより、更に遂行される。
【0014】
該方法の一態様によれば、心不整脈を検出すること及び心不整脈の不在を検出することが、マッピング電極を介して心電図信号を得ること、一連の心電図信号をバッファ内に保持すること、心不整脈を示すものとしてバッファから第1の信号を選択すること、及び心不整脈の不在を示すものとしてバッファから第2の信号を選択すること、を含む。
【0015】
該方法の付加的な態様は、アブレーション電極を、第2の位置のアブレーションのために第2位置の割り当てられた電気的データまでナビゲートすることと、アブレーション電極をナビゲートする間、電気解剖学的マップを参照することと、を含む。
【0016】
該方法の別の態様は、第1位置を電気解剖学的マップ上に表示することと、電気解剖学的マップを作成する際における計算から第1位置を除外することと、を含む。
【0017】
該方法の一態様によれば、心不整脈を検出することが心室性期外収縮を同定することを含み、そのサイクル長さが所定の範囲内である。
【0018】
該方法の更なる態様では、プローブは複数のマッピング電極を有し、かつ該方法はマッピング電極のそれぞれを使用して第1位置及び第2位置の複数のインスタンスを取得することにより遂行される。
【0019】
該方法の更に別の態様は、ペースマッピングにより、及び心室性頻脈症中に生成される信号とペースマッピングによって生成される信号との間のペースマップ相関を対応する場所において決定することによって遂行され、かつ電気的データを割り当てることは第1位置のペースマップ相関を第2位置に割り当てることを含む。
【0020】
本発明の実施形態によれば、心臓の中へ挿入するように適合される、プローブであって、該プローブが細長い本体、及び本体の遠位部分の上に配置されるマッピング電極を含むプローブと、内部にプログラムを記憶してあるメモリと、ディスプレイと、プログラムを実行するためにメモリにアクセスするように連結されているディスプレイに結合されたプロセッサと、を含む医療装置が更に提供される。該プロセッサは、マッピング電極により提供される入力を受信するように接続可能であり、該プログラムはプロセッサに、マッピング電極を介して心臓内の標的から心電図信号を得る工程と、一連の心電図信号をバッファ内に保持する工程と、心不整脈を示すものとしてバッファから第1の信号を選択する工程であって、第1の信号が第1の時点において発生する、工程と、心不整脈の不在を示すものとしてバッファから第2の信号を選択する工程であって、第2の信号が第2の時点において発生する、工程と、前記第1の時点における前記マッピング電極の第1の位置での標的の第1の局所興奮到達時間を関連付ける工程と、前記第2の時点における前記マッピング電極の第2の位置での標的の第2の局所興奮到達時間を関連付ける工程と、第1位置の電気的データを第2の位置に割り当てる工程と、第2の位置における割り当てられた電気的データに基づいて電気解剖学的マップを作成する工程と、電気解剖学的マップをディスプレイ上に提示する工程であって、電気解剖学的マップが第1の位置及び第2の位置を示す、工程と、を実施させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明をより深く理解するため、発明の詳細な説明を実例として参照するが、発明の詳細な説明は、同様の要素に同様の参照番号を付した以下の図面と併せ読むべきものである。
図1】本発明の一実施形態に基づいて構成され、動作する、生存被験者の心臓にアブレーション手術を行うためのシステムの描図である。
図2】本発明の実施形態により心室性期外収縮を発生する催不整脈性領域をマッピングする方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施形態により心臓の代表的な局所興奮到達時間マップを例示する画面ディスプレイである。
図4】本発明の実施形態により注目点を例示する局所興奮到達時間マップ73の画面ディスプレイである。
図5】本発明の実施形態により局所興奮到達時間マップの作成においてスプラインカテーテルの役割を例示する画面ディスプレイである。
図6】本発明の別の実施形態により心室性期外収縮を発生する催不整脈性領域をマッピングする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明では、本発明の様々な原理の深い理解を与えるため、多くの具体的な詳細について記載する。しかしながら、これらの詳細は、必ずしも、本発明の実施のために常にすべてが必要とされるものではない点は当業者には明らかであろう。この場合、一般的な概念を不要に曖昧にすることのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及び処理に対するコンピュータプログラム命令の詳細については詳しく示していない。
【0023】
本発明の態様は、典型的には、コンピュータ可読媒体などの永久メモリ内に維持される、ソフトウェアプログラミングコードの形態で具体化することができる。クライアント/サーバー環境において、このようなソフトウェアプログラミングコードは、クライアント又はサーバーに記憶される。ソフトウェアプログラミングコードは、ディスケット、ハードドライブ、電子媒体、又はCD−ROMなどの、データ処理システムと共に使用するための様々な既知の非一時的媒体のうちの、いずれかの上に具体化することができる。コードはこのような媒体上で配布でき、又は1つのコンピューターシステムのメモリ又は記憶装置から、ある種のネットワークを介して、別のコンピューターシステムのユーザーが使用するために、別のシステム上の記憶装置に配布され得る。
【0024】
定義。
用語、点の「物理的座標」とは基準又は自然の解剖学的な指標に関して決定される被験者の身体における点の座標を指す。
【0025】
用語、点の「マップ座標」とは、本明細書で使用されるときには、電気解剖学的マップ上の基準点に対する点の座標を指す。
【0026】
システムの説明。
ここで図面を参照し、最初に図1を参照すると、この図は、開示される本発明の一実施形態に基づいて構成され、動作する、生存被験者の心臓12に対してアブレーション手術を行うためのシステム10の描図である。このシステムは、被験者の血管系を通じて、心臓12の室又は血管構造内に操作者16によって経皮的に挿入されるカテーテル14を備えている。一般的には医師である操作者16は、カテーテルの遠位先端部18を心臓壁のアブレーション標的部位と接触させる。所望により、局所興奮到達時間マップなどの電気的活性化マップは、次いで、米国特許第6,226,542号、及び同第6,301,496号、並びに本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,892,091号に開示された方法に従って作成されてよく、その開示が参照により本明細書に組み込まれている。システム10の各要素を具現化する市販製品の1つが、Biosense Webster,Inc.3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765によって生産されているCARTO(登録商標)3 Systemとして入手可能である。このシステムは、本明細書に記載される本発明の原理を具現化するように、当業者によって変更されることができる。
【0027】
例えば電気的活性マップの評価によって異常と判定された領域は、例えば心筋に高周波エネルギーを加える遠位先端部18の1つ又は複数の電極に、カテーテル内のワイヤーを通じて高周波電流を流すことなどにより熱エネルギーを加えることによってアブレーションすることができる。このエネルギーは、組織内に吸収され、その組織が永久にその電気興奮性を失う程度(典型的には、約50℃)まで、その組織を加熱する。支障なく行われた場合、この手術によって心臓組織に非伝導性の損傷部位が形成され、この損傷部位が不整脈を引き起こす異常な電気経路を遮断する。本発明の原理を異なる心腔に適用することによって多くの異なる心不整脈を治療することができる。
【0028】
カテーテル14は通常、アブレーションを行うために操作者16が必要に応じてカテーテルの遠位端を方向転換、位置決め、及び方向決めすることを可能とする適当な制御部を有するハンドル20を備えている。操作者16を補助するため、カテーテル14の遠位部分には、コンソール24内に配置された位置決めプロセッサ22に信号を供給する位置センサ(図示せず)が収容されている。
【0029】
アブレーションエネルギー及び電気信号を、遠位先端部18に又は遠位先端部18の付近に配置される、1つ又は複数のアブレーション電極32を通じて、コンソール24に至るケーブル34を介し、心臓12へ/心臓12から、搬送することができる。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24から、ケーブル34及び電極32を通して、心臓12へと搬送することができる。コンソール24にも接続される感知電極33は、アブレーション電極32間に配置され、ケーブル34への結線を有する。
【0030】
コンソール24は、ワイヤー接続35によって体表面電極30、及び位置決めサブシステムの他の構成要素と接続されている。電極32及び体表面電極30は、参照により本明細書に組み込まれる、Govariらに発行された米国特許第7,536,218号に教示されるように、アブレーション部位での組織のインピーダンスを測定するために使用することができる。温度センサ(図示せず)、典型的には、熱電対又はサーミスタを、それぞれ電極32の上に、又は電極32の付近に載置することができる。
【0031】
コンソール24には通常、1つ又は複数のアブレーション電力発生装置25が収容されている。カテーテル14は、例えば、高周波エネルギー、超音波エネルギー、及びレーザー生成光エネルギーなどの任意の周知のアブレーション技術を使用して心臓にアブレーションエネルギーを伝えるように適合させることができる。このような方法は、参照によって本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号に開示されている。
【0032】
位置決めプロセッサ22は、カテーテル14の位置及び方向座標を測定する、システム10における位置決めサブシステムの要素である。
【0033】
一実施形態では、この位置決めサブシステムは、磁場生成コイル28を使用して、既定の作業体積内に磁場を生成し、カテーテルでのこれらの磁場を感知することによって、カテーテル14の位置及び向きを判定する、磁気位置追跡の配置構成を含む。位置決めサブシステムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,756,576号、及び上記の米国特許第7,536,218号に教示されているインピーダンス測定を使用することができる。
【0034】
上述したように、カテーテル14はコンソール24に連結され、これにより操作者16がカテーテル14の機能を観察及び調節できるようになっている。コンソール24は、プロセッサ、好ましくは適切な信号処理回路を有するコンピュータを含む。プロセッサは、モニタ29を駆動するように連結されている。信号処理回路は一般的に、カテーテル14の遠位側に配置された上述のセンサ及び複数の位置感知電極(図示せず)によって生成される信号を含むカテーテル14からの信号を、受信、増幅、フィルタリング、及びデジタル化する。デジタル化された信号は、カテーテル14の位置及び向きを計算し、かつ電極からの電気的信号を解析するために、コンソール24及び位置決めシステムによって受信され、かつ使用される。
【0035】
簡略化のため図には示されていないが、通常、システム10には他の要素も含まれる。例えば、システム10は、心電図(ECG)モニタ−を含み得、このECGモニタ−は、ECG同期信号をコンソール24に提供するために、1つ又は複数の体表面電極から信号を受信するように結合される。また、上述したように、システム10はまた通常、被験者の身体の外側に取り付けられた外部から貼付された基準パッチ、又は心臓12に挿入され、心臓12に対して固定位置に維持された、体内に配置されたカテーテルのいずれかにおいて基準位置センサをも有する。カテーテル14にアブレーション部位を冷却するための液体を通して循環させるための従来のポンプ及びラインが設けられている。
【0036】
システム10を一過性の不整脈、例えば、PVCのショートランを引き起こす領域のアブレーションに適用することは、或る技術的な困難をもたらす。医療手技は2つの段階を網羅し、同一の又は異なるセッションにおいて達成されることができる。
【0037】
いかなる場合でも、第1の段階において、1つの目標は心臓の催不整脈性領域において最短の局所興奮到達時間を有する点(本明細書では「PVC点」と呼ばれる)を同定することである。典型的には、電気解剖学的マップは第1の段階中に作成される。本発明の態様がPVCに関して便宜上記載されるとはいえ、その原理は心房性期外収縮に等しく適用可能である。
【0038】
第1の段階に引き続いて起こる、第2の段階では、PVC点の周りの領域における組織のアブレーションが実施される。これは自動局所的電気活動をさまたげることを意図しており、かつこれによって不整脈の再発を防止する。第2の段階では、アブレーション電極は、事前に決定された最短の局所興奮到達時間を有する電気解剖学的マップ上の位置である、PVC点までナビゲートされる。多くの場合に、時間アブレーションが達成される時間までに、被験者は洞律動(SR)に戻った。用語「洞律動」は便宜上本明細書では安定した心リズムの一例として使用される。低頻度心室性期外収縮を有する被験者の場合において、心室を起点とする異常な心拍数が低い頻度で及び短いバースト(1〜3拍動)で出現することが想起される。時々短いPVCバーストが出現することを除いて、心臓は大部分が洞律動にある。PVC位置の点及びそれらの関連付けされた興奮到達時間から成るマップを作成するとき、アブレーションカテーテル位置がほとんど洞律動で表示されるので、マップの点の位置(PVC幾何形状)とナビゲーショナルカテーテルとの間に食い違いが存在しやすい。その結果、切除された部位は被験者の不整脈を修復するのに最適ではないであろう。心臓の幾何形状は洞律動時には、心室性頻脈症に罹患している間のその幾何形状と比較して、異なると見られている。いずれにしても、それの最初の決定後のPVC点の物理的位置を正確に同定することが望ましい。
【0039】
本発明の実施形態では、次の手順はマッピング中に信号を記録するのに好適である。各マッピング電極をおよそ2.5秒記録し、心電図に記録された最後の数回の拍動を保持し、かつ図表的に表示する、ビートバッファにおいてPVCコンプレックスを捕捉する。典型的には、10回の拍動がビートバッファに保持される。ビートバッファの点検によって、PVCなどの異常な拍動を自動で又は操作者の補助を受けて自動で、若しくは操作者により手動で同定することが可能になる。この段階は、操作者により選択されるサイクル長さ範囲、前記CARTOシステムに入手可能である、手順に従って自動化されてよい。あるいは、操作者は、PVC発生に気付くときはいつでもPVC点及び関連ビートバッファを手動で取得することができる。
【0040】
操作。
ここで、本発明の実施形態によって、被験者が洞律動にある間に心室性期外収縮を発生させる催不整脈性部位をマッピングする方法のフローチャートである、図2を参照する。後述する図面はCARTO 3システムを使用して得られ、かつ便宜のために提示される。しかしながら、該方法は他の撮像及びマッピングシステムと共に実施されてよい。
【0041】
最初の工程37において、既知の方法を用いて、マッピング電極及び位置センサを有する心カテーテルが被験者の心臓の中へ挿入される。Biosense Websterから入手可能な、PentaRay(登録商標)NAV又はNavistar(登録商標)Thermocool(登録商標)カテーテルなどのカテーテルは最初の工程37に使用するのに適している。該カテーテルは異常な部位39(図3)までナビゲートされる。
【0042】
被験者が、自然発生するか、又は上記のように誘発される、一過性PVCを経験しつつあることが想定される。PVCの様子が工程41において記述される。
【0043】
次に、工程43において、ビートバッファがPVC及びSR拍動で満たされ、かつそれが新しい拍動によって置換されるのを防止するように凍結される。
【0044】
該方法は工程45へ続く。限定的な電気的異常、例えばPVCを示す拍動がビートバッファ上に同定される。この工程は自動的に又は操作者によって実施されてよい。次に、工程47において、便宜上「PVC点」と呼ばれる、部位39内の点は、工程45において選択されたビートバッファ内の拍動に基づいて自動的に取得される。所望により、PVC点は、選択された拍動のサイクル長さが所定の範囲内に収まる場合に限り取得される。PVC点の取得は、(1)典型的には、マッピング電極の位置を決定するために位置センサを使用することにより、PVC点の位置を決定すること、(2)マッピング電極からPVC点に関する電気的データ、特にそれのLATを得ること、及び(3)PVC点をマップ、例えば、LATマップ上に表示すること、を含む。
【0045】
複数のマッピング電極を有するカテーテル、例えばスプライン又は投げ縄(ラッソ)カテーテル、が使用されるときには、多数のPVC点が同時に取得され得る。PVC点は理想的には異常な部位内に最も早い局所興奮到達時間を有する。しかしながらこれは本質的ではない。部位39(図3)全体にわたってPVC点が取得され、かつ表示され得る。
【0046】
次に、工程49において、第2の拍動(SR拍動)がビートバッファから選択される。第2の拍動は患者のために正常な洞律動を表す。次いで、工程51において、第2の点(SR点)は取得され、かつPVC点と同じマップ上に表示される。概して、PVC点及びSR点の位置は、上で説明したように、マップ上で異なる。
【0047】
次に、工程53において、電気的情報、例えば、工程47において確定されたPVC点の局所興奮到達時間(LAT)は、該情報をSR点に割り当てることによって単一の代表的なディスプレイ内のSR点と関連付けられる。
【0048】
次に、工程55において、PVC点は「フローディング」として指定される。「フローディング」とは、PVC及びSRを経験しつつあるときに心臓の幾何形状における不同を指示するためにPVC点の位置がLATマップ上に指示されてよいことを意味する。しかしながら、PVC点はこのようなマップの作成における計算から除外され、かつマップ幾何形状及びそれの電気的情報に寄与しない。その結果、洞律動中に作成されたLATマップは、SR点の位置を含み、洞律動にある心臓の幾何形状を反映する。しかしながら、マップはPVC点の電気的情報をSR点の位置と関連付けるように調節される。
【0049】
次いで、工程57において、LATマップは再作成されるか又はSR点の新しいデータを反映するように調節される。換言すれば、SRマップはPVC電気的データとともに提示される。このバージョンはSR−PVCマップと称されている。以上説明したように、SR−PVCマップは洞律動中の心臓の幾何形状を反映するが、PVCを経験している間の心臓の興奮到達時間を有する。
【0050】
工程41〜57は、例えばスプライン又はラッソカテーテルにおいて異なるマッピング電極を使用して同時に実施されてよい。追加的又は代替的に、マップ上の再割り当てされたPVCデータを有する多数SR点をマップ上に提示するために工程41〜57は繰り返されてよい。
【0051】
該手順は最後の工程59において終了する。該当すれば、アブレーションはアブレーションカテーテルがSR位置に表示される状態で、データ調節されたSR点において実施されてよい。このような場合に、アブレーション電極のナビゲーション(進行)は工程57において調製されたSR−PVCマップによって案内されてよい。
【実施例】
【0052】
ここで、本発明の実施形態によって、工程43の実施中に撮られた心臓65の代表的な局所興奮到達時間マップ63を例示する画面ディスプレイ61である、図3を参照する。マッピングカテーテルを使用して局所興奮到達時間マップを作成するための手順が既知であり、したがってそれの詳細は本明細書では論じられない。局所興奮到達時間は典型的には疑似色を用いてコード化される。図3において、局所興奮到達時間情報がキー67に従ってパターンを使用してコード化される。これらのパターンは実際の機能的マップの疑似色を模擬する。部位39は比較的に短いLATを有し、かつ異常であるとして、自動的に旗で知らされるか又は操作者によって選択される。部位39は比較的に長い局所興奮到達時間を有する部位69によって制限される。
【0053】
ここで、本発明の実施形態によって、注目点を例示する局所興奮到達時間マップ73の画面ディスプレイ71である、図4を参照する。該マップ73は、図2を参照して先述した手順に従って得られたPVC点75及びSR点77の位置を示す。該点75、77は視認性向上のために円によって囲まれている。点75、77を取得するためにビートバッファから選択される拍動は、注目ウィンドウインターバル81とともに右ペイン79に示されている。右ペイン79はまたPVC点75及びSR点77の興奮到達時間を右下部分における目盛83上に示す。選択された拍動は、それぞれ円85、87によって指示されるSR及びPVC点である。換言すれば、等時点がPVC中に(工程45)及び洞律動中に(工程49)ビートバッファを使用して注目部位から取得され、それぞれ点75、77としてマップ73上に示される。点75、77はビートバッファ内の異なる拍動に基づいて異なる時間に測定された、よって異なる時間スタンプと関連付けられている。それらは異なるマップ位置を有することが明らかである。特に、LATマップは、その関連付けされた興奮到達時間データが異なる時間において得られたSR点の物理的座標を表示する。
【0054】
ここで、本発明の実施形態によって、局所興奮到達時間マップ91の作成におけるスプラインカテーテルの役割を例示する画面ディスプレイ89である、図5を参照する。
【0055】
スプラインカテーテル93、例えば、前述したPentaray NAVカテーテルは、スプライン95の1つの電極が全体にわたって異常な短い興奮到達時間を有する、着色部位97上の点に接触しているようにナビゲートされた。スプラインカテーテル93の適切な再位置決めによって、PVC及びSR点は、次いで、1つ又は複数のスプラインを使用して自動的に取得され、図2を参照して先述した方法に従って処理されてよい。
【0056】
別の実施形態
本発明の別の実施形態は、例えばPaSo(商標)ソフトウェア。
【0057】
を使用してペースマッピングを伴う。ペースマッピングは心室性頻脈症病巣の同定に使用される診断技術である。これは心室性頻脈症レートにおいて室をペーシングすることを伴う、次いで、ペーシング中に取得された体表面12誘導ECGを、誘発されたか又は事前に記録されたかいずれかの、臨床的不整脈中に記録されたECGと比較する。
【0058】
この実施形態では、マッピングフェーズはペース−マップ相関、すなわち心室性頻脈症中に生成された信号とペースマッピングによって生成された信号との間の相関(ペースマッピング−誘起された信号(PM−IS)相関と称せられる)を同定するのに使用され、これは参照により本明細書に組み込まれる、本願と同一譲受人に譲渡された米国特許第7,907,994号(Stolarskiらに付与)に教示されている。ペースメーカーによるリズム点はそこからPVCが発生するPVC点として働く。ペーシング中に作成されたマップは先の実施形態において洞律動中に作成されたマップと同じように機能する。
【0059】
ここで、本発明の先行する代替実施形態によって、被験者が洞律動にある間に心室性期外収縮を発生させる催不整脈性部位をマッピングする方法のフローチャートである、図6を参照する。図6における工程のいくつかが図2の工程と同じ方法で実施される。それらの説明は簡潔さのために繰り返されない。
【0060】
最初の工程37を実施した後に、ペーシングが工程99において行われる。点が、次いで、工程101において取得され、かつペーシングが次いで工程103において中止される。
【0061】
次に、工程105において、ビートバッファがペースマッピングされた(PM)拍動及びSR拍動で満たされる。
【0062】
次に、工程107において、PM拍動がビートバッファから選択される。
【0063】
次いで、工程47、49及び51を先述したように実施した後、工程109において、工程47において取得されたPM点に基づいてペースマッピングされた相関が、工程51において選択された、SR点位置に割り当てられる。
【0064】
次に、工程111において、PM点はフローティングとして提示される。
【0065】
次に、工程113において、SRマップはPM−IS相関データとともに提示され、これはSR−PMマップと称される。
【0066】
次いで、最後の工程115において、アブレーションがSR−PMマップに従って実施される。
【0067】
当業者であれば、本発明は、上記に具体的に示し、説明したものに限定されない点は認識されるところであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記に述べた異なる特性の組み合わせ及び一部の組み合わせ、並びに上記の説明文を読むことで当業者には想到されるであろう、従来技術ではない変形及び改変をも含むものである。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) アブレーションの方法であって、
生存被験者の心臓の中へプローブを挿入する工程であって、前記プローブがマッピング電極を有する、工程と、
前記マッピング電極を前記心臓の注目領域内の標的組織との接触関係へと付勢する工程と、
前記マッピング電極を使用して心不整脈を検出する工程の間に、局所興奮到達時間を前記注目領域内の第1の位置と関連付ける工程と、
前記心不整脈の不在を検出する工程及び前記接触関係を維持する工程の間に、前記局所興奮到達時間を前記心臓内の第2の位置と関連付ける工程と、
前記第1の位置の電気的データを前記第2の位置に割り当てる工程と、
前記第1の位置の前記割り当てられた電気的データを使用して前記第2の位置の表示のために少なくとも前記第2の位置を含めることによって前記心臓の電気解剖学的マップを作成する工程と、を含む、方法。
(2) 心不整脈を検出する工程及び前記心不整脈の不在を検出する工程は、
前記マッピング電極を介して心電図信号を得る工程と、
バッファにおける一連の前記心電図信号を保持する工程と、
前記心不整脈を示すものとして前記バッファから第1の信号を選択する工程と、
前記心不整脈の前記不在を示すものとして前記バッファから第2の信号を選択する工程と、を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) アブレーション電極を前記第2の位置のアブレーションのために前記第2の位置の前記割り当てられた電気的データまでナビゲートする工程と、
前記アブレーション電極をナビゲートする工程の間、前記電気解剖学的マップを参照する工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記第1の位置を前記電気解剖学的マップ上に表示する工程と、前記電気解剖学的マップを作成する工程における計算から前記第1の位置を除外する工程と、を更に含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 心不整脈を検出する工程が心室性期外収縮を特定する工程を含み、そのサイクル長さが所定の範囲内である、実施態様1に記載の方法。
【0069】
(6) 前記プローブが複数のマッピング電極を有し、前記マッピング電極のそれぞれを使用して前記第1の位置及び前記第2の位置の複数のインスタンスを取得する工程を、更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記マッピング電極を使用する工程がペースマッピング工程を含み、心室性頻脈症の間に生成される信号とペースマッピングによって生成される信号との間のペースマップ相関を対応する位置において判定する工程、を更に含み、かつ電気的データを割り当てる工程が、前記第1の位置の前記ペースマップ相関を前記第2の位置に割り当てる工程を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 医療装置であって、
心臓の中への挿入に適合される、プローブであって、細長い本体、及び前記本体の遠位部分の上に配置されるマッピング電極を備える、プローブと、
中にプログラムが格納されたメモリと、
ディスプレイと、
前記ディスプレイに結合され、かつ前記メモリにアクセスして前記プログラムを実行するように連結されているプロセッサであって、前記マッピング電極によって提供される入力を受信するように接続可能である、プロセッサと、を備え、前記プログラムが前記プロセッサに、
前記マッピング電極を介して前記心臓内の標的から心電図信号を得る工程と、
一連の前記心電図信号をバッファ内に保持する工程と、
心不整脈を示すものとして前記バッファから第1の信号を選択する工程であって、前記第1の信号が第1の時点において発生する、工程と、
前記心不整脈の不在を示すものとして前記バッファから第2の信号を選択する工程であって、前記第2の信号が第2の時点において発生する、工程と、
前記第1の時点における前記マッピング電極の第1の位置での前記標的の第1の局所興奮到達時間を関連付ける工程と、
前記第2の時点における前記マッピング電極の第2の位置での前記標的の第2の局所興奮到達時間を関連付ける工程と、
前記第1の位置の電気的データを前記第2の位置に割り当てる工程と、
前記第2の位置における前記割り当てられた電気的データに基づいて電気解剖学的マップを作成する工程と、
前記ディスプレイ上に前記電気解剖学的マップを提示する工程であって、前記電気解剖学的マップが前記第1の位置及び前記第2の位置を示す、工程と、を行わせる、医療装置。
(9) 前記心不整脈が心室性期外収縮を含み、そのサイクル長さが所定の範囲内である、実施態様8に記載の医療装置。
(10) 前記プローブが複数のマッピング電極を有するスプラインカテーテルであり、かつ前記プロセッサが前記マッピング電極のそれぞれを使用して前記第1の位置及び前記第2の位置の複数のインスタンスを取得するように動作可能である、実施態様8に記載の医療装置。
【0070】
(11) 前記プロセッサが、心室性頻脈症中に生成される信号とペースマッピングによって生成される信号との間のペースマップ相関を対応する位置において判定するために動作可能であり、かつ電気的データを割り当てる工程が前記第1の位置の前記ペースマップ相関を前記第2の位置に割り当てる工程を含む、実施態様8に記載の医療装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6