【実施例1】
【0026】
実施例1は、凹型の例である。
図5は、実施例1における周波数に対する弾性波の速度を示す図である。
図5に示すように、実施例1では、周辺領域22の弾性波の速度特性を比較例2(点線)から矢印64のように高周波数側にシフトする。すなわち、比較例2の周辺領域22の共振点66bを66cにシフトさせ、IDT領域20の共振点66aとほぼ一致させる。これにより、ストップバンド内において、周辺領域22の速度をIDT領域20の速度より小さくできる。よって、弾性波のエネルギーが周辺領域22に漏洩することを抑制できる。
【0027】
図6は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
図6に示すように、圧電基板50上に、アルミニウム膜または銅膜等の金属膜から形成されたIDT10、グレーティング15a、15b、接続指18aおよび18bが設けられている。IDT10、グレーティング15a、15b、接続指18aおよび18bの金属膜の膜厚はほぼ均一である。圧電基板50は凹型となる基板であり、例えば回転YカットLiTaO
3基板である。IDT10は、電極指12aおよび12bを有している。電極指12aと12bとが重なる領域がIDT領域20である。電極指12aおよび12bは、異なる電圧が印加され、伝搬方向に伝搬する弾性表面波を励振する。電極指12aと12bとは、ほぼ交互に設けられている。IDT10における電極指12aおよび12bの伝搬方向の周期λ1、幅W1とすると、電極指12aおよび12bのデューティ比は2×W1/λ1である。
【0028】
IDT領域20の開口方向の両側の周辺領域22にグレーティング15aおよび15bが形成されている。グレーティング15aは、電極指16aおよび17aを備えている。グレーティング15bは、電極指16bおよび17bを備えている。電極指16aおよび16bは、それぞれ接続指18aおよび18bを介し電極指12aおよび12bと接続されている。グレーティング15aおよび15bの電極指17aおよび17bは、ダミー電極指であり、電極指12aおよび12bとは接続されていない。電極指16aとダミー電極指17aはほぼ交互に設けられ、電極指16bとダミー電極17bもほぼ交互に設けられている。また、周辺領域22における最も外側の電極指とIDT領域20における最も外側の電極指とは、伝搬方向に互いにシフトして設けられる。グレーティング15aおよび15bにおける電極指16a、16b、17aおよび17bの伝搬方向の周期をλ2、幅をW2とするとデューティ比は2×W2/λ2である。
【0029】
IDT領域20と周辺領域22との間がギャップ領域24である。ギャップ領域24においては、接続指18aおよび18bが設けられている。IDT領域20と周辺領域22とでデューティ比が異なるため、接続指18aおよび18bは、台形となる。IDT領域20と周辺領域22とで電極指の周期が異なるため、接続指18aおよび18bにおいて電極指が屈曲する。
【0030】
以下の条件で、実施例1に係る弾性波デバイス内の弾性波の速度をシミュレーションした。
圧電基板:42°回転YカットX伝搬LiTaO
3基板
金属膜の材料:アルミニウム膜
IDTのデューティ比:0.5
グレーティングのデューティ比:0.6
グレーティングの電極指周期:λ2=0.9968×λ1
ギャップ領域24の開口方向の幅は、例えばλ1程度以下であり、IDT領域20の開口方向の幅の20×λ1程度より十分小さい。よって、ギャップ領域24は、ほぼ無視できる。以下同様である。
【0031】
図7は、実施例1に係る弾性波デバイスにおける規格化周波数に対する弾性波の速度を示す図である。実線および破線は、それぞれIDT領域20および周辺領域22における弾性波の速度のシミュレーション結果を示す。
図7に示すように、ストップバンドを含め全ての周波数範囲で、周辺領域22における弾性波の速度がIDT領域20より小さい。実施例1では、周辺領域22における電極指16aから17bのデューティ比をIDT領域20より大きくすることにより、
図5の比較例2のように、ストップバンドの外側の周波数帯における周辺領域22の弾性波を遅くする。さらに、周辺領域22における電極指16aから17bの周期をIDT領域20より小さくすることにより、速度特性を高周波数側にシフトさせることができる。これにより、弾性波のエネルギーの周辺領域22の漏洩を抑制できる。
【0032】
図8は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
図8に示すように、IDT領域20と周辺領域22との間に、周辺領域22の電極指16aと17aとを接続する接続線19aと、電極指16bと17bとを接続する接続線19bと、が設けられていてもよい。この場合、接続指18aおよび18bは屈曲していなくともよい。接続線19aおよび19bの開口方向の幅をλ1程度以下とすることにより、接続線19aおよび19bの影響をほぼ無視できる。その他の構成は、実施例1と同じであり、説明を省略する。
【0033】
図9は、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイスの平面図である。
図9に示すように、周辺領域22の開口方向の外側に、周辺領域22の電極指16aと17aとを接続する接続線19aと、電極指16bと17bとを接続する接続線19bと、が設けられていてもよい。この場合においても接続線19aおよび19bの開口方向の幅をλ1程度以下とすることにより、接続線19aおよび19bの影響をほぼ無視できる。接続線19aおよび19bは周辺領域22の開口方向の中央付近に設けてもよい。
【0034】
IDT10の伝搬方向の両側に、反射器30が設けられている。反射器30は、電極指32、36、接続指38および接続線39を備えている。電極指32はIDT領域20に設けられ。電極指36は周辺領域22に設けられている。接続指38は、ギャップ領域24に設けられ、電極指32と36を接続する。接続線39は、電極指36を接続する。反射器30においても、周辺領域22における電極指36の伝搬方向の幅W2はIDT領域20における電極指32の伝搬方向の幅W1より大きい。また、周辺領域22における電極指36の伝搬方向のデューティ比2×W2/λ2はIDT領域20における電極指32のデューティ比2×W1/λ1より小さい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1およびその変形例に反射器を設けてもよい。
【0035】
図10は、実施例1の変形例3に係る弾性波デバイスの平面図である。
図10に示すように、グレーティング15aにおける電極指16aおよび17aの周期λ2並びにグレーティング15bにおける電極指16bおよび17bの周期λ2と、IDT10における電極指12aおよび12bの周期λ1と、は同じである。グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17bは開口方向に対し角度θ傾いている。その他の構成は実施例1と同じであり、説明を省略する。このように、電極指16aから17bを開口方向から傾けることにより、グレーティング15aおよび15bの共振周波数を高周波数側にシフトできる。
【0036】
以下の条件で、実施例1の変形例3に係る弾性波デバイス内の弾性波の速度をシミュレーションした。
圧電基板:42°回転YカットX伝搬LiTaO
3基板
金属膜の材料:アルミニウム膜
IDTのデューティ比:0.5
グレーティングのデューティ比:0.6
グレーティングの電極指の周期:λ2=λ1
グレーティングの電極指の角度θ:5°
【0037】
図11は、実施例1に係る弾性波デバイスにおける規格化周波数に対する弾性波の速度を示す図である。実線および破線は、それぞれIDT領域20および周辺領域22における弾性波の速度のシミュレーション結果を示す。
図11に示すように、ストップバンドを含め全ての周波数範囲で、周辺領域22における弾性波の速度がIDT領域20より小さい。これにより、弾性波のエネルギーの周辺領域22の漏洩を抑制できる。
【0038】
実施例1の変形例4において、共振器を作製した。
図12は、実施例1の変形例4に係る弾性波デバイスの平面図である。
図12に示すように、周辺領域22の電極指16aから17bの周期はIDT領域20と同じである。IDT10および反射器30において、周辺領域22の電極指16aから17bは開口方向に対し傾いている。その他の構成は実施例1の変形例2と同じであり、説明を省略する。
【0039】
実施例1の変形例4の作製条件を以下に示す。
圧電基板:42°回転YカットX伝搬LiTaO
3基板
金属膜の材料:アルミニウム膜
金属膜の膜厚:0.09×λ1で均一
IDTのデューティ比:0.5
グレーティングのデューティ比:0.6
グレーティングの電極指の周期:λ2=λ1=2μm
グレーティングの電極指の角度θ:5°
なお、反射器30における、IDT領域20および周辺領域22の電極指のデューティ比、周期、角度はIDT10と同じである。
【0040】
図13は、比較例3に係る弾性波デバイスの平面図である。
図13に示すように、比較例3では、グレーティングは設けられておらず。バスバー14a、14b、ダミー電極13aおよび13bが設けられている。IDT10の電極指12aおよび12bのデューティ比および周期は実施例1の変形例4と同じである。
【0041】
図14は、実施例1の変形例4および比較例3の共振器の反射特性(S11)を示すスミスチャートである。
図14に示すように、共振点付近で、実施例1の変形例4は比較例3よりS11がスミスチャートの外周に近い。これは、実施例1の変形例4が比較例3より挿入損失が小さいことを示している。
【0042】
実施例1およびその変形例によれば、弾性波の主伝搬方向の逆速度面が凹型のとき、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17bのデューティ比をIDT10における電極指12aおよび12bのデューティ比より大きくする。これにより、
図5の比較例2のように、ストップバンドの外側の弾性波の速度を小さくする。このとき、IDT10の共振点66aに対し、グレーティング15aおよび15bの共振点66bは低周波数側にシフトする。そこで、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17bの周期をIDT10における電極指12aおよび12bの周期より小さくする。これにより、
図5のように、グレーティング15aおよび15bにおける共振周波数を比較例2の共振点66bから66cに高周波数側にシフトできる。これにより、ストップバンドにおいて、周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より小さくできる。よって、弾性波の周辺領域22への漏洩を抑制できる。
【0043】
ここで、共振点66cが共振点66aと大きく異なると、周辺領域22の弾性波の速度がIDT領域20より大きくなる周波数帯が生じてしまう。そこで、グレーティング15aおよび15bの共振周波数(共振点66c)とIDT10の共振周波数(共振点66a)が略一致することが好ましい。ここで、共振周波数が略一致するとは、ストップバンドと
その他の帯域の全てにおいて、周辺領域22の弾性波の速度がIDT領域20より小さくなる程度に共振点66cと66aが一致することである。このような、共振点66cとするためには、周辺領域22の電極指16aから17bの周期λ2は、IDT領域20の電極指12aおよび12bの周期λ1の1倍より小さく、かつ0.9倍以上が好ましく、0.95倍以上がより好ましく、0.98倍以上がさらに好ましい。
【0044】
また、共振点66cと66aとが略一致する程度に周期λ2をλ1と異ならせるためには、周辺領域22の電極指16aから17bとIDT領域20の電極指12aおよび12bとが接続指18aおよび18bにおいて、折れ曲がり接続される。
【0045】
さらに、共振点66bを66cにシフトさせるため、実施例1の変形例3のように、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17bを、開口方向に対し傾けてもよい。
【0046】
図15(a)は、実施例1の変形例5に係る弾性波デバイスの平面図、
図15(b)は、電極指の断面を示す図である。
図15(a)および
図15(b)に示すように、周辺領域22における電極指16aから17bを構成する金属膜40の膜厚T2は、IDT領域20における電極指12aおよび12bを構成する金属膜40の膜厚T1より大きい。周辺領域22における電極指16aから17bのデューティ比は、IDT領域20の電極指12aおよび12bのデューティ比と同じである。周辺領域22における電極指16aから17bの周期はIDT領域20における電極指12aおよび12bの周期より小さい。その他の構成は実施例1の変形例2の
図9と同じであり説明を省略する。
【0047】
実施例1の変形例5によれば、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17bの膜厚T2はIDTにおける電極指12aおよび12bの膜厚T1より大きい。これにより、質量付加の効果により、周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より小さくすることができる。これにより、
図4と同様に周波数と速度の関係を実現できる。
【0048】
図16(a)は、実施例1の変形例6に係る弾性波デバイスの平面図、
図16(b)は、電極指の断面を示す図である。
図16(a)および
図16(b)に示すように、周辺領域22における金属膜40とIDT領域20における金属膜40との膜厚T1は同じである。周辺領域22では、金属膜40上に膜厚T3の付加膜42が付加されている。付加膜42としては、例えばアルミニウム膜、銅膜または金膜のような金属膜でもよく、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜のような誘電体膜でもよい。周辺領域22における電極指16aから17bのデューティ比は、IDT領域20の電極指12aおよび12bのデューティ比と同じである。周辺領域22における電極指16aから17bの周期はIDT領域20における電極指12aおよび12bの周期より小さい。その他の構成は実施例1の変形例5の
図15(a)および
図15(b)と同じであり、説明を省略する。
【0049】
実施例1の変形例6によれば、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17b上に設けられた付加膜42の膜厚T3はIDT10における電極指12aおよび12b上に設けられた付加膜42の膜厚より大きい。これにより、周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より小さくすることができる。これにより、質量付加の効果により、周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より小さくすることができる。これにより、
図4と同様に周波数と速度の関係を実現できる。なお、
図16(b)のように、IDT領域20には付加膜は設けられていなくてもよい。
【0050】
実施例1およびその変形例1から4において、電極指16aから17bのデューティ比を電極指12aおよび12bより大きくする代わりに、実施例1の変形例5のように電極指16aから17bの膜厚を電極指12aおよび12bより大きくすることもできる。また、実施例1の変形例6のように電極指16aから17b上に設けられた付加膜42の膜厚を電極指12aおよび12b上に設けられた付加膜より大きくしてもよい。
【実施例2】
【0051】
実施例2は、凸型の例である。
図17は、実施例2における周波数に対する弾性波の速度を示す図である。IDT領域20の周波数に対する弾性波の速度を実線で示している。凸型においては、周辺領域22の電極指16aから17bのデューティ比をIDT領域20における電極指12aおよび12bのデューティ比より小さくする。これにより、
図17の点線(比較例3)のように、ストップバンドの外側の周辺領域22における弾性波の速度をIDT領域20より大きくできる。
【0052】
しかしながら、比較例3では、ストップバンドにおいて、周辺領域22とIDT領域20との弾性波の速度はほとんど同じである。そこで、矢印65のように、周辺領域22の電極指16aから17bによる共振点66bを66eに低周波数側にシフトさせる。これにより、ストップバンドおよびその外側において、周辺領域22における弾性波の速度をIDT領域20より大きくできる。よって、弾性波のエネルギーが周辺領域22に漏洩することを抑制できる。
【0053】
図18(a)は、実施例2に係る弾性波デバイスの平面図、
図18(b)は、
図18(a)のA−A断面図である。
図18(a)に示すように、周辺領域22における電極指16aから17bのデューティ比はIDT領域20における電極指12aおよび12bより小さい。これにより、
図17の比較例3のように、ストップバンドの外側における周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より大きくできる。さらに、周辺領域22における電極指16aから17bの周期をIDT領域20における電極指12aおよび12bの周期より大きくする。これにより、
図17の矢印65のように、速度特性を低周波数側にシフトできる。よって、ストップバンド内外において周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より大きくできる。その他の構成は、実施例1の
図6と同じであり説明を省略する。
【0054】
図18(b)に示すように、圧電基板50上にIDT10が形成されている。IDT10上に温度補償膜52が形成されている。圧電基板50は、例えば回転YカットLiNbO
3基板であり、カット角は例えば0°近傍、または128°近傍である。温度補償膜52は、例えば酸化シリコン膜である。このように、ラブ波またはレイリー波を用いた弾性波デバイスとすることもできる。温度補償膜は設けられていなくともよい。
【0055】
実施例2によれば、周辺領域22における電極指16aから17bの周期をIDT領域20における電極指12aおよび12bの周期より大きくする。これにより、
図17のようにストップバンド内外における周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より大きくできる。よって、弾性波のエネルギーの周辺領域22の漏洩を抑制できる。
【0056】
グレーティング15aおよび15bの共振点66aの共振周波数とIDT10の共振点66eの共振周波数とが略一致することが好ましい。ここで、共振点66aと66eの共振周波数が略一致するとは、ストップバンドと
その他の帯域の全てにおいて、周辺領域22の弾性波の速度がIDT領域20より大きくなる程度に共振点66eと66aの共振周波数が一致することである。このような、共振点66eとするためには、周辺領域22の電極指16aから17bの周期λ2は、IDT領域20の電極指の周期λ1の1倍より大きく、かつ1.1倍以下が好ましく、1.05倍以下がより好ましく、1.02倍以下がさらに好ましい。
【0057】
また、共振点66eと66aとが略一致する程度に周期λ2をλ1と異ならせるためには、周辺領域22の電極指16aおよび16bとIDT領域20の電極指12aおよび12bとが接続指18aおよび18bにおいて、折れ曲がり接続されることが好ましい。
【0058】
図19(a)および
図19(b)は、それぞれ実施例2の変形例1および2に係る弾性波デバイスの断面図である。
図19(a)に示すように、周辺領域22における電極指16aから17bを構成する金属膜40の膜厚T2は、IDT領域20における電極指12aおよび12bを構成する金属膜40の膜厚T1より小さい。周辺領域22における電極指16aから17bのデューティ比は、IDT領域20の電極指12aおよび12bのデューティ比と同じである。周辺領域22における電極指16aから17bの周期はIDT領域20における電極指12aおよび12bの周期より大きい。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。
【0059】
実施例2の変形例1によれば、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17bの膜厚T2はIDTにおける電極指12aおよび12bの膜厚T1より小さい。これにより、質量付加の効果により、周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より大きくすることができる。
【0060】
図19(b)に示すように、周辺領域22における金属膜40とIDT領域20における金属膜40との膜厚T1は同じである。IDT領域20では、金属膜40上に膜厚T3の付加膜42が付加されている。付加膜42の材料例は実施例1の変形例6と同じである。周辺領域22における電極指16aから17bのデューティ比は、IDT領域20の電極指12aおよび12bのデューティ比と同じである。周辺領域22における電極指16aから17bの周期はIDT領域20における電極指12aおよび12bの周期より大きい。その他の構成は実施例2と同じであり、説明を省略する。
【0061】
実施例2の変形例2によれば、グレーティング15aおよび15bにおける電極指16aから17b上に設けられた付加膜42の膜厚T3はIDT10における電極指12aおよび12b上に設けられた付加膜42の膜厚より小さい。これにより、周辺領域22の弾性波の速度をIDT領域20より大きくすることができる。なお、
図19(b)のように、周辺領域22には付加膜は設けられていなくてもよい。
【0062】
このように、周辺領域22の電極指16aから17bのデューティ比をIDT領域20における電極指12aおよび12bのデューティ比より小さくする代わりに、周辺領域22における電極指16aから17bの膜厚をIDT領域20における電極指12aおよび12bの膜厚より小さくしてもよい。または、周辺領域22における電極指16aから17b上に設けられた付加膜42の膜厚T3をIDT領域20における電極指12aおよび12b上に設けられた付加膜の膜厚より小さくしてもよい。
【0063】
実施例2およびその変形例に、実施例1およびその変形例で説明した接続線19aおよび16bの少なくとも1つを用いてもよい。また、実施例2に、実施例1およびその変形例で説明した反射器30を用いてもよい。
【0064】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。