(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粘着体の前記厚み方向の一方面に配置される剥離フィルムを、前記粘着体から剥離するための剥離力と、前記粘着体の前記厚み方向の他方面に配置される剥離フィルムを、前記粘着体から剥離するための剥離力とが異なることを特徴とする、請求項2に記載の両面粘着シート。
フィルム状に形成され、厚み方向の両面に粘着力を有する粘着体と、前記粘着体を前記厚み方向から挟むように配置される1対の剥離フィルムとを備える加工シートを準備する工程と、
前記加工シートの少なくとも一部を、加熱するとともに加圧して、一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲状に形成する工程と、
前記湾曲状に形成した前記加工シートを、加圧状態を維持したまま冷却する工程とを含むことを特徴とする、両面粘着シートの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、特許文献1の両面粘着テープは、不織布の両面に粘着層が設けられており、可撓性を有するので、曲面追従性を有する一方、曲面などの非平面形状(3次元形状)の被着体に貼り付けると、しわが生じやすいという不具合がある。
【0007】
そこで、非平面形状の被着体に両面粘着テープを貼り付ける場合、例えば、複数の両面粘着テープを組み合わせて被着体に貼り付けるか、両面粘着テープに切り込みを加えて、両面粘着テープが被着体の形状に沿うように加工される。
【0008】
しかし、それらによっても、両面粘着テープのしわの発生の低減には限度があり、被着体と両面粘着テープとの間に浮き(隙間)が生じる場合や、両面粘着テープが被着体から剥がれてしまう場合がある。
【0009】
また、複数の両面粘着テープを被着体に貼り付けるには、複数回の貼り付け作業が必要となり、両面粘着テープに切り込みを加えるには、貼り付け作業前に、両面粘着テープの一部を切除する必要がある。そのため、両面粘着テープの被着体に対する貼り付け作業が、煩雑となる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、両面粘着テープの被着体に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができながら、粘着体が被着体に接着したときに、粘着体にしわが生じることを確実に低減できる両面粘着シート、両面粘着シートによる接合方法、および、両面粘着シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の両面粘着シートは、少なくとも粘着剤が混練された粘着体を備
え、
前記両面粘着シートは、一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲形状となるように賦形されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、両面粘着シートが、
一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲形状となるように、予め賦形されているので、粘着体を、被着体の非平面形状
(湾曲部)に沿って貼り付けることができる。また、両面粘着シートの
湾曲形状を、被着体の非平面形状
(湾曲部)に沿うように、予め賦形することにより、粘着体を、被着体の非平面形状
(湾曲部)に確実に貼り付けることができる。
【0013】
そのため、粘着体と被着体とを確実に密着させることができ、粘着体にしわが生じることを確実に低減できる。また、被着体に複数の両面粘着テープを貼り付ける必要や、両面粘着テープに切り込みを加える必要がなく、粘着体の被着体に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができる。
【0014】
従って、被着体の形状が非平面形状(3次元形状)であっても、粘着体の被着体に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができながら、粘着体が被着体に接着したときに、粘着体にしわが生じることを低減できる。また、絶縁性を有する材料が混練されていることから、絶縁機能を求められる被着体に使用するこができ、もって、絶縁性を持たせたい部材同士を離間することで絶縁性を持たせる(空間絶縁)という従来の設計手法によらず設計することができる。それゆえ、被着体のサイズをより小型化することができる。
【0015】
一方、本発明の両面粘着シートは、フィルム状に形成され、厚み方向の両面に粘着力を有する粘着体と、前記粘着体を前記厚み方向から挟むように配置される1対の剥離フィルムとを備
え、
前記両面粘着シートは、一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲形状となるように賦形されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、両面粘着シートが、
一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲形状となるように、予め賦形されているので、剥離フィルムを剥離し、露出させた粘着体を、被着体の非平面形状
(湾曲部)に沿って貼り付けることができる。また、両面粘着シートの
湾曲形状を、被着体の非平面形状
(湾曲部)に沿うように、予め賦形することにより、粘着体を、被着体の非平面形状
(湾曲部)に確実に貼り付けることができる。
【0017】
そのため、粘着体と被着体とを確実に密着させることができ、粘着体にしわが生じることを確実に低減できる。また、被着体に複数の両面粘着テープを貼り付ける必要や、両面粘着テープに切り込みを加える必要がなく、粘着体の被着体に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができる。
【0018】
従って、被着体の形状が非平面形状(3次元形状)であっても、粘着体の被着体に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができながら、粘着体が被着体に接着したときに、粘着体にしわが生じることを低減できる。
【0019】
また、前記粘着体の前記厚み方向の一方面に配置される剥離フィルムを、前記粘着体から剥離するための剥離力と、前記粘着体の前記厚み方向の他方面に配置される剥離フィルムを、前記粘着体から剥離するための剥離力とが異なることが好適である。
【0020】
このような構成によれば、厚み方向の一方面の剥離フィルム(以下、第1剥離フィルムとする。)の剥離力と、厚み方向の他方面の剥離フィルム(以下、第2剥離フィルムとする。)の剥離力とが異るので、剥離力が相対的に小さい剥離フィルム(第1剥離フィルムまたは第2剥離フィルム)を容易に剥離することができる。
【0021】
そのため、両面粘着シートが
湾曲形状を有していても、粘着体の貼り付け作業において、粘着体の表面を容易に露出させることができ、その粘着体の表面を被着体に貼り付けることにより、粘着体の被着体に対する貼り付け作業の円滑化を確実に図ることができる。
【0022】
また、前記1対の剥離フィルムのそれぞれは、熱可塑性ポリマーを含むことが好適である。
【0023】
このような構成によれば、剥離フィルムが熱可塑性ポリマーを含んでいるので、両面粘着シートを加熱すると、剥離フィルムは軟化し、両面粘着シートは
湾曲形状を有するように形成される。その後、両面粘着シートを冷却すると、剥離フィルムは硬化し、両面粘着シートは
湾曲形状を確実に維持する。
【0024】
つまり、両面粘着シートを加熱および冷却することにより、簡易かつ確実に賦形することができる。
【0025】
また、前記粘着体は、フィルム状に形成される基材と、前記基材を前記厚み方向から挟むように配置される1対の粘着剤層とを備えることが好適である。
【0026】
このような構成によれば、粘着体が基材を備えているので、両面粘着シートが
湾曲形状を有していても、基材が1対の粘着剤層を確実に保持できる。そのため、粘着体の粘着剤層が被着体に接着された状態において、粘着体に外力が作用しても、粘着剤層がずれることを低減できる。
【0027】
また、前記粘着体は、フィルム状に形成される粘着剤層のみからなることが好適である。
【0028】
このような構成によれば、粘着体が粘着剤層のみからなるので、粘着体の柔軟性の向上を図ることができ、粘着体と被着体とを確実に密着させることができる。
【0029】
本発明の両面粘着シートによる接合方法は、
一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲形状を有する第1被着体を準備する工程と、上記の両面粘着シートであって、前記両面粘着シートの
湾曲形状が、前記第1被着体の
湾曲形状に沿う両面粘着シートを準備する工程と、前記1対の剥離フィルムのうち一方の剥離フィルムを前記粘着体から剥離して、露出した前記粘着体を、前記第1被着体の
湾曲形状に貼着する工程と、前記1対の剥離フィルムのうち他方の剥離フィルムを前記粘着体から剥離して、露出した前記粘着体に、第2被着体を貼り付ける工程とを含むことを特徴としている。
【0030】
このような構成によれば、両面粘着シートの
湾曲形状が、第1被着体の
湾曲形状に沿っているので、粘着体を第1被着体の
湾曲形状に貼着する工程において、粘着体を第1被着体に確実に貼着でき、粘着体にしわが生じることを確実に低減できる。
【0031】
そして、第1被着体に接着される粘着体から、剥離フィルムを剥離した後、露出した粘着体に、第2被着体を貼り付けることにより、第1被着体と第2被着体とを確実に接合することができる。
【0032】
本発明の両面粘着シートの製造方法は、フィルム状に形成され、厚み方向の両面に粘着力を有する粘着体と、前記粘着体を前記厚み方向から挟むように配置される1対の剥離フィルムとを備える加工シートを準備する工程と、前記加工シートの少なくとも一部を、加熱するとともに加圧して、
一方の面に凹または凸を有し、他方の面に該一方の面の凹に対応する凸または該一方の面の凸に対応する凹を有する湾曲状に形成する工程と、
湾曲状に形成した前記加工シートを、加圧状態を維持したまま冷却する工程とを含むことを特徴としている。
【0033】
このような構成によれば、加工シートを、加熱および加圧することにより、
湾曲形状を有するように形成した後、加圧状態を維持したまま冷却することにより、加工シートの
湾曲形状を確実に維持することができる。
【0034】
つまり、加工シートを、加熱および冷却することにより、確実に賦形することができる。これにより、
湾曲形状を有する両面粘着シートを確実に製造できる。
【0035】
また、前記1対の剥離フィルムのそれぞれは、熱可塑性ポリマーを含み、前記加工シートを加熱するとともに加圧する工程において、前記加工シートを前記熱可塑性ポリマーの軟化点以上に加熱し、前記加工シートを加圧状態を維持したまま冷却する工程において、前記加工シートを前記熱可塑性ポリマーの軟化点未満に冷却することが好適である。
【0036】
このような構成によれば、剥離フィルムが熱可塑性ポリマーを含んでいるので、加工シートを熱可塑性ポリマーの軟化点以上に加熱することにより、剥離フィルムが、確実に軟化し、
湾曲形状に形成され、加工シートを熱可塑性ポリマーの軟化点未満に冷却することにより、剥離フィルムが、確実に硬化し、
湾曲形状を維持する。
【0037】
そのため、加工シートを
湾曲形状を有するように確実に賦形でき、ひいては、
湾曲形状を有する両面粘着シートをより一層確実に製造できる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の両面粘着シート、および、両面粘着シートによる接合方法によれば、両面粘着テープの被着体に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができながら、粘着体が被着体に接着したときに、粘着体にしわが生じることを低減できる。また、本発明の両面粘着シートの製造方法によれば、上記の両面粘着シートを確実に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
1.両面粘着テープの構成
両面粘着シートの一例としての両面粘着テープ1は、
図1Aに示すように、非平面形状を有するように賦形されている。
【0041】
非平面形状とは、所定方向であるX方向、および、X方向と直交するY方向を含むXY平面に対して、XY平面と直交するZ方向に凹または凸を有する形状である。つまり、両面粘着テープ1は、水平面に載置したときに、上下方向に凹または凸を有している。
【0042】
また、両面粘着テープ1は、その全体が非平面形状であってもよく、その一部分のみが非平面形状であってもよい。
【0043】
第1実施形態において、両面粘着テープ1は、その全体が非平面形状であって、Z方向に突出または凹む湾曲形状である。なお、以下の説明において方向について言及する場合には、X方向を左右方向Xとし、Y方向を前後方向Yとし、Z方向を上下方向Zとし、具体的には、各図に示す矢印方向を基準とする。
【0044】
より具体的には、両面粘着テープ1は、左右方向Xから見て、下方に向かって突出する湾曲形状であり、左右方向Xに延びるフィルム形状(薄板形状)を有している。両面粘着テープ1は、
図1Bに示すように、粘着体2と、1対の剥離フィルム3とを備えている。
【0045】
粘着体2は、両面粘着テープ1の厚み方向の略中央部分であって、基材の一例としての支持層4と、1対の粘着剤層5とを備えている。
【0046】
支持層4は、フィルム形状(薄板形状)に形成されており、常温(5℃以上35℃以下)において、硬質または可撓性であって、好ましくは、可撓性を有している。支持層4としては、例えば、プラスチックフィルム、フォーム基材、紙類、布類、不織布類、金属箔などが挙げられる。
【0047】
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなど)、エチレン系共重合体フィルム(例えば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体など)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、リアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム(例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなど)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。
【0048】
フォーム基材としては、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどが挙げられる。紙類としては、例えば、クラフト紙、クレープ紙、和紙、絶縁紙などが挙げられる。布類としては、例えば、綿布、スフ布などが挙げられる。不織布類としては、例えば、ポリエステル不織布、ビニロン不織布、アラミド繊維不織布などが挙げられる。金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔などが挙げられる。
【0049】
このような支持層4は、両面粘着テープ1の用途に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、プラスチックフィルムおよび不織布類が挙げられ、さらに好ましくは、ポリエステルフィルムが挙げられ、とりわけ好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
【0050】
また、支持層4の厚みは、例えば、0.5μm以上、好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、20μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下、さらに好ましくは、100μm以下である。
【0051】
1対の粘着剤層5は、粘着体2の厚み方向の両端部であって、支持層4を厚み方向の外側から挟むように配置されている。これによって、粘着体2の厚み方向の両面は、粘着力を有している。なお、1対の粘着剤層5のうち、厚み方向一方側(下側)の粘着剤層5を、第1粘着剤層5Aとし、厚み方向他方側(上側)の粘着剤層5を、第2粘着剤層5Bとして区別する。
【0052】
粘着剤層5は、支持層4の表面に積層されており、常温(5℃以上35℃以下)において、可撓性を有している。また、粘着剤層5は、粘着剤から形成されている。
【0053】
粘着剤層5を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤、熱可塑性粘着剤などの公知の粘着剤が挙げられる。
【0054】
これら粘着剤の形態は、特に制限されず、例えば、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、ホットメルト型粘着剤等の熱可塑性粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固形粘着剤など、種々の形態を採用することができる。
【0055】
このような粘着剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用することもできる。
【0056】
このような粘着剤の中では、非平面形状(3次元形状)に賦形しやすいことから、好ましくは、アクリル系粘着剤、さらに好ましくは、炭素数2〜8のアクリル系粘着剤(例えば、ブチルアクリレートなど)が挙げられる。
【0057】
このような粘着剤のガラス転移点(Tg)は、例えば、−70℃以上、好ましくは、−50℃以上、例えば、30℃以下、好ましくは、5℃未満である。なお、ガラス転移点(Tg)は、動的粘弾性測定装置(測定条件:剪断モード、昇温速度5℃/分、周波数1Hz)によって測定される損失剪断弾性率G’’のピークとして定義される。
【0058】
粘着剤のガラス転移点(Tg)が上記下限値以上であれば、容易に材料設計でき、粘着剤のガラス転移点(Tg)が上記上限値以下であれば、常温において、粘着剤層5を確実にゴム状態とすることができ、粘着剤層5を剥離フィルム3の形状に確実に追従させることができる。
【0059】
このような粘着剤層5の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上、さらに好ましくは、10μm以上、例えば、300μm以下、好ましくは、200μm以下、さらに好ましくは、100μm以下である。
【0060】
また、粘着剤層5の厚みは、支持層4の厚みに対して、例えば、50%以上、好ましくは、200%以上、例えば、2000%以下、好ましくは、1000%以下である。
【0061】
また、1対の粘着剤層5(第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5B)のそれぞれの厚みは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0062】
このような粘着剤層5は、単層または複層(積層体)のいずれであってもよい。
【0063】
また、粘着剤層5は、他の層(下層)を介して、支持層4に設けられていてもよい。このような他の層(下層)としては、例えば、中間層、下塗り層、基材層(特に、フィルム層、不織布層など)などが挙げられる。
【0064】
粘着剤層5の接着力は、例えば、5N/20mm以上、好ましくは、10N/20mm以上、例えば、100N/20mm以下、好ましくは、70N/20mm以下である。なお、接着力は、下記の接着力測定試験により測定することができる。
【0065】
接着力測定試験:
粘着体を幅20mm、長さ100mmのサイズにカットし、一方の粘着剤層に、裏打ち用PETフィルム(厚みが25μm)を貼り合わせることにより、測定サンプルを作製する。次いで、接着力を測定する粘着剤層の粘着面を、2kgローラー、1往復で被着体(ステンレス板(SUS304BA板))に圧着し、23℃×50%RHの環境下に30分間放置する。放置後、万能引張圧縮試験機(装置名「引張圧縮試験機TG-1kN」、ミネベア社製)を用いて、引張速度300mm/min、剥離角度180°で、測定サンプルを引き剥がして、接着力を測定する。なお、この測定は23℃×50%RHの環境下で実施される。
【0066】
また、1対の粘着剤層5(第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5B)のそれぞれの粘着力は、互いに同一であってもよいが、後述する剥離フィルムの剥離力の調整の観点から互いに異なっていてもよい。
【0067】
第1粘着剤層5Aの接着力と、第2粘着剤層5Bの接着力とを互いに異ならせるには、例えば、第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5Bのそれぞれを、互いに異なる粘着剤から形成する。
【0068】
つまり、1対の粘着剤層5(第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5B)のそれぞれは、互いに同一の粘着剤から形成されてもよく、互いに異なる粘着剤から形成されてもよい。
【0069】
1対の剥離フィルム3は、両面粘着テープ1の厚み方向の両端部であって、粘着体2を両面粘着テープ1の厚み方向の外側から挟むように配置されている。なお、1対の剥離フィルム3のうち、厚み方向一方側(下側)の剥離フィルム3を、第1剥離フィルム3Aとし、厚み方向他方側(上側)の剥離フィルム3を、第2剥離フィルム3Bとして区別する。
【0070】
つまり、第1剥離フィルム3Aは、第1粘着剤層5Aの下面(凸面)に粘着され、第2剥離フィルム3Bは、第2粘着剤層5Bの上面(凹面)に粘着されている。
【0071】
1対の剥離フィルム3のそれぞれは、常温(5℃以上35℃以下)において硬質なフィルム状(薄板形状)に形成されており、
図1Aおよび
図1Bに示すように、左右方向Xから見て、下方に向かって突出する湾曲形状であり、左右方向Xに延びるフィルム形状(薄板形状)を有している。
【0072】
剥離フィルム3としては、例えば、紙類、不織布(例えば、アラミド繊維不織布)、樹脂フィルムなどが挙げられる。このような剥離フィルム3の中では、3次元加工性の観点から、好ましくは、樹脂フィルムが挙げられる。
【0073】
樹脂フィルムは、熱可塑性ポリマーからなり、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、など)、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリウレタンフィルムなどが挙げられる。
【0074】
このような樹脂フィルムの中では、好ましくは、ポリオレフィンフィルムおよびポリエステルフィルムが挙げられ、さらに好ましくは、ポリエチレンフィルムおよびポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
【0075】
剥離フィルム3の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、15μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下、さらに好ましくは、50μm以下である。
【0076】
剥離フィルム3の厚みが上記の範囲内(下限値以上かつ上限値以下)であれば、両面粘着テープ1の非平面形状(3次元形状)を維持しやすく、また、粘着剤層5からの剥離作業性の向上を図ることができる。
【0077】
また、剥離フィルム3の厚みは、粘着剤層5(第1粘着剤層5A)の厚みに対して、例えば、50%以上、好ましくは、100%以上、例えば、1000%以下、好ましくは、500%以下である。つまり、剥離フィルム3は、好ましくは、粘着剤層5よりも厚い。
【0078】
また、1対の剥離フィルム3(第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3B)のそれぞれの厚みは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0079】
また、剥離フィルム3は、必要に応じて、離型および防汚処理、帯電防止処理などの種々の処理が実施される。
【0080】
離型および防汚処理方法としては、例えば、剥離フィルム3の表面を、有機系離型剤(例えば、シリコーン系、フッ素系長鎖アルキル系、脂肪酸系アミド系など)または無機系離型剤(例えば、シリカ粉など)により処理する方法が挙げられる。これにより、剥離フィルム3の表面に、剥離処理層が設けられる。
【0081】
帯電防止処理方法としては、例えば、剥離フィルム3の表面に帯電防止剤(例えば、第四級アンモニウム塩など)を塗布する方法、剥離フィルム3の表面に帯電防止剤を蒸着する方法、剥離フィルム3に帯電防止剤を練り込む方法などが挙げられる。
【0082】
1対の剥離フィルム3(第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3B)のそれぞれは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0083】
また、1対の剥離フィルム3(第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3B)のそれぞれの形状は、好ましくは、同一である。詳しくは、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれを、上下方向Zおよび左右方向Xに切断したときの断面形状が、互いに略同一である。
【0084】
また、剥離フィルム3を粘着剤層5から剥離するための剥離力(23℃、50%RH)は、例えば、引張速度300mm/min、剥離角度180°で、例えば、0.01(N/50mm)以上、好ましくは、0.1(N/50mm)以上、例えば、2(N/50mm)以下、好ましくは、1(N/50mm)以下である。
【0085】
また、両面粘着テープ1において、第1剥離フィルム3Aを第1粘着剤層5Aの下面(凸面)から剥離するための剥離力と、第2剥離フィルム3Bを第2粘着剤層5Bの上面(凸面)から剥離するための剥離力とは、同一であってもよいが、好ましくは、互いに異なる。
【0086】
より詳しくは、後述する接合作業において、第2剥離フィルム3Bよりも先に剥離される第1剥離フィルム3Aを、第1粘着剤層5Aの凸面から剥離するための剥離力は、第2剥離フィルム3Bを、第2粘着剤層5Bの凹面から剥離するための剥離力よりも小さい。
【0087】
なお、後述する接合作業では、第1粘着剤層5Aの凸面が、設置対象物20の湾曲部22の内面に接着された後、第2剥離フィルム3Bが剥離され、第2粘着剤層5Bの凹面に、部品21が接着される。
【0088】
第1剥離フィルム3Aを第1粘着剤層5Aから剥離するための剥離力(23℃、50%RH)は、引張速度300mm/min、剥離角度180°で、例えば、0.01(N/50mm)以上、好ましくは、0.1(N/50mm)以上、例えば、0.7(N/50mm)以下、好ましくは、0.4(N/50mm)以下である。
【0089】
第2剥離フィルム3Bを第2粘着剤層5Bから剥離するための剥離力(23℃、50%RH)は、引張速度300mm/min、剥離角度180°で、例えば、0.1(N/50mm)以上、好ましくは、0.2(N/50mm)以上、例えば、1.0(N/50mm)以下、好ましくは、0.7(N/50mm)以下である。
【0090】
また、第2剥離フィルム3Bを第2粘着剤層5Bから剥離するための剥離力は、第1剥離フィルム3Aを第1粘着剤層5Aから剥離するための剥離力に対して、例えば、100%以上、好ましくは、200%以上、例えば、1000%以下、好ましくは、500%以下である。
【0091】
これにより、第1剥離フィルム3Aを第1粘着剤層5Aから容易に剥離でき、後述する接合作業において、第1粘着剤層5Aを設置対象物20の湾曲部22に容易に貼着できる。そのため、設置対象物20と部品21との接合作業の円滑化を図ることができる。
【0092】
このように第1剥離フィルム3Aの剥離力と、第2剥離フィルム3Bの剥離力とを互いに異ならせる方法としては、例えば、第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5Bのそれぞれを互いに異なる粘着剤から形成する方法、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの厚み方向の内面を、互いに異なる離型剤で処理する方法、一方の剥離フィルム3(第1剥離フィルム3Aまたは第2剥離フィルム3B)を、樹脂フィルムに離型処理した剥離フィルムから構成し、他方の剥離フィルム3を、離型処理していないポリオレフィンフィルムから構成する方法、互いに厚さの異なる樹脂フィルムを1対の剥離フィルム3とする方法などが挙げられる。
【0093】
つまり、第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5Bのそれぞれを互いに異なる粘着剤から形成すれば、第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5Bのそれぞれの粘着力を互いに異ならせることができるので、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの剥離力を互いに異ならせることができる。
【0094】
また、第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5Bのそれぞれの粘着力が互いに同一であっても、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの厚み方向の内面を、互いに異なる離型剤で処理すれば、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの剥離力を互いに異ならせることができる。
【0095】
2.両面粘着テープの製造方法
次に、両面粘着テープ1の製造方法について説明する。
【0096】
このような両面粘着テープ1を製造するには、
図2A〜
図2Dに示すように、まず、加工シート9を準備する(準備工程)。
【0097】
加工シート9は、
図2Aに示すように、厚み方向の両面に粘着力を有する粘着体2と、粘着体2を挟むように配置される1対の剥離フィルム3とを備え、略平板のフィルム形状に形成されている。このような加工シート9を調製するには、例えば、支持層4の両面のそれぞれに、粘着剤層5(第1粘着剤層5Aおよび第2粘着剤層5B)を、公知の塗工方法(例えば、公知のコーターによる塗工)により塗工する。
【0098】
その後、1対の剥離フィルム3のそれぞれを、1対の粘着剤層5のそれぞれに貼着する。これによって、加工シート9が調製(準備)される。
【0099】
このような加工シート9は、少なくとも1枚の両面粘着テープ1を切り出し可能なサイズであれば、特に制限されないが、製造コストの観点から、複数の両面粘着テープ1が切り出し可能となるように、前後方向Yに連続する形状に形成することが好ましい。
【0100】
次いで、
図2Bおよび
図2Cに示すように、加工シート9の一部を非平面形状に形成した後(加熱工程)、加工シート9の非平面形状部分を冷却する(冷却工程)。これによって、加工シート9は、非平面形状を有するように賦形される。なお、賦形とは、部材に形状を与えることである。
【0101】
このような加熱工程および冷却工程は、例えば、賦形装置10により実施される。
【0102】
賦形装置10は、第1金型ユニット7と、第2金型ユニット8と、図示しない制御部とを備えている。
【0103】
第1金型ユニット7は、第1金型11と、図示しないヒータと、配線13とを備えている。
【0104】
第1金型11は、左右方向Xに延びる角柱形状を有しており、第1金型11の下面は、凸部11Aとして形成されている。凸部11Aは、後述する設置対象物20の湾曲部22の内面に対応しており、左右方向Xから見て下方に向かって膨出する側面視略円弧形状に形成されている。
【0105】
図示しないヒータは、第1金型11の内部に埋設されている。配線13は、図示しないヒータと、図示しない電源とを電気的に接続されている。
【0106】
そして、第1金型ユニット7は、配線13を介して、図示しないヒータに電力が供給されることにより、図示しないヒータが第1金型11を加熱するように構成されている。また、第1金型ユニット7は、第1金型11が上下方向に移動可能となるように構成されている。
【0107】
第2金型ユニット8は、第1金型ユニット7に対して下方に間隔を空けて配置されている。第2金型ユニット8は、第2金型12と、冷却管14と、図示しないヒータと、配線16とを備えている。
【0108】
第2金型12は、左右方向Xに延びる角柱形状を有しており、第2金型12の上面は、凹部12Aとして形成されている。凹部12Aは、第1金型11の凸部11Aに対応しており、後述する設置対象物20の湾曲部22の内面と略同じ形状を有している。具体的には、凹部12Aは、左右方向Xから見て下方に向かって凹む側面視略円弧形状に形成されている。
【0109】
冷却管14は、第2金型12を通過するように設けられており、内部に冷却水などの冷却媒体が流れるように構成されている。
【0110】
図示しないヒータは、第2金型12の内部に埋設されている。配線16は、図示しないヒータと、図示しない電源とを電気的に接続している。
【0111】
そして、第2金型ユニット8は、配線16を介して、第2金型12に電力が供給されることにより、図示しないヒータが第2金型12を加熱するように構成されるとともに、冷却管14内に冷却媒体が流れることにより、第2金型12を冷却するように構成されている。また、第2金型ユニット8は、第2金型12が上下方向に移動可能となるように構成されている。
【0112】
図示しない制御部は、第1金型ユニット7および第2金型ユニット8のそれぞれに電気的に接続されており、第1金型ユニット7および第2金型ユニット8の動作を制御するように構成されている。図示しない制御部は、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
【0113】
このような賦形装置10は、
図2Aに示すように、まず、加熱工程を実施する。
【0114】
加熱工程では、加工シート9が、第1金型11と第2金型12との上下方向Zの間において、前後方向Yに沿うように配置される。
【0115】
次いで、第1金型11および第2金型12のそれぞれは、図示しない制御部の制御により、第1の加熱温度に加熱される。
【0116】
第1の加熱温度は、加工シート9が変形する温度以上、かつ、耐熱温度以下であれば、特に制限されないが、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上、例えば、220℃以下、好ましくは、200℃以下である。
【0117】
第1の加熱温度が上記下限値以上であれば、両面粘着テープ1の剥離フィルム3を確実に変形させることができ、第1の加熱温度が上記上限値以下であれば、両面粘着テープ1の粘着剤層5が劣化することを低減できる。
【0118】
また、第1の加熱温度は、剥離フィルム3が熱可塑性ポリマーからなる樹脂フィルムである場合、好ましくは、熱可塑性ポリマー(剥離フィルム3)の軟化点以上である。なお、剥離フィルム3の軟化点は、剥離フィルム3のガラス転移点(Tg)と同義である。すなわち、第1の加熱温度は、好ましくは、熱可塑性ポリマー(剥離フィルム3)のガラス転移点以上である。
【0119】
また、第1金型11の第1の加熱温度と、第2金型12の第1の加熱温度とは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0120】
次いで、第1金型11および第2金型12のそれぞれの温度が、第1の加熱温度に到達すると、図示しない制御部は、第1金型11を下方に向かって移動させるとともに、第2金型12を上方に向かって移動させる。
【0121】
すると、加工シート9は、第1金型11の凸部11Aと、第2金型12の凹部12Aとの間に挟まれ、加圧される。
【0122】
このとき、加工シート9の加圧条件としては、加工シート9に対する上下両側からの圧力のそれぞれが、例えば、1MPa以上、好ましくは、5MPa以上、例えば、1000MPa以下、好ましくは、800MPa以下である。
【0123】
加工シート9の加圧条件が上記下限値以上であれば、加工シート9を確実に非平面形状に形成することができ、加工シート9の加圧条件が上記上限値以下であれば、加工シート9の過度な延伸を抑制できる。
【0124】
なお、第1金型11および第2金型12のそれぞれは、加工シート9を挟んだ状態においても、第1の加熱温度に維持される。
【0125】
そして、第1金型11および第2金型12は、加工シート9を、所定時間、加熱するとともに加圧する。
【0126】
所定時間としては、例えば、0.5秒以上、好ましくは、1秒以上、例えば、60秒以下、好ましくは、40秒以下である。
【0127】
また、第1金型11および第2金型12のそれぞれは、所定時間内において、必要により、第1の加熱温度から第2の加熱温度に加熱される。
【0128】
第2の加熱温度は、第1の加熱温度よりも高温であって、例えば、90℃以上、好ましくは、110℃以上、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。
【0129】
これらによって、加工シート9において、第1金型11および第2金型12に挟まれる部分は、非平面形状、具体的には、凸部11Aおよび凹部12Aに沿う湾曲形状に変形される。なお、以下において、加工シート9の第1金型11および第2金型12に挟まれる部分を、湾曲形状部分9Aとする。
【0130】
湾曲形状部分9Aの曲率半径は、例えば、1cm以上、好ましくは、5cm以上、例えば、20cm以下、好ましくは、10cm以下である。
【0131】
加熱工程において、剥離フィルム3が樹脂フィルムであり、支持層4がプラスチックフィルムであり、粘着剤層5がアクリル系粘着剤である場合、剥離フィルム3、支持層4および粘着剤層5のそれぞれがゴム状態となる。
【0132】
次いで、所定時間が経過すると、賦形装置10は、加熱工程を終了し、冷却工程を実施する。
【0133】
冷却工程では、図示しない制御部は、第1金型11および第2金型12が、加工シート9の湾曲形状部分9Aを挟んだ状態を維持したまま、第1金型11および第2金型12の加熱を停止し、冷却管14に冷却媒体(例えば、冷却水)を流す。
【0134】
そして、第2金型12を、冷却温度となるまで冷却した後、所定時間維持する(冷却工程)。
【0135】
冷却温度としては、例えば、3℃以上、好ましくは、5℃以上、例えば、80℃以下、好ましくは、70℃以下である。
【0136】
また、冷却温度は、剥離フィルム3が熱可塑性ポリマーからなる樹脂フィルムである場合、好ましくは、熱可塑性ポリマー(剥離フィルム3)の軟化点未満である。すなわち、冷却温度は、好ましくは、熱可塑性ポリマー(剥離フィルム3)のガラス転移点未満である。
【0137】
所定時間としては、例えば、0.5秒以上、好ましくは、1秒以上、例えば、60秒以下、好ましくは、40秒以下である。
【0138】
これによって、加工シート9の湾曲形状部分9Aは、第1金型11および第2金型12による加圧状態が維持されたまま冷却される。
【0139】
このとき、剥離フィルム3が樹脂フィルムであり、支持層4がプラスチックフィルムであり、粘着剤層5がアクリル系粘着剤である場合、支持層4および粘着剤層5のそれぞれはゴム状態を維持する一方、剥離フィルム3はガラス状態となり、支持層4および粘着剤層5を支持する。
【0140】
次いで、図示しない制御部は、
図2Cに示すように、第1金型11を上方に向かって移動させるとともに、第2金型12を下方に向かって移動させる。これにより、加工シート9の湾曲形状部分9Aに対する加圧(プレス)が解放され、湾曲形状部分9Aを有する加工シート9が、賦形装置10から取り出される。
【0141】
その後、必要に応じて、
図2Dに示すように、加工シート9から、不要部分をカットして、両面粘着テープ1を切り出す(切出工程)。
【0142】
加工シート9から両面粘着テープ1を切り出す方法としては、例えば、裁断、打ち抜きなどの公知の加工方法が挙げられる。なお、
図2Dでは、カッター15により、加工シート9を裁断して、加工シート9の湾曲形状部分9Aのみを両面粘着テープ1として切り出している。
【0143】
以上によって、両面粘着テープ1が調製される。両面粘着テープ1は、後述する湾曲部22の内面と同一形状の非平面形状を有する。
【0144】
なお、両面粘着テープ1を連続的に製造する場合、上記のように、加工シート9の一部を湾曲形状部分9Aに賦形した後、加工シート9を前後方向Yに移動させる。そして、加工シート9の他の部分を、上記と同様に、湾曲形状に賦形する。その後、加工シート9から、複数の両面粘着テープ1(湾曲形状部分)のそれぞれを切り出す。
【0145】
3.両面粘着テープによる設置対象物と部品との接合
次に、
図3A〜
図3Cを参照して、両面粘着テープ1による、第1被着体の一例としての設置対象物20と、第2被着体の一例としての部品21との接合について説明する。
【0146】
設置対象物20と部品21とを、両面粘着テープ1により接合するには、まず、設置対象物20を準備する。
【0147】
設置対象物20は、非平面形状を有していれば、特に制限されず、例えば、電気・電子製品の基板、自動車車両のボディ、建築物の壁や天井などが挙げられ、その材質は、鋼板、樹脂部材、木材などが挙げられる。
【0148】
第1実施形態では、設置対象物20は、自動車車両のボディが有するL字状の鋼板であって、その屈曲部分が、非平面形状の一例としての湾曲部22となるように面取りされている。湾曲部22は、円弧形状に形成されている。
【0149】
次いで、両面粘着テープ1を準備する。ここで、両面粘着テープ1の湾曲形状、具体的には、第1粘着剤層5Aの凸面は、設置対象物20の湾曲部22の内面(径方向内側面)に沿っている。
【0150】
次いで、粘着体2から第1剥離フィルム3Aを剥離して、第1粘着剤層5Aの凸面を露出させる。この状態では、粘着体2は、第2剥離フィルム3Bに支持されているので、湾曲形状を維持している。
【0151】
その後、
図3Bに示すように、第1粘着剤層5Aの凸面が湾曲部22の内面に密着するように、粘着体2を設置対象物20の湾曲部22に貼着する。
【0152】
次いで、両面粘着テープ1(粘着体2)から第2剥離フィルム3Bを剥離して、第2粘着剤層5Bを露出させる。そして、第2粘着剤層5Bに、部品21を貼りつける。
【0153】
部品21としては、特に制限されず、例えば、電気・電子部品、自動車用内装部品、自動車用外装部品、住宅用内装部品などが挙げられる。第1実施形態では、部品21は、発泡体からなる自動車用内装部品である。
【0154】
以上によって、両面粘着テープ1による設置対象物20と部品21との接合が完了する。
【0155】
両面粘着テープ1は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、非平面形状を有するように、予め賦形されている。そのため、
図3A〜3Bに示すように、剥離フィルム3を剥離し、露出させた粘着体2を、設置対象物20の非平面形状(湾曲部22)に沿って貼り付けることができる。また、両面粘着テープ1の非平面形状を、設置対象物20の湾曲部22に沿うように予め賦形することにより、粘着体2を、湾曲部22に確実に貼り付けることができる。
【0156】
そのため、設置対象物20の形状が非平面形状であっても、粘着体2と設置対象物20とを確実に密着させることができ、粘着体2にしわが生じることを確実に低減できる。
【0157】
その結果、粘着体2の設置対象物20に対する貼り付け作業の円滑化を図ることができながら、粘着体2が設置対象物20に接着したときに、粘着体2にしわが生じることを低減できる。
【0158】
また、両面粘着テープ1の非平面形状が、設置対象物20の非平面形状に対応しているので、例え、設置対象物20が複雑な形状であっても、粘着体2を設置対象物20に確実に貼り付けることができ、粘着体2の設置対象物20に対する位置決め精度の向上を図ることができる。
【0159】
しかるに、両面粘着テープ1が内装部品の接合に用いられる場合、両面粘着テープ1が外装部品の接合に用いられる場合と比較して、作業スペースを大きく確保することが困難である。このような場合であっても、両面粘着テープ1の非平面形状が、設置対象物20の非平面形状に対応しているので、粘着体2と設置対象物20とを確実に貼り付けることができ、ひいては、設置対象物20と部品21とを確実に接合することができる。
【0160】
また、両面粘着テープ1に切り込みを加える場合と比較して、粘着体2の設置対象物20に対する貼着面積を大きく確保することができ、粘着体2の浮き(隙間)および剥がれを確実に抑制できる。
【0161】
また、
図3A〜
図3Cに示すように、第1剥離フィルム3Aを、粘着体2から剥離するための剥離力と、第2剥離フィルム3Bを、粘着体2から剥離するための剥離力とが異なる。より具体的には、第1剥離フィルム3Aの剥離力は、第2剥離フィルム3Bの剥離力よりも小さい。そのため、第1剥離フィルム3Aを容易に剥離することができる。
【0162】
その結果、両面粘着テープ1が非平面形状を有していても、粘着体2の設置対象物20に対する貼り付け作業において、設置対象物20に貼り付けられる粘着体2の表面(第1粘着剤層5A)を、容易に露出させることができる。よって、粘着体2の設置対象物20に対する貼り付け作業の円滑化を確実に図ることができる。
【0163】
剥離フィルム3は、
図2A〜
図2Cに示すように、熱可塑性ポリマーからなる樹脂フィルムである。そのため、両面粘着テープ1(加工シート9)を加熱すると、剥離フィルム3は軟化し、両面粘着テープ1(加工シート9)は非平面形状を有するように確実に変形する。その後、両面粘着テープ1(加工シート9)を冷却すると、剥離フィルム3は硬化し、両面粘着テープ1は非平面形状を確実に維持する。
【0164】
つまり、両面粘着テープ1(加工シート9)を加熱および冷却することにより、簡易かつ確実に賦形することができる。
【0165】
粘着体2は、
図1Bに示すように、支持層4を備えている。そのため、支持層4は、両面粘着テープ1が非平面形状を有していても、1対の粘着剤層5を確実に保持できる。その結果、粘着体2の粘着剤層5が設置対象物20に接着された状態において、粘着体2に外力が作用しても、粘着剤層5がずれることを低減できる。
【0166】
また、両面粘着テープ1の非平面形状は、
図3A〜
図3Cに示すように、設置対象物20の湾曲部22の内面に沿っている。そのため、粘着体2を湾曲部22に貼着する工程において、粘着体2を湾曲部22に確実に貼着でき、粘着体2にしわが生じることを確実に低減できる。
【0167】
そして、湾曲部22に接着される粘着体2から、第2剥離フィルム3Bを剥離した後、露出した粘着体2に、部品21を貼り付けることにより、設置対象物20と部品21とを確実に接合することができる。
【0168】
また、
図2A〜
図2Dに示すように、加工シート9を、加熱および加圧することにより、非平面形状を有するように形成した後、加圧状態を維持したまま冷却することにより、加工シート9の非平面形状を確実に維持することができる。
【0169】
つまり、加工シート9を、加熱および冷却することにより、確実に賦形することができる。これにより、非平面形状を有する両面粘着テープ1を確実に製造できる。
【0170】
また、剥離フィルム3が熱可塑性ポリマーを含んでいる(好ましくは、熱可塑性ポリマーからなる)ので、
図2Bに示すように、加工シート9を熱可塑性ポリマーの軟化点以上に加熱することにより、剥離フィルム3が、確実に軟化し、非平面形状に形成され、加工シート9を熱可塑性ポリマーの軟化点未満に冷却することにより、剥離フィルム3が、確実に硬化し、非平面形状を維持する。
【0171】
そのため、加工シート9を非平面形状を有するように確実に賦形でき、ひいては、非平面形状を有する両面粘着テープ1をより一層確実に製造できる。
【0172】
4.第2実施形態
次に、
図4を参照して、本発明の両面粘着テープの第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0173】
第1実施形態では、
図1Bに示すように、粘着体2は、支持層4と、1対の粘着剤層5とを備えるが、第2実施形態では、
図4に示すように、粘着体2は、支持層4を有さず、1つの粘着剤層5のみからなる(支持体レス)。つまり、第2実施形態の両面粘着テープ1では、1つの粘着剤層5が、1対の剥離フィルム3の間に挟まれている。
【0174】
第2実施形態において、粘着剤層5の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、50μm以上、例えば、3000μm以下、好ましくは、500μm以下、さらに好ましくは、100μm以下である。
【0175】
このような粘着剤層5は、単層または複層(積層体)のいずれであってもよい。
【0176】
また、剥離フィルム3の厚みは、粘着剤層5の厚みに対して、例えば、50%以上、好ましくは、100%以上、例えば、1000%以下、好ましくは、500%以下である。
【0177】
また、1対の剥離フィルム3(第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3B)のそれぞれの厚みは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0178】
このような両面粘着テープ1においても、第1剥離フィルム3Aを粘着剤層5の下面(凸面)から剥離するための剥離力と、第2剥離フィルム3Bを粘着剤層5の上面(凹面)から剥離するための剥離力とは、互いに同一であってもよく、好ましくは、互いに異なる。
【0179】
より詳しくは、第1剥離フィルム3Aを粘着剤層5の凸面から剥離するための剥離力は、第2剥離フィルム3Bを粘着剤層5の凹面から剥離するための剥離力よりも小さい。
【0180】
なお、第1剥離フィルム3Aを粘着剤層5から剥離するための剥離力は、上記の第1剥離フィルム3Aを第1粘着剤層5Aから剥離するための剥離力と同様であり、第2剥離フィルム3Bを粘着剤層5から剥離するための剥離力は、第2剥離フィルム3Bを、第2粘着剤層5Bから剥離するための剥離力と同様である。
【0181】
このように第1剥離フィルム3Aの剥離力と、第2剥離フィルム3Bの剥離力とを互いに異ならせる方法としては、例えば、粘着剤層5を複層(積層体)として形成し、それら複層のそれぞれを互いに異なる粘着剤から形成する方法、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの厚み方向の内面を、互いに異なる離型剤で処理する方法、一方の剥離フィルム3(第1剥離フィルム3Aまたは第2剥離フィルム3B)を、樹脂フィルムに離型処理した剥離フィルムから構成し、他方の剥離フィルム3を、離型処理していないポリオレフィンフィルムから構成する方法、互いに厚さの異なる樹脂フィルムを1対の剥離フィルム3とする方法などが挙げられる。
【0182】
つまり、粘着剤層5の複層のそれぞれを互いに異なる粘着剤から形成すれば、複層のそれぞれの粘着力を互いに異ならせることができるので、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの剥離力を互いに異ならせることができる。
【0183】
また、粘着剤層5が単層であっても、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの厚み方向の内面を、互いに異なるように離型処理すれば、第1剥離フィルム3Aおよび第2剥離フィルム3Bのそれぞれの剥離力を互いに異ならせることができる。
【0184】
このような両面粘着テープ1を製造するには、粘着剤層5と、1対の剥離フィルム3とを備える加工シートを調製する。加工シートを調製するには、第1剥離フィルム3Aの上面に粘着剤層5を、例えば、公知の塗工方法(例えば、公知のコーターによる塗工)などにより塗工する。その後、第2剥離フィルム3Bを、粘着剤層5の上面に貼着する。これによって、加工シートが調製される。
【0185】
そして、上記第1実施形態と同様に、加工シートの少なくとも一部を、加熱および加圧した後、冷却し、続いて、加工シートから両面粘着テープ1を切り出す。
【0186】
これにより、第2実施形態に係る両面粘着テープ1が調製される。
【0187】
第2実施形態によれば、粘着体2が粘着剤層5のみからなるので、粘着体2の柔軟性の向上を図ることができ、粘着体2と設置対象物20の湾曲部22とを確実に密着させることができる。
【0188】
5.第3実施形態および第4実施形態
次に、
図5Aおよび
図5Bを参照して、本発明の両面粘着テープの第3実施形態および第4実施形態について説明する。なお、第3実施形態および第4実施形態では、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0189】
第1実施形態では、
図1Aに示すように、両面粘着テープ1は、その全体が非平面形状として形成され、下方に向かって突出する湾曲形状を有しているが、両面粘着テープ1の形状は、その少なくとも一部が非平面形状であれば、特に制限されない。
【0190】
例えば、第3実施形態では、両面粘着テープ1は、上方に向かって開放される椀状(カップ状)に形成されている。
【0191】
また、第4実施形態では、両面粘着テープ1は、非平面形状の一例としての非平面部26と、平面部25とを有している。
【0192】
非平面部26は、両面粘着テープ1の平面視略中央に配置されており、下方に向かって凹む円弧形状を有している。
【0193】
平面部25は、両面粘着テープ1の周縁部であって、平面視において、非平面部26を囲んでいる。平面部25は、XY平面に沿うように形成されており、非平面部26の全周縁から径方向外側に向かって広がっている。
【0194】
6.第5実施形態
次に、
図6を参照して、本発明の両面粘着テープの第5実施形態について説明する。
【0195】
第1実施形態では、
図1Bに示すように、粘着体2と、1対の剥離フィルム3とを備え、粘着体2は、支持層4と、1対の粘着剤層5とを備えてなり、両面粘着テープ1は、複層となっているが、第5実施形態では、
図6に示すように、単層となっている。
【0196】
すなわち、本実施形態に係る両面粘着テープ1Aは、
図6に示すように、粘着体2Aのみで構成されている。この粘着体2Aは、絶縁性を有する材料と、熱可塑性粘着剤と、アラミド系熱可塑性樹脂とが混練されて形成されている。
【0197】
このような両面粘着テープ1Aを製造するには、まず、粘着体2Aを備える加工シートを調製する。
【0198】
そして、上記第1実施形態と同様に、加工シートの少なくとも一部を、加熱および加圧した後、冷却し、続いて、加工シートから両面粘着テープ1Aを切り出す。これにより、本実施形態に係る両面粘着テープ1Aが調製されることとなる。なお、両面粘着テープ1Aを、非平面形状を有するように賦形させるには、加熱により軟化させ、所望の形状にした後、その状態を維持させるために冷却しないといけないことから、熱可塑性粘着剤と、アラミド系熱可塑性樹脂との軟化温度の範囲、あるいは、溶融開始温度の範囲が重なっていることが条件となる。
【0199】
ところで、このような両面粘着テープ1Aは、絶縁紙として使用されるものであり、主に、AC/DCコンバータ,DC/DCコンバータ,インバータ,充電器などの被着体で使用される。そのため、そのような箇所で使用するにあたっては、耐熱温度,耐電圧,耐トラッキング性能を有したものでなければならないため、両面粘着テープ1Aは、そのような性能を有したもので構成されるのが好ましい。このようにすれば、絶縁機能を求められる被着体に使用することができ、もって、絶縁性を持たせたい部材同士を離間することで絶縁性を持たせる(空間絶縁)という従来の設計手法によらずに設計することができるため、被着体のサイズをより小型化することができる。
【0200】
また、絶縁紙としては、絶縁性を有する材料を有していれば良いため、本実施形態に係らず、第1,3,4実施形態に係る両面粘着テープ1を使用することも可能である。すなわち、支持層4に絶縁紙を用いるようにすれば、絶縁紙として使用することができる。なお、本実施形態においては、粘着体2A内に絶縁性を有する材料を混練するようにしたが、絶縁紙として使用しないのであれば、絶縁性を有する材料を混練しなくとも良い。
【0201】
7.変形例
上記の第1実施形態〜第4実施形態では、
図2A〜
図2Dに示すように、粘着体2および1対の剥離フィルム3を備える加工シート9を準備した後、加工シート9の一部を、賦形装置10により、非平面形状に賦形して、両面粘着テープ1を製造するが、両面粘着テープ1の製造方法は、これに限定されない。
【0202】
例えば、1対の剥離フィルム3のそれぞれを、別々に、賦形装置10により非平面形状に賦形した後、それら剥離フィルム3の間に、別途準備した粘着体2を挟むことによって、両面粘着テープ1を製造することができる。
【0203】
しかし、このような製造方法では、非平面形状をそれぞれ有する1対の剥離フィルム3の間に、粘着体2を挟む必要があり、製造作業が煩雑である。また、1対の剥離フィルム3のそれぞれを別途賦形するため、それら剥離フィルム3の非平面形状部分のそれぞれに寸法誤差が生じる場合がある。そのため、上記の第1実施形態〜第4実施形態のように、粘着体2および1対の剥離フィルム3(加工シート9)を一括して、非平面形状に賦形することが、作業効率および寸法誤差の観点から好ましい。
【0204】
なお、これら第1実施形態〜第5実施形態および変形例のそれぞれは、適宜組み合わせることができる。
【0205】
このような両面粘着テープ1,1Aは、例えば、各種産業製品の構造部材などの接合に用いられ、より具体的には、電気・電子部品、自動車用内装部品、自動車用外装部品、住宅用内装部品などの接合に好適に用いられる。