(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、電子棚札端末毎に表示される情報の項目やレイアウトを任意に変更できる棚札管理装置及びこの棚札管理装置によって管理される電子棚札端末の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、
図1に示すように、商品が陳列される棚等に取り付けられる複数の電子棚札端末12と、各電子棚札端末を管理する棚札管理装置としてのサーバ11とからなる電子棚札システム10についてである。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る電子棚札システム10の概略構成を示すブロック図である。電子棚札システム10は、棚札管理装置としてのサーバ11と、このサーバ11によって管理される複数の電子棚札端末12と、サーバ11と各電子棚札端末12との間のデータ通信を中継する中継機13とを含む。中継機13は、サーバ11と中継機13との間を有線回線で接続する。中継機13は、各電子棚札端末12と中継機13との間を無線回線で接続する。サーバ11と中継機13との間を無線回線で接続し、各電子棚札端末12と中継機13との間を有線回線で接続してもよい。あるいは、サーバ11と中継機13及び中継機13と各電子棚札端末12との間を全て有線回線で接続してもよいし、全て無線回線で接続してもよい。
【0010】
電子棚札端末12は、
図2に示すように、長方形をなした板状の部材からなり、その正面に画面12Aを配した電子機器である。画面12Aは、マトリクス状に配置された多数のピクセルの集合体によって構成され、各ピクセルは、x軸とy軸との二次元座標系の(x,y)座標により個々に特定される。本実施形態では、画面12Aに向かって左下のピクセルP1の(x,y)座標を(0,0)とし、右下のピクセルP2の(x,y)座標を(0,Xmax)とし、左上のピクセルP3の(x,y)座標を(Ymax,0)とし、右上のピクセルP4の(x,y)座標を(Ymax,Xmax)とする。
【0011】
電子棚札端末12は、店舗の商品陳列棚に取り付けられる。商品陳列棚には、同一種類の商品が集約されて陳列されており、1種類の商品に対して1つの電子棚札端末12が配置される。
【0012】
サーバ11は、商品データベース21、レイアウトデータベース22及び棚札データベース23の各データベースを管理する。商品データベース21は、各商品に関する情報を保存する。レイアウトデータベース22は、電子棚札端末12における画面12Aのレイアウトパターンに関する情報を保存する。棚札データベース23は、各電子棚札端末12に関する情報を保存する。各データベース21,22,23は、サーバ11が内蔵する記憶装置に形成されていてもよいし、サーバ11とネットワークを介して接続される外部の記憶装置に形成されていてもよい。
【0013】
図3は、商品データベース21に保存される1商品当たりのデータレコード21Dの構造を示す模式図である。図示するようにデータレコード21Dは、商品コード、商品名称、価格、リンクコード、リンク名称、在庫数、発注日、入荷予定日、製造日、期限日、原材料名、内容量、保存方法、製造者名等の項目について、その項目名と、文字数と、属性と、実データとをそれぞれ記録したものである。
【0014】
商品コードは、各商品を個々に特定するために商品毎に設定された固有のコードである。商品名称は、対応する商品コードによって特定される商品(以下、当該商品と称する)の固有名称である。価格は、当該商品の1点当たりの販売価格である。リンクコード及びリンク名称は、当該商品が属する商品分類のコード及び名称である。
【0015】
在庫数は、当該商品の現時点における在庫数である。発注日は、当該商品を発注した最新の日付である。入荷予定日は、発注日に発注した当該商品が入荷される予定日である。製造日は、当該商品の製造日である。期限日は,当該商品の消費期限日又は賞味期限日である。なお、当該商品が食品以外の場合には、製造日及び期限日のデータは未設定(NULL)である。また、食品であっても製造日や期限日が異なる商品が混在して棚に陳列される運用の場合、製造日及び期限日のデータは未設定(NULL)としてもよい。
【0016】
原材料名は、当該商品に含まれる原材料の全名称である。内容量は、当該商品の分量である。保存方法は、当該商品を保存する場合の方法を表すテキストデータである。製造者名は、当該商品を製造した業者の居所,名称等である。これら原材料名、内容量、保存方法及び製造者名の各データについても、食品等のように設定可能な商品について設定され、設定不可能な商品については未設定(NULL)となっている。
【0017】
文字数は、対応する実データによって表される文字・数字の数である。例えば商品コードが13桁のJANコードである場合、項目名「商品コード」の文字数は“13”である。同様に、発注日が西暦の年と2桁の月と2桁の日付とで表される場合、項目名「発注日」の文字数は“8”である。
【0018】
属性は、対応する項目名の項目が電子棚札端末12への表示対象か否かを分類する値である。本実施形態では、属性=“1”を表示対象とし、属性=“0”を非表示対象とする。因みに、原材料名、内容量、保存方法、製造者名の各項目については、文字数が多く、電子棚札端末12での表示に適さないため、本実施形態では、属性を“0”としている。
【0019】
図4は、レイアウトデータベース22に保存される1レイアウトパターン当たりのデータレコード22Dを示す模式図である。図示するようにデータレコード22Dは、レイアウトコード及び区画数と、その区画数分の区画ナンバー、先頭座標、最終座標、文字サイズ及び最大文字数とについて、それぞれ実データを記録したものである。
【0020】
レイアウトコードは、対応する区画数とその区画数分の先頭座標,終了座標及び文字サイズとによって定まるレイアウトパターンを個々に識別するためにパターン毎に設定された固有のコードである。区画数は、画面12Aを複数に区分することで形成される区画の数である。区画ナンバーは、各区画に対して1から順に連続して割り当てられる番号である。
【0021】
先頭座標は、対応する区画ナンバーで特定される区画(以下、当該区画と称する)の画面12Aに向かって左上のピクセルの(x,y)座標である。終了座標は、同区画の画面12Aに向かって右下のピクセルの(x,y)座標である。なお、先頭座標と終了座標とは上記実施態様に限定されるものではない。例えば、右下のピクセルの(x,y)座標を先頭座標とし、左上のピクセルの(x,y)座標を終了座標としてもよい。あるいは、右上のピクセルの(x,y)座標を先頭座標とし、左下のピクセルの(x,y)座標を終了座標としてもよい。要は、当該区画の領域を特定できればよい。
【0022】
文字サイズは、当該区画に表示する文字のサイズである。最大文字数は、当該区画に表示可能な最大の文字数である。最大文字数は、当該区画の面積と当該区画に表示する文字のサイズとから算出される(演算手段)。
【0023】
図5は、棚札データベース23に保存される1棚札当たりのデータレコード23Dを示す模式図である。図示するようにデータレコード23Dは、棚札ID、商品コード、レイアウトコード及び区画数と、その区画数分の区画ナンバー、商品項目名及び項目データとについて、実データをそれぞれ記録したものである。
【0024】
棚札IDは、各電子棚札端末12を個々に識別するために電子棚札端末12毎に割り当てられた固有のコードである。商品コードは、対応する棚札IDで特定される電子棚札端末(以下当該電子棚札端末と称する)12にて情報を表示する商品の識別コードである。レイアウトコードは、当該電子棚札端末12に対して割り当てられたレイアウトパターンの識別コードである。区画数は、そのレイアウトコードで特定されるレイアウトパターンの区画数である。
【0025】
区画ナンバー、商品項目名及び項目データは、その区画ナンバーによって特定される区画に表示する商品の項目名とその項目の実データとである。
【0026】
図6は、サーバ11の要部構成を示すブロック図である。サーバ11は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、補助記憶デバイス114、中継機インターフェース115、デバイスインターフェース116及びネットワークインターフェース117を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスライン118で接続する。
【0027】
CPU111は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU111は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、サーバ11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0028】
ROM112は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM112は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM112は、CPU111が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0029】
RAM113は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM113は、CPU111が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM113は、CPU111によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0030】
補助記憶デバイス114は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス114は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス114は、CPU111が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU111での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス114は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0031】
中継機インターフェース115は、有線または無線の通信回線を介して中継機13を接続する。中継機インターフェース115は、中継機13を介して各電子棚札端末12との間で無線を利用して行うデータ通信を制御する。
【0032】
デバイスインターフェース116は、サーバ11の外部デバイスである入力デバイス31、表示デバイス32等を着脱自在に接続する。デバイスインターフェース116は、入力デバイス31を介して入力されるデータを取り込む。入力デバイス31としては、キーボード、マウス等が利用される。デバイスインターフェース116は、表示デバイス32の画面表示を制御する。表示デバイス32としては、液晶ディスプレイ等が利用される。
【0033】
ネットワークインターフェース117は、図示しないLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される他のサーバとの間のデータ通信を制御する。他のサーバとしては、例えば商品販売に関するデータを管理するPOS(Point Of Sales)システムのサーバや、発注、納品に関するデータを管理する発注システムのサーバ等がある。
【0034】
図7は、RAM113に形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。サーバ11は、RAM113に、棚札データエリア41、商品データエリア42及びレイアウトデータエリア43を形成する。これらのデータエリアの用途については、後述する。
【0035】
図8は、電子棚札端末12の要部構成を示すブロック図である。電子棚札端末12は、CPU121、ROM122、RAM123、NFCユニット124、表示デバイス125及び無線デバイス126を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスライン127で接続する。また、電子棚札端末12は、駆動用電源としてバッテリ128を搭載する。
【0036】
CPU121は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU121は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、電子棚札端末12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0037】
ROM122は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM122は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM122は、CPU121が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。ROM122は、当該電子棚札端末12に対して割り当てられた固有の識別コードである棚札IDを記憶する。ROM122は、電気的にデータの書き換えが可能なフラッシュROMであってもよい。
【0038】
RAM123は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM123は、CPU121が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM123は、CPU121によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0039】
NFCユニット124は、電子棚札端末12に近接されたNFC対応機器とNFC規格によるデータ通信を行う。無線デバイス126は、中継機13と、所定の無線周波数を使用して無線によるデータ通信を行う。
【0040】
表示デバイス125は、画面12Aに文字,数字等を表示する。表示デバイス125としては、カラーLCD(liquid crystal display)、セグメント表示器、電子ペーパー等が利用できる。
【0041】
図9は、RAM123に形成される主要なメモリエリアを示す模式図である。電子棚札端末12は、RAM123に、商品データエリア51、レイアウトデータエリア52、表示データエリア53及び非表示データエリア54を形成する。これらのデータエリアの用途については、後述する。
【0042】
図10は、棚札管理プログラムにしたがってサーバ11のCPU111が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。棚札管理プログラムは、サーバ11から各電子棚札端末12にそれぞれ配信される棚札データを編集するためのアプリケーションプログラムである。棚札管理プログラムは、例えばROM112または補助記憶デバイス114に記憶される。なお、
図10に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0043】
入力デバイス31の操作入力により棚札データ設定業務の開始が指令されると、棚札管理プログラムが起動する。棚札管理プログラムが起動すると、CPU111は、棚札IDと、商品コードと、レイアウトコードの入力を受け付ける(Act1〜Act3)。
【0044】
棚札データ設定業務の担当者は、入力デバイス31を操作して、棚札データ編集対象の電子棚札端末12を特定する棚札IDと、その電子棚札端末12に割り当てる商品を特定する商品コードと、その電子棚札端末12における画面12Aのレイアウトパターンを特定するレイアウトコードとを入力する。なお、Act1〜Act3の手順は、上記形態に限定されるものではなく、前後を入れ替え可能である。
【0045】
Act1にて棚札コードが入力されると、CPU111は、棚札データベース23にアクセスし、その棚札IDが設定されたデータレコード23Dを読み込む。そしてCPU111は、このデータレコード23Dを棚札データエリア41に格納する。Act2にて商品コードが入力されると、CPU111は、商品データベース21にアクセスし、その商品コードが設定されたデータレコード21Dを読み込む。そしてCPU111は、このデータレコード21Dを商品データエリア42に格納する。またCPU111は、このデータレコード21Dの商品コードを、棚札データエリア41に格納されたデータレコード23Dの項目「商品コード」に関連付けられた実データに上書きする(割当手段)。Act3にてレイアウトコードが入力されると、CPU111は、レイアウトデータベース22にアクセスし、そのレイアウトコードが設定されたデータレコード22Dを読み込む。そしてCPU111は、このデータレコード22Dをレイアウトデータエリア43に格納する。またCPU111は、このデータレコード22Dのレイアウトコードを、棚札データエリア41に格納されたデータレコード23Dの項目「レイアウトコード」に関連付けられた実データに上書きする。
【0046】
Act1〜Act3の処理が実施されると、CPU111は、レイアウトデータエリア43のデータレコード22Dから区画数Nを取得する。そしてCPU111は、この区画数Nを、棚札データエリア41に格納されたデータレコード23Dの項目「区画数」に関連付けられた実データに上書きする(Act4)。CPU111は、カウンタnを“0”に初期化する(Act5)。カウンタnは、例えばRAM113に形成されている。なお、Act4とAct5との処理手順はこれに限定されるものではない。先にカウンタnを“0”に初期化し、その後で区画数Nを取得してもよい。
【0047】
Act4及びAct5の処理を終えると、CPU111は、カウンタnを“1”だけカウントアップする。そしてCPU111は、カウンタnが区画数Nを超えたか否かを確認する(Act7)。カウンタnが区画数Nを超えていない場合(Act7にてNO)、CPU111は、データレコード22Dから区画ナンバーn(nはカウンタnの値)に紐付された項目(先頭座標、最終座標、文字サイズ、最大文字数)の中から最大文字数を検出する(Act8)。
【0048】
最大文字数を検出したならば、CPU111は、商品項目名の入力を受け付ける(Act9)。担当者は、入力デバイス31を操作して区画ナンバーnで特定される画面12Aの区画に表示させたい商品データの項目名を入力する。例えばデータレコード21Dに設定されている各項目名のうち、属性が“1”、つまりは電子棚札端末12にて表示可能と設定されている項目名のリストが表示デバイス32に表示され、このリストの中から所望する項目名を担当者が選択入力するようにしてもよい。
【0049】
項目名が入力されると、CPU111は、データレコード21Dから当該項目名に対応して設定されている文字数を検出する。そしてCPU111は、この文字数が最大文字数以下であるか否かを確認する(Act10:判定手段)。文字数が最大文字数を超える場合、区画ナンバーnで特定される区画に、入力された項目の実データを表示することができない。この場合(Act10にてNO)、CPU111は、別の商品項目名の入力を受け付ける(Act9)。
【0050】
文字数が最大文字数以下の場合、区画ナンバーnで特定される区画に、入力された項目の実データを表示することができる。この場合(Act10にてYES)、CPU111は、データレコード21Dから当該項目名の実データを取得する。そしてCPU111は、Act9の処理で入力を受け付けた項目名とともにこの実データを、棚札データエリア41に格納されたデータレコード23Dの区画ナンバーnに紐付された項目「商品項目名」と「項目データ」とにそれぞれ関連付けられた実データに上書きする(Act11)。
【0051】
項目名と実データとをデータレコード23Dに上書きしたならば、CPU111は、Act6の処理に戻る。すなわちCPU111は、カウンタnを“1”だけカウントアップする。そして、カウンタnが区画数Nを超えていない場合(Act7にてNO)、CPU111は、データレコード22Dから区画ナンバーnに紐付された最大文字数のデータを検出する(Act8)。次いで、商品項目名が入力されたならば(Act9)、CPU111は、当該項目名に対応して設定されている文字数が最大文字数以下であるか否かを確認する(Act10)。文字数が最大文字数を超える場合(Act10にてNO)、CPU111は、別の商品項目名の入力を受け付ける(Act9)。
【0052】
文字数が最大文字数以下の場合(Act10にてYES)、CPU111は、項目名と当該項目名の実データとを、棚札データエリア41に格納されたデータレコード23Dの区画ナンバーnに紐付された項目「商品項目名」と「項目データ」とにそれぞれ関連付けられた実データに上書きする(Act11:割付手段)。
【0053】
CPU111は、カウンタnを“1”ずつカウントアップする毎に、上記Act7〜Act11の処理を繰り返す。カウンタnが区画数Nを超えたならば(Act7にてYES)、CPU111は、棚札データエリア41に格納されているデータレコード23Dの各データに基づいて、電子棚札端末12の画面12Aを表す画像を編集する。そしてCPU111は、この画像を表示デバイス32に表示させる(Act12)。担当者は、画像を見てその内容で正しいか確認し、正しい場合には、データレコード23Dを棚札データベース23に登録する旨を、入力デバイス31を操作して入力する。
【0054】
画像を表示した後、CPU111は、データレコード23Dを棚札データベース23に登録するか否かの入力を受け付ける(Act13)。登録しない旨の入力を受け付けた場合(Act13にてNO)、CPU111は、
図10の流れ図に示す手順の処理を終了する。
【0055】
登録する旨の入力を受け付けた場合には(Act13にてYES)、CPU111は、棚札データエリア41内のデータレコード23Dを、棚札データベース23に登録する(Act14)。すなわち、棚札データベース23に保存されている各データレコードのうち、出力されたデータレコード23Dと棚札IDが一致するデータレコードを、出力されたデータレコード23Dに書き換える(記憶手段)。以上で、CPU111は、
図10の流れ図に示す手順の処理を終了する。
【0056】
サーバ11は、棚札管理プログラムにしたがった処理を終了すると、所定のタイミングで、棚札データベース23に保存されている各データレコード23Dを読出す。そしてサーバ11は、中継機13を介して各データレコード23Dを各電子棚札端末12に配信する(送信手段)。
【0057】
各電子棚札端末12のCPU121は、無線デバイス126を介してサーバ11から配信されるデータを受信すると、その受信データの中から自己の棚札IDがセットされているデータレコード23Dを検出する。そしてCPU121は、このデータレコード23DをRAM123の受信バッファに格納して、表示プログラムを起動する。
【0058】
図11は、表示プログラムにしたがって電子棚札端末12のCPU121が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。表示プログラムは、各電子棚札端末12が表示デバイス125に画面12Aを表示するのを支援するアプリケーションプログラムである。表示プログラムは、例えばROM122に記憶される。なお、
図11に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0059】
表示プログラムが起動すると、CPU121は、データレコード23Dを受信したか否かを確認する(Act21)。受信バッファにデータレコード23Dが格納されている場合、CPU121は、データレコード23Dを受信したと判断する。この場合(Act21にてYES)、CPU121は、このデータレコード23Dからレイアウトコードを検出する(Act22)。そしてCPU121は、このレイアウトコードを含むレイアウトデータ要求コマンドを生成し、無線デバイス126を介してサーバ11宛に無線送信する。
【0060】
無線送信されたレイアウトデータ要求コマンドは、中継機13を介してサーバ11で受信される。レイアウトデータ要求コマンドを受信したサーバ11のCPU111は、レイアウトデータベース22にアクセスし、コマンド中のレイアウトコードがセットされたデータレコード22Dを読み出す。そしてCPU111は、このデータレコード22Dを、コマンド送信元の電子棚札端末12宛に送信する。データレコード22Dは、中継機13を介して無線送信され、電子棚札端末12で受信される。
【0061】
レイアウトデータ要求コマンドを送信したCPU121は、無線デバイス126を介して受信したデータレコード22Dを、レイアウトデータエリア52に格納する(Act23)。
【0062】
CPU121は、レイアウトデータエリア52に格納されたデータレコード22Dに基づき、画面12Aの表示レイアウトを作成する。すなわちCPU121は、区画ナンバー毎に設定されている先頭座標と終了座標とから区画数N分の区画を特定し、各区画を区切る線分を表すデータを表示データエリアにセットする(Act24)。
【0063】
CPU121は、データレコード23Dから商品コードを検出する(Act25)。そしてCPU121は、この商品コードを含む商品データ要求コマンドを生成し、無線デバイス126を介してサーバ11宛に無線送信する。
【0064】
無線送信された商品データ要求コマンドは、中継機13を介してサーバ11で受信される。商品データ要求コマンドを受信したサーバ11のCPU111は、商品データベース21にアクセスし、コマンド中の商品コードがセットされたデータレコード21Dを読み出す。そしてCPU111は、このデータレコード21Dを、コマンド送信元の電子棚札端末12宛に送信する。データレコード21Dは、中継機13を介して無線送信され、電子棚札端末12で受信される。
【0065】
商品データ要求コマンドを送信したCPU121は、無線デバイス126を介して受信したデータレコード21Dを、商品データエリア51に格納する(Act26)。
なお、Act22〜Act24の処理と、Act25〜Act26の処理とは、順序が逆であってもよい。すなわち、先に、Act25〜Act26の処理を実行し、後からAct22〜Act24の処理を実行してもよい。
【0066】
CPU121は、受信バッファに格納されるデータレコード23Dから、区画ナンバーの小さい順に、商品項目名と項目データとを検出する。そして、商品項目名と項目データとを、区画数Nに分割されて線分で仕切られた同一区画ナンバーの領域内に展開する。このとき、商品項目名については、既定の文字サイズとし、項目データについては、データレコード22Dの当該区画ナンバーに対応した文字サイズとする(Act27:展開手段)。
【0067】
データレコード23Dの全ての区画ナンバーについて、Act27の処理を実行したならば、CPU121は、商品データエリア51内のデータレコード21Dから、受信バッファ内のデータレコード23Dに含まれる商品項目名以外のすべての項目名とその実データとを検出する。そしてCPU121は、検出した項目名と実データとを非表示データエリア54に格納する(Act28:非表示記憶手段)。格納し終えたならば、CPU121は、受信バッファをクリアする。
【0068】
CPU121は、表示データエリア53内のデータを表示デバイス125に表示させる(Act29:制御手段)。なお、Act28の処理とAct29の処理とは、前後が入れ替わってもよい。
【0069】
CPU121は、Act21の処理に戻る。このとき、受信バッファはクリアされているので、CPU121は、データの受信無しと判断する。この場合(Act21にてNO)、CPU121は、NFCユニット124によってNFC規格による無線通信(以下、NFC通信と称する)が開始したか否かを確認する(Act30)。NFC通信が開始されていない場合(Act30にてNO)、CPU121は、Act21の処理に戻る。したがってCPU121は、NFC通信が開始されるのを待ち受ける。
【0070】
例えばユーザが、NFC機能付きの携帯端末(スマートフォン、タブレットPC等)をNFCユニット124に近づけると、NFC通信が開始される。NFC通信が開始されると、CPU121は、このNFC通信により、非表示データエリア54のデータを携帯端末に送信する(Act31:非表示送信手段)。
【0071】
非表示データエリア54のデータを受信した携帯端末は、所定のアプリケーションプログラムを起動することで、この非表示データエリア54のデータをディスプレイに表示させることが可能である。
【0072】
非表示データエリア54のデータを送信したCPU121は、Act21に戻る。したがってCPU121は、NFCユニット124によるNFC通信が開始されたならば、その都度、非表示データエリア54のデータをこのNFC通信により送信する。また、新たなデータレコード23Dが受信バッファに格納されたならば、その都度、Act22〜Act29の処理を実行する。
【0073】
図12は、電子棚札端末12の画面12Aに表示される画像の一例である。この例は、画面12Aを図示の如く3つの区画A1,A2,A3に区分したレイアウトパターンにおいて、区画A1に商品コードを割り付け、区画A2に商品名を割り付け、区画A3に価格を割り付けた例である。
【0074】
この電子棚札端末12に、NFC機能付きの携帯端末を近づけてNFC通信を行わせた後、所定のアプリケーションプログラムを起動した場合、この携帯端末のディスプレイには、
図13に示すように、電子棚札端末12の画面12Aに表示されている商品に関しての、画面12Aに表示されていない情報が表示される。
【0075】
図14は、電子棚札端末12の画面12Aに表示される画像の他の例である。この例は、画面12Aを図示の如く4つの区画B1,B2,B3,B4に区分したレイアウトパターンにおいて、区画B1に商品名を割り付け、区画B2に価格を割り付け、区画B3に製造日を割り付け、区画B4に期限日を割り付けた例である。
【0076】
この電子棚札端末12に、NFC機能付きの携帯端末を近づけてNFC通信を行わせた後、所定のアプリケーションプログラムを起動した場合、この携帯端末のディスプレイには、
図15に示すように、電子棚札端末12の画面12Aに表示されている商品に関しての、画面12Aに表示されていない情報が表示される。
【0077】
このように本実施形態の電子棚札システムであれば、サーバ11によって管理される複数の電子棚札端末12の各画面12Aに表示させる商品データの項目を任意に設定することができる。しかも、画面を区分する区画数や各区画のレイアウトも任意に設定することができる。したがって、商品の特長、性質等によって電子棚札端末12毎に表示項目を変えたり、特定の項目が目立つようにレイアウトを変更したりするというように、自由度の高い棚札表示を実現することができる。
【0078】
また、電子棚札端末12に表示されない商品情報については、NFC機能付きの携帯端末を用いることで、その端末のディスプレイに表示させることができる。したがって、電子棚札端末12に表示されている情報以外の情報、例えば原材料名、保存方法等の電子棚札端末12では表示できない商品に関する情報も容易に確認することができる。
【0079】
[第2の実施形態]
第1の実施形態の
図10に示す処理手順において、Act10の判断ステップで文字数が最大文字数を超えると判断した場合、第1の実施形態では、別の商品項目名の入力を受け付けるようにした。しかし最大文字数は、文字サイズを小さくすることで増やすことができる。そこで次に、文字数が最大文字数を超えると判断した場合、文字サイズを変更可能とする第2の実施形態について、
図16及び
図17を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0080】
図16は、棚札データベース23に保存されるデータレコード23Dの模式図である。
図16に示すように、データレコード23Dは、棚札ID、商品コード、レイアウトコード及び区画数と、その区画数分の区画ナンバー、先頭座標、最終座標、文字サイズ、最大文字数、商品項目名及び項目データとについて、実データをそれぞれ記録したものである。
【0081】
図17は、棚札管理プログラムにしたがってサーバ11のCPU111が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる部分は、Act3のレイアウトコードが入力されたときの処理と、Act10にて「NO」と判定された後の処理である。
【0082】
すなわち、Act3にてレイアウトコードが入力されると、CPU111は、レイアウトデータベース22にアクセスし、そのレイアウトコードが設定されたデータレコード22Dを読み込む。そしてCPU111は、このデータレコード22Dをレイアウトデータエリア43に格納する。またCPU111は、このデータレコード22Dのレイアウトコードを、棚札データエリア41に格納されたデータレコード23Dの項目「レイアウトコード」に関連付けられた実データに上書きする。さらにCPU111は、データレコード22Dの項目「区画NO」、「先頭座標」、「最終座標」、「文字サイズ」及び「最大文字数」についても、データレコード23Dの同一項目「レイアウトコード」に関連付けられた実データに上書きする。
【0083】
Act10にて「NO」と判定された場合、すなわち、画面12Aの区画ナンバーnで特定される区画に表示させる項目の実データの文字数が、当該区画のサイズに入らない場合、CPU111は、文字サイズを変更するか否かを問い合わせるメッセージを表示デバイス32に表示させる(Act41)。
【0084】
担当者は、文字サイズを変更するか、別の項目を区画ナンバーnで特定される区画に表示させるかを決め、入力デバイス31を操作して入力する。別の項目を表示させる旨が入力された場合(Act41にてNO)、CPU111は、別の商品項目名の入力を受け付ける(Act9)。
【0085】
文字サイズを変更する旨が入力された場合(Act41にYES)、CPU111は、文字サイズの入力を受け付ける(Act42)。このときCPU111は、区画ナンバーnで特定される区画の面積と当該区画に表示させたい項目の実データの文字数とから選択可能な文字サイズを求め、表示デバイス32に表示させる。担当者は、所望の文字サイズを選択する。
【0086】
文字サイズが選択されたならば、CPU111は、区画ナンバーnで特定される区画の面積と選択された文字サイズとから、当該区画に表示可能な最大文字数を算出する(Act43:演算手段)。そしてCPU111は、データレコード23Dの区画ナンバーnに紐付された項目「文字サイズ」及び「最大文字数」の実データを、Act42の処理で入力された文字サイズと、Act43の処理で算出された最大文字数とに変更する(サイズ変更手段)。
【0087】
その後、CPU111は、Act10の処理に戻る。この場合、文字数が最大文字数以下となるので、CPU111は、Act9の処理で入力を受け付けた項目名とともにこの実データをデータレコード23Dの区画ナンバーnに紐付された項目「商品項目名」と「項目データ」とにそれぞれ関連付けられた実データに上書きする(Act11)。
【0088】
このように第2の実施形態によれば、実データの文字数が多くて区画内に表示できない項目については、表示文字のサイズを小さくすることでその区画に表示できるようになる。
【0089】
なお、サーバ11の譲渡は一般に、棚札管理プログラム等のプログラムがROM112に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された棚札管理プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。棚札管理プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0090】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]管理下にある複数の電子棚札端末にそれぞれ商品を割り当てる割当手段と、前記割当手段により商品が割り当てられた前記電子棚札端末の画面領域を少なくとも2以上の区画に区分し、各区画にそれぞれ表示する前記商品の項目を割り付ける割付手段と、前記商品の項目に関する情報を、当該商品が割り当てられた前記電子棚札端末の当該項目が割り付けられた前記区画に表示可能か否かを判定する判定手段と、前記割当手段により前記商品が割り当てられた前記電子棚札端末について、前記割付手段により前記項目が割り付けられた区画の全てで前記判定手段により表示可能と判定されたことを条件に、当該電子棚札端末を識別する情報と関連付けて、当該電子棚札端末に割り当てられた商品の情報と、当該電子棚札端末の画面領域を区分する少なくとも2以上の区画とその区画毎に割り付けられた項目とを表す情報とを記憶する記憶手段と、前記電子棚札端末を識別する情報毎に記憶される前記商品の情報と前記区画と項目とを表す情報とを、対応する情報で識別される前記電子棚札端末宛に送信する送信手段と、を具備したことを特徴とする棚札管理装置。
[2]前記区画の面積と文字サイズとから当該区画に表示可能な最大文字数を算出する演算手段、をさらに具備し、前記判定手段は、前記区画に割り付けられた項目に関する情報の文字数が前記最大文字数以下のとき表示可能と判定する、ことを特徴とする付記[1]記載の棚札管理装置。
[3]前記文字数が前記最大文字数を超えるとき、前記項目の文字サイズの変更を受け付けるサイズ変更手段、をさらに具備したことを特徴とする付記[2]記載の棚札管理装置。
[4]付記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載の棚札管理装置から送信される自己宛の情報を受信する受信手段と、画面領域を有する表示デバイスと、前記受信手段で受信した情報に基づき前記画面領域を少なくとも2以上の区画に区分し、各区画にそれぞれ割り当てられた項目に関する前記商品の情報を展開する展開手段と、この展開手段により展開された内容に従い前記画面領域の表示を制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする電子棚札端末。
[5]所定の無線通信規格により携帯端末と無線通信が可能な無線デバイスと、前記受信手段で受信した前記商品の情報のうち前記区画に割り当てられた項目以外の情報を非表示情報として記憶する非表示記憶手段と、前記無線デバイスを介して携帯端末との回線が確立されると、前記非表示記憶手段で記憶される非表示情報を前記携帯端末に送信する非表示送信手段と、をさらに具備したことを特徴とする付記[4]記載の電子棚札端末。
[6]コンピュータを、管理下にある複数の電子棚札端末にそれぞれ商品を割り当てる割当手段、前記割当手段により商品が割り当てられた前記電子棚札端末の画面領域を少なくとも2以上の区画に区分し、各区画にそれぞれ表示する前記商品の項目を割り付ける割付手段、前記商品の項目に関する情報を、当該商品が割り当てられた前記電子棚札端末の当該項目が割り付けられた前記区画に表示可能か否かを判定する判定手段、前記割当手段により前記商品が割り当てられた前記電子棚札端末について、前記割付手段により前記項目が割り付けられた区画の全てで前記判定手段により表示可能と判定されたことを条件に、当該電子棚札端末を識別する情報と関連付けて、当該電子棚札端末に割り当てられた商品の情報と、当該電子棚札端末の画面領域を区分する少なくとも2以上の区画とその区画毎に割り付けられた項目とを表す情報とを記憶部に記憶させる記憶手段、及び、前記電子棚札端末を識別する情報毎に記憶される前記商品の情報と前記区画と項目とを表す情報とを、対応する情報で識別される前記電子棚札端末宛に送信する送信手段、として機能させるための棚札管理プログラム。