特許第6441128号(P6441128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441128
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】受け部材構造、およびこれを含む引戸
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/16 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   E05F1/16 B
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-46682(P2015-46682)
(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公開番号】特開2016-29247(P2016-29247A)
(43)【公開日】2016年3月3日
【審査請求日】2017年9月30日
(31)【優先権主張番号】特願2014-47246(P2014-47246)
(32)【優先日】2014年3月11日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-148473(P2014-148473)
(32)【優先日】2014年7月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145895
【氏名又は名称】株式会社小林製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000169329
【氏名又は名称】アトムリビンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(72)【発明者】
【氏名】小林 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正利
【審査官】 桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−000945(JP,A)
【文献】 特開2011−247051(JP,A)
【文献】 特開2012−207517(JP,A)
【文献】 特開2013−170415(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0160240(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/16
E05F 3/02
E05F 3/04
E05F 3/18
E05F 5/00
E05F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸板に取り付けられたスライドアシスト装置が移動する移動空間を内側に有するレールと、
前記スライドアシスト装置と係合する受け部を有しており、後端が前記レールの開口端部に固定されて前記レールの内面に取り付けられる受け部材と、
前記レールの内面に取り付けられ、前記受け部材を前記レールに取り付けたときに、前記受け部材の先端が当接するブロック部材とを備える
受け部材構造。
【請求項2】
戸板に取り付けられたスライドアシスト装置が移動する移動空間を内側に有しており、戸袋の内外にまたがって配設されるレールと、
前記スライドアシスト装置と係合する受け部を有しており、前記レールの内面であって前記戸袋の開口端部に対応する位置に後端が固定される受け部材と、
前記レールの内面に取り付けられ、前記受け部材を前記レールに取り付けたときに、前記受け部材の先端が当接するブロック部材とを備えており、
前記受け部材の先端部には、前記ブロック部材を受け入れる受入溝部が形成されている
受け部材構造。
【請求項3】
前記受け部材の先端部、および、前記ブロック部材のいずれか一方には、他方を受け入れる受入溝部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の受け部材構造。
【請求項4】
前記レールには、前記受け部材および前記ブロック部材の少なくとも一方を挿設可能な挿設溝が形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の受け部材構造。
【請求項5】
前記ブロック部材は、前記受け部材よりも軟質の材料で形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の受け部材構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の受け部材構造を含む引戸。
【請求項7】
戸板に取り付けられたスライドアシスト装置が移動する移動空間を内側に有するレールと、
前記スライドアシスト装置と係合する受け部を有しており、前記レールの内側に取り付けられる受け部材と、
前記受け部と前記レールの内面との間に配設される緩衝部材とを備えており、
前記緩衝部材は、前記受け部と前記レールの内面との間に配設された際に、前記レールの内面に当接する当接部を有しており、かつ、
前記受け部材は、前記スライドアシスト装置を稼動させたい位置に前記受け部を配置したときに、後端が前記レールの開口端部あるいは前記レールの内面であって戸袋の開口端部に対応する位置に固定される長さを有することを特徴とする
受け部材構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸枠内等で左右にスライドして構造物の開口部を開閉する引戸に使用され、当該引戸に取り付けられたアシスト装置と係合する受け部材の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているようなスライドアシスト装置が知られている。このスライドアシスト装置は、レールに設けられた受け部と係合することによって稼働するようになっている。スライドアシスト装置が稼働することにより、引戸の戸板を減速させるとともに、戸板の閉方向のスライドをアシストできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−151855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の受け部材にも改良すべき点があった。すなわち、戸板を戸袋に収容する際にもスライドアシスト装置を稼働させる必要があるような場合、例えば当該戸袋の内側上面にレールを取り付け、さらに、当該レールの開口端から奥まった、外側からアクセスし難い位置に受け部を設置することになる。新しく戸袋を設ける場合であれば、外部からのアクセスが容易な、戸袋が完成する前段階で受け部を設置すればよい。しかし、戸袋が完成した後で、例えば、損傷した受け部を交換する必要が生じたとき、当該交換作業は非常に困難であった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて開発されたものである。それゆえに本発明の主たる課題は、アクセスし難い位置に受け部を設置する必要がある場合であっても受け部の交換が容易な受け部材構造およびこれを含む引戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面によれば、
戸板に取り付けられたスライドアシスト装置が移動する移動空間を内側に有するレールと、
スライドアシスト装置と係合する受け部を有しており、後端がレールの開口端部における内面に固定される受け部材と、
レールの内面に取り付けられており、受け部材をレールに取り付けたときに、受け部材の先端が当接するブロック部材とを備える
受け部材構造が提供される。
【0007】
本発明を適用した受け部材構造によれば、受け部を有する受け部材は、その後端がアクセスし易いレールの開口端部に固定されており、かつ、その先端がレールの内面に取り付けられたブロック部材に当接するようになっている。このため、例えば、戸袋のように奥まった位置に受け部を設置したいような場合であっても、長尺の受け部材を使用することにより、レールの開口端部から当該受け部材を抜き差しして所望の位置に受け部を設置し、必要に応じて交換することができる。また、受け部材をレールに取り付ける際、当該受け部材の先端をブロック部材に当接させて奥側の位置決めをすることができるので、受け部材を正確な位置に取り付けることができる。
【0008】
本発明の第2局面によれば、
戸板に取り付けられたスライドアシスト装置が移動する移動空間を内側に有しており、戸袋の内外にまたがって配設されるレールと、
スライドアシスト装置と係合する受け部を有しており、レールの内面であって戸袋の開口端部に対応する位置に後端が固定される受け部材と、
レールの内面に取り付けられ、受け部材をレールに取り付けたときに、受け部材の先端が当接するブロック部材とを備えており、
受け部材の先端部には、ブロック部材を受け入れる受入溝部が形成されている
受け部材構造が提供される。
【0009】
この第2局面に係る受け部材構造によれば、受け部を有する受け部材は、その後端が、レールの内面であって、アクセスし易い戸袋の開口端部に対応する位置に固定されており、かつ、その先端がレールの内面に取り付けられたブロック部材に当接するようになっている。このため、第1局面と同様に、例えば、戸袋の奥まった位置に受け部を設置したいような場合であっても、長尺の受け部材を使用することにより、レールの開口端部から当該受け部材を抜き差しして所望の位置に受け部を設置し、必要に応じて交換することができる。また、受け部材をレールに取り付ける際、当該受け部材の先端をブロック部材に当接させて奥側の位置決めをすることができるので、受け部材を正確な位置に取り付けることができる。加えて、レールの開口端の位置に関わらず、全長が同じ寸法の受け部材を引戸に適用することができる。
【0010】
好適には、受け部材の先端部、および、ブロック部材のいずれか一方には、他方を受け入れる受入溝部が形成される。
【0011】
受入溝部を形成することにより、受け部材の先端がブロック部材に当接する位置をより正確にすることができるので、受け部材の位置決めをより正確に行うことができる。
【0012】
好適には、レールには、受け部材およびブロック部材の少なくとも一方を挿設可能な挿設溝が形成される。
【0013】
挿設溝を形成することにより、レールに対する受け部材の取り付けが容易になるとともに、取り付けズレを防止することができる。
【0014】
好適には、ブロック部材は、受け部材よりも軟質の材料で形成される。
【0015】
ブロック部材を受け部材よりも軟質の材料で形成することにより、例えば、スライドアシスト装置が受け部と係合する際の衝撃をブロック部材で緩和させることができるとともに、受け部材をレールに取り付ける際に当該受け部材の先端をブロック部材に当接させたとき、受け部材の先端が損傷するおそれを極小化することができる。
【0016】
好適には、本発明が適用された受け部材構造は、引戸に用いられる。
【0017】
本発明の第3局面によれば、
戸板に取り付けられたスライドアシスト装置が移動する移動空間を内側に有するレールと、
スライドアシスト装置と係合する受け部を有しており、レールの内側に取り付けられる受け部材と、
受け部とレールの内面との間に配設される緩衝部材とを備えており、
緩衝部材は、受け部とレールの内面との間に配設された際に、レールの内面に当接する当接部を有しており、かつ、
受け部材は、スライドアシスト装置を稼動させたい位置に受け部を配置したときに、後端がレールの開口端部あるいはレールの内面であって戸袋の開口端部に対応する位置に固定される長さを有することを特徴とする
受け部材構造が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、アクセスし難い位置に受け部を設置する必要がある場合であっても受け部の交換が容易な受け部材構造およびこれを含む引戸を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明が適用された受け部材構造を含む引戸を示す分解斜視図である。
図2】本発明が適用された受け部材構造を含む引戸の部分拡大図である。
図3】受け部材を示す(a)底面図および(b)正面図である。
図4】受け部材の先端部を示す(a)部分拡大底面図および(b)部分拡大正面図である。
図5】レールの開口端部を示す部分拡大斜視図である。
図6】ブロック部材を示す斜視図である。
図7】本発明が適用された受け部材構造を含む引戸の変形例2を示す分解斜視図である。
図8】本発明が適用された受け部材構造の変形例3に用いられる緩衝部材の一例を示す斜視図である。
図9】緩衝部材を受け部材に取り付けた状態を示す、(a)部分拡大正面図および(b)部分拡大平面図である。
図10】緩衝部材の変形例を示す断面図である。
図11】緩衝部材の他の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明が適用された、受け部材構造10およびこれを含む引戸Zについて図面を用いて説明する。本実施形態にかかる受け部材構造10は、図1および図2に示すように、スライドアシスト装置Xとともに使用されるものであるが、もちろん、受け部材構造10は以下で説明するスライドアシスト装置Xとともに使用することだけに限定されるものではない。
【0021】
(スライドアシスト装置についての説明)
最初に、本発明が適用された受け部材構造10と組み合わせて使用されるスライドアシスト装置Xについて簡単に説明する。なお、本実施形態のスライドアシスト装置Xは、ローラーユニットYを伴う吊下式の引戸に適用したものであるが、スライドアシスト装置Xはローラーユニットなしの吊下式引戸や、非吊下式引戸等、その他の引戸にも適用することができる。また、本実施形態のスライドアシスト装置Xは、戸板Aに対し閉止方向についてスライドアシスト力を付与するものであってもよい。もちろん、開閉各方向についてスライドアシスト力を付与するスライドアシスト装置を戸板Aに設けるものであってもよい。また、スライドアシスト装置Xは、受け部材12と協働して、付勢力を蓄積または解放可能に構成されている。
【0022】
本実施形態のスライドアシスト装置Xは、戸板Aの天面に配設された一対のローラーユニットYを備えている。ローラーユニットYは、戸板Aに固定された引戸固定体100と、この引戸固定体100に固定された本体部102と、この本体部102に対して回転可能に取り付けられたローラー104とで構成されている。
【0023】
スライドアシスト装置Xは、下面が開口する角状の上枠体200と、上面が開口する角状の下枠体202と、下枠体202に一端が固定された引きバネ204と、この引きバネ204と前後に並設されるとともに下枠体202に一端が固定されたダンパー部材206と、引きバネ204およびダンパー部材206の他端であるフリー端部に取り付けられ、上枠体200内をその長手方向に沿ってスライド可能なスライド部材208とを備えている。また、下枠体202の一方端部には、ガイドローラ210が設けられている。なお、図1では、引きバネ204は、ダンパー部材206の前後に一対配設されているが、ダンパー部材206の前後いずれか一方に一本の引きバネ204を備えるものとしてもよい。
【0024】
このようなスライドアシスト装置Xと共に使用する受け部材構造10は、大略、受け部材12と、レール14と、ブロック部材16とを備えている。
【0025】
受け部材12は、図3および図4に示すように、本体部20と、本体部20の先端部に形成された受け部22とを備えており、さらに、必要に応じて、受入溝部24およびリカバリー爪26が設けられる。なお、本実施形態の受け部材12では、1枚の短冊状板材を適宜カットして折り曲げることにより、上記本体部20、受け部22、受入溝部24、およびリカバリー爪26が一体的に形成されているが、もちろん、各部材を別々に形成した後、つなぎ合わせて受け部材12を形成してもよい。また、受け部材12の材質は、必要な強度を担保できるものであれば、どのような材質でも用いることができる。
【0026】
本体部20は、短冊状の板材であり、その一端(先端)部に受け部22、受入溝部24、およびリカバリー爪26が形成されている。また、本体部20の他端(後端)部には、本体部20をレール14に対して固定するためのネジ孔27が形成されている。
【0027】
本体部20の長さは特に限定されるものではないが、後述するように、本発明に係る受け部材構造10は、戸袋に収容されるレール14に対して好適に使用されるものであるから、本体部20の長さは、少なくとも、レール14の開口端部から、スライドアシスト装置Xを稼働させたい位置に対応できるように受け部22を配置可能な長さとなる。
【0028】
受け部22は、上述したスライドアシスト装置Xにおけるスライド部材208と係合する部分であり、本体部20から必要な高さだけ突出するように形成されている。本実施形態の受け部材12は、上述のように1枚の短冊状板材を折り曲げて形成されていることから、受け部22の裏側(受け部材12をレール14に取り付けたときに、当該レール14に向かう側)には凹所23が形成されている。本実施形態において、受け部22は、本体部20の長手方向断面で略「コ」字状に形成されているが、受け部22の形状はもちろんこれに限定されるものではなく、本体部20の長手方向に向かう面が傾斜するような形状等、スライドアシスト装置Xを問題なく稼働させることができるものであれば、どのような形状であってもよい。
【0029】
受入溝部24は、ブロック部材16の端部を受け入れる部分であり、本体部20の先端部に形成されている。本実施形態では、受入溝部24は、短冊状の板材である本体部20の先端部を切り起こすことによって形成された互いに略平行な一対の壁部28と、両壁部28の間の底部30(=本体部20の一部)とで、断面略「コ」字状に形成されている。
【0030】
リカバリー爪26は、本体部20から突設された部材であり、スライドアシスト装置Xにおけるスライド部材208の動きに不具合が生じたとき、当該スライド部材208を係合することによってスライド部材208の動きを元の状態に戻す役割を有している。リカバリー爪26の形状は、使用するスライドアシスト装置Xの仕様に応じて別のものであってもよいし、リカバリー爪26によって元の状態に戻すような機能が付与されていないスライドアシスト装置Xを用いる場合は、リカバリー爪26を省略することができる。
【0031】
レール14は、図5に示すように、上述したスライドアシスト装置Xが取り付けられた戸板Aの上方の戸枠T(図2を参照)あるいは下方の戸枠に取り付けられる、断面形状が略「C」字状の長尺部材であり、その内側に、スライドアシスト装置Xが移動する移動空間32を有している。
【0032】
また、レール14には、必要に応じて、受け部材12を挿設可能な挿設溝34が形成される。受け部材12をレール14に取り付ける際、当該挿設溝34に受け部材12の本体部20を挿入していくことにより、レール14に対する受け部材12の取り付けが容易になるとともに、水平方向(図5における左右方向)の取り付けズレを防止することができる。
【0033】
したがって、挿設溝34の内幅(w1)は、受け部材12の本体部20の幅(w2:図4を参照)とほぼ同じに形成されている。また、挿設溝34の中央部にはスリット36が形成されており、挿設溝34と移動空間32とが互いに連通されている。これにより、受け部材12の本体部20を挿設溝34に挿設していったとき、受け部22、受入溝部24、およびリカバリー爪26は当該スリット36を通ることになる。
【0034】
ブロック部材16は、レール14の内面に取り付けられ、受け部材12をレール14に取り付けたときに、当該受け部材12の先端が当接される部材である。ブロック部材16は、受け部材12よりも軟質の材料(例えば、ポリアセタール(POM)樹脂等の樹脂材料)で形成するのが好適であるが、必要な強度を担保できるものであれば、どのような材質でも用いることができる。
【0035】
本実施形態のブロック部材16は、図6に示すように、本体部38と、本体部38から突設された挿入部40と、ネジ孔42と、スライド部44とを備えている。なお、本実施形態のブロック部材16では、本体部38、挿入部40、および、スライド部44が一体的に形成されているが、もちろん、各部材を別々に形成した後、つなぎ合わせてブロック部材16を形成してもよい。
【0036】
本体部38は、略直方体状の部材であり、その中央部にネジ孔42が形成されているとともに、互いに対向する一対の縁部にスライド部44が形成されている。また、本体部38の厚さ(t1)は、レール14における挿設溝34の深さ(d:図5を参照)よりも厚く形成されており、スライド部44の厚さ(t2)は、当該挿設溝34の深さ(d)とほぼ同じに形成されている。さらに、本体部38の幅(w2)は、レール14におけるスリット36の幅(w3:図5を参照)とほぼ同じに形成されている。これにより、レール14の開口端Kから挿設溝34に嵌め込んだブロック部材16を、当該挿設溝34に沿って所望の固定位置までスライドさせることができる。
【0037】
挿入部40は、本体部38における、スライド部44が形成された縁部とは異なる縁部から長さ方向に突設された部材であり、本実施形態では、先端にいくほど断面積が小さくなる略くさび状に形成されている。また、本実施形態において、挿入部40の底面(レール14に取り付けたとき、挿設溝34から最も離間した面)は、本体部38の底面と面一になっているとともに、挿入部40の天面(レール14に取り付けたとき、挿設溝34に最も近い面)は、本体部38やスライド部44の天面よりも底面側に位置するように形成されている(つまり、挿入部40は本体部38の厚さ(t1)よりも薄く形成されている。)。もちろん、挿入部40の形状は他のものであってもよく、さらに言えば、挿入部40を設けることなく、受け部材12の先端が本体部38に当接するだけであってもよい。
【0038】
(受け部材構造10の取り付け方法)
再び図1および図2を参照し、本発明が適用された受け部材構造10の取り付け方法を簡単に説明する。最初に、戸袋の内側天面等にレール14を固定する(挿設溝34が形成された内面が戸袋の内側天面に近接する向きでレール14を固定することは言うまでもない。)。なお、少なくとも、次のステップとしてブロック部材16をレール14に固定するまでは、未だ戸袋の構造は完成しておらず、完成後の戸袋の間口から奥まった位置であっても、ブロック部材16をレール14に固定する作業が容易に実施できることが前提である。
【0039】
レール14を固定した後、当該レール14の開口端Kから挿設溝34にブロック部材16を挿入し、当該ブロック部材16を所望の位置までスライドさせる。このとき、ブロック部材16の挿入部40がレール14の開口端Kを向くようにブロック部材16をレール14に挿入する必要がある。然る後、ブロック部材16のネジ孔42にネジ(図示せず)を挿入して、ブロック部材16をレール14に固定する。もちろん、ネジ以外の方法でブロック部材16をレール14に固定してもよい。
【0040】
次に、受け部材12を受入溝部24が形成された先端からレール14の挿設溝34に挿入していく。受け部材12の受入溝部24にブロック部材16の挿入部40が嵌まり込んだ状態で、挿入作業が完了する。然る後、受け部材12のネジ孔27にネジ(図示せず)を挿入し、受け部材12をレール14に固定する(つまり、挿入作業が完了した状態で、受け部材12の後端がレールの開口端部に位置している。)。もちろん、ネジ以外の方法で受け部材12をレール14に固定してもよい。
【0041】
以上で、受け部材構造10の取り付けが完了する。本発明が適用された受け部材構造10によれば、戸袋の構造が完成して受け部材12の先端部(例えば、受け部22)に容易にアクセスができない状態になった後で、例えば、長年の使用により受け部22が傷んで交換する必要が生じた場合であっても、受け部材12の後端は、アクセスし易いレール14の開口端部でレール14に固定されていることから、当該ネジを外した後、受け部材12をレール14の挿設溝34から引き抜き、新しい受け部材12を当該挿設溝34に挿設してレール14に固定する作業が、戸袋構造を一時的に壊す必要なく、容易に実施可能となる。
【0042】
また、左右両効きのスライドアシスト装置Xを使用する場合、本発明が適用された受け部材構造10であれば、当該スライドアシスト装置X自身の長さに合わせた長さの受け部材12を用意しておけば、戸板Aの幅に関係なく1種類の受け部材12ですべて対応できる点で好適である。
【0043】
(変形例1)
上述の実施形態では、レール14の開口端Kの位置が戸袋の開口端の位置とほぼ一致する場合について説明した。しかしながら、レール14の定尺寸法や引戸Zが開閉する開口の間口寸法等との関係により、レール14の開口端Kの位置が、戸袋の開口端Fから離間した位置となる場合がある。例えば、図7に示すように、レール14の開口端Kの位置が、戸袋の開口端Fから戸袋の外方に離間しているような場合である。
【0044】
このような場合、受け部材12の後端が、レール14の開口端部ではなくレール14の内面における戸袋の開口端部に対応する位置(レール14の中間位置)にくるように、受け部材12を固定するのが好適である(受け部材12Sを参照)。戸袋の開口端部を基準にして受け部材12を固定することにより、レール14の開口端Kの位置に関わらず、全長が同じ寸法の受け部材12を適用することができる。
【0045】
なお、このような場合であっても、受け部材12をメンテナンス(交換)する際には、上述のようにレール14の開口端Kから受け部材12を抜き差しすることに変わりはない。また、予めあるいは施工現場において、受け部材12をレール14に固定するネジ(図示せず)を挿通するための孔をレール14の適切な位置に設けるとよい。
【0046】
(変形例2)
上述の実施形態では、レール14に挿設溝34を設け、当該挿設溝34を利用して、ブロック部材16および受け部材12をレール14の内面に取り付けるようにしていたが、当該挿設溝34を設けることなく、レール14の内面に、直接、ブロック部材16および受け部材12を取り付けるようにしてもよい。この場合、特に、長尺の受け部材12を使用する場合、受け部材12が撓むのを防止するとともに、受け部材12の交換時において受け部材12を所望の位置に固定し易いように、レール14の内面に受け部材12のガイドを設けるのが好適である。
【0047】
上述の実施形態では、受け部材12の先端に受入溝部24を形成し、ブロック部材16に挿入部40を形成していたが、これとは逆に、ブロック部材16に受入溝部を形成し、当該受入溝部に嵌め込まれる挿入部を受け部材12の先端に形成してもよい。
【0048】
(変形例3)
上述の実施形態では、ブロック部材16を用いることで、受け部材12の位置決め、とりわけ、戸袋の奥に配置されることになる受け部材12の先端部(上述の実施形態では、受け部22が形成された先端部)の位置決めを行っているが、ブロック部材16に代えて、図8に示すような緩衝部材50を用いてもよい。なお、ブロック部材16を用いない場合、受け部材12の受入溝部24は不要となる。また、ブロック部材16および緩衝部材50の両方を用いてもよいし、いずれか一方だけを用いてもよい。
【0049】
この緩衝部材50は、図9に示すように、受け部材12における凹所23に嵌め込むようにして取り付けられた後、受け部材12と共にレール14の内面に配設される。受け部材12がレール14の所定位置に配設されたとき、緩衝部材50は、当該受け部材12とレール14の内面との間に位置するようになっている。このように、受け部材12とレール14との間に緩衝部材50が介在することにより、受け部材12をレール14の所定位置に安定して位置決めすることができるとともに、受け部材12がレール14の挿設溝34内でガタついたり、レール14に直接当たって受け部材12やレール14が損傷したりする可能性を低減できる。緩衝部材50は、受け部材12よりも軟質で、弾性力が高い材料(例えば、エラストマー)で形成するのが好適である。
【0050】
図8に戻って、本実施形態の緩衝部材50は、緩衝部材本体部52と、当接部54と、受け部材当接部55とを備えている。
【0051】
緩衝部材本体部52は、略直方体状の部分であり、受け部材12の凹所23に嵌まるようになっている。すなわち、緩衝部材本体部52の幅w4は、受け部材12の凹所23の幅w5(図4(a)参照)とほぼ同じか若干短い寸法に形成されており、緩衝部材本体部52の長さL1は、凹所23の長さL2(図4(b)参照)よりも若干短い寸法に形成されている。また、緩衝部材本体部52の厚さt3は、凹所23の深さd2(図4(b)参照)とほぼ同じ寸法に形成されている。
【0052】
当接部54は、レール14の内面に当接する部分であり、一対の側方挿設部56と、一対の側方当接部57と、本体側当接部58とを備えている。
【0053】
一対の側方挿設部56および一対の側方当接部57は、それぞれ、緩衝部材本体部52の両側面(緩衝部材50を凹所23に嵌め込んだときに、受け部材12の長手方向に略直交する方向を向く面)から突出するように形成された部分であり、レール14の底面に近い位置に側方挿設部56が形成されており、これに続いて、レール14の底面からやや離間する位置に側方当接部57が形成されている。また、緩衝部材本体部52からの突出長さは、側方挿設部56の方が、側方当接部57よりも長くなるように形成されている。
【0054】
本体側当接部58は、緩衝部材本体部52における、レール14の底面に向かう面から突出するように形成されている。
【0055】
一対の側方挿設部56の厚さt4は、それぞれ、レール14における挿設溝34の深さ(d:図5を参照)とほぼ同じ寸法に形成されている。また、一方の側方挿設部56の外縁から、他方の側方挿設部56の外縁までの幅w6は、レール14におけるスリット36の幅(w3:図5を参照)よりもやや長い寸法に形成されている。
【0056】
また、一方の側方当接部57の外縁から、他方の側方当接部57の外縁までの長さw7は、レール14におけるスリット36の幅w3とほぼ同じ寸法に形成されている。
【0057】
つまり、緩衝部材50をレール14に挿設したとき、側方挿設部56は、レール14の挿設溝34内に入って摺動し、側方当接部57は、レール14におけるスリット36の両内側端36a,36bに当接した状態(あるいは当該内側端から若干離間した状態)となる。
【0058】
これにより、受け部材12の凹所23に嵌め込んだ緩衝部材50を、レール14の開口端Kから挿設溝34に沿って所望の固定位置まで、一対の側方挿設部56を挿設溝34に嵌め込んだ状態でスライドさせることができる。加えて、上述のように、スリット36の両内側端36a,36bに側方当接部57が当接するようになっているので、緩衝部材50を所望の固定位置にスライドさせる途中や、所望の固定位置にセットした後、当該緩衝部材50がレール14の長手方向に略直交する向きに対して不所望にガタつくことがない。さらに言えば、緩衝部材50は受け部材12の受け部22に対応する位置に取り付けられるので、当該受け部22にスライドアシスト装置Xのスライド部材208が当たったとき、受け部材12が直接レール14に当たって衝撃音が発生するのを回避できる。
【0059】
本体側当接部58は、必要に応じて設けられる部分であり、その断面が略鋸歯状に形成されている。上述のように、緩衝部材50は、受け部材12の凹所23に嵌め込まれた状態で、レール14の挿設溝34内をスライドさせて所定位置に配設させる部材であるが、緩衝部材50の材質とレール14の材質との相性によっては、緩衝部材50をレール14の底面に当接させたままで当該底面上をスライドさせる(底面上を滑らせる)のが困難な場合がある。本体側当接部58は、このような場合のために構成されたものであり、上述のようにその断面を略鋸歯状に形成することにより、レール14の底面に当接する本体側当接部58の面積を小さくしている。これにより、緩衝部材50がレール14の底面に当接したままで当該底面上をスライドさせることが容易になる。もちろん、本体側当接部58の断面における鋸歯の歯数は特に限定されるものではない。
【0060】
受け部材当接部55は、必要に応じて設けられる部分であり、緩衝部材本体部52における、緩衝部材50を凹所23に嵌め込んだときに受け部材12(凹所23の表面)に向かう側面から突出するように形成された、略鋸歯状の断面を有する部分である。上述のように、緩衝部材本体部52の長さL1は、凹所23の長さL2(図4(b)参照)よりもやや短い寸法に形成されているが、緩衝部材本体部52の長さL1に受け部材当接部55の厚みを加えた長さは、凹所23の長さL2よりも長くなるように形成されている。したがって、凹所23に緩衝部材50を嵌め込んだとき、当該受け部材当接部55が凹所23の表面からの押圧力を受けて変形することにより、緩衝部材50が凹所23にぴったりと嵌まって抜け落ち難くなる。なお、受け部材当接部55を設けない場合は、緩衝部材本体部52の長さL1を凹所23の長さL2とほぼ同じ寸法にするのが望ましい。
【0061】
なお、緩衝部材本体部52の形状は、上述したものに限定されず、例えば、図10(a)に示すように、受け部材12の受け部22が嵌め込まれる受け部嵌込溝59を有するものであってもよい。このような緩衝部材50は、図10(b)に示すように、凹所23に被せるように受け部材12に取り付けて使用される。
【0062】
また、本体側当接部58の断面の形状は、略鋸歯状に限定されるものではなく、例えば、図11に示すように、レール14の底面に当接する平面60に複数の溝62を形成してもよいし(図11(a))、レール14の底面に当接する1つあるいは複数の曲面64を有するようなもの(図11(b))であってもよい。これは、受け部材当接部55の断面の形状についても同様である。
【0063】
(その他の変形例)
また、上述の実施形態では、戸板Aの上端側に取り付けられた受け部材12について説明したが、スライドアシスト装置Xを戸板Aの下端に取り付ける場合には、受け部材12も同じく下端側に取り付ける必要がある。
【0064】
上述したように、本発明は受け部材構造10であるから、スライドアシスト装置Xだけに限られず、受け部材構造10を他の装置と組み合わせて使用することもできる。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
10…受け部材構造、12…受け部材、14…レール、16…ブロック部材、20…本体部、22…受け部、23…凹所、24…受入溝部、26…リカバリー爪、27…ネジ孔、28…壁部、30…底部、32…移動空間、34…挿設溝、36…スリット、38…本体部、40…挿入部、42…ネジ孔、44…スライド部、50…緩衝部材、52…緩衝部材本体部、54…当接部、55…受け部材当接部、56…側方挿設部、57…側方当接部、58…本体側当接部、59…受け部嵌込溝、60…平面、62…溝、64…曲面、100…引戸固定体、102…本体部、104…ローラー、200…上枠体、202…下枠体、204…引きバネ、206…ダンパー部材、208…スライド部材、210…ガイドローラ、X…スライドアシスト装置、Y…ローラーユニット、Z…引戸、A…戸板
図1
図2
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図4
図5
図6
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図8
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図10
図11