(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような無停電電源装置は、電気設備の信頼性を確保するため、運転時間が所定時間(たとえば15年)に到達すると新品と交換される。新設の無停電電源装置用のバッテリの仕様が既設の無停電電源装置用のバッテリの仕様と異なる場合、無停電電源装置とともにバッテリも新品と交換する必要があり、電気設備がコスト高になるという問題があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、電気設備の低コスト化を図ることが可能な無停電電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る無停電電源装置は、交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータと、直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するインバータと、コンバータとインバータの間に接続され、直流電力を伝達する直流母線と、第1〜第Nの電力貯蔵装置のうちのいずれかの電力貯蔵装置を接続するための直流端子と、それぞれ第1〜第Nの電力貯蔵装置に対応して設けられ、直流母線および直流端子間に並列接続された第1〜第Nの双方向チョッパとを備えたものである。Nは2以上の整数である。第1〜第Nの電力貯蔵装置の仕様は互いに異なる。各双方向チョッパは、対応する電力貯蔵装置が直流端子に接続された場合に活性化され、交流電源から交流電力が供給されている通常時は、コンバータによって生成された直流電力を対応する電力貯蔵装置に蓄え、交流電源からの交流電力の供給が停止された停電時は、対応する電力貯蔵装置の直流電力をインバータに供給する。
【0007】
この発明に係る他の無停電電源装置は、交流電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータと、直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するインバータと、コンバータとインバータの間に接続され、直流電力を伝達する直流母線と、それぞれ第1〜第Nの電力貯蔵装置を接続するための第1〜第Nの直流端子と、それぞれ第1〜第Nの電力貯蔵装置に対応して設けられ、各々が、直流母線および対応する直流端子間に接続された第1〜第Nの双方向チョッパとを備えたものである。Nは2以上の整数である。第1〜第Nの電力貯蔵装置の仕様は互いに異なる。各双方向チョッパは、対応する電力貯蔵装置が対応する直流端子に接続された場合に活性化され、交流電源から交流電力が供給されている通常時は、コンバータによって生成された直流電力を対応する電力貯蔵装置に蓄え、交流電源からの交流電力の供給が停止された停電時は、対応する電力貯蔵装置の直流電力をインバータに供給する。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る無停電電源装置では、第1〜第Nの電力貯蔵装置のうちのいずれかの電力貯蔵装置を接続するための直流端子と、それぞれ第1〜第Nの電力貯蔵装置に対応して設けられた第1〜第Nの双方向チョッパとが備えられ、各双方向チョッパは、対応する電力貯蔵装置が直流端子に接続された場合に活性化されて対応する電力貯蔵装置の充放電を行なう。したがって、既設の無停電電源装置を本願発明の無停電電源装置によって置換する場合、既設の無停電電源装置に接続されていた電力貯蔵装置を継続して使用することができ、電気設備の低コスト化を図ることができる。
【0009】
また、この発明に係る他の無停電電源装置では、それぞれ第1〜第Nの電力貯蔵装置を接続するための第1〜第Nの直流端子と、それぞれ第1〜第Nの電力貯蔵装置に対応して設けられた第1〜第Nの双方向チョッパとが備えられ、各双方向チョッパは、対応する電力貯蔵装置が対応する直流端子に接続された場合に活性化されて対応する電力貯蔵装置の充放電を行なう。したがって、既設の無停電電源装置を本願発明の無停電電源装置によって置換する場合、既設の無停電電源装置用の電力貯蔵装置を継続して使用することができ、電気設備の低コスト化を図ることができる。さらに、複数の電力貯蔵装置を同時に使用することができるので、停電が発生した場合でも長時間に亘って負荷の運転を継続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による無停電電源装置の構成を示す回路ブロック図である。
図1において、この無停電電源装置は、入力端子TI、出力端子TO、バッテリ端子TB、コンバータ1、直流母線L1、コンデンサC1、インバータ2、双方向チョッパCP1,CP2、操作部3、および制御部4を備える。
【0012】
コンバータ1、直流母線L1、およびインバータ2は、入力端子TIと出力端子TOの間に直列接続される。コンデンサC1は、直流母線L1に接続される。双方向チョッパCP1,CP2は、直流母線L1とバッテリ端子TBの間に並列接続される。
【0013】
入力端子TIは、商用交流電源31から供給される商用周波数の交流電力を受ける。出力端子TOは、負荷32に接続される。負荷32は、無停電電源装置から供給される交流電力によって駆動される。バッテリ端子(直流端子)TBには、バッテリ(電力貯蔵装置)B1またはB2が接続される。バッテリB1,B2の各々は、直流電力を蓄える。バッテリの代わりに、コンデンサが接続されても構わない。
【0014】
バッテリB1の仕様は、バッテリB2の仕様と異なる。バッテリは、直列接続された複数のセルを含む。近年、バッテリの低コスト化を図るため、バッテリのセル数の低減化が進められている。このため、旧型の無停電電源装置ではバッテリB1が使用されていたが、新型の無停電電源装置ではバッテリB2が使用されるものとする。
【0015】
たとえば、バッテリB1のセル数は180個であり、バッテリB2のセル数は150個であるものとする。1個のセルの定格電圧を2Vとすると、バッテリB1の定格電圧VR1は2V×180個=360Vとなり、バッテリB2の定格電圧VR2は2V×150個=300Vとなる。バッテリB1とB2の定格容量は同じ値である場合、バッテリB1,B2の定格電流IR1,IR2の比IR1/IR2は、VR2/VR1となる。
【0016】
コンバータ1は、制御部4によって制御され、商用交流電源31から交流電力が供給されている通常時は、商用交流電源31からの交流電力を直流電力に変換する。商用交流電源31からの交流電力の供給が停止された停電時は、コンバータ1の運転は停止される。コンデンサC1は、直流母線L1の直流電圧VDCを平滑化および安定化させる。コンバータ1によって生成された直流電力は、直流母線L1を介してインバータ2に供給されるとともに、双方向チョッパCP1,CP2に供給される。
【0017】
インバータ2は、制御部4によって制御され、通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力を商用周波数の交流電力に変換して負荷32に供給し、停電時は、バッテリB1またはB2から双方向チョッパCP1またはCP2を介して供給される直流電力を商用周波数の交流電力に変換して負荷32に供給する。
【0018】
双方向チョッパCP1,CP2は、それぞれバッテリB1,B2に対応して設けられている。双方向チョッパCP1,CP2の仕様は、それぞれバッテリB1,B2の仕様に応じて設定されている。上述の通り、バッテリB2の定格電流IR2はバッテリB1の定格電流IR1よりも大きいので、双方向チョッパCP2の電流駆動能力は双方向チョッパCP1の電流駆動能力よりも大きな値に設定され、双方向チョッパCP2は双方向チョッパCP1よりも大容量の電気素子(トランジスタ、ダイオード、リアクトル)で構成される。
【0019】
操作部3は、複数のスイッチ、複数のボタン、液晶表示画面などを含み、双方向チョッパCP1またはCP2を選択したり、無停電電源装置を手動運転または自動運転させたりするために操作される。操作部3は、無停電電源装置の使用者によって操作され、操作結果に応じた指令信号を制御部4に出力する。
【0020】
無停電電源装置の使用者は、バッテリ端子TBにバッテリB1を接続した場合は、操作部3(選択部)を用いて双方向チョッパCP1を選択し、バッテリ端子TB2にバッテリB2を接続した場合は、操作部3(選択部)を用いて双方向チョッパCP2を選択する。制御部4は、操作部3によって選択された方の双方向チョッパCP1またはCP2を制御する。
【0021】
操作部3によって選択された双方向チョッパCP1またはCP2は、制御部4によって制御され、商用交流電源31から交流電力が供給されている通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力をバッテリ端子TBに接続されたバッテリB1またはB2に蓄え、商用交流電源31からの交流電力の供給が停止された停電時は、バッテリB1またはB2の直流電力をインバータ2に供給する。
【0022】
換言すると、双方向チョッパCP1は、対応するバッテリB1がバッテリ端子TBに接続された場合に活性化され、通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力をバッテリB1に蓄え、停電時は、バッテリB1の直流電力をインバータ2に供給する。双方向チョッパCP2は、対応するバッテリB2がバッテリ端子TBに接続された場合に活性化され、通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力をバッテリB2に蓄え、停電時は、バッテリB2の直流電力をインバータ2に供給する。
【0023】
制御部4は、操作部3からの指令信号、入力端子TIの交流電圧VI(すなわち商用交流電源31から供給される交流電圧)の瞬時値、直流母線L1の直流電圧VDCの瞬時値、バッテリ端子TBの直流電圧VB(バッテリB1またはB2の端子間電圧)の瞬時値、出力端子TOの交流電圧VOの瞬時値などに基づいて、コンバータ1、インバータ2、および双方向チョッパCP1,CP2を制御する。
【0024】
特に、制御部4は、入力端子TIの交流電圧VIの瞬時値に基づいて、停電が発生しているか否かを判別し、判別結果に基づいて、コンバータ1および双方向チョッパCP1またはCP2を制御する。交流電圧VIの振幅値が下限値よりも小さい場合は停電が発生したと判別され、交流電圧VIの振幅値が下限値よりも大きい場合は停電は発生していないと判別される。
【0025】
制御部4は、入力端子TIの交流電圧VIの位相に同期してコンバータ1を制御し、直流母線L1の直流電圧VDCが目標直流電圧VDCTに一致するようにコンバータ1を制御する。制御部4は、入力端子TIの交流電圧VIの位相に同期してインバータ2を制御し、出力端子TOの交流電圧VOが目標出力電圧VOTに一致するようにインバータ2を制御する。
【0026】
制御部4は、操作部3からの指令信号に応答して、双方向チョッパCP1またはCP2を制御する。制御部4は、操作部3によって双方向チョッパCP1が選択された場合、商用交流電源31から交流電力が供給されている通常時は、バッテリ端子TBの直流電圧VBがバッテリB1の定格電圧VR1に応じた値の目標直流電圧VBT1に一致するように双方向チョッパCP1を制御する。制御部4は、商用交流電源31からの交流電力の供給が停止された停電時は、直流母線L1の直流電圧VDCが目標直流電圧VDCTに一致するように双方向チョッパCP1を制御する。
【0027】
制御部4は、操作部3によって双方向チョッパCP2が選択された場合、通常時は、バッテリ端子TBの直流電圧VBがバッテリB2の定格電圧VR2に応じた値の目標直流電圧VBT2に一致するように双方向チョッパCP2を制御する。制御部4は、停電時は、直流母線L1の直流電圧VDCが目標直流電圧VDCTに一致するように双方向チョッパCP2を制御する。
【0028】
次に、この無停電電源装置の使用方法および動作について説明する。既設の無停電電源装置に代えて、この無停電電源装置を新設する場合において、既設の無停電電源装置用のバッテリB1がまだ新しく、使用可能であるときは、そのバッテリB1をバッテリ端子TBに接続する。無停電電源装置の使用者は、操作部3を用いて、バッテリB1用の双方向チョッパCP1を選択する。
【0029】
既設の無停電電源装置に代えて、この無停電電源装置を新設する場合において、既設の無停電電源装置用のバッテリB1が劣化している場合は、セル数が小さく、低コストの新型のバッテリB2をバッテリ端子TBに接続する。無停電電源装置の使用者は、操作部3を用いて、バッテリB2用の双方向チョッパCP2を選択する。
【0030】
商用交流電源31から交流電力が供給されている通常時は、商用交流電源31からの交流電力がコンバータ1によって直流電力に変換され、その直流電力が双方向チョッパCP1(またはCP2)を介してバッテリB1(またはB2)に蓄えられるとともに、インバータ2によって交流電力に変換されて負荷32に供給される。
【0031】
商用交流電源31からの交流電力の供給が停止された停電時は、コンバータ1の運転が停止され、バッテリB1(またはB2)の直流電力が双方向チョッパCP1(またはCP2)を介してインバータ2に供給され、インバータ2によって交流電力に変換されて負荷32に供給される。したがって、バッテリB1(またはB2)に直流電力が蓄えられている期間は、負荷32の運転を継続することができる。
【0032】
この実施の形態1では、互いに仕様が異なる旧型のバッテリB1と新型のバッテリB2のうちのいずれかのバッテリが接続されるバッテリ端子TBと、それぞれバッテリB1,B2に対応して設けられた双方向チョッパCP1,CP2とが備えられ、操作部3によって選択された双方向チョッパCP1またはCP2がバッテリ端子TBに接続されたバッテリB1またはB2の充放電を行なう。したがって、既設の無停電電源装置を本実施の形態1の無停電電源装置によって置換する場合、既設の無停電電源装置に接続されていたバッテリB1を継続して使用することができ、電気設備の低コスト化を図ることができる。
【0033】
すなわち従来は、旧型の無停電電源装置には旧型のバッテリB1用の双方向チョッパCP1のみが設けられ、新型の無停電電源装置には新型のバッテリB2用の双方向チョッパCP2のみが設けられていた。旧型の無停電電源装置を新型の無停電電源装置によって置換する場合は、旧型のバッテリB1がまだ使用可能であっても旧型のバッテリB1を廃棄処分して新型のバッテリB2を使用する必要があった。このため、旧型のバッテリB1が無駄になり、電気設備がコスト高になるという問題があった。
【0034】
これに対して本実施の形態1の無停電電源装置では、旧型のバッテリB1用の双方向チョッパCP1と、新型のバッテリB2用の双方向チョッパCP2との両方が設けられている。旧型の無停電電源装置を本実施の形態1の無停電電源装置によって置換する場合は、旧型のバッテリB1がまだ使用可能であるときは旧型のバッテリB1を継続して使用し、旧型のバッテリB1が使用可能でないときは新型のバッテリB2を使用する。このため、旧型のバッテリB1を有効に使用することができ、電気設備の低コスト化を図ることができる。
【0035】
なお、この実施の形態1では、2つのバッテリB1,B2に対応する2つの双方向チョッパCP1,CP2を設けたが、これに限るものではなく、3つ以上のバッテリに対応する3つ以上の双方向チョッパを設けても構わない。すなわち、N個(ただし、Nは2以上の整数である)のバッテリに対応するN個の双方向チョッパを設け、バッテリ端子TBに接続されたバッテリに対応する双方向チョッパによってバッテリの充放電を行なってもよい。
【0036】
[実施の形態2]
図2は、この発明の実施の形態2による無停電電源装置の構成を示す回路ブロック図であって、
図1と対比される図である。
図2を参照して、この無停電電源装置が
図1の無停電電源装置と異なる点は、旧型のバッテリB1を接続するためのバッテリ端子TB1と、新型のバッテリB2を接続するためのバッテリ端子TB2とが別々に設けられている点である。双方向チョッパCP1は直流母線L1とバッテリ端子TB1の間に接続され、双方向チョッパCP2は直流母線L1とバッテリ端子TB2の間に接続されている。
【0037】
この無停電電源装置では、バッテリB1のみを使用する第1のモードと、バッテリB2のみを使用する第2のモードと、バッテリB1,B2の両方を使用する第3のモードのうちの所望のモードを選択することが可能となっている。第1のモードではバッテリB1がバッテリ端子TB1に接続され、第2のモードではバッテリB2がバッテリ端子TB2に接続され、第3のモードではバッテリB1,B2がそれぞれバッテリ端子TB1,TB2に接続される。
【0038】
無停電電源装置の使用者は、第1のモードを選択した場合は、操作部3を用いて双方向チョッパCP1を選択し、第2のモードを選択した場合は、操作部3を用いて双方向チョッパCP2を選択し、第3のモードを選択した場合は、操作部3を用いて双方向チョッパCP1,CP2を選択する。制御部4は、操作部3によって選択された双方向チョッパCP1、またはCP2、またはCP1,CP2を制御する。
【0039】
操作部3によって選択された双方向チョッパCP1(またはCP2)は、制御部4によって制御され、商用交流電源31から交流電力が供給されている通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力をバッテリ端子TB1(またはTB2)に接続されたバッテリB1(またはB2)に蓄え、商用交流電源31からの交流電力の供給が停止された停電時は、バッテリB1(またはB2)の直流電力をインバータ2に供給する。
【0040】
操作部3によって双方向チョッパCP1が選択された場合、制御部4は、通常時は、バッテリ端子TB1の直流電圧VB1がバッテリB1の定格電圧VR1に応じた値の目標直流電圧VBT1に一致するように双方向チョッパCP1を制御し、停電時は、直流母線L1の直流電圧VDCが目標直流電圧VDCTに一致するように双方向チョッパCP1を制御する。
【0041】
操作部3によって双方向チョッパCP2が選択された場合、制御部4は、通常時は、バッテリ端子TB2の直流電圧VB2がバッテリB2の定格電圧VR2に応じた値の目標直流電圧VBT2に一致するように双方向チョッパCP2を制御し、停電時は、直流母線L1の直流電圧VDCが目標直流電圧VDCTに一致するように双方向チョッパCP2を制御する。
【0042】
換言すると、双方向チョッパCP1は、対応するバッテリB1が対応するバッテリ端子TB1に接続された場合に活性化され、通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力をバッテリB1に蓄え、停電時は、バッテリB1の直流電力をインバータ2に供給する。双方向チョッパCP2は、対応するバッテリB2が対応するバッテリ端子TB2に接続された場合に活性化され、通常時は、コンバータ1によって生成された直流電力をバッテリB2に蓄え、停電時は、バッテリB2の直流電力をインバータ2に供給する。
【0043】
次に、この無停電電源装置の使用方法および動作について説明する。既設の無停電電源装置に代えて、この無停電電源装置を新設する場合において、既設の無停電電源装置用のバッテリB1がまだ新しく、使用可能であるときは、そのバッテリB1をバッテリ端子TB1に接続する。無停電電源装置の使用者は、操作部3を用いて、バッテリB1用の双方向チョッパCP1を選択する。
【0044】
既設の無停電電源装置用のバッテリB1が劣化している場合は、セル数が小さく、低コストの新型のバッテリB2をバッテリ端子TB2に接続する。無停電電源装置の使用者は、操作部3を用いて、バッテリB2用の双方向チョッパCP2を選択する。
【0045】
既設の無停電電源装置用のバッテリB1と新型のバッテリB2の両方が使用可能である場合は、バッテリB1,B2をそれぞれバッテリ端子TB1,TB2に接続する。無停電電源装置の使用者は、操作部3を用いて、バッテリB1,B2用の双方向チョッパCP1,CP2を選択する。
【0046】
商用交流電源31から交流電力が供給されている通常時は、商用交流電源31からの交流電力がコンバータ1によって直流電力に変換され、その直流電力が双方向チョッパCP1(またはCP2、またはCP1,CP2)を介してバッテリB1(またはB2、またはB1,B2)に蓄えられるとともに、インバータ2によって交流電力に変換されて負荷32に供給される。
【0047】
商用交流電源31からの交流電力の供給が停止された停電時は、コンバータ1の運転が停止され、バッテリB1(またはB2、またはB1,B2)の直流電力が双方向チョッパCP1(またはCP2、またはCP1,CP2)を介してインバータ2に供給され、インバータ2によって交流電力に変換されて負荷32に供給される。したがって、バッテリB1(またはB2、またはB1,B2)に直流電力が蓄えられている期間は、負荷32の運転を継続することができる。
【0048】
この実施の形態2では、旧型のバッテリB1用のバッテリ端子TB1と、新型のバッテリB2用のバッテリ端子TB2と、それぞれバッテリB1,B2に対応して設けられた双方向チョッパCP1,CP2とが備えられ、操作部3によって選択された双方向チョッパCP1(またはCP2、またはCP1,CP2)がバッテリ端子TB1(またはTB2、またはTB1,TB2)に接続されたバッテリB1(またはB2、またはB1,B2)の充放電を行なう。したがって、既設の無停電電源装置を本実施の形態2の無停電電源装置によって置換する場合、既設の無停電電源装置に接続されていたバッテリB1を継続して使用することができ、電気設備の低コスト化を図ることができる。
【0049】
さらに、バッテリB1,B2の両方を使用することができるので、停電が長時間に亘って発生した場合でも、負荷32の運転を継続することができる。
【0050】
なお、この実施の形態2では、2個のバッテリB1,B2に対応する2個の双方向チョッパCP1,CP2を設け、1個または2個の双方向チョッパを選択したが、これに限るものではなく、3個以上のバッテリに対応する3個以上の双方向チョッパを設け、1個または2個以上の双方向チョッパを選択しても構わない。
【0051】
すなわち、N個(ただし、Nは2以上の整数である)のバッテリに対応するN個の双方向チョッパを設け、n個(ただし、nは1以上でN以下の整数である)のバッテリをn個のバッテリ端子に接続し、n個の双方向チョッパによってn個のバッテリの充放電を行なってもよい。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。