【文献】
竹内 裕之,生活習慣と健康状態に関する時系列データ解析手法の開発,電子情報通信学会 第19回データ工学ワークショップ論文集,電子情報通信学会データ工学研究専門委員会,2008年 4月 7日,pp.1-6,DEWS2008 E1-5,ISSN 1347-4413
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記順位付けするステップは、前記複数の生活習慣のうち前記相関係数が正となるグループと負となるグループに分けて順位付けする請求項13に記載の生活習慣病改善支援装置の制御方法。
前記生体情報の時系列データの時間間隔を一定化した生体情報信号を生成するステップと、前記生活習慣の時系列データの時間間隔を一定化した生活習慣信号を生成するステップと、
前記生体情報信号と比較して前記生活習慣信号に時定数を設定し、前記時定数を加える時定数処理を行った生活習慣時定数処理信号を生成するステップと、
前記相関係数の絶対値が最大となる最適時定数を抽出するステップとを備え、
前記相関係数は前記生体情報信号と前記生活習慣時定数処理信号に基づいて算出される請求項11から16のいずれか1項に記載の生活習慣病改善支援装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の生活習慣病改善支援装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。ここで生活習慣とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等に代表される生活する上での習慣を表す。また、生活習慣病とは、生活習慣が発症・進行に深く関与している疾患の総称であり、例えば糖尿病(1型糖尿病を除く)、脂質異常症(家族性脂質異常症を除く
)、高血圧、肥満がある。また生活習慣改善項目とは、生活習慣病を改善する為の生活習慣を表す。
【0013】
また、ここでの生体情報(Vital Signs)とは、患者の健康状態を示す情報であり、例えば、血圧、血糖、体重、BMI(Body Mass Index)血中酸素飽和度(Blood Oxygen Saturation)、体温、尿糖、ヘモグロビンA1C、内膜中膜複合体厚(IMT:Intima−media thickness)、心拍、脈拍、などがある。
【0014】
本発明の実施の形態では、生活習慣病として高血圧を、生体情報としては血圧を、生活習慣に関しては歩数、睡眠時間、塩分摂取を一例として説明するが、これらに限定するものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における生活習慣病改善支援装置1の構成図を示す。
図1において、生活習慣病改善支援装置1は、使用者100(患者もしくは医療従事者)が生活習慣病を改善する目的で使用する装置である。
【0015】
この生活習慣病改善支援装置1について説明する。生活習慣病改善支援装置1は、生体情報受付部11、生活習慣受付部12、制御部20、記憶部30、出力部40を備える。生体情報受付部11は、患者の生体情報を測定値および測定日時を含む時系列データとして受け付ける。なお、生体情報の測定値とは、測定機器による測定した値でもよいし、医療従事者が患者に提示した問診に対する回答結果でも良い。問診に対する回答とは、例えば患者に対し痛みレベルなどを問診し、その痛みレベルを入力させるものがあり、この痛みレベルに数値を割り当てておき測定値とすることができる。生体情報受付部11は、制御部20と接続し、使用者100(患者もしくは医療従事者)によって患者の生体情報が入力され、制御部20に生体情報に基づく情報を出力する。生体情報受付部11は、キーボード、マウス又はタッチパネル等に接続し、これらからの入力を受け付けるものであってもよいし、電気通信回線を通じて生体情報を受信して受け付けるものであってもよい。
【0016】
また、生活習慣受付部12は、患者の複数の生活習慣を測定値および測定日時を含む時系列データとして受け付ける。生活習慣の測定値とは、測定機器による測定した値でもよいし、医療従事者が患者に提示した問診に対する回答結果でも良い。問診に対する回答とは、例えば患者に対し塩分摂取量の多い、少ないなどの概算レベルを問診し、その概算レベルを入力させるものがあり、この概算レベルに数値を割り当てておき測定値とすることができる。生活習慣受付部12は、制御部20と接続し、使用者によって患者の生活習慣が入力され、制御部20に生活習慣に基づく情報を出力する。
【0017】
なお、生体情報受付部11と生活習慣受付部12とは、使用者100が入力情報を入力すると説明したが、使用者100が入力できない場合には第三者が入力情報を代理で入力したり、通信回線などを介して測定機器から自動的に生体情報を入力できるような構成にしてもよい。更には、測定機器が生活習慣改善提案装置1内に組み込まれており、この内蔵された測定機器から生体情報又は生活習慣の入力を受け付けても良い。
【0018】
制御部20は、記憶部30と接続し、生体情報受付部11、生活習慣受付部12がそれぞれ出力した生活習慣、生体情報を受け付け、それぞれの測定値と測定日時を対応づけて記憶部30へ保存する。制御部20は、時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24、生活習慣提案部25から構成されており、各々の構成に関して説明する。
【0019】
時系列調整部21は、記憶部30に保存された生体情報の測定値および測定日時を対応
付けた時系列データを読み込み、時系列データの時間間隔が一定となる様な時系列データを生成する信号処理(以下、時間間隔一定化処理とよぶ。)を実施し、時間間隔が一定となる生体情報の時系列データである生体情報信号を生成する。
【0020】
また、時系列調整部21は、記憶部30に保存された生活習慣の測定値および測定日時を対応付けた時系列データを読み込み、時間間隔一定化処理を実施し、時間間隔が一定となる生活習慣の時系列データである生活習慣信号を生成する。
【0021】
相関算出部22は、生体情報の時系列データと複数の生活習慣の時系列データに基づいて、生体情報と各生活習慣の相関係数を算出する。具体的には、時系列調整部21が生成した生体情報信号と複数の生活習慣信号を読み込み、異なる複数の遅延時間を設定した生活習慣信号に対して、それぞれの遅延時間における生活習慣信号と生体情報信号との相関係数を算出し、相関係数が最大となる遅延時間を抽出し、回帰式を算出する。ここで遅延時間とは、生活習慣が生体情報に影響を与えるまでにかかる時間である。一例を挙げると、生活習慣として運動を行った際に、生体情報である血圧に影響を与えるのは、心臓や筋肉による血液量の変化や血管壁の収縮拡張などに起因して、遅延時間が存在すると考えられる。回帰式とは、回帰分析における生体情報信号(目的変数)を生活習慣信号(説明変数)で計算する式である。なお、回帰分析とは目的変数と説明変数の間の関係を表す式を統計的手法によって推定する分析方法である。
【0022】
以下では、生活習慣信号と生体情報信号との相関係数を算出することを、時系列相関処理とよぶ。相関係数とは、詳細は後述するが、所定の生活習慣が生体情報に対してどの程度関連するかの度合いを示す指標であり、相関係数の絶対値が大きいほどその生活習慣が生体情報に対して影響が大きいことを示す。
【0023】
相関算出部22は、この時系列相関処理を1つの生体情報信号に対して、各々の生活習慣信号に対して、実施する。その際、各々の生活習慣信号に対して異なる複数の遅延時間を設定して時系列相関処理を行い、それぞれの遅延時間における生活習慣信号と生体情報信号との相関係数を算出し、相関係数が最大となる遅延時間を抽出し、回帰式を算出する。
【0024】
比較画像生成部23は、相関算出部22が算出した遅延時間と、生体情報信号及び複数の生活習慣信号を読み込み、生体情報信号と生活習慣信号との比較を示す画像を生成する。
【0025】
順位決定部24は、相関算出部22が算出した相関係数を読み込み、相関係数に基づいて所定の生体情報信号に対する複数の生活習慣信号への順位付けを行う。
【0026】
生活習慣提案部25は、相関係数を読み込み、複数の生活習慣のうち生体情報と相関が高い、すなわち、生体情報に影響を与える度合いが高い生活習慣の情報について画像データを生成し、出力部40へ出力する。更に、生体情報信号、生活習慣信号、および相関算出部22が算出した回帰式から、生体情報を現状から目標値まで改善する為に、生活習慣の具体的な数値目標を算出する。なお、生体情報の目標値は、使用者100が生体情報受付部11へ入力し、設定することができる。この処理により、使用者100は生体情報を目標値まで改善するには、生活習慣のどの項目に対して、どの程度の数値目標を達成する必要があるかを認識する事ができる効果がある。また患者は生活習慣改善を行う際の生活習慣改善を継続する為の動機付けとなる効果があり、医療従事者は患者に対する生活習慣改善指導を行う際の説明材料として患者に生活習慣改善を促す効果がある。
【0027】
出力部40は制御部20と接続し、生活習慣提案部25が作成する生体情報に影響を与
える生活習慣の情報を出力する。なお、出力部40は、画面での表示を例に説明するが、通信回線への出力、記録媒体への出力、プリンターへの出力なども含む。について出力部40へ出力する
なお、本発明の実施の形態1において、生活習慣病改善支援装置1に記憶部30を備えている例を説明したが、記憶部30は外部メモリであって生活習慣改善提案装置1に接続する構成としてもよい。具体的には、生体情報受付部11、生活習慣受付部12、制御部20、記憶部30、出力部40がサーバ装置に備えられ、サーバ装置はネットワークを介してクライアント装置と接続し、生体情報受付部11及び生活習慣受付部12はクライアント装置からの入力を受付ける構成であってもよい。このとき記憶部30はクライアント装置又はサーバ装置に備えられていてもよいし、クライアント装置又はサーバ装置に接続される外部メモリであってもよい。
【0028】
更に、本発明の実施の形態1において、時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24、生活習慣提案部25は、生活習慣病改善支援装置1の内部かつ制御部20の外部に存在し、各部が制御部20と接続している構成(例えば、各部が制御部20と接続する演算プロセッサの構成)としても良い。また、時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24、生活習慣提案部25は、記憶部30もしくは外部メモリに存在し、機能をソフトウェアで実現するプログラムの形態としても良い。
【0029】
本発明の実施の形態1により、生活習慣病患者に対して、生活習慣病を改善する為の指標である生体情報測定値を改善する為には、どの生活習慣の改善に取り組むと効果的なのか否か又はどの生活習慣を組み合わせて改善に取り組むと効果的なのか否かが、更に生体情報測定値の目標値を達成する為に、各々の生活習慣の目標値を定量化して視覚的に表すことが可能となる。この結果、生活習慣病患者が継続的に生活習慣改善に取り組む動機付けとなり、患者の生活の質(QOL:Quality Of Life)を向上させる事が可能となる。また、患者を診察する医師の立場では、一般的な生活習慣指導だけでなく、患者本人にとって治療効果の高い生活習慣改善項目や項目組合せを抽出することが可能となり、患者本人に適した生活習慣指導を行う事が可能となる。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態1における生活習慣病改善支援装置1の受付処理フローチャートを示す。まず、生体情報受付部11が、生活習慣病の患者の生体情報の入力を受け付ける(ステップS201)。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態1における出力部40がディスプレイに接続する場合であって、生体情報受付部11が受け付ける情報をそのディスプレイに表示する画面の一例である。ここでは一例として、患者の生体情報を測定機器により測定し、その測定結果を通信回線により生活習慣改善提案装置1の生体情報受付部11へ入力する場合を説明する。生体情報受付部11は、通信回線を介して測定機器から生体情報の入力を受け付けると、受け付けた情報は、出力部40に接続するディスプレイの生体情報測定結果表示部301に表示される。ここでは例として収縮期血圧(SBP:Systolic Blood Pressure)、拡張期血圧(DBP:Diastolic Blood Pressure)、脈拍(Pulse)を示している。なお生体情報は、日内変動、週内変動、季節変動など変動要因がある。例えば、血圧の日内変動としては、就寝中は血圧値が低く、活動中は血圧値が高めとなる傾向である。また血圧の週内変動として、仕事がある平日は血圧が比較的高めであり、仕事が無い休日は血圧が比較的低めである。この生体情報の変動影響を少なくし、なおかつ生体情報を定点観測的に毎日測定する為には、患者が決まった時刻に測定することが望ましい。例えば測定時の条件は、「起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食毎、座位1〜2分安静後」などが好ましい。生体情報の測定時刻は、一日のうちの決まった時間、例えば起床後1時間以内に限定すれば、生体情報測定値に
対する日内変動の影響を少なくすることが出来る。患者は、
図3の画面において、生体情報測定結果表示部301に表示された測定値で良い場合は、ボタン“OK”を押して、生活習慣状態入力画面へ遷移する。一方、この測定値を破棄する場合は、ボタン“Cancel”を押す。
【0032】
また、生活習慣受付部12において、生活習慣病の患者の生活習慣の入力を受け付ける(ステップS202)。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態1における出力部40がディスプレイに接続する場合であって、生活習慣受付部12が受け付ける情報をそのディスプレイに表示する画面の一例である。ここでは一例として、患者の生活習慣を測定機器により測定し、その測定結果を通信回線により生活習慣改善提案装置1の生活習慣受付部12へ入力する場合を説明する。生活習慣受付部12は、通信回線を介して測定機器から生活習慣の入力を受け付けると、受け付けた情報は、出力部40に接続するディスプレイの生活習慣測定結果表示部401に表示される。ここでは生活習慣として運動を考えた場合の例として歩数、歩行距離、活動消費カロリーを示している。なお、図示していないが他に歩行時間、活動量も考えられる。また、運動以外の生活習慣として、食事に関しては、摂取カロリー、各栄養素に対する摂取量(重さ)、食事開始時間、食事継続時間、1日の食事回数などが考えられる。睡眠に関しては、入眠時刻、起床時刻、睡眠時間、着床から入眠までの時間、途中覚醒の時間、途中覚醒の回数などが考えられる。患者は、
図4の画面において、生活習慣測定結果表示部401に表示された測定値で良い場合は、ボタン“OK”を押し、この測定値を破棄する場合は、ボタン“Cancel”を押す。ボタン“OK”を押すと、受け付けた生体情報及び生活習慣を記憶部30へ保存する。
【0034】
患者は、定期的(例えば毎日)に、生体情報および生活習慣を測定するが、生体情報と生活習慣の測定頻度は、入力頻度が高いほど、患者の生活習慣をきめ細かく記録することが出来、結果として生活習慣測定結果による生体情報測定結果への影響を、より正確に判断することが可能となる。
制御部20は、入力された生体情報又は生活習慣を、記憶部30に保存する(ステップS203)。
【0035】
図5は、記憶部30へ保存する生体情報の時系列データの一例である。患者ごとに振り分けたIDと、患者ごとに測定日時と、生体情報の各項目の測定又は問診結果を対応付けて保存している。
図6は、記憶部30へ保存する生体情報の時系列データの一例である。患者ごとに振り分けたIDと、患者ごとに測定日時、ここでは1日の最終更新日時と、生活習慣の各項目の測定又は問診結果を対応付けて保存している。
【0036】
患者は生活習慣病改善支援装置1に対して、生体情報と複数の生活習慣に関する項目の測定結果及び測定日時を入力する。生体情報は少なくとも一つの項目について入力すればよいが、複数の項目について入力してもよい。患者は定期的、例えば毎日の生体情報と生活習慣に関する測定結果または問診結果を入力し、これを記憶部30に保存する。
【0037】
図7は、本発明の実施の形態1における生活習慣病改善支援装置1の提案処理フローチャートを示す。まず、生体情報受付部11が処理対象とする生体情報の項目の入力を受け付ける(ステップS701)。具体的には、使用者100が、生活習慣の改善を提案しようとする患者の疾患を元にその疾患の進行度合いを評価するための生体情報項目を選び、その生体情報項目を入力する。一例を挙げると、患者の疾患が高血圧である場合、処理対象とする生体情報として血圧、糖尿病患者の場合、処理対象とする生体情報として血糖、をそれぞれ選び入力する。
【0038】
次に、制御部20が、ステップS701において受付けた項目の生体情報および、複数の生活習慣を、記憶部30から読み出す(ステップS702)。この時、生体情報および生活習慣は時系列データである為、事前設定した所定期間の時系列データ、例えば1ヶ月間、を抽出する。所定期間については予め設定していてもよいし、使用者100の入力により設定できるようにしてもよい。
【0039】
ここで、所定期間において複数回測定された生体情報と生活習慣の時系列データは、測定日時および問診回答日時が一定間隔ではなく、測定間隔が不均一となっている事が一般的である。そこで、時系列調整部21は、ステップS702において読み出した生体情報および生活習慣の時系列データを読み込み、所定期間において複数回測定された生体情報の時間間隔を一定化した生体情報信号を生成し、同様に、所定期間において複数回測定された生活習慣の時間間隔を一定化した生活習慣信号を生成する(ステップS703)。なお、時系列調整部21における生体情報及び生活習慣の時間間隔一定化処理の詳細については、
図13から
図15を用いて後述する。
【0040】
次に、相関算出部22は、時系列調整部21が生成した生体情報信号と生活習慣信号を読み込み、生体情報信号と生活習慣信号に基づいて所定の遅延時間を設定し、生活習慣信号を遅延時間だけ遅延させた遅延後の生活習慣信号と生体情報信号との時系列相関処理を行う。異なる複数の遅延時間を設定した生活習慣信号と生体情報信号との相関係数を算出し、相関係数の絶対値が最大となる相関係数を最適相関係数として最適相関係数を算出し、その際の遅延時間を最適遅延時間として抽出し、最適相関係数となる際の回帰式を算出する(ステップS704)。なお、相関算出部22における遅延時間を考慮した時系列相関処理及び回帰式の詳細については、
図16及び
図17を用いて後で説明する。
【0041】
次に、相関算出部22は、所定の生体情報信号に対して、生活習慣受付部12で入力した生活習慣信号に対してステップS704を順次実施し、生活習慣信号で未処理の信号があれば、その未処理の生活習慣信号に対してステップS704を実施し、全ての生活習慣信号に対して処理S704が終了すれば、ステップS706に遷移する(ステップS705)。
【0042】
次に、比較画像生成部23は、生体情報信号と生活習慣信号とステップS704において算出した最適遅延時間と回帰式に基づいて、生活習慣信号と生体情報信号との時系列相関を比較する画像データを生成する(ステップS706)。
【0043】
図8は、比較画像生成部23が作成する生体情報信号と生活習慣信号との比較を示すデータの図である。ここでは一例として、生体情報の中で収縮期血圧、生活習慣の中で歩数に関して説明を行うが、この限りではない。比較画像生成部23は、生体情報の評価軸1701を設定し、生体情報信号804を表示する為に適切な、生体情報の目盛り801を設定する。
【0044】
更に比較画像生成部23は、生活習慣の評価軸1702を設定し、生活習慣信号805を表示する為に適切な、生活習慣の目盛り802を設定する。比較画像生成部23が、生活習慣の目盛り802を設定する際、回帰式の傾きの符号が負の場合、数値の増減方向が生体情報の目盛り801の増減方向と逆に設定する。また、比較画像生成部23は生活習慣の目盛り802について回帰式に基づいて生体情報の目盛り801と対応した目盛りを設定する。
【0045】
比較画像生成部23が、この処理を行う事により、生活習慣の変化量に対して、生体情報の変化量がどの程度になるかを定量化する事が可能となる。
図8に示したような比較画像を確認することで、使用者100は、例えば収縮期血圧を160mmHgから140m
mHgへ下げる為には、歩数を8000歩から10000歩に増加すれば良いと判断する事が可能となる。
図8では、相関算出部22で算出した最適相関係数に対応する最適遅延時間803を示し、使用者100に対して、生活習慣が生体情報に与える影響の遅延時間がどの程度なのかを、視覚的に伝達できる効果がある。
【0046】
次に、順位決定部24は、ステップS704において算出した最適相関係数を読み込み、複数の生活習慣のうち生活習慣信号に対する最適相関係数の絶対値の大きい順に順位付けを行う(ステップS707)。
【0047】
ここで、順位決定部24は、複数の生活習慣のうち正の最適相関係数をもつ生活習慣のグループと負の最適相関係数をもつ生活習慣のグループに分けて、正と負のそれぞれのグループごとに最適相関係数の大きい順に順位付けを行っても良い。この処理を行うことにより、正の相関関係(例えば、生活習慣の摂取カロリーが増加すると、生体情報の収縮期血圧も増加する関係)を持つ生活習慣と負の相関関係(例えば、生活習慣の歩数が増加すると、生体情報の収縮期血圧も増加する関係)を持つ生活習慣とを分離して患者に表示する事が出来、患者や医療従事者に対して、各々の生活習慣の増減方向を分かり易く伝えることが可能となる。
【0048】
次に、生活習慣提案部25は、ステップS704において算出した相関係数を読み込み、複数の生活習慣のうち生体情報と相関が高い、すなわち、生体情報に影響を与える度合いが高い生活習慣の情報について画像データを生成し、出力部40へ出力する(ステップS708)。
【0049】
図9は、ステップS708において出力される画面の一例を示す図である。使用者100は、出力部40にディスプレイを接続して画面を閲覧し、マウスやタッチパネル等を通じて、入力操作を行う。
図9では、生体情報として収縮期血圧を、複数の生活習慣として、歩数、睡眠時間、塩分摂取量、の事例で説明するが、これに限るものではない。
【0050】
図9は、生活習慣一覧画面であり、生活習慣病患者に対して、「収縮期血圧」と関連の有る生活習慣を表示している。複数の生活習慣902として表示する項目ごとに、相関算出部22で算出した最適相関係数905、最適相関係数905の絶対値に基づいてステップS707において算出した順位901、最適相関係数905に対応する最適遅延時間904、および、ステップS706において比較画像生成部23で生成した、最適相関係数905に対応する生体情報信号と生活習慣信号との比較結果903を示す。ここで生活習慣902の中で改善すべき順位901として、最適相関係数905の絶対値を用いる理由は、相関が高いということは、ある生活習慣が変動すると、それに伴って生体情報が変動する可能性が高い、という意味を表す為である。最適相関係数の絶対値が高い順に順位付けすることで、どの生活習慣が最も生体情報の変動に寄与しているかわかりやすくすることができる。
【0051】
図9の生活習慣一覧を表示する事により、患者の対象としている生体情報(ここでは収縮期血圧)を改善する為には、どの生活習慣902を改善すれば良いのか、視覚的に順位付けして示すことが出来、使用者100がどの生活習慣902を改善すれば良いかを把握できる効果がある。更に使用者100が、個人的な趣向や実施容易さを踏まえて、実施する生活習慣改善を選択する際の判断材料とできる効果がある。
【0052】
図9において、相関算出部22で生体情報信号と生活習慣信号の時系列相関処理を行う対象期間906を選択する。ここでは例えば、対象期間906として1ヶ月間か3ヶ月間のどちらかを選択する。
【0053】
なお使用者100が、
図9の表における比較結果903の1つを選択した場合、
図8に示す比較結果を出力部40に表示する構成としても良い。
また、
図10は、ステップS708において出力される画面の異なる一例を示す図である。
【0054】
図10は、生活習慣提案部25における生活習慣の変化量一覧を示す図である。これは出力部40に表示することで使用者100に生体情報を目標値とするために必要な具体的な生活習慣の変化量を通知する目的で使用する。
【0055】
生体情報の変化量1001は、現状の測定結果と、改善する目標値とを表す。一例として、
図10では、現状の収縮期血圧の測定値が160mmHgから改善する目標値として予め設定された値である140mmHgとした場合である。
図10では、ステップS707において算出した生活習慣の順位、生活習慣の変化量1002、ステップS704において算出した最適遅延時間、最適相関係数を表示する。
【0056】
生活習慣の変化量1002は、生体情報の変化量1001と相関算出部22で算出した回帰式から算出できる。生活習慣提案部25は、回帰式に基づいて生体情報の所定の変化量に対応する生活習慣の変化量を算出する。回帰式の詳細は後述するが、回帰式は生体情報と生活習慣との関係を表す式であるので、生体情報(この説明では収縮期血圧)を示す値として現測定結果である160mmHgと目標値である140mmHgを式に代入すると、対応する生活習慣の変化量1002(この説明では歩数)を算出する事が可能となる。
【0057】
この生活習慣の変化量を表示する事により、使用者100に対して生活習慣病改善を行う為に、どの生活習慣に対して、どの程度必要があるかという、具体的な数値目標を提示する事が可能である。なお、ステップS708において
図10の画面を出力する場合は、ステップS706は省略することができる。
【0058】
また、目標値は予め好ましい値を設定しておいてもよいが、使用者100が設定することも可能である。例えば、
図10において使用者が、目標設定へ処理遷移するボタン1003を押すと、生体情報の目標設定を行う画面に遷移する。
【0059】
図11は、生活習慣提案部25における目標設定を示す図である。使用者100が出力部40に表示される画像を見ながら、生体情報受付部11に接続されるマウスもしくはタッチパネル等を利用して入力操作を行う事が可能である。生活習慣提案部25は、生体情報の目標値1103を出力部40に表示する。使用者100が、生体情報の目標値を上昇するボタン1101を選択した際に、生活習慣提案部25は生体情報の目標値1103を上昇する。使用者100が、生体情報の目標値を下降するボタン1102を選択した際に、生活習慣提案部25は生体情報の目標値1103を上昇する。この画面により、使用者100は生体情報の適切な目標値を設定する事が可能となる。
図11では、使用者が、生体情報の目標値1103として、収縮期血圧を140mmHgから120mmHgへ設定変更した画面を示している。
【0060】
図12は、生活習慣提案部25における生活習慣の変化量一覧を示す図である。
図12は
図10と同内容を示すため同じ箇所の説明は割愛するが、異なるところは生体情報の目標値を設定変更した点である。生活習慣提案部25は、生体情報の変化量1201として、収縮期血圧が現測定結果の160mmHgから目標値である120mmHgへの変化量を出力部40に出力する。生活習慣提案部25は、この生体情報の変化量1201に対応する生活習慣の変化量1202を表示する。
【0061】
以上の様に、生活習慣提案部25は、生体情報の目標値として、使用者100の測定結果の中に、測定実績がない値に対しても、生活習慣の変化量1002を算出する事が可能である。一例としては、
図8の生体情報信号804に対しても、測定実績がない収縮期血圧120mmHgを目標値とした場合の、生活習慣の目標値として歩数12000歩を使用者100に提示する事が可能である。これは生活習慣病患者に対して、実生活で経験していない数値目標に対しても、生活習慣改善の具体的な数値目標を提示する事が可能であり、生活習慣改善を継続的に行う際の動機付けとなる効果がある。
【0062】
次に、ステップS703において時系列調整部21が行う、時間間隔一定化処理に関して、
図13から
図15を用いて詳細に説明する。時系列調整部21が時間間隔一定化処理を行う目的は、生体情報と生活習慣の時系列データの相関関係(時系列相関)を確認する際に、生活習慣が生体情報に影響を与える遅延時間を算出するためである。この遅延時間は、患者の個人差や生活習慣の行動内容により差異があると考えられる為、時間間隔一定化処理により、生体情報と生活習慣との時系列データの時間間隔を一定化し、複数の遅延時間を仮定して算出することで、それぞれの遅延時間での生体情報と生活習慣との時系列相関から、個人や生活習慣に適した最適な遅延時間を抽出する事が可能となる。
【0063】
図13は、本発明の実施の形態1における時系列調整部21における時間間隔一定化処理の処理前の生体情報の時系列データをグラフにした図である。
図13では、横軸が生体情報の測定日時、縦軸が生体情報の測定値v(t)を表す。なお、ここでは生体情報の時系列データに関して説明するが、生活習慣の時系列データも同様である。時間間隔一定化処理とは、この時系列データの測定日時が予め設定された単位時間(UT:Unit Time)1302の幅となるように調整することである。単位時間は例えば1日などである。
【0064】
図14は、本発明の実施の形態1における時系列調整部21における時間間隔一定化処理の処理後の時系列データをグラフにした図である。
図14では、
図13と同様に、横軸が生体情報の測定時刻、縦軸が生体情報の処理後の測定結果r(t)を表す。
図14において時間間隔一定化処理を行った生体情報の時系列データ1401は、測定時間間隔が単位時間1302となる様に時間間隔一定化処理が行われている。
【0065】
図15(a)は、本発明の実施の形態1における時系列調整部21における時間間隔一定化処理(窓幅が単位時間の場合)を説明する図である。ここでは窓関数を用いて時間間隔一定化処理を行う方法を紹介するが、他の方法として、単位時間内での測定結果の一つを代表値とし、単位時間内での測定結果の平均値を代表値とする事も考えられる。
時系列調整部21は、まず、時間間隔一定化処理を行う処理対象の時間区間である窓関数1501の窓幅(WI:Window Interval)を設定する。ここで、複数の生体情報の測定値の測定間隔のうち少なくとも一つが、単位時間1302に生体情報の時系列データが存在する場合は、窓幅は単位時間1302と等しく設定する。
【0066】
時系列調整部21は、窓幅を設定した後に窓関数1501(Wa(t))を算出する。窓関数は、ハミング窓やハニング窓や矩形窓など種々の関数が存在するが、ここでは三角窓に関して説明を行う。窓関数1501(Wa(t))は、窓関数1501の単位時間1302の中心となる時刻taにおいて、窓関数1501の値が最大になり、窓幅の端の時刻において、窓関数1501の値が最小(=0)となる。
【0067】
時系列調整部21における時間間隔一定化処理後の測定結果r(t)の算出式は下記のようになる。
【0069】
窓関数w(t)は、時系列データが存在する時刻の窓関数w(t)を積算して、合計が1となる様に設定を行う。窓関数w(t)の一例として、
図15(a)を用いて説明する。
【0070】
図15(a)において、時系列調整部21は、生体情報の時系列データが存在する時刻をt1,t2,t3とすると、窓関数の値は、例えばw(t1)=0.1、w(t2)=0.6、w(t3)=0.3と設定する。
【0071】
時系列調整部21は、式(1)において生体情報の時系列データv(t)と窓関数w(t)との積和演算した結果として、時間間隔一定化処理後の時系列データr(t)を算出する。時間間隔一定化処理の一例として、
図15(a)において、生体情報の時系列データv(t1)、v(t2)、v(t3)から、時間間隔一定化処理後の時系列データr(ta)を算出している。
【0072】
図15(b)は、本発明の実施の形態1における時系列調整部21における時間間隔一定化処理(窓幅が単位時間超過の場合)を説明する図である。時系列調整部21は、単位時間1302に生体情報の時系列データv(t)が存在しない場合、単位時間1302の中心である時刻tbの両側に生体情報の時系列データv(t)が出現するまで、窓幅1503を広げる。
【0073】
図15(b)の例では、時系列調整部21は、生体情報の時系列データv(t4)、v(t5)が出現するまで、窓幅1503を広げる。この処理を行う事により、代表値と測定結果からとの時間間隔に基づいて窓関数1502のw(t)の重み係数が変化する為、測定結果の時間間隔が単位時間と比して大きい場合でも、妥当な代表値を算出できる効果がある。
【0074】
時系列調整部21は、
図15(b)の様に窓幅1503が単位時間を超過する場合でも、式(1)の算出式に基づいて、時間間隔一定化処理後の時系列データr(tb)を算出する。
【0075】
時系列調整部21は、時間間隔一定化処理により、生体情報および生活習慣の各々の時系列データの測定時刻の時間間隔が不均一である場合でも、時間間隔を一定(例えば1日毎)にする事が可能となる。
【0076】
図16は、生活習慣信号の遅延時間について説明する図である。遅延時間とは、生活習慣が生体情報に影響を与えるまでにかかる時間である。
【0077】
図16は、生活習慣信号として歩数の例を示し、縦軸は1日あたりの歩数(歩)、横軸は測定日時(日)を示している。生活習慣信号1601は、遅延時間を設定しない生活習慣信号であり、生活習慣の測定値に対して時間間隔一定化処理を施したものである。この生活習慣信号に対して、遅延時間1603を設定した場合の生活習慣信号1602は、それぞれの測定日時を遅延時間分だけ加算した値となり、遅延時間分だけ横軸方向に平行移
動したグラフとなる。
【0078】
相関算出部22は、時間間隔一定化処理に用いた単位時間が1日の場合、遅延時間1603を0日、1日、2日、と単位時間毎に増加して、所定期間(例えば、7日間)までの遅延時間1603を設定した生活習慣信号1602を生成する。ここでは、生活習慣信号に遅延時間を設定する処理を遅延処理とよぶ。
【0079】
ここで、遅延時間を単位時間ごとに増加して遅延処理を行う理由を説明する。この後で説明する相関算出部22の時系列相関処理において、生体情報に対する生活習慣の遅延時間を順次変更した生活習慣信号の値を用いて、生体情報を各生活習慣信号の相関係数を算出し、相関係数の絶対値が最大となる最適な相関係数である最適相関係数を抽出し、この最適相関係数に対応する遅延時間を抽出する。相関係数の絶対値が大きくなるほど生体情報と生活習慣の相関が高いこととなり、より正しい遅延時間となる。この最適遅延時間により、生活習慣が生体情報に対してどの程度の遅延時間を置いて影響を与えているかを推定する事が可能となる。更に、最適相関係数を算出することにより、生活習慣が生体情報にどの程度相関が有るかを判断する事が可能となる。
【0080】
図17は、相関算出部22における生活習慣信号と生体情報信号との回帰分析について説明する図である。
図17において、横軸は生活習慣信号の測定値であり、縦軸は生体情報信号の測定値である。なお、ここでは一例として、生体情報信号は収縮期血圧を、生活習慣信号は歩数として説明するが、この限りではない。ここで一点としてプロットされる生活習慣信号の測定値は、生体情報信号の測定日時に遅延時間を加算した測定日時と同じ測定日時の生活習慣信号である。
【0081】
相関算出部22は、
図17に示すように、遅延時間を加算したうえで同じ日時を示す生体情報信号と生活習慣信号とを対応付ける。一例として、遅延時間が1日の場合、1月2日の生活習慣信号である収縮期血圧の測定結果と、1月2日に対応する遅延後の生活習慣信号、すなわち遅延前の1月1日の生活習慣信号である歩数の測定結果とが対応する点を、対応点1704とする。この処理を、時系列相関処理を行う対象期間(例えば、1ヶ月)の全ての時系列データに対して実施する。
【0082】
相関算出部22は、対象期間の全ての生体情報信号と生活習慣信号との対応点1704を算出した後、相関算出部22は、生体情報信号と生活習慣信号とが、どの程度の相関があるかを示す相関係数を算出する。
図17の例では生体情報信号の評価軸1701と生活習慣信号の評価軸1702から算出した相関係数は−0.62である。ここで相関係数は、絶対値が大きい程相関が高いことを意味する。更に相関算出部22は、最適相関係数となる際の、回帰線1703を表す式すなわち回帰式を算出する。ここでは、回帰線1703を直線で表す例を示すが、他にも指数関数、対数関数なども可能であり、生体情報と生活習慣との関係を表す式である回帰式を決定する。回帰式が直線を表す場合、例えば下記のようになる。
【0084】
ここで、収縮期血圧がy、歩数がx、直線の傾きがa、直線の切片がbである。
なお相関係数の符号は、式(2)の傾きaの符号を示す。
【0085】
相関算出部22は、時系列相関処理を行う事により、生体情報信号804と生活習慣信
号1602との相関係数を算出し、この相関係数の絶対値に基づいて、相関の高さを判断する事が可能となる。更に、相関算出部22は、遅延時間を対象期間内で変更しそれぞれの遅延時間での相関係数を算出する事により、相関係数の絶対値が最大となる遅延時間である最適遅延時間を抽出する事が可能である。相関算出部22は、この最適遅延時間により、個人に対応した生体情報信号と生活習慣信号との遅延時間を算出する事が可能となる。
【0086】
次に、相関算出部22に関して、遅延処理に追加して行う又は遅延処理に代わって行う時定数処理に関して説明する。
【0087】
時系列調整部21が時間間隔一定化処理を行ったのち、相関算出部22は生活習慣信号に対して複数の遅延時間を設定し、時系列相関処理を行ったが、生活習慣信号に対して更に時定数処理を行い、最適遅延時間の生活習慣信号のうち最適時定数となる場合の生活習慣信号に対応する相関係数を最適相関係数としてもよい。また、遅延時間を設定する代わりに時定数を設定し、最適時定数に対応する相関係数を最適相関係数としてもよい。最適時定数とは、遅延時間の場合と同様に、生活習慣信号に対して複数の時定数を設定してそれぞれの相関係数を算出して、相関係数の絶対値が最も大きくなる時定数である。なお、時定数とは、生活習慣が生体情報へ影響を与える際に、生活習慣の効果が時間的に持続する影響を考慮するものである。時定数処理について
図18を用いて説明する。
【0088】
図18は、相関算出部22における時定数処理を説明する図である。
図18(a)は、時定数処理の時定数が2の場合(時定数が短い場合)であり、
図18(b)は、時定数処理の時定数が4の場合(時定数が長い場合)である。
【0089】
図18に示すように、時間間隔一定化処理を行った生活習慣信号1801に対して、時定数関数1802を反映して、時定数処理を行うと、生活習慣信号1803が生成できる。ここでは一例として、単位時間を1日とし、
図18(a)では、2日間の時定数があるという例であり、時定数処理前の生活習慣信号をr(t)、時定数関数をd2(t)、時定数処理後の生活習慣信号をs2(t)として表す。
【0090】
ここでは時定数関数の一例として、日数の二乗に比例して影響が減少するという算出方法の時定数関数を考える。このときの所定の日における時定数関数は、分子が時定数の日数nと所定の日tからの日数差iとの差の二乗、分母が1日から時定数の日数nまでの二乗の和となる関数であり、時定数関数1802は次の式で表される。
【0092】
図18(a)の時定数関数d2(t)を考えると、時定数関数d2(t)の、時定数は2日である為、例えば、時定数関数d2(t)の分子は、1日目が“1”の二乗で1であり、2日目が“2”の二乗で4あり、分母が(1+4)=5となる為、時定数関数d2(t)は4/5、d2(t−1)は1/5となる。
【0093】
図18(a)において、時定数処理後の生活習慣信号1803は、時定数処理前の生活習慣信号1801と比して、1日前の測定結果の影響を受けた生活習慣信号となっている事が分かる。
【0094】
もう一例として、
図18(b)の時定数関数d4(t)を考える。時定数関数d4(t)の時定数は4日であり、上記と同様の考え方をすると、時定数関数d4(t)は16/30、d4(t−1)は9/30、d4(t−2)は4/30、d4(t−3)は1/30となる。
【0095】
図18(b)において、時定数処理後の生活習慣信号1805は、時定数処理前の生活習慣信号1801と比して、3日前の測定結果の影響を受けた生活習慣信号となっており、生活習慣信号1803と比しても緩やかな時間変動となっている事が確認できる。
相関算出部22における時定数処理後の生活習慣信号s(t)の算出式は下記のようになる。
【0097】
相関算出部22は、時定数処理の算出式(4)に基づいて、時定数処理を行う。時定数処理後の生活習慣信号s(t)は、時定数処理前の生活習慣信号r(t)と時定数関数d(t)との積和演算で定義され、時定数関数d(t)は、総和が1となる条件で設定する。
【0098】
図19は、相関算出部22における時定数処理後の生活習慣信号を示す図である。横軸は日時であり、縦軸は生活習慣信号の値であり、ここでは生活習慣として歩数を表す。
図19では、時定数処理前の生活習慣信号1901と時定数処理後の生活習慣信号1902とを表示している。時定数処理後の生活習慣信号1902は、時定数処理前の生活習慣信号1901と比して、信号のピークが時間軸方向の後ろに遅延し、信号のピーク値も鈍った形状となる。
【0099】
相関算出部22は、時定数を0日、1日、2日、と単位時間毎に増加して、所定期間(例えば、7日間)までの時定数を設定した時定数処理後の生活習慣信号1801を生成する。相関算出部22は、時定数を所定時間内で変更した時定数処理後の生活習慣信号を順次生成し、これと生体情報信号との時系列相関処理を行う。相関算出部22は、異なる時定数を設定した生活習慣信号それぞれの時系列相関処理の結果、相関係数の絶対値が最大となる時定数を最適時定数とし、この最適時定数における相関係数を最適相関係数とする。
【0100】
この時定数処理を行うことにより、生活習慣が生体情報へ影響を与える際に、生活習慣の効果が時間的に持続する影響を生活習慣信号に反映することができる。
【0101】
なお、相関算出部22は、過去の生活習慣の時系列データ、および生活習慣の時系列データから単位時間を推定しても良い。例えば、生活習慣や生体情報の両方の時系列データが、約1週間毎に測定されている場合、単位時間を1日と設定すると相関算出部22の計算量が多いだけとなってしまう為、この場合は、単位時間を1週間と設定する。
【0102】
また、仮に生体情報の時系列データが1日毎、生活習慣の時系列データが1週間毎の場合は、使用者100の要望として演算精度を高めたい場合は、単位時間を1日に設定する事が望ましく、使用者100の要望として処理時間の短縮化や演算量削減を行いたい場合は、1週間に設定する事が望ましい。
【0103】
この処理を加える事により、測定頻度に応じた単位時間に基づく信号処理を実施する事
が可能となり、限られた計算機の演算能力を最大限に生かしつつ、使用者100に生活習慣病改善を行う生活習慣組合せや、定量化した目標値算出を、処理待ち時間を短くして提供できる効果がある。
【0104】
更に、相関算出部22は、過去の生活習慣信号と生体情報信号との時系列相関処理結果より、最適遅延時間または最適時定数を推定する事が可能である。例えば、ある生体情報に対する、ある生活習慣の、ある程度の長期間(例えば2年間)の測定結果が蓄積された後、現在までの最適遅延時間または最適時定数の算出結果を確認し、算出結果にもとづいて、遅延処理および時定数処理を行う所定期間を設定する。
【0105】
例えば、ほぼ全ての最適遅延時間または最適時定数が2日から4日である場合、遅延処理設定する遅延時間、および時定数処理で設定する時定数の所定期間も、2日から4日に設定を行う。なお、この際に最適遅延時間または最適時定数が発生する確率分布を算出し、その標準偏差および分散から所定期間を推定する事で、より妥当な結果が算出できる。
【0106】
この処理を加える事により、遅延時間や時定数の変化が少ない患者に対して、最適遅延時間または最適時定数を算出する演算量を削減する事が可能となり、限られた計算機の演算能力を最大限に生かしつつ、使用者100に生活習慣病支援を行う際の処理待ち時間を短くして提供できる効果がある。
(実施の形態2)
図20は、実施の形態2に係る生活習慣病改善支援装置2の構成図を示す。実施の形態2に係る生活習慣病改善提案装置2は、生活習慣組合せ提案部26を備える点で実施の形態1と異なるが、同じ機能を有する構成については同じ符号を用いて表し、その説明については実施の形態1と同じであるため省略する。
【0107】
生活習慣病改善支援装置2は、生体情報受付部11、生活習慣受付部12、制御部20、記憶部30、出力部40を備える。制御部20は、時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24、生活習慣組合せ提案部26から構成されている。時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24については実施の形態1で説明したため、生活習慣組合せ提案部26について説明する。
【0108】
なお、実施の形態1と同様に、時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24、生活習慣提案部25、生活習慣組合せ提案部26は、生活習慣病改善支援装置1の内部かつ制御部20の外部に存在し、各部が制御部20と接続している構成(例えば、各部が制御部20と接続する演算プロセッサの構成)としても良い。また、時系列調整部21、相関算出部22、比較画像生成部23、順位決定部24、生活習慣提案部25、生活習慣組合せ提案部26は、記憶部30もしくは外部メモリに存在し、機能をソフトウェアで実現するプログラムの形態としても良い。
【0109】
図21は、実施の形態2に係る生活習慣病改善支援装置の提案処理フローチャートを示す図である。ここでは、
図7で説明したステップS710を抽出し、
図7を用いて説明した実施の形態1との相違点に関して説明する。ステップS701〜303は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。実施の形態1では、ある生体情報に対する1つの生活習慣との関係を算出したが、実施の形態2では、ある生体情報に対する複数の生活習慣組合せとの関係を算出する。実施の形態2によれば、生活習慣病患者が生活習慣改善を行う上で、どの生活習慣を組合せると効果的なのかを明示することができる。
【0110】
以下では、複数の生活習慣の組合せを生活習慣組合せとよび、測定する全ての生活習慣の数を生活習慣全数とよぶ。更に、生活習慣全数の中から組み合わせる生活習慣の数を、生活習慣組合せ数と定義する。生活習慣組合せの一例を挙げると、例えば“歩数”と“塩
分摂取”との組合せの場合、生活習慣組合せ数は2となり、“歩数”と“塩分摂取”と“睡眠時間”との組合せの場合、生活習慣組合せ数は3となる。
【0111】
図21において、相関算出部22が生活習慣組合せ数を1に設定する(ステップS2101)。次に、相関算出部22が、生体情報信号と複数の遅延時間を設定した生活習慣信号との時系列相関処理から、最適相関係数、最適遅延時間、及び最適相関係数となる際の回帰式を算出する(ステップS704)。
【0112】
次に、相関算出部22が、ステップS2101で設定した生活習慣組合せ数において、全ての生活習慣に対してステップS704の処理を実施したかを確認し(ステップS2102)、実施していない場合はステップS704に戻り、実施した場合はステップS2103に遷移する。
【0113】
次に、相関算出部22が、生活習慣組合せ数と生活習慣全数が等しいかを確認し(ステップS2103)、生活習慣組合せ数が等しい場合は処理S2105に遷移する。等しくない場合、すなわち生活習慣組合せ数が生活習慣全数より少ない場合はステップS2104に遷移し、生活習慣組合せ数を1増加する(ステップS2104)。そして生活習慣組合せ数を1増加した状態でステップS704の処理を行う。ここで一例として、生活習慣全数が4で、生活習慣組合せ数が2の場合のステップS704の処理を説明する。生活習慣全数が4である為、生活習慣の種類を示す記号としてA,B,C,Dとする。生活習慣組合せ数が2の為、生活習慣組合せの種類はAB,AC,AD,BC,BD,CDの合計6種類となり、この6種類の生活習慣組合せに対して、それぞれ複数の遅延時間を設定して時系列相関処理を行い、それぞれの生活習慣組合せの最適遅延時間、最適相関係数、及び最適相関係数となる際の回帰式を算出する。なお時系列相関処理は、生活習慣が1種類だけの場合は既に実施の形態1で説明したが、2種類以上の場合に関して説明をする。
【0114】
図22は、相関算出部22における生活習慣信号と生体情報信号との回帰分析について説明する図である。実施の形態2において、相関算出部22は、複数の生活習慣のうち少なくとも2つを組み合わせた生活習慣組合せと生体情報に対応する回帰式を算出する。
図22は、
図17と類似しているが、異なる点は、生活習慣が複数の生活習慣組合せであり、時系列相関処理を多次元に拡張している点である。ここでは生活習慣組合せの一例として、“歩数”と“睡眠時間”として説明している。
【0115】
図22において、第1の生活習慣の評価軸2301は“歩数”であり、第2の生活習慣の評価軸2201は“睡眠時間”であり、生体情報の評価軸1701は“収縮期血圧”である。ここで一点としてプロットされる生活習慣信号の測定値は、生体情報信号の測定日時に遅延時間を加算した測定日時と同じ測定日時の生活習慣信号である。
【0116】
相関算出部22は、遅延時間を加算したうえで同じ日時を示す生体情報信号と生活習慣信号とを対応付ける。例えば
図22は、生活習慣組合せ数が2の場合で、グラフとしては3次元空間となり、収縮期血圧の値、睡眠時間の値、歩数の値から、対応点2202がプロットされる。なお一般的には、生活習慣組合せ数がNの場合、
図22が(N+1)次元空間となるだけで、考え方は生活習慣組合せ数が1の場合である
図17と同様となる。なお、遅延時間を設定する際に、複数の生活習慣をそれぞれ異なる遅延時間が発生する独立事象として考え、それぞれの生活習慣に異なる遅延時間を設定した生活習慣を組合せた複数の生活習慣信号について時系列相関処理を行ってもよい。また、別手法として、複数の生活習慣に対する遅延時間として、同一の遅延時間を設定する事により、時系列相関処理の計算量を削減できる方法もある。
【0117】
相関算出部22は、この対応付けを対象期間906に対して全ての測定結果に対して実
施し、生体情報信号と生活習慣信号との対応点2202を全て算出する。そして、相関算出部22は、回帰線2203と各々の対応点2202とが、どの程度の相関があるかを示す相関係数を算出する。
図22の例では相関係数は−0.52である。ここで相関係数は、絶対値が大きい程、相関が高いことを意味する。更に、最適相関係数となる際の回帰線2203を表す式すなわち回帰式を算出する。回帰式が直線を表す場合、例えば下記のようになる。
【0119】
ここで、収縮期血圧がy、歩数がx1、睡眠時間がx2である。
【0120】
相関算出部22は、時系列相関処理を行う事により、生体情報信号804と複数の生活習慣信号1602との相関係数を算出し、この相関係数の絶対値に基づいて、相関の高さを判断する事が可能となる。更に、相関算出部22は、遅延時間を対象期間内で変更しそれぞれの遅延時間での相関係数を算出することにより、最適遅延時間と最適相関係数を抽出することが可能である。
【0121】
なお、最適相関係数の抽出に関して、実施の形態1と同様に、遅延時間代えて、又は遅延時間に加えて、時定数処理を導入して最適相関係数を決定してもよい。
次に、比較画像生成部23は、生体情報信号と生活習慣信号とステップS704において算出した最適遅延時間および回帰式に基づき、生活習慣と生体情報との時系列相関を比較する画像データを生成する(ステップS2105)。
【0122】
図23は、比較画像生成部23が作成する生活習慣信号と生体情報信号との比較を示すデータの図である。
図23は、
図8を多次元に拡張した図であり、
図23と
図8との差異は、生活習慣組合せ数が1つではなく複数である点である。
図23は一例として生活習慣組合せ数が2の場合であり、比較画像生成部は1種類の生体情報信号と2種類の生活習慣信号を同時に描画している点である。更に
図23は、2種類の生活習慣として、第1生活習慣が“歩数”、第2生活習慣が“睡眠時間”の場合を説明する。
【0123】
比較画像生成部23は、生体情報の評価軸1701を設定し、生体情報信号を表示する為に適切な、生体情報の目盛り801を設定する。
【0124】
次に、比較画像生成部23は、第1生活習慣の評価軸2301を設定し、第1生活習慣信号を表示する為に適切な、第1生活習慣の目盛り2302を設定する。次に、比較画像生成部23は、第2生活習慣の評価軸2303を設定し、第2生活習慣信号を表示する為に適切な、第2生活習慣の目盛り2304を設定する。
【0125】
比較画像生成部23は、第1生活習慣の目盛り2301と、第2生活習慣の目盛り2303を設定する際、
図22で示した回帰線2203の傾きに基づいて、生体情報の目盛り801の数値の増減方向に対応した増減方向を設定する。また、比較画像生成部23は、第1生活習慣の目盛り2301と第2生活習慣の目盛り2303について、回帰式に基づいて生体情報の目盛り801と対応した目盛りを設定する。
【0126】
比較画像生成部23が、この処理を行う事により、生体情報の目盛り801に対して、第1生活習慣の目盛り2302と、第2生活習慣の目盛り2304が、数値としての対応
を定量化する事が可能となる。
図23に示したような比較画像を確認することで、使用者100は、例えば収縮期血圧を160mmHgから140mmHgへ減少する為には、歩数を8000歩から10000歩に増加し、睡眠時間を5時間から7時間に増加する生活習慣組合せすれば良いと、測定結果を分析した結果から判断する事が可能となる。定量化した数値の妥当性は、相関係数の絶対値から判断する事ができる。
【0127】
次に、順位決定部24は、生体情報に対する生活習慣組合せの最適相関係数に基づき、生体情報の改善に寄与する順に生活習慣組合せの順位を決定する(ステップS2106)。生活習慣組合せ数が同じ生活習慣組合せに関しては、最適相関係数の絶対値が大きいほど、生体情報の変動に寄与している。一方、生活習慣組合せ数が異なる生活習慣組合せに関しては、生活習慣組合せ数が小さい程、最適相関係数が大きくなる傾向がある。そこで、生活習慣組合せ数の値の大きさに対応して予め重み係数の値の大きさを設定し、生活習慣組合せ提案部26は、従来の最適相関係数に重み係数を乗じた値を、新たに最適相関係数としてもよい。一例として、重み係数を、生活習慣組合せ数を生活習慣全数で割った数と設定して、最適相関係数を算出する事が可能であるが、この限りではない。これにより、順位決定部24において、生活習慣組合せ数が異なる場合でも、順位決定部24で順位を決定できる。
【0128】
次に、ステップS708に遷移し、ステップS708において生活習慣組合せ提案部26は、ステップS2105において算出した相関係数を読み込み、複数の生活習慣のうち生体情報と相関が高い、すなわち、生体情報に影響を与える度合いが高い生活習慣の情報について画像データを生成し、出力部40へ出力する。
【0129】
図24は、ステップS708において出力される画面の一例を示す図である。
図24は
図9と類似した内容であるが、
図9との差異は生活習慣が1種類ではなく、複数種類の生活習慣を表す生活習慣組合せに対する一覧を表示している点である。なお
図24に関して、
図9と同じ内容に関しては、説明を割愛する。
図24では、生体情報として収縮期血圧を、複数の生活習慣組合せとして、歩数と睡眠時間、塩分摂取と摂取カロリーの事例で説明するが、これに限るものではない。
【0130】
図24は、生活習慣組合せ一覧画面であり、生活習慣病患者に対して、「収縮期血圧」と関連の有る生活習慣組合せを表示している。
図24において、第1生活習慣組合せ2401として、“歩数”と“塩分摂取”を表示し、第2生活習慣組合せ2403として、“睡眠時間”と“摂取カロリー”を表示している。ここで、比較結果2402はステップS2105において作成した画像データに基づき、各々の生活習慣組合せの順位は、ステップS2106において算出した結果に基づいている。
【0131】
図25は、ステップS708において出力される画面の異なる一例を示す図である。
図25は生活習慣組合せ提案部26における生活習慣組合せの変化量一覧を示す図である。これは出力部40で表示する
図24のもう一つの形態であり、使用者100に具体的な生活習慣組合せの変化量を通知する目的で使用する。
【0132】
図25は
図10と類似した内容であるが、
図10との差異は生活習慣が1種類ではなく、複数種類の生活習慣を表す生活習慣組合せに対する一覧を表示している点である。なお
図25に関して、
図10と同じ内容に関しては、説明を割愛する。
【0133】
図25は、生活習慣病患者に対して、「収縮期血圧」と関連の有る生活習慣組合せを表示している。
図25において、第1生活習慣組合せ2501として、“歩数”と“塩分摂取”を表示し、第2生活習慣組合せ2503として、“睡眠時間”と“摂取カロリー”を表示している。ここで、各々の生活習慣組合せの順位は、ステップS2106において算
出した結果に基づいている。
【0134】
生活習慣の変化量2502は、目標とする生体情報の測定値にするために必要な生活習慣の変化量であり、相関算出部22で算出した回帰式から算出できる。生活習慣組合せ提案部26は、回帰式に基づいて生体情報の所定の変化量に対応する生活習慣の変化量を算出する。具体的には、収縮期血圧を160mmHgから140mmHgへ減少する為には、第1生活習慣組合せ2501として、歩数を8000歩から10000歩に増加し、睡眠時間を5時間から7時間に増加すれば良く、これが生活習慣組合せの中で、生体情報と最も相関が高いことを示す。
【0135】
また、収縮期血圧を同様に減少する為には、第2生活習慣組合せ2503として、塩分摂取を10gから7.5gに減少し、1日の摂取カロリーも2000kcalから1600kcalとすればよく、これが生活習慣組合せの中で、生体情報と2番目に相関が高いことを示す。例えば、患者の意見や興味を考慮した時に、運動(歩数)がどうしても困難である場合には、第2候補として、塩分摂取や摂取カロリーを生活習慣改善行動として選択することができる。なお、実施の形態1と同様に目標とする生体情報の測定値は使用者100が設定できるようにしてもよい。