特許第6441635号(P6441635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441635
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】捕獲用具
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/20 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   A01M23/20
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-206997(P2014-206997)
(22)【出願日】2014年10月8日
(65)【公開番号】特開2016-73248(P2016-73248A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】500481662
【氏名又は名称】井上 雄幸
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄幸
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−191280(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0107630(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3073014(JP,U)
【文献】 特開2003−134984(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3178982(JP,U)
【文献】 特開平8−56549(JP,A)
【文献】 特開2007−300847(JP,A)
【文献】 特開2005−168473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害獣を捕獲する捕獲用具において、
有害獣が侵入するための開口(10A)を有する捕獲用具本体(10)と、
四角形フレームの間に金属棒材が格子状に掛け渡された構造をなし、上記捕獲用具本体(10)の開口(10A)に開放位置(C)と閉鎖位置(D)との間で上下スライド自在に設けられた落とし扉(11)と、
取付けブラケット(21)とレバー(22)とから構成され、上記取付けブラケット(21)は上記捕獲用具本体(10)の開口(10A)側縁に固定され、上記レバー(22)の上端部が上記取付けブラケット(21)に回動自在に取付けられ、上記レバー(22)は垂直下方を指向する係止姿勢(A)と後方に回動した解放姿勢(B)との間で揺動し得るように設けられ、上記レバー(22)の下端部には上記係止姿勢(A)において上記落とし扉(11)を係止して上記落とし扉(11)を開放位置(C)に保持する係止突片(22A)、係止ピン(22B)及びワイヤー連結部(22C)が設けられた係止レバー部材(20)と、
上記取付けブラケット(21)と上記レバー(22)との間に張架され、上記レバー(22)を上記取付けブラケット(21)に対して死線(a)を境界にして係止姿勢(A)と解放姿勢(B)とに付勢するばね部材(23)と、
一端が上記係止レバー部材(20)のワイヤー連結部(22C)に連結され、有害獣の荷重又は圧力を受けて引っ張られることによって上記係止レバー部材(20)のレバー(22)を上記ばね部材(23)の付勢力に抗して係止姿勢(A)から解放姿勢(B)に回動させるワイヤー部材(40)と、
上記係止レバー部材(20)とは別体に設けられ、取付けブラケット(31)とロック片(32)とから構成され、上記取付けブラケット(31)は上記係止レバー部材(20)のレバー(22)下部近傍にて上記捕獲用具本体(10)の開口(10A)側縁に固定され、上記ロック片(32)は上記取付けブラケット(31)に非ロック姿勢()とロック姿勢()との間で回動自在に取付けられ、上記ロック片(32)にはピン受け部(32A)が形成され、該ピン受け部(32A)には非ロック姿勢()において係止姿勢(A)の上記係止レバー部材(20)のレバー(22)下端部の係止ピン(22B)が係止されることによって上記ロック片(32)は非ロック姿勢()に保持され、上記係止レバー部材(20)の上記係止ピン(22B)がピン受け部(32A)から離脱されることによって上記非ロック姿勢()からロック姿勢()に向けて回動され、上記ロック片(32)には傾斜辺を有するロック突起(32B)が形成され、上記ロック片(32)はロック突起(32B)が上記ロック姿勢(E)において下方スライドする上記落とし扉(11)のフレーム又は金属棒材によって上記落とし扉(11)荷重を受けて回動され、閉鎖位置(D)にてロック突起(32B)が上記落とし扉(10)の金属棒材に引っ掛けられて上記落とし扉(10)をロックするようになっているロック部材(30)と、
を備えたことを特徴とする捕獲用具。
【請求項2】
有害獣が侵入するための開口(10A)を有する捕獲用具本体(10)と、四角形フレームの間に金属棒材が格子状に掛け渡されて構成され、上記捕獲用具本体(10)の開口(10A)に開放位置(C)と閉鎖位置(D)との間で上下スライド自在に設けられた落とし扉(11)とを備え、有害獣を捕獲する捕獲用具において、落し蓋(11)を開放位置及び閉鎖位置(D)に保持するストッパー器具であって、
ストッパー器具は係止レバー部材(20)、ロック部材(30)及びワイヤー部材(40)から構成され、
上記係止レバー部材(20)は、取付けブラケット(21)、レバー(22)及びばね部材(23)から構成され、
上記取付けブラケット(21)は、上記捕獲用具本体(10)の開口(10A)側縁に固定され、上記レバー(22)の上端部が上記取付けブラケット(21)に回動自在に取付けられ、上記レバー(22)は垂直下方を指向する係止姿勢(A)と後方に回動した解放姿勢(B)との間で揺動し得るように設けられ、上記レバー(22)の下端部には上記係止姿勢(A)において上記落とし扉(11)を係止して上記落とし扉(11)を開放位置(C)に保持する係止突片(22A)、係止ピン(22B)及びワイヤー連結部(22C)が設けられ、
上記ばね部材(23)は、上記取付けブラケット(21)と上記レバー(22)との間に張架され、上記レバー(22)を上記取付けブラケット(21)に対して死線(a)を境界にして係止姿勢(A)と解放姿勢(B)とに付勢し、
上記ワイヤー部材(40)は、一端が上記係止レバー部材(20)のワイヤー連結部(22C)に連結され、有害獣の荷重又は圧力を受けて引っ張られることによって上記係止レバー部材(20)のレバー(22)を上記ばね部材(23)の付勢力に抗して係止姿勢(A)から解放姿勢(B)に回動させ、
上記ロック部材(30)は上記係止レバー部材(20)とは別体に設けられ、取付けブラケット(31)とロック片(32)とから構成され、
上記取付けブラケット(31)は上記係止レバー部材(20)のレバー(22)下部近傍にて上記捕獲用具本体(10)の開口(10A)側縁に固定され、上記ロック片(32)は上記取付けブラケット(31)に非ロック姿勢(F)とロック姿勢(E)との間で回動自在に取付けられ、上記ロック片(32)にはピン受け部(32A)が形成され、該ピン受け部(32A)には非ロック姿勢(F)において係止姿勢(A)の上記係止レバー部材(20)のレバー(22)下端部の係止ピン(22B)が係止されることによって上記ロック片(32)は非ロック姿勢(F)に保持され、上記係止レバー部材(20)の上記係止ピン(22B)がピン受け部(32A)から離脱されることによって上記非ロック姿勢(F)からロック姿勢(E)に向けて回動され、上記ロック片(32)には傾斜辺を有するロック突起(32B)が形成され、上記ロック片(32)はロック突起(32B)が上記ロック姿勢(E)において下方スライドする上記落とし扉(11)のフレーム又は金属棒材によって上記落とし扉(11)荷重を受けて回動され、閉鎖位置(D)にてロック突起(32B)が上記落とし扉(10)の金属棒材に引っ掛けられて上記落とし扉(10)をロックするようになっていることを特徴とする捕獲用具のストッパー器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は捕獲用具に関し、特に猪や鹿を捕獲するのに最適な用具に関する。
【背景技術】
【0002】
山間部における乱開発等、最近の自然環境の悪化に伴い、山間部近くの田畑の農作物や果物、ゴルフ場の芝に猪や鹿による被害が多発する傾向にあり、かかる有害獣を駆除することが求められている。通常、有害獣を駆除する方法には猟銃による方法、捕獲用檻や捕獲用柵などの捕獲用具による方法が知られている。
【0003】
例えば、捕獲用具では捕獲用具本体を全体としてほぼ直方体形状に製作する一方、本体の開口に落し扉を設け、捕獲時には落し扉を開けておき、例えば猪が本体内に侵入すると落し扉を落下させて猪を捕獲するという方式が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかし、従来の捕獲用具では扉落し機構が複雑であり、檻や柵を設置する際に落し扉を押し上げる作業員の他に、更に扉落し機構をセットする作業員を必要とし、2人以上いないと捕獲用具を設置しにくい。
【0005】
これに対し、本件出願人は、棒状のストッパーを相互に折り畳み可能に連結した上半部と下半部とから構成し、上半部及び下半部の一方の先端を落し扉に、他方の先端を捕獲用具本体に各々回動可能に取付けられ、上半部と下半部の真直姿勢において落し蓋の荷重に抗して落し蓋を開放位置に保持する一方、その折り畳み動作によって落し蓋の落下を許容し、上半部及び下半部を折り畳み方向に引っ張るワイヤの先端を折り畳み動作中に離脱しえるように棒状ストッパーのフックに引っ掛けられるようにした捕獲用具を開発し、提案するに至った(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭64−43681号公報
【特許文献2】特許第3735775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2記載の捕獲用具では大型の猪が捕獲された場合に大型の猪が暴れたり落とし扉を牙などで強く上げたりすると、棒状のストッパーが破損してしまい、落とし扉を押し上げて逃げられることがあった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑み、大型の猪を捕獲しても逃げられることのないようにした捕獲用具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明に係る捕獲用具は、有害獣を捕獲する捕獲用具において、有害獣が侵入するための開口を有する捕獲用具本体と、四角形フレームの間に金属棒材が格子状に掛け渡されて構成され、上記捕獲用具本体の開口に開放位置と閉鎖位置との間で上下スライド自在に設けられた落とし扉と、取付けブラケットとレバーとから構成され、上記取付けブラケットは上記捕獲用具本体の開口側縁に固定され、上記レバーの上端部が上記取付けブラケットに回動自在に取付けられ、上記レバーは垂直下方を指向する係止姿勢と後方に回動した解放姿勢との間で揺動し得るように設けられ、上記レバーの下端部には上記係止姿勢において上記落とし扉を係止して上記落とし扉を開放位置に保持する係止突片、係止ピン及びワイヤー連結部が設けられた係止レバー部材と、上記取付けブラケットと上記レバーとの間に張架され、上記レバーを上記取付けブラケットに対して死線を境界にして係止姿勢と解放姿勢とに付勢するばね部材と、一端が上記係止レバー部材のワイヤー連結部に連結され、有害獣の荷重又は圧力を受けて引っ張られることによって上記係止レバー部材のレバーを上記ばね部材の付勢力に抗して係止姿勢から解放姿勢に回動させるワイヤー部材と、上記係止レバー部材とは別体に設けられ、取付けブラケットとロック片とから構成され、上記取付けブラケットは上記係止レバー部材のレバー下部近傍にて上記捕獲用具本体の開口側縁に固定され、上記ロック片は上記取付けブラケットに非ロック姿勢とロック姿勢との間で回動自在に取付けられ、上記ロック片にはピン受け部が形成され、該ピン受け部には非ロック姿勢において係止姿勢の上記係止レバー部材のレバー下端部の係止ピンが係止されることによって上記ロック片は非ロック姿勢に保持され、上記係止レバー部材の上記係止ピンがピン受け部から離脱されることによって上記非ロック姿勢からロック姿勢に向けて回動され、上記ロック片には傾斜辺を有するロック突起が形成され、上記ロック片はロック突起が上記ロック姿勢において下方スライドする上記落とし扉のフレーム又は金属棒材によって上記落とし扉の荷重を受けて回動され、閉鎖位置にて上記落とし扉の金属棒材に引っ掛けられて上記落とし扉をロックするようになっているロック部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴の1つはワイヤー部材に応動する操作レバー部材と、落とし扉をロックするロック部材とを別体に設けるようにした点にある。
【0011】
これにより、操作レバー部材をばね部材の付勢力によって有害獣によって破損されないように解放姿勢に保持でき、又ロック部材は強固な構造に構成でき、ストッパー器具の信頼性を大幅に向上でき、大型の猪が落とし扉を押し上げて逃げるのを確実に防止することができる。
【0012】
また、閉鎖位置にある落とし扉を確実にロックするために、ロック部材のロック片を長穴によって取付けブラケットに対してスライド自在に取付け、ロック突起は落とし扉の上方押し上げ力を受けたときにロック片を取付けブラケットに対して傾斜させるようになすのがよい。
【0013】
本発明におけるストッパー器具も新規である。即ち、本発明によれば、有害獣が侵入するための開口を有する捕獲用具本体と、四角形フレームの間に金属棒材が格子状に掛け渡されて構成され、上記捕獲用具本体の開口に開放位置と閉鎖位置との間で上下スライド自在に設けられた落とし扉とを備え、有害獣を捕獲する捕獲用具において、落し蓋を開放位置及び閉鎖位置に保持するストッパー器具であって、ストッパー器具は係止レバー部材、ロック部材及びワイヤー部材から構成され、上記係止レバー部材は、取付けブラケット、レバー及びばね部材から構成され、上記取付けブラケットは、上記捕獲用具本体の開口側縁に固定され、上記レバーの上端部が上記取付けブラケットに回動自在に取付けられ、上記レバーは垂直下方を指向する係止姿勢と後方に回動した解放姿勢との間で揺動し得るように設けられ、上記レバーの下端部には上記係止姿勢において上記落とし扉を係止して上記落とし扉を開放位置に保持する係止突片、係止ピン及びワイヤー連結部が設けられ、上記ばね部材は、上記取付けブラケットと上記レバーとの間に張架され、上記レバーを上記取付けブラケットに対して死線を境界にして係止姿勢と解放姿勢とに付勢し、上記ワイヤー部材は、一端が上記係止レバー部材のワイヤー連結部に連結され、有害獣の荷重又は圧力を受けて引っ張られることによって上記係止レバー部材のレバーを上記ばね部材の付勢力に抗して係止姿勢から解放姿勢に回動させ、上記ロック部材は上記係止レバー部材とは別体に設けられ、取付けブラケットとロック片とから構成され、上記取付けブラケットは上記係止レバー部材のレバー下部近傍にて上記捕獲用具本体の開口側縁に固定され、上記ロック片は上記取付けブラケットに非ロック姿勢とロック姿勢との間で回動自在に取付けられ、上記ロック片にはピン受け部が形成され、該ピン受け部には非ロック姿勢において係止姿勢の上記係止レバー部材のレバー下端部の係止ピンが係止されることによって上記ロック片は非ロック姿勢に保持され、上記係止レバー部材の上記係止ピンがピン受け部から離脱されることによって上記非ロック姿勢からロック姿勢に向けて回動され、上記ロック片には傾斜辺を有するロック突起が形成され、上記ロック片はロック突起が上記ロック姿勢において下方スライドする上記落とし扉のフレーム又は金属棒材によって上記落とし扉荷重を受けて回動され、閉鎖位置にてロック突起が上記落とし扉の金属棒材に引っ掛けられて上記落とし扉をロックするようになっていることを特徴とする捕獲用具のストッパー器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る捕獲用具の好ましい実施形態を示す概略斜視図である。
図2】上記実施形態における落とし扉の閉鎖状態の要部を示す斜視図である。
図3】上記実施形態における落とし扉の開放位置への作業途中を示す斜視図である。
図4】上記実施形態における落とし扉の開放位置に保持した状態を示す斜視図である。
図5】上記実施形態におけるストッパー器具を示す図である。
図6】上記ストッパー器具におけるロック部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4は本発明に係る捕獲用具の好ましい実施形態を示し、これは捕獲用檻に適用した例である。図において、捕獲用具本体10ではフレームがL字アングル又は断面四角形状のパイプを前後方向に長くなったほぼ直方体状に組み立てて製作され、フレームの正面を除く4面(上面、両側面及び背面)には複数の金属棒材が格子状に組まれて端部がフレームに固定されている。なお、底面にも棒材が格子状に組まれることもある。
【0016】
フレームの正面は開口され、該開口1Aの両側部にはほぼコ字状をなすガイドフレームが上方に突設して固定され、該ガイドフレームの両側部分は断面コ字形状が対向されている。このガイドフレームの断面コ字状内には落し扉10の両側部分が上下スライド自在に嵌め込まれることにより、落し扉11は捕獲用具本体10の開口10Aに開放位置Cと閉鎖位置Dとの間で上下スライド自在に支持されている。
【0017】
落し扉11ではフレームがL字アングル又は断面四角形状のパイプを用いてほぼ四角形状に組付けられ、フレームには複数の金属棒材が格子状に組まれてフレームに固定されている。
【0018】
また、捕獲用具本体10の開口10Aの一側縁にはストッパー器具が設けられ、該ストッパー器具は図5及び図6に示されるように係止レバー部材20とロック部材30とから構成されている。
【0019】
係止レバー部材20はL型アングル製の取付けブラケット21と金属厚板製のレバー22から構成されている。
【0020】
取付けブラケット21は捕獲用具本体10の開口10A側縁に溶接やボルト・ナットなどによって固定され、取付けブラケット21にはレバー22の上端部が取付けピンによって回動自在に取付けられ、レバー22は垂直下方を指向する係止姿勢Aと後方に回動した解放姿勢B(図2参照)との間で揺動されるようになっている。
【0021】
また、レバー22の下端部には係止突片22Aが側方に突設され、係止突22Aはレバー22の係止姿勢Aにおいて落とし扉11の下端を係止して落とし扉11をその開放位置Cに保持するようになっている。
【0022】
また、レバー22の下端部には係止ピン22Bが側方に突出して取付けられ、更にワイヤー連結リング22Cが取付けられ、ワイヤー連結リング22Cにはワイヤー部材40の一端が連結され、捕獲用具本体10内に有害獣が入ったときに有害獣の圧力や体重を受けてワイヤー部材40を引っ張るようになっている。ワイヤー部材40が有害獣によって引っ張り動作を行う機構は特許文献2と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0023】
このレバー22と取付けブラケット21の間にはコイルばね23が張架され、コイルばね23はレバー22を取付けブラケット21に対して死線aを境界にして係止姿勢Aと解放姿勢Bとに付勢するようになっている。
【0024】
他方、ロック部材30は係止レバー部材20とは別体に設けられ、取付けブラケット31とロック片32とから構成されている。
【0025】
取付けブラケット31は係止レバー部材20のレバー22下部近傍にて捕獲用具本体10の開口10A側縁に溶接やボルト・ナットなどによって固定され、取付けブラケット31にはロック片32がロック姿勢Eと非ロック姿勢Fとの間で回動自在に取付けられている。このロック片32には長穴32Cが形成され、この長穴32C及び取付けブラケット31の挿通穴には取付けピンが挿通されて割りピンによって抜け止めされ、これによりロック片32は取付けブラケット31に対してスライド可能となっている。
【0026】
また、ロック片32にはピン受け部32Aが形成され、ピン受け部32Aには非ロック姿勢Eにおいて係止姿勢Aの係止レバー部材20のレバー22下端部の係止ピン22Bが係止されるようになっており、これによってロック片32は非ロック姿勢に保持されるようになっている
【0027】
ロック片32にはロック突起32Bが形成され、係止レバー部材20の係止ピン22Bがピン受け部32Aから離脱されることによって非ロック姿勢からロック姿勢に向けて回動され、ロック姿勢Eにおいてロック突起32Bが落とし扉10のフレーム又は金属棒材によって落とし扉10の荷重を受けて揺動されながら落とし扉10の下方スライドを許容し、ロック突起32Bがロック姿勢において閉鎖位置Dの落とし扉10の金属棒材に引っ掛けられて落とし扉10をロックするようになっている。
【0028】
本例の捕獲用具を設置する場合、捕獲用具を車両等によって設置すべき場所まで運搬し、車両の荷台から所望の場所に降ろした後、落し扉11を所定の高さまで押し上げる。
【0029】
次に、ロック部材30のロック片32をその非ロック姿勢に回動させ、係止レバー部材20のレバー22をコイルばね23の付勢力に抗して係止位置Aに揺動させて係止ピン22をロック片32のピン受け部32Aに嵌め込むと、ロック部材30が非ロック姿勢にロックされる。また、落とし扉11は係止レバー部材20のレバー22の係止突起22Aによって開放位置Cに係止される。
【0030】
例えば、猪が落し扉11の開いた捕獲用具本体10内に侵入し、ワイヤー部材40が引っ張られると、レバー22がコイルばね23の付勢力に抗して引っ張られ、コイルばね23の死線aを越えると、後方に大きく揺動される(図2参照)。
【0031】
すると、落とし扉11の係止が外れて下方にスライドし始め、同時にロック部材30のレバー32の係止が外れてレバー32はロック姿勢Eに向けて回動し、ロック姿勢Eに達すると、レバー32は落とし扉11の荷重を受けて揺動して落とし扉11の下方スライドを許容し、ロック部材30のロック片32のロック突起32Bが落とし扉11の金属棒材に引っ掛かって閉鎖姿勢Dにロックされる。
【0032】
このとき、落とし扉11に上向きの力が加わると、ロック片32は傾斜されるので、ロック片32はより確実にロックされることとなる。
【符号の説明】
【0033】
10 捕獲用具本体
11 落とし扉
20 係止レバー部材
21 取付けブラケット
22 レバー
23 コイルばね
30 ロック部材
31 取付けブラケット
32 ロック片
40 ワイヤー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6