特許第6441311号(P6441311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニの特許一覧

特許6441311車両のLED外部照明ユニットのための制御回路及び方法
<>
  • 特許6441311-車両のLED外部照明ユニットのための制御回路及び方法 図000002
  • 特許6441311-車両のLED外部照明ユニットのための制御回路及び方法 図000003
  • 特許6441311-車両のLED外部照明ユニットのための制御回路及び方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441311
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】車両のLED外部照明ユニットのための制御回路及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20181210BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20181210BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20181210BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20181210BHJP
   F21W 107/13 20180101ALN20181210BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20181210BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181210BHJP
【FI】
   B60Q1/04 E
   F21S45/47
   F21V29/503
   F21V23/00 117
   F21V23/00 140
   F21W107:13
   F21W102:00
   F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-509378(P2016-509378)
(86)(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公表番号】特表2016-516634(P2016-516634A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】EP2014057518
(87)【国際公開番号】WO2014173718
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】RM2013A000247
(32)【優先日】2013年4月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515217546
【氏名又は名称】ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペダーニ、ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】サンフェリーチェ、ヤーリ
(72)【発明者】
【氏名】バラッチーノ、ルイージ
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−276739(JP,A)
【文献】 特開2005−139912(JP,A)
【文献】 特開2007−022420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
F21S 45/47
F21V 23/00
F21V 29/503
F21W 102/00
F21W 107/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)であって、前記LED外部照明ユニット(2)は少なくともLED光源(L1、L2)とパッシブヒートシンク(3)とを備え、前記制御回路(10)は、
前記LED光源(L1、L2)及び/又は前記パッシブヒートシンク(3)の動作温度に関する情報を搬送する第1の出力信号(s_t)を提供するように適合されている温度センサ(11)と、
光及び/又は音響警告デバイス(6)に動作可能に接続可能であり、前記第1の出力信号(s_t)に応じて前記光及び/又は音響警告デバイス(6)に、前記動作温度が第1の閾値(T1)よりも高いときに前記警告デバイス(6)を通じてアラーム警告を生成するように適合されている第1の制御信号(s_a)を提供するように適合されている第1の出力ノード(NO_1)と、
第2の制御信号(s_c)を受信するように適合されている第1の入力ノード(NI_1)を備える、前記LED光源(L1、L2)のドライバユニット(12)であって、前記車両(1)の速度及び前記第1の出力信号(s_t)に応じて、前記ドライバユニット(12)は、LED光源駆動信号(s_d)を出力するように適合されており、前記LED光源駆動信号は、前記第2の制御信号(s_c)に従って、相対的に高電力の信号又は相対的に低電力の信号である、ドライバユニット(12)と
を備え、
前記高電力の駆動信号(s_d)は直流電流駆動信号であり、前記低電力の駆動信号(s_d)はパルス幅変調信号(PWM信号)である、車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項2】
前記ドライバユニット(12)は、前記動作温度が第2の閾値(T2)よりも高いとき、
前記車両(1)の前記速度が閾値速度を上回る場合には前記相対的に高電力の駆動信号(s_d)が提供され、
前記車両(1)の前記速度が前記閾値速度以下である場合には前記相対的に低電力の駆動信号(s_d)が提供される
ように、前記第2の制御信号(s_c)に従って、前記相対的に高電力又は相対的に低電力の駆動信号(s_d)を出力するようなものである、請求項1に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項3】
前記第2の閾値(T2)は前記第1の閾値(T1)よりも高い、請求項に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項4】
前記閾値速度は0Km/hに等しい、請求項に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項5】
前記PWM信号は、20%〜60%の間に含まれるデューティサイクルを有する、請求項に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項6】
前記デューティサイクルは40%である、請求項に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項7】
前記ドライバユニット(12)はDC/DC変換器である、請求項に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項8】
前記警告デバイス(6)は、前記車両(1)の前記LED外部照明ユニット(2)の前記LED光源(L1、L2)に対して異なるデバイスである、請求項1に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御回路(10)。
【請求項9】
請求項1からまでのいずれか一項に記載の制御回路(10)と、前記LED外部照明ユニット(2)とを備える、オートバイ(1)のためのLED前照灯。
【請求項10】
車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御システムであって、請求項1からまでのいずれか一項に記載の制御回路(10)と、前記車両(1)の電子制御ユニット(5)であり、前記車両(1)の前記速度に関連する情報を取得するように適合されており、
前記電子制御ユニット(5)が、前記第1の出力信号(s_t)又は前記制御回路(10)から得られる信号(s_r)を入力として受信し、前記LED光源及び/又は前記パッシブヒートシンク(3)の前記動作温度に関連する前記情報を受信するように適合され、
前記電子制御ユニット(5)が、前記車両(1)の前記速度に関連する前記情報、及び、前記動作温度に関連する前記情報に従って前記第2の制御信号(s_c)を合成するように適合され、
前記電子制御ユニット(5)が、前記ドライバユニット(12)に前記第2の制御信号(s_c)を提供するように適合される
ように、前記制御回路(10)に動作可能に接続されている、電子制御ユニット(5)とを備える、車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御システム。
【請求項11】
請求項1からまでのいずれか一項に記載の制御回路(10)及び/又は請求項9に記載のLED前照灯及び/又は請求項10に記載の制御システムを備えるオートバイ(1)。
【請求項12】
車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御方法(100)であって、前記LED外部照明ユニット(2)は少なくともLED光源(L1、L2)とパッシブヒートシンク(3)とを備え、前記制御方法は、
前記LED光源(L1、L2)及び/又は前記パッシブヒートシンク(3)の動作温度に関連する情報を取得するステップ(102)と、
前記車両(1)の速度に関連する情報を取得するステップ(102)と、
前記動作温度が第1の閾値(T1)よりも高いか否かを検出するために、前記LED光源(L1、L2)及び/又は前記パッシブヒートシンク(3)の前記動作温度に関連して前記取得されている情報を比較するステップ(104)と、
前記動作温度が第1の閾値(T1)よりも高いとき、警告デバイス(6)を通じてアラーム警告を生成するステップ(105b)と、
前記車両(1)の前記速度に関連する前記情報、並びに、前記LED光源(L1、L2)及び/又は前記パッシブヒートシンク(3)の前記動作温度に関連する前記情報に従って、前記LED光源(L1、L2)を駆動するステップ(107)であって、前記LED光源(L1、L2)は、前記情報に従って相対的に高電力又は相対的に低電力の駆動信号(s_d)を用いて駆動される、駆動するステップ(107)と
を含み、
前記高電力の駆動信号(s_d)は直流電流駆動信号であり、前記低電力の駆動信号(s_d)はパルス幅変調信号(PWM信号)である、車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御方法(100)。
【請求項13】
前記制御方法は、前記動作温度が第2の閾値(T2)よりも高いか否かを検出するために、前記LED光源(L1、L2)の前記動作温度に関連して前記取得されている情報を前記第2の閾値(T2)と比較するステップ(106)を含み、前記駆動するステップ(107)において、
前記車両(1)の前記速度が閾値速度を上回る場合には相対的に高電力の駆動信号(s_d)を用いて前記LED光源(L1、L2)を駆動するステップ(107a)が実行され、
前記車両(1)の前記速度が閾値速度よりも低い場合には相対的に低電力の駆動信号(s_d)を用いて前記LED光源(L1、L2)を駆動するステップ(107b)が実行される、請求項12に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御方法(100)。
【請求項14】
前記警告デバイス(6)は、前記車両(1)の前記LED外部照明ユニット(L1、L2)の前記LED光源に対して異なるデバイスである、請求項12又は13に記載の車両(1)のLED外部照明ユニット(2)のための制御方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、車両のための照明デバイスの技術分野に関し、詳細には、車両の発光ダイオード(LED:light emitting diode)外部照明ユニットのための制御回路及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、LED光源は、特に強力である場合、放出される光放射の流れが低減すること、又は、さらには光源自体が破損さえしてしまうことを回避するために、それらの制限温度未満の動作温度において使用される必要がある。この目的のために、LED光源の接合部温度が、所定の制限値未満のままにされる必要がある。
【0003】
LED光源の動作温度を低いままにするために、LED光源に1つ又は複数のパッシブヒートシンクを関連付けることが既知である。この場合、LED光源の動作温度は、LED光源によって吸収される電流及びヒートシンクによって除去される熱の量に依存する。この最後の理由から、外部環境条件、又は、何らかの様態でヒートシンクの効率に影響する可能性がある他の条件にかかわりなくLED光源の接合部温度が制限温度未満のままにされる必要がある一方で、ヒートシンクによって除去される熱の量は多数の外部要因に依存するため、車両の外部照明ユニットのLED光源の温度を制御するのは特に困難である。車両において、ヒートシンクの効率はたとえば、環境温度によって、ヒートシンクに当たる空気流(照明ユニットが前方照明ユニットである場合は車両の速度に大きく依存する)の存在及びその特徴によって、たとえば直達日射のような外部熱源の存在によって著しく影響される。
【0004】
前述した外部要因にかかわりなくLED光源の過熱を回避するためには、たとえば、車両が停止している場合に発生する条件であるが、たとえヒートシンクに当たる空気流が実質的にゼロである場合であっても、的確で十分な放散を確実にすることができる大型のヒートシンクを提供することが必要になる。しかしながら、この大型のヒートシンクは、照明ユニットのかさ及び費用に大きく影響する。現行の技術水準の車両のいくつかの前照灯は、専用の冷却ファン及び温度センサを備えており、それによって、必要とされるときに動作温度を低減することが可能である。この解決策はヒートシンクの寸法を低減するが、結果として費用及び電力消費が増大するという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書の全般的な目的は、現行の技術水準に関連して上述した欠点を回避することが可能である、車両のLED外部照明ユニットのための制御回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的及び他の目的は、その最も一般的な形態にある請求項1及び特に本発明のいくつかの実施例におけるそれに従属する請求項に記載の制御回路によって達成される。
【0007】
本発明は、添付の図面を参照することにより、一実例として与えられており、それゆえ決して限定ではない、以下の本発明の実施例の詳細な説明からより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】LED外部照明ユニットと上記照明ユニットの制御回路を備える制御システムとを備える車両の一実施例の概略図である。
図2図1の制御システムの例示的なブロック図である。
図3】車両のLED外部照明ユニットの制御方法の一実施例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面において、同じ又は類似している要素は同じ参照符号を用いて示される。
【0010】
図1は、本実例においてはオートバイ、特にスクータの形態で表されている車両1の一実施例を示す。車両1は、LED外部照明ユニット2と、LED外部照明ユニット2の制御回路10とを備える。一実施例によれば、車両1は、処理ユニット5及び前述した制御回路10を含む制御システム5、10を備え、上記要素5、10は、互いに動作可能に接続されている。一実施例によれば、処理ユニット5は、車両1の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)(図2)を構成する。そのような制御ユニット5は、車両1の速度に関する直接的又は間接的な情報を取得することが可能であり、車両自体の運動センサ25に接続されている。運動センサ25は、たとえば、速度計であり、この場合、取得される情報は直接的な速度情報である。代替的に、車両1が無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)を有する動力車である場合、運動センサ25は、車両1の制御に関連する他の理由からすでに従来通り処理ユニット5に接続されているエンジン回転計である。この場合、取得される情報は、間接的な速度情報である。車両1の変速機のタイプにさえかかわらず、制御ユニット5が車両1の速度計若しくは車両1のエンジン回転計又はさらにはその両方に接続されることを予見することが可能であることが考慮されるべきである。
【0011】
好ましくは、LED外部照明ユニット2は、反射体と、スクリーンと、少なくとも1つのLED光源L1、L2(図2)とを含むケーシングを備える。好ましくは、制御回路10は前述したケーシングの内部に収容される。提示されている特定の実例において、LED外部照明ユニット2は、出力において上向きのディップ光ビームを生成する機能を選択的に又は共同して有する車両のLED前照灯の形態にある。
【0012】
図2を参照すると、LED外部照明ユニット2は、パッシブヒートシンク3を備える。パッシブヒートシンクは好ましくは、少なくとも部分的にLED外部照明デバイス2のケーシング内に収容されるように適合されるように、相対的に寸法が小さい。好ましくは、LED光源L1、L2は、反射体と協働することによって、出力においてディップ光ビームを生成するように適合されている第1の光源L1と、反射体と協働することによって、出力において上向きの光ビームを生成するように適合されている第2の光源L2とを含む。好ましくは、第1のLED光源L1及び第2のLED光源L2の両方が各々、ともに直列に電気的に接続されている一対のLEDダイオードを含む。好ましくは、上記LEDダイオードは、たとえば各々が約11Wに等しい動作電力を有するパワーLEDダイオードである。第1のLED光源L1及び第2のLED光源L2は互いと同じとすることができるが、反射体に対して異なる位置に配置され、又は、それらのLED光源は互いに異なっていてもよい。
【0013】
制御回路10は、LED光源L1、L2及び/又はパッシブヒートシンク3の動作温度に関連する温度情報を搬送する第1の出力信号s_tを提供するように適合されている温度センサ11を備える。
【0014】
一実施例によれば、前述した温度センサ11はパッシブヒートシンク3と接している。パッシブヒートシンク3はLED光源L1、L2と接している。前述した理由から、温度センサ11はヒートシンク3の動作温度を検出するようなものであるが、この動作温度は、伝達関数によってLED光源L1、L2の動作温度に関連付けられることが観察されるはずである。それゆえ、第1の出力信号s_tは、ヒートシンク3の動作温度に関する情報、及びそれゆえ、実験的及び/又は分析的に求められることが可能な前述した伝達関数を通じてLED光源L1、L2の動作温度に関連付けられる情報を搬送する。LED光源の動作温度はLED光源のいわゆる接合部温度であることが観察されるはずである。LED光源は、伝導によって直接的又は間接的にヒートシンク3に熱を伝達することが可能であるようなものであるケースを有する。ケースの温度は、接合部温度とヒートシンク3の温度との間の中間温度である。たとえば、ヒートシンク3の温度とLEDの接合部温度との間には約30℃(たとえば、32℃に等しい)差があり、一方で、ヒートシンクの温度とケースの温度との間には約10℃の差がある。
【0015】
一実施例によれば、温度センサ11は好ましくは、たとえば、パッシブヒートシンク3の表面部分に被着、たとえば接着される負温度係数(NTC:Negative Temperature Coefficient)サーミスタ又は正温度係数(PTC:Positive Temperature Coefficient)サーミスタである。
【0016】
制御回路10は、光及び/又は音響警告デバイス6に動作可能に接続されているか又は接続可能であり、第1の出力信号s_tに応じて第1の制御信号s_aを警告デバイスに提供するように適合されている第1の出力ノードNO_1を備える。第1の制御信号s_aは、温度(LED光源の場合のLED光源L1、L2又はパッシブヒートシンクの動作温度、すなわち接合部温度)が第1の閾値T1を上回るときに、車両1の運転者によって使用することができる、前述した光及び/又は音響警告デバイス6を通じてアラーム警告を生成するように適合されている。これ以降、単純にする目的で、動作温度が参照されるとき、これは、この理由から限定を導入することなく、パッシブヒートシンク3の温度を意味する。本明細書の目的のために、それゆえ、第1の閾値T1は、パッシブヒートシンク3の動作温度に対して定義される値を意味する。一実施例によれば、上記第1の閾値T1は約75℃に等しい。
【0017】
一実施例によれば、光及び/又は音響警告デバイス6は、車両1の制御基板内に配置され、たとえば、専用の表示灯又は前述したアラーム警告を表示するように適合されている汎用ディスプレイの形態の光警告デバイスである。代替的な又は追加の実施例によれば、光及び/又は音響警告デバイス6は、車両1に動作可能に接続可能であるか又は接続されており、たとえば、処理ユニット5に無線で接続されているか又は接続可能な、たとえばスマートフォンのような個人用通信デバイス内に組み込まれる。図2に表現されているように、好適な実施例によれば、警告デバイス6は、たとえ、たとえば運転者に向けて方向づけられている車両の制御基板内に配置されている別のLEDデバイスであり得るか、又は別のLEDデバイスを含み得る場合であっても、外部照明ユニットL1、L2の上記LED光源に対して異なるデバイスである。
【0018】
一実施例によれば、第1の制御信号s_aは、少なくとも2つの論理レベル(たとえば「0」及び「1」)をとるように適合されている論理信号である。制御回路10はたとえば、センサ11によって検出される温度(すなわち、説明されている実例ではヒートシンク3の動作温度)が第1の閾値T1以下である場合には第1のレベル(通常レベル)をとり、センサ11によって検出される温度が第1の閾値T1よりも高い場合には第2のレベル(警告レベル)をとるように適合されている第1の制御信号s_aを出力において供給するために、第1の出力信号s_tの電圧を、第1の閾値T1に対応する基準電圧閾値Vref_T1と比較するように適合されている第1の比較器Cmp1を備える。代替的な実施例において、第1の出力ノードNO_1が直に第1の出力信号s_tを供給されてもよく、この場合、光及び/又は音響警告デバイス6が、温度センサ11によって検出される温度が第1の閾値T1を上回るか否かを判別する機能を割り当てられる。
【0019】
制御回路10は、車両の速度及び第1の出力信号s_tに応じて第2の制御信号s_cを受信するように適合されている第1の入力ノードNI_1を備える、LED光源L1、L2のドライバユニット12を備える。一実施例によれば、第2の制御信号s_cは、処理ユニット5によって制御回路10の第1の入力ノードNI_1に供給される。
【0020】
ドライバユニット12は、第2の制御信号s_cに従って、LED光源L1、L2の相対的に高電力又は相対的に低電力の駆動信号s_dを出力において供給するようなものである。
【0021】
一実施例によれば、ドライバユニット12は、温度センサ11によって検出される温度が第2の閾値T2を上回るとき、
車両1の速度が閾値速度を上回る場合には相対的に高電力の駆動信号s_dが出力において提供され、
車両1の速度が閾値速度以下である場合には相対的に低電力の駆動信号s_dが出力において提供される
ように、第2の制御信号s_cに従って、相対的に高電力又は相対的に低電力の駆動信号s_dを出力において供給するようなものである。
【0022】
一実施例によれば、ドライバユニット12は、駆動信号s_dの相対的に高い電力から相対的に低い電力への及びその逆の遷移が、漸進的に、たとえば、好ましくは3秒〜10秒に含まれ、好ましくは約4又は5秒に等しい所定期間にわたって行われるようなものである。
【0023】
一実施例によれば、制御回路10は、処理ユニット5に動作可能に接続されているか又は接続可能である第2の出力ノードNO_2を備える。制御回路10は、そのような第2の出力ノードNO_2に、そこから得られる第1の出力信号又は第3の制御信号s_rを提供するようなものである。たとえば、第1の制御信号s_aについてすでに説明されたのと同様に、第3の制御信号s_rも、少なくとも2つの論理レベルをとるように適合されている論理信号である。制御回路10はたとえば、センサ11によって検出される温度が第2の閾値T2以下である場合には第1のレベル(通常レベル)をとり、センサ11によって検出される温度が第2の閾値T2よりも高い場合には第2のレベル(警告レベル)をとるように適合されている第3の制御信号s_rを出力において供給するために、第1の出力信号s_tの電圧を、第2の閾値T2に対応する基準電圧閾値Vref_T2と比較するように適合されている第2の比較器Cmp2を備える。代替的な実施例において、第2の出力ノードNO_2が直に第1の出力信号s_tを供給されてもよく、この場合、処理ユニット5が、温度センサ11によって検出される温度が第2の閾値T2を上回るか否かを判別する機能を割り当てられる。
【0024】
一実施例によれば、第2の閾値T2は第1の閾値T1よりも高く、2つの値の間には10℃の最大差があり、好ましくは5℃の、又はそれに概ね等しい差がある。
【0025】
一実施例によれば、前述した閾値速度は0km/hに等しいか、又は、0km/hにほぼ等しく、たとえば、約5km/hの最大値に等しい。これは、ドライバユニット12が、車両1が停止しているか又は実質的に停止しているときに、LED光源L1、L2に相対的に低電力の駆動信号s_dを提供するようなものであることを意味する。
【0026】
一実施例によれば、高電力の駆動信号s_dは直流電流駆動信号であり、低電力の駆動信号s_dはパルス幅変調信号(PWM信号)である。一実施例によれば、直流電流高電力駆動信号及び低電力パルス幅変調駆動信号の両方は、依然としてLED光源L1、L2を、上記LED光源がその公称電力を放出するスイッチオン状態にするようなものである(すなわち、LED光源は、同光源の動作仕様に基づいて通常の動作条件において「最大」許容範囲までオンに切り替えられる)。
【0027】
好適な実施例によれば、PWM駆動信号は、20%〜60%の間に含まれるデューティサイクルを有する。好ましくは、デューティサイクルは40%に等しい。一実施例によれば、上記デューティサイクルは一定であり、設計及び製造段階において予め決定される値を有する。代替的な実施例によれば、そのようなデューティサイクルは、センサ11によって検出される温度情報及び/又は車両1の速度に関連して取得される情報から実行される制御に基づいて動作中に適応的に変更されてもよい。
【0028】
一実施例によれば、PWM駆動信号の周波数は50Hzよりも大きく、好ましくは100Hz〜1kHzの範囲内に含まれ、より好ましくは、100Hz〜300Hzの範囲内に含まれ、より好ましくは、200Hzに等しい。
【0029】
一実施例によれば、ドライバユニット12は、第2の制御信号s_cによって制御されるDC/DC変換器である。たとえば、第2の制御信号s_cは、DC/DC変換器12のオン及びオフを決定するように適合されている信号、すなわち、いわゆる「イネーブル」信号である。この理由から、
相対的に高電力の駆動信号s_dを生成するためには、第2の制御信号s_cは、DC/DC変換器12がオンに切り替えられたままにするように適合されている直流電流信号であり、
相対的に低電力の駆動信号s_dを生成するためには、第2の制御信号s_cは、DC/DC変換器12を順番に繰り返しオン及びオフに切り替えられるように適合されているPWM信号である。
【0030】
前述した実施例において、駆動信号s_dも、制御信号s_cに基づく直流電流信号又はPWM信号であるという結論になり得る。
【0031】
図2を参照すると、ダイオードd1及びd2は、DC/DC変換器の電力供給ダイオードを表す。
【0032】
一実施例によれば、駆動信号s_dは、LED光源L1、L2に電力供給信号s_s1、s_s2を供給するように適合されている、制御回路10に含まれる電力段M1、M2を駆動するようなものである。前述した電力段は好ましくは、信号s_dを駆動することによって導通するか又はオフになるように制御される電子スイッチM1、M2、たとえばパワーMOSを含む。表現されている特定の実例において、ディップ光ビームを生成するための少なくとも1つのLED光源L1及び上向きの光ビームを生成するための少なくとも1つのLED光源L2があるため、両方とも、駆動信号s_dによってオン及びオフに制御され、ドライバによって命令されるように適合されており、たとえば従来のように車両1のハンドルバー8上に配置されている、たとえばビームのモード選択スイッチ15(上向き/ディップビーム)に接続されている、制御回路10の2つの入力ノードN_I2及びN_I3を通じて受信される選択信号に基づいて交互に又は一緒にイネーブルされる2つの電力段M1、M2がある。
【0033】
図3を参照すると、制御回路10に関して上記で行われた説明が、車両1のLED外部照明ユニット2の制御方法100の説明に対応することが観察されるはずであり、外部照明ユニット2は、少なくともLED光源L1、L2と、パッシブヒートシンク3とを備える。制御方法100は好ましくは、車両1のエンジンのスイッチオン状態を検出する最初のステップ101(S_SENS)を含む。上記スイッチオン状態の検出は、制御方法100の後続のステップにつながるようなものである。
【0034】
制御方法100は、LED光源L1、L2及び/又はパッシブヒートシンク3の動作温度に関連する情報を取得するステップ102(T_SENS)と、
車両1の速度に関連する情報を取得するステップ103(V_SENS)と、
上記動作温度が第1の閾値T1よりも高いか否かを検出するために、LED光源L1、L2及び/又はヒートシンク3の動作温度に関連して取得されている上記情報を比較するステップ104と、
上記温度が第1の閾値T1よりも高いとき、光及び/又は音響警告デバイス6を通じてアラーム警告を生成するステップ105bと
を含む。ステップ105において、逆に、前述した温度が第1の閾値T1以下であるとき、好ましくは、通常動作の指示を生成するステップ105a(AL_OFF)、又は警告デバイス6を通じて一切指示を提供しないステップがあることも予見される。たとえば、アラーム警告は着色光(たとえば赤色又はオレンジ色)が車両1の制御パネル上で点灯することに対応し、一方で、通常動作の指示は、上記光が消灯することに対応する。
【0035】
方法100はまた、LED光源L1、L2及び/又はヒートシンク3の動作温度に関連する情報並びに車両1の速度に関する情報に従って、LED光源L1、L2を駆動するステップ107も含み、LED光源L1、L2は、車両の速度及び検出された温度に従って相対的に高電力又は相対的に低電力の駆動信号s_dを用いて駆動される。
【0036】
一実施例によれば、方法100は、上記動作温度が第2の閾値T2よりも高いか否かを検出するために、LED光源L1、L2及び/又はヒートシンクの動作温度に関連して取得されている上記情報を比較するステップ106を含み、上記駆動するステップ107において、
車両1の速度が閾値速度を上回る場合には相対的に高電力の駆動信号s_dを用いてLED光源L1、L2を駆動するステップ107a(DC)が実行され、
車両1の速度が閾値速度以下である場合には相対的に低電力の駆動信号s_dを用いてLED光源L1、L2を駆動するステップ107b(PWM)が実行される。
【0037】
図3の矢印108によって示されるように、制御方法100の前述したステップ101〜107は、ステップ101を通じて、車両1のエンジンがスイッチオン状態にあることが検出されるまで反復的に繰り返される。
【0038】
制御方法100の他の特性を、制御回路10に関連して上記で行われた詳細な説明から直に得ることができる。
【0039】
それゆえ、上記で説明されたものに基づいて、上述したタイプの制御回路及び方法が、どのように、現行の技術水準を参照して上記で引用されている目的を達成することを可能にするかを理解することが可能である。制御回路及び方法を通じて、車両の運転者に、第1の温度閾値T1を超えていることに結び付けられる異常を迅速に通知することが可能である。これは、たとえば、LED外部照明ユニット2に配置されている換気装置に対する障害物(たとえば、物体又は付属品など)があった場合に起こり得、これはアラーム警告後に迅速に除去することができる(たとえば、衣類が照明デバイス10の上に被さっている状況を考察されたい)。アラーム警告によって、運転者が、LED外部照明ユニット2の保守管理を必要とする異常(たとえば、ちり、落ち葉、クモの巣などのごみの堆積のような)に気づくことも可能になる。その上、第2の閾値T2を超えると、速度条件が許すならば、LED光源の動作温度を第2の閾値T2未満に戻す目的で、LED光源L1、L2を低電力駆動信号を用いて駆動することによって散逸される電力に積極的に介入することが可能である。
【0040】
本発明の原理に影響を与えることなく、実施例及び詳細は、この理由から添付の特許請求の範囲において規定されているような本発明の保護範囲から逸脱することなく、純粋に非限定的な実例として説明及び例示されているものに対して大きく変更することができる。
図1
図2
図3