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特許6441038販促物評価装置、販促物評価システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441038
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】販促物評価装置、販促物評価システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20181210BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20181210BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   G06Q30/02 382
   G07G1/06 D
   G06K7/14 013
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-232166(P2014-232166)
(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公開番号】特開2016-95728(P2016-95728A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2016年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直樹
(72)【発明者】
【氏名】王 贇
【審査官】 衣川 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−243553(JP,A)
【文献】 特開2005−316930(JP,A)
【文献】 特開2007−109039(JP,A)
【文献】 特開2003−022393(JP,A)
【文献】 特開2014−052710(JP,A)
【文献】 特開2012−234464(JP,A)
【文献】 特開2003−256934(JP,A)
【文献】 特開2003−233705(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0281668(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06K 7/14
G07G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務である決済商品等のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務であるレコメンド商品等のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、
前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者である決済者に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
商品または役務である商品等の前記販促物を提示しての決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部であって、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致しないと前記判定部が判定した場合、当該販促物に対して低い評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部と、
を備える販促物評価装置。
【請求項2】
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務である決済商品等のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務であるレコメンド商品等のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、
前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者である決済者に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
商品または役務である商品等の前記販促物を提示しての決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部と、
ネットワークを通じて外部装置と通信する通信制御部であって、受信された決済商品等のIDを外部サーバに転送し、前記レコメンド商品等のIDを前記外部サーバから受信する通信制御部と、を備え、
前記記録部は、前記レコメンド商品等のIDが前記通信制御部で受信されると、該IDに対応付ける前記レコメンドIDを生成し、生成されたレコメンドIDを画像情報にエンコードして前記レコメンドIDの情報として前記印刷指示部に提供する
販促物評価装置。
【請求項3】
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る一つまたは複数の商品または役務である決済商品等のIDと、前記決済商品等に基づく複数のレコメンド商品または役務であるレコメンド商品等のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録するとともに、前記レコメンドIDにスコアを対応付けて記憶する記録部と、
前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者である決済者に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と複数の前記レコメンド商品等の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
商品または役務である商品等の前記販促物を提示しての決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応する複数のレコメンド商品等のIDのいずれかと一致するか否かを判定することを、前記決済の際に受信する全ての前記決済商品等のIDについて行う判定部と、
前記判定部で一致すると判定されたIDの数を前記スコアに加算して前記データベースを更新する更新制御部と
を備える販促物評価装置。
【請求項4】
商品購入または役務提供の決済時に商品購入者または役務の提供を受ける者である決済者に渡される販促物の影響度を評価するために、
前記販促物を印刷する印刷装置と、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務である決済商品等のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務であるレコメンド商品等のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、
前記販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷するように前記印刷装置に指示する印刷指示部と、
商品または役務である商品等の前記販促物を提示しての決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部であって、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致しないと前記判定部が判定した場合、当該販促物に対して低い評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部と、
を備える販促物評価装置と、
を含む販促物評価システム。
【請求項5】
商品購入または役務提供の決済時に商品購入者または役務の提供を受ける者である決済者に渡される販促物の影響度を評価するために、
コンピュータが、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務である決済商品等のIDと、前記決済商品等に基づくレコメンド商品または役務であるレコメンド商品等のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録し、
印刷装置に印刷指示を出力し、
前記印刷装置が、前記印刷指示に基づいて前記販促物に前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷し、
商品または役務である商品等の前記販促物を提示しての決済の際に、前記コンピュータが、
当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信し、
前記データベースを参照して、受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定し、
前記判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新し、
受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致しないと判定する場合、当該販促物に対して低い評価値を付与するように前記データベースを更新する
販促物評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、店舗で顧客が商品を購入した際に当該顧客に渡されるチラシなどの販促物の販促効果を評価するためのコンピュータ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗に来た顧客に対してその店舗の商品の購入を促す手段は様々あるが、その一つとして、決済直後にその購入商品に関連する商品の購入を促す印刷物を販促物として配る方法がある。かかる印刷物は、しばしばチラシなどであり、手渡された直前に購入した商品に関連する商品の情報がレコメンド商品として印刷されていることからも、当該買い物客が関心を持つ可能性が高い。すなわち、当該買い物客は、次回の来店時に当該関連商品の購入につながる可能性があるものと考えられる。したがって、印刷物にレコメンド商品に対応したコードを印刷しておき、決済時にそのコードと印刷物に記された商品の商品コードがスキャンされることで、その商品の購買がその印刷物の影響によるものかどうかを測定することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術では、結果的に購入された商品に対して販促物の影響を知ることができるが、購入されなかった場合については影響を評価しづらいという欠点(問題点)がある。
【0004】
実施形態は、印刷物に印刷されたレコメンド商品等が購入(決済)されたか否かに関わらず、当該印刷物の影響を評価できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販促物評価装置は、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務(以下、商品または役務を「商品等」、決済に係る商品または役務を「決済商品等」と称する。)のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務(以下「レコメンド商品等」と称する。)のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、
前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者(以下「決済者」と称する。)に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
前記販促物を提示しての商品等の決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態のシステムの概略構成を示す図である。
図2】中間サーバ他、実施形態の各端末のブロック構成を説明する図である。
図3】中間サーバのレコメンド情報管理データベースに記録される情報を説明する図である。
図4】レコメンド情報管理データベースに記録される情報を説明する図である。
図5】レコメンド情報管理データベースに記録される情報を説明する図である。
図6】中間サーバのレコメンド履歴情報領域に記録される情報を説明する図である。
図7】レコメンド情報管理データベースに記録される情報を説明する図である。
図8】レコメンド履歴情報領域に記録される情報を説明する図である。
図9】レコメンド情報管理データベースに記録される情報を説明する図である。
図10】レコメンド履歴情報領域に記録される情報を説明する図である。
図11】レコメンド履歴情報領域に記録される情報を説明する図である。
図12A】本システムの全体動作を説明するための、中間サーバの処理を表すフローチャートである。
図12B】本システムの全体動作を説明するための、中間サーバの処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の実施形態では、説明の簡明化のために、決済対象を商品のみとした販促物評価装置及びシステムの構成例を記述する。
【0008】
すなわち、実施形態の販促物評価装置は、
商品購入の決済の際に、決済に係る商品または役務(以下、商品または役務を「商品等」、決済に係る商品または役務を「決済商品等」と称する。)のIDと、決済に係る商品に基づくレコメンド商品または役務(以下「レコメンド商品等」と称する。)のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、
前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者以下「決済者」と称する。)に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
前記販促物を提示しての商品の決済の際に、当該決済商品のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品のIDと一致するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部であって、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致しないと前記判定部が判定した場合、当該販促物に対して低い評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部と、
を備える。
実施形態の販促物評価装置は、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務(以下、商品または役務を「商品等」、決済に係る商品または役務を「決済商品等」と称する。)のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務(以下「レコメンド商品等」と称する。)のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、 前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者(以下「決済者」と称する。)に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
前記販促物を提示しての商品等の決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部と、
ネットワークを通じて外部装置と通信する通信制御部であって、受信された決済商品等のIDを外部サーバに転送し、前記レコメンド商品等のIDを前記外部サーバから受信する通信制御部と、を備え、
前記記録部は、前記レコメンド商品等のIDが前記通信制御部で受信されると、該IDに対応付ける前記レコメンドIDを生成し、生成されたレコメンドIDを画像情報にエンコードして前記レコメンドIDの情報として前記印刷指示部に提供する。
実施形態の販促物評価装置は、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る一つまたは複数の商品または役務である決済商品等のIDと、前記決済商品等に基づく複数のレコメンド商品または役務であるレコメンド商品等のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録するとともに、前記レコメンドIDにスコアを対応付けて記憶する記録部と、
前記決済の際に商品購入者または役務の提供を受ける者である決済者に渡される販促物に、前記レコメンドIDの情報と複数の前記レコメンド商品等の情報を印刷するように外部の印刷装置に指示する印刷指示部と、
商品または役務である商品等の前記販促物を提示しての決済の際に、当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応する複数のレコメンド商品等のIDのいずれかと一致するか否かを判定することを、前記決済の際に受信する全ての前記決済商品等のIDについて行う判定部と、
前記判定部で一致すると判定されたIDの数を前記スコアに加算して前記データベースを更新する更新制御部と
を備える。
【0009】
また、実施形態の販促物評価システムは、
商品購入または役務提供の決済時に商品購入者または役務の提供を受ける者(以下「決済者」と称する。)に渡される販促物の影響度を評価するために、
前記販促物を印刷する印刷装置と、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務以下、商品または
役務を「商品等」、決済に係る商品または役務を「決済商品等」と称する。)のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務(以下「レコメンド商品等」と
称する。)のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録する記録部と、
前記販促物に、前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品の情報を印刷するように印刷装置に指示する印刷指示部と、
前記販促物を提示しての商品の決済の際に、当該決済商品のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信する受信部と、
前記データベースを参照して、前記受信部で受信された前記決済商品のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新する更新制御部であって、受信部で受信された決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致しないと判定部が判定した場合、当該販促物に対して低い評価値を付与するようにデータベースを更新する更新制御部と、
を備える販促物評価装置と、
を含む。
また、実施形態の販促物評価方法は、
商品購入または役務提供の決済時に商品購入者または役務の提供を受ける者(以下「決済者」と称する。)に渡される販促物の影響度を評価するために、
コンピュータが、
商品購入または役務提供の決済の際に、決済に係る商品または役務(以下、商品または役務を「商品等」、決済に係る商品または役務を「決済商品等」と称する。)のIDと、前記決済に係る商品等に基づくレコメンド商品または役務(以下「レコメンド商品等」と称する。)のIDと、をレコメンドIDに対応付けてデータベースに記録し、
印刷装置に印刷指示を出力し、
前記印刷装置が、前記印刷指示に基づいて前記販促物に前記レコメンドIDの情報と前記レコメンド商品等の情報を印刷し、
前記販促物を提示しての商品等の決済の際に、前記コンピュータが、
当該決済商品等のID及び当該販促物に印刷された前記レコメンドIDの情報を受信し、
前記データベースを参照して、受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致するかを判定し、
前記判定結果に基づいて当該販促物に対する評価値を付与するように前記データベースを更新し、
受信された前記決済商品等のIDが当該レコメンドIDに対応するレコメンド商品等のIDと一致しないと判定する場合、当該販促物に対して低い評価値を付与するように前記データベースを更新する。
【0010】
実施形態の販促物評価システムは、以下のような流れとなる。
【0011】
まず、商品決済時に、決済を行う商品に関連してお勧めする商品の一覧を印刷するチラシに、そのおすすめ内容に対応した一意のID(レコメンドID)を割り振りそのIDをエンコードしたものを印刷する。次に、当該チラシを持参(提示)しての決済時にそのチラシ上のコードをスキャンしてレコメンドIDを取得し、チラシが持参されたことを記録する。その際にスキャンされたレコメンドIDに基づいて、チラシに印刷されたおすすめ商品(レコメンド商品)の一覧と、チラシが提示された時点で決済しようとしている商品の一覧を突き合わせる。かかる突き合わせの結果、お勧めしたレコメンド商品一覧の中の商品の一部または全部が決済しようとしている商品に含まれていれば、その商品毎にお勧めの影響度ポイントを付与し、影響度ポイントの合計をもとのチラシのおすすめ内容のIDと関連付けて記憶する。他方、チラシの持参(提示)があったにもかかわらずその中のおすすめ商品一覧の中の商品(レコメンド商品)が決済対象でない場合、当該チラシ(おすすめ内容等)が有効でなかったことを示すために、当該チラシに係る影響度ポイントをマイナスの数値で関連付けてデータベースに記録する。
【0012】
以下、実施の形態について図面を参照してより具体的に説明する。
【0013】
図1に、本実施形態の代表的な構成例を示す。本実施形態の販促物評価システムは、商品推薦サーバ1と、POS(Point Of Sale)端末2と、販促物評価装置としての中間サーバ3と、印刷装置としてのプリンタ4と、商品マスタサーバ5と、からなる。これら各装置は、専用回線やインターネット網などのネットワーク6を介して接続され、相互に通信可能となっている。
【0014】
商品推薦サーバ1は、買い物客の購入商品一覧の記録を受信、蓄積し、その情報をもとにお勧めする商品(レコメンド商品)の一覧を返信する機能を有する。
【0015】
POS端末2は、買い物客が購入する商品の登録及び決済を行うとともに、当該登録された商品の一覧のデータを購入商品一覧データとして送信する機能を有する。
【0016】
中間サーバ3は、本システムの中心的な役割を担う装置であり、商品推薦サーバ1及びPOS端末2間の通信を仲介ないし中継する機能を有する。すなわち、中間サーバ3は、POS端末2から送信されて来る購入商品一覧データを仲介して商品推薦サーバ1に送信する。また、中間サーバ3は、商品推薦サーバ1から送信されたおすすめ商品一覧データを受信し、後述する自機による処理結果を付与してプリンタ4に印刷指示を出す機能を有する。さらに、中間サーバ3は、後述のように、買い物客に配布した個々のチラシの効果を評価する販促物評価装置として機能する。
【0017】
プリンタ4は、中間サーバ3から送信される印刷データ及び印刷指示を受信し、当該印刷指示に従った印刷を用紙に実行することで、買い物客に配布する販売促進物品(販促物)であるチラシを印刷する。プリンタ4の印刷方式は特に限定されず、例えば電子写真方式、インクジェット方式のいずれでもよい。
【0018】
商品マスタサーバ5は、自機の記録部(HDD等)に、店舗で販売される商品(以下、「取扱商品」とも称する。)の識別子(この例ではJANコード)と商品名が関連付けて記録される商品マスタデータベースを保有する。この商品マスタデータベースは、商品推薦サーバ1とPOS端末2それぞれがネットワークを通して参照可能となっている。
【0019】
商品推薦サーバ1、中間サーバ3、及び商品マスタサーバ5は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)と同様のハードウエア構成の装置である。これら各装置の内、中間サーバ3のハードウエアブロック構成を図2に示す。
【0020】
図2に示すように、中間サーバ3は、当該装置全体の制御を司り各種演算を行うCPUなどの演算部31、演算部31の作業領域となるRAM等の記憶部32、本システムを実現するためのソフトウエアプログラム、データベース、及び各種のデータが格納されるHDDなどの記録部33、インターや各種通信回線を介して他の装置と接続するためのネットワーク接続部34、各種の表示画面を表示する液晶ディスプレイなどの表示部35、及び管理者などが各種の操作入力を行うためのマウスやキーボードなどの操作部36を有し、これら各部がバスを介して相互に接続された構成となっている。図2に示す各部の構成は、他の商品推薦サーバ1、POS端末2、及び商品マスタサーバ5でも同等であるため、他のサーバ1,5及びPOS端末2についての内部ブロック構成の図示を省略する。
【0021】
この実施形態では、POS端末2、中間サーバ3、プリンタ4、及び商品マスタサーバ5が同一店舗内に配置され、商品推薦サーバ1が店舗外に配置される。ただし、商品推薦サーバ1を同一店舗内に配置しても構わない。また、複数のサーバ1,3,5の機能を一台のコンピュータに集約することとしてもよい。
【0022】
次に、各サーバ及び装置の機能をより詳細に説明する。
【0023】
商品推薦サーバ1は、ネットワーク接続部を介して中間サーバ3から受信された取引情報に基づいて、購買を推薦する商品の一覧情報となるレコメンド情報とレコメンド印刷ファイルを生成する。かかる機能を実現するため、商品推薦サーバ1の記録部にレコメンドプログラムが格納され、演算部がかかるプログラムを読み出して実行する。
【0024】
中間サーバ3は、ネットワーク接続部を介してPOS端末2から送られて来る取引情報と、当該取引情報に関連付けられ、商品推薦サーバ1から送られて来るレコメンド情報とを記録するレコメンド情報管理データベースを保有する。このレコメンド情報管理データベースは、中間サーバ3の記録部33に格納され、取引がなされると更新される。中間サーバ3の記録部33に格納されるレコメンド情報管理データベースのデータ構造の一例を図3に示す。
【0025】
図3に示すように、レコメンド情報管理データベースは、「取引情報」と「レコメンド情報」が一意の「取引ID」に対応付けられたデータ構造を有する。このうち、取引情報の領域は、顧客が商品を購入した際の情報が記録される領域であり、具体的には、「取引日時」、「買い物客ID」、「受領レコメンドID」、及び顧客が購入した商品に係る「JANコード一覧」のデータが記録される。他方、レコメンド情報の領域は、顧客が商品を購入した際に生成される推薦商品に関する情報が記録される領域であり、具体的には、推薦商品に係る「JANコード一覧」、「レコメンド印刷ファイル」、及び「発行レコメンドID」のデータが記録される。
【0026】
さらに、中間サーバ3は、商品推薦サーバ1から受信されたレコメンド情報にレコメンドIDを付与して履歴として管理し、そのレコメンドの正確性を評価するスコア情報と関連付けて記録するレコメンド履歴情報領域も記録部33に保有する。中間サーバ3の記録部33に格納されるレコメンド履歴情報領域の一例を図6に示す。
【0027】
図6の例では、レコメンド履歴情報領域に記録されるデータとして、「レコメンドID」、「レコメンド印刷ファイル」、「JANコード一覧」、「レコメンド購買」、「レコメンド購買なし」及び「スコア」が記録される。このうち、「レコメンドID」、「レコメンド印刷ファイル」、及び「JANコード一覧」欄は、それぞれ図3に示すレコメンド情報管理データベースの「発行レコメンドID」、「レコメンド印刷ファイル」、及び「JANコード一覧」欄と対応する欄である。なお、図6の「レコメンド購買」、「レコメンド購買なし」及び「スコア」欄には、初期値として「0」が記録され、この初期値が後に更新される。かかる更新の処理については後述する。
【0028】
商品マスタサーバ5は、自機の記録部(HDD等)に、その店舗で扱う商品(以下、「取扱商品」とも称する。)の識別子(この例ではJANコード)と個々の商品名が関連付けて記録される商品マスタデータベースを保有する。この商品マスタデータベースは、商品推薦サーバ1とPOS端末2それぞれがネットワーク7を通して参照可能となっている。
【0029】
POS端末2は、買い物客の購入商品を登録しその商品について決済を行うという基本機能を有する端末である。このため、POS端末2は、予め商品マスタサーバ5からその店舗で販売される取扱商品のJANコードと商品名を受信し、自機の記録部に記録する。また、POS端末2は、クレジットカードなどの決済を行うために、図示しない金融機関の決済サーバと接続可能となっている。
【0030】
さらに、POS端末2は、当該登録された商品の一覧のデータを購入商品一覧データとして中間サーバ3に送信する。さらにまた、POS端末2は、買い物客が持参したチラシに印刷された識別情報(レコメンドID)を読み取り、当該読み取られたレコメンドIDを中間サーバ3に送信する。このレコメンドIDを読み取る(スキャン等する)ために、POS端末2は、図示しないバーコードリーダなどの読取部が設けられる。
【0031】
以下、本システム全体の動作及び中間サーバ3の動作について、図12図12A及び図12B)のフローチャートを参照しながら説明する。ここで、図12は中間サーバ3で遂行する処理を示すフローチャートであり、かかるフローチャートにおける各処理の主体は、他の処理主体の明記がない限り演算部31である。
【0032】
まず、顧客がチラシの持参なしで商品を購入する場合について説明する。POS端末2が置かれている店舗においてある買い物客が一以上の商品を購入する場合、店員によりPOS端末2の操作入力部(図示せず)を操作することで、当該購入された商品の登録及び決済が行われる。この際に、POS端末2は、当該登録された商品のJANコード一覧及び買い物客IDを関連付けた取引情報を生成する。その後、POS端末2は、当該生成された取引情報を中間サーバ3に送信する。
【0033】
中間サーバ3は、POS端末2から送られて来る取引情報を受信すると(ACT101のYes)、その取引情報に一意となる取引IDを付与する(ACT102)。さらに、中間サーバ3は、当該取引情報及び取引IDを自機のレコメンド情報管理データベースに記録し(ACT103)、当該記録された取引情報及び取引IDを商品推薦サーバ1に対して送信する(ACT104,ACT114)。
【0034】
POS端末2が置かれている店舗においてある買い物客が商品を購入した場合のレコメンド情報管理データベースに記録された情報の一例を図4に示す。図4の例では、買い物客が2つの商品を購入した例であって、「取引ID」が1、取引情報として、「取引日時」が2014年4月1日の15時、購入された2つの商品の「JANコード」が各々、49xxxxxxxxxxx及び49yyyyyyyyyyyであった場合を仮定する。なお、取引情報の内、買い物客IDは、買い物客からの提示がないためにnull値であり、受信レコメンドIDも未だ生成されていない段階であるためnull値となっている。
【0035】
商品推薦サーバ1は、中間サーバ3から取引情報及び取引IDを受信すると、当該取引情報をもとにその買い物客に対して何を推薦すればよいのかを分析する。この分析は、本システムでは、1つの商品のJANコードに対し、その商品に関連するn個の商品のJANコードが対応付けられて登録される、商品推薦サーバ1の記録部に格納された関連商品データベース(図示せず)を参照することによって、分析される。ここで、関連商品データベースに登録される「関連する商品」としては、例えば商品が「MサイズのTシャツ」であれば、色やデザインが異なる同サイズのTシャツ、現在人気の或いは特売中のMサイズのズボン、下着などが挙げられる。また、関連する商品の他の例としては、例えば商品がデジタルカメラなどの電化製品である場合に、その製品に使われる電池やフラッシュメモリ等の部品などが挙げられる。但し、これらは単なる例示であり、実際には関連する商品の態様として種々の形態が有り得る。
【0036】
商品推薦サーバ1は、かかる分析の結果、その時点でその買い物客にお勧めするべき商品群のJANコード一覧を決定する。また、商品推薦サーバ1は、当該決定されたJANコード一覧の推薦商品(商品群)の情報を、1枚の用紙(すなわちチラシ)内に配列し、印刷可能なファイル形式(この例ではPDFファイル)に変換することで、レコメンド印刷ファイルを生成する。さらに、商品推薦サーバ1は、決定された推薦商品のJANコード一覧、生成されたレコメンド印刷ファイル、及び元の取引情報に含まれる取引IDを、レコメンド情報として中間サーバ3に送信する。
【0037】
この例では、JANコード「49xxxxxxxxxxx」の購買商品に対してJANコード「49aaaaaaaaaaa」の商品、JANコード「49yyyyyyyyyyy」の購買商品に対してJANコード「49bbbbbbbbbbb」の商品が各々レコメンド情報のJANコード一覧として決定され、中間サーバ3に送信されたものと仮定する。なお、この例は説明の簡明化のために推薦商品の数を少なくしており、実際は一つの購買商品に対して多数の推薦商品を生成・送信等することができる。
【0038】
中間サーバ3は、商品推薦サーバ1からのレコメンド情報(すなわち、推薦商品のJANコード、レコメンド印刷ファイル、及び取引ID)を受信すると(ACT115のYes)、当該レコメンド情報を、受信された取引IDと関連付けられているレコメンド情報管理データベースのレコメンド情報欄に追加記録する(図5参照)。この際に、中間サーバ3は、レコメンド情報に対して一意となるレコメンドIDを発行し(ACT116)、かかるレコメンドIDもレコメンド情報欄の「発行レコメンドID」欄に記録する(ACT117)。
【0039】
本実施形態では、管理者による管理容易化の観点から、取引IDの番号が末尾に付与される13桁の数字のレコメンドIDが発行される(図5図9参照)。なお、かかる形態に限定されるものではなく、取引IDとレコメンドIDとの対応付けがなされていれば他の形態でもかまわない。
【0040】
さらに、中間サーバ3は、レコメンドIDを含んだレコメンド情報をレコメンド履歴情報領域に追加記録する(図6参照)。なお、この段階では、未だ当該レコメンドID「9900000000001」に係るチラシが印刷されておらず、当該チラシの評価が出来ないことから、レコメンド履歴情報領域の「レコメンド購買」欄と「スコア」欄には、それぞれ初期値「0」が格納される。
【0041】
中間サーバ3は、発行されたレコメンドIDをPOS端末2の読取部でスキャン及びデコードできるバーコードなどの画像情報としてエンコードする(ACT118)。さらに、中間サーバ3は、当該エンコードされた画像情報を、レコメンド印刷ファイルの紙面の所定位置(例えば紙面の隅部など)に合成する処理を行う(ACT119)。続いて、中間サーバ3は、当該該レコメンドIDの画像情報が合成されたレコメンド印刷ファイルを、印刷指示とともにプリンタ4に送信する(ACT120)。
【0042】
中間サーバ3からレコメンド印刷ファイル及び印刷指示を受信したプリンタ4は、用紙に当該レコメンド印刷ファイルの画像を印刷することで、買い物客(この例ではJANコード「49xxxxxxxxxxx」及び「49yyyyyyyyyyy」の2つの商品を購入した顧客)に手渡されるチラシを印刷する。この例では、JANコード「49aaaaaaaaaaa」及び「49bbbbbbbbbbb」の推薦商品に関する説明(例えば、各推薦商品の画像、名称、値段、性能、特徴、など)と、レコメンドID「9900000000001」を示す画像情報(バーコード等)と、クーポン情報と、が印字されたチラシがプリンタ4から出力される。出力されたチラシは、店員から当該買い物客に手渡される。
【0043】
ここでクーポン情報とは、例えば「このチラシを持参したお客様には、次回買い物時に○%の割引をします」などの買い物客にとって有利になる情報である。すなわち、チラシにクーポンの役割を持たせることで、買い物客が次回に買い物するときに、今回配布されたチラシを持参して店に来る可能性が高くなることを考慮したものである。したがって、クーポン情報は、チラシから切り離せるようにする必要はなく、また、上述した割引情報に限られず、次回来店時までにチラシを保存し次回来店時にチラシを持参するモチベーションを与えるような情報であればよい。
【0044】
次に、上述したチラシを配布された買い物客が、当該チラシを持参して再び買い物を行った場合について説明する。
【0045】
この場合も、買い物客が購入する商品については、その決済時に、POS端末2での入力操作を通じて前回同様に商品登録等の処理が行われる(図6A、ACT101乃至103参照)。この例では、買い物客がJANコード「49aaaaaaaaaaa」と「49zzzzzzzzzzz」の2つの商品を購入したと仮定する。
【0046】
さらに、この例はチラシ持参での購入であり、この場合、決済時におけるPOS端末2での入力操作の際に、チラシに印字されたレコメンドIDのコード(画像)がPOS端末2の読取部でスキャン及びデコードされる。デコードされたレコメンドID(この例では「9900000000001」)は、受領レコメンドIDとして取引情報に埋め込まれ、中間サーバ3に送信される。
【0047】
これら各データを受信した中間サーバ3は、前回と同様にレコメンド情報管理データベースに新しい取引として取引情報を記録する(図7参照)。
【0048】
図7は、中間サーバ3の上述したACT101乃至103の処理により、付与された取引ID「10」、取引日時の「2014/4/2 11:00:00」、購入商品のJANコード「49aaaaaaaaaaa」と「49zzzzzzzzzzz」、受領レコメンドID「9900000000001」が各々情報管理領域の該当欄に記録された状態を示す。
【0049】
中間サーバ3は、このとき受領レコメンドIDが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合(ACT104でnull以外の場合)には、レコメンド情報管理データベースを参照して、受領レコメンドIDと一致するIDを、過去の取引に係る発行レコメンドIDから検索する(ACT105)。
【0050】
中間サーバ3は、この検索の結果、受領レコメンドIDと一致する発行レコメンドIDが存在する場合には(ACT106でYes)、その発行レコメンドIDに係る取引に関連付けられているレコメンド情報中のJANコード一覧(この例では「49aaaaaaaaaaa」及び「49bbbbbbbbbbb」)と、今回の取引情報に含まれるJANコード一覧(この例では「49aaaaaaaaaaa」及び「49zzzzzzzzzzz」)を比較し(ACT107)、一致する情報(JANコード)が存在するか否かを判定する(ACT108)。
【0051】
ここで、一致するJANコードが存在する場合(ACT108でYes)、中間サーバ3は、レコメンド履歴情報領域に存在する同一レコメンドIDの履歴情報の、コードすなわち商品が一致するJANコードの「レコメンド購買」欄の値(初期値)に、購入された商品の数を加算する(ACT109、ACT110)。
【0052】
この例では、JANコード「49aaaaaaaaaaa」の商品が一致する商品となり、換言すると、チラシに印刷された2つの推薦商品の内の一つが今回の購入商品となっている。また、その購入数量は1つである。したがって、中間サーバ3は、レコメンドID「9900000000001」に対応付けられたJANコード一覧の「49aaaaaaaaaaa」及び「49bbbbbbbbbbb」の推薦商品の内、今回購入されたJANコード「49aaaaaaaaaaa」の商品に対応する「レコメンド購買」欄の初期値0に1を加算する。
【0053】
他の例として、今回の購入商品が、チラシに印刷された2つの推薦商品の両方であり、かつ、「49aaaaaaaaaaa」の商品が2つ、「49bbbbbbbbbbb」のの商品が1つ購入された場合を仮定すると、中間サーバ3は、ACT110で、JANコード「49aaaaaaaaaaa」の商品に対応する「レコメンド購買」欄の初期値0に2を加算し、「49bbbbbbbbbbb」の商品に対応する「レコメンド購買」欄の初期値0に1を加算することになる。
【0054】
このようにして、中間サーバ3は、すべての購入商品に対する上述の加算処理を完了すると、すべての商品のレコメンド購買欄のスコアを加算し、その加算値をレコメンド情報の「スコア」欄に記録する(ACT113)。この例では、図8に示すように、「49aaaaaaaaaaa」の商品が一つ購入され、「49bbbbbbbbbbb」の商品は購入されなかったので、1+0=1となり、1の値がレコメンド情報の「スコア」欄に記録される。他方、上述した他の例では、2+1=3となり、3の値がレコメンド情報の「スコア」欄に記録されることになる(図示せず)。
【0055】
言い換えると、本実施形態では、スコア欄に記録された値が大きいほど、顧客に渡されたチラシの推薦商品に対する販促効果が高かったものと評価することができる。
【0056】
この後、中間サーバ3は、今回の取引情報及び取引情報を商品推薦サーバ1に送信して推薦情報の生成を依頼する(ACT114)。
【0057】
他方、ACT108の判定結果がNoの場合、すなわち一致する情報(JANコード)が存在しない場合には、中間サーバ3は、レコメンド履歴情報領域に存在する同一レコメンドIDの「レコメンド購買なし」欄を探し(ACT111)、当該欄の初期値0から1を減算する(ACT112)。かかる処理により、レコメンド購買なし欄に「−1」の値が記録される。この後、中間サーバ3は、上述と同様にACT113の処理を行った後、今回の取引情報及び取引情報を商品推薦サーバ1に送信して推薦情報の生成を依頼する(ACT114)。
【0058】
換言すると、前回渡されたチラシを持参して再来店した買い物客が、当該チラシに印刷された各推薦商品のいずれも購入せずに他の商品を購入した場合には、当該チラシの推薦商品に対する販促効果が無かったことになる。このような場合、本実施形態では、レコメンド情報のレコメンド購買なし欄に「−1」の値が自動で記録されるので、レコメンド情報を表示部35に画像表示する等により、効果の無かったチラシを容易に判別することが出来る。
【0059】
以後の処理は前回の取引と同様に行われ、新たなチラシがプリンタ4で印刷されて買い物客に手渡される。処理完了時のレコメンド情報管理データベース内に記録された情報及びレコメンド履歴情報領域に記録された情報を図9及び図10に示す。図9及び図10から分かるように、新たなチラシに対しては、新たなレコメンドIDが付与され、かつ、新たな推薦商品が割り当てられる。
【0060】
以後も取引がある度に同様に取引情報をもとにレコメンド情報のスコアが更新されて行くことになる。その一例を図11に示す。図11の例では、レコメンドID「9900000000010」に係る新たなチラシに印刷された2つの推薦商品が購入されなかった場合であり、このため、スコア欄は0であるが、「レコメンド購買なし」欄に−1が記録された例である。
【0061】
本実施形態は、以上のような構成とすることにより、買い物客の買い物に関するレコメンド情報の買い物客への影響度を知ることができる。特に、本実施形態によれば、チラシに記載された商品が購入された場合のみならず、購入されなかった場合であっても、チラシの効果や影響力等を評価することが可能となる。
【0062】
上述した実施形態は一例であって、様々な変更を加えることができる。
【0063】
上述の実施形態では、説明の簡明化のため、決済対象を商品のみとして説明したが、これに限られない。例えば、店舗で扱う決済対象として、商品のみならず役務(サービス)を含めてもよいことは勿論である。したがって、決済対象が商品である場合に、チラシに印刷されるレコメンド対象が役務となること、あるいはこの逆に、決済役務に対してチラシにレコメンド商品が印刷されることもできる。
【0064】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替及び改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0065】
1 商品推薦サーバ
2 POS端末
3 中間サーバ(販促物評価装置)
31 演算部
32 記憶部
33 記録部
34 ネットワーク接続部
35 表示部
36 操作部
4 プリンタ(印刷装置)
5 商品マスタサーバ
6 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B