【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本発明は、自動車両の運転を支援するための装置であって、車両の前方の道路シーンと車両のドライバーとの間に配置されるようになっている可変透過率スクリーンを備え、前記装置が、車両が置かれている環境を表わすデータを回復するのに適したいくつかのセンサを備え、前記装置が、可変透過率スクリーンの透過係数を与えるように構成される、装置において、装置が、センサにより回復されるデータを考慮に入れて、前記データを組み合わせることにより透過係数を計算するように構成されることを特徴とする支援装置に関する。
【0008】
したがって、本発明に係る装置は、複数のデータに依存できるようにして、これらのデータの組み合わせにより透過係数の調整を可能にするとともに、単一のデータのみを考慮するようなことはしない。したがって、可変透過率スクリーンは、様々なセンサからの様々なデータにより表わされる状況に適合する透明度を有する。例えば、対向車からもたらされる強い輝度を1つのセンサが検出するが、ドライバーの凝視が別のポイントの方へ向けられることを別のセンサが検出する場合には、可変透過率スクリーンの透明度を低下させる必要はない。これは、交差点内の他の車両、信号機、道路を横切る歩行者などの危険が位置されるかもしれない領域へとドライバーの凝視が向けられる場合であっても、可変透過率スクリーンの透明度のこの低下がなおさらドライバーの視力の低下を引き起こし得るからである。
【0009】
好適には、また、本発明によれば、センサは、以下のタイプのデータのうちの1つ以上から環境を表わすデータを回復するのに適している。
【0010】
−大気状態、例えば、
雨、風、雪、霧など....
時刻
など
−道路環境、例えば、
地面の状態
別の車両からの或いは所定の光源からの眩しさ
道路の性質(カーブ、トンネル、ハイウェイ等)
ジオロケーション
車両の速度
など
−ドライバーの環境、例えば、
ドライバーの頭部の方向
ドライバーの凝視方向
など
このリストは限定的でもなく包括的でもなく、多くの他のデータを使用できる。
【0011】
本発明のこの態様によれば、これらのタイプのデータのうちの1つ以上を使用して、可変透過率スクリーンに適用されるべき最適な透過係数を最良に計算する。
【0012】
好適には、また、本発明によれば、装置は、回復されたデータの全部又は一部から車両及び/又はドライバーが置かれている状況を決定するのに適している。
【0013】
本発明のこの態様によれば、前記状況は、透過係数の計算のために考慮に入れることが重要である状況のいくつかの所定のタイプから選択される。例えば、状況は、車両が置かれている状況を表わす以下の代わりのもの、すなわち、日中又は夜間、晴れ、曇り、又は、雨の天候での運転、都市又は地方での運転、トンネルへの通過であるか否か等のうちの1つ以上を組み合わせる。状況は、例えば、以下の組み合わせ、すなわち、日中の曇りの天候での都市の運転となり得る。また、状況は、これらの簡単な組み合わせの中間の状態又はある程度のバリエーション、例えば小雨/大雨、夜明け/夕暮れ等を特徴付けることもできる。
【0014】
好適には、また、本発明によれば、装置は、以下のデータから回復されるデータから前記状況を決定するのに適している。
【0015】
−大気状態
−道路環境
−ドライバーの環境
このリストは限定的でもなく包括的でもなく、多くの他のデータも使用できる。
【0016】
本発明のこの態様によれば、装置は、車両が置かれている状況を決定するためにこれらの情報項目のうちの1つ以上を使用する。例えば、また、先の段落の例と関連して、都市における曇りの天候での日中の運転は、都市の運転に関するジオロケーションデータによって、日中の運転に関する時間帯データによって、及び、曇りの天候に関する天候状態データによって決定される。したがって、これらの全てのデータは、状況を決定できるようにする。
【0017】
好適には、また、本発明によれば、装置は、車両の前記状況に応じて回復されたデータの全部又は一部に対して重みを割り当てるとともに、透過係数の計算の際に前記データをそれらの対応する重みによって重み付けるように構成される。
【0018】
本発明のこの態様によれば、車両の決定された状況に応じて回復されたデータに対して重みを割り当てると、データの重みを考慮に入れて透過係数を計算することができ、したがって、決定された状況に適した最良の透過係数を計算できる。実際に、決定された状況に応じて、一部のデータは、透過係数の計算において、より大きな重要性を有する。
【0019】
好適には、また、本発明によれば、前記センサのうちの第1のセンサは、車両の軸線で輝度を測定するように構成されるセンサであり、前記センサのうちの第2のセンサは、別の方向で輝度を測定するように構成されるセンサであり、前記装置は、ドライバーの頭部の方向を考慮に入れて、第1及び第2のセンサにより記録されるデータに応じて並びに頭部の前記方向に応じて前記計算を行なうように構成される。
【0020】
本発明のこの態様によれば、装置は、そのセンサのうちで、少なくとも2つの輝度センサを備え、1つのセンサは、例えば対向車の照明によって引き起こされる眩しさを検出するために車両の軸で輝度を測定するように構成される。装置は、ドライバーの凝視方向を考慮に入れ、それに応じて2つのセンサにより記録される輝度データを重み付ける。すなわち、例えば、ドライバーが車両の軸線に対応する方向を見ている場合には、可変透過率スクリーンの透過係数の計算において、この軸線に向けられるセンサからのデータは、第2のセンサからもたらされるデータよりも支配的である。他方、ドライバーが第2のセンサの方向を主に見ている場合には、可変透過率スクリーンの透過係数の計算において、第2のセンサからのデータが支配的である。これらの2つの方向間で、装置は、ドライバーの凝視方向にしたがって、中間の重みをデータに対して割り当てることができる。
【0021】
好適には、また、本発明によれば、可変透過率スクリーンがメガネを備え、前記第2のセンサが前記メガネ上に位置される。
【0022】
本発明のこの態様によれば、第2のセンサは、ドライバーの眼に可能な限り接近して位置され、したがって、ドライバーに達する輝度に関する正確な情報を与える。したがって、例えば、ドライバーが車両の軸線以外の方向を見る場合には、透過係数の計算において第2のセンサからのデータが支配的である。すなわち、これらのデータは、ドライバーの視界に可能な限り接近して受けられるデータであり、したがって、例えば道路を横切る歩行者の存在、信号機、或いは、交差点からくる車両をチェックするために
ドライバーが側方に目を向ける場合に、ドライバーが例えば、はっきりとした視界を保つことができるようにする。
【0023】
好適には、また、本発明によれば、装置がパルス照明を備え、前記装置は、透過係数と同期する第1のモードで、及び、前記係数とは無関係に第2のモードで、前記パルス照明を駆動させるように構成される。
【0024】
また、本発明は、自動車両の運転を支援するための方法であって、前記車両には、車両の前方の道路シーンと車両のドライバーとの間に配置されるようになっている可変透過率スクリーンが備えられ、前記方法が、車両が置かれている環境を表わすデータを回復するステップと、可変透過率スクリーンの透過係数を与えるステップとを備える、方法において、前記方法が、回復ステップで回復されるデータを考慮に入れるステップと、前記データの組み合わせにより透過係数を計算するステップとを備えることを特徴とする支援方法に関する。
【0025】
したがって、本発明に係る方向は、いくつかのタイプのデータに依存できるようにして、これらのデータの組み合わせにより透過係数を調整できるようにするとともに、単一の回復データのみを考慮するようなことはしない。
【0026】
好適には、また、本発明によれば、環境を表わす前記データは、以下のタイプのデータのうちの1つ以上から選択される。
【0027】
−大気状態、例えば、
雨、風、雪、霧など....
時刻
など
−道路環境、例えば、
地面の状態
別の車両からの或いは所定の光源からの眩しさ
道路の性質(カーブ、トンネル、ハイウェイ等)
ジオロケーション
車両の速度
など
−ドライバーの環境、例えば、
ドライバーの頭部の方向
ドライバーの凝視方向
など
このリストは限定的でもなく包括的でもなく、多くの他のデータを使用できる。
【0028】
好適には、また、本発明によれば、方法は、回復されたデータから車両が置かれている状況を決定するステップを備える。
【0029】
好適には、また、本発明によれば、前記状況を決定する前記ステップは、以下のデータから回復されるデータに基づいて行なわれる。
【0030】
−大気状態
−道路環境
−ドライバーの環境
このリストは限定的でもなく包括的でもなく、多くの他のデータを使用できる。
【0031】
好適には、また、本発明によれば、方法は、車両の前記状況に応じて回復されたデータの全部又は一部に対して重みを割り当てるステップを備え、また、方法は、透過係数の計算のためにデータをそれらの対応する重みによって重み付けるステップを備える。
【0032】
好適には、また、本発明によれば、方法は、車両の軸線で及び別の方向で輝度データを回復するステップと、ドライバーの頭部の方向を検出するステップとを備える。また、前記計算ステップは、頭部の前記方向に応じて前記輝度データを考慮に入れることによって行なわれる。
【0033】
好適には、また、本発明によれば、方法は、透過係数を与えるのと同期して車両のパルス照明を駆動させる第1のステップと、後の透過係数の付与とは無関係に前記照明を駆動させる第2のステップとを備える。
【0034】
本発明の他の目的、特徴、及び、利点は、単に非限定的な態様で与えられて添付の図を参照する以下の説明を読むと明らかになる。