【文献】
Kyocera,Inter-frequency discovery considerations[online],3GPP TSG-RAN WG2♯86 R2-142240,2014年 5月10日
【文献】
ZTE,On D2D UE capability, D2D interest and prioritization,3GPP TSG-RAN WG2#87 R2-143596,2014年 8月 9日
【文献】
Kyocera,Inter-frequency and inter-PLMN D2D discovery,3GPP TSG-RAN WG2#87bis R2-144534,2014年 9月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザ端末が、近傍端末を発見するための発見手順におけるディスカバリ信号の送受信に興味がある場合に、前記ディスカバリ信号の受信に興味があることを示す情報と、前記発見手順における所望の周波数の情報とを含むメッセージを基地局に通知するステップを備え、
前記ユーザ端末は、前記ディスカバリ信号の受信のためのギャップに関する要求を前記基地局に通知することを特徴とする通信制御方法。
前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末のサービングセルと異なるセルのシステム情報に含まれ且つ前記発見手順で用いられるリソースの情報を前記基地局に通知することを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
前記周波数の情報は、前記ユーザ端末が属するPLMNにおける周波数の情報だけでなく、前記ユーザ端末が属するPLMNと異なるPLMNにおける周波数の情報も含むことを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
近傍端末を発見するための発見手順におけるディスカバリ信号の送受信に興味がある場合に、前記ディスカバリ信号の受信に興味があることを示す情報と、前記発見手順における所望の周波数の情報とを含むメッセージを基地局に通知する制御部を備え、
前記制御部は、前記ディスカバリ信号の受信のためのギャップに関する要求を前記基地局に通知することを特徴とするユーザ端末。
ユーザ端末が近傍端末を発見するための発見手順におけるディスカバリ信号の送受信に興味がある場合に、前記ディスカバリ信号の受信に興味があることを示す情報と、前記発見手順における所望の周波数の情報とを含むメッセージを前記ユーザ端末から受信する受信部を備え、
前記受信部は、前記ディスカバリ信号の受信のためのギャップに関する要求を前記ユーザ端末から受信することを特徴とする基地局。
近傍端末を発見するための発見手順におけるディスカバリ信号の送受信に興味がある場合に、前記ディスカバリ信号の受信に興味があることを示す情報と、前記発見手順における所望の周波数の情報とを含むメッセージを基地局に通知する処理と、
前記ディスカバリ信号の受信のためのギャップに関する要求を前記基地局に通知する処理と、を実行することを特徴とするプロセッサ。
ユーザ端末が近傍端末を発見するための発見手順におけるディスカバリ信号の送受信に興味がある場合に、前記ディスカバリ信号の受信に興味があることを示す情報と、前記発見手順における所望の周波数の情報とを含むメッセージを前記ユーザ端末から受信する処理と、
前記ディスカバリ信号の受信のためのギャップに関する要求を前記ユーザ端末から受信する処理と、を実行することを特徴とするプロセッサ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態の概要]
第1及び第2実施形態に係る通信制御方法は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記通信制御方法は、所定の周波数帯を使用する通信装置が、前記所定の周波数帯において少なくとも1つのD2Dリソース通知を送信する送信ステップと、ユーザ端末が、前記所定の周波数帯において送信された前記D2Dリソース通知を受信する受信ステップと、を備える。前記D2Dリソース通知は、前記D2D近傍サービスで使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。
【0016】
第1実施形態では、前記D2D周波数帯は、前記所定の周波数帯とは異なる周波数帯である。
【0017】
第1実施形態では、前記送信ステップにおいて、前記通信装置は、前記D2D周波数帯が前記所定の周波数帯とは異なる周波数帯である場合に限り、前記D2D周波数帯を示す情報を前記D2Dリソース通知に含める。
【0018】
第1実施形態では、前記送信ステップにおいて、前記通信装置は、前記所定の周波数帯において前記D2Dリソース通知をブロードキャストで送信する。前記受信ステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記所定の周波数帯においてブロードキャストで送信された前記D2Dリソース通知を受信する。
【0019】
第1実施形態では、前記D2D周波数帯を示す情報は、前記D2D周波数帯の中心周波数に関連づけられている。
【0020】
第1実施形態では、前記D2Dリソース通知は、前記D2D周波数帯に対応する複数の無線リソースのうち前記D2D近傍サービスで使用可能な無線リソースであるD2D無線リソースを示す情報をさらに含む。
【0021】
第1実施形態では、前記D2Dリソース通知は、前記D2D近傍サービスで適用される送信電力制御パラメータをさらに含む。
【0022】
第1実施形態では、前記D2Dリソース通知は、前記D2D周波数帯を使用可能とする条件である使用可能条件を示す情報をさらに含む。前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記利用可能条件を示す情報に基づいて、前記D2D周波数帯を前記D2D近傍サービスで使用可能か否かを判断する判断ステップをさらに備える。
【0023】
第1実施形態では、前記使用可能条件は、前記D2D周波数帯についてのサーチが成功しないこと、前記D2D周波数帯についての測定結果が閾値よりも悪いこと、のうち少なくとも1つである。
【0024】
第1実施形態では、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2D近傍サービスに関する処理を行う処理ステップをさらに備える。前記処理ステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記D2Dリソース通知の送信元を時間同期及び/又は周波数同期の基準とする。
【0025】
第1実施形態では、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2D近傍サービスに関する処理を行う処理ステップをさらに備える。前記処理ステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記処理における時間同期及び/又は周波数同期の基準とすべき同期対象を指定するための情報を受信した場合、前記指定された同期対象を前記時間同期及び/又は前記周波数同期の基準とする。
【0026】
第1実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2D近傍サービスに関する処理を行う処理ステップをさらに備える。前記処理ステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記処理における時間同期及び/又は周波数同期の基準とすべき同期対象として前記ユーザ端末を指定するための情報を受信した場合、前記同期対象となる。
【0027】
その他実施形態(具体的には、付記)では、前記通信装置は、前記ユーザ端末のサービングセルを管理する基地局である。前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2D近傍サービスにおけるD2D無線信号を送信する意図を示すメッセージを前記サービングセルに通知するステップをさらに備える。
【0028】
その他実施形態(具体的には、付記)では、前記ユーザ端末が、前記D2D近傍サービスにおけるD2D無線信号を受信する意図を示すメッセージだけでなく、前記D2D近傍サービスにおけるD2D無線信号を送信する意図を示すメッセージを、前記通信装置に通知するステップと、をさらに備える。
【0029】
その他実施形態(具体的には、付記)では、前記ユーザ端末が、近傍端末の発見のためのD2D発見手順に興味があることを示す情報と前記D2D発見手順のための無線リソースの要求とを同じメッセージで送信するステップをさらに備える。
【0030】
その他実施形態(具体的には、付記)では、前記ユーザ端末が、近傍端末の発見のためのD2D発見信号を受信する意図を示すメッセージに、前記ユーザ端末が興味がある周波数を含めて、前記メッセージを前記通信装置に通知するステップをさらに備える。前記ユーザ端末が興味がある周波数は、前記ユーザ端末が属するPLMNにおける周波数だけでなく、前記ユーザ端末が属するPLMNと異なるPLMNにおける周波数を含む。
【0031】
第1及び第2実施形態では、前記D2D周波数帯は、近傍端末を発見するD2D発見手順において送信されるD2D発見信号、前記D2D通信において送信されるD2D通信信号、端末間同期を確立するD2D同期手順において送信されるD2D同期信号、及び、前記D2D通信におけるユーザデータの送信に用いられるD2Dリソースの位置を示す情報を含む制御信号の少なくともいずれかの送受信に使用可能な周波数帯である。
【0032】
第2実施形態では、前記D2D周波数帯は、前記ユーザ端末が属する第1のPLMN(Public Land Mobile Network)と異なる第2のPLMNにおいて使用可能な周波数帯である。
【0033】
第2実施形態に係る通信制御方法は、前記通信装置が、前記第2のPLMNに属する第2の通信装置から、前記D2D周波数帯を示す情報を受信するステップをさらに備える。
【0034】
第2実施形態では、前記D2Dリソース通知は、前記第2のPLMNを示す識別子をさらに含む。
【0035】
第2実施形態では、前記D2Dリソース通知は、前記第2のPLMNに属する第2のユーザ端末からの前記D2D近傍サービスに関するD2D無線信号の送信内容を解釈するための情報をさらに含む。
【0036】
第2実施形態では、前記D2Dリソース通知は、前記第1のPLMNと前記第2のPLMNとの間の同期に関する情報をさらに含む。
【0037】
第2実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2Dリソース通知に基づく前記D2D周波数帯で、前記第2のPLMNに属する第2のユーザ端末に対して、前記D2D近傍サービスに関するD2D無線信号を送信する、及び/又は前記第2のユーザ端末から前記D2D無線信号を受信するステップをさらに備える。
【0038】
その他実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2D周波数帯を示す情報によって示される周波数帯以外の周波数帯を前記D2D近傍サービスで使用するステップを備える。
【0039】
その他実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記通信装置と異なる他の通信装置から、D2D周波数帯を示す情報を含む第2のD2Dリソース通知を受信するステップと、前記ユーザ端末が、前記D2Dリソース通知及び前記第2のD2Dリソース通知に共通に含まれる周波数帯を前記D2D近傍サービスで使用するステップと、を備える。
【0040】
その他実施形態に係る通信制御方法は、前記所定の周波数帯が、前記D2D近傍サービスで使用可能な周波数帯である場合、前記ユーザ端末が、前記D2D周波数帯を示す情報によって示される周波数帯よりも前記所定の周波数帯を優先して前記D2D近傍サービスで使用するステップをさらに備える。
【0041】
第1実施形態及びその他実施形態において、前記所定の周波数帯は、前記D2D近傍サービスでの使用が許可されていない。
【0042】
第2実施形態に係る通信制御方法は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記通信制御方法は、第1のセルを管理する第1の基地局が、前記第1のセルおいて前記D2D近傍サービスに使用可能なリソースに関する第1のD2Dリソース情報を送信するステップと、前記第1のセルと異なる第2のセルに在圏するユーザ端末が、前記第1の基地局から前記第1のD2Dリソース情報を受信するステップと、を備える。
【0043】
第2実施形態では、前記第1のセル及び前記第2のセルは、異なるPLMNに属する。
【0044】
第2実施形態では、前記第1のD2Dリソース情報を受信する受信ステップにおいて、前記ユーザ端末が、前記第2のセルを管理する第2の基地局から受信した前記第1のセルに関連する情報に基づいて、前記第1のD2Dリソース情報を受信する。
【0045】
第2実施形態では、前記第1のセルに関連する情報は、前記第1のセルを示すセル識別子である。
【0046】
第2実施形態では、前記第1のセルが運用される周波数帯と、前記第2のセルが運用される周波数帯とが異なっている。前記第1のセルに関連する情報は、前記第2のセルが運用される周波数帯を示す周波数情報である。
【0047】
第2実施形態では、前記第1のD2Dリソース情報を送信するステップにおいて、前記第1の基地局が、前記第1のD2Dリソース情報をシステム情報ブロックに含めて前記第1のセル内にブロードキャストで送信する。
【0048】
第2実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記第1の基地局から受信した前記第1のD2Dリソース情報を、前記第2のセルを管理する第2の基地局に送信するステップをさらに備える。
【0049】
第2実施形態に係る通信制御方法は、前記第2の基地局が、前記第2のセルに在圏する他のユーザ端末に、前記ユーザ端末から受信した前記第1のD2Dリソース情報を送信するステップをさらに備える。
【0050】
第2実施形態では、前記第1のD2Dリソースは、前記第1のセルにおいて前記D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯を示す周波数情報を含む。前記第1のD2Dリソース情報を送信するステップにおいて、前記第2の基地局は、前記第1のセルにおいて前記D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯と前記第2の基地局が使用する周波数帯と異なる場合にのみ、前記第1のD2Dリソース情報を前記他のユーザ端末に送信する。
【0051】
第2実施形態に係る通信制御方法は、前記第2のセルを管理する第2の基地局が、D2Dリソース情報を前記第2のセル内にブロードキャストで送信するステップと、前記第1のユーザ端末が、前記第2の基地局からの前記D2Dリソース情報を受信し、前記第1の基地局に送信するステップと、前記第1の基地局が、前記第1のユーザ端末から受信した前記D2Dリソース情報に基づいて、前記第1の基地局が保持するD2Dリソース情報を更新するステップと、をさらに備える。
【0052】
第1及び第2実施形態に係るユーザ端末は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、所定の周波数帯を使用する通信装置から前記所定の周波数帯において送信された少なくとも1つのD2Dリソース通知を受信する受信部を備える。前記D2Dリソース通知は、前記D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。
【0053】
第1及び第2実施形態に係るユーザ端末に備えられるプロセッサは、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記プロセッサは、所定の周波数帯を使用する通信装置から前記所定の周波数帯において送信された少なくとも1つのD2Dリソース通知を受信する処理を実行する。前記D2Dリソース通知は、前記D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。
【0054】
第1及び第2実施形態に係る通信装置は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、所定の周波数帯を使用する。前記通信装置は、前記所定の周波数帯において少なくとも1つのD2Dリソース通知をユーザ端末に送信する送信部を備える。前記D2Dリソース通知は、前記D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。
【0055】
第1及び第2実施形態に係る通信装置に備えられるプロセッサは、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、所定の周波数帯を使用する処理を実行する。前記プロセッサは、前記所定の周波数帯において少なくとも1つのD2Dリソース通知をユーザ端末に送信する処理を実行する。前記D2Dリソース通知は、前記D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。
【0056】
第2実施形態に係るユーザ端末は、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、前記ユーザ端末が在圏するセルと異なる他のセルを管理する基地局から、前記他のセルにおいて前記D2D近傍サービスに使用可能なリソースに関するD2Dリソース情報を受信する受信部を備える。
【0057】
第2実施形態に係るユーザ端末に備えられるプロセッサは、D2D近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記プロセッサは、前記ユーザ端末が在圏するセルと異なる他のセルを管理する基地局から、前記他のセルにおいて前記D2D近傍サービスに使用可能なリソースに関するD2Dリソース情報を受信する処理を実行する。
【0058】
[第1実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の第1実施形態を説明する。
【0059】
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
【0060】
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
【0061】
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
【0062】
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能或いは周波数帯を示す用語としても使用される。
【0063】
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワークが構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、OAM(Operation and Maintenance)400とを含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。OAM400は、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
【0064】
図2は、UE100のブロック図である。
図2に示すように、UE100は、アンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
【0065】
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
【0066】
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
【0067】
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
【0068】
図3は、eNB200のブロック図である。
図3に示すように、eNB200は、アンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
【0069】
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
【0070】
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して近隣eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
【0071】
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
【0072】
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
【0073】
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
【0074】
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)、UE100への割当リソースブロックを決定(スケジューリング)するスケジューラを含む。
【0075】
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
【0076】
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0077】
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100は接続状態(RRC接続状態)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRCアイドル状態)である。
【0078】
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
【0079】
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンク(DL)にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンク(UL)にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
【0080】
図5に示すように、無線フレーム(システムフレーム)は、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各スロットは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。
【0081】
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
【0082】
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
【0083】
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
【0084】
(D2D近傍サービス)
以下において、D2D近傍サービスについて説明する。第1実施形態に係るLTEシステムは、D2D近傍サービスをサポートする。D2D近傍サービスについては非特許文献1に記載されているが、ここではその概要を説明する。
【0085】
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のUE100からなる同期クラスタ内で直接的なUE間通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍UEを発見するD2D発見手順(Discovery)と、直接的なUE間通信であるD2D通信(Communication)と、を含む。D2D通信は、Direct communicationとも称される。
【0086】
同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ内に位置するシナリオを「カバレッジ内(In coverage)」という。同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「カバレッジ外(Out of coverage)」という。同期クラスタのうち一部のUE100がセルカバレッジ内に位置し、残りのUE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「部分的カバレッジ(Partial coverage)」という。
【0087】
カバレッジ内では、例えばeNB200がD2D同期元となる。D2D非同期元は、D2D同期信号を送信せずにD2D同期元に同期する。D2D同期元であるeNB200は、D2D近傍サービスで使用可能なD2D無線リソースに関するD2Dリソース情報を、D2Dリソース通知としてブロードキャスト信号により送信する。D2Dリソース情報は、例えば、D2D発見手順に使用可能な無線リソースを示す情報(Discoveryリソース情報)及びD2D通信に使用可能な無線リソースを示す情報(Communicationリソース情報)を含む。D2D非同期元であるUE100は、eNB200から受信するD2Dリソース情報に基づいて、D2D発見手順及びD2D通信を行う。
【0088】
カバレッジ外又は部分的カバレッジでは、例えばUE100がD2D同期元となる。カバレッジ外では、D2D同期元であるUE100は、D2D近傍サービスで使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、例えばD2D同期信号により送信する。D2D同期信号は、端末間同期を確立するD2D同期手順において送信される信号である。D2D同期信号は、D2DSS及び物理D2D同期チャネル(PD2DSCH)を含む。D2DSSは、時間・周波数の同期基準を提供する信号である。PD2DSCHは、D2DSSよりも多くの情報を運搬する物理チャネルである。PD2DSCHは、上述したD2Dリソース情報(Discoveryリソース情報、Communicationリソース情報)を運搬する。或いは、D2DSSにD2Dリソース情報を関連付けることにより、PD2DSCHを不要としてもよい。
【0089】
D2D発見手順は、主にD2D通信をユニキャストで行う場合に利用される。一のUE100は、他のUE100とのD2D通信を開始しようとする場合に、D2D発見手順に使用可能な無線リソースのうち何れかの無線リソースを用いて、Discovery信号(D2D発見信号)を送信する。当該他のUE100は、当該一のUE100とのD2D通信を開始しようとする場合に、D2D発見手順に使用可能な無線リソース内でDiscovery信号をスキャンし、Discovery信号を受信する。Discovery信号は、当該一のUE100がD2D通信に使用する無線リソースを示す情報を含んでもよい。
【0090】
次に、D2D通信を例に挙げて、LTEシステムの通常の通信であるセルラ通信とD2D近傍サービスにおける無線通信とを比較して説明する。
図6は、第1実施形態に係るD2D近傍サービス(例えば、D2D通信)を説明するための図である。
【0091】
セルラ通信は、データパスがネットワーク(E−UTRAN10、EPC20)を経由する通信形態である。データパスとは、ユーザデータの伝送経路である。
【0092】
これに対し、
図6に示すように、D2D近傍サービスにおける無線通信は、UE間に設定されるデータパスがネットワークを経由しない通信形態である。相互に近接する複数のUE100(UE100−1及びUE100−2)からなるD2D UE群は、低送信電力で直接的に無線通信を行う。前述の通り、このようなD2D UE群が「クラスタ」(同期クラスタ)である。
【0093】
UE100−1及びUE100−2は同期がとられている。また、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、近傍発見(Discovery)処理により相手UEを認識していてもよい。なお、第1実施形態(及び後述する一部のその他実施形態)において、「D2D通信」には、「Discovery処理」が含まれていてもよい。すなわち、D2D近傍サービスにおける無線通信(具体的には、D2D発見手順(Discovery)における無線通信及びD2D通信(Communication)における無線通信)を総称して「D2D通信」と説明していることがあるので、留意すべきである。
【0094】
D2D通信の周波数帯は、セルラ通信の周波数帯と共用されてもよく、セルラ通信の周波数帯と異なる周波数帯であってもよい。このように、近接する複数のUE100が低送信電力で直接的に無線通信を行うことにより、セルラ通信に比べ、UE100の消費電力を削減できる。
【0095】
第1実施形態では、下位レイヤにおけるD2D通信の形態として主としてブロードキャストを想定する。例えばD2D通信にCSMA(Carrier Sense Multiple Access)が適用される。このようなブロードキャストによるD2D通信は、災害時などにおける公安(Public Safety)の用途に特に好適である。但し、上位レイヤで暗号化などを行うことにより、グループキャスト(マルチキャスト)又はユニキャストに応用可能である。
【0096】
なお、In coverageケースには、同期クラスタを形成する各UE100が同一セルに在圏する「Intra−cell」ケースと、同期クラスタを形成する各UE100が複数セルに分散して在圏する「Inter−cell」ケースと、がある。
【0097】
(第1実施形態に係る動作)
図7は、第1実施形態に係る動作を説明するための図である。
図8は、第1実施形態に係るD2Dリソース通知を説明するための図である。
【0098】
図7に示すように、それぞれ異なる周波数帯に属する複数のセルが配置されている。eNB200−1は、2GHz帯に属するセル#1と800MHz帯に属するセル#2とを管理している。eNB200−2は、1.7GHz帯に属するセル#3を管理している。eNB200−3は、3.5GHz帯に属するセル#4を管理している。セル#4は、セル#3内に配置される小型のセル(例えばピコセル又はフェムトセル)である。例えば、800MHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、及び3.5GHz帯は、同一のオペレータに割り当てられたオペレータ・バンドである。800MHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、及び3.5GHz帯のそれぞれは、キャリアアグリゲーションにおけるコンポーネントキャリアとして使用されてもよい。各コンポーネントキャリアは、周波数方向に複数のリソースブロックを含む。
【0099】
セル#2には、複数のUE100が在圏している。セル#2は、UE100のサービングセルである。UE100は、セル#2においてRRC接続状態であってもよく、セル#2においてRRCアイドル状態であってもよい。複数のUE100のうちUE100−1は、セル#2及びセル#3の重複領域内であって、かつセル#1の近傍に位置する。UE100は、D2D通信の開始を希望している、又はD2D通信を実行中である。
【0100】
このようなIn coverageでのD2D通信を想定すると、D2D通信とセルラ通信との間の干渉を回避するために、eNB200の管理下でD2D通信を行うことが考えられる。例えば、eNB200−1は、セル#2が属する800MHz帯の中から、D2D通信に使用可能なD2D無線リソース(リソースブロック、サブフレームなど)を確保して、当該D2D無線リソースをUE100に通知する。しかしながら、このような方法では、D2D無線リソースを確保することにより、セルラ通信に使用可能な無線リソースが相対的に減少する。
【0101】
そこで、第1実施形態では、セル#2が属する800MHz帯とは異なる周波数帯を、UE100−1及びUE100−2がD2D通信に使用可能とすることにより、セルラ通信に使用可能な無線リソースを減少させることなくD2D通信を可能とする。
【0102】
第1実施形態に係る通信制御方法は、800MHz帯をセルラ通信に使用するeNB200−1が、800MHz帯において少なくとも1つのD2Dリソース通知(Resource indication for D2D)を送信する送信ステップと、UE100が、800MHz帯において送信されたD2Dリソース通知を受信する受信ステップと、を備える。第1実施形態において、800MHz帯は所定の周波数帯に相当する。eNB200−1は、所定の周波数帯を使用する通信装置に相当する。以下においては、eNB200−1が800MHz帯において送信するD2Dリソース通知に着目して説明する。
【0103】
D2Dリソース通知(D2Dリソース情報)は、D2D通信に使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。第1実施形態では、D2D周波数帯は、800MHz帯とは異なる周波数帯である。
図7に示す動作環境では、800MHz帯に属するセル#2の遠方に、3.5GHz帯に属するセル#4が配置されているため、干渉を回避する観点から、セル#2におけるD2D周波数帯を3.5GHz帯とすることが好ましい。
【0104】
これに対し、2GHz帯に属するセル#1はセル#2内に配置されているため、干渉を回避する観点から、セル#2におけるD2D周波数帯を2GHz帯とすることは好ましくない。また、1.7GHz帯に属するセル#3はセル#2の近隣に配置されているため、干渉を回避する観点から、セル#2におけるD2D周波数帯を1.7GHz帯とすることは好ましくない。但し、詳細については後述するが、干渉を回避できる所定の条件が満たされる場合には、セル#2において1.7GHz帯及び2GHz帯をD2D通信に使用可能としてもよい。
【0105】
なお、eNB200−1は、近隣eNB(eNB200−2及びeNB200−3)との基地局間通信を行うことにより、D2D周波数帯を決定する。或いは、EPC20により決定されたD2D周波数帯がeNB200−1に通知及び設定されてもよい。
【0106】
第1実施形態では、eNB200−1は、D2D周波数帯が800MHz帯とは異なる周波数帯である場合に限り、D2D周波数帯を示す情報をD2Dリソース通知に含める。すなわち、800MHz帯をD2D周波数帯とする場合には、eNB200−1は、D2D周波数帯を示す情報をD2Dリソース通知に含めなくてもよい。
【0107】
第1実施形態では、eNB200−1は、800MHz帯においてD2Dリソース通知をブロードキャストで送信する。UE100は、800MHz帯においてブロードキャストで送信されたD2Dリソース通知を受信する。例えば、D2Dリソース通知は、セル#2の全UEに共通のRRCメッセージであるSIB(System Information Block)の情報要素とすることができる。SIBによりD2Dリソース通知を送信することで、RRCアイドル状態のUE100であってもD2Dリソース通知を取得できる。但し、D2Dリソース通知をブロードキャストで送信する場合に限らず、RRC接続状態のUE100に対してD2Dリソース通知をユニキャストで送信してもよい。
【0108】
図8に示すように、D2D周波数帯を示す情報は、D2D周波数帯の中心周波数を示す情報I1と、D2D周波数帯の帯域幅を示す情報I2と、を含む。情報I2は、例えばD2D周波数帯の帯域幅に対応するリソースブロック数である。
【0109】
また、D2Dリソース通知(D2Dリソース情報)は、D2D周波数帯に対応する複数の無線リソースのうちD2D通信に使用可能な無線リソースであるD2D無線リソースを示す情報を含んでもよい。D2D無線リソースを示す情報は、当該D2D無線リソースを構成するリソースブロックを示す情報I3である。情報I3は例えばリソースブロック番号である。D2D無線リソースを示す情報は、当該D2D無線リソースを構成するサブフレームを示す情報I6であってもよい。情報I6は例えばサブフレーム番号である。
【0110】
D2Dリソース通知(D2Dリソース情報)は、D2D周波数帯及び/又はD2D無線リソースを使用したD2D通信に適用される送信電力制御パラメータI4を含んでもよい。送信電力制御パラメータI4は、例えばD2D通信の最大送信電力「PMax」である。UE100は、D2D送信電力「P」を例えば以下の算出式を用いて決定する。
【0111】
P = Min(PMax, Min(IMax + PLCell, PO_Nominal_D2D+ αPLD2D))
【0112】
ここで、「IMax」はセルへの与干渉制限を示し、「PLCell」はセルとの間のパスロスを示し、「PO_Nominal_D2D」はベースとなるD2D送信電力を示し、「α」はパスロス補償係数を示し、「PLD2D」はD2D通信相手との間のパスロスを示す。上記のような算出式を用いる場合、送信電力制御パラメータI4は、「IMax」、「PO_Nominal_D2D」、「α」を含んでもよい。なお、「PO_Nominal_D2D」はUE個別の値としてもよい。
【0113】
但し、D2Dリソース通知においてD2D無線リソース及び/又はD2D送信電力を明示的に示す場合に限らず、D2D無線リソース及び/又はD2D送信電力を暗示的に示してもよい。この場合、D2Dリソース通知は、D2D周波数帯(及び/又はD2D無線リソース)をD2D通信に使用するユースケースを示す情報I5を含んでもよい。ユースケースは、D2D通信に適用される送信電力制御パラメータ、及び/又はD2D通信に使用可能な無線リソースであるD2D無線リソースと関連付けられている。例えばD2D無線リソースをD2Dリソース通知において指定しない場合に、ユースケースはD2D無線リソースと関連付けられてもよい。D2D送信電力制御パラメータをD2Dリソース通知において指定しない場合に、ユースケースはD2D送信電力制御パラメータと関連付けられてもよい。
【0114】
ユースケースとは、商用(Commercial)又は公安(Public Safety)である。例えば、「CommercialではD2D最大送信電力が23dBmであり、Public SafetyではD2D最大送信電力が23dBmを超えてもよい」といったルールがUE100に予め設定されており、UE100は、当該ルールに則ってD2D送信電力を制御する。なお、Commercial及びPublic Safetyのそれぞれは、さらに細分化されてもよい。
【0115】
上記のルールに代えて、「UE power class」(TS36.101参照)を用いたルールとしてもよい。例えば「Public SafetyではUE power class 1 (31dBm)を適用する」といったルールであってもよい。
【0116】
D2Dリソース通知(D2Dリソース情報)は、D2D周波数帯を使用可能とする条件である使用可能条件を示す情報I7を含んでもよい。UE100は、使用可能条件を示す情報I7に基づいて、D2D周波数帯をD2D通信に使用可能か否かを判断する。
【0117】
使用可能条件は、D2D周波数帯についてのサーチ(例えばセルサーチ)が成功しないこと、D2D周波数帯についての測定結果(例えば参照信号受信電力)が閾値よりも悪いこと、のうち少なくとも1つである。これにより、D2Dリソース通知により示されるD2D周波数帯が干渉を引き起こす可能性がある場合に、当該D2D周波数帯をD2D通信に使用しないようにすることができる。
【0118】
或いは、使用可能条件は、D2D周波数帯を使用する許可をeNB200−1から得られたことであってもよい。この場合、UE100は、D2D周波数帯についての測定結果に関する報告をeNB200−1に送信する。eNB200−1は、当該報告に基づいて、D2D周波数帯を使用する許可をUE100に与えるか否かを判断する。これにより、D2Dリソース通知により示されるD2D周波数帯が干渉を引き起こす可能性がある場合に、D2D周波数帯をD2D通信に使用しないようにすることができる。
【0119】
D2Dリソース通知(D2Dリソース情報)は、D2D通信に関する処理における時間同期及び/又は周波数同期の基準(以下、「D2D同期基準」という)とすべき同期対象を指定するための情報I8を含んでもよい。D2D通信に関する処理とは、例えばDiscovery処理、D2D送信処理、D2D受信処理などである。情報I8は、例えばD2D同期基準とすべき周波数帯を示す情報、又はD2D同期基準とすべきセルのセル識別子である。UE100は、指定された同期対象(周波数帯或いはセル)をD2D同期基準とする。これにより、複数のUE100が異なるセルからD2Dリソース通知を受信する場合において、D2D周波数帯及びD2D同期基準を統一するようD2Dリソース通知を構成すれば、当該複数のUE100によりInter−cellのD2D通信を行うことができる。
【0120】
但し、必ずしも情報I8をD2Dリソース通知に含めなくてもよい。この場合、UE100は、D2Dリソース通知の送信元(周波数帯或いはセル)をD2D同期基準とする。
【0121】
(第1実施形態のまとめ)
上述したように、第1実施形態に係る通信制御方法は、所定の周波数帯をセルラ通信に使用するeNB200−1が、当該所定の周波数帯において少なくとも1つのD2Dリソース通知を送信する送信ステップと、UE100が、当該所定の周波数帯において送信されたD2Dリソース通知を受信する受信ステップと、を備える。D2Dリソース通知は、D2D通信に使用可能な周波数帯であるD2D周波数帯を示す情報を含む。これにより、当該所定の周波数帯とは異なる周波数帯をD2D通信に使用可能とすることができる。従って、セルラ通信に使用可能な無線リソースを減少させることなくD2D通信を可能とすることができる。
【0122】
[第1実施形態の変更例]
D2Dリソース通知は、上述した情報だけでなく、以下の情報のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0123】
・DiscoveryサブフレームのConfiguration
Discoveryサブフレームは、Discovery処理に用いられるサブフレームである。DiscoveryサブフレームのConfigurationは、例えばDiscovery処理に用いられるシステムフレーム番号及びサブフレーム番号のリストである。或いは、DiscoveryサブフレームのConfigurationは、Discoveryサブフレームが設けられる周期及び期間であってもよい。
【0124】
・Discovery信号のConfiguration
Discovery信号は、Discovery処理において送受信されるDiscovery処理用無線信号である。Discovery信号のConfigurationは、例えばDiscovery信号の送信に用いるリソースブロック数、及び時間/周波数/電力方向のホッピングパターン決定用パラメータである。
【0125】
・D2D制御チャネル用リソースブロックのConfiguration
D2D制御チャネルは、UE−UE間の制御チャネルである。D2D制御チャネル用リソースブロックのConfigurationは、例えばD2D制御チャネルに対応するリソースブロック番号である。
【0126】
・Discovery信号の送信制御方法
Discovery信号の送信制御方法は、ネットワークあるいはクラスタヘッドによるフルコントロール、又はCSMAの何れかである。
【0127】
・Communication信号の送信制御方法
Communication信号は、D2D通信において送受信される無線信号であって、主にユーザデータ信号である。Communication信号の送信制御方法は、ネットワークあるいはクラスタヘッドによるフルコントロール、又はCSMAの何れかである。
【0128】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1実施形態と同様の部分は、説明を省略する。
【0129】
第1実施形態では、セルラ通信に使用する所定の周波数帯とは異なる周波数帯をD2D通信に使用することによって、セルラ通信に使用可能な無線リソースを減少させることなくD2D通信を可能としていた。第2実施形態では、他のPLMN(Public Land Mobile Network)における周波数帯をD2D通信に使用することによって、セルラ通信に使用可能な無線リソースを減少させることなくD2D通信を可能とする。
【0130】
また、UE100−1及びUE100−2が、異なるセルに在圏するケースを想定する。この場合に、UE100−1が在圏するセル(第1のセル)とUE100−2が在圏するセル(第2のセル)とで、D2D近傍サービス(例えば、D2D発見手順、D2D通信など)に使用可能な時間・周波数リソース(D2D無線リソース)が異なる可能性がある。その結果、異なるセルに在圏するUE間でD2D通信を開始できず、D2D近傍サービスを利用できない虞がある。
【0131】
そこで、第2実施形態では、異なるセルに在圏するUE間でD2D近傍サービスを利用可能とするための動作についても、説明する。
【0132】
(第2実施形態に係る動作)
以下において、第2実施形態に係る動作について説明する。
図10は、第2実施形態に係る動作環境を示す図である。
【0133】
図10に示すように、eNB200#1は、ネットワークオペレータ#1のLTEネットワークであるPLMN#1に含まれている。従って、eNB♯1は、PLMN♯1に属する。PLMN#1には、周波数帯#1(Freq.#1)が割り当てられている。eNB200#1は、周波数帯#1のセル#1を管理する。セル♯1は、周波数帯♯1に属し、PLMN♯1に属する。
【0134】
UE100#1は、セル#1に在圏しており、PLMN#1に位置登録を行っている。すなわち、UE100#1は、PLMN#1に属する。例えば、UE100#1は、セル#1においてRRCアイドル状態である。或いは、UE100#1は、セル#1においてRRCコネクティッド状態であってもよい。
【0135】
eNB200#2は、ネットワークオペレータ#2のLTEネットワークであるPLMN#2に含まれている。従って、eNB♯2は、PLMN♯2に属する。PLMN#2には、周波数帯#2(Freq.#2)が割り当てられている。eNB200#2は、周波数帯#2のセル#2を管理する。セル♯2は、周波数帯♯2に属し、PLMN♯2に属する。セル#2は、セル#1と異なるセルである。本実施形態において、セル♯2は、セル♯1の近隣に位置する。セル♯2は、セル♯1に隣接してもよいし、セル♯1と重なっていてもよいし、セル♯1と離れていてもよい。eNB200#2は、eNB200#1と同期がとられている。或いは、eNB200#2は、eNB200#1と非同期であってもよい。
【0136】
UE100#2は、セル#2に在圏しており、PLMN#2に位置登録を行っている。すなわち、UE100#2は、PLMN#2に属する。UE100#2は、セル#2においてRRCアイドル状態である。或いは、UE100#2は、セル#2においてRRCコネクティッド状態であってもよい。
【0137】
このような動作環境において、上述したD2D近傍サービスをUE100#1及びUE100#2に適用するケース(すなわち、UE100♯1及びUE100♯2がD2D近傍サービスを利用するケース)を想定する。
【0138】
このようなケースでは、UE100#1は、eNB200#1から第1のD2Dリソース情報(例えば、Discoveryリソース情報、Communicationリソース情報など)を受信する。第1のD2Dリソース情報は、セル♯1においてD2D近傍サービスで使用可能なD2D無線リソースに関する情報である。具体的には、eNB200#1が送信するDiscoveryリソース情報及びCommunicationリソース情報のそれぞれは、周波数帯#1に含まれる無線リソースを示している。(第1の)D2Dリソース情報の詳細は、後述する。
【0139】
UE100#2は、eNB200#2から第2のD2Dリソース情報(例えば、Discoveryリソース情報、Communicationリソース情報など)を受信する。第2のD2Dリソース情報は、セル♯2においてD2D近傍サービスで使用可能なD2D無線リソースに関する情報である。具体的には、eNB200#2が送信するDiscoveryリソース情報及びCommunicationリソース情報のそれぞれは、周波数帯#2に含まれる無線リソースを示している。
【0140】
UE100#1がD2D発見手順/D2D通信に使用する周波数帯#1は、UE100#2がD2D発見手順/D2D通信に使用する周波数帯#2と一致しない可能性があるため、異なるPLMNに属するUE100#1及びUE100#2によりD2D通信を開始できない虞がある。
【0141】
そこで、実施形態では、以下に示す動作により、異なるPLMNに属するユーザ端末間でD2D通信を開始可能となる。
【0142】
(A)第1の動作
第1の動作について、
図11を用いて説明する。
図11は、実施形態に係る第1の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0143】
なお、以下において、UE100♯1は、eNB200♯2(セル♯2)からの無線信号を受信可能な位置に存在し、UE100♯2は、eNB200♯1(セル♯1)からの無線信号を受信可能な位置に存在すると仮定して説明を進める。
【0144】
図11に示すように、ステップS101において、eNB200♯1は、第1のD2Dリソース情報を含むシステム情報ブロック(SIB:System Information Block)をセル♯1内にブロードキャストで送信する。すなわち、eNB200♯1は、周波数帯♯1の無線リソースを用いて、第1のD2Dリソース情報を含むSIBをブロードキャストで送信する。同様に、eNB200♯2は、周波数帯♯2の無線リソースを用いて、第2のD2Dリソース情報を含むSIBをセル♯2内にブロードキャストで送信する。これらのSIBは、D2Dリソース通知に相当する。
【0145】
UE100♯1は、セル♯1が属するPLMN♯1において運用される周波数帯#1と異なる周波数帯を対象として、スキャンを行う。具体的には、UE100♯1は、周波数帯♯2においてセル探索を行う。UE100♯1は、セル探索によって周波数帯♯2のセル♯2を発見し、セル♯2(eNB200♯2)からのSIBを受信する。一方、UE100♯2は、UE100♯1と同様にして、セル探索によって周波数帯♯1のセル♯1を発見し、セル♯1(eNB200♯1)からのSIBを受信する。
【0146】
ステップS102において、UE100♯1は、SIBをデコードして、第2のD2Dリソース情報を復号し、第2のD2Dリソース情報の内容を読み込む。これによって、UE100♯1は、第2のD2Dリソース情報を受信(取得)する。例えば、UE100♯1は、セル♯2(周波数帯♯2)においてD2D近傍サービス(D2D通信)が許可されているかどうかを把握する。従って、UE100♯1は、他PLMNにおけるD2Dリソース情報が含まれる無線信号を傍受する。一方、UE100♯2は、UE100♯1と同様にして、第1のD2Dリソース情報を読み込む。これによって、UE100♯2は、第1のD2Dリソース情報を受信(取得)する。
【0147】
ステップS103において、UE100♯1及びUE100♯2のそれぞれは、第1のD2Dリソース情報及び第2のD2Dリソース情報に基づいて、D2D通信を行う。
【0148】
例えば、UE100♯1は、PLMN♯1において使用が許可されている周波数帯♯1を用いて、D2D発見信号を送信する。UE100♯2は、第1のD2Dリソース情報に基づいて、周波数帯♯1を用いて送信されるD2D発見信号を受信する。これにより、UE100♯2は、UE100♯1を発見する。一方、UE100♯2は、PLMN♯2において使用が許可されている周波数帯♯2を用いて、D2D発見信号(又は、UE100♯1からのD2D発見信号に対する応答)を送信する。UE100♯1は、第2のD2Dリソース情報に基づいて、UE100♯2からのD2D発見信号を受信する。これにより、UE100♯1とUE100♯2とは、D2D通信の通信相手となり得る相手端末を発見できる。
【0149】
相手端末を発見したUE100♯1とUE100♯2とは、上述のD2D発見信号と同様の動作によって、D2D通信を行うことができる。これにより、UE100♯1とUE100♯2とは、互いに自PLMN内で許可されている周波数帯でD2D通信を行うことができる。
【0150】
第1の動作によれば、各UE100は、異なるPLMNにおけるD2Dリソース情報を取得することができるため、異なるPLMNに属するユーザ端末間でD2D通信を開始可能となる。
【0151】
(B)第2の動作
次に、第2の動作について、
図12を用いて説明する。
図12は、実施形態に係る第2の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0152】
第1の動作では、UE100が、他のPLMNに属する他のeNB200(他のセル)から他のセル(他のPLMN)におけるD2Dリソース情報を受信していた。第2の動作では、UE100は、UE100が在圏するセルから他のセルにおけるD2Dリソース情報を受信する。
【0153】
図12に示すように、ステップS201において、eNB200♯1は、eNB200♯2に対して、第1のD2Dリソース情報を、NW(ネットワーク)を介して送信(通知)する。また、eNB200♯1は、eNB200♯2から、第2のD2Dリソース情報を、NWを介して受信する。これにより、eNB200♯1とeNB200♯2とは、互いのD2Dリソース情報を交換し、共有する。eNB200♯1は、第2のD2Dリソース情報に基づいて、eNB200♯1のD2Dリソースの設定(すなわち、第1のD2Dリソース情報)を変更することができる。eNB200♯2も、eNB200♯1と同様に、第1のD2Dリソース情報に基づいて、D2Dリソースの設定(すなわち、第2のD2Dリソース情報)を変更することができる。このようにして、eNB200♯1とeNB200♯2とは、D2Dリソースについて協調する。
【0154】
なお、第1のD2Dリソース情報は、セル♯1においてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯♯1に関する周波数リソース情報を含む。同様に、第2のD2Dリソース情報は、セル♯2においてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯♯2に関する周波数リソース情報を含む。
【0155】
また、eNB200♯1は、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報に関するInter−PLMN リストを保持している場合、eNB200♯2からの第2のD2Dリソース情報に基づいて、当該Inter−PLMNリストを更新してもよい。すなわち、eNB200♯1は、第2のD2Dリソース情報に基づいて、eNB200♯1が保持するセル♯2においてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯♯2の情報を更新してもよい。eNB200♯2についても同様である。
【0156】
ステップS202において、eNB200♯2は、第1のD2Dリソース情報を含むSIBを、セル♯2内にブロードキャストで送信する。UE100♯2は、第1のD2Dリソース情報を受信する。なお、eNB200♯2は、第1のD2Dリソース情報に加えて、第2のD2Dリソース情報を含むSIBを送信してもよい。
【0157】
ステップS203において、eNB200♯1は、ステップS202と同様に、第2のD2Dリソース情報を含むSIBを送信する。UE100♯1は、第2のD2Dリソース情報を受信する。
【0158】
ステップS204において、UE100♯1は、eNB200♯1から受信した第2のD2Dリソース情報に基づいて、PLMN♯2で使用可能なD2Dリソースの周波数帯(周波数帯♯2)のモニタ(監視)を開始する。具体的には、UE100♯1は、周波数帯♯2のスキャンを開始する。
【0159】
ステップS205において、UE100♯2は、第2のD2Dリソース情報に基づいて、D2D無線信号を送信する。具体的には、UE100♯2は、周波数帯♯2のD2Dリソースを用いて、D2D無線信号を送信する。周波数帯♯2をモニタしていたUE100♯1は、UE100♯2からのD2D無線信号を受信する。
【0160】
ステップS206において、UE100♯1は、モニタを終了する。UE100♯1は、モニタを開始して所定期間経過した場合、或いは、所定時刻になった場合に、モニタを終了してもよいし、D2D無線信号の受信をトリガとして、モニタを終了してもよい。
【0161】
ステップS207において、UE100♯2は、eNB200♯2から受信した第1のD2Dリソース情報に基づいて、PLMN♯1で使用可能なD2Dリソースの周波数帯(周波数帯♯1)のモニタを開始する。
【0162】
ステップS208において、UE100♯1は、第1のD2Dリソース情報に基づいて、D2D無線信号を送信する。具体的には、UE100♯1は、周波数帯♯1のD2Dリソースを用いて、D2D無線信号を送信する。D2D無線信号は、UE100♯2からのD2D無線信号に対する応答信号であってもよい。
【0163】
周波数帯♯1をモニタしていたUE100♯2は、UE100♯1からのD2D無線信号を受信する。
【0164】
ステップS209において、UE100♯2は、ステップS206と同様に、モニタを終了する。
【0165】
UE100♯1及びUE100♯2のそれぞれは、受信したD2D無線信号に基づいて、D2D近傍サービスを利用できる。
【0166】
第2の動作によれば、UE100は、自PLMNにおける周波数帯しかスキャンできない場合であっても、異なるPLMNにおけるD2Dリソース情報を取得することができる。その結果、異なるPLMNに属するユーザ端末間でD2D通信を開始可能となる。
【0167】
(C)第2の動作の変更例1
次に、第2の動作の変更例1について、
図13を用いて説明する。
図13は、第2実施形態に係る第2の動作の変更例1を説明するためのシーケンス図である。
【0168】
第2の動作では、eNB200が、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報を自主的にUE100に送信していた。第2の動作例の変更例1では、UE100からの要求に応じて、当該D2Dリソース情報を送信する。
【0169】
図13に示すように、ステップS301は、ステップS201に対応する。
【0170】
ステップS302において、UE100♯1は、D2D近傍サービスの利用が可能となる。具体的には、UE100♯1は、ユーザからのマニュアル入力によって、D2D近傍サービスの利用が可能となる。或いは、UE100♯1は、D2D近傍サービスに関する管理サーバからD2D近傍サービスの許可信号を受信したことによって、D2D近傍サービスの利用が可能となってもよい。
【0171】
或いは、PLMN♯1におけるD2D近傍サービスの利用が可能であるUE100♯1が、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスの利用が可能であってもよい。
【0172】
UE100♯2も、UE100♯1と同様に、D2D近傍サービスの利用が可能となる。
【0173】
ステップS303において、UE100♯1は、第1のD2Dリソース情報と異なるD2Dリソース情報の要求であるInter−PLMN/Freq. setting requestをeNB200♯1に送信する。UE100♯1は、D2D近傍サービスを利用する場合に、Inter−PLMN/Freq. setting requestを送信してもよい。UE100♯2は、UE100♯1と同様に、第2のD2Dリソース情報と異なるD2Dリソース情報を要求する。
【0174】
ステップS304において、eNB200♯1は、UE100♯1からの要求に対する応答(Inter−PLMN/Freq. setting response)をUE100♯1に送信する。当該応答は、第2のD2Dリソース情報を含む。具体的には、異なるPLMNにおいてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯(具体的には、周波数帯♯2)を示す情報を含む。或いは、異なるセルにおいてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯を示す情報を含む。
【0175】
eNB200♯2は、eNB200♯1と同様に、UE100♯1からの要求に対する応答をUE100♯2に送信する。当該応答は、第1のD2Dリソース情報を含む。
【0176】
ステップS305は、ステップS103に対応する。
【0177】
第2の動作の変更例1により、UE100は、他PLMNにおけるD2Dリソース情報が必要な場合に要求することができる。例えば、UE100は、自PLMN内にD2D近傍サービスの相手端末が存在しない場合に、当該要求をすることができる。
【0178】
(D)第2の動作の変更例2
次に、第2の動作の変更例2について、
図14を用いて説明する。
図14は、実施形態に係る第2の動作の変更例2を説明するためのシーケンス図である。
【0179】
第2の動作では、eNB200(例えば、eNB200♯1)が、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報(例えば、第2のD2Dリソース情報)を他のeNB200(例えば、eNB200♯2)から受信していた。第2の動作例の変更例2では、eNB200が、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報をUE100から受信する。
【0180】
図14に示すように、ステップS401において、eNB200♯1は、異なるPLMN(周波数)において使用可能な周波数帯のスキャンの要求(Inter−PLMN/Freq. scan request)をUE100♯1aに送信する。当該要求は、スキャンを要求する周波数帯(例えば、周波数帯♯2)の情報を含んでもよい。
【0181】
UE100♯1aは、eNB200♯1からの要求の受信に応じて、スキャンを開始する。UE100♯1aは、当該要求に含まれる周波数帯の情報に基づいて、スキャンを行ってもよいし、周波数帯♯1と異なる周波数帯を対象としてスキャンを行ってもよい。
【0182】
ステップS402は、ステップS101に対応する。具体的には、UE100♯1aは、eNB200♯2から第2のD2Dリソース情報(D2Dリソース通知)を受信する。
【0183】
ステップS403において、UE100♯1aは、eNB200♯2から受信した第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1に送信(報告)する。eNB200♯1は、UE100♯1aから第2のD2Dリソース情報を受信する。
【0184】
ステップS404において、eNB200♯1は、UE100♯1aから受信した第2のD2Dリソース情報に基づいて、eNB200♯1が保持する第2のD2Dリソース情報を更新する。例えば、eNB200♯1は、Inter−PLMNリストを更新する。eNB200♯1は、第2のD2Dリソース情報がない場合、Inter−PLMNリストに登録する。
【0185】
ステップS405において、eNB200♯1は、更新した第2のリソース情報を含むSIBをセル♯1内にブロードキャストする。UE100♯1a及びUE100♯1bのそれぞれは、更新した第2のリソース情報を受信する。
【0186】
第2の動作の変更例2によれば、eNB200♯1は、eNB200♯2から第2のD2Dリソース情報を受信しない(できない)場合であっても、eNB200♯1は、第2のD2Dリソース情報を取得することができる。
【0187】
(E)第2の動作の変更例3
次に、第2の動作の変更例3について、
図15を用いて説明する。
図15は、実施形態に係る第2の動作の変更例3を説明するためのシーケンス図である。
【0188】
第2の動作の変更例2では、eNB200が、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報をUE100から受信する。一方、第2の動作例の変更例3では、複数のPLMNにおけるD2Dリソースを管理する管理サーバが存在し、eNB200は、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報を当該管理サーバから受信する。
【0189】
図15に示すように、ステップS501において、eNB200♯1は、起動する。
【0190】
ステップS502において、eNB200♯1は、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスの設定が利用可能であると判定する。
【0191】
ステップS503において、eNB200♯1は、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスを利用するための設定要求(Configuration request)を、NW♯1を介して管理サーバ(Server)に送信する。
【0192】
管理サーバは、複数のPLMNにおけるD2Dリソースを管理する。管理サーバは、複数のPLMNから独立した第3者サーバ(third party server)であってもよい。例えば、管理サーバは、複数のPLMNのそれぞれにおいて使用可能な周波数帯を管理する。
【0193】
ステップS504において、管理サーバは、eNB200♯1からの設定要求に対する応答(Response)をPLMN1に属するNW1(ネットワーク、具体的には、PLMN1に属するEPC20のエンティティ)に送信する。当該応答は、eNB200♯1(セル♯1)において、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスを利用するための設定情報を含む。例えば、設定情報は、eNB200♯1において、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯情報を含む。また、設定情報は、eNB200♯1の隣接eNB(eNB200♯2)におけるD2Dリソース情報(すなわち、第2のD2Dリソース情報)を含んでもよい。
【0194】
ステップS505において、NW♯1は、管理サーバからの応答(に含まれる設定情報)を承認するか否かを判定する。具体的には、NW♯1は、設定情報に基づいて、PLMN♯1内において承認(使用)可能なD2Dリソースの設定であるか否かを判定する。
【0195】
なお、NW♯1は、管理サーバからの応答を承認しない場合、管理サーバに当該応答を承認しない旨を通知してもよい。管理サーバは、NW♯1からの通知に基づいて、新たな設定情報を含む応答をNW♯1に送信してもよい。
【0196】
ステップS506において、NW♯1は、管理サーバからの応答を承認した場合、当該応答をeNB200♯1に送信する。
【0197】
ステップS507において、eNB200♯1は、当該応答に含まれる設定情報に基づいて、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスを利用するための設定を行う。eNB200♯1は、設定情報に他のPLMNにおけるD2Dリソース情報が含まれる場合、設定情報に基づいて、Inter−PLMNリストを作成してもよい。
【0198】
また、eNB200♯1は、設定情報に他のPLMNにおけるD2Dリソース情報が含まれない場合であっても、eNB200♯1に問い合わせることによって、他のPLMNにおけるD2Dリソース情報を取得できる。
【0199】
また、eNB200♯1は、設定の変更を希望する場合、ステップS503と同様に、管理サーバに設定要求を送信できる。eNB200♯1は、管理サーバからの応答に基づいて、異なるPLMN間におけるD2D近傍サービスを利用するための再設定(設定変更)を行う。
【0200】
この場合、eNB200♯1は、管理サーバに問い合わせることによって、他のPLMNにおける最新のD2Dリソース情報を取得できる。
【0201】
第2の動作の変更例3によれば、eNB200は、複数のPLMNのそれぞれからD2Dリソース情報を取得せずに、複数のPLMNにおけるD2Dリソース情報を一括して取得可能である。また、管理サーバが第3者サーバである場合、他のPLMNへ情報を送信しなくて可能となるため、情報の漏洩を避けることができる。
【0202】
(D2Dリソース情報)
次に、D2Dリソース情報について説明する。D2Dリソース情報は、D2Dリソース通知として送信することができる。
【0203】
D2Dリソース情報は、D2D近傍サービスに使用可能な/使用する無線リソースに関する情報である。D2Dリソース情報は、セルにおいて使用可能な/使用するD2Dリソースを示すリソース情報を含む。或いは、D2Dリソース情報は、セルが属するPLMNにおいて使用可能な/使用するD2Dリソースを示すリソース情報を含む。リソース情報は、D2Dリソースの配置を示すパラメータ情報である。
【0204】
リソース情報は、D2Dリソースの周波数(周波数帯)に関する周波数リソース情報を含む。周波数リソース情報は、D2Dリソースの周波数帯の中心周波数を示す情報と、D2Dリソースの周波数帯の帯域幅を示す情報と、を含む。周波数リソース情報は、eNB200(セル)において使用可能なD2Dリソースのオペレーションバンドを示す情報であってもよい。また、周波数リソース情報は、オペレーションバンド内のリソースブロック番号を含んでもよい。
【0205】
また、リソース情報は、D2Dリソースの時間に関する時間リソース情報を含む。時間リソース情報は、システムフレーム番号、サブフレーム番号、開始/終了サブフレーム、送信期間、のうち少なくとも1つである。
【0206】
D2D設定情報は、D2Dリソースの種類(送信候補のリソース/受信候補のリソース)を示す情報を含んでもよい。なお、送信候補のリソースは、送信用のリソースとして確保されている送信リソースプール(Tx resource pool)であってもよいし、送信用に割り当てられたリソースであってもよい。受信候補のリソースは、受信用のリソースとして確保されている受信リソースプール(Rx resource pool)であってもよいし、受信用に割り当てられたリソースであってもよい。
【0207】
D2Dリソース情報は、PLMN識別子を含んでもよい。UE100♯1は、PLMN♯2のPLMN識別子に基づいて、D2D無線信号を送信したUE100♯2について、eNB200♯1を介して、PLMN♯2が管理するサーバ等に問い合わせることができる。
【0208】
D2Dリソース情報は、D2D無線信号に適用される変調方式・符号化率(MCS)を示す情報を含んでもよい。D2D無線信号に適用されるMCSが可変である場合に必要な情報である。例えば、eNB200♯1は、UE100♯1に対して、UE100♯2からのD2D無線信号に適用されているMCSを通知することができる。当該情報は、D2D無線信号の送信内容を解釈するための情報に該当する。
【0209】
D2Dリソース情報は、D2D無線信号の再送回数を示す情報を含んでもよい。eNB200♯1は、UE100♯1に対して、UE100♯2からのD2D無線信号の再送回数を通知することができる。
【0210】
D2Dリソース情報は、D2D無線信号に適用される暗号化設定(encryption key、integrity algorism)を示す情報を含んでもよい。当該情報は、D2D無線信号が暗号化される場合に必要な情報である。eNB200♯1は、UE100♯1に対して、UE100♯2からのD2D無線信号に適用されている暗号化設定を通知することができる。当該情報は、D2D無線信号の送信内容を解釈するための情報に該当する。
【0211】
D2Dリソース情報は、D2D無線信号に適用されるメッセージフォーマットの識別子を含んでもよい。当該識別子は、D2D通信に可変CP長、可変メッセージ/制御ビット数等が適用される場合に、D2D無線信号(の送信内容)を解釈するために必要な情報である。eNB200♯1は、UE100♯1に対して、UE100♯2からのD2D無線信号に適用されているメッセージフォーマットの識別子を通知することができる。
【0212】
D2Dリソース情報は、D2Dリソースがセルラ通信におけるリソースと共用であるか否かを示す情報を含んでもよい。D2Dリソースがセルラ通信におけるリソースと共用である場合、セルラ通信への干渉/セルラ通信からの干渉が発生するため、eNB200が、送信電力制御を行うために当該情報を利用できる。
【0213】
D2Dリソース情報は、PLMN間の同期に関する情報を含んでもよい。具体的には、当該情報は、PLMN♯1とPLMN♯2とが同期しているか否かを示すフラグ情報である。当該情報は、PLMN間で同期していることを示す同期フラグを示してもよいし、PLMN間で同期していないことを示す非同期フラグであってよい。また、D2Dリソース情報は、同様に、セル間の同期に関する情報を含んでもよい。当該情報は、セル♯1とセル♯2とが同期しているか否かを示すフラグ情報である。UE100♯1は、PLMN♯1とPLMN♯2とが同期してない場合、或いは、セル♯1とセル♯2とが同期していない場合、セル♯2と同期した後にD2D無線信号の送受信を行う。これにより、UE100♯1は、UE100♯2からのD2D無線信号を受信でき、UE100♯2は、UE100♯1からのD2D無線信号を受信できる。
【0214】
(第2実施形態のまとめ)
上述したように、第2実施形態に係る通信制御方法では、D2Dリソース通知(D2Dリソース情報)に含まれるD2D周波数帯を示す情報は、他のPLMNにおいて使用可能な周波数帯を示す。これにより、eNB200は、自セルが属する周波数帯の中から、D2D近傍サービスに使用可能なD2D無線リソースを確保しない場合であっても、UE100は、他のPLMNにおいて使用可能な周波数帯を使用してD2D近傍サービスを利用可能である。従って、セルラ通信に利用可能な無線リソースを減少させることなくD2D近傍サービスを利用可能とすることができる。
【0215】
また、UE100は、異なるPLMNにおけるD2Dリソース情報を取得することができるため、異なるPLMNに属するユーザ端末間でD2D近傍サービスを利用可能となる。
【0216】
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態では、eNB200−1は、800MHz帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定するD2Dリソース通知を800MHz帯において送信していた。さらに、eNB200−1は、2GHz帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定するD2Dリソース通知を2GHz帯において送信してもよい。同様に、eNB200−2は、1.7GHz帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定するD2Dリソース通知を1.7GHz帯において送信してもよい。eNB200−3は、3.5GHz帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定するD2Dリソース通知を3.5GHz帯において送信してもよい。
【0217】
また、上述した第1実施形態においては、800MHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、及び3.5GHz帯といった広い帯域幅を有する周波数帯を取り扱う一例を説明した。しかしながら、このような周波数帯ではなく、細分化された周波数帯を取り扱う構成としてもよい。例えば、800MHz帯のうち800−820MHz帯を使用するeNB200が、800−820MHz帯とは異なる820−840MHz帯をD2D周波数帯として指定するD2Dリソース通知を、800−820MHz帯において送信してもよい。このように、周波数帯の帯域幅を問わず、D2Dリソース通知の送信に使用される周波数帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定できればよい。
【0218】
また、上述した第1実施形態においては、D2D周波数帯に対してeNB200が行う制御について特に触れなかったが、次のような制御を行ってもよい。具体的には、eNB200は、D2Dリソース通知の送信に使用される周波数帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定する場合で、かつD2D周波数帯がセルラの上りリンク周波数帯に該当する場合に、D2D周波数帯(上りリンク周波数帯)におけるPUCCH用リソースブロック数をゼロにしてもよい。
【0219】
上述した第1実施形態では、D2D周波数帯は、オペレータ・バンド(例えば800MHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、及び3.5GHz帯)の中から設定されていた。しかしながら、オペレータ・バンド以外の周波数帯(例えばIMSバンド)をD2D周波数帯として設定してもよい。
【0220】
上述した第1実施形態では、In coverageケースにおいて、D2D周波数帯をeNB200が指定していた。しかしながら、例えばOut of coverageケース(又はPartial coverageケース)を想定すると、制御UEがD2D周波数帯を指定してもよい。制御UEは、クラスタにおける同期の基準となり、当該クラスタにおいてD2D通信を制御するUEである。以下において、このような制御UEを「クラスタヘッド」と称する。
【0221】
図9は、その他の実施形態に係る動作を説明するための図である。
図9に示すように、それぞれ異なる周波数帯をD2D通信に使用する複数のクラスタが形成されている。各クラスタにはクラスタヘッド(CHUE)が存在する。800MHz帯をD2D通信に使用するクラスタは、CHUE100−Xと、その他のUE100−1及びUE100−2と、からなる。このような動作環境において、CHUE100−Xは、800MHz帯とは異なる周波数帯をD2D周波数帯として指定するD2Dリソース通知を800MHz帯においてUE100−1及びUE100−2に送信する。この場合、CHUE100−Xは、本発明に係る通信装置に相当する。すなわち、上述した実施形態に係る動作においてeNB200−1をCHUE100−Xと読み替えることにより、上述した実施形態に係る動作を
図9に示す動作環境に応用できる。
【0222】
上述した第1実施形態では、UE100に対して送信されるD2Dリソース通知について説明したが、D2D周波数帯等の情報をeNB200間で共有するために、D2Dリソース通知をeNB200間で送受信してもよい。また、D2D周波数帯等をEPC20で決定する場合に、D2Dリソース通知をEPC20からeNB200に対して送信してもよい。さらに、
図9に示すような動作環境において、D2D周波数帯等の情報をクラスタヘッド間で共有するために、D2Dリソース通知をクラスタヘッド間で送受信してもよい。
【0223】
上述した第1実施形態について、D2D通信(Communication)を例に挙げて説明したが、これに限られない。D2Dリソース通知は、D2D近傍サービスで使用可能なD2D周波数帯を示す情報として、D2D近傍サービスにおいて送信されるD2D無線信号の送受信に使用可能な周波数帯を示す情報を含むことができる。具体的には、D2D周波数帯は、D2D発見手順において送信されるD2D発見信号、D2D通信において送信されるD2D通信信号、D2D同期手順において送信されるD2D同期信号、及び、D2D通信におけるユーザデータの送信に使用される無線リソースの位置を示す情報(スケジューリング割当(SA):Scheduling Assignment)を含む制御信号の少なくとも何れかの送受信に使用可能な周波数帯である。
【0224】
上述した第1実施形態では、送信電力制御パラメータを、D2D通信に適用されるパラメータとして説明したが、D2D近傍サービスで適用されるパラメータであればよい。例えば、当該パラメータは、D2D発見手順(又はD2D同期手順)に適用されるパラメータであってもよい。
【0225】
上述した第1実施形態では、ユースケースを示す情報を、D2D周波数帯をD2D通信に使用するユースケースを示す情報として説明したが、D2D周波数帯をD2D近傍サービスで使用するユースケースを示す情報であればよい。例えば、ユースケースを示す情報は、D2D発見手順(又はD2D同期手順)に使用するユースケースを示す情報であってもよい。
【0226】
上述した第1実施形態では、UE100が、使用可能条件を示す情報に基づいて、D2D周波数帯をD2D通信に使用可能か否かを判断していたが、使用可能条件を示す情報に基づいて、D2D周波数帯をD2D近傍サービスで使用可能か否かを判断してもよい。例えば、UE100は、使用可能条件を示す情報に基づいて、D2D周波数帯をD2D発見手順(又はD2D同期手順)に使用可能か否かを判断してもよい。
【0227】
上述した第1及び第2実施形態では、D2D近傍サービスにおいて使用可能な/使用する周波数リソースが時間によって変化(ホッピング)するケースについて特に触れなかった。しかしながら、D2D近傍サービスにおいて使用可能な/使用する周波数リソースが時間によって変化(ホッピング)してもよい。この場合、上述したリソース情報は、かかるホッピングのパターン(ホッピングパターン)を示すように構成されてもよい。
【0228】
上述した第2実施形態に係る第1の動作では、PLMN♯1に属するUE100♯1及びPLMN♯2に属するUE100♯2のそれぞれが、他方のPLMNに属するセルから、他セルにおけるD2Dリソース情報を受信していたが、これに限られない。一方のUE100が、他セルにおけるD2Dリソース情報を受信してもよい。例えば、UE100♯1は、第2のD2Dリソース情報をセル♯2(eNB200♯2)から受信した場合、第2のD2Dリソース情報に基づいて、UE100♯2からのD2D発見信号を受信したり、UE100♯2へD2D発見信号を送信したり、UE100♯2とD2D通信をしたりしてもよい。
【0229】
上述した第2実施形態に係る第2の動作の変更例2では、eNB200♯1は、UE100♯1aから受信した第2のD2Dリソース情報に基づいて、第2のリソース情報を含むSIBをセル♯1内にブロードキャストしていたが、これに限られない。eNB200♯1は、UE100♯1aから受信した第2のD2Dリソース情報に基づいて、eNB200♯1が使用する周波数帯♯1と、eNB200♯2(セル♯2)においてD2D近傍サービスで使用可能な周波数帯とが異なる場合にのみ、eNB200♯1は、第2のリソース情報を含むSIBをセル♯1内にブロードキャストしてもよい。これによれば、eNB200♯1が使用する周波数帯♯1とeNB200♯2(セル♯2)においてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯とが同じである場合、UE100♯1は、eNB200♯2においてD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯を使用可能であるため、不要なシグナリングを省略することができる。
【0230】
上述した第2実施形態に係る第1及び第2の動作において、eNB200♯1及びeNB200♯2とは、トンネリングによってD2Dリソース情報を送受信してもよい。また、eNB200♯1(及び/eNB200♯2)は、X2/S1インターフェイスを介してD2Dリソース情報を送信してもよい。
【0231】
上述した第2実施形態に係る第2の動作の変更例において、管理サーバ(Server)がPLMN♯1に属する場合、すなわち、管理サーバが、PLMN♯1に属するEPC20のエンティティである場合、ステップS505の処理(NW♯1の承認)を省略できる。管理サーバがeNB200♯1からの設定要求に対する応答(Response)をeNB200♯1に送信してもよい。
【0232】
上述した第2実施形態では、D2Dリソース情報が、Discoveryリソース情報及び/又はCommunicationリソース情報であるとして、説明したが、D2Dリソース情報は、D2D同期手順に使用可能な無線リソースであってもよい。すなわち、D2Dリソース情報は、D2D同期信号におけるD2D同期信号の送受信にしようされる無線リソースを示す情報であってもよい。或いは、D2Dリソース情報は、D2D通信におけるユーザデータの送信に用いられる(すなわち、D2D通信データの受信のための)無線リソースの位置を示す情報(スケジューリング割当(SA):Scheduling Assignment)を含む制御信号の送受信に使用可能な無線リソースであってもよい。
【0233】
従って、周波数リソース情報が示す周波数帯は、D2D発見信号、D2D通信信号、D2D同期信号、及び、SAを示す情報を含む制御信号の少なくとも何れかの送受信に使用可能な周波数帯である。
【0234】
上述した第2実施形態において、各変更例を含む複数の動作例は、適宜組み合わせることが可能である。例えば、eNB200♯1は、eNB200♯2から第2のD2Dリソース情報を受信すると共に、UE100♯1から第2のD2Dリソース情報を受信してもよい。
【0235】
上述した第2実施形態では、UE100#1及びUE100#2が、異なるPLMNに属している一例を説明した。しかしながら、UE100#1及びUE100#2は、異なる周波数帯をD2D近傍サービスに使用する前提下で、同じPLMNに属していてもよい。従って、同じPLMNに属するeNB200間において、本発明が適用可能である。
【0236】
例えば、
図16に示すような動作環境において、後述する方法を行うことができる。
図16は、その他実施形態に係る動作環境を示す図である。
【0237】
図16に示すように、MeNB200には、周波数帯#1(Freq.♯1)が割り当てられており、MeNB200は、周波数帯#1(Freq.♯1)のマクロセル(Macro cell)を管理する。ここで、MeNB200は、割り当てられた周波数帯♯1の範囲内でD2D近傍サービスで使用可能なD2Dリソースを設定すると仮定して説明を進める。MeNB200は、自セルであるマクロセルに在圏するMUE100に対して、マクロセルにおけるD2Dリソース情報(D2Dリソース通知)を送信する。MUE100は、受信したD2Dリソース情報に基づいて、周波数帯♯1の範囲内に設定されたD2Dリソースを使用して、D2D近傍サービスを利用できる。
【0238】
PeNB200は、マクロセル内に設置される。PeNB200には、周波数帯♯1と異なる周波数帯#2(Freq.♯2)が割り当てられており、PeNB200は、周波数帯#2(Freq.♯2)のピコセル(Pico cell)を管理する。ここで、PeNB200は、割り当てられた周波数帯♯2の範囲内でD2D近傍サービスに使用可能なD2Dリソースを設定すると仮定して説明を進める。PeNB200は、自セルであるピコセルに在圏するPUE100に対して、ピコセルにおけるD2Dリソース情報(D2Dリソース通知)を送信する。PUE100は、受信したD2Dリソース情報に基づいて、周波数帯♯2の範囲内に設定されたD2Dリソースを使用して、D2D近傍サービスを利用できる。
【0239】
このようなケースにおいて、MUE100とPUE100とは、物理的に近い距離に位置する場合であっても、MUE100がD2D近傍サービスに使用可能なD2Dリソースは、PUE100がD2D近傍サービスに使用可能なD2Dリソースと一致しないため、MUE100とPUE100との間でD2D通信を開始できない。このような場合に、以下の方法を行うことによって、異なる周波数帯をD2D近傍サービスに利用する前提下で、異なるセルに在圏するMUE100とPUE100との間でD2D通信を開始可能となる。
【0240】
第1の方法は、上述の第1の動作と同様に、PUE100が、マクロセルにおけるD2Dリソース情報を受信するという方法である。
図17を用いて、第1の方法を説明する。
図17は、その他実施形態に係る第1の方法を説明するためのシーケンス図である。
【0241】
図17に示すように、ステップS601において、OAM400は、参照セル設定情報(Reference cell configuration)をMeNB200及びPeNB200に送信する。
【0242】
ここで、参照セル設定情報は、近隣のセルを示すセル識別子を含む。従って、MeNB200は、PeNB200が管理するピコセルのセル識別子を含む参照セル設定情報を受信し、PeNB200は、MeNB200が管理するマクロセルセルのセル識別子を含む参照セル設定情報を受信する。
【0243】
ステップS602において、PeNB200は、D2D通信の対象を制限するために、マクロセルに関連するマクロセル情報をPUE100に送信する。PeNB200は、マクロセル情報を含むSIBをピコセル内にブロードキャストで送信できる。PUE100は、マクロセル情報を受信する。
【0244】
マクロセル情報は、マクロセルのセル識別子を含む。また、マクロセル情報は、マクロセルが運用される周波数帯♯1を示す情報を含んでもよい。
【0245】
ステップS603において、PUE100は、マクロセル情報に基づいて、D2Dリソース情報を受信(すなわち、取得)する対象となるセルとして、マクロセルを設定する。
【0246】
ステップS604において、MeNB200は、マクロセルにおけるD2Dリソース情報(D2D resource pools)を含むSIB(D2Dリソース通知)をマクロセル内にブロードキャストで送信する。一方、PUE100は、セル探索によってマクロセルを発見する。PUE100は、マクロセル情報に周波数帯♯1を示す情報が含まれていた場合、周波数帯♯1を対象としてスキャンを行ってもよい。
【0247】
PUE100は、発見したマクロセルが、D2Dリソース情報を受信する対象となるセルに設定されているため、MeNB200からのSIBをデコードして、マクロセルのD2Dリソース情報を受信(取得)する。
【0248】
ステップS605において、PUE100は、受信したD2Dリソース情報に基づく無線リソースを使用して、D2D発見手順を行い、MUE100とD2D通信を行う。
【0249】
第1の方法によれば、eNB200(MeNB200/PeNB200)が、割り当てられた周波数帯内の範囲内に設定されたD2Dリソースしか自セルのUE(MUE100/PUE100)に通知しない場合であっても、異なるセルに在圏するUE間でD2D通信できる。
【0250】
第2の方法は、上述の第2の動作と同様に、PUE100が、PeNB200からマクロセルにおけるD2Dリソース情報を受信するという方法である。
図18を用いて、第2の方法を説明する。
図18は、その他実施形態に係る第2の方法を説明するためのシーケンス図である。
【0251】
図18に示すように、ステップS701において、OAM400は、D2D周波数帯設定情報(D2D band configration)をMeNB200及びPeNB200に送信する。
【0252】
ここで、D2D周波数帯設定情報は、近隣のセルにおけるD2Dリソースプールを示す周波数の識別情報であるEARFCN(E−UTRA ARFCN)を含む。従って、MeNB200は、PeNB200が管理するピコセルにおけるD2Dリソースプールを示す周波数の識別情報を受信し、PeNB200は、マクロセルにおけるD2Dリソースプールを示す周波数の識別情報を受信する。
【0253】
ステップS702において、PeNB200は、マクロセルにおけるD2Dリソースプールを示す周波数の識別情報をPUE100に送信する。PeNB200は、当該周波数の識別情報を含むSIBをピコセル内にブロードキャストで送信できる。PUE100は、マクロセルにおけるD2Dリソースプールを示す周波数の識別情報を受信する。
【0254】
ステップS703において、PUE100は、周波数の識別情報が示す周波数帯の監視を開始する。具体的には、PUE100は、D2Dリソースプールに含まれるD2D送信リソースプールの周波数帯を対象としてスキャンを開始する。
【0255】
ステップS704において、MeNB200は、マクロセルにおけるD2DリソースプールをMUE100に送信する。
【0256】
ステップS705において、MUE100は、受信したD2Dリソースプールに含まれるD2D送信リソースプール内の無線リソースを使用して、D2D発見手順を実行する。具体的には、MUE100は、当該無線リソースを使用して、Discovery信号を送信する。一方、マクロセルにおけるD2D送信リソースプールの周波数帯の監視を行っているPUE100は、MUE100からのDiscovery信号を受信し、MUE100を発見する。その後、MUE100とPUE100との間で、D2D通信を開始する。
【0257】
第3の方法は、PUE100が、PUE100に予め設定された設定情報(pre−config.)に基づいて、所定の周波数帯を監視するという方法である。
【0258】
PUE100は、マクロセルにおけるD2Dリソースプールの周波数帯を含む周波数の識別情報を設定情報として予め設定している。PUE100は、当該周波数の識別情報に基づいて、周波数帯の監視を開始する。後の動作は、上述の第2の方法と同様である。
【0259】
第4の方法は、MeNB200が、自セルの運用周波数と異なる運用周波数でセルを運用しているPeNB200に対して、D2Dリソースを要求するという方法である。
図19を用いて、第4の方法を説明する。
図19は、その他実施形態に係る第4の方法を説明するためのシーケンス図である。
【0260】
なお、eNB200(MeNB200/PeNB200)は、割り当てられた周波数帯内の範囲内に設定されたD2Dリソースを自セルのUE(MUE100/PUE100)に通知していると仮定して説明を進める。
【0261】
図19に示すように、ステップS801において、MeNB200とPeNB200とは、eNB configuration updateを用いて、自セルの情報を交換する。自セルの情報は、自セルの運用周波数を示す情報を含む。
【0262】
ステップS802において、MeNB200は、自セルの運用周波数とPeNB200が管理するセルの運用周波数とが合致するか否かを判定する。MeNB200は、これらの運用周波数が合致する場合、処理を終了する。一方、MeNB200は、これらの運用周波数が合致しない場合、運用周波数の差分を確認する。具体的には、MeNB200は、ピコセルの運用周波数を特定する。
【0263】
ステップS803において、MeNB200は、特定した運用周波数(差分バンド)のD2D設定通知要求をPeNB200に送信する。D2D設定通知要求は、特定した運用周波数を示す情報を含む。
【0264】
ステップS804において、D2D設定通知要求を受信したPeNB200は、特定された運用周波数が使用される自セルにおけるD2Dリソースの設定を示す情報を含むD2D設定通知応答をMeNB200に送信する。
【0265】
D2Dリソースの設定を示す情報は、D2Dリソースプール(D2D送信リソースプール/D2D受信リソースプール)の設定を示す情報であってもよいし、D2D近傍サービスの種類毎のD2Dリソースプール(Discoveryリソース情報及び/又はCommunicationリソース情報など)の設定を示す情報であってもよい。
【0266】
ステップS805において、MeNB200は、D2D設定通知応答に基づいて、ピコセルにおけるD2Dリソースの設定を示すD2Dリソース情報の少なくとも一部をMUE100に通知する。例えば、MeNB200は、ピコセルにおけるD2Dリソースが、マクロセルにおいて許可しないD2Dリソースを含む場合、許可しないD2Dリソースの情報をUE100に通知しない。
【0267】
第4の方法によれば、eNB200(MeNB200/PeNB200)が、割り当てられた周波数帯内の範囲内に設定されたD2Dリソースしか自セルのUE(MUE100/PUE100)に通知しない場合であっても、異なるセルに在圏するUE間でD2D通信可能となる。
【0268】
なお、MeNB200とPeNB200との関係が逆であってもよい。すなわち、PeNB200が、D2D設定通知要求をMeNB200に送信してもよい。また、対等の関係にあるeNB200間において、第4の方法が行われてもよい。
【0269】
第5の方法は、MeNB200とPeNB200とが、eNB configuration updateを用いて、D2Dリソース情報を交換するという方法である。
図20を用いて、第5の方法を説明する。
図20は、その他実施形態に係る第5の方法を説明するためのシーケンス図である。
【0270】
図20に示すように、ステップS901において、MeNB200とPeNB200とは、eNB configuration updateを用いて、自セルの情報を交換する。自セルの情報は、自セルにおけるD2Dリソースの設定を示すD2Dリソース情報を含む。
【0271】
ステップS902において、MeNB200は、マクロセルの運用周波数とPeNB200が管理するピコセルの運用周波数とが合致しない場合、合致しない運用周波数のセルにおけるD2Dリソースの設定を示すD2Dリソース情報の少なくとも一部をMUE100に通知する。また、PeNB200は、MeNB200と同様に、合致しない運用周波数のセルにおけるD2Dリソースの設定を示すD2Dリソース情報の少なくとも一部をPUE100に通知してもよい。
【0272】
なお、対等の関係にあるeNB200間において、第5の方法が行われてもよい。
【0273】
また、上述した各実施形態において、UE100は、D2Dリソース情報によって示される周波数(帯)だけでなく、D2Dリソース情報によって示される周波数(帯)以外の周波数帯をD2D近傍サービス(例えば、D2D発見手順、D2D通信など)で使用してもよい。例えば、D2Dリソース情報が、D2D近傍サービスで使用可能な周波数のリスト(D2D周波数リスト)である場合、UE100は、D2D周波数リストに存在する周波数以外の周波数において、D2D無線信号の送信又は受信を行う(試みる)ことができる。これにより、UE100は、D2D周波数リストによって示されない周波数においても、D2D近傍サービスを利用することが可能となる。
【0274】
例えば、
図21に示すように、PLMN1に属するeNB200−1が、SIB18によって、D2D周波数リストをブロードキャストし、PLMN1の周波数F1に属するセルに在圏するUE100が、eNB200−1(当該セル)から、D2Dリソース情報として、D2D周波数リストを受信したケースを想定する。当該D2D周波数リスト(以下、第1のD2D周波数リスト)は、D2D近傍サービスで(例えば、D2D発見手順において)使用可能D2D周波数(帯)として、PLMN1に属する周波数F2及びPLMN2に属する周波数F3を示す情報を含む。UE100は、第1のD2D周波数リストに基づいて、セル探索によって周波数F3に属するセルを見つけることができる。
【0275】
一方で、UE100は、PLMN2の周波数F3に属するセル(eNB200−2)から、D2D周波数リスト(以下、第2のD2D周波数リスト)を受信する。第2の周波数リストは、PLMN1に属する周波数F1及びPLMN2に属する周波数F4を示す情報を含む。この場合、UE100は、第1のD2D周波数リストに含まれない周波数F4を使用して、D2D発見信号を送信又は受信を行うことができる。また、UE100は、D2D周波数リストに存在する周波数が属するPLMN以外のPLMNにおいて、D2D無線信号の送信又は受信を行ってもよい。
【0276】
或いは、UE100は、D2D周波数リストに存在する周波数においてのみ、D2D無線信号の送信又は受信を行わなければならなくてもよい。D2D周波数リストに存在しない周波数では、D2D近傍サービスが利用されていない可能性が高いため、UE100は、不要なD2D無線信号の送信又は受信を低減することができる。また、D2D周波数リストに存在しない周波数において行われている通信(例えば、セルラ通信)に与える干渉を低減できる。従って、UE100は、D2D周波数リストに存在しない周波数の使用がネットワーク(eNBを含む)から許可されている(或いは、禁止されていない)場合にのみ、D2D周波数リストに存在しない周波数を使用してもよい。そうでない場合、UE100は、D2D周波数リストに存在しない周波数を使用しなくてもよい。
【0277】
また、UE100は、D2D周波数リストに存在する周波数以外の周波数において、D2D無線信号の送信又は受信を行う場合、周波数に優先順位を付けてもよい。例えば、UE100は、D2D周波数リストに存在する周波数を第1優先の周波数と決定し、D2D周波数リストに存在しない周波数を第2優先の周波数と決定してもよい。UE100は、第1優先の周波数においてD2D無線信号の送信又は受信を行った後に、D2D無線信号の送信又は受信機会がある場合にのみ又はD2D無線信号の送信機会又は受信機会が追加された場合にのみ、第2優先の周波数においてD2D無線信号の送信又は受信を行ってもよい。或いは、UE100は、サービングセルと異なる他の周波数帯を示す周波数リストと共に優先度を示す情報(cellReselectionPriority)をSIBによってeNB200から受信した場合、当該優先度を示す情報に基づいて、D2D周波数リストに存在する(及びD2D周波数リストに存在しない)周波数に優先順位を付けてもよい。UE100は、優先度を示す情報の代わりに、セル(再)選択に関する設定値に基づいて、D2D周波数リストに存在する(及びD2D周波数リストに存在しない)周波数に優先順位を付けてもよい。また、UE100が、周波数に優先順位を付けるだけでなく、eNB200(例えば、サービングセル及び/又は他のセル)から受信したD2D周波数リストに存在する複数の周波数のそれぞれに予め優先順位が付けられていてもよい。UE100は、D2D周波数リストと共に複数の周波数のそれぞれの優先順位を示す情報をeNB200から受信してもよい。或いは、D2D周波数リストに存在する複数の周波数が優先順位の高い(又は低い)順に並んでいてもよい。
【0278】
また、UE100は、D2D周波数の優先順位に基づいて、セル(再)選択を行ってもよい。例えば、UE100は、優先順位の高いD2D周波数をサポートするセル(すなわち、自セルの周波数(帯)が優先順位の高いD2D周波数であるセル)を優先的に選択してもよい。或いは、UE100は、優先順位の低いD2D周波数をサポートするセル(すなわち、自セルの周波数(帯)が優先順位の低いD2D周波数であるセル)を選択しなくてもよい。或いは、UE100は、D2D周波数の優先順位に応じた値を、セル(再)選択の判定式(例えば、Srxlev、Squal、Rs、Rnなど)のオフセット値として使用してもよい。UE100は、D2D周波数リストと共にオフセット値をSIBによってeNB200から取得してもよい。このように、UE100は、D2Dリソース情報(D2Dリソース通知に含まれる情報)を、D2D近傍サービス(例えば、D2D発見信号のモニタ)のために直接的に利用するだけでなく、他の用途(例えば、セル選択)に使用することができる。
【0279】
また、UE100は、D2D近傍サービスへの興味に応じてセル(再)選択を行ってもよい。例えば、UE100は、D2D近傍サービスにおいて送信に興味がある場合、D2D周波数リストに存在するD2D周波数をサポートするセルを優先して選択してもよい。また、UE100は、D2D近傍サービスにおいて受信にのみ興味がある場合、D2D周波数をサポートするセルを選択して、キャンプしてもよい。なお、UE100は、D2D近傍サービスにおいて受信にのみ興味がある場合であっても、通常通りにセル選択を行い、D2D周波数リストに存在する周波数においてモニタを行うことも勿論可能である。
【0280】
また、上述した各実施形態において、UE100は、複数のセル(複数のeNB200)のそれぞれから、D2Dリソース情報を受信した場合、UE100は、受信した複数のD2Dリソース情報に基づいて、D2D近傍サービスを利用してもよい。例えば、UE100は、複数のD2Dリソース情報のそれぞれがD2D周波数リストである場合、複数のD2D周波数リストの少なくとも1つに存在する周波数(例えば、OR演算(論理和)によって示される全ての周波数)において、D2D無線信号の送信又は受信を行ってもよい。これにより、UE100は、D2D近傍サービスで使用可能な最大の数の周波数を使用できるため、多くのUEがD2D近傍サービスの相手端末となり得る。或いは、UE100は、複数のD2D周波数リストに共通して存在する周波数(例えば、AND演算(論理積)によって示される全ての周波数)において、D2D無線信号の送信又は受信を行ってもよい。これにより、UE100は、最も使用されている可能性の高い周波数を使用できる。或いは、UE100は、複数のD2D周波数リストの差分を算出し、複数のD2D周波数リストのそれぞれにのみ存在する周波数(例えば、XOR演算(排他的論理和)によって示される全ての周波数)をeNB200(例えば、サービングセル)に通知してもよい。上述したその他実施形態(
図19参照)と同様に、eNB200は、UE100からの通知に基づいて、自セルのD2Dリソース情報(例えば、D2D周波数リスト)及び/又はeNB200が保持する他のeNB200のD2Dリソース情報(例えば、Inter−PLMNリスト)を更新してもよい。eNB200は、更新したD2Dリソース情報をSIB(例えば、SIB18)によって送信してもよい。また、eNB200は、UE100からの通知に含まれる情報が正しいかどうかを、ネットワーク(例えば、少なくともD2D近傍サービスに使用可能な周波数帯を管理する管理サーバ)に問い合わせてもよい。eNB200は、UE100からの通知に含まれる情報が正しい場合、又は、UE100からの通知に含まれる情報がネットワークに認証された場合に、D2Dリソース情報を更新してもよい。
【0281】
また、上述した第2実施形態に係る第2の動作の変更例2において、eNB200♯1は、UE100♯1aから受信した第2のD2Dリソース情報を、他のUE(具体的には、UE100♯1b)に知らせるために更新した第2のD2Dリソース情報(すなわち、eNB200♯1において最新の第2のD2Dリソース情報)をセル内♯1にブロードキャストしていたが、これに限られない。例えば、eNB200♯1は、D2D近傍サービスに興味がある全てのUE100に対して、個別信号(dedicated signaling)によって、最新の第2のD2Dリソース情報を送信してもよい。この場合、eNB200♯1は、第2のD2Dリソース情報を報告したUE100♯1aに対しては、最新の第2のD2Dリソース情報を送信しなくてもよい。
【0282】
また、UE100♯1aは、ProSe指示(ProSe Indication)によって、eNB200♯2から受信した第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1(サービングセル)に送信してもよい。ProSe指示は、D2D近傍サービスに関する情報をeNBに送信するためのメッセージである。例えば、ProSe指示は、D2D近傍サービスへの興味情報(D2D近傍サービスに興味があることを示す情報/D2D近傍サービスにもはや興味ことを示す情報)を含むメッセージである。
【0283】
また、UE100♯1aは、eNB200♯1からの個別の要求(問い合わせ)に応じて、第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1に送信してもよい。或いは、UE100♯1aは、eNB200♯1からブロードキャストされる情報(例えばSIB)に基づいて、第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1に送信してもよい。例えば、eNB200♯1からブロードキャストされる情報が、第2のD2Dリソース情報の報告を要求する情報を含む場合、UE100♯1aは、第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1に送信してもよい。そうでない場合、UE100♯1aは、第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1に送信しなくてもよい。或いは、UE100♯1aは、eNB200♯1から受信した第2のD2Dリソース情報とeNB200♯2から受信した第2のD2Dリソース情報とが異なる場合にのみ、eNB200♯2から受信した第2のD2Dリソース情報をeNB200♯1に送信してもよい。これにより、eNB200♯1に在圏する全てのUE100が、他のeNBから受信したD2Dリソース情報を報告することを回避することができる。
【0284】
また、UE100♯1aは、eNB200♯2から受信した第2のD2Dリソース情報の全てをeNB200♯1に送信してもよいし、第2のD2Dリソース情報の少なくとも一部をeNB200♯1に送信してもよい。例えば、UE100♯1aは、第2のD2Dリソース情報が複数のD2D周波数を示す場合、eNB200♯1(サービングセル)から受信した第1のD2Dリソース情報によって示されるD2D周波数と重複しているD2D周波数を示す情報の送信を省略してもよい。
【0285】
なお、eNB200♯1は、SIB変更期間(SIB Modification Period)が満了したか否かに基づいて、ブロードキャストされる情報に、第2のD2Dリソース情報の報告を要求する情報を含めるか否かを判定してもよい。具体的には、eNB200♯1は、SIB変更期間が満了した場合に、ブロードキャストされる情報に第2のD2Dリソース情報の報告を要求する情報を含めず、SIB変更期間が満了していない場合に、ブロードキャストされる情報に第2のD2Dリソース情報の報告を要求する情報を含めてもよい。eNB200♯1は、UEから報告された第2のD2Dリソース情報によって更新された第2のD2Dリソース情報を含むSIBをセル♯1内にブロードキャストできる。なお、SIB変更期間は、無線フレーム数で表現される実際の変更周期(modificationPeriodCoeff)*初期ページング周期(defaultPagingCycle)によって算出される。
【0286】
また、上述した第2実施形態(特に、第2の動作)において、eNB200(例えば、eNB200♯2)は、他セルにおいてD2D近傍サービスで使用可能な周波数帯の情報を含むSIB(例えば、第1のD2Dリソース情報を含むSIB)を送信している。この場合において、eNB200♯2が送信するSIBに含まれる第1のD2Dリソース情報は、eNB200♯1が送信する第1のD2Dリソース情報と同じ内容であってもよいし、eNB200♯1が送信する第1のD2Dリソース情報の少なくとも一部であってもよい。
【0287】
また、上述した第2実施形態において、UE100は、サービングセルにおける第1のD2Dリソース情報と他セル(又は他PLMN)における第2のD2Dリソース情報とを保持している場合、第1のD2Dリソース情報を優先的に使用してもよい。例えば、サービングセルにおいてD2D近傍サービスに使用可能なD2Dリソースプールと他セルにおいてD2D近傍サービスに使用可能なD2Dリソースプールとの少なくとも一部が時間方向において重複する場合、UE100は、重複部分において、サービングセルにおけるD2Dリソースプールを優先的にD2D近傍サービス(例えば、D2D発見信号の受信)に使用してもよい。なお、UE100が、無線送受信機110を1つのみ備える場合に、サービングセルにおけるD2Dリソースプール(例えば、送信リソースプール)を、他セルにおけるD2Dリソースプール(例えば、受信リソースプール)よりも優先的に使用してもよい。
【0288】
また、上述した第1実施形態では、セルラ通信に使用可能な無線リソースを減少させることなくD2D通信を可能とするために、サービングセル(具体的には、セル♯2)が属する周波数帯(具体的には、800MHz帯)と異なる周波数帯を、D2D通信に使用可能としていた。すなわち、サービングセルは、D2D近傍サービス(例えば、D2D通信)をサポートしていない場合であっても、D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯を示す情報(例えば、D2D周波数リスト)を送信してもよい。また、サービングセルは、D2D近傍サービスをサポートしていない場合に、D2D近傍サービスに使用可能な周波数帯を示す情報だけでなく、D2D近傍サービスをサポートしているセルがSIB18によって配下のUEに送信するD2Dリソース情報(の少なくとも一部)を送信してもよい。或いは、eNB200が、全ての自セルにおいてD2D近傍サービスをサポートしていない場合に、当該D2Dリソース情報を送信してもよい。なお、D2D近傍サービスをサポートしていないeNB200とは、D2Dリソース情報をSIB及び/又は個別信号によって能力的に送信することができないレガシーeNB200であってもよいし、D2D近傍サービスを(一時的に)許可していないeNB200であってもよいし、D2D近傍サービスを(一時的に)禁止しているeNB200であってもよい。
【0289】
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
【0290】
[付記]
[1]導入
合意事項
・モニタUE(monitoring UE)のためにinter−Frequenvy及びinter−PLMN discoveryをサポートする。
【0291】
・eNBは、(可能であれば、対応するPLMN IDと共に)UEがProSe discovery信号の受信を試みるキャリア(intra−PLMN−inter−frequency及び/又はinter−PLMN−inter−frequency)のリストをSIBで提供してもよい。
【0292】
・セルは、他のキャリアに関する詳細なProSe設定(SIB18)を提供しない。UEが他のキャリア上でProSe discovery信号を受信したい場合、当該他のキャリアからSIB18(及び他の関連するSIB)を読む必要がある。
【0293】
・eNBが、他のintra−PLMNキャリアについての詳細なProSe発見情報を提供してもよいという(設定としての)オプションがあるかどうかは、FFS(さらなる課題)である。
【0294】
・inter−PLMNキャリアに関して、上位レイヤ(higher layers)が、他のProSeキャリアのリストを代わりに提供できるかどうかは、FFSである。
【0295】
・UEは、(ネットワークに許可された場合、)サービングセル上でのみProSe discovery信号を送信する。
【0296】
・intra−及びinter−frequency(及びinter−PLMN) ProSe受信は、Uu受信に影響を与えない(例えば、UEが、ProSe discovery受信を実行するために、アイドル状態及び接続状態でDRX機会を利用したり、利用可能な場合は第2のRXチェインを使用したりする)。UEは、自律的なギャップを作り出すべきではない。
【0297】
・UEは、inter−frequencyセルのSIBからProSe discovery設定を取得しなければならない場合、この動作は、サービングセル上でのUEのUu受信に影響を与えない。
【0298】
・Intra−又はinter−frequency ProSe discovery受信に興味がある(又は興味がなくなった)RRC接続UEは、eNBに「ProSe指示」を送ることによってその旨を示す。
【0299】
この付記では、inter−Frequency及びinter−PLMN discovery(異なる周波数間及び異なるPLMN間におけるD2D発見手順)をサポートするための未解決の課題を、可能な解決策に沿って考察する。
【0300】
[2]Inter−PLMN discovery観点での未解決の課題
この章では、inter−frequency/inter−PLMN discoveryを考察する。
【0301】
(2.1)上位レイヤがinter−PLMNキャリアリストを提供するかどうかに関するFFS
inter−PLMNキャリアに関して、上位レイヤが、他のProSeキャリアのリストを代わりに提供できるかどうかは、FFSである。これは、サービングセルが所定の理由のためにSIB18を提供できない場合に、UEにとって有益な可能性がある。しかしながら、既存のコンセプトを引き継ぐために、RAN(無線アクセスネットワーク)自身が、自身のセルの動作周波数を決定して、且つ、どのキャリアがdiscoveryをサポートするかを決定する責任を有さなくてはならない。さらに、現時点では、上位レイヤ、すなわち、ProSe機能は、ProSe discovery(D2D発見手順)のためのキャリアのリストを提供できない、すなわち、E−UTRANがサービスを提供できない時にProSe直接通信に使用される無線パラメータのみが提供されてもよい。そのような上位レイヤ信号を導入した場合、RANとProSe機能との間の追加のインターフェイスの導入が必要となる。従って、少なくともリリース12では、上位レイヤによって提供されるinter−PLMN ProSe discoveryのための他のキャリアのリストをサポートすべきでないということを提案する。
【0302】
提案1:少なくともリリース12において、ProSe discoveryをサポートするinter−PLMN周波数のリストをRANのみが提供することを前提とすべきである。
【0303】
(2.2)現状の合意のさらなる明確化
(2.2.1)ProSe discoveryキャリアのリストを受信する上でのUE動作
UEがProSe discovery信号の受信を目的にできるキャリアのリストを、eNBはSIBで提供してもよい。これは、当該リストを制限するものであるか、当該リストがUEを補助するものであるかの一方又は両方のように思える。inter−PLMN discovery信号のモニタは、既存のPLMN選択手順の後に実行されるので、より明確にリストを受信する上でのUE動作を定義する必要がある。リストが、モニタUEの不必要な電力消費を減少させるための単なる補助情報である、すなわち、UEは、リストで提供されたキャリア上で送信されたProSe discovery信号のみをモニタしてもしなくてもよい、ことが好ましいと理解する。これは、例えば、
図21に示すように、他のPLMN(すなわち、PLMN2)のSIB18におけるリストに存在し、サービングセル(すなわち、PLMN1)のSIB18のリストには存在しない追加のProSeキャリア(D2D周波数)に、UEが気付いた場合、当該UEは、追加のProSeキャリア上で送信されたdiscovery信号をモニタしてもよいことを意味している。さらに、UEが上位レイヤから許可を得ており、且つ、Uu受信に影響を与えない場合に限り、PLMN1又はPLMN2から受信したSIB18のリストに存在する周波数かどうかに関係なく、UEは、さらに他のPLMN(すなわち、
図21には描かれていないPLMN3)でdiscovery信号をモニタするかどうかをさらに決定してもよい。
【0304】
提案2:UEは、SIB18のリストに存在するProSeキャリア以外のキャリアに合わせることをサービングセルから要求されない。さらに、UEが、サービングセルのSIB18のリストに存在しない周波数をモニタすることに何ら制限を与えない。
【0305】
(2.2.2)「ProSe受信がUu受信に影響を与えない」の明確化
上述の合意事項では、ProSe受信は、Uu受信に影響を与えない(例えば、UEが、ProSe discovery受信を実行するために、アイドル及び接続状態でDRX機会を利用したり、利用可能な場合は第2のRXチェインを使用したりする)ことが表明されている。この合意の主な目的は、UEがProSe discoveryのための自律的なギャップを使用することを避けるためである。これは、eNBから設定されたギャップ(eNB−configured gap)は、メジャメントギャップ手順に関する既存のメカニズムに基づいており、Uu受信に影響を与えると見なされないことを意味する。
【0306】
確認1:明確にeNBから設定されたギャップは、Uu受信に影響を与えると見なされない。
【0307】
DRX機会のみを用いるProSe discoveryは、発見確率の低下、すなわち、ベストエフォートdiscovery、になってもよい。二重のRxチェイン能力を有するUEは、追加の利点を有するけれども、現状、discoveryに関して単一の受信機が前提となっている。さらに、非公安UE(non−public safety UE)は、D2D近傍サービスをサポートするFDDキャリアのDL及びULスペクトル上で同時に受信できなくてもよいことが前提となっている。
【0308】
所見1:DRX機会のみが利用される場合、discovery機会は非常に限定されることがある。
【0309】
DRX機会のみが利用されることによって潜在的にdiscovery機会が低下することを考慮すると、discovery機会は、既存のギャップメカニズムに基づくべきである。しかしながら、ギャップメカニズムがdiscoveryのために機能するために、サービングセルは、Discoveryモニタに興味があるUEに適切なパラメータを設定するために、他のinter−PLMNキャリアについての詳細なProSe発見情報を有するべきである。UEが、他のInter−PLMNキャリア上で送信されたdiscovery信号をモニタするために、他のInter−PLMNキャリアのSIB18を読む必要があることが合意されたので、UEは、既に取得している他のinter−PLMNキャリアについての詳細なProSe発見情報をサービングセルに通知する能力を有する必要があることが前提となるであろう。サービングセルが、関心のあるPLMN間の詳細なProSe発見設定の情報を全く持っていない、すなわち、ネットワークレベルでの協調(すなわち、OAM間又はRAN間での詳細なdiscovery情報の共有)がない場合に、サービングセルが、UEのためにギャップを設定するかどうかを決定する前に当該情報を取得するためのオプションとして、以下の2つのオプションが考えられる。
【0310】
・オプション1:UEは、inter−PLMNセル(異なるPLMNに属するセル)から受信したSIB18の一部又は全部をサービングセルに転送する。UEが、inter−PLMN SIB18情報をサービングセルに送らなくてはならない場合は、さらなる課題である。
【0311】
・オプション2:UEは、可能なギャップ機会、例えば、UEがinter−PLMNセルから受信したSIB18に基づいて決定したギャップパターン、をサービングセルに通知する。
【0312】
オプション1は、UEが複数のSIB18をサービングセルに転送することが必要かもしれないので、シグナリングオーバヘッドの観点から、オプション2の方が、オプション1よりも好ましい。比較した場合、オプション2は、UEが希望するギャップパターンをサービングセルに通知することを必要とするだけである。NW間でのinter−PLMN協調を前提にできるかをサービングセルが示すことができるかどうか、また、inter−PLMN discoveryのためにUE補助が必要かどうかをNWが決定できるかどうかは、さらなる課題である。
【0313】
提案3:サービングセルは、Inter−PLMN discoveryモニタ(異なるPLMN間におけるdiscovery信号の受信)のためのギャップをUEに設定すべきである。当該設定は、UEから要求されたギャップパターンに基づいてもよい。
【0314】
[3]inter−frequency discovery観点での未解決の課題
この章では、inter−frequency/intra−PLMN discoveryを考察する。
【0315】
(3.1)eNBが、他のintra−PLMNキャリアについての詳細なProSe発見情報を提供してもよいという(設定としての)オプションがあるかどうかは、FFSである。
【0316】
Inter−PLMN discoveryとは対照的に、Intra−PLMN discovery(同一PLMNにおけるD2D発見手順)に関して、サービングセルがUEに近隣セルの詳細なProSe発見情報を直接提供しているかどうかに関係なく、サービングセルが近隣セルの詳細なProSe発見情報を有することを前提としてもよい。
【0317】
上記FFSは、サービングセルが自身のSIB18を提供しているだけでなく、他のintra−PLMN周波数の詳細なProSe発見情報を提供してもよいことを示唆している。上記FFSの意義は、サービングセルがinter−frequencyセル(異周波数セル)のProSe発見情報をUEに提供できるかどうかではなく、サービングセルがinter−frequencyセルとの協調が実際にできることである。後者のFFSの意義のみに関して、サービングセルは、詳細なProSe発見情報を提供せずに、inter−frequency ProSe discoveryのためにUEに適切なギャップを設定できる。
【0318】
表1は、2つのケース、(1)UEが他のキャリアからSIB18を直接取得する(ベースライン)、(2)UEが自身のサービングセルからのみSIB18情報を取得する(FFS)ケース、に関する比較を示す。両方のスキームとも欠点を有しているが、FFSスキーム(ケース2)は、UE複雑性を減少させ、ネットワークが設定可能な動作を許容できるという利点を有する。ベースラインスキーム(ケース1)は、既存のDRXメカニズムに依存している。従って、たとえUEが他のキャリアからSIB18を直接取得したとしても、discovery機会が非常に限定されている場合、その情報は、UEにとって全く有用でない。従って、設定オプションとして、eNBが他のintra−PLMN周波数(同一PLMN周波数)についての詳細なProSe発見情報を提供できる能力を有することを提案する。
【0320】
提案4:eNBは、設定オプションとして、SIB及び/又は個別信号を介して他のIntra−PLMNキャリアについての詳細なProSe発見情報を提供してもよい。
【0321】
たとえ提案4が合意できない場合であっても、代替的なスキームを考察することが可能である。表1に示すように、ネットワークが設定可能なdiscovery機会は、UE複雑性の減少だけでなく、discoveryパフォーマンスを確保するのに有益である。サービングセルが、OAMを介してinter−frequency近隣セルのSIB18情報を取得してもよいことを前提にしてもよい。この代替案では、サービングセルが他のIntra−PLMN周波数上でのSIB18の全部の内容を提供しないだけでなく、UEが他のキャリア上でのSIB18の一部又は全部をサービングセルに通知する必要もないが、サービングセルは、discoveryモニタのためのギャップをUEに設定する能力を有している。欠点(シグナリング負荷)を取り除くことができるので、この代替的なスキームは、妥協案になる可能性がある。
【0322】
提案5:たとえサービングセルが詳細ProSe発見情報をUEに提供することに合意できない場合であっても、サービングセルがdiscoveryモニタのための適切なギャップをUEに設定すべきである。
【0323】
(3.2)現在の合意のさらなる明確化
(3.2.1)自身のキャリアでProSe discoveryをサポートしないサービングセルが他のProSeキャリアのリストを提供できるかどうか
eNBは、(可能であれば、対応するPLMN IDと共に)UEがProSe discovery信号の受信を試みるキャリア(intra−PLMN−inter−frequency及び/又はinter−PLMN−inter−frequency)のリストをSIBで提供してもよいことが合意されているが、
図22に示すように、自身のキャリアでProSe discoveryをサポートしないセービングセルが他のProSeキャリアのリストを提供できるかどうかを明確にすべきである。
【0324】
図22は、ProSe discoveryをサポートしないサービングセルにキャンプするモニタUEがProSe discoveryをサポートするキャリアのリストを知りたい場合の一例を示す。サービングセルがSIBでキャリアのリストを提供する場合、モニタUEの動作は、合意されたinter−frequency discoveryと同様である。
【0325】
提案6:自身のキャリアでProSe discoveryをサポートしないサービングセルも他のProSeキャリアのリスト(及び詳細なProSe発見情報(もし提案4が合意された場合))をSIBで提供すべきである。
【0326】
(3.2.2)ProSe指示を受信するNW動作
ProSe discovery(D2D発見手順)及びcommunication(D2D通信)の両方に関して、UEがdiscoveryに関する意図を通知するためにProSe指示をサービングセルに送ることが合意された。ProSe communicationに関して、ProSe指示を受信するeNB動作は、ProSe communicationをサポートするキャリアへUEを移動させるハンドオーバに関するオプションを含む。しかしながら、ProSe discoveryに関して、ProSe指示を受信するNW動作はまだ不明確である。従って、UE動作もまた不明確であり、例えば、UEがProSe指示を送信するトリガが不明確である。
【0327】
提案7:discoveryに関するProSe指示を受信するNWに期待される動作を考察すべきである。
【0328】
以下に示すように、いくつかの候補NW動作がある。
【0329】
(A)ハンドオーバ;ロードバランスの目的として、eNBは、discoveryのためのProSe指示メッセージ内にUEが「興味がある」又は「興味がなくなった」ことを示すかどうかによってキャリアを割り当てるようにUEを移動させてもよい(すなわち、ハンドオーバさせてもよい)。
【0330】
(B)ProSe discovery設定変更;discoveryモニタに関する適切な機会を割り当てるために、eNBは、UEがinter−frequency discoveryに興味があるというProSe指示を受信した上で、DRXパラメータ又は(もし提案3、4又は5が容認可能な場合)ギャップの更新のいずれかをUEに再設定してもよい。
【0331】
intra−frequency discovery興味の受信のための他の観点が考察されてもよいことに留意する。
【0332】
所見2:discoveryのためのProSe指示を受信した上で、サービングセルは、discoveryモニタを補助するために、ハンドオーバの実行及び/又はUEのDRXを変更するオプションを有する。
【0333】
(3.2.3)ProSe指示詳細
(3.2.3.1)周波数情報
discoveryに関して考察されていないが、communicationのためのProSe指示が、送信及び受信を含むProSe communicationをサポートするための所望のProSe周波数を含むことは、合意されている。discovery目的に関して、ProSe指示が所望の周波数を含むこともまた利点がある。例えば、興味のある周波数がサービング周波数であることをUEが示す場合、ハンドオーバは必要とされない可能性が高い。
【0334】
そして、興味のある周波数が異なる周波数であることをUEが示す場合、サービングセルがUEを興味のある周波数にハンドオーバさせる又は少なくともその周波数上でdiscoveryをモニタするためのギャップをUEに提供する必要があってもよい。UEは、興味がある周波数の優先傾向(preferences)がないかもしれないが、将来的に、上位レイヤにおいてアプリケーション特有の周波数が示されたり、UEが特定の周波数でのdiscoveryに関する履歴情報を保持したりする可能性がある。例えば、サービングセルが特定の周波数上でUEのためにギャップを設定し、UEが当該周波数上で興味があるdiscovery信号を受信できる場合、UEが興味のある周波数をサービングセルに示すことは、サービングセルが、その後、UEが興味のない異なる周波数に関するギャップを設定させないために役に立つ。
【0335】
興味のある周波数がサービング周波数であるケースにおいて、UEがinter−frequency discoveryモニタに関する興味を示す方法、例えば、UEが興味のある周波数としてサービング周波数をただ送るかどうかは、FFSである。
【0336】
提案8:UEがProSe指示に興味のある周波数リストを含ませることを許可すべきである。
【0337】
discoveryのためのProSe指示がinter−PLMN discoveryに関する興味も通知できるかどうかは、まだFFSであるが、提案8の周波数リストは、ProSe指示がinter−PLMN discoveryに関する興味を通知するものかどうかを区別するために用いられてもよい。例えば、サービングセルは、ProSe指示の周波数リストと自身のSIB18のリストとを比較する手段を用いて、ProSe指示がinter−PLMN discoveryに関する興味を通知していることを知ることができる。もしギャップを設定するための情報を取得するための提案3が容認可能である場合、サービングセルは、inter−PLMN discoveryモニタを示唆するProSe指示を受信した上で、UEにinter−PLMN discoveryモニタを行わせるための適切な動作を実行すべきである。
【0338】
提案9:intra−又はinter−frequency discoveryに加えて、inter−PLMN discovery受信に関する意図を通知するためのProSe指示を許可すべきである。
【0339】
(3.2.3.2)UE補助情報(UEAssistanceInfomation)の独立又は統一
ProSe指示と同様の機能性に関して、ProSe discoveryリソースを要求するためにUE補助情報メッセージを再利用することが、ベースラインとして合意され、それは、Type2B discovery(すなわち、各UE個別にdiscovery信号のアナウンスのためのリソースが割り当てられる手順)のための送信リソースの要求にのみ関して基本的に前提としていた。従って、ProSe指示をベースライン合意と統一すべきかどうかが課題である。表2に機能がリストアップされている。
【0341】
比較において、UE補助情報は、単にintra−frequency動作における送信リソースの要求を対象としている。一方、ProSe指示は、inter−frequency動作を含む多くの機能を有してもよい。しかしながら、eNB及び/又はUE動作が矛盾しない限り、同様の機能性に関する2つの独立したメッセージを備える理由は見当たらない。提案11が容認可能である場合に、ProSe指示がintra−frequency discovery アナウンスに興味があることを示す場合にそのような矛盾が生じるかもしれないが、当該指示を受信するサービングセルの種類によって区別可能である。すなわち、ProSeサポートセルであれば、Type2Bリソースを割り当てて、非ProSeサポートセルであれば、ハンドオーバを開始できる。従って、両方のメッセージを1つのメッセージに統一することが好ましい。
【0342】
提案10:ベースラインとしてUE補助情報に割り当てられた既存の機能を統一するために、1つのRRCメッセージが導入されるべきである。
【0343】
(3.1.1.2)アナウンス意図
モニタに関する意図を通知するためのdiscoveryのためのProSe指示が合意された。UEがdiscoveryアナウンス(送信)を実行したいが非ProSeサポートセル(すなわち、ProSe近傍サービスをサポートしていないセル)に現在接続しているケース(
図22参照)において、UEのためにそのような行き詰まった状況への対処法を考察すべきである。可能な解決法は、サービングセルがProSeサポートキャリアへのハンドオーバを実行することをUEが期待しており、UEがProSe指示で当該アナウンス意図をサービングセルに通知することかもしれない。この通知によって、サービングセルは、例えば、UEをProSeサポートセルにハンドオーバさせる必要があるかどうかを決定できる。UEが二重に受信機を備えており、且つdiscoveryアナウンスの意図を有さないケースでは、UEを非ProSeサポートセル(おそらく、より輻輳していない1つのセル)にハンドオーバさせて、UEがdiscoveryモニタのために第2の受信機を使用することを許可することが適切かもしれない。
【0344】
提案11:UEは、discoveryアナウンスのための意図をサービングセルに通知すべきである。
【0345】
(3.2.4)RRCアイドルにおける優先処理
RRCアイドルUEにおける優先処理を考察する前に、inter−frequency discoveryをサポートする方法を明確にすべきである。MBMSケースにおいて、MBMS受信を試みるUEは、単一の受信機を備えている場合に限り、UEは興味のあるMBMSサービスを提供しているセルにキャンプする必要がある。一方で、「intra−及びinter−frequency(及びinter−PLMN) ProSe受信は、Uu受信に影響を与えない(例えば、UEが、ProSe discovery受信を実行するために、アイドル及び接続状態でDRX機会を利用したり、利用可能な場合は第2のRXチェインを使用したりする)。UEは、自律的なギャップを作り出すべきではない。」によれば、discoveryモニタは、ProSe discoveryをサポートするセルにキャップすることを要求していないように思える。これは、既存のinter−frequency測定におけるCRS受信と同様のアプローチである可能性が高い。しかしながら、UEがinter−frequency discoveryモニタのためにそのセルにキャンプすることを要求されるか否かがまだ明確でない。
【0346】
確認2:UEは、inter−frequency(及びinter−PLMN)discoveryモニタを試みるUEは、ProSe discoveryをサポートするセルにキャンプすることを要求されない(
図23参照)。
【0347】
(3.2.2)章で考察したように、RRC接続中のUEがProSe discoveryに興味があるかどうかに基づいたProSe指示に付随したハンドオーバを利用して、非ProSeサポートセルを含むinter−frequencyセル間でのロードバランスが最適化されてもよい。しかしながら、discoveryモニタに興味のあるUEを収容するために、既存の再選択手順及び優先度を変更する必要があるかが明確でない。SIB5又は個別信号によって提供されるセル再選択優先度(CellReselectionPriority)を介してUEに対して具体的に設定されているアイドルモードロードバランスに対する問題を考慮しつつ、特に、再選択手順及び優先度の変更を慎重に考慮する必要がある。
【0348】
少なくともProSe discoveryに興味がないUEに関して、当該UEは、eNBによって設定された既存の再選択優先度に従うべきである。
【0349】
観察3:ProSe discoveryに興味がなくなったアイドルUEは、セル再選択優先度に関して既存の規則に従うべきである。
【0350】
従って、アイドルのUEが、ProSe discoveryに興味がある場合に、既存のセル再選択手順よりもProSe discoveryを優先させることを許可するかどうかがさらに考慮すべきである。inter−frequencyセルがサービングセルと同期してない場合、既存のDRX機会が、他の周波数上でのdiscoveryモニタに十分であるかを考慮すべきである。さらに、ProSe discoveryモニタに興味があるUEが、ProSe discoveryアナウンスに興味がある傾向もある場合には、UEが、SIN18のリストにあるキャリア上で動作するセルにキャンプすることがより良いかもしれない。これは、discovery信号を送信する前に再選択を実行することを避けることができるからである。しかしながら、UEがdiscoveryモニタにだけ興味がある場合、セル再選択の間、SIB18のリストにあるキャリアが優先される決定的な理由がないように思える。従って、ProSeキャリアの優先順位付けが必要かどうかは、ProSe discoveryモニタに興味があるUEに関する前提に依存する。
【0351】
提案12:UEがセル再選択の間にProSe discoveryのための優先順位付けを行うことを許可すべきである。
【0352】
[4]結論
この付記では、inter−frequency及びinter−PLMN discoveryに関する未解決の課題を考察し、現在の合意の明確性を与えている。discoveryモニタ手順及びProSe指示に関する拡張の必要性を主張している。さらに、既存のセル再選択手順への考慮を与えている。
【0353】
なお、日本国特許出願第2013−213560号(2013年10月11日出願)、日本国特許出願第2014−034211号(2014年2月25日出願)、日本国特許出願第2014−034215号(2014年2月25日出願)、日本国特許出願第2014−059277号(2014年3月20日出願)及び、米国仮出願第62/056105号(2014年9月26日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。