特許第6441085号(P6441085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441085
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】連節バス
(51)【国際特許分類】
   B62D 31/02 20060101AFI20181210BHJP
   B62D 25/00 20060101ALI20181210BHJP
   B62D 25/06 20060101ALI20181210BHJP
   B62D 47/02 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   B62D31/02 A
   B62D25/00
   B62D25/06 A
   B62D47/02
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-1638(P2015-1638)
(22)【出願日】2015年1月7日
(65)【公開番号】特開2016-124487(P2016-124487A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】大古 淳
【審査官】 中野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−146765(JP,A)
【文献】 米国特許第05452912(US,A)
【文献】 特開2000−071881(JP,A)
【文献】 特開2007−015684(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0296180(US,A1)
【文献】 特開2011−235733(JP,A)
【文献】 特開2002−079939(JP,A)
【文献】 実公昭25−000613(JP,Y1)
【文献】 特開2008−302911(JP,A)
【文献】 特開平07−205844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 31/02
B62D 25/00
B62D 25/06
B62D 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシフレームにボディが固定された前部車両及び後部車両と、
前記前部車両と前記後部車両との間において前記前部車両及び前記後部車両のシャシフレームを車両前後方向に揺動可能に連節する揺動連節部と、を備え、
前記前部車両及び前記後部車両の少なくとも一方の前記ボディは、
車両側面側に位置する一対の側構造部と、
車両天面側に位置する屋根構造部と、
前記揺動連節部側に位置する連節側構造部と、を有し、
前記連節側構造部は、
前記一対の側構造部及び前記屋根構造部と接続される外骨部と、
前記外骨部よりも車両内外方向内側に配置される内骨部と、
前記外骨部と前記内骨部とに接続される接続骨部と、を有する、
連節バス。
【請求項2】
前記接続骨部は、前記外骨部の前記側構造部又は前記屋根構造部と接続される位置において、前記外骨部と接続される、
請求項1に記載の連節バス。
【請求項3】
前記外骨部は、
車両上下方向に延びる一対の垂直外骨部と、
車両幅方向に延びて前記一対の垂直外骨部の上端部に接続される水平外骨部と、を有し、
前記内骨部は、
略車両上下方向に延びる一対の垂直内骨部と、
略車両幅方向に延びて前記一対の垂直内骨部の上端部に接続される水平内骨部と、を有し、
前記接続骨部は、
前記垂直外骨部と前記垂直内骨部とに接続されて車両幅方向に延びる水平接続骨部と、
前記水平外骨部と前記水平内骨部とに接続されて車両上下方向に延びる垂直接続骨部と、を有する、
請求項1又は2に記載の連節バス。
【請求項4】
前記外骨部は、屈曲して前記垂直外骨部と前記水平外骨部とに接続される一対の屈曲外骨部を更に有し、
前記内骨部は、屈曲して前記垂直内骨部と前記水平内骨部とに接続される一対の屈曲内骨部を更に有し、
前記接続骨部は、前記屈曲外骨部と前記屈曲内骨部とに接続されて車両内外方向外側に向けて延びる放射状接続骨部を更に有する、
請求項3に記載の連節バス。
【請求項5】
前記外骨部に接続されて車両内外方向と交差する方向に向けて延びる筋交骨部を更に備える、
請求項1〜4の何れか一項に記載の連節バス。
【請求項6】
前記筋交骨部は、前記内骨部又は前記接続骨部に接続される、
請求項5に記載の連節バス。
【請求項7】
前記連節側構造部は、
前記ボディの下部において、前記内骨部から車両内外方向内側に延びる補助骨部と、
前記内骨部と前記補助骨部とに接続される補助接続骨部と、を更に有する、
請求項1〜6の何れか一項に記載の連節バス。
【請求項8】
前記補助接続骨部は、前記内骨部の前記接続骨部と接続される位置において、前記内骨部と接続される、
請求項7に記載の連節バス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前部車両と後部車両とが車両前後方向に揺動可能に連節された連節バスに関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、1985年のつくば万博において、前部車両と後部車両とを連節した連節バスが導入された。連節バスは、前部車両の後面と後部車両の前面とに開口を設けて、前部車両と後部車両との間で乗員が行き来できるようにしたバスである。この連節バスは、前部車両が後部車両を牽引する牽引(プーラー)式連節バスである。牽引式連接バスは、前部車両の中央床下にエンジンが搭載されるため、床面が高くなって、乗降口に2段のステップを備える2ステップバスとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−205844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、乗降性を改善するために、床を低くしてステップを無くしたノンステップの低床バスが主流となってきた。低床バスでは、エンジンを車両後端部に搭載することで、低床化及びノンステップ化を実現している。このような時代の潮流に鑑みると、連節バスにおいても、低床化及びノンステップ化が強く求められと考えられる。そこで、エンジンを後部車両の後端部に搭載して後部車両で前部車両を押すプッシャー式連節バスにすることで、前部車両全体を低床化及びノンステップ化することが考えられる。
【0005】
しかしながら、エンジンを後部車両に搭載したプッシャー式連節バスでは、エンジン推進力の加減速により後部車両及び前部車両に圧縮及び引張荷重が作用するため、前部車両及び後部車両が車両前後方向に座屈し易くなるという問題がある。
【0006】
また、バスは、シャシフレームだけでバス全体の強度及び剛性を確保するのではなく、ボディによってもバス全体の強度及び剛性を確保している。バスのボディは、スケルトン構造(骨格構造)となっており、一対の側構造部、前構造部、後構造部及び屋根構造部の5面体となっている(例えば、特許文献1参照)。このため、前部車両の後構造部及び後部車両の前構造部に開口を設けると、連節部近傍の強度及び剛性が極端に小さくなるため、連節部近傍が更に座屈し易くなるという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、強度及び剛性の低下を抑制できる連節バスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る連節バスは、シャシフレームにボディが固定された前部車両及び後部車両と、前部車両と後部車両との間において前部車両及び後部車両のシャシフレームを車両前後方向に揺動可能に連節する揺動連節部と、を備え、前部車両及び後部車両の少なくとも一方のボディは、車両側面側に位置する一対の側構造部と、車両天面側に位置する屋根構造部と、揺動連節部側に位置する連節側構造部と、を有し、連節側構造部は、一対の側構造部及び屋根構造部と接続される外骨部と、外骨部よりも車両内外方向内側に配置される内骨部と、外骨部と内骨部とに接続される接続骨部と、を有する。
【0009】
本発明に係る連節バスでは、ボディの連節側構造部において、外骨部が一対の側構造部及び屋根構造部と接続され、外骨部と内骨部とが車両内外方向において二重に配置され、外骨部と内骨部とが接続骨部により接続される。このため、連節側構造部に開口を設けても、連節側構造部近傍の強度及び剛性が極端に小さくなるのを抑制することができるため、連節バス全体の強度及び剛性の低下を抑制することができる。
【0010】
接続骨部は、外骨部の側構造部又は屋根構造部と接続される位置において、外骨部と接続されてもよい。この連節バスでは、外骨部の側構造部又は屋根構造部と接続される位置において、接続骨部が外骨部と接続される。このため、連節側構造部に入力された荷重を適切に側構造部又は屋根構造部に逃がすことができる。これにより、連節側構造部近傍の強度及び剛性が極端に小さくなるのを抑制して、連節バス全体の強度及び剛性の低下を抑制することができる。
【0011】
外骨部は、車両上下方向に延びる一対の垂直外骨部と、車両幅方向に延びて一対の垂直外骨部の上端部に接続される水平外骨部と、を有し、内骨部は、略車両上下方向に延びる一対の垂直内骨部と、略車両幅方向に延びて一対の垂直内骨部の上端部に接続される水平内骨部と、を有し、接続骨部は、垂直外骨部と垂直内骨部とに接続されて車両幅方向に延びる水平接続骨部と、水平外骨部と水平内骨部とに接続されて車両上下方向に延びる垂直接続骨部と、を有してもよい。この連節バスでは、車両上下方向に延びる垂直外骨部と垂直内骨部とが水平接続骨部により接続され、車両幅方向に延びる水平外骨部と水平内骨部とが垂直接続部により接続される。このため、連節側構造部における車両上下方向及び車両幅方向の剛性及び強度を向上させることができる。
【0012】
外骨部は、屈曲して垂直外骨部と水平外骨部とに接続される一対の屈曲外骨部を更に有し、内骨部は、屈曲して垂直内骨部と水平内骨部とに接続される一対の屈曲内骨部を更に有し、接続骨部は、屈曲外骨部と屈曲内骨部とに接続されて車両内外方向外側に向けて延びる放射状接続骨部を更に有してもよい。この連節バスでは、外骨部及び内骨部の角部に屈曲した屈曲外骨部及び屈曲内骨部が配置されており、屈曲外骨部と屈曲内骨部とが車両内外方向外側に向けて延びる放射状接続骨部により接続されている。このため、連節側構造部における車両上下方向及び車両幅方向の剛性及び強度を更に向上させることができる。
【0013】
外骨部に接続されて車両内外方向と交差する方向に向けて延びる筋交骨部を更に備えてもよい。この連節バスでは、外骨部に接続されて車両内外方向と交差する方向に向けて延びる筋交骨部を備えるため、連節側構造部が撓んで変形するのを抑制することができる。
【0014】
筋交骨部は、内骨部又は接続骨部に接続されてもよい。この連節バスでは、筋交骨部が、内骨部又は接続骨部にも接続されるため、連節側構造部が撓んで変形するのを更に抑制することができる。
【0015】
連節側構造部は、ボディの下部において、内骨部から車両内外方向内側に延びる補助骨部と、内骨部と補助骨部とに接続される補助接続骨部と、を更に有してもよい。この連節バスでは、シャシフレームに固定されるボディの下部において、補助骨部が内骨部から車両内外方向内側に延びるとともに、内骨部と補助骨部とが補助接続骨部により接続されている。このため、シャシフレームに対するボディの撓みを効果的に抑制することができる。
【0016】
補助接続骨部は、内骨部の接続骨部と接続される位置において、内骨部と接続されてもよい。この連節バスでは、内骨部の接続骨部と接続される位置において、補助接続骨部が内骨部に接続される。このため、補助骨部及び補助接続骨部に入力された荷重を適切に内骨部から外骨部に逃がすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、強度及び剛性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】連節バスの概略側面図である。
図2】揺動連節部を示す概略平面図である。
図3】前部車両のボディを後方から見た斜視図である。
図4】前部車両のボディの背面図である。
図5】後部車両のボディを前方から見た斜視図である。
図6】後部車両のボディの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態に係る連節バスについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明では、車両前後方向における前及び後を単に前及び後ともいい、車両上下方向における上及び下を単に上及び下ともいう。
【0020】
図1は、連節バスの概略側面図である。図2は、揺動連節部を示す概略平面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態の連節バス1は、前部車両2と、後部車両3と、揺動連節部4と、を備える。
【0021】
前部車両2は、連節バス1の車両前後方向前側に配置される従動車両である。前部車両2は、前部シャシフレーム21と、前部シャシフレーム21に固定された前部ボディ22と、を備える。
【0022】
前部シャシフレーム21は、前部車両の床構造部として機能する。前部シャシフレーム21は、車両幅方向に併設されて車両前後方向に延びる一対のレール部21aと、一対のレール部21aに接続されて車幅方向に延びる複数のサブフレーム部(不図示)と、一対のレール部21aの後端部に接続されて車両幅方向に延びる後端横延部21bと、を備える。なお、レール部21a及びサブフレーム部には、前部車両2の床板(不図示)が取り付けられる。
【0023】
レール部21aには、車両前後方向前側に位置して車輪23aが連結された前側車軸部(不図示)と、車両前後方向後側に位置して車輪23bが連結された後側車軸部(不図示)と、が取り付けられている。車輪23aは、操舵機構に連結された操舵輪となっている。また、車輪23a及び車輪23bは、従動輪となっている。
【0024】
図3は、前部車両のボディを後方から見た斜視図である。図4は、前部車両のボディの背面図である。図2図4に示すように、前部ボディ22は、スケルトン構造(骨格構造)となっている。詳しく説明すると、前部ボディ22は、車両側面側に位置する一対の側構造部24と、車両天面側に位置する屋根構造部25と、車両後面側に位置する後構造部26(連節側構造部)と、車両前面側に位置する前構造部(不図示)と、を備える。つまり、前部ボディ22は、一対の側構造部24、屋根構造部25、後構造部26、及び前構造部により5面体を構成している。そして、一対の側構造部24、後構造部26、及び前構造部の下端部が、前部シャシフレーム21に溶接等により固定されている。
【0025】
側構造部24は、複数の骨部が溶接等により結合されて構成されており、車両前後方向に延びて後構造部26に至る側構造骨部24aを備える。
【0026】
屋根構造部25は、複数の骨部が溶接等により結合されて構成されており、車両前後方向に延びて後構造部26に至る屋根構造骨部25aを備える。
【0027】
後構造部26は、揺動連節部4側に位置する。そして、後構造部26には、後部車両3との間で乗員が行き来するための開口27が設けられている。なお、後構造部26の詳細な構成については後述する。
【0028】
図1及び図2に示すように、後部車両3は、連節バス1の車両前後方向後側に配置される駆動車両である。後部車両3は、後部シャシフレーム31と、後部シャシフレーム31に固定された後部ボディ32と、を備える。
【0029】
後部シャシフレーム31は、後部車両の床構造部として機能する。後部シャシフレーム31は、車両幅方向に併設されて車両前後方向に延びる一対のレール部31aと、一対のレール部31aに接続されて車幅方向に延びる複数のサブフレーム部(不図示)と、一対のレール部31aの前端部に接続されて車両幅方向に延びる前端横延部31bと、を備える。なお、レール部31a及び複数のサブフレーム部には、後部車両3の床板(不図示)が取り付けられる。
【0030】
一対のレール部31aには、車両前後方向中央部に位置して車輪33が連結された車軸部(不図示)と、車両前後方向後端部に位置するエンジンE/Gと、が取り付けられている。車輪33は、プロペラシャフト及びデファレンシャルギア等を介してエンジンE/Gに連結された駆動輪となっている。
【0031】
図5は、後部車両のボディを前方から見た斜視図である。図6は、後部車両のボディの正面図である。図2図5及び図6に示すように、後部ボディ32は、スケルトン構造(骨格構造)となっている。詳しく説明すると、後部ボディ32は、車両側面側に位置する一対の側構造部34と、車両天面側に位置する屋根構造部35と、車両前面側に位置する前構造部36(連節側構造部)と、車両後面側に位置する後構造部(不図示)と、を備える。つまり、後部ボディ32は、一対の側構造部34、屋根構造部35、前構造部36、及び後構造部により5面体を構成している。そして、一対の側構造部34、前構造部36、及び後構造部の下端部が、後部シャシフレーム31に溶接等により固定されている。
【0032】
一対の側構造部34は、複数の骨部が溶接等により結合されて構成されており、車両前後方向に延びて前構造部36に至る側構造骨部34aを備える。
【0033】
屋根構造部35は、複数の骨部が溶接等により結合されて構成されており、車両前後方向に延びて前構造部36に至る屋根構造骨部35aを備える。
【0034】
前構造部36は、揺動連節部4側に位置する。そして、前構造部36には、前部車両2との間で乗員が行き来するための開口37が設けられている。なお、前構造部36の詳細な構成については後述する。
【0035】
揺動連節部4は、前部車両2と後部車両3との間において前部シャシフレーム21と後部シャシフレーム31とを車両前後方向に揺動可能に連節する。揺動連節部4は、連節機構41と、通路部42と、幌43と、を備える。
【0036】
図1及び図2に示すように、連節機構41は、前部シャシフレーム21の後端横延部21bに接続される前部シャシフレーム側接続部41aと、後部シャシフレーム31の前端横延部31bに接続される後部フレーム側接続部41bと、を備える。そして、前部シャシフレーム側接続部41aと後部フレーム側接続部41bとが、前部車両2と後部車両3との間において、車両上下方向に延びる軸線を揺動中心として揺動可能に接続されている。なお、連節機構41は、トレーラー(牽引車)のように前部シャシフレーム21と後部シャシフレーム31とを容易に着脱可能に接続するのではなく、ボルトの締結により前部シャシフレーム21と後部シャシフレーム31とを着脱不能に接続している。但し、メンテナンスを行う場合等の特段の事情があるときは、ボルトを外すことにより前部シャシフレーム21と後部シャシフレーム31とを分離することが可能となっている。
【0037】
通路部42は、前部車両2の床板と後部車両3の床板とに架け渡されて、連節機構41に載置されている。幌43は、前部車両2及び後部車両3に取り付けられており、連節機構41及び通路部42を覆うとともに、前部車両2の後構造部26の開口27と後部車両3の前構造部36の開口37とに連通される通路空間を形成している。
【0038】
次に、前部車両2の前部ボディ22を構成する後構造部26について詳しく説明する。
【0039】
図3及び図4に示すように、後構造部26は、外骨部51と、内骨部52と、複数の接続骨部53と、複数の筋交骨部54と、一対の補助骨部55と、複数の補助接続骨部56と、を備える。
【0040】
後構造部26は、前部ボディ22の一対の側構造部24及び屋根構造部25に沿ったアーチ状に形成されており、その両下端部が前部シャシフレーム21の後端横延部21bに接続されている。
【0041】
外骨部51は、後構造部26の外形を成す骨格部材である。外骨部51は、略車両上下方向に延びる一対の垂直外骨部51aと、略車両幅方向に延びて一対の垂直外骨部51aの上端部に接続される水平外骨部51bと、屈曲して垂直外骨部51aと水平外骨部51bとに接続される一対の屈曲外骨部51cと、を備える。なお、垂直外骨部51a及び水平外骨部51bは、直線状に延びていてもよく、曲線状に延びていてもよい。
【0042】
垂直外骨部51a、水平外骨部51b、及び屈曲外骨部51cは、角パイプ状の骨格部材である。但し、垂直外骨部51a、水平外骨部51b、及び屈曲外骨部51cの断面形状は、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。そして、垂直外骨部51aは、側構造部24に沿って車両上下方向に延びており、側構造部24の側構造骨部24aと接続されている。水平外骨部51bは、屋根構造部25に沿って車両幅方向に延びており、屋根構造部25の屋根構造骨部25aと接続されている。
【0043】
内骨部52は、外骨部51よりも車両内外方向内側に配置される骨格部材である。内骨部52は、略車両上下方向に延びる一対の垂直内骨部52aと、略車両幅方向に延びて一対の垂直内骨部52aの上端部に接続される水平内骨部52bと、屈曲して垂直内骨部52aと水平内骨部52bとに接続される一対の屈曲内骨部52cと、を備える。なお、垂直内骨部52a及び水平内骨部52bは、直線状に延びていてもよく、曲線状に延びていてもよい。
【0044】
垂直内骨部52a、水平内骨部52b、及び屈曲内骨部52cは、角パイプ状の骨格部材である。但し、垂直内骨部52a、水平内骨部52b、及び屈曲内骨部52cの断面形状は、特に限定されるものではなく、適宜変更することができる。そして、垂直内骨部52aは、垂直外骨部51aと対向するように車両上下方向に延びている。水平内骨部52bは、水平外骨部51bと対向するように車両幅方向に延びている。
【0045】
接続骨部53は、外骨部51と内骨部52とに接続される直線状の骨格部材である。接続骨部53は、複数の水平接続骨部53aと、複数の垂直接続骨部53bと、複数の放射状接続骨部53cと、を備える。
【0046】
水平接続骨部53aは、垂直外骨部51aと垂直内骨部52aとに接続されており、車両幅方向に直線状に延びている。各水平接続骨部53aは、車両上下方向に離間した位置に配置されている。そして、水平接続骨部53aの少なくとも1つは、外骨部51の側構造骨部24aと接続される位置において、外骨部51と接続されている。
【0047】
垂直接続骨部53bは、水平外骨部51bと水平内骨部52bとに接続されており、車両上下方向に直線状に延びている。各垂直接続骨部53bは、車両幅方向に離間した位置に配置されている。そして、垂直接続骨部53bの少なくとも1つは、外骨部51の屋根構造骨部25aと接続される位置において、外骨部51と接続されている。
【0048】
放射状接続骨部53cは、屈曲外骨部51cと屈曲内骨部52cとに接続されており、車両内外方向外側に向けて直線状に延びている。つまり、放射状接続骨部53cは、内骨部52に囲まれた領域を中心とした放射方向に延びている。各放射状接続骨部53cは、屈曲外骨部51c及び屈曲内骨部52cの延在方向に沿って離間した位置に配置されている。そして、放射状接続骨部53cの少なくとも1つは、外骨部51の側構造骨部24a又は屋根構造骨部25aと接続される位置において、外骨部51と接続されている。
【0049】
なお、このように構成される後構造部26の各骨部は、それぞれ車両前後方向に2つ一組で構成されている。
【0050】
筋交骨部54は、外骨部51に接続されて筋交(ブレース)として機能する骨格部材である。筋交骨部54は、車両内外方向と交差する方向に向けて直線状に延びている。つまり、筋交骨部54は、内骨部52に囲まれた領域を中心とした放射方向と交差する方向に延びている。筋交骨部54は、屈曲外骨部51cが配置される後構造部26の角部に配置されている。筋交骨部54の一方端部は、外骨部51に接続されており、筋交骨部54の他方端部は、放射状接続骨部53cに接続されている。なお、各筋交骨部54は、それぞれ車両前後方向に2つ一組で構成されている。
【0051】
補助骨部55は、ボディの下部において、内骨部52の垂直内骨部52aから車両内外方向内側に延びる骨格部材である。補助骨部55は、傾斜補助骨部55aと、垂直補助骨部55bと、を備える。
【0052】
傾斜補助骨部55aは、車両幅方向内側かつ車両上下方向下側に向けて斜めに延びている。そして、傾斜補助骨部55aの上端部(車両上下方向上側の端部)は、垂直内骨部52aの水平接続骨部53a(接続骨部53)と接続される位置において、垂直内骨部52aと接続されている。
【0053】
垂直補助骨部55bは、車両上下方向に延びている。垂直補助骨部55bの上端部(車両上下方向上側の端部)は、傾斜補助骨部55aの下端部に接続されており、垂直補助骨部55bの下端部(車両上下方向下側の端部)は、前部シャシフレーム21の後端横延部21bに接続されている。
【0054】
補助接続骨部56は、内骨部52の垂直内骨部52aと垂直補助骨部55bとに接続される直線状の骨格部材である。各補助接続骨部56は、車両上下方向に離間した位置に配置されている。そして、補助接続骨部56の少なくとも1つは、垂直内骨部52aの水平接続骨部53a(接続骨部53)と接続される位置において、垂直内骨部52aと接続されている。なお、各補助接続骨部56は、それぞれ車両前後方向に2つ一組で構成されている。
【0055】
次に、後部車両3の後部ボディ32を構成する前構造部36について詳しく説明する。なお、後部車両3の後部ボディ32を構成する前構造部36は、前部車両2の前部ボディ22を構成する後構造部26と基本的に同様の構成をしている。このため、以下の説明では、後構造部26と同様の説明を省略する。
【0056】
図5及び図6に示すように、前構造部36は、外骨部61と、内骨部62と、複数の接続骨部63と、複数の筋交骨部64と、一対の補助骨部65と、複数の補助接続骨部66と、を備える。外骨部61は、外骨部51に対応し、内骨部62は、内骨部52に対応し、接続骨部63は、接続骨部53に対応し、筋交骨部64は、筋交骨部54に対応し、補助骨部65は、補助骨部55に対応し、補助接続骨部66は、補助接続骨部56に対応する。
【0057】
前構造部36は、後部ボディ32の一対の側構造部34及び屋根構造部35に沿ったアーチ状に形成されており、その両下端部が後部シャシフレーム31の前端横延部31bに接続されている。
【0058】
外骨部61は、一対の垂直外骨部61aと、水平外骨部61bと、一対の屈曲外骨部61cと、を備える。垂直外骨部61a、水平外骨部61b、及び屈曲外骨部61cは、それぞれ外骨部51の垂直外骨部51a、水平外骨部51b、及び屈曲外骨部51cに対応する。そして、垂直外骨部61aは、側構造部34に沿って車両上下方向に延びており、側構造部34の側構造骨部34aと接続されている。水平外骨部61bは、屋根構造部35に沿って車両幅方向に延びており、屋根構造部35の屋根構造骨部35aと接続されている。
【0059】
内骨部62は、一対の垂直内骨部62aと、水平内骨部62bと、一対の屈曲内骨部62cと、を備える。垂直内骨部62a、水平内骨部62b、及び屈曲内骨部62cは、それぞれ内骨部52の垂直内骨部52a、水平内骨部52b、及び屈曲内骨部52cに対応する。そして、垂直内骨部62aは、垂直外骨部61aと対向するように車両上下方向に延びている。水平内骨部62bは、水平外骨部61bと対向するように車両幅方向に延びている。
【0060】
接続骨部63は、複数の水平接続骨部63aと、複数の垂直接続骨部63bと、複数の放射状接続骨部63cと、を備える。水平接続骨部63a、垂直接続骨部63b、及び放射状接続骨部63cは、それぞれ接続骨部53の水平接続骨部53a、垂直接続骨部53b、及び放射状接続骨部53cに対応する。そして、水平接続骨部63aの少なくとも1つは、外骨部61の側構造骨部34aと接続される位置において、外骨部61と接続されている。垂直接続骨部63bの少なくとも1つは、外骨部61の屋根構造骨部35aと接続される位置において、外骨部61と接続されている。放射状接続骨部63cの少なくとも1つは、外骨部61の側構造骨部34a又は屋根構造骨部35aと接続される位置において、外骨部61と接続されている。
【0061】
筋交骨部64は、屈曲外骨部61cが配置される前構造部36の角部に配置されている。筋交骨部64の一方端部は、外骨部61に接続されており、筋交骨部64の他方端部は、放射状接続骨部63cに接続されている。
【0062】
補助骨部65は、傾斜補助骨部65aと、垂直補助骨部65bと、を備える。傾斜補助骨部65a及び垂直補助骨部65bは、それぞれ補助骨部55の傾斜補助骨部55a及び垂直補助骨部65bに対応する。そして、傾斜補助骨部65aの上端部は、垂直内骨部62aの水平接続骨部63a(接続骨部63)と接続される位置において、垂直内骨部62aに接続されている。垂直補助骨部65bの上端部は、傾斜補助骨部65aの下端部に接続されており、垂直補助骨部65bの下端部は、後部シャシフレーム31の前端横延部31bに接続されている。
【0063】
補助接続骨部66の少なくとも1つは、垂直内骨部62aの水平接続骨部63a(接続骨部63)と接続される位置において、垂直内骨部62aと接続されている。
【0064】
このように、本実施形態に係る連節バス1では、前部ボディ22及び後部ボディ32の連節側構造部である後構造部26及び前構造部36において、外骨部51,61が一対の側構造骨部24a,34a及び屋根構造骨部25a,35aと接続され、外骨部51,61と内骨部52,62とが車両内外方向において二重に配置され、外骨部51,61と内骨部52,62とが接続骨部53,63により接続される。このため、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36に開口27及び開口37を設けても、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36近傍の強度及び剛性が極端に小さくなるのを抑制することができるため、連節バス1全体の強度及び剛性の低下を抑制することができる。
【0065】
また、この連節バス1では、外骨部51,61の側構造骨部24a,34a又は屋根構造骨部25a,35aと接続される位置において、接続骨部53,63が外骨部51,61と接続される。このため、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36に入力された荷重を適切に側構造骨部24a,34a又は屋根構造骨部25a,35aに逃がすことができる。これにより、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36近傍の強度及び剛性が極端に小さくなるのを抑制して、連節バス1全体の強度及び剛性の低下を抑制することができる。
【0066】
また、この連節バス1では、車両上下方向に延びる垂直外骨部51a,61aと垂直内骨部52a,62aとが水平接続骨部53a,63aにより接続され、車両幅方向に延びる水平外骨部51b,61bと水平内骨部52b,62bとが垂直接続骨部53b,63bにより接続される。このため、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36における車両上下方向及び車両幅方向の剛性及び強度を向上させることができる。
【0067】
また、この連節バス1では、外骨部51,61及び内骨部52,62の角部に屈曲した屈曲外骨部51c,61c及び屈曲内骨部52c,62cが配置されており、屈曲外骨部51c,61cと屈曲内骨部52c,62cとが車両内外方向外側に向けて延びる放射状接続骨部53c,63cにより接続されている。このため、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36における車両上下方向及び車両幅方向の剛性及び強度を更に向上させることができる。
【0068】
また、この連節バス1では、外骨部51,61に接続されて車両内外方向と交差する方向に向けて延びる筋交骨部54,64を備えるため、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36が撓んで変形するのを抑制することができる。
【0069】
また、この連節バス1では、筋交骨部54,64が、放射状接続骨部53c,63cにも接続されるため、連節側構造部である後構造部26及び前構造部36が撓んで変形するのを更に抑制することができる。
【0070】
また、この連節バス1では、前部シャシフレーム21及び後部シャシフレーム31に固定される前部ボディ22及び後部ボディ32の下部において、補助骨部55,65が内骨部52,62から車両内外方向内側に延びるとともに、内骨部52,62の垂直内骨部52a,62aと補助骨部55,65の垂直補助骨部55b,65bとが補助接続骨部56,66により接続されている。このため、前部シャシフレーム21及び後部シャシフレーム31に対する前部ボディ22及び後部ボディ32の撓みを効果的に抑制することができる。
【0071】
また、この連節バス1では、内骨部52,62の接続骨部53,63と接続される位置において、補助接続骨部56,66が内骨部52,62に接続される。このため、補助骨部55,65及び補助接続骨部56,66に入力された荷重を適切に内骨部52,62から外骨部51,61に逃がすことができる。
【0072】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0073】
例えば、前部ボディ22の後構造部26及び後部ボディ32の前構造部36の何れか一方のみ、上記の外骨部、内骨部、接続骨部、筋交骨部、補助骨部、及び補助接続骨部を備えるものとしてもよい。また、外骨部、内骨部、接続骨部、筋交骨部、補助骨部、及び補助接続骨部の具体的な形状、位置等は、適宜変更してもよい。また、筋交骨部54,64は、外骨部51,61と外骨部51,61とに接続されていてもよく、外骨部51と内骨部52とに接続されていてもよい。また、前部ボディの後構造部及び後部ボディの前構造部は、筋交骨部、補助骨部、及び補助接続骨部を必ずしも設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…連節バス、2…前部車両、3…後部車両、4…揺動連節部、21…前部シャシフレーム、21a…レール部、21b…後端横延部、22…前部ボディ、23a…車輪、23b…車輪、24…側構造部、24a…側構造骨部、25…屋根構造部、25a…屋根構造骨部、26…後構造部(連節側構造部)、27…前部車両の開口、31…後部シャシフレーム、31a…レール部、31b…前端横延部、32…後部ボディ、33…車輪、34…側構造部、34a…側構造骨部、35…屋根構造部、35a…屋根構造骨部、36…前構造部(連節側構造部)、37…後部車両の開口、41…連節機構、41a…前部シャシフレーム側接続部、41b…後部フレーム側接続部、42…通路部、43…幌、51…外骨部、51a…垂直外骨部、51b…水平外骨部、51c…屈曲外骨部、52…内骨部、52a…垂直内骨部、52b…水平内骨部、52c…屈曲内骨部、53…接続骨部、53a…水平接続骨部、53b…垂直接続骨部、53c…放射状接続骨部、54…筋交骨部、55…補助骨部、55a…傾斜補助骨部、55b…垂直補助骨部、56…補助接続骨部、61…外骨部、61a…垂直外骨部、61b…水平外骨部、61c…屈曲外骨部、62…内骨部、62a…垂直内骨部、62b…水平内骨部、62c…屈曲内骨部、63…接続骨部、63a…水平接続骨部、63b…垂直接続骨部、63c…放射状接続骨部、64…筋交骨部、65…補助骨部、65a…傾斜補助骨部、65b…垂直補助骨部、66…補助接続骨部、E/G…エンジン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6