(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441488
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20181210BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13357
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-537112(P2017-537112)
(86)(22)【出願日】2015年8月31日
(86)【国際出願番号】JP2015074805
(87)【国際公開番号】WO2017037856
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大坪 友和
【審査官】
佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−113873(JP,A)
【文献】
特開2013−26110(JP,A)
【文献】
特開2013−101827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1333
G02F1/1335−1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
光学シートと、
前記表示パネルと対向するよう前記光学シートを保持する保持部材と
を備え、
前記保持部材は、前記表示パネルの厚み方向に突設された、前記光学シートと係合する複数の突起を有し、
前記光学シートは矩形であり、
前記光学シートの一辺に沿って形成され、前記保持部材の複数の突起のそれぞれに係合する複数の係合孔を有し、
前記複数の係合孔は、前記一辺の中央部に設けられた中央係合孔を含み、
前記複数の突起のうち前記中央係合孔に係合する中央係合突起と該中央係合孔との係合時における前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔が、前記中央係合孔を除く少なくとも1つの他の係合孔の周縁と前記中央係合突起以外の少なくとも1つの他の突起との間の間隔より小さく、
前記中央係合孔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺と直交する方向での前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔の大きさが、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺に沿う方向での前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔の大きさ以上であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記他の係合孔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺と直交する方向での前記他の係合孔の周縁と前記他の突起との間の間隔の大きさが、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺に沿う方向での前記他の係合孔の周縁と前記他の突起との間の間隔の大きさより小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記他の係合孔は、前記中央係合孔に対して前記一辺に沿う方向で両方向に形成された複数の他の係合孔を含み、
前記複数の他の係合孔は、前記中央係合孔から離れるにしたがって、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺に沿う方向での前記他の係合孔の周縁と前記他の突起との間の間隔が大きくなる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺と直交する方向にのみ形成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記係合孔は前記光学シートの前記一辺と対向する他辺にさらに設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記保持部材の前記複数の突起は一定の大きさを有しており、
前記中央係合孔は他の係合孔より小さいことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の係合孔は一定の大きさを有しており、
前記中央係合突起は、前記他の係合突起より大きいことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記光学シートの前記一辺に沿って複数の係合鍔が設けられており、前記複数の係合孔がそれぞれ前記複数の係合鍔に形成されている、請求項1から7の何れかに記載の表示装置。
【請求項9】
表示パネルと、
光学シートと、
前記表示パネルと対向するよう前記光学シートを保持する保持部材と
を備え、
前記保持部材は、前記表示パネルの厚み方向に突設された、前記光学シートと係合する複数の突起を有し、
前記光学シートは矩形であり、
前記光学シートの一辺に沿って形成され、前記保持部材の複数の突起のそれぞれに係合する複数の係合孔を有し、
前記複数の係合孔は、前記一辺の中央部に設けられた中央係合孔を含み、
前記複数の突起のうち前記中央係合孔に係合する中央係合突起と該中央係合孔との係合時における前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔が、前記中央係合孔を除く少なくとも1つの他の係合孔の周縁と前記中央係合突起以外の少なくとも1つの他の突起との間の間隔より小さく、
前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺と直交する方向にのみ形成される、表示装置。
【請求項10】
前記他の係合孔は、前記中央係合孔に対して前記一辺に沿う方向で両方向に形成された複数の他の係合孔を含み、
前記複数の他の係合孔は、前記中央係合孔から離れるにしたがって、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺に沿う方向での前記他の係合孔の周縁と前記他の突起との間の間隔が大きくなる、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記係合孔は前記光学シートの前記一辺と対向する他辺にさらに設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記保持部材の前記複数の突起は一定の大きさを有しており、
前記中央係合孔は他の係合孔より小さいことを特徴とする請求項9から11の何れかに記載の表示装置。
【請求項13】
前記複数の係合孔は一定の大きさを有しており、
前記中央係合突起は、前記他の係合突起より大きいことを特徴とする請求項9から11の何れかに記載の表示装置。
【請求項14】
前記光学シートの前記一辺に沿って複数の係合鍔が設けられており、前記複数の係合孔がそれぞれ前記複数の係合鍔に形成されている、請求項9から13の何れかに記載の表示装置。
【請求項15】
表示パネルと、
光学シートと、
前記表示パネルと対向するよう前記光学シートを保持する保持部材と
を備え、
前記保持部材は、前記表示パネルの厚み方向に突設された、前記光学シートと係合する複数の突起を有し、
前記光学シートは矩形であり、
前記光学シートの一辺に沿って形成され、前記保持部材の複数の突起のそれぞれに係合する複数の係合孔を有し、
前記複数の係合孔は、前記一辺の中央部に設けられた中央係合孔を含み、
前記複数の突起のうち前記中央係合孔に係合する中央係合突起と該中央係合孔との係合時における前記中央係合孔の周縁と前記中央係合突起との間の間隔が、前記中央係合孔を除く少なくとも1つの他の係合孔の周縁と前記中央係合突起以外の少なくとも1つの他の突起との間の間隔より小さく、
前記複数の係合孔は一定の大きさを有しており、
前記中央係合突起は、前記他の係合突起より大きい、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルと、該表示パネルの厚み方向に突設された複数の突起が光学シートと係合することにより、前記表示パネルと対向するよう前記光学シートを保持する保持部材とを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを用いた表示装置の場合は、光源からの光を拡散又は集光させるために光学シートを備えている。該光学シートは、液晶パネルと光源との間に設けられる。
【0003】
このような光学シートは、前記光源が発する熱によって熱膨張し、シワ、撓み等が生じるため、それを防止するための様々な方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1においては、略矩形であるシート類の隣り合う2辺に複数の孔を設け、該孔を用いて該シート類を保持することにより、縦置き、横置きの何れの場合でもシート類にシワ、撓み等が生じない液晶表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−279864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、前記光学シートは箇所によって熱膨張量が異なるという問題点があり、該光学シートの熱膨張によるシワ発生の問題を解決するには、この問題点を考慮すべきである。しかし、特許文献1の液晶表示装置では斯かる問題点が考慮されていない。
【0007】
更に、斯かる表示装置の振動テスト、運送などの際には、該表示装置には振動が加わるので、該振動により、前記光学シートにガタツキが発生する場合は、該光学シートが移動することによって傷つく虞があるという問題点もある。しかしながら、特許文献1の液晶表示装置では、このような問題点に対しても考慮されていない。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示パネルと、該表示パネルの厚み方向に突設された複数の突起が光学シートと係合することにより、前記表示パネルと対向するよう前記光学シートを保持する保持部材とを備える表示装置において、前記問題点を考慮し、振動時の前記光学シートの移動による傷を抑制しつつ、熱膨張により該光学シートにシワが発生することを防止できる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示装置は、表示パネルと、該表示パネルの厚み方向に突設された複数の突起が光学シートと係合することにより、前記表示パネルと対向するよう前記光学シートを保持する保持部材とを備える表示装置において、前記光学シートは矩形であり、前記保持部材の突起に対応する係合孔が形成され、前記光学シートの一辺縁に設けられた複数の係合鍔を備え、前記複数の係合鍔は、前記一辺縁の中央部に設けられた中央係合鍔を含み、該中央係合鍔の係合孔は、係合時における前記突起との間隔が、前記中央係合鍔を除く他の係合鍔の係合孔より小さいことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、前記光学シートは矩形であり、該光学シートの中央部での熱膨張量は小さい。従って、前記光学シートの前記一辺縁の中央部に設けられた中央係合鍔の係合孔における前記間隔を、前記中央係合鍔を除く他の係合鍔の係合孔より小さくして振動時の前記光学シートの移動による傷を抑制しながらも、熱膨張によるシワ発生の問題は生じない。
【0011】
本発明に係る表示装置は、前記中央係合鍔の係合孔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での間隔の大きさが、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁に沿う方向での間隔の大きさ以上であることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、前記光学シートは矩形であるので、前記一辺の中央部においては、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での熱膨張はある程度発生するが、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁に沿う方向での熱膨張は殆どない。従って、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での間隔の大きさを十分大きくして、斯かる熱膨張に備える。
【0013】
本発明に係る表示装置は、前記他の係合鍔の係合孔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での間隔の大きさが、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁に沿う方向での間隔の大きさより小さいことを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、前記光学シートは矩形であるので、前記一辺において中央部を除く箇所では、記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での熱膨張は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁に沿う方向、すなわち前記光学シート長手方向の熱膨張より小さい。従って、前記光学シートの長手方向での間隔の大きさを十分大きくして、斯かる熱膨張に備える。
【0015】
本発明に係る表示装置は、前記中央係合鍔の係合孔は、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向にのみ間隔を有することを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、前記光学シートは矩形であるので、前記一辺の中央部においては、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での熱膨張はある程度発生するが、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁に沿う方向での熱膨張は殆どない。従って、前記光学シートの面に沿う方向であって前記一辺縁と直交する方向での間隔のみを設け、斯かる熱膨張に備える。
【0017】
本発明に係る表示装置は、前記係合鍔は前記一辺縁と対向する他辺縁に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、前記光学シートが矩形であるので、例えば、一長辺、及び、該一長辺と対向する他長辺に前記係合鍔が設けられている。
【0019】
本発明に係る表示装置は、前記保持部材の突起は一定の大きさを有しており、前記中央係合鍔の係合孔は他の係合孔より小さいことを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、前記中央係合鍔の係合孔を他の係合孔より小さくすることにより、前記中央係合鍔の係合孔における前記間隔が、前記中央係合鍔を除く他の係合鍔の係合孔より小さくなるようにする。
【0021】
本発明に係る表示装置は、前記係合孔は一定の大きさを有しており、前記中央係合鍔の係合孔に対応する突起は、前記他の係合鍔の係合孔に対応する突起より大きいことを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、前記中央係合鍔の係合孔に対応する突起を、前記他の係合鍔の係合孔に対応する突起より大きくすることにより、前記中央係合鍔の係合孔における前記間隔が、前記中央係合鍔を除く他の係合鍔の係合孔より小さくなるようにする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、前記光学シートの移動を確実に抑制しつつ、熱膨張により該光学シートにシワが発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施の形態1における液晶テレビジョン受像機の外観を示す正面図である。
【
図2】実施の形態1における液晶テレビジョン受像機を構成する要部を模式的に示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機における、光学シートと保持部材との係合を説明する説明図である。
【
図6】実施の形態1において、係合突起及び係合孔が係合する際、係合突起及び係合孔の間に存在する間隔を例示する例示図である。
【
図7】実施の形態2に係る液晶テレビジョン受像機における、中央係合突起と中央係合孔との係合を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施の形態に係る表示装置を、液晶パネルを備えるいわゆる液晶テレビジョン受像機に適用した場合を例として、図面に基づいて詳述する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における液晶テレビジョン受像機100の外観を示す正面図である。液晶テレビジョン受像機100
において、液晶表示パネル1及び他の部品は、ベゼル2及び後述するバックライトシャーシ6に収容されている。
【0027】
図2は、実施の形態1における液晶テレビジョン受像機100を構成する要部を模式的に示す分解斜視図である。
【0028】
本実施の形態に係る液晶テレビジョン受像機100は、
図1及び
図2に示したように、表側の一面に矩形の液晶表示パネル1を備えており、液晶表示パネル1はその一面に映像を表示する。また、液晶表示パネル1の裏側には光学シート3と、保持部材4と、光源装置5と、バックライトシャーシ6とが斯かる順に設けられている。また、光源装置5は光源51、導光板52及び反射シート53を有している。
【0029】
光源装置5は、一面が開放された直方体の箱状をなすバックライトシャーシ6に収容されており、光学シート3の周縁側、及びバックライトシャーシ6の側壁側は矩形の枠形状のベゼル2によって取り囲まれている。
【0030】
光学シート3は一面が液晶表示パネル1の他面と対向するように配置されており、また、導光板52は一面が光学シート3の他面と対向するように配置され、更に反射シート53は一面が導光板52の他面と対向するように配置されている。
【0031】
ベゼル2は、矩形状の枠体である。ベゼル2は、矩形の筒状の側板と、該側板の一端部から内向きに張り出した環状板の額縁部21とからなり、液晶テレビジョン受像機100の厚み方向での断面形状はL字状をなす。液晶表示パネル1より表側には、ベゼル2の額縁部21が配置されている。ユーザは額縁部21を介して液晶表示パネル1の前記一面に表示される画像を視認することができる。液晶表示パネル1は、前記一面の周縁部がベゼル2の額縁部21によって覆われている。
【0032】
液晶表示パネル1は、表示パネルであり、矩形の平板状をなす。液晶表示パネル1は、アクティブマトリクス方式を採用している。また、液晶表示パネル1は前記他面に偏光板(図示せず)を設けており、該偏光板を用いて入射される光をP波(水平偏光成分)とS波(垂直偏光成分)に分離し、P波だけが前記一面に向けて出て行き、S波は該偏光板に吸収されるように構成されている。液晶表示パネル1は、例えば電気泳動液晶パネルであっても良い。
【0033】
液晶表示パネル1の前記他面側に設けられた光学シート3は、後述する光源51から発せられ、導光板52を介して入射される光に対して拡散、集光等を行ない、より均一な光を液晶表示パネル1に向けて出射させる、公知のものである。例えば、光学シート3は、重ね合わせた3枚の単位シート31,32,33を有する。より詳しくは、光学シート3は2枚の拡散シート31,33と、1枚のプリズムシート32とを有しており、プリズムシート32は2枚の拡散シート31,33の間に介在している。拡散シート31、プリズムシート32及び拡散シート33は同じ矩形であり、同一の大きさを有している。
【0034】
2枚の拡散シート31,33のうち導光板52側に配置された拡散シート31は、導光板52を介して光源51から入射される光を拡散させてプリズムシート32に入射させる光学シートである。また、プリズムシート32は、拡散シート31を介して入射される光を集光して拡散シート33に向けて出射させる光学シートである。プリズムシート32を通過した光は、プリズムシート32に対して垂直に拡散シート33へ入射される。
【0035】
液晶表示パネル1側に配置された拡散シート33は、プリズムシート32を介して入射される光を更に拡散させてより均一な輝度分布にして液晶表示パネル1の前記他面に向けて出射させる光学シートである。以下においては、説明の便宜上、拡散シート31,33と、プリズムシート32とをまとめて光学シート3とも言う。
【0036】
また、光学シート3は、一長辺に、5つの係合鍔34を有する。係合鍔34は保持部材4との係合に用いられる。各係合鍔34は矩形をなし、各係合鍔34には、保持部材4との係合に用いられる係合孔35が形成されている。例えば、係合孔35は、光学シート3の長手方向に長い短冊状をなす。
【0037】
前記5つの係合鍔34(係合孔35)は、後述する保持部材4の係合突起43a,43bに対応するよう設けられている。光学シート3の前記一長辺に沿う方向において、中央部に1つの係合鍔34が設けられ、該中央部の係合鍔34の両側に2つずつ係合鍔34が同一間隔を挟んで設けられている。以下においては、前記中央部の係合鍔34を中央係合鍔34とも言い、該中央係合鍔34の係合孔35を中央係合孔35とも言う。
【0038】
光学シート3の前記他面側(導光板52との対向面側)であって、該他面の周縁部付近には光学シート3を保持する保持部材4が設けられている。保持部材4は、光学シート3と係合を行うことにより、液晶表示パネル1と対向するよう光学シート3を保持する。
【0039】
保持部材4は、矩形平板状の保持板41の外周縁に周板46を設け、保持板41の中央部に矩形状の開口部を設けてなる枠体である。該開口部の大きさは、導光板52の前記一面よりも小さい。
【0040】
また、光学シート3と対向する保持板41の一面42における一長辺側の縁部には、液晶表示パネル1の厚み方向に突設された複数の係合突起43a,43bが設けられている。前記一長辺の中央部には、複数の係合突起43a,43bのうち、係合突起43a(以下、中央係合突起43aという)が設けられ、他の箇所には係合突起43bが設けられている。前記一長辺に沿う方向において、中央係合突起43aの両側に2ずつ係合突起43bが設けられている。以下においては、係合突起43a,43bを略して係合突起43ともいう。係合突起43a,43bの詳細については後述する。
【0041】
光学シート3の他面側には矩形の導光板52が配置されている。すなわち、導光板52の前記一面は光学シート3の前記他面と対向して配置されている。導光板52は光源51から出射され、その一側面から入射される光を拡散させて前記一面から光学シート3に向けて出射させる。
【0042】
導光板52は、例えば、透明の板材(ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等)からなる。光源としてLEDのような点光源を使用した場合、導光板52は各点光源からの光を拡散させて均一に面発光として前記一面から出射させる。
【0043】
反射シート53は、例えば、矩形であり、その一面が導光板52の前記他面と対向するように配置され、導光板52の前記他面から出射される光を導光板52に戻す。
【0044】
また、導光板52の前記一側面には、光源51が設けられている。光源51は、例えば、基板54上に実装された複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)55を含む。
【0045】
図3は実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100における、光学シート3と保持部材4との係合を説明する説明図である。
【0046】
光学シート3は、保持部材4の保持板41の開口部を覆うように保持部材4に保持されている。換言すれば、保持部材4は、光学シート3が液晶表示パネル1と対向するように、光学シート3を保持する。また、光学シート3は、保持部材4の前記開口部よりも大きく、光学シート3の周縁部が保持板41の環状の一面42にて保持される。
【0047】
光学シート3の係合鍔34が保持部材4の保持板41の一面42と当接した状態にて、保持部材4は、中央係合突起43a及び係合突起43bに、光学シート3の係合鍔34の係合孔35を係合させることで光学シート3を位置決めして保持する。すなわち、中央係合鍔34aの中央係合孔35aは保持部材4の中央係合突起43aと係合しており、他の係合鍔34bの係合孔35bは保持部材4の係合突起43bと係合している。
【0048】
中央係合孔35a及び係合孔35bは何れも短冊状をなしており、中央係合突起43a及び係合突起43bは、光学シート3の厚み方向において、夫々中央係合孔35a及び係合孔35bに倣う形状を有している。
【0049】
このように、中央係合孔35a及び係合孔35bと、中央係合突起43a及び係合突起43bとが係合することにより、光学シート3は保持部材4に保持される。
【0050】
しかし、実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100においては、係合時における、係合孔35及び係合突起43の間の間隔が、箇所によって異なるように構成されている。
【0051】
図4は
図3のA部分を拡大した拡大図であり、
図5は
図3のB部分を拡大した拡大図である。
図4においては、中央係合突起43a及び中央係合孔35aの係合を示しており、
図5においては、係合突起43b及び係合孔35bの係合を示している。
【0052】
換言すれば、
図4は光学シート3の長手方向における中央部での係合を示しており、
図5は該中央部以外の箇所での係合を示している。ここで、中央部は、例えば、光学シート3の長手方向の中心から、±10%の範囲を言う。なお、斯かる範囲は、光学シート3の長手方向の寸法を基準とする。
【0053】
図6は実施の形態1において、係合突起43及び係合孔35が係合する際、係合突起43及び係合孔35の間に存在する間隔を例示する例示図である。
【0054】
以下の説明においては、
図6に示したように、光学シート3の面に沿う方向であって斯かる一長辺と直交する方向をY方向と言い、また、光学シート3の面に沿う方向であって該一長辺に沿う方向をX方向と言う。
【0055】
また、前記Y方向において、係合突起43の上側(図面視)に存在する、係合突起43及び係合孔35の間の間隔を間隔aと言い、係合突起43の下側(図面視)に存在する、係合突起43及び係合孔35の間の間隔を間隔bと言う。
【0056】
更に、前記X方向において、係合突起43の左側(図面視)に存在する、係合突起43及び係合孔35の間の間隔を間隔cと言い、係合突起43の右側(図面視)に存在する、係合突起43及び係合孔35の間の間隔を間隔dと言う。
【0057】
一方、
図4に示しているように、中央係合突起43aと中央係合孔35aとの係合においては、間隔aは存在せず、間隔b、間隔c及び間隔dのみが存在するように構成されており、間隔bは間隔c又は間隔dの何れよりも大きい。
【0058】
また、間隔c及び間隔dの和からなるX方向の間隔の大きさは、間隔a及び間隔bの和からなるY方向の間隔の大きさ以下であるように構成されている。
【0059】
このように、光学シート3の長手方向における中央部での係合では、前記Y方向の間隔は十分に確保するが、前記X方向の間隔は最小限に抑えることにより、光学シート3の熱膨張に対応できると共に、振動により光学シート3にガタツキが発生することに対応できる。
【0060】
詳しくは、光学シート3の中央部での熱膨張は主に前記Y方向での線膨張であり、前記X方向での線膨張は殆どない。これに鑑み、前記Y方向の間隔を十分に確保することにより、光学シート3の熱膨張の際、光学シート3が前記Y方向に自由に膨張・収縮でき、中央係合孔35a(中央係合突起43a)付近にてシワが発生することを未然に防止できる。
【0061】
また、前記X方向の間隔は最小限に抑えることにより、光学シート3の移動が拘束される。従って、外部からの与えられた振動によって光学シート3にガタツキが発生することを防ぎ、該ガタツキによって光学シート3に傷が発生することを未然に防止できる。このような拘束力は間隔aを無くすことにより、更に大きくなる。
【0062】
このような構成は、係合孔35の大きさは一定にして、中央係合突起43aを係合突起43bより大きくすることによりなしても良く、係合突起43の大きさを一定にして、中央係合孔35aを係合孔35bより小さくすることによりなしても良い。
【0063】
また、
図5に示しているように、係合突起43bと係合孔35bとの係合においても、間隔aは存在せず、間隔b、間隔c及び間隔dのみが存在するように構成されており、間隔bは間隔c又は間隔dの何れよりも大きい。
【0064】
一方、係合突起43bと係合孔35bとの係合においては、上述したX方向の間隔の大きさは、上述したY方向の間隔の大きさより大きくなるように構成されている。
【0065】
このように、光学シート3にて前記中央部を除く他の箇所での係合では、前記X方向及び前記Y方向の間隔を十分に確保するものの、前記X方向の間隔が前記Y方向の間隔より大きくなるよう構成することにより、光学シート3の熱膨張に効果的に対応できる。
【0066】
詳しくは、光学シート3にて中央部を除く他の箇所では、前記X方向及び前記Y方向にて線膨張(熱膨張)が発生し、特に前記X方向での線膨張は前記中央部に比べて大きい。また、光学シート3は矩形であるので、長手方向であるX方向での熱膨張が短手方向であるY方向での熱膨張より大きい。従って、前記X方向の間隔を前記Y方向の間隔より大きくすることにより、より適切に光学シート3の熱膨張に対応でき、係合孔35b(係合突起43b)付近にてシワが発生することを未然に防止できる。
【0067】
また、間隔aを無くすことにより、光学シート3の移動を拘束する拘束力に寄与できる。
【0068】
更に、光学シート3にて中央部を除く他の箇所での係合では、前記X方向及び前記Y方向に対する光学シート3の大きさに対して、0.1〜0.2%の間隔を有するようにすれば良い。望ましくは、前記間隔の最小値が前記X方向において0.15%であれば良い。
【0069】
一方、前記間隔の最大値は、光学シート3の材質によって異なるが、例えば、1%であれば良い。望ましくは、前記最小値の2〜3倍程度であれば良い。
【0070】
なお、本発明はこれに限るものでなく、前記中央部から遠い箇所での係合ほど、間隔c及び間隔dが大きくなるように構成しても良い。また、前記中央部から遠い箇所での係合ほど、前記Y方向の間隔と前記X方向の間隔の差が大きくなるように構成しても良い。
【0071】
このような構成は、係合孔35の大きさ、又は、係合突起43の大きさの何れかを調整することによりなしても良い。
【0072】
(実施の形態2)
図7は実施の形態2に係る液晶テレビジョン受像機100における、中央係合突起43aと中央係合孔35aとの係合を説明する説明図である。
【0073】
実施の形態2においては、中央係合突起43aと中央係合孔35aとの係合において、間隔a、間隔d及び間隔cが存在せず、間隔bのみが存在するように構成されている。
【0074】
このような構成によって、前記Y方向への光学シート3の熱膨張に対応しつつ、光学シート3の移動を拘束する拘束力を更に大きくすることが出来る。
【0075】
本発明は以上の記載に限るものでなく、間隔aが所定の大きさを有するように構成しても良い。
【0076】
また、以上の記載においては、係合鍔34(係合孔35)が光学シート3の前記一長辺にのみ設けられ、係合孔35に対応するよう、保持部材4に係合突起43が設けられている場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものでない。例えば、光学シート3の前記一長辺と対向する他長辺にも係合鍔34(係合孔35)が設けられた構成であっても良い。
【0077】
更に、以上の説明では、液晶テレビジョン受像機100がいわゆるエッジ型バックライトを用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものでなく、いわゆる直下型バックライトを用いる場合でも適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 液晶表示パネル
3 光学シート
4 保持部材
34 係合鍔
34a 中央係合鍔
34b 他の係合鍔
35 係合孔
43 係合突起
100 液晶テレビジョン受像機
a,b,c,d 間隔