(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明らは、前記特許文献1や2とは全く異なる組成物であって、シワぼかし、化粧持ち、伸び、よれ抑制、べたつき抑制及び高温安定性の点で所望の効果が得られる、化粧下地用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが前記課題に鑑み鋭意検討を行ったところ、特定の組成物によれば、これを皮膚に適用した場合に、シワぼかし、化粧持ち、伸び、よれ抑制、べたつき抑制の全ての点で所望の効果が得られ、また、高温で安定であることを見出した。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねた結果完成されたものであり、次に掲げるものである。
【0009】
項1.次の構成A)〜E)を有する化粧下地用組成物:
構成A)(1)シリコーンゴム表面をシリコーンレジンで被覆した平均粒径1.5〜2.5μmの球状シリコーン複合粒子、及び(2)平均粒径6.5〜10.5μmの球状アクリレーツクロスポリマーを含有し、組成物中、成分(1)と成分(2)との合計量が16〜20質量%であり、成分(1)と成分(2)の質量比(成分(1):(2))が1:1.2〜1:2である、
構成B)(3)非乳化性部分架橋型シリコーンエラストマーを含有し、組成物中、成分(3)の含有量が38〜42質量%である、
構成C)(4)25℃で粘度4〜8mm
2/sの不揮発性シリコーン油、(5)揮発性シリコーン油及び(6)有機酸モノエステル油を含有し、組成物中、成分(4)〜(6)の合計量が33〜40質量%である、
構成D)(7)トリメチルシロキシケイ酸を含有し、組成物中、成分(7)の含有量が2.85〜4.35質量%である、ならびに
構成E)(8)比表面積200〜300m
2/gのジメチルシリル化シリカを含有し、組成物中、成分(8)の含有量が2.3〜2.8質量%である。
項2.前記成分(1)が、球状シリコーンゴム表面をシリコーンレジンで被覆した平均粒径1.5〜2.5μmの球状シリコーン複合粒子である、項1に記載の組成物。
項3.前記成分(3)が、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物及び(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種である、項1または2に記載の組成物。
項4.前記成分(4)が、25℃で粘度4〜8mm
2/sのジメチコンである、項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5.前記成分(5)が、シクロペンタシロキサン、ジメチコン及びメチルトリメチコンからなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6.前記成分(6)が、有機酸とアルコールとのモノエステルである、項1〜5のいずれかに記載の組成物。
項7.シワぼかし用である、項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シワぼかし、化粧持ち、伸び、よれ抑制、べたつき抑制、高温安定性の全ての点で優れた化粧下地用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0012】
本発明は、次の構成A)〜E)を有する化粧下地用組成物を提供する。
構成A)(1)シリコーンゴム表面をシリコーンレジンで被覆した平均粒径1.5〜2.5μmの球状シリコーン複合粒子、及び(2)平均粒径6.5〜10.5μmの球状アクリレーツクロスポリマーを含有し、組成物中、成分(1)と成分(2)との合計量が16〜20質量%であり、成分(1)と成分(2)の質量比(成分(1):(2))が1:1.2〜1:2である。
構成B)(3)非乳化性部分架橋型シリコーンエラストマーを含有し、組成物中、成分(3)の含有量が38〜42質量%である。
構成C)(4)25℃で粘度4〜8mm
2/sの不揮発性シリコーン油、(5)揮発性シリコーン油及び(6)有機酸モノエステル油を含有し、組成物中、成分(4)〜(6)の合計量が33〜40質量%である。
構成D)(7)トリメチルシロキシケイ酸を含有し、組成物中、成分(7)の含有量が2.85〜4.35質量%である。
構成E)(8)比表面積200〜300m
2/gのジメチルシリル化シリカを含有し、組成物中、成分(8)の含有量が2.3〜2.8質量%である。
【0013】
前記構成A)の通り、本発明の組成物は、(1)シリコーンゴム表面をシリコーンレジンで被覆した平均粒径1.5〜2.5μmの球状シリコーン複合粒子を含有する。成分(1)は、シリコーン複合粒子の一種として公知であり、この限りにおいて制限されないが、成分(1)として好ましくは、球状シリコーンゴム表面をシリコーンレジンで被覆した平均粒径1.5〜2.5μmの球状シリコーン複合粒子が例示される。
【0014】
このような成分(1)として、本発明を制限するものではないが、平均粒径1.5〜2.5μmの(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーが例示される。当該成分(1)は、例えばKSP−105(平均粒径2μm、信越化学工業株式会社製)として市販されている。
【0015】
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0016】
ここで、平均粒径は、電気抵抗法粒子径測定装置を用いて測定される。
【0017】
前記構成A)の通り、本発明の組成物は、(2)平均粒径6.5〜10.5μmの球状アクリレーツクロスポリマーを含有する。成分(2)は、アクリル系樹脂の一種として公知である。成分(2)は、例えばガンツパール(商標)GMP−0820(平均粒径6.5〜10.5μm)として市販されている。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0018】
平均粒径は、前述と同様にして測定される。
【0019】
本発明の組成物中、成分(1)と成分(2)との合計量は16〜20質量%であり、好ましくは16.5〜19.5質量%が例示される。
【0020】
本発明の組成物中、成分(1)と成分(2)の質量比(成分(1):(2))は1:1.2〜1:2である。
【0021】
前記構成B)の通り、本発明の組成物は、(3)非乳化性部分架橋型シリコーンエラストマーを含有する。成分(3)は、本分野において公知である。成分(3)として、例えば、次のシリコーンゲル、すなわち、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとメチルトリメチコンとの混合物、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーとジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとの混合物、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとミネラルオイルとの混合物、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとイソドデカンとの混合物、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとトリエチルヘキサノインとの混合物、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとスクワランとの混合物、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーとイソドデカンとの混合物、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物、(ジビニルジメチコン/ジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物等が例示される。
【0022】
本発明を制限するものではないが、成分(3)として、好ましくは(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとシクロペンタシロキサンとの混合物等が例示され、より好ましくは(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物が例示される。
【0023】
このように、本発明では、各種非乳化性部分架橋型シリコーンエラストマーを使用でき、これらの混合物における各成分の混合比率は制限されない。本発明を制限するものではないが、例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合物を例に挙げて説明すると、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとジメチコンとの混合比率(質量比)が1:2.5〜1:3.5の混合物等が好ましく例示される。また、本発明を制限するものではないが、該混合物に含まれるジメチコンは25℃で粘度4〜8mm
2/s等が好ましく例示される。
【0024】
ここで粘度は、医薬部外品原料規格2006 粘度測定法、第1法に規定する方法に準じた手順で測定される。但し、改良オストワルド型毛細管粘度計を用い、25℃で測定する。
【0025】
成分(3)は、例えば、KSG−16、KSG−15、KSG−1510、KSG−1610、KSG−106、KSG−18A、KSG−41A、KSG−42A、KSG−43、KSG−44、KSG−042Z、KSG−045Z、KSG−048Z(いずれも信越化学工業株式会社製)、BELSIL EG5、BELSIL EG6000(いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等として市販されている。
【0026】
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0027】
本発明の組成物中、成分(3)の含有量は38〜42質量%であり、好ましくは39〜40質量%が例示される。
【0028】
前記構成C)の通り、本発明の組成物は、(4)25℃で粘度4〜8mm
2/sの不揮発性シリコーン油を含有する。成分(4)は本分野において公知である。成分(4)として、25℃で粘度4〜8mm
2/sのジメチコン、25℃で粘度4〜7mm
2/sのジメチコン等が例示される。粘度は前述と同様にして測定される。
【0029】
なお、本発明において、不揮発性シリコーン油とは、常圧(101.325kPa)で沸点が250℃より高いシリコーン油を意味し、後述する揮発性シリコーン油は、常圧で沸点が250℃以下のシリコーン油を意味する。
【0030】
成分(4)は、例えばKF−96A−5cs、KF−96A−6cs(いずれも信越化学工業株式会社製)、BELSIL DM5(旭化成ワッカーシリコーン)等として市販されている。
【0031】
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】
前記構成C)の通り、本発明の組成物は、(5)揮発性シリコーン油を含有する。成分(5)は本分野において公知である。成分(5)として、シクロペンタシロキサン、ジメチコン、メチルトリメチコン等が例示され、好ましくはシクロペンタシロキサンが例示される。
【0033】
成分(5)は、例えばKF−995、KF−96L−1.5cs、TMF−1.5(いずれも信越化学工業株式会社製)、BELSIL 1 PLUS(信越化学工業旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等として市販されている。
【0034】
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0035】
前記構成C)の通り、本発明の組成物は、(6)有機酸モノエステル油を含有する。成分(6)は本分野において公知である。成分(6)として、有機酸とアルコールのモノエステルが例示される。ここで、有機酸は制限されないが、有機酸として、イソノナン酸、イソステアリン酸等が例示され、アルコールとして、エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等が例示される。また、本発明を制限するものではないが、成分(6)として、好ましくはイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0036】
本発明の組成物中、成分(4)〜(6)の含有量は総量で33〜42質量%であり、好ましくは33〜40質量%が例示される。
【0037】
前記構成D)の通り、本発明の組成物は、(7)トリメチルシロキシケイ酸を含有する。成分(7)は本分野において公知である。
【0038】
本発明の組成物中、成分(7)の含有量は2.85〜4.35質量%である。
【0039】
前記構成E)の通り、本発明の組成物は、(8)比表面積200〜300m
2/gのジメチルシリル化シリカを含有する。成分(8)は本分野において公知である。成分(8)は、例えばAEROSIL R976(日本アエロジル株式会社製)、HDK H20、HDK H30(旭化成ワッカーシリコーン株式会社社製)等として市販されている。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。比表面積はBET法に従い測定される。
【0040】
本発明の組成物中、成分(8)の含有量は2.3〜2.8質量%であり、好ましくは2.35〜2.75質量%が例示される。
【0041】
本発明の組成物は、必要に応じて、薬学的または香粧学に許容可能な任意の他の成分を含有してもよい。他の成分は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、水、保湿剤、美白剤、抗炎症剤、清涼化剤、忌避成分、香料、着色料、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤等が例示される。これらは、目的等に応じて、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0042】
本発明を制限するものではないが、保湿剤として、ヒアルロン酸ナトリウム、加水分解コラーゲン、プラセンタエキス等が例示される。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0043】
任意の他の成分の含有量も、本発明の効果を妨げない限り、適宜決定すればよい。
【0044】
本発明の組成物は、本分野において従来公知の方法に従い、前記成分(1)〜(8)及び必要に応じて任意の他の成分を混合して、製造することができる。
【0045】
本発明の組成物の製造方法の一例として、本発明を制限するものではないが、成分(1)、(2)、(8)及び必要に応じて任意の他の成分を混合して粉体部を得て、また、成分(3)〜(7)及び必要に応じて任意の他の成分を混合して油相部を得て、得られた粉体部と油相部とを混合することにより製造することができる。
【0046】
また、本発明の組成物の製造方法の一例として、本発明を制限するものではないが、成分(3)及び(4)を混合し、得られた混合物と成分(5)〜(7)を混合し、次いで、得られた混合物と成分(1)、(2)を混合した後に成分(8)を混合することにより製造することができる。この際、必要に応じて任意の他の成分を、任意の段階で適宜混合してもよい。
【0047】
本発明の組成物は、皮膚に対して外用形態で適用して使用される。本発明の組成物の形態は、このように皮膚に適用できる限り制限されず、例えば、ペースト状、乳液状、ゲル状、クリーム状、軟膏状等の各種所望の形態が例示される。これらの形態は、当業界の通常の方法に従って調製される。
【0048】
本発明の組成物は、皮膚に適用することによって使用される。本発明の組成物を皮膚に適用する量や回数は、特に制限されず、従来公知の化粧下地と同様にして使用することができ、例えば、使用者の年齢、症状の程度、適用形態、期待される程度などに応じて、1日に1回または数回の頻度で適当量を、所望の皮膚に適用すればよい。また、通常、化粧下地は顔の皮膚に適用されるが、本発明の組成物は、手、腕、首等の顔以外の皮膚に適用してもよい。また、本発明の組成物の皮膚への適用後、ファンデーション等を更に重ねて適用してもよく、ファンデーション等を適用しなくてもよい。
【0049】
本発明によれば、シワぼかし、化粧持ち、皮膚への適用時の伸び、よれ抑制、べたつき抑制、更に高温安定性の全ての点で優れた化粧下地用組成物を提供することができる。このことから、本発明の組成物は、例えば、シワぼかし用の化粧下地用組成物等と称することもできる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例
組成物の調製
実施例1〜4については、成分(3)と(4)とを混合し、均一に撹拌した後、得られた混合物と、成分(5)〜(7)及び防腐剤とを混合した。これを均一に撹拌した後、得られた混合物と、成分(1)、(2)とを順次混合して均一に撹拌し、次いで、成分(8)を混合して均一になるまで撹拌して、各化粧下地用組成物を調製した。実施例1〜4の組成物はいずれも、半透明〜白色の高い粘性を有する固体のゲル状であった。
【0051】
比較例1〜29については、適宜、球状シリコーン複合粒子として成分(1)以外の球状シリコーン複合粒子を使用する、有機系粉体として成分(2)以外のポリマーを使用する、不揮発性シリコーン油として成分(4)以外の不揮発性シリコーン油を使用する、または、ジメチルシリル化シリカとして成分(8)以外ジメチルシリル化シリカを使用する以外は実施例1と同様にして、表1〜5に従い、必要に応じて各成分を混合して、各組成物を調製した。
評価手順
調製した各組成物について、次の手順に従って、伸びの良さ、よれ抑制、シワぼかし、べたつき、化粧持ち、45℃での安定性(高温安定性)を評価した。より具体的には、次のように評価した。
【0052】
室内(温度30℃)にて、組成物0.2gを片方の手の甲に取り、人差し指で半径約1cmの円を描くように組成物を塗り広げた。その後、速やかに、組成物を塗り広げた部分に、市販のリキッドファンデーションを上塗りした。上塗時にファンデーションの伸びの良さ、よれ抑制について評価を行った。上塗後にシワぼかしについて評価を行った。上塗時と上塗後にべたつきについて評価を行い、上塗8時間後に化粧持ちについて評価を行った。評価は、次の基準に従い実施し、評価結果の数字が大きいほど良好である。評価は、官能評価の専門パネラー5名により行った。
・伸びの良さ:リキッドファンデーションの上塗時に、ひっかかりがなく馴染みよくファンデーションを塗り広げられ、また、適度な指どまりを有するかについて、良い3点、普通(許容範囲)2点、悪い1点とした。
・よれ抑制:上塗時に成分由来の消しカス様のものが発生しないかどうかについて、良い3点、普通(許容範囲)2点、悪い1点とした。
・シワぼかし:上塗後、シワに対して適度なカバー力があり自然な仕上がりになるかどうかについて、良い3点、普通(許容範囲)2点、悪い1点とした。
・べたつき:上塗時や上塗後に、不快なべたつきを感じるかについて、良い3点、普通(許容範囲)2点、悪い1点とした。
・化粧持ち:上塗りしたファンデーションがよれたり崩れてこないかかについて、良い3点、普通(許容範囲)2点、悪い1点とした。
【0053】
なお、従来の自社の化粧下地用組成物の処方にて作成した組成物において得られた評価を普通(許容範囲)2点として、前記評価を行った。
【0054】
パネラーの合計点から求めた平均値が、1以上1.6未満の場合を×、1.6以上2.6未満の場合を△、2.6以上3の場合を○とした。
・高温安定性:ガラススクリュー瓶(50mL)に、約9割の容量になるように約45gの組成物を入れ、スクリューキャップで封をして密閉した。このように密閉したガラススクリュー瓶を、45℃に設定した恒温室(インキュベータ MIR−253、三洋電機バイオメディカ社製)に入れ、3ヶ月間静置保管後、組成物の硬度、比重、外観に異常がないかどうかについて、以下の通り観察、評価した。保存中、湿度の管理は行っていないが過度な状態(相対湿度40〜70%以外)での保存は行っていない。
硬度:3ヶ月間保管後、組成物を入れたガラススクリュー瓶を、30℃に設定した恒温室内で8時間静置した。恒温室からガラススクリュー瓶を取りだし、組成物の硬度をFUDOH レオメーターRTC(株式会社レオテック製)で測定し、硬度規格内(150〜250g)の場合に異常なし、硬度規格外の場合に異常ありとした。使用手順に従い、20Φのアダプターを使用し、30cm/minの速度でアダプターに組成物を押し込んだ。組成物のアダプターへの接触時より10mm押し込んだ時点での値を計測した。
比重:同様に30℃に設定した恒温室内で8時間静置後、比重をPTFEピクノメーター(25cc、アズワン社製)にて測定し(JIS K0061:2001に従う)、比重規格0.98〜1.03の場合に異常なし、該比重規格外の数値の場合に異常ありとした。
外観:同様に30℃に設定した恒温室内で8時間静置後、外観を専門パネラーが目視により評価し、組成物が相分離せず保存前の均一な状態維持している場合に異常なし、相分離が認められた場合に異常ありとした。
○:硬度、比重、外観のいずれにも異常がない(これを高温で硬度、比重及び外観の安定性に優れると評価した)。
△:外観に異常はないが、硬度及び/または比重に異常がある。
×:硬度、比重、外観の全てに異常がある。
結果
結果を表1〜5に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
表1〜5から明らかなように、実施例1〜4の組成物は、伸びの良さ、よれ抑制、シワぼかし、べたつき、化粧持ち、高温安定性のいずれにおいても評価が○であった。このことから、実施例1〜4の組成物は、伸びの良さ、よれ抑制、シワぼかし、べたつき、化粧持ち及び高温安定性の全ておいて良好な化粧下地用組成物として有用であること分かった。
【0061】
これに対して、実施例1〜4とは異なって、例えば、成分(1)、(2)、(4)または(8)を含有しない、あるいは、成分の含有量が異なるといった比較例1〜29の組成物は、伸びの良さ、よれ抑制、シワぼかし、べたつき、化粧持ち、高温安定性の少なくともいずれかの点で評価結果が△または×であり、実施例1〜4の組成物と比較して、化粧下地用組成物として劣っていた。
【解決手段】次の構成A)〜E)を有する化粧下地用組成物:構成A)(1)シリコーンゴム表面をシリコーンレジンで被覆した平均粒径1.5〜2.5μmの球状シリコーン複合粒子、及び(2)平均粒径6.5〜10.5μmの球状アクリレーツクロスポリマーを含有し、組成物中、成分(1)と成分(2)との合計量が16〜20質量%であり、成分(1)と成分(2)の質量比(成分(1):(2))が1:1.2〜1:2である;構成B)(3)非乳化性部分架橋型シリコーンエラストマーを含有し、組成物中、成分(3)の含有量が38〜42質量%である;構成C)(4)25℃で粘度4〜8mm
/sの不揮発性シリコーン油、(5)揮発性シリコーン油及び(6)有機酸モノエステル油を含有し、組成物中、成分(4)〜(6)の合計量が33〜40質量%である;構成D)(7)トリメチルシロキシケイ酸を含有し、組成物中、成分(7)の含有量が2.85〜4.35質量%である;ならびに構成E)(8)比表面積200〜300m