特許第6441159号(P6441159)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441159
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】圧延加工装置
(51)【国際特許分類】
   B21B 13/12 20060101AFI20181210BHJP
   B21B 29/00 20060101ALI20181210BHJP
   B21B 31/18 20060101ALI20181210BHJP
   B21B 13/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   B21B13/12 B
   B21B29/00 C
   B21B31/18 Z
   B21B13/00 B
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-90310(P2015-90310)
(22)【出願日】2015年4月27日
(65)【公開番号】特開2016-203225(P2016-203225A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】橘 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】前田 茂
【審査官】 坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−317607(JP,A)
【文献】 特開平02−112801(JP,A)
【文献】 特開昭59−202101(JP,A)
【文献】 特開2010−012497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 13/00−13/22
B21B 27/00−35/14
B21B 1/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、少なくとも1つの前記板厚部を圧延加工可能な圧延加工装置であって、
前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも2つは、1つの前記板厚部を圧延するように、該板厚部の送り方向とされる長手方向に沿って複数設置され、そのうちの少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その前記一方の圧延ローラと前記他方の圧延ローラとが、その軸方向に移動可能であることを特徴とする圧延加工装置。
【請求項2】
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その少なくとも1つの前記圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された前記圧延ローラは、別体の押圧ローラによって前記板厚部に押し付けられることを特徴とする請求項1に記載の圧延加工装置。
【請求項3】
長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、2つ以上の前記板厚部を同時に圧延加工可能な圧延加工装置であって、
前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つが含む複数の前記圧延ローラは、他の前記圧延ローラユニットが圧延する前記板厚部と角度の異なる前記板厚部を、前記圧延ローラの幅方向で挟んで圧延するとともに、
同じ前記板厚部を圧延する複数の圧延ローラユニットが板厚部の送り方向とされる長手方向に沿って設置され、そのうちの少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その前記一方の圧延ローラと前記他方の圧延ローラとが、その軸方向に移動可能であることを特徴とする圧延加工装置。
【請求項4】
長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、2つ以上の前記板厚部を同時に圧延加工可能な圧延加工装置であって、
前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つが含む複数の前記圧延ローラは、他の前記圧延ローラユニットが圧延する前記板厚部と角度の異なる前記板厚部を、前記圧延ローラの幅方向で挟んで圧延するとともに、
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その少なくとも1つの前記圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された前記圧延ローラは、別体の押圧ローラによって前記板厚部に押し付けられることを特徴とする圧延加工装置。
【請求項5】
長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、2つ以上の前記板厚部を同時に圧延加工可能な圧延加工装置であって、
前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つが含む複数の前記圧延ローラは、他の前記圧延ローラユニットが圧延する前記板厚部と角度の異なる前記板厚部を、前記圧延ローラの幅方向で挟んで圧延するとともに、
同じ前記板厚部を圧延する複数の圧延ローラユニットが板厚部の送り方向とされる長手方向に沿って設置され、そのうちの少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その前記一方の圧延ローラと前記他方の圧延ローラとが、その軸方向に移動可能であり、
前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その少なくとも1つの前記圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された前記圧延ローラは、別体の押圧ローラによって前記板厚部に押し付けられることを特徴とする圧延加工装置。
【請求項6】
前記押圧ローラは、その軸線角度が、押圧する前記圧延ローラの外周面方向に沿うように変更可能である請求項2,4,5のいずれかに記載の圧延加工装置。
【請求項7】
片持ち支持されている前記圧延ローラの少なくとも1つは、1本につき、軸間距離を固定された2本の前記押圧ローラを押し当てられて前記板厚部に押し付けられるようにした請求項2,4,5,6のいずれかに記載の圧延加工装置。
【請求項8】
前記一方および他方の圧延ローラの少なくとも一方が円錐ローラである請求項1から7のいずれかに記載の圧延加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の圧延ローラの間に長尺状の金属材料を通して圧延する圧延加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1等に開示されているように、長尺状の湾曲加工用材料(金属材料)に複数の圧延ローラを押し当てながら湾曲加工用材料を長手方向に送り出して湾曲させる、所謂ロール加工と呼ばれる加工を施す圧延加工装置がある。
【0003】
このような圧延加工装置は、同文献の図2に示されるように、圧延加工材料(H形鋼10等)における所定の板厚部(ウェブ11、フランジ12等)の一方の面に圧接される圧延ローラ21と、他方の面に圧接される圧延ローラ22とを備えている。これらのローラ21,22の間にウェブ11、フランジ12等の板厚部が長手方向に送られることにより、H形鋼10等の圧延加工材料が所定の肉厚に圧延される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−208370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような圧延加工装置において、圧延加工材料の圧延するべき板厚部の幅が変更される場合、即ち板厚部の幅が圧延ローラの幅と異なる場合には、圧延ローラを幅の異なるものに交換する必要があり、圧延ローラの交換作業に手間が掛かる。しかも、圧延ローラの交換作業中には製造ラインの停止を余儀無くされるため、圧延加工材料の生産性が低下してしまう。
【0006】
また、H形鋼やチャンネル形鋼等のように、角度の異なる複数の板厚部が突き合わされた断面形状の圧延加工材料を圧延する場合には、圧延ローラを両端支持にすると、その支持部が、圧延されるべきではない板厚部に干渉してしまうため、圧延されるべき板厚部の根元部分まで圧延ローラを押し付けることができない。したがって、圧延ローラを片持ち状に支持する必要があるが、こうすると、片持ち支持された圧延ローラの先端側(非支持側)の付近に十分な圧延力を付与することができないという問題がある。
【0007】
さらに、2つの板厚部の挟み角が90度未満(鋭角)である場合には、片持ち支持状の圧延ローラをもってしても、板厚部の挟み角に近い領域を圧延することができなかった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、圧延ローラを交換することなく幅の異なる板厚部を圧延可能にするとともに、角度の異なる複数の板厚部の根元部分まで確実に圧延することができ、さらに、挟み角が鋭角な2つの板厚部における挟み角に近い領域の圧延が可能な圧延加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。
即ち、本発明の第1態様に係る圧延加工装置は、長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、少なくとも1つの前記板厚部を圧延加工可能な圧延加工装置であって、前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも2つは、1つの前記板厚部を圧延するように、該板厚部の送り方向とされる長手方向に沿って複数設置され、そのうちの少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その前記一方の圧延ローラと前記他方の圧延ローラとが、その軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【0010】
上記構成の圧延加工装置によれば、1つの板厚部の長手方向に沿って複数設置された圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その一方と他方の圧延ローラが軸方向、即ち圧延する板厚部の短手方向に移動可能である。
このため、圧延する板厚部の幅が各圧延ローラユニットの圧延ローラ幅より大きくても、1つの圧延ローラユニットの圧延ローラを板厚部の幅方向一側に合わせ、別な圧延ローラユニットの圧延ローラを板厚部の幅方向他側に合わせてオフセットに配置することにより、板厚部の全幅を圧延することができる。
したがって、板厚部の幅を変更する場合は圧延ローラのオフセット量を変更すればよく、圧延ローラを交換することなく幅の異なる板厚部を圧延することができる。
【0011】
上記構成において、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その少なくとも1つの前記圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された前記圧延ローラは、別体の押圧ローラによって前記板厚部に押し付けられる。
【0012】
上記構成の圧延加工装置によれば、少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その少なくとも1つの圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された圧延ローラが別体の押圧ローラによって圧延されるべき板厚部に押し付けられる。
角度の異なる複数の板厚部が突き合わされた断面形状の圧延加工材料を圧延する場合には、片持ち支持されている圧延ローラの先端側(非支持側)を、複数の板厚部の挟み角側に向けて圧延を行う。
これにより、圧延ローラの支持部を圧延されるべきではない板厚部に干渉させることなく、圧延されるべき板厚部の挟み角に近い位置まで圧延ローラを押し当てることができる。したがって、角度の異なる複数の板厚部の根元部分まで確実に圧延することができる。
【0013】
本発明の第2態様に係る圧延加工装置は、長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、2つ以上の前記板厚部を同時に圧延加工可能な圧延加工装置であって、前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つが含む複数の前記圧延ローラは、他の前記圧延ローラユニットが圧延する前記板厚部と角度の異なる前記板厚部を、前記圧延ローラの幅方向で挟んで圧延するとともに、同じ前記板厚部を圧延する複数の圧延ローラユニットが板厚部の送り方向とされる長手方向に沿って設置され、そのうちの少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その前記一方の圧延ローラと前記他方の圧延ローラとが、その軸方向に移動可能であることを特徴とする。
【0014】
上記構成の圧延加工装置によれば、前記第1態様と同様に、1つの板厚部の長手方向に沿って複数設置された圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その一方と他方の圧延ローラが軸方向、即ち圧延する板厚部の短手方向に移動可能である。
このため、圧延する板厚部の幅が各圧延ローラユニットの圧延ローラ幅より大きくても、1つの圧延ローラユニットの圧延ローラを板厚部の幅方向一側に合わせ、別な圧延ローラユニットの圧延ローラを板厚部の幅方向他側に合わせてオフセットに配置することにより、板厚部の全幅を圧延することができる。
したがって、板厚部の幅を変更する場合は圧延ローラのオフセット量を変更すればよく、圧延ローラを交換することなく幅の異なる板厚部を圧延することができる。
【0015】
また、本発明の第3態様に係る圧延加工装置は、長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、2つ以上の前記板厚部を同時に圧延加工可能な圧延加工装置であって、前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つが含む複数の前記圧延ローラは、他の前記圧延ローラユニットが圧延する前記板厚部と角度の異なる前記板厚部を、前記圧延ローラの幅方向で挟んで圧延するとともに、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その少なくとも1つの前記圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された前記圧延ローラは、別体の押圧ローラによって前記板厚部に押し付けられることを特徴とする。
【0016】
上記構成の圧延加工装置によれば、少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その少なくとも1つの圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された圧延ローラが別体の押圧ローラによって圧延されるべき板厚部に押し付けられる。
角度の異なる複数の板厚部が突き合わされた断面形状の圧延加工材料を圧延する場合には、片持ち支持されている圧延ローラの先端側(非支持側)を、複数の板厚部の挟み角側に向けて圧延を行う。
これにより、圧延ローラの支持部を圧延されるべきではない板厚部に干渉させることなく、圧延されるべき板厚部の挟み角に近い位置まで圧延ローラを押し当てることができる。したがって、角度の異なる複数の板厚部の根元部分まで確実に圧延することができる。
【0017】
また、本発明の第4態様に係る圧延加工装置は、長尺状で、角度の異なる複数の板厚部を有する金属の圧延加工材料の、2つ以上の前記板厚部を同時に圧延加工可能な圧延加工装置であって、前記板厚部の一方の面に圧接される一方の圧延ローラと、前記板厚部の他方の面に圧接される他方の圧延ローラと、を含む複数の圧延ローラユニットを備え、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つが含む複数の前記圧延ローラは、他の前記圧延ローラユニットが圧延する前記板厚部と角度の異なる前記板厚部を、前記圧延ローラの幅方向で挟んで圧延するとともに、同じ前記板厚部を圧延する複数の圧延ローラユニットが板厚部の送り方向とされる長手方向に沿って設置され、そのうちの少なくとも1つの圧延ローラユニットは、その前記一方の圧延ローラと前記他方の圧延ローラとが、その軸方向に移動可能であり、前記複数の圧延ローラユニットの少なくとも1つは、その少なくとも1つの前記圧延ローラが片持ち支持され、この片持ち支持された前記圧延ローラは、別体の押圧ローラによって前記板厚部に押し付けられることを特徴とする。
【0018】
上記構成の圧延加工装置によれば、本発明の第1態様に係る圧延加工装置と同じく、板厚部の幅を変更する場合は圧延ローラのオフセット量を変更すればよく、圧延ローラを交換することなく幅の異なる板厚部を圧延することができる。
また、上記構成の圧延加工装置によれば、本発明の第2態様に係る圧延加工装置と同じく、圧延ローラの支持部を圧延されるべきではない板厚部に干渉させることなく、圧延されるべき板厚部の挟み角に近い位置まで圧延ローラを押し当てることができ、角度の異なる複数の板厚部の根元部分まで確実に圧延することができる。
【0019】
前記第1、第3、または第4の態様において、前記押圧ローラは、その軸線角度が、押圧する前記圧延ローラの外周面方向に沿うように変更可能であることが好ましい。
これにより、圧延ローラとして円錐状のローラを用いた場合でも、この圧延ローラの円錐状の外周面に押圧ローラを確実に押し付けて押圧力を付与することができる。
【0020】
前記第1、第3、第4のいずれかの態様において、片持ち支持されている前記圧延ローラの少なくとも1つは、1本につき、軸間距離を固定された2本の前記押圧ローラを押し当てられて前記板厚部に押し付けられるようにしてもよい。
【0021】
このように、軸間距離を固定された2本の押圧ローラによって1本の圧延ローラを板厚部に押し付けるようにすれば、圧延ローラに対して押圧ローラの位置が径方向にずれることを防止し、押圧ローラによって圧延ローラを確実に押圧することができる。
【0022】
前記第1から第7のいずれかの態様において、前記一方および他方の圧延ローラの少なくとも一方が円錐ローラであってもよい。
【0023】
このように、圧延ローラを円錐ローラにすることにより、圧延ローラの外周面と大径端部側の端面との角度が90度未満になるため、2つの板厚部の挟み角が鋭角(90度未満)である場合であっても、これらの板厚部の挟み角に近い領域を圧延することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る圧延加工装置によれば、圧延ローラを交換することなく幅の異なる板厚部を圧延可能にするとともに、角度の異なる複数の板厚部の根元部分まで確実に圧延することができ、さらに、挟み角が鋭角な2つの板厚部における挟み角に近い領域を圧延することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態を示し、(A)は圧延加工装置の平面図、(B)は(A)のIB−IB線に沿う縦断面図、(C)は(A)のIC−IC線に沿う縦断面図、(D)は(A)のID−ID線に沿う縦断面図である。
図2】T形断面の圧延加工材料を圧延している状態を示す縦断面図である。
図3図2のIII矢視による平面図である。
図4図2に示す圧延加工材料よりもウェブの幅が大きい圧延加工材料を圧延している状態を示す縦断面図である。
図5図4のIV矢視による平面図である。
図6】H形断面の圧延加工材料を圧延している状態を示す縦断面図である。
図7図6のVII矢視による平面図である。
図8】L形断面の圧延加工材料を圧延している状態を示す縦断面図である。
図9図8のIX矢視による平面図である。
図10】クランク形断面の圧延加工材料を圧延している状態を示す縦断面図である。
図11図10のXI矢視による平面図である。
図12】本発明の第2実施形態を示し、(A)は圧延加工装置の平面図、(B)は(A)のXIIB−XIIB線に沿う縦断面図、(C)は(A)のXIIC−XIIC線に沿う縦断面図、(D)は(A)のXIID−XIID線に沿う縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧延加工装置を示している。この圧延加工装置1は、例えば図1図5に示すT字断面の圧延加工材料WA,WB、図6図7に示すH形(I形)断面の圧延加工材料WC、図8図9に示すL形断面の圧延加工材料WD、図10図11に示すクランク形断面の圧延加工材料WE等のような、長尺状で、角度の異なる複数の板厚部w1,w2,w3,w4,w5を有する金属の圧延加工材料において、2つ以上の板厚部w1〜w5を同時に圧延加工可能なものである。
【0028】
図1図5に示すように、この圧延加工装置1は、2組の圧延ローラユニット2A,2Bと、1組の圧延ローラユニット2Cと、を備えている。
圧延ローラユニット2A,2Bは、例えばT字断面の圧延加工材料WAにおけるウェブw1(板厚部)の長手方向に沿って順に設置され、ウェブw1を両面側から圧延するものである。
また、圧延ローラユニット2Cは、圧延ローラユニット2A,2Bと圧延角度が90度異なり、圧延加工材料WAにおけるフランジw2(板厚部)の部分を両面側から圧延するものである。
【0029】
圧延ローラユニット2A,2Bは、それぞれ、ウェブw1の一方の面に圧接される圧延ローラ3(一方の圧延ローラ)と、ウェブw1の他方の面に圧接される圧延ローラ4(他方の圧延ローラ)とを備えている。これらの圧延ローラ3,4は、その軸方向がウェブw1の幅方向に沿うように設置され、それぞれ支持部5,6によって片持ち支持されている。
【0030】
圧延ローラユニット2Aにおいて圧延ローラ3,4を支持する支持部5,6の位置と、圧延ローラユニット2Bにおいて圧延ローラ3,4を支持する支持部5,6の位置は、圧延ローラ3,4を挟んで逆になっている。つまり、圧延ローラユニット2Aにおける支持部5,6は圧延加工材料WAのウェブw1側にあり、圧延ローラユニット2Bにおける支持部5,6は反ウェブw1側にある。
【0031】
上記のように片持ち支持された圧延ローラユニット2A,2Bの圧延ローラ3,4は、それぞれ別体の押圧ローラ7,8によってウェブw1に押し付けられるようになっている。これらの押圧ローラ7,8は、圧延ローラ3,4の各々1本について2本ずつ設けられており、それぞれが一対の支持部9,10によって軸間距離を固定されながら両端支持されている。
【0032】
圧延ローラユニット2A,2Bにおいては、図示しない油圧シリンダ等の押圧力が支持部9,10を経て2本の押圧ローラ7,8に均等に付与され、押圧ローラ7,8が圧延ローラ3,4に押し当てられる。なお、圧延ローラ3,4を支持している支持部5,6からも圧延ローラ3,4に押圧力を付与するようにしてもよい。
【0033】
また、圧延ローラユニット2Aと2Bの少なくとも一方、例えば圧延ローラユニット2Aの方は、その圧延ローラ3,4が、その軸方向に、即ちウェブw1の幅方向に移動可能である。したがって、圧延ローラユニット2Aは、圧延ローラユニット2Bに対してウェブw1の幅方向にオフセットして配置することができる。圧延ローラユニット2Aの圧延ローラ3,4が軸方向に移動する時には、支持部5,6と、押圧ローラ7,8と、支持部9,10とが一体になって移動する。
【0034】
一方、圧延ローラユニット2Cは、フランジw2の一方の面(例えば外面)に圧接される圧延ローラ13(一方の圧延ローラ)と、フランジw2の他方の面(例えばウェブw1側の面)に圧接され、ウェブw1を挟んで一列に配置されている圧延ローラ14a,14b(他方の圧延ローラ)とを備えている。圧延ローラ13は、その軸方向がフランジw2の幅方向に沿うように設置され、一対の支持部15によって両端支持されている。また、圧延ローラ14a,14bは、フランジw2を挟んで圧延ローラ13に対向するように設置され、それぞれ支持部16によって片持ち支持されている。
【0035】
圧延ローラ14a,14bを支持する2つの支持部16は、圧延ローラ14a,14bの両端部のうち、ウェブw1から遠い方の端部を支持している。これにより、片持ち支持されている圧延ローラ14a,14bの先端側(非支持側)が、ウェブw1側(ウェブw1とフランジw2との挟み角側)を向いている。
【0036】
上記のように片持ち支持された圧延ローラ14a,14bは、それぞれ別体の押圧ローラ17a,17bによってフランジw2に押し付けられるようになっている。これらの押圧ローラ17a,17bは、圧延ローラ14a,14bの各々1本について2本ずつ設けられており、それぞれが一対の支持部19a,19bによって軸間距離を固定されながら両端支持されている。
【0037】
圧延ローラユニット2Cにおいては、図示しない油圧シリンダ等の押圧力が支持部19a,19bを経て2本の押圧ローラ17a,17bに均等に付与され、押圧ローラ17a,17bが圧延ローラ14a,14bに押し当てられる。なお、圧延ローラ14a,14bを支持している支持部19a,19bからも圧延ローラ14a,14bに押圧力を付与するようにしてもよい。
【0038】
以上のように構成された圧延加工装置1において、図1図3に示すようなT字断面の圧延加工材料WAを圧延する場合には、圧延加工材料WAのウェブw1の幅に合わせて、圧延ローラユニット2A,2Bの圧延ローラ3,4をオフセットに配置する。
即ち、圧延ローラユニット2Bにおける圧延ローラ3,4の非支持側の端部(図に向かって左側の端部)がフランジw2に近接し、圧延ローラユニット2Aにおける圧延ローラ3,4の非支持側の端部(図に向かって右側の端部)が、ウェブw1の反フランジw2側の端部よりも出っ張るように、圧延ローラユニット2Aを軸方向に移動させて調整する。
【0039】
この状態で圧延加工材料WAを圧延することにより、圧延ローラユニット2A,2Bによってウェブw1が圧延され、圧延ローラユニット2Cによってフランジw2が圧延される。本実施形態では、ウェブw1の幅が、圧延ローラユニット2A,2Bの圧延ローラ3,4の幅よりも大きいが、上記のように、圧延ローラユニット2Aの圧延ローラ3,4の位置を、圧延ローラユニット2Bの圧延ローラ3,4の位置に対してオフセットに配置することにより、ウェブw1を、その全幅に亘って均一に圧延することができる。
【0040】
したがって、図4図5に示すように、ウェブw1の幅がより広い圧延加工材料WBに変更する場合であっても、圧延ローラユニット2A,2Bの圧延ローラ3,4のオフセット量を変更するだけで済み、圧延ローラ3,4の交換が不要である。そして、このように圧延ローラ3,4を交換することなくウェブw1の幅が異なる圧延加工材料WBを圧延することができるため、圧延ローラ3,4の交換作業に時間を費やされたり、製造ラインの停止を余儀無くされたりすることがなく、圧延加工材料WBの生産性が低下することを防止できる。
【0041】
また、この圧延加工装置1では、圧延ローラユニット2A,2Bの圧延ローラ3,4と、圧延ローラユニット2Cの圧延ローラ14a,14bとが片持ち支持され、この片持ち支持された圧延ローラ3,4,14a,14bが押圧ローラ7,8,17a,17bによってウェブw1とフランジw2とに押し付けられる構成である。
【0042】
角度の異なる複数の板厚部(ウェブw1、フランジw2)が突き合わされた断面形状の圧延加工材料WA,WBの、例えばウェブw1を圧延する場合には、前述のように、圧延ローラユニット2Bの圧延ローラ3,4の先端側(非支持側)を、フランジw2側(ウェブw1とフランジw2の挟み角側)に向けて圧延を行う。
【0043】
これにより、圧延ローラユニット2Bの圧延ローラ3,4を支持している支持部5,6を、圧延ローラユニット2B(圧延ローラ3,4)によって圧延されないフランジw2に干渉させることなく、ウェブw1のフランジw2近傍の位置(挟み角に近い位置)まで圧延ローラ3,4を押し当てることができる。このようにして、角度の異なる複数の板厚部(ウェブw1,フランジw2)の根元部分まで確実に圧延することができる。
【0044】
圧延ローラユニット2A,2Bにおいて、片持ち支持されている圧延ローラ3,4は、それぞれ支持部9,10によって軸間距離を固定された2本の押圧ローラ7,8によりウェブw1側に押し付けられる。このように、軸間距離を固定された2本の押圧ローラ7,8によって1本の圧延ローラ3または圧延ローラ4をウェブw1に押し付けるようにすれば、圧延ローラ3,4に対して押圧ローラ7,8の位置がずれることを防止し、押圧ローラ7,8によって圧延ローラ3,4を確実に押圧することができる。
【0045】
なお、図2図3に示す実施例、および図4図5に示す実施例では、予め圧延加工材料WA,WBのフランジw2の圧延加工前の厚さ寸法を圧延加工後の厚さ寸法よりも大きく設定しておき、圧延加工装置1の圧延ローラユニット2C(圧延ローラ13,14a,14b)によってフランジw2を圧延することにより、フランジw2をその長手方向に伸ばして圧延加工材料WA,WBを所定の曲率で湾曲させるようになっている。この場合には、ウェブw1の厚さ寸法も、フランジw2側から反フランジw2側に向かって薄くなるように設定する。圧延加工が完了した時の断面形状は、図2図4に示すように、ウェブw1とフランジw2とが均等な厚さになる。
【0046】
図6図7は、圧延加工装置1によってH形断面の圧延加工材料WCを圧延している状態を示す縦断面図である。この圧延加工材料WCは、ウェブw1の一側にフランジw2、他側にフランジw3が設けられている。
【0047】
このようなH形断面の圧延加工材料WCを圧延する場合は、圧延ローラユニット2Bにおける圧延ローラ3,4の非支持側の端部(図に向かって左側の端部)がフランジw2に近接し、圧延ローラユニット2Aにおける圧延ローラ3,4の非支持側の端部(図に向かって右側の端部)がフランジw3に近接するように、圧延ローラ3,4の軸方向位置、つまり圧延ローラ3,4のオフセット量を調整する。
【0048】
これにより、圧延ローラユニット2A,2B(2対の圧延ローラ3,4)によってウェブw1がその全幅に亘り均一に圧延され、圧延ローラユニット2Cによってフランジw2が圧延される。この図6図7に示す実施例でも、予め圧延加工材料WCのフランジw2の厚さ寸法をフランジw3の厚さ寸法よりも大きく設定しておき、圧延加工装置1の圧延ローラユニット2C(圧延ローラ13,14a,14b)によってフランジw2を圧延し、フランジw3は圧延しないことにより、フランジw2をその長手方向に伸ばして圧延加工材料WCを所定の曲率で湾曲させることができる。この場合には、ウェブw1の厚さ寸法も、フランジw2側からフランジw3側に向かって薄くなるように設定する。圧延加工が完了した時の断面形状は、図6に示すように、ウェブw1とフランジw2とフランジw3とが均等な厚さになる。
【0049】
図8図9は、圧延加工装置1によってL形断面の圧延加工材料WDを圧延している状態を示す縦断面図である。この圧延加工材料WDは、ウェブw1の一側にフランジw4が設けられ、ウェブw1の他側にはフランジが設けられていない。フランジw4は、ウェブw1の端面を直角に屈曲した形状である。
【0050】
このようなL形断面の圧延加工材料WDを圧延する場合は、圧延ローラユニット2Bにおける圧延ローラ3の非支持側の端部(図に向かって左側の端部)がフランジw4に近接し、圧延ローラユニット2Aにおける圧延ローラ3,4の非支持側の端部(図に向かって右側の端部)が、ウェブw1の反フランジw4側の端部よりも出っ張るように、圧延ローラユニット2Aの軸方向位置、つまり圧延ローラユニット2Aと圧延ローラユニット2Bのオフセット量を調整する。
【0051】
これにより、圧延ローラユニット2A,2B(2対の圧延ローラ3,4)によってウェブw1がその全幅に亘り均一に圧延され、圧延ローラユニット2C(圧延ローラ13,14a)によってフランジw4が圧延される。なお、圧延ローラユニット2Cに含まれる圧延ローラ14bは使用しないため、圧延加工材料WDや他の圧延ローラに干渉しない位置に退避させておく。
【0052】
この図8図9に示す実施例においても、予めフランジw4の厚さ寸法を最終形状よりも大きく設定するとともに、ウェブw1の厚さ寸法を、フランジw4側から反フランジw4側に向かって薄くなるように設定することにより、圧延加工装置1によってウェブw1とフランジw4とを圧延すると同時に、フランジw4をその長手方向に伸ばして圧延加工材料WDを所定の曲率で湾曲させることができる。圧延加工が完了した時の断面形状は、図8に示すように、ウェブw1とフランジw4とが均等な厚さになる。
【0053】
図10図11は、圧延加工装置1によってクランク形断面の圧延加工材料WEを圧延している状態を示す縦断面図である。この圧延加工材料WEは、ウェブw1の一側に図8のものと同様なフランジw4が設けられ、ウェブw1の他側にも、フランジw4と同じ高さのフランジw5が点対称に設けられている。
【0054】
このようなクランク形断面の圧延加工材料WEを圧延する場合は、圧延ローラユニット2Bにおける圧延ローラ3の非支持側の端部(図に向かって左側の端部)がフランジw4に近接し、圧延ローラユニット2Aにおける圧延ローラ4の非支持側の端部(図に向かって右側の端部)がフランジw5に近接するように、圧延ローラユニット2Aの軸方向位置(オフセット量)を調整する。
【0055】
これにより、圧延ローラユニット2A,2B(2対の圧延ローラ3,4)によってウェブw1がその全幅に亘り均一に圧延され、圧延ローラユニット2C(圧延ローラ13,14a)によってフランジw4が圧延される。ここでも、圧延ローラユニット2Cに含まれる圧延ローラ14bは使用しないため、圧延加工材料WEや他の圧延ローラに干渉しない位置に退避させておく。
【0056】
この図10図11に示す実施例においても、予めフランジw4の厚さ寸法を最終形状よりも大きく設定するとともに、ウェブw1の厚さ寸法を、フランジw4側からフランジw5側に向かって薄くなるように設定することにより、圧延加工装置1によってウェブw1とフランジw4とを圧延すると同時に、フランジw4をその長手方向に伸ばして圧延加工材料WEを所定の曲率で湾曲させることができる。圧延加工が完了した時の断面形状は、図10に示すように、ウェブw1とフランジw4とフランジw5とが均等な厚さになる。
【0057】
[第2実施形態]
図12は、本発明の第2実施形態に係る圧延加工装置を示している。この圧延加工装置21は、図1に示す圧延加工装置1と同じく、長尺状で、角度の異なる複数の板厚部w1,w6を有する金属の圧延加工材料WFにおいて、2つの板厚部(ウェブw1,フランジw6)を同時に圧延加工可能なものである。ここで、ウェブw1とフランジw6の挟み角(相対角度)は、圧延加工装置21の機能を説明する都合上、非直角となっているが、直角であってもよい。
【0058】
この圧延加工装置21は、3つの圧延ローラユニット2A,2D,2Eを備えている。圧延ローラユニット2Aの構造は、図1に示す第1実施形態の圧延加工装置1のものと同様であるため、各部に同符号を付して説明を省略する。この圧延ローラユニット2Aは、ウェブw1の反フランジw6側の領域を圧延する。
【0059】
圧延ローラユニット2Dは、ウェブw1のフランジw6側の領域を圧延するものであり、ウェブw1の一方の面に圧接される円錐状の圧延ローラ23(一方の圧延ローラ)と、ウェブw1の他方の面に圧接される円筒状の圧延ローラ4(他方の圧延ローラ)とを備えている。この円筒状の圧延ローラ4およびこれを片持ち支持する支持部6、圧延ローラ4をウェブw1側に押圧する押圧ローラ8、ならびにその支持部10は、第1実施形態の圧延加工装置1における圧延ローラユニット2Bのものと同様である。
【0060】
圧延ローラ23は、その外周面(円錐面)と、フランジw6側の端面との間の相対角度θ1が、ウェブw1とフランジw6との間の挟み角以下である。この圧延ローラ23は、関節部を備えた支持部24によって片持ち支持されており、その大径端部側の底面がフランジw6側を向き、外周面がウェブw1に当接するように配置されている。このように片持ち支持された圧延ローラ23は、別体の2本の押圧ローラ25によってウェブw1に押し付けられるようになっている。これらの押圧ローラ25は、関節部を備えた一対の支持部26によって軸間距離を固定されながら両端支持されている。
【0061】
圧延ローラ23を片持ち状に支持する支持部24は、その関節部が回動可能なため、圧延ローラ23の外周面(円錐面)を均等にウェブw1に当接させることができる。また、押圧ローラ25を両端支持する支持部26も、その関節部が回動可能なため、押圧ローラ25の軸線角度を、押圧する圧延ローラ23の外周面方向に沿うように変更することができる。
【0062】
圧延ローラユニット2Eは、フランジw6を圧延するものであり、フランジw6の一方の面(例えば外面)に圧接される円筒状の圧延ローラ27(一方の圧延ローラ)と、フランジw6の他方の面(例えばウェブw1側の面)に圧接され、ウェブw1を挟んで一列に配置されている円錐状の圧延ローラ29(他方の圧延ローラ)および円筒状の圧延ローラ34(他方の圧延ローラ)とを備えている。
【0063】
円筒状の圧延ローラ27は、その軸方向がフランジw6の幅方向に沿うように設置され、関節部を備えた一対の支持部28によって両端支持されている。支持部28の関節部が可動することにより、圧延ローラ27の角度を変化させることができる。このため、フランジw6の傾斜角度に合わせて圧延ローラ27の外周面をフランジw6に均等に当接させることができる。
【0064】
一方、円錐状の圧延ローラ29は、その外周面(円錐面)と、大径端部側の端面との間の相対角度θ2が、ウェブw1とフランジw6との間の挟み角以下である。この圧延ローラ29は、関節部を備えた支持部30によって片持ち支持されており、その大径端部側の端面がウェブw1側を向き、外周面(円錐面)がフランジw6の内面に当接するように配置されている。このように片持ち支持された圧延ローラ29は、別体の2本の押圧ローラ31によってフランジw6に押し付けられるようになっている。これらの押圧ローラ31は、それぞれ関節部を備えた一対の支持部32によって軸間距離を固定されながら両端支持されているため、その軸線角度を、押圧する圧延ローラ29の外周面方向に沿うように変更可能である。
【0065】
他方、円筒状の圧延ローラ34は、関節部を備えた支持部35によって片持ち支持されており、その非支持側の端面がウェブw1側を向き、外周面がフランジw6の内面に当接するように配置されている。このように片持ち支持された圧延ローラ34は、別体の2本の押圧ローラ36によってフランジw6に押し付けられるようになっている。これらの押圧ローラ36は、関節部を備えた一対の支持部37によって軸間距離を固定されながら両端支持されている。
【0066】
以上のように構成された圧延加工装置21において、図12に示すようにウェブw1とフランジw6との挟み角が非直角な圧延加工材料WFを圧延する場合には、圧延加工材料WFのウェブw1の幅に合わせて、圧延ローラユニット2Aの圧延ローラ3,4と、圧延ローラユニット2Dの圧延ローラ23,4とをオフセットに配置する。
即ち、圧延ローラユニット2Dにおける圧延ローラ23,4の非支持側の端部(図に向かって左側の端部)がフランジw6に近接し、圧延ローラユニット2Aにおける圧延ローラ3,4の非支持側の端部(図に向かって右側の端部)が、ウェブw1の反フランジw6側の端部よりも出っ張るように、圧延ローラユニット2Aを軸方向に移動させて調整する。
【0067】
この状態で圧延加工材料WFを圧延することにより、圧延ローラユニット2A,2Dによってウェブw1が圧延され、圧延ローラユニット2Eによってフランジw6が圧延される。本実施形態では、ウェブw1の幅が、圧延ローラユニット2A,2Dの圧延ローラ3,4,23の幅よりも大きいが、上記のように、圧延ローラユニット2Aの圧延ローラ3,4の位置を、圧延ローラユニット2Dの圧延ローラ4,23の位置に対してオフセットに配置することにより、ウェブw1を、その全幅に亘って均一に圧延することができる。
【0068】
また、この圧延加工装置21では、各圧延ローラ23,29,34を押圧する押圧ローラ25,31,36が、その軸線角度を各圧延ローラ23,29,34の外周面方向に沿うように変更可能であるため、円錐状の圧延ローラ23,29であっても、この圧延ローラ23,29の円錐状の外周面に押圧ローラ25,31を確実に押し付けて押圧力を付与することができる。なお、円錐状でなくても、本実施形態のように円筒状の圧延ローラ34が傾斜している場合には、その傾斜角度に合わせて押圧ローラ36を確実に押し付けることができる。
【0069】
しかも、この圧延加工装置21では、複数の円錐状の圧延ローラ23,29を用いており、これらの圧延ローラ23,29の外周面と端面との角度が90度未満であるため、圧延加工材料WFのウェブw1とフランジw6との間の挟み角が鋭角(90度未満)であっても、その挟み角に近い領域を有効に圧延することができる。
【0070】
なお、本実施形態では圧延ローラ23,29が円錐ローラとされているが、例えば圧延ローラ4,34を円錐ローラとすることにより、ウェブw1に対するフランジw6の傾斜方向が逆の場合(ウェブw1の下面とフランジw6の内面とがなす角度が鋭角の場合)であっても、その挟み角に近い領域を有効に圧延することができる。
【0071】
その他の作用・効果については、第1実施形態の圧延加工装置1と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
以上説明したように、上記実施形態に係る圧延加工装置1,21によれば、圧延ローラを交換することなく、圧延加工材料WA〜WFにおける幅の異なる板厚部(ウェブ、フランジ等)を圧延可能にするとともに、角度の異なる複数の板厚部の根元部分まで確実に圧延することができ、さらに、挟み角が鋭角な2つの板厚部における挟み角に近い領域を圧延することができる。
【0073】
なお、本発明は上記第1〜第3実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
【0074】
例えば、圧延加工材料WA〜WFの断面形状は、上記実施形態中で述べた断面形状に限らず、他の断面形状であってもよい。また、各種の圧延ローラの種類や配置レイアウト等は、上記実施形態以外のものであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,21 圧延加工装置
2A〜2E 圧延ローラユニット
3,13,23,27 圧延ローラ(一方の圧延ローラ)
4,14a,14b,29,34 圧延ローラ(他方の圧延ローラ)
5,6,9,10,15,16,19a,19b 支持部
7,8,17a,17b,25,31,36 押圧ローラ
WA〜WF 圧延加工材料
w1 ウェブ(板厚部)
w2〜w6 フランジ(板厚部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12