(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441275
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20181210BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
H05K7/14 T
H05K7/14 B
H05K5/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-163539(P2016-163539)
(22)【出願日】2016年8月24日
(65)【公開番号】特開2018-32713(P2018-32713A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉内 淳史
(72)【発明者】
【氏名】新藤 雅人
【審査官】
征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特表平08−508136(JP,A)
【文献】
実開平02−129791(JP,U)
【文献】
特開2006−156534(JP,A)
【文献】
特開2007−150256(JP,A)
【文献】
特開2003−332002(JP,A)
【文献】
特開平05−327246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K7/14
H05K5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回路基板と、該複数の回路基板を収容する筐体と、を備えた電子装置であって、
前記回路基板は、グランドパターン及び電源パターンを有し、
前記筐体は、複数の前記回路基板を固定する少なくとも2つの把持部を備え、
前記把持部は、それぞれ前記回路基板のエッジ部が挿入される少なくとも二つの溝を備えて、相対向する二つの前記溝で構成される少なくとも二つの溝のペアを形成し、
一の前記ペアを構成する一の前記溝、及び、他の前記ペアを構成する一の前記溝は、それぞれ、複数の前記回路基板の各グランドパターンと接触するように各回路基板を把持することで、各グランドパターンにグランド電位を供給し、
前記一の前記ペアを構成する他の前記溝、及び、前記他の前記ペアを構成する他の前記溝は、それぞれ、複数の前記回路基板の各電源パターンと接触するように各回路基板を把持することで、各電源パターンに電源電位を供給し、
前記ペアのそれぞれは、当該ペアを構成する前記一の前記溝と前記他の前記溝とにより、2つ以上の前記回路基板が固定されるよう構成されており、
少なくとも二つの前記ペアをそれぞれ構成する少なくとも二つの前記他の前記溝には、相異なる電源電位を供給するものである、
電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載された電子装置において、
前記回路基板は、矩形であって、当該矩形の少なくとも一辺に沿う外周部分に形成される前記グランドパターンと、該一辺と対向する他の一辺に沿う外周部分に形成される電源パターンとを有する、
電子装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載された電子装置において、
前記回路基板間の信号伝達が無線通信により行われる、
電子装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載された電子装置において、
前記少なくとも一つの把持部は、導電体により構成されて、前記筐体と電気的に接続し、
前記少なくとも他の把持部は、絶縁体により構成され、前記各電源パターンと接触する部分に前記電源電位を供給する導電部材が形成されている、
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関するものであり、特に、複数の回路基板を交換容易に収容することのできる筐体を備える電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、車載機器を制御するための電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)が多数搭載されており、車種によっては、車両1台あたり100個を超える電子制御装置が使用されている。車両制御の更なる複雑化や乗員の利便性向上のための更なる機能拡充に伴い、制御すべき機能の増加と共に電子制御装置の搭載数は今後も増加するものと見込まれるが、車両内における電子制御装置の配置スペースには限りがあり、搭載し得る制御装置の数にも限界がある。
【0003】
電子制御装置の数を低減する一つの策として、それぞれが制御回路を構成する複数の回路基板を一つの筐体内に収容して、一つの電子制御装置により複数の制御動作を行わせることが考えられる。
【0004】
例えば、特許文献1に記載される電子制御装置は、電源基板と複数の制御基板とを1つの筐体内に搭載した電子制御装置であって、電源基板及び複数の制御基板の各々を筐体の内部にネジ等で固定し、バスバー等で電源基板と複数の制御基板とを電気的に接続することにより、複数の制御基板で1つの電源基板を共用する構成を有しており、これにより電子制御装置の数の低減と共にコストの低減を実現している。
【0005】
また、一般に、電子制御装置には、例えば回路基板の仕様変更や故障などに対して迅速に対応できるよう、高いメンテナンス性が求められ、特に、上記のように一つの電子制御装置に複数の回路基板が搭載されるような場合には、回路基板の交換頻度も高まることが予想されるため、回路基板の交換はより容易に実施できる方が好ましい。例えば、特許文献1の電子制御装置のような構成では、回路基板の交換が必要となるたびに、上記ネジ及びバスバーを取り外した後、所望の回路基板を交換し、その後該ネジ及びバスバーを取り付けるという一連の作業が必要となるため、回路基板の交換作業が煩雑となり、また、一定の作業時間を要することから、回路基板の交換容易性の観点からは改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−97757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような背景から、複数の回路基板を搭載する筐体を備えた電子装置において、複数の回路基板を交換容易に収容する電子装置の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様は、複数の回路基板と、該複数の回路基板を収容する筐体と、を備えた電子装置である。本電子装置では、前記回路基板は、グランドパターン及び電源パターンを有し、前記筐体は、複数の前記回路基板を固定する少なくとも2つの把持部を備え、少なくとも一つの把持部は、複数の前記回路基板の各グランドパターンと接触するように各回路基板を把持することで、各グランドパターンにグランド電位を供給し、少なくとも他の把持部は、複数の前記回路基板の各電源パターンと接触するように各回路基板を把持することで、各電源パターンに電源電位を供給する。
本発明の他の態様によると、前記各回路基板は、矩形であって、当該矩形の少なくとも一辺に沿う外周部分に形成される前記グランドパターンと、該一辺と対向する他の一辺に沿う外周部分に形成される電源パターンとを有する。
本発明の他の態様によると、回路基板間の信号伝達が無線通信により行われる。
本発明の他の態様によると、前記少なくとも一つの把持部は、導電体により構成され、前記筐体と電気的に接続し、前記少なくとも他の把持部は、絶縁体により構成され、前記各電源パターンと接触する部分に前記電源電位を供給する導電部材が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子装置の内部構成を示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電子装置の内部構成を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電子装置の内部構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子装置100を構成する筐体の内部構成を含む平面図であり、また、
図2は、
図1のAA断面矢視図であり、また、
図3は、
図2のBB断面矢視図である。
【0011】
本発明の実施形態に係る電子装置100は、例えば、車両に搭載され当該車両のエンジン制御を行う電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)であり、車両のエンジンルーム内などに配置される。また、本電子装置100では、電気回路を構成する電気部品が搭載された印刷回路基板である5枚の回路基板110、120、130、140、150と、該回路基板110〜150を収容する筐体102と、を有している。なお、回路基板110〜150は、筐体102内に収容されているため、筐体102の外部から回路基板110〜150を視認することはできないが、筐体102の内部構成の説明のため、
図1においては筐体102の一部を透過させて図示しており、また、筐体102の内部に収容されている部分について一部実線を用いて示している。
【0012】
筐体102は、金属(例えばアルミニウム)等の導電性材料により構成されており、該導電性材料を、例えば、中空筒状に加工成形したものを使用することができる。また、該筐体102は、その内部に把持部164及び166を有しており、該把持部164及び166により回路基板110〜150を固定する。なお、
図1、3では、回路基板110〜130の幅方向(図示左右方向)の端部と把持部164、166との位置関係を明瞭にするため、当該把持部164、166を点線で示している。
【0013】
また、上記回路基板110〜150は、例えば幅(図示左右方向の辺)が略同一の矩形であり、それぞれ、対向する図示左右2辺に沿ってそれぞれグランドパターン114、124、134、144、154と、電源パターン116、126、136、146、156とが該矩形の外周部分に形成されている。そして、上記把持部164、166に設けられる溝164a、164b及び166a、166bは、上記グランドパターン114〜154及び電源パターン116〜156と接触すると共に、回路基板110〜150を挟持して、筐体102の内部に各回路基板110〜150を固定する。なお、本実施形態に係る電子装置100では、当該把持部の図示上側の溝164a、166aが回路基板110〜130を、図示下側の溝164b、166bが回路基板140、150を各々挟持している。
【0014】
筐体102を構成する該中空筒の両端の開口(
図1において、筐体102の図示上端及び下端の開口)は、フロントキャップ103及びエンドキャップ143により封止されており、これにより、上記回路基板110〜150は筐体102内に密閉される。ここで、フロントキャップ103を構成する蓋部108及びエンドキャップ143は、樹脂や金属などの部材から構成され、例えば筐体102と接する部分を、上記中空筒の開口に嵌合する大きさとすることにより、筐体102との着脱が容易となるように構成することができる。さらに、フロントキャップ103及びエンドキャップ143の筐体102と接触する部分に、例えば、環状のゴムからなるシール部材を設けたり、防水グリスなどを塗布することで、交換容易性を損なわず、防水効果や防塵性を高めることができる。
【0015】
さらに、上記フロントキャップ103は、コネクタ106と、回路基板110と、蓋部108と、から構成されており、例えば、蓋部108に、前記コネクタ106及び回路基板110を取り付けることによって一体化した複合部品とされている。ここで、上記コネクタ106は、該コネクタ106に接続されるケーブルにより、筐体102の外部から電力の供給を受けると共に、信号の受信(例えば、車内または車外に設けられたセンサからのセンサ信号の受信)や送信(例えば、回路基板110〜150から各回路基板が担当する制御機器への制御信号の送信)を仲介する。
【0016】
また、フロントキャップ103に取り付けられた上記回路基板110には、例えば、電源回路117、無線デバイス118、及び信号処理回路119が設けられている。ここで、前記電源回路117は、コネクタ106を介して外部から供給された上記電力を、例えば所望の電圧に変換し、後述する把持部166に形成された導電性被膜176a、176bを通じて他の回路基板120〜150に供給する。
【0017】
また、該回路基板110に搭載される上記無線デバイス118は、コネクタ106及び信号処理回路119を介して外部から伝達された信号(例えばセンサ信号)を、回路基板120〜150に搭載された無線デバイス128、138、148、158と通信することにより該センサ信号を送信する。また、該センサ信号を受信した回路基板120〜150は、該センサ信号に基づいて算出した信号(例えば制御信号)を、回路基板120〜150の設けられた無線デバイス128、138、148、158を介して上記無線デバイス118に送信する。そして、無線デバイス118が受信した上記制御信号は、信号処理回路119及びコネクタ106を介して、各回路基板が担当する所定の制御機器に伝送され、所定の制御が実行される。
【0018】
さらに、回路基板110に搭載される上記信号処理回路119は、例えばマルチプレクサ機能を備えた半導体集積回路を含んで構成されており、例えば車内または車外に設けられた複数のセンサから伝達される複数のセンサ信号の中から、各回路基板120〜150ごとに必要なセンサ信号を選択し、選択されたセンサ信号を所定の回路基板に送信するように無線デバイス118に命令する。また、該信号処理回路119は、各回路基板120〜150から上記無線デバイス118を介して伝達された複数の上記制御信号を解析して当該制御信号が送信されるべき制御装置を選択し、当該制御装置にコネクタ106を介して当該制御信号を送信する。
【0019】
このように、本実施形態に係る電子装置100において、フロントキャップ103に取り付けられた回路基板110は、筐体102内に搭載される他の回路基板120〜150に電源を供給すると共に、筐体102の外部に設けられたセンサや制御装置と、当該他の回路基板120〜150との情報の通信を仲介するように構成されている。なお、本実施形態に係る電子装置100では、上記回路基板110は、他の回路基板120〜150のように制御装置を制御する構成を有していないが、必要に応じて、回路基板110に所望の制御装置を制御するための制御回路を設けることができる。
【0020】
また、回路基板110以外の他の回路基板120〜150には、無線デバイス128、138、148、158が搭載されており、これら無線デバイス128〜158は、回路基板110に搭載される無線デバイス118と通信を行うほか、該他の回路基板120〜150同士でも通信を行って、センサ信号や制御信号などの情報を共有するように構成されている。さらに、回路基板120〜150には、必要に応じて、所望の制御装置を制御するため制御回路を設けることができる。例えば、回路基板120、140には、無線デバイス128、148を介して受信したデジタルデータをアナログ信号に変換するDA変換回路(Digital-to-Analog Converter)129、149と、該DA変換回路129、149から出力されるアナログ信号に基づいて所望の制御装置を駆動するための駆動信号を出力する駆動回路127、147が搭載されている。また、回路基板130、150には、無線デバイス138、158を介して受信した例えばセンサ信号をデジタルデータに変換処理し、回路基板130、150が担当する制御装置を制御するためのデジタルデータを出力するデジタル処理回路139、157が搭載されている。なお、該デジタル処理回路139、157としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、AND回路やOR回路等の論理回路デバイス、PLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデジタル回路を使用することができる。
【0021】
次に、把持部164、166について詳述する。把持部164、166は、例えば
図1の図示上下方向に延びる棒状体(図示点線)であり、両者が対向する面の各々に該上下方向に延びる断面凹状の2本の溝164a、164b及び166a、166bを有している。また、把持部164と把持部166とは、該回路基板の幅(図示左右方向の辺)と略同等の距離だけ離間するように配置される。なお、上記回路基板110〜150は、把持部164及び166の上記溝164a、164b、166a、166bに沿うように挿入されることにより、筐体102内の所望の位置に配置される。
【0022】
また、各配線基板のグランドパターン114〜154と接触する上記把持部164は、金属(例えばアルミニウム)等の導電性材料により構成されており、例えば、導電性樹脂などを用いて筐体102の内面と接着したり、筐体102の内面によって機械的に挟持することにより、筐体102の内部に固定され、また、筐体102と電気的に接続される。これにより、把持部164に把持された回路基板110〜150の各グランドパターン114〜154は、把持部164を介して相互に電気的に接続されると共に、筐体102とも電気的に接続される。
【0023】
一方、電源パターン116〜156と接触する上記把持部166は、金属セラミックまたは樹脂等の絶縁性材料により構成されており、筐体102の内面に機械的に挟持されて固定される。ここで、把持部166に形成された溝166a、166bの内面には、金属(例えばアルミニウム)等の導電性材料からなる導電性被膜176a及び176bが、当該溝の延在方向にわたって形成されている。これにより、把持部166に把持された回路基板110〜150の電源パターン116〜156は、前記導電性被膜176a及び176bを介して相互に電気的に接続されると共に、回路基板110に搭載された電源回路117から回路基板120〜150の各々に電源が供給される。
【0024】
このように、本実施形態に係る電子装置100は、筐体102に設けられた把持部164、166が備える溝164a、164b、166a、166bによって、複数枚の回路基板が挟持されることにより、複数の回路基板110〜150を簡便に筐体内に固定することができる。また、把持部164、166の各々は、各回路基板110〜150の電源パターン及びグランドパターンの各々に電源電位及びグランド電位を供給する機能を有しており、各回路基板110〜150を把持部164、166の上記溝に固定するのみで、電源及びグランドとの電気的な接続が同時に行えるので、ネジ及びバスバーなどを用いて回路基板の固定及び電気的接続を行う従来の電子装置に比べて、回路基板の脱着の煩わしさを解消することができる。また、回路基板の故障や仕様変更が生じた場合にも、該当する回路基板を迅速且つ簡便に交換することができるため、回路基板の故障や仕様変更に対し即座に対応することが可能となる。
【0025】
以上、説明したように、本発明の電子装置は、複数の回路基板と、該複数の回路基板を収容する筐体と、を備えた電子装置であって、前記回路基板は、グランドパターン及び電源パターンを有し、前記筐体は、複数の前記回路基板を固定する少なくとも2つの把持部を備え、少なくとも一つの把持部は、複数の前記回路基板の各グランドパターンと接触するように各回路基板を把持することで、各グランドパターンにグランド電位を供給し、少なくとも他の把持部は、複数の前記回路基板の各電源パターンと接触するように各回路基板を把持することで、各電源パターンに電源電位を供給する。これにより、複数の回路基板を交換容易に収容できる電子装置を提供することができる。
【0026】
なお、本実施形態に係る電子装置100では、筐体102内の図示左右方向で対向する1組の把持部のみで回路基板を把持する構成としたが、これに限らず、例えば、さらに複数組の把持部を設けて、さらに多くの回路基板を保持する構成としたり、または、
図1に示すエンドキャップ143に、当該エンドキャップと対向する回路基板の辺を把持することができる把持部を設けたりすることで、さらに多くの回路基板を安定して固定することもできる。
【0027】
また、本実施形態に係る電子装置100では、把持部164及び166の
図2の図示上下方向に回路基板を2段に亘って積層できるような溝164a、164b、166a、166bを設ける構成としたが、これに限らず、複数枚の回路基板が搭載できる限りにおいて、1つの溝または3つ以上の溝を把持部164及び166の各々に形成することができる。
【0028】
なお、上述のように、複数組の把持部を設ける場合や、1つの把持部に複数の溝を設ける場合において、把持部及び溝ごとに供給する電源の電圧を異ならせる構成(例えば、
図2において、導電性被膜176aと導電性被膜176bとに異なる電源電圧を供給する構成)とすることもできるため、例えば電源の仕様が異なる回路基板が含まれていても、全ての回路基板を同一の筐体内に収納することもできる。
【0029】
また、本実施形態に係る電子装置100では、グランドパターン及び電源パターンの各々を、各回路基板の図示上側の面に設ける構成としたが、これに限らず、回路基板110〜150が把持されたときに電源回路117や筐体102との電気的な接続が確保できる限りにおいて、例えば各回路基板110〜150の裏面に形成することができる。さらに、各回路基板110〜150に搭載された無線デバイス118〜158により無線通信を行うものとしたが、これに限らず、回路基板間において制御に必要な信号を通信することができる限りにおいて、例えば各回路基板110〜150に設けられた発光素子及び受光素子により各回路基板間で光通信を行うものとすることもできる。
【0030】
なお、本発明はこのような実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。
【符号の説明】
【0031】
100・・・電子装置、102・・・筐体102・・・フロントキャップ、106・・・コネクタ、108・・・蓋部、110、120、130、140、150・・・回路基板、114、124、134、144、154・・・グランドパターン、116、126、136、146、156・・・電源パターン、118、128、138、148、158・・・無線デバイス、119・・・信号処理回路、127・・・駆動回路、139・・・デジタル処理回路、143・・・エンドキャップ、164、166・・・把持部、164a、164b、166a、166b・・・溝、176a、176b・・・導電性被膜。