特許第6441409号(P6441409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441409
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】給排気可能な排水装置用キャップ
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/00 20060101AFI20181210BHJP
   F04B 9/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   F04B53/00 J
   F04B9/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-92967(P2017-92967)
(22)【出願日】2017年5月9日
(65)【公開番号】特開2017-219040(P2017-219040A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2017年5月10日
(31)【優先権主張番号】105117547
(32)【優先日】2016年6月3日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516068929
【氏名又は名称】合利美股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】蕭裕明
【審査官】 岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−032951(JP,A)
【文献】 特開2015−218658(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3098140(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 53/00
F04B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水装置に配置される給排気可能な排水装置用キャップであって、
前記排水装置は、シャーシおよびモーターを有し、前記モーターは前記シャーシの上方に装着され、先端部にファンを有し、前記ファンは前記モーターの駆動軸に接続され、
前記給排気可能な排水装置用キャップは、先端部および筒状部からなる本体、前記本体の底部に形成された開口部、複数の排気口、突出縁部、外壁面、複数の給気口および複数の装着部を有し、
複数の前記排気口は、前記筒状部の上方辺縁部に形成され、前記突出縁部は前記筒状部の表面の中間部位から前記筒状部の周りに沿って外側かつ下方へ伸びて形成され、前記外壁面は前記筒状部の周りに沿って前記突出縁部から下方へ伸びて形成され、かつ前記筒状部との間に一定距離を置き、底部が前記筒状部の底部より低く、複数の前記給気口は前記筒状部と径方向に重複する前記外壁面に形成され、複数の前記装着部は前記外壁面の底部から外側へ伸びて形成され、
前記給排気可能な排水装置用キャップは前記モーターに被さり、前記装着部によって前記排水装置の前記シャーシに装着され、前記筒状部の前記底部は前記シャーシに接触せず一定距離を置き、前記排気口は前記ファンに対応し、前記外壁面の前記底部はシャーシに当接することを特徴とする、
給排気可能な排水装置用キャップ。
【請求項2】
前記外壁面は、前記底部に少なくとも一つの凹状孔を有することを特徴とする請求項1に記載の給排気可能な排水装置用キャップ。
【請求項3】
一部の前記装着部はフック状を呈するのに対し、前記シャーシは複数の中空部を有することを特徴とする請求項1に記載の給排気可能な排水装置用キャップ。
【請求項4】
一部の前記装着部は、ボルトが末端を貫通することによって前記シャーシに締め付けられることを特徴とする請求項1に記載の給排気可能な排水装置用キャップ。
【請求項5】
前記外壁面と前記筒状部との間は複数のリブによって連結され、複数の前記リブは前記突出縁部の下方から前記筒状部の前記底部まで伸びることを特徴とする請求項1に記載の給排気可能な排水装置用キャップ。
【請求項6】
複数の前記リブ、前記筒状部および前記外壁面は一体成型であることを特徴とする請求項5に記載の給排気可能な排水装置用キャップ。
【請求項7】
前記給気口は線状を呈し、規則的に配列することを特徴とする請求項1に記載の給排気可能な排水装置用キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水装置に関し、詳しくは給排気が可能な排水装置用キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
権利者が本出願人の特許文献1により掲示された排水装置のモーターカバーはモーターの冷却ファンの回転に伴って生じた気流を誘導する効果を果たすものである。前記モーターカバーはモーターだけでなく、モーター以外の部品を覆うため、全体の体積が比較的大きい。そのため、排水装置は全体空間および部品配置が限定される。それに対し、モーターカバーの体積を縮小できれば好ましい。
【0003】
前記モーターカバーは複数の斜面に位置する給気口を有する。斜面は排水装置の別の部品を覆うキャップから形成される。埃や毛玉などの汚れが比較的ひどい環境に排水装置を使用する場合、前記モーターカバーは、モーターの回転によって気流が誘導されるとともに埃や毛玉を空気中に浮遊させ、空気中に浮遊した埃や毛玉が給気口から流入し、部品の表面に落下するため、部品の故障または損壊を抑制できない。
【0004】
これに対し、モーターカバーがモーターだけを覆うように製作されれば、モーターカバーの体積を縮小できる。しかしながら、給気口が特許文献1と同じようにモーターカバーの側辺に配置されれば、埃や毛玉が吸引され、冷却ファンに付着するため、排気が不良になり、モーターが過熱し、故障してしまうという問題が起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾実用新案M308567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、モーターだけを覆い、埃や毛玉がファンに付着しにくい給排気可能な排水装置用キャップを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、給排気可能な排水装置用キャップは排水装置に配置される。排水装置はシャーシおよびモーターを有する。モーターはシャーシの上方に装着され、先端部にファンを有する。ファンはモーターの駆動軸に接続される。キャップは先端部および筒状部からなる本体、本体の底部に形成された開口部、複数の排気口、突出縁部、外壁面、複数の給気口および複数の装着部を有する。複数の排気口は筒状部の上方辺縁部に形成される。突出縁部は筒状部の表面の中間部位から筒状部の周りに沿って外側かつ下方へ伸びて形成される。外壁面は筒状部の周りに沿って突出縁部から下方へ伸びて形成される。外壁面は筒状部に一定距離を置き、底部が筒状部の底部より低い。複数の給気口は外壁面の表面に形成される。複数の装着部は外壁面の底部から外側へ伸びて形成される。給排気可能な排水装置用キャップはモーターに被さり、かつ装着部によって排水装置のシャーシに装着される。筒状部の底部はシャーシに接触せず一定距離を置く。複数の排気口はファンに対応する。外壁面は底部がシャーシに当接する。
【0008】
上述したとおり、本発明による給排気可能な排水装置用キャップはモーターだけを覆うため、従来の技術と比べて全体の体積が比較的小さい。一方、本発明は吸入された空気を給気口から筒状部の底部へ送り込み、キャップに流入させることができるため、埃や毛玉がファンに付着しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による給排気可能な排水装置用キャップが排水装置に装着された状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による給排気可能な排水装置用キャップと排水装置とが分解された状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による給排気可能な排水装置用キャップを示す縦断面図である。
図4図3中の4−4線に沿った断面図である。
図5】本発明の一実施形態による給排気可能な排水装置用キャップが排水装置に装着された状態を示す一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による給排気可能な排水装置用キャップを図面に基づいて説明する。
【0011】
(一実施形態)
図1から図5に示すように、本発明の一実施形態による給排気可能な排水装置用キャップ10は排水装置90に配置される。排水装置90はシャーシ91およびモーター95を有する。モーター95はシャーシ91の上方に装着され、先端部にファン96を有する。ファン96はモーター95の駆動軸に接続される。
【0012】
給排気可能な排水装置用キャップ10は、先端部12および筒状部14からなる本体11、本体11の底部に形成された開口部111、複数の排気口141、突出縁部15、外壁面16、複数の給気口161および複数の装着部162、162’を有する。
複数の排気口141は筒状部14の上方辺縁部に形成される。突出縁部15は筒状部14の表面の中間部位から筒状部14の周りに沿って外側かつ下方へ伸びて形成される。外壁面16は筒状部14の周りに沿って突出縁部15から下方へ伸びて形成される。外壁面16は筒状部14に一定距離を置き、底部が筒状部14の底部より低い。複数の給気口161は外壁面16の表面に形成される。複数の装着部162、162’は外壁面16の底部から外側へ伸びて形成される。
【0013】
給排気可能な排水装置用キャップ10はモーター95に被さり、複数の装着部162、162’によって排水装置90のシャーシ91に装着される。筒状部14の底部はシャーシ91に接触せず一定距離を置く。複数の排気口141はファン96に対応する。外壁面16の底部はシャーシ91に当接する。
【0014】
本実施形態において、複数の装着部162、162’の一部分の装着部162はフック状を呈するのに対し、シャーシ91は複数の中空部92を有する。フック状の装着部162と中空部92とは相互に嵌合される。ボルト93は別の装着部162’の末端を貫通し、装着部162’をシャーシ91に締め付ける。つまり、締付方式によって給排気可能な排水装置用キャップ10をシャーシ91に固定することができる。
【0015】
本実施形態において、外壁面16と筒状部14との間は複数のリブ17によって連結される。複数のリブ17は突出縁部15の下方から筒状部14の底部まで伸びるため、外壁面16と筒状部14との間の構造強度を向上させることができる。
一方、複数のリブ17、筒状部14および外壁面16は一体成型であるため、結合効果が比較的良い。本実施形態は必ずしもリブ17を配置するとは限らないが、リブ17を配置しなければ、構造全体の強度が多少落ちる。
【0016】
本実施形態において、外壁面16は底部に少なくとも一つの凹状孔163、即ち一つまたは複数の凹状孔163を有する。凹状孔163は空気通路となり、かつ観察および検知の便をはかることができる。メンテナンスを行う際、複数の凹状孔163によって筒状部14の底部の下方空間を外部から覗き、内部を検知することができる。本実施形態は必ずしも凹状孔163を配置するとは限らないが、内部を検知する際、給排気可能な排水装置用キャップ10を取り外しなければならない。
【0017】
以上は本実施形態の構造についての説明である。続いて本実施形態の作用について説明する。
【0018】
図5に示すように、モーター95が稼働すると同時にファン96を回転させる際、給排気可能な排水装置用キャップ10の内部の空気は排気口141から排出される。このとき内部の空気圧は降下し、外部の空気を吸引する吸引力を生じさせる。大部分の空気は吸引力によって給気口161から導入され、そののち筒状部14に妨害されるため筒状部14の底部とシャーシ91との間の隙間から流入し、そののち開口部111から給排気可能な排水装置用キャップ10に流れ込む。
外部の空気は筒状部14の底部から給排気可能な排水装置用キャップ10に流れ込むため、埃または毛玉は外部の空気に混じって給排気可能な排水装置用キャップ10に流れ込んでもファン96まで届かない。つまり、上述した設計により、大部分の埃または毛玉をモーター95の下方に残留させ、モーター95に埃が付着することを抑制し、環境の汚れへの対応をより効果的にすることができる。
一方、給排気可能な排水装置用キャップ10が実際に使用される際、ほんの一部分の空気は複数の凹状孔163から給排気可能な排水装置用キャップ10に流れ込む。凹状孔163は外壁面16の底部に形成される。つまりほんの一部分の空気は筒状部14の底部から給排気可能な排水装置用キャップ10に流れ込むため、給気口161の機能に影響を与えることがない。
【0019】
本実施形態において、給気口161は線状を呈し、規則的に配列するため、フィルターのような機能を果たし、外部の異物のうちの比較的大きい毛玉またはごみを取り除き、給排気可能な排水装置用キャップ10の内部を清潔に維持することができる。
【0020】
上述したとおり、本発明による給排気可能な排水装置用キャップ10はモーター95だけを覆い、ファン96に埃または毛玉をあまり付着させないため、従来の技術と比べて環境の汚れへより効果的に対応することができる。
【符号の説明】
【0021】
10 給排気可能な排水装置用キャップ
11 本体
111 開口部
12 先端部
14 筒状部
141 排気口
15 突出縁部
16 外壁面
161 給気口
162、162’ 装着部
163 凹状孔
17 リブ
90 排水装置
91 シャーシ
92 中空部
93 ボルト
95 モーター
96 ファン
図1
図2
図3
図4
図5