(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
給湯器本体の上面後端部に、壁面に取り付ける取付部材が設けられて、前記取付部材を前記壁面に取り付けることにより、前記壁面に前記給湯器本体を取り付ける給湯器の取付方法であって、
前記壁面に、一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体であるハンガーボルトの前記ねじ軸をねじ込み、前記雄ねじ部に、断面が六角形状のロッド部材の後端を螺着して、前記壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ外形となる前記ロッド部材の先端部を、前記取付部材に設けられた貫通孔に挿通させる第1工程と、
前記第1工程によって前記ロッド部材を挿通させた前記取付部材を、前記壁面への取付位置まで移動させる第2工程と、
前記取付部材を、前記ロッド部材に支持させた状態で前記壁面に前記ロッド部材と別体のねじによりねじ止めする第3工程と、
を実行することを特徴とする給湯器の取付方法。
前記内壁面に当接させて前記壁貫通孔と一致させる第1の位置決め目印と、前記第1の位置決め目印を前記壁貫通孔に一致させたときに、前記内壁面から前記ロッド部材を前記前方へ突設させる位置と一致する第2の位置決め目印と、を有する位置決め部材を用い、前記第1工程に先立って、前記第1の位置決め目印を前記壁貫通孔と一致させて、前記第2の位置決め目印と一致する前記内壁面に、前記ロッド部材を前記前方に突設させる工程を実行することを特徴とする請求項2に記載の給湯器の取付方法。
給湯器本体の上面後端部に、壁面に取り付ける取付部材が設けられて、前記取付部材を前記壁面に取り付けることにより、前記壁面に前記給湯器本体を取り付ける給湯器の取付構造であって、
一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体で、前記壁面に前記ねじ軸がねじ込まれるハンガーボルトと、
前記ハンガーボルトの前記雄ねじ部に後端が螺着され、前記壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ断面六角形状を有するロッド部材と、
前記取付部材に設けられて、前記ロッド部材が挿通される貫通孔と、を備え、
前記ロッド部材を前記貫通孔に挿通させて前記取付部材を前記ロッド部材に支持させた状態で、前記壁面に前記取付部材を前記ロッド部材と別体のねじによりねじ止めすることを特徴とする給湯器の取付構造。
給湯器本体の上面後端部に、内壁面に取り付ける取付部材が設けられると共に、前記給湯器本体内と連通して前記給湯器本体の背面から後方へ突設する配管が設けられ、前記配管が壁を貫通する壁貫通孔に挿通されて、前記取付部材を前記内壁面に取り付けることにより、前記内壁面に前記給湯器本体を取り付ける給湯器の取付構造であって、
一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体で、前記壁面に前記ねじ軸がねじ込まれるハンガーボルトと、
前記ハンガーボルトの前記雄ねじ部に後端が螺着され、前記壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ断面六角形状を有するロッド部材と、
前記取付部材に設けられて、前記ロッド部材が挿通される貫通孔と、
前記壁貫通孔に挿通された前記配管の先端部に接続される接続部材と、を備え、
前記ロッド部材を前記貫通孔に挿通させて前記取付部材を前記ロッド部材に支持させた状態で、前記内壁面に前記取付部材を前記ロッド部材と別体のねじによりねじ止めすると共に、前記壁貫通孔に挿通された前記配管の先端部に接続された前記接続部材を、外壁面にねじ止めすることを特徴とする給湯器の取付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の複合燃焼器の他に給湯器においても、複合燃焼器の給排気管と同様に、給湯器本体内と連通して給湯器本体の背面から後方に向けて突出する給排気管等の配管が、家屋外部に突出するものがある。そして、この給湯器を内壁面に取り付るためには、給湯器本体の上面後端部に設けられた取付部材を、内壁面にねじ止めするとともに、前記配管を、家屋の壁を貫通する壁貫通孔に挿通させることがなされていた。
【0005】
しかしながら、給湯器を内壁面に取り付る際には、作業者が給湯器本体を抱えて内壁面に押し付ける必要があり、給湯器本体が重いため、給湯器の取付作業に慣れた作業者でなければ、一人で給湯器を内壁面に取り付けることは困難であった。さらに、作業者が給湯器本体を抱えて内壁面に押し付ける際には、壁貫通孔が給湯器本体に隠れて視認できないため、給湯器本体の背面から突出する配管が壁面に衝突することで、この配管が破損することも懸念されていた。また、一部の国又は地域では、給湯器の購入者自らが、購入した給湯器を壁面に取り付ける事情があるため、購入者が給湯器を壁面に容易に取り付けられるようにしたいとの要請があった。
【0006】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、給湯器を壁面に容易に取り付けることができる給湯器の取付方法、該給湯器の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、給湯器本体の上面後端部に、壁面に取り付ける取付部材が設けられて、取付部材を壁面に取り付けることにより、壁面に給湯器本体を取り付ける給湯器の取付方法であって、
壁面に、一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体であるハンガーボルトのねじ軸をねじ込み、雄ねじ部に、断面が六角形状のロッド部材の後端を螺着して、壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ外形
となるロッド部材の先端部を、取付部材に設けられた貫通孔に挿通させる第1工程と、第1工程によってロッド部材を挿通させた取付部材を、ロッド部材に沿って壁面に向けてスライドさせることにより、給湯器本体を、壁面への取付位置まで移動させる第2工程と、取付部材を、ロッド部材に支持させた状態で壁面にロッド部材と別体のねじによりねじ止めする第3工程と、を実行することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、給湯器本体の上面後端部に、内壁面に取り付ける取付部材が設けられると共に、給湯器本体内と連通して給湯器本体の背面から後方へ突出する配管が設けられ、配管が壁を貫通する壁貫通孔に挿通されて、取付部材を内壁面に取り付けることにより、内壁面に給湯器本体を取り付ける給湯器の取付方法であって、
壁面に、一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体であるハンガーボルトのねじ軸をねじ込み、雄ねじ部に、断面が六角形状のロッド部材の後端を螺着して、壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ外形
となるロッド部材の先端部を、取付部材に設けられた貫通孔に挿通させる第1工程と、第1工程によってロッド部材を挿通させた取付部材を、ロッド部材に沿って内壁面に向けてスライドさせることにより、給湯器本体を、内壁面への取付位置まで移動させると共に、配管を壁貫通孔に挿通させる第2工程と、取付部材を、ロッド部材に支持させた状態で内壁面にロッド部材と別体のねじによりねじ止めする第3工程と、第2工程によって壁貫通孔に挿通された配管の先端部に接続された接続部材を、外壁面にねじ止めする第4工程と、を実行することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成において、内壁面に当接させて壁貫通孔と一致させる第1の位置決め目印と、第1の位置決め目印を壁貫通孔に一致させたときに、内壁面からロッド部材を前方へ突設させる位置と一致する第2の位置決め目印と、を有する位置決め部材を用い、第1工程に先立って、第1の位置決め目印を壁貫通孔と一致させて、第2の位置決め目印と一致する内壁面に、ロッド部材を前方に突設させる工程を実行することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、給湯器本体の上面後端部に、壁面に取り付ける取付部材が設けられて、取付部材を壁面に取り付けることにより、壁面に給湯器本体を取り付ける給湯器の取付構造であって、
一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体で、壁面にねじ軸がねじ込まれるハンガーボルトと、ハンガーボルトの雄ねじ部に後端が螺着され、壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ
断面六角形状を有するロッド部材と、取付部材に設けられて、ロッド部材が挿通される貫通孔と、を備え、ロッド部材を貫通孔に挿通させて取付部材をロッド部材に支持させた状態で、壁面に取付部材をロッド部材と別体のねじによりねじ止めすることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、給湯器本体の上面後端部に、内壁面に取り付ける取付部材が設けられると共に、給湯器本体内と連通して給湯器本体の背面から後方へ突出する配管が設けられ、配管が壁を貫通する壁貫通孔に挿通されて、取付部材を内壁面に取り付けることにより、内壁面に給湯器本体を取り付ける給湯器の取付構造であって、
一端側に雄ねじ部、他端側の外面にねじ軸が設けられた軸体で、壁面に前記ねじ軸がねじ込まれるハンガーボルトと、ハンガーボルトの雄ねじ部に後端が螺着され、壁面から前方へ突設させた状態で基端から先端まで同じ
断面六角形状を有するロッド部材と、取付部材に設けられて、ロッド部材が挿通される貫通孔と、壁貫通孔に挿通された配管の先端部に接続される接続部材と、を備え、ロッド部材を貫通孔に挿通させて取付部材をロッド部材に支持させた状態で、内壁面に取付部材をロッド部材と別体のねじによりねじ止めすると共に、壁貫通孔に挿通された配管の先端部に接続された接続部材を、外壁面にねじ止めすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、第2工程では、給湯器本体に設けられた取付部材を、ロッド部材に沿って壁面に向けてスライドさせるだけで、前記給湯器本体を、前記壁面への取付位置まで移動させることが容易になる。
さらに、第3工程では、取付部材を介して給湯器本体をロッド部材で吊り下げ支持することにより、作業者が給湯器本体を抱えなくても、前記取付部材を、壁面への取付位置に据え付けることができる。このため、前記取付部材を、壁面にねじ止めすることが容易になる。
これらのことから、給湯器本体を壁面に容易に取り付けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第2工程では、給湯器本体に設けられた取付部材を、ロッド部材に沿って内壁面に向けてスライドさせるだけで、前記給湯器本体を、内壁面への取付位置まで移動させること、給湯器本体の配管を、内壁面に衝突させずに壁貫通孔に挿通させることが、それぞれ容易になる。
さらに、第3工程では、取付部材を介して給湯器本体をロッド部材で吊り下げ支持することにより、作業者が給湯器本体を抱えなくても、前記取付部材を、内壁面への取付位置に据え付けることができる。このため、前記取付部材を、内壁面にねじ止めすることが容易になる。加えて、前記取付部材を前記取付位置に据え付けできることに伴って、給湯器本体の配管が壁貫通孔内で揺れ動くことがないため、この配管が壁貫通孔の内面に衝突して破損することを防止できる。
さらに加えて、第4工程では、前記配管の先端部に接続された接続部材が、外壁面にねじ止めされることにより、前記配管が壁貫通孔の内面に衝突せずに該壁貫通孔に挿通された状態を保つことができる。
これらのことから、給湯器本体を壁面に容易に取り付けることができる。
請求項3に記載の発明によれば、位置決め部材の第1の位置決め目印を壁貫通孔と一致させた状態で、位置決め部材を内壁面に当接させて、前記位置決め部材の第2の位置決め目印と一致する内壁面に、ロッド部材を前方に突設させるだけで、このロッド部材を、内壁面で所定の位置に確実に突設させることできる。よって、この所定の位置にロッド部材を突設させる作業のやり直しを無くすことができる。
請求項4に記載の発明によれば、給湯器本体の取付部材をロッド部材で支持することにより、前記取付部材を、壁面への取付位置に据え付けることができる。このため、前記取付部材を、壁面への取付位置にねじ止めすることが容易になる。その結果として、給湯器本体を壁面に容易に取り付けることができる。
請求項5に記載の発明によれば、給湯器本体の取付部材をロッド部材で支持することにより、前記取付部材を、内壁面への取付位置に据え付けることができる。このため、前記取付部材を、内壁面にねじ止めすることが容易になる。
さらに、給湯器本体の配管の先端部に接続された接続部材が、外壁面にねじ止めされることにより、前記配管が壁貫通孔の内面に衝突せずに該壁貫通孔に挿通された状態を保つことができる。
これらのことから、給湯器本体を壁面に容易に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態のガス給湯器1の取付構造を
図1ないし
図6、
図10を参照しつつ説明する。
図1ないし
図4に示すようにガス給湯器1は、給湯器本体2と、取付部材3(3A,3B)と、給排気管4と、接続部材5とを備えている。給湯器本体2は、上下方向(
図1ないし
図4の上下方向)に長い長方形状とされている。この給湯器本体2の内部には燃焼室6(
図10参照。)が形成されている。この燃焼室6内には、ガスを燃焼させるバーナと、バーナの上方に配置して給水管及び出湯管が接続された熱交換器7(
図10参照。)とが設けられている。
【0011】
図2及び
図4に示すように取付部材3Aは、給湯器本体2の上面後端部(
図2における給湯器本体2の上方右側)において、給湯器本体2の上下方向に立設されている。この取付部材3Aは、給湯器本体2を家屋の壁Wの内面9(以下、内壁面9という。)に取り付けるために用いられる。
図1,3,4に示すように取付部材3Aには、1つの貫通孔11と、4つの透孔12とが設けられている。貫通孔11は、取付部材3Aの正面視略中央部に前記内壁面9と対向するように設けられている。
図1に示すように貫通孔11は、丸孔部に、該丸孔部の上半分の周面の中心から上方へ延びる縦孔部を連設させた形状を有する。各透孔12は、横方向に長い長孔で構成されている。2つの透孔12,12は、取付部材3Aの上方左端部において横方向に並設され、他の2つの透孔12,12は、取付部材3Aの上方右端部において横方向に並設されている。
【0012】
図1及び
図2に示すように取付部材3Bは、給湯器本体2の下面後端部(
図2における給湯器本体2の下方右側)において、給湯器本体2の下方に向けて垂設されている。この取付部位3Bも、給湯器本体2を前記内壁面9に取り付けるために用いられる。
図1に示すように取付部材3Bには、5つの透孔12が設けられている。5つの透孔12は、取付部材3Bの下方に設けられて、横方向へ直線状となるように配置されている。
【0013】
図2及び
図4に示す給排気管4は、給湯器本体2の背面15から給湯器本体2の後方側(
図2の右側)へ突出する。この給排気管4は、給気管4Aの内部に該給気管4Aと同軸で排気管4Bが内設された構造とされている。給気管4Aは、給湯器本体2内に形成されて燃焼室6内に設けたバーナに燃焼用空気を供給する給気通路と連通する。一方、排気管4Bは、給湯器本体2内で熱交換器7の上方に設けられて、バーナで発生した燃焼ガスを通過させる排気通路と連通する。なお、給排気管4は本発明の配管の一例である。
【0014】
図2ないし
図4、
図10に示す接続部材5は、給気筒20(
図10参照。)の内部に該給気筒20と同軸で排気筒21(
図10参照。)が内設された二重円筒構造とされている。そして、給気筒20の先端部(
図2及び
図10の右側)には、円板状のフランジ部22が周設されている。このフランジ部22は、接続部材5を壁Wの外面10(以下、外壁面10という。)に固定するために用いられる。
図3に示すようにフランジ部22には、ネジ孔23が、外壁面10と対向してフランジ部22の円周上に等間隔で3つ配置されている。また、排気筒21の先端側(
図2及び
図10の右側)を給気筒20の先端面から突出させて、排気筒21の先端面に排気用カバー25が固定されている。この排気用カバー25には、排気筒21と連通する排気開口部26(
図3及び
図4参照。)が設けられている。さらに、排気用カバー25には、給気筒20の内面と排気筒21の外面との隙間と連通するように給気孔24(
図10参照。)が複数設けられている。
【0015】
また、
図1,2,4に示すようにロッド部材30が、
図5に示すハンガーボルト31を用い、内壁面9から前方側(
図2の左側)へ水平に突設されている。具体的には、以下のようにして、ロッド部材30が前記内壁面9から前方側へ水平に突設される。
図5に示すようにハンガーボルト31は、金属製で、一端側が雄ねじ部32とされて、他端側の外面にねじ軸33が設けられた軸体である。一方
図6に示すようにロッド部材30は、金属製で断面が六角形状の中実筒状体とされている。このロッド部材30の後端側(
図6の右側)には、内面に雌ねじ部36が形成されたねじ穴35が設けられている。この雌ねじ部36をハンガーボルト31の雄ねじ部32に螺着させる。雌ねじ部36を雄ねじ部32に螺着させた状態で、電動工具の六角ソケットにロッド部材30の先端部を装着し、この電動工具を動作させることにより、ハンガーボルト31のねじ軸33を内壁面9にねじ込む。すると、
図2及び
図4に示すように、ロッド部材30を、前記内壁面9から前方側へ水平に突設可能となる。このロッド部材30は、給湯器本体2を前記内壁面9に取り付ける際に、取付部材3の貫通孔11(
図1及び
図4参照。)に挿通されるものである。さらに、
図2及び
図10に示すように、給湯器本体2を固定する壁Wについては、内壁面9から外壁面10に貫通する壁貫通孔40を設けている。
【0016】
上記のように構成されたガス給湯器1は、以下に説明するようにして、内壁面9に取り付けられている。
図1,2,4に示すようにロッド部材30は、取付部材3Aの貫通孔11(丸孔部)に挿通されている。そして、取付部材3Aをロッド部材30に支持させ、取付部材3Aは、前記内壁面9への取付部材3Aの取付位置P(
図2及び
図4参照。)に押し付けられ、ねじ41(
図1参照。)が取付部材3Aの各透孔12,12に挿入されて前記内壁面9に締め付けられている。これに加えて、取付部材3Bは、前記内壁面9への取付部材3Bの取付位置に押し付けられ、ねじ41が取付部材3Bの各透孔12,12に挿入されて前記内壁面9に締め付けられている。これにより、取付部材3Aは取付位置Pにねじ止めされ、取付部材3Bは前記取付位置にねじ止めされている。さらに、
図2,4,10に示すように給排気管4(給気管4A及び排気管4B)は、壁貫通孔40に挿入され、排気管4Bの先端部(
図10の右側)は壁貫通孔40から家屋外部へ突出している。そして、
図10に示す接続部材5の給気筒20は、給気管4Aの外面に嵌め合わされると共に、接続部材5の排気筒21は、排気管4Bの外面に嵌め合わされている。このようにして、接続部材5は、給排気管4の先端部(
図2の右側)に接続されている。加えて、接続部材5を給排気管4の先端部に接続し、接続部材5のフランジ部22が外壁面10に押し付けられた状態で、ねじ42(
図3参照。)が、フランジ部22の各ねじ孔23に締め付けられると共に前記外壁面10にねじ込まれている。これにより、接続部材5は前記外壁面10にねじ止めされている。
【0017】
本実施形態のガス給湯器1では、運転が開始されると、燃焼用空気がバーナに供給される。この燃焼用空気は、家屋外部に位置する接続部材5の給気孔24(
図10参照。)から給気筒20(同図参照。)を通過して給気管4A(同図参照。)に導入された後、給湯器本体2内の給気通路を流通して前記バーナに吸い込まれる。燃焼用空気が供給されたバーナの燃焼熱により、給水管によって熱交換器7に供給された水は加熱されて出湯管に出湯される。そして、バーナで発生した燃焼ガスは、給湯器本体2内の排気通路を通過して排気管4B(同図参照。)に導入された後、排気筒21を流通して排気開口部26(
図3及び
図4参照。)から接続部材5の外部に排出される。
【0018】
次に、ガス給湯器1の取付方法を
図1ないし
図10を参照しつつ説明する。この取付方法では、後述する第1工程に先立って、以下に説明し
図7に示すように、ロッド部材30を、内壁面9に突設させる工程を実行する。その際には、
図8に示す位置決め部材50を用いる。この位置決め部材50は紙製である。位置決め部材50には、平面視で横長長方形状の基本部51と、基本部51の上辺から該基本部51の長手方向へ延長された延設部52とが描かれている。基本部51には、壁貫通孔40(
図7参照。)と同径の円形状とされた第1の位置決め目印53が描かれている。また、延設部52は、平面視方形状で取付部材3A(
図1参照。)の平面形状と同一の平面形状を有する。この延設部52の平面視略中央部には、第2の位置決め目印54が描かれている。第2の位置決め目印54は、取付部材3Aの貫通孔11(
図1参照。)の平面形状と同一の平面形状を有する。さらに、延設部52の上方左端部には、2つの第3の位置決め目印55,55が横方向に並設されている。加えて、延設部52の上方右端部には、他の2つの第3の位置決め目印55,55が横方向に並設されている。各第3の位置決め目印55は、取付部材3Aの各透孔12(
図1参照。)の平面形状と同一の平面形状を有する。
【0019】
ロッド部材30を前記内壁面9に突設させる工程では、作業者が、位置決め部材50の基本部51を内壁面9に当接させ、第1の位置決め目印53と壁貫通孔40とを一致させる。さらに、第1の位置決め目印53と壁貫通孔40とを一致させたまま、位置決め部材50を内壁面9に当接させる。このようにすると、延設部52に設けられた第2の位置決め目印54が、ロッド部材30を内壁面9から前方側へ水平に突設させる位置と一致するようになっている。そして作業者は、第2の位置決め目印54の内側に、例えば目打ちを刺し通すことにより、内壁面9におけるハンガーボルト31のねじ込み位置に下孔を開ける。これに加えて、作業者は、各第3の位置決め目印55の内側に目打ちを刺し通すことにより、内壁面9における取付部材3Aの各透孔12の重ね合せ位置に下孔を開ける。その後、作業者は、前記ねじ込み位置の下孔に、電動工具によってハンガーボルト31のねじ軸33(
図5参照。)をねじ込む。これにより、
図7に示すように、ロッド部材30が、内壁面9から前方側へ水平に突設される。本実施形態では、位置決め部材50の第2の位置決め目印54と一致する内壁面9に、ロッド部材30を内壁面9から前方側へ水平に突設させるだけで、ロッド部材30を、内壁面9で所定の位置に確実に突設させることができる。よって、この所定の位置にロッド部材30を突設させる作業のやり直しを無くすことができる。
【0020】
続いて作業者は、給湯器本体2を抱え、取付部材3Aの貫通孔11をロッド部材30に近づける。そして、
図9に示すように、ロッド部材30の先端部(
図9の左側)を、取付部材3Aの貫通孔11(丸孔部)に挿通させる工程(以下、第1工程という。)を実行し、取付部材3Aを介して給湯器本体2をロッド部材30に吊り下げ支持させる。取付部材3Aは、給湯器本体2の上面後端部に立設されたものであるため、給湯器本体2に隠れることがない。これにより、第1工程では、作業者は、取付部材3Aの貫通孔11が視認し易くなるため、ロッド部材30の先端部を貫通孔11に挿通させることが容易になる。
【0021】
その後作業者は、第1工程によってロッド部材30を挿通させた取付部材3Aを、ロッド部材30に沿って内壁面9に向けてスライドさせることにより、給湯器本体2を取付位置P(
図4及び
図10参考。)まで移動させる工程(以下、第2工程という。)を実行する。この第2工程では作業者は、給湯器本体2を取付位置Pまで移動させると同時に、給排気管4(給気管4A及び排気管4B)を、壁貫通孔40(
図9及び
図10参照。)に挿入した後に、排気管4Bを、壁貫通孔40に挿通させて、家屋外部へ突出させる。この第2工程では、取付部材3Aをロッド部材30に沿って内壁面9に向けてスライドさせるだけで、給湯器本体2を、取付位置Pまで移動させることが容易になる。これに加えて、給気管4Aや排気管4Bを内壁面9に衝突させず、排気管4Bを壁貫通孔40に挿通させることが容易になる。
【0022】
第2工程の後には、以下に説明する第3工程を実行する。第3工程では作業者は、取付部材3Aを介してロッド部材30に給湯器本体2を吊り下げ支持しつつ、第2工程によって取付位置Pに移動した取付部材3Aを、内壁面9に押し付ける。このとき、取付部材3Aの各透孔12を、内壁面9における各透孔12の重ね合せ位置の下孔と一致させる。そして、ねじ41(
図1参照。)を、取付部材3Aの各透孔12,12に挿入させた後に内壁面9の下孔に締め付ける。これにより、取付部材3Aを取付位置Pにねじ止めする。これに加えて、ねじ41を、取付部材3Bの各透孔12,12に挿入させた後に内壁面9の下孔に締め付ける。これにより、取付部材3Bを取付位置にねじ止めする。この第3工程では、取付部材3Aを介して給湯器本体2をロッド部材30で吊り下げ支持することにより、作業者が給湯器本体2を抱えなくても、取付部材3Aを取付位置Pに据え付けることができる。このため、取付部材3Aを取付位置Pにねじ止めすることが容易になる。これに加えて第3工程では、取付部材3Aを取付位置Pに据え付けできることに伴って、給排気管4(給気管4A及び排気管4B)が壁貫通孔40内で揺れ動くことがない。このため、給排気管4が壁貫通孔40の内面に衝突して破損することを防止できる。
【0023】
第3工程の後には、以下に説明する第4工程を実行する。第4工程では作業者は、接続部材5の排気筒21(
図10参照。)を、壁貫通孔40から家屋外部へ突出する排気管4Bの先端部外面に嵌め入れた後に、該排気筒21を、壁貫通孔40内で排気管4Bの後端側(
図10の左側)に向けてスライドさせる。これに伴って、接続部材5の給気筒20(
図10参照。)が壁貫通孔40に挿入され、該給気筒20が、壁貫通孔40内で給気筒4Aの先端部外面に嵌め入れられる。その後は作業者が、フランジ部22(
図10参照。)が外壁面10に当接するまで、接続部材5を該外壁面10に向けて移動させる。このようにして、給排気管4の先端部への接続部材5の接続が終了する。これに続き、第4工程では作業者は、フランジ部22を外壁面10に押し付けた状態にする。この状態で、ねじ42(
図3参照。)をフランジ部22の各ねじ孔23に締め付けると共に外壁面10にねじ込む。これにより、接続部材5を外壁面10にねじ止めする。このように、給排気管4の先端部に接続された接続部材5を外壁面10にねじ止めすると、給排気管4(給気管4A及び排気管4B)が壁貫通孔40の内面に衝突せず、排気管4Bが壁貫通孔40に挿通された状態を保つことができる。以上のようにして、給湯器本体2は家屋の内壁面9に取り付けられる。
【0024】
<本実施形態の効果>
本実施形態のガス給湯器1の取付方法によれば、第2工程では、作業者が給湯器本体2に設けられた取付部材3Aを、ロッド部材30に沿って内壁面9にスライドさせるだけで、給湯器本体2を取付位置Pまで移動させること、給気管4Aや排気管4Bを内壁面9に衝突させずに、排気管4Bを壁貫通孔40に挿通させること、がそれぞれ容易になる。
さらに、第3工程では、取付部材3Aを介して給湯器本体2をロッド部材30で吊り下げ支持させることにより、作業者が給湯器本体2を抱えなくても、取付部材3Aを取付位置Pに据え付けることができる。このため、取付部材3Aを取付位置Pにねじ止めすることが容易になる。加えて、取付部材3Aを取付位置Pに据え付けできることに伴って、給排気管4(給気管4A及び排気管4B)が壁貫通孔40内で揺れ動くことがない。このため、給排気管4が壁貫通孔40の内面に衝突して破損することを防止できる。
さらに加えて、第4工程では、給排気管4の先端部に接続した接続部材5が、外壁面10にねじ止めされることにより、給排気管4(給気管4A及び排気管4B)が壁貫通孔40の内面に衝突せず、排気管4Bが壁貫通孔40に挿通された状態を保つことができる。
これらのことから、給湯器本体2を壁面に容易に取り付けることができる。
【0025】
また、位置決め部材50の第1の位置決め目印53を壁貫通孔40と一致させた状態で、位置決め部材50(基本部51,延設部52)を内壁面9に当接させる。そして、位置決め部材50の第2の位置決め目印54と一致する内壁面9に、ロッド部材30を内壁面9から前方側へ水平に突設させるだけで、ロッド部材30を、内壁面9で所定に位置に確実に突設させることができる。よって、所定の位置にロッド部材30を突設させる作業のやり直しを無くすことができる。
【0026】
さらに、本実施形態のガス給湯器1の取付構造によれば、給湯器本体2に設けられた取付部材3Aをロッド部材30で支持させることにより、作業者が給湯器本体2を抱えなくても、取付部材3Aを取付位置Pに据え付けることができる。このため、取付部材3Aを取付位置Pにねじ止めすることが容易になる。
加えて、給湯器本体2の給排気管4の先端部に接続した接続部材5が、外壁面10にねじ止めされることにより、給排気管4(給気管4A及び排気管4B)が壁貫通孔40の内面に衝突せず、排気管4Bが壁貫通孔40に挿通された状態を保つことができる。
これらのことから、給湯器本体2を壁面に容易に取り付けることができる。
【0027】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。上述した実施形態では、本発明を、給排気管4を給湯器本体2の背面15から後方側へ突出させたガス給湯器1に適用した例を示したが、これに限らない。例えば、本発明を、給排気管を給湯器本体の上面から上方へ突出させたガス給湯器に適用してもよい。この場合には、上述した第1工程を実行すること、上述した第2工程に代えて、第1工程によってロッド部材30を挿通させた取付部材3Aを、ロッド部材30に沿って内壁面9に向けてスライドさせることにより、給湯器本体を取付位置P(
図4及び
図10参考。)まで移動させる工程を実行すること、上述した第3工程を実行することとしてもよい。これにより、上記の第2工程に代わる工程では、取付部材3Aを、ロッド部材30の外面に沿って内壁面9にスライドさせるだけで、給湯器本体を取付位置Pまで移動させることが容易になる。これに伴って、給湯器本体を壁面に容易に取り付けることができる。なお、上記の第2工程に代わる工程は、本発明の請求項1に規定する第2工程の一例である。さらに、本発明を、給湯器本体から給排気管等の配管が突出しない給湯器に適用してもよい。
【0028】
また、上述した実施形態のような給排気管4を給湯器本体2の背面15から後方側へ突出させたガス給湯器1以外にも、例えば、本発明を、給湯器本体の背面15から後方側へ給気管4Aと排気管4Bとを別々に突出させたガス給湯器に適用してもよい。この場合には、当該給湯器本体を固定する壁に、給気管4Aを挿通させる一の壁貫通孔と、排気管4Bを挿通させる他の壁貫通孔とをそれぞれ設け、一の壁貫通孔に挿通された給気管4Aの先端部に接続された接続部材を、外壁面にねじ止めし、他の壁貫通孔に挿通された排気管4Bの先端部に接続された接続部材を、前記外壁面にねじ止めしてもよい。なお、この給気管4A及び排気管4Bは、本発明の配管の一例である。
【0029】
さらに、上述した実施形態では、ロッド部材30を内壁面9に突設させる工程をガス給湯器1の取付方法に含める例を示したが、これに限らない。例えば、作業者が給湯器本体2を壁に取り付ける前に、この取り付け作業とは別の作業によって、予めロッド部材30を内壁面9に突設させ、ガス給湯器1の取付方法では、上述した第1工程から第4工程のみを実行してもよい。加えて、上述した実施形態では、家屋の壁に給湯器本体2を取り付ける例を示したが、これに限らず、例えば倉庫の壁に壁貫通孔40を設け、給湯器本体2を、この壁に対し、上述した家屋の壁に取り付ける場合と同様の方法によって取り付けてもよい。また、給湯器本体2を内壁面9に取り付けた後には、ロッド部材30は、ハンガーボルト31に螺着させたままでもよいし、ハンガーボルト31から取り外してもよい。ロッド部材30をハンガーボルト31に螺着させたままの場合には、仮に、ネジ41が取付部材3Aの透孔12から抜け落ちた場合でも、ロッド部材30で取付部材3Aを支持することができるという利点がある。この他にも、故障や交換等で給湯器本体2を内壁面9から取り外す場合には、ロッド部材30に沿って取付部材3Aを内壁面9から離間する方向へスライドさせることが容易になるという利点がある。
【0030】
さらに加えて、上述した実施形態では、取付部材3Aの貫通孔11が、丸孔部に、該丸孔部の上半分の周面の中心から上方へ延びる縦孔部を連設させた形状を有する例を示したが、これに限らず、貫通孔11を丸孔部のみで構成してもよい。また、上述した実施形態では、ガス給湯器1が両取付部材3A,3Bを備えた例を示したが、これに限らず、ガス給湯器1は、取付部材3Aのみを備えるものであってもよい。加えて、上述した実施形態では、給湯器本体2を壁面に取り付けると、
図10に示す排気管4Bの先端部が壁貫通孔40から家屋外部へ突出する例を示したが、これに限らない。例えば、給湯器本体2を壁面に取り付けると、排気管の先端部が壁貫通孔40に収容されるようにして、
図10に示す給気筒20を、壁貫通孔40内で給気管4Aの外面に嵌め合わすと共に、
図10に示す排気筒21を、壁貫通孔40内で当該排気管の外面に嵌め合わすようにしてもよい。また、上述した実施形態では、位置決め部材50に、壁貫通孔40と同径の円形状とした第1の位置決め目印53、取付部材3Aの貫通孔11の平面形状と同一の平面形状とした第2の位置決め目印54、取付部材3Aの各透孔12の平面形状と同一の平面形状とした第3の位置決め目印55を、それぞれ描いた例を示したが、これに限らない。例えば、位置決め部材50に、壁貫通孔40と同径の円形状とした第1の位置決め孔、前記貫通孔11の平面形状と同一の平面形状とした第2の位置決め孔、各前記透孔12の平面形状と同一の平面形状とした第3の位置決め孔を、それぞれ設けてもよい。さらには、上述した実施形態では、本発明をガス給湯器1に適用した例を示したが、これに限らず、本発明を、給湯器付風呂装置等の適宜の給湯器に適用してもよい。