(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィンガーボードにドットマトリクスからなる発光源を埋め込んだ演奏教習用ギターと、該演奏教習用ギターに接続された演算制御装置を備えるギター演奏教習システムであって、前記演算制御装置が
和音を入力する処理を実行する和音入力手段と、
前記和音の各音程間のインターバルに応じてフィンガーボード上のルートからの音の位置を定義した選択アドレス表を用いて、前記和音入力手段によって入力された前記和音の各音程の前記フィンガーボード上の位置を決定する音程選択位置決定手段と、
前記音程選択位置決定手段が決定した各音程の位置から数字ダイアグラムを作成する数字ダイアグラム作成手段と、
前記数字ダイアグラム作成手段が作成した前記数字ダイアグラムを図形に変換する図形変換手段と、
前記図形変換手段が変換した前記図形を前記ドットマトリクスに表示させる信号を発信する表示手段
とを有することを特徴とするギター演奏教習システム。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習システムの主要部の概略構成を示す模式的なブロック図である。
【
図2】
図1に示した第1の実施形態に係るギター演奏教習システムを構成する演奏教習用ギターの主要部の概略構成を示す模式的な平面図である。
【
図3】
図2に示した奏教習用ギターのタッチパネルとタッチパネルに接続される回路構成の概略を説明する模式的なブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するフローチャートである。
【
図5】25本のフレットを有する6弦のギターのフィンガーボード上の音の位置を英字表示で示したデータを示す図である。
【
図6】
図5に対応する五線譜上の音の位置を示すデータを示す図である。
【
図7】
図5に示したフィンガーボード上の音の位置を、1〜156の整数値に変換したデータを示す図である。
【
図8】
図8(a)は、フィンガーボード上のソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトC
2=8,33,64,95,126、テノールE
2=16,47,78、バスA
1=36の音の位置を示す英字を丸で囲んで示した、英字表示のデータを示す図で、
図8(b)は、
図8(a)に対応する整数値データを示す図である。
【
図9】
図7及び
図8(b)の整数値データを、上から、A,B,C,D,E,Fの4列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図10】フィンガーボード上の音の位置を示す数字ダイアグラムをX−Y座標に変換するデータを示す図である。
【
図11】スケールトレーニングのプログラムを選択した場合に、モニター(表示装置)画面上に表示される楽譜とスケールダイアグラムの一例を模式的に説明する図である。
【
図12】
図11に対応して、
図11と同時にフィンガーボード上にスケールダイアグラムが表示される様子を模式的に説明する図である。
【
図13】西洋古典音楽の協和音(コード)のトレーニングのプログラムを選択した場合に、モニター(表示装置)の画面上に表示される楽譜とスケールダイアグラムの一例を模式的に説明する図である。
【
図14】
図13に対応して、
図13と同時にフィンガーボード上に、和音記号Iの和音のダイアグラムが表示される様子を模式的に説明する図である。
【
図15】タイミング的に、
図13より進行した状況における、協和音(コード)のトレーニングのプログラムの楽譜とダイアグラムがモニター(表示装置)の画面上に表示される様子を説明する図である。
【
図16】
図15に対応して、
図15と同時にフィンガーボード上に、ダイアグラムが表示される様子を模式的に説明する図であり、和音記号Iの和音(フォーム)を指が押弦した状態で、更に、和音記号IV
7の和音のダイアグラムが追加して表示されることを説明している。
【
図17】タイミング的に、
図15より進行した状況における、協和音(コード)のトレーニングのプログラムの楽譜とダイアグラムがモニター(表示装置)の画面上に表示される様子を説明する図である。
【
図18】
図17に対応して、
図17と同時にフィンガーボード上に、ダイアグラムが表示される様子を模式的に説明する図であり、和音記号IV
7の和音に引き続き、和音記号V
73の和音が時間の進行に伴って追加表示され、
図14で表示された和音記号Iの和音のダイアグラムが消えるように動作を説明する図である。
【
図19】本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、和音入力手段が、モニターの画面に表示された五線譜上に入力した和音の一例を説明する図である。
【
図20】
図19に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトC
2=8,33,64,95,126、テノールE
2=16,47,78、バスA
1=36の音の位置を示す図である。
【
図21】第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、
図20に示した各音の分布図から、順列作成手段が作成した順列の一例を説明する図である。
【
図22】
図21(d)と
図21(e)をまとめて、(A)〜(Q)の17通りの順列が列挙されることを説明する図である。
【
図23】第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、
図22に示した17通りの順列の内、数字ダイアグラム作成手段が、(A)〜(I)の9通りの順列について、それぞれ対応させて作成した9個の数字ダイアグラムを示す図である。
【
図24】第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、
図22に示した17通りの順列の内、数字ダイアグラム作成手段が、残りの(J)〜(Q)の8通りの順列について、それぞれ対応させて作成した8個の数字ダイアグラムを示す図である。
【
図25】第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、
図23に示した(A)〜(I)の9個の数字ダイアグラムを、図形変換手段がドットの配列で表現したダイアグラムを示す図である。
【
図26】第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、
図24に示した(J)〜(Q)の8個の数字ダイアグラムを、図形変換手段がドットの配列で表現したダイアグラムを示す図である。
【
図27】第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、
図23及び
図24に示したダイアグラムを。表示手段が優先順位をつけ、この優先順位に従って、整理して、モニターの画面上及びフィンガーボード上に表示させる、17個のダイアグラムを示す図である。
【
図28】本発明の第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習システムを構成するギター演奏教習データ作成装置のハードウェア資源の論理的な構成を説明するブロック図である。
【
図29】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法となる楽譜の導出方法を説明するフローチャートである。
【
図30】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法により、
図30(a)に示すダイアグラムが、
図30(b)に示すような音符に変換されることを説明する図である。
【
図31】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、
図31(a)に示すダイアグラムの各ドットの位置座標が、
図31(b)に示すような、アドレスの数字表示に変換されることを示す図である。
【
図32】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、
図32(a)に示すダイアグラムの各ドットの位置座標が、
図32(b)に示すような、アドレスの数字表示に変換されることを示す図である。
【
図33】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法を説明として、アドレス英字表示変換手段が、
図31(b)に示すアドレスの数字表示を
図33(a)に示すアドレスの英字表示に変換し、
図32(b)に示すアドレスの数字表示を
図33(b)に示すアドレスの英字表示に変換することを説明する図である。
【
図34】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法を説明として、音符変換手段が、
図34(a)に示した音のアドレスの英字表示のデータを、
図34(b)に音符に変換することを説明する図である。
【
図35】第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法を説明として、音符変換手段が、
図35(a)に示した音のアドレスの英字表示のデータを、
図35(b)に音符に変換することを説明する図である。
【
図36】本発明のその他の実施形態に係るギター演奏教習システムの主要部の概略構成を示す模式的なブロック図である。
【
図37】本発明の、更に他の実施形態に係るギター演奏教習システムの主要部の概略構成を示す模式的なブロック図である。
【
図38】本発明の第2の実施形態に係るギター演奏教習システムを構成するギター演奏教習データ作成装置のハードウェア資源の論理的な構成を説明するブロック図である。
【
図39】第2の実施形態の変形例に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するフローチャートである。
【
図40】第2の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、和音入力手段が、モニターの画面に表示された五線譜上に入力した和音の一例を説明する図である。
【
図41】
図41(a)は、
図40に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトD
2=20,45,76,107,138、テノールB
2=2,27,58,89,120、バスF
2=22,53,84の英字表示で示したデータを、テノールB
2=2,27,58,89,120に着目して示す図、
図41(b)は、
図41(a)に対応するフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換して示すデータ、
図41(c)は、
図41(b)の整数値データを、A,B,C,D,E,Fの各列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図42】
図42(a)は、
図40に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトD
2=20,45,76,107,138、テノールB
2=2,27,58,89,120、バスF
2=22,53,84の英字表示で示したデータを、アルトD
2=20,45,76,107,138に着目して示す図、
図42(b)は、
図42(a)に対応するフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換して示すデータ、
図42(c)は、
図42(b)の整数値データを、A,B,C,D,E,Fの各列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図43】
図43(a)は、
図40に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトD
2=20,45,76,107,138、テノールB
2=2,27,58,89,120、バスF
2=22,53,84の英字表示で示したデータを、ソプラノA
3=31,62,87,118,149に着目して示す図、
図43(b)は、
図43(a)に対応するフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換して示すデータ、
図43(c)は、
図43(b)の整数値データを、A,B,C,D,E,Fの各列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図44】
図39に示したフローチャートに従って、ステップS306において、図形変換手段が作成した94個のダイアグラムの内、3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合のA〜Jの10通りの順列に対応する10個の図形を示す図である。
【
図45】
図39に示したフローチャートに従って、ステップS306において、図形変換手段が作成した94個のダイアグラムの内、3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合のK〜Tの10通りの順列に対応する10個の図形を示す図である。
【
図46】
図39に示したフローチャートに従って、ステップS306において、図形変換手段が作成した94個のダイアグラムの内、3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合のU〜Z,a〜dの10通りの順列に対応する10個の図形を示す図である。
【
図47】
図47(a)は、第2の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法において、フレット数による篩分けをした後、優先順位を決定する第1準則を説明する図で、
図47(b)は、3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合の4弦ルート、8フレットのF
2=53をルート(根音)とした場合の5弦ルート、13フレットのF
2=84をルート(根音)とした場合の6弦ルートを定義する図である。
【
図48】第2の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法の優先順位を決定する第1準則に従い、「5弦ルート(
図48(a)」→「6弦ルート(
図48(b)」→「4弦ルート(
図48(c)」の順に配列された英字表示で示したデータを示す図である。
【
図49】開放弦をルートとする場合の、第2の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、和音入力手段が、モニターの画面に表示された五線譜上に入力した和音を示す図である。
【
図50】
図50(a)は、
図49に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトC
2=8.33,64,95,126、テノールF
2=16,47,78、バスA
1=5,30の英字表示で示したデータを、テノールF
2=16,47,78に着目して示す図、
図50(F)は、
図50(a)に対応するフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換して示すデータ、
図50(c)は、
図50(F)の整数値データを、A,F,C,C,E,Fの各列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図51】
図51(a)は、
図49に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトC
2=8.33,64,95,126、テノールF
2=16,47,78、バスA
1=5,30の英字表示で示したデータを、アルトC
2=8.33,64,95,126に着目して示す図、
図51(F)は、
図51(a)に対応するフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換して示すデータ、
図51(c)は、
図51(F)の整数値データを、A,F,C,C,E,Fの各列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図52】
図52(a)は、
図49に示した和音に対応する各音の分布図として、分布図作成手段が作成したソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトC
2=8.33,64,95,126、テノールF
2=16,47,78、バスA
1=5,30の英字表示で示したデータを、ソプラノA
3=31,62,87,118,149に着目して示す図、
図52(F)は、
図52(a)に対応するフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換して示すデータ、
図52(c)は、
図52(F)の整数値データを、A,F,C,C,E,Fの各列の横1列の数列にリスト化したデータを示す図である。
【
図53】開放弦をバス(BASS)とする場合において、図形変換手段が作成した16個のダイアグラムの内、A〜Hの8通りの順列に対応する8個の図形を示す図である。
【
図54】開放弦をバス(BASS)とする場合において、図形変換手段が作成した16個のダイアグラムの内、残りのI〜Pの8通りの順列に対応する8個の図形を示す図である。
【
図55】
図55(a)は、五線譜上に音域Iに含まれる音の位置を示す図で、
図55(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に1箇所示された音域Iに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図56】
図56(a)は、五線譜上に音域IIに含まれる音の位置を示す図で、
図56(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に2箇所示された音域IIに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図57】
図57(a)は、五線譜上に音域IIIに含まれる音の位置を示す図で、
図57(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に3箇所示された音域IIIに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図58】
図58(a)は、五線譜上に音域IVに含まれる音の位置を示す図で、
図58(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に4箇所示された音域IVに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図59】
図59(a)は、五線譜上に音域Vに含まれる音の位置を示す図で、
図59(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に5箇所示された音域Vに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図60】
図60(a)は、五線譜上に音域VIに含まれる音の位置を示す図で、
図60(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に6箇所示された音域VIに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図61】
図61(a)は、五線譜上に音域VIIに含まれる音の位置を示す図で、
図61(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に5箇所示された音域VIIに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図62】
図62(a)は、五線譜上に音域VIIIに含まれる音の位置を示す図で、
図62(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に4箇所示された音域VIIIに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図63】
図63(a)は、五線譜上に音域IXに含まれる音の位置を示す図で、
図63(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に3箇所示された音域IXに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図64】
図64(a)は、五線譜上に音域Xに含まれる音の位置を示す図で、
図64(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に2箇所示された音域Xに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図65】
図65(a)は、五線譜上に音域XIに含まれる音の位置を示す図で、
図65(b)は、6弦のギターのフィンガーボード上に1箇所示された音域XIに含まれる音の位置を、英字表示データとして示す図である。
【
図66】本発明の第3の実施形態に係るギター演奏教習システムを構成するギター演奏教習データ作成装置のハードウェア資源の論理的な構成を説明するブロック図である。
【
図67】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するフローチャートである。
【
図68】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、入力した和音を例示的に示す図である。
【
図69】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するために、
図68の和音を積音表示で示す図である。
【
図70】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を簡略化して説明するために用いる全調性記号を説明する図である。
【
図71】バスからテノール間のインターバルが3度、テノールからアルト間のインターバルが3度、アルトからソプラノ間のインターバルが3度の積音程表示示された和音の構造を説明する図である。
【
図72】
図71に示したバスからテノール間のインターバルが3度、テノールからアルト間のインターバルが3度、アルトからソプラノ間のインターバルが3度の積音程表示示された和音が、8種類のコードを含むことを説明する図である。
【
図73】7つの所属調と対応する7つのコード番号の関係を説明する図である。
【
図74】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法に用いる「定義ゼロ」を説明する図である。
【
図75】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するための図であり、D
1をバス)として、テノール音をそれぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度と順に積み上げた2声体を横一列に配列した図を示す。
【
図76】
図75の2声体の各音に、アルト音をそれぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げた77種の3声体を2次元マトリクス上に表現した図である。
【
図77】
図76の77種の3声体の各音に、ソプラノ音をそれぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げた4声体のうちの一部を、2次元マトリクスとして部分表示する図である(その1)。
【
図78】
図76の77種の3声体の各音に、ソプラノ音をそれぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げた4声体のうちの他の一部を、
図77と同様な2次元マトリクスとして部分表示する図である(その2)。
【
図79】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するための図であり、横方向に配列したD
1〜Gb
2の7つの音それぞれについて、定義Iに基づく番号表を示している。
【
図80】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明する前提となるギターの各弦間の音程を説明する図である。
【
図81】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法に用いる「定義I」となる各音程の選択アドレス表を説明する図である。
【
図82】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法に用いる「定義II」を説明する図である。
【
図83】第3の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明するための図であり、長調の場合における、Cを基調としたダイアトニック音階上の各音の記譜上の変化と、実質的な変化との関係を示している。
【
図84】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その1)。
【
図85】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その2)。
【
図86】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その3)。
【
図87】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その4)。
【
図88】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その5)。
【
図89】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その6)。
【
図90】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その7)。
【
図91】第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られたフォームを例示的に示す図である(その8)。
【
図92】本発明のその他の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法の要部の一部を説明するフローチャートである。
【
図93】
図93(b)は、
図92に示したフローチャートで示されるギター演奏教習データの作成方法において、あらかじめ、データベースに入力されるダイアグラムの例であり、
図93(a)は
図93(b)に対応してダイアグラムとともにデータベースに入力される和音を示す図である(その1)。
【
図94】
図94(b)は、
図92に示したフローチャートで示されるギター演奏教習データの作成方法において、あらかじめ、データベースに入力されるダイアグラムの例であり、
図94(a)は
図94(b)に対応してダイアグラムと共にデータベースに入力される和音を示す図である(その2)。
【
図95】
図95(b)は、
図92に示したフローチャートで示されるギター演奏教習データの作成方法において、あらかじめ、データベースに入力されるダイアグラムの例であり、
図95(a)は
図95(b)に対応してダイアグラムと共にデータベースに入力される和音を示す図である(その3)。
【
図96】
図96(b)は、
図92に示したフローチャートで示されるギター演奏教習データの作成方法において、あらかじめ、データベースに入力されるダイアグラムの例であり、
図96(a)は
図96(b)に対応してダイアグラムと共にデータベースに入力される和音を示す図である(その4)。
【
図97】
図97(b)は、
図92に示したフローチャートで示されるギター演奏教習データの作成方法において、あらかじめ、データベースに入力されるダイアグラムの例であり、
図97(a)は
図97(b)に対応してダイアグラムと共にデータベースに入力される和音を示す図である(その5)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。又、以下に示す第1〜第3の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、例示した和音、演奏教習用ギターの構成部品の形状、構造、配置、弦の数、フレットの本数等を下記のものに特定するものでない。特に、各図に表示した音符については、本来ならば全音符で記譜すべきであるが、分かりやすくするため、四分音符の旗なしで記譜しているものが含まれている。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習システムは、
図1に示すように演奏教習用ギター(トレーニングギター)11と、演奏教習用ギター11に配線32を介して接続されたインターフェイス21aと、インターフェイス21aに配線35を介して接続されたギター演奏教習データ作成装置22と、ギター演奏教習データ作成装置22に配線37を介して接続されたモニター(表示装置)23aと、インターフェイス21aに配線34を介して接続されたMIDIキーボード等のピアノ鍵盤型キーボード15とを備える。演奏教習用ギター11とピアノ鍵盤型キーボード15とは、互いに配線33を介して接続されている。更に、演奏教習用ギター11には配線31を介してヘッドフォン16aが接続され、ピアノ鍵盤型キーボード15には配線36を介してヘッドフォン16bが接続されている。
【0017】
図1に示す通り、ギター演奏教習データ作成装置22は、和音を入力する処理を実行する和音入力手段221と、和音入力手段221によって入力された和音の各音を、演奏教習用ギター11のフィンガーボード上の音のアドレスと照らし合わせて、各音の分布図を作成する分布図作成手段222と、分布図作成手段222が作成した分布図から順列を作成する順列作成手段223と、順列作成手段223が作成した順列から各組み合わせの数字ダイアグラムを作成する数字ダイアグラム作成手段224と、数字ダイアグラム作成手段224が作成した数字ダイアグラムを図形に変換する図形変換手段225と、図形変換手段225が変換したすべての数字ダイアグラムの図形に優先順位をつけ、図形を整理して表示させる信号を発信する表示手段226を有する演算制御装置(CPU)220aを備えるプロセッサである。例えば、ギター演奏教習データ作成装置22は、パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータシステムで実現することができるが半導体チップ等のモノリシックICの形態や、ハイブリッドICやモジュールの形態で実現してもよい。PCでギター演奏教習データ作成装置22を構成した場合は、モニター23aがギター演奏教習データ作成装置22に内蔵、若しくはギター演奏教習データ作成装置22と一体に構成されていてもよい。一方、モノリシックIC、ハイブリッドICやモジュールの形態でギター演奏教習データ作成装置22を構成した場合は、ギター演奏教習データ作成装置22をモニター23aの内部に実装したり、演奏教習用ギター11の内部に実装したりすることも可能である。
【0018】
図示を省略しているが、通常のコンピュータシステムと同様に、本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22には、プログラム記憶装置やデータ記憶装置が接続、若しくは内蔵されている。これらのプログラム記憶装置やデータ記憶装置は、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどで構成することができる。したがって、
図1に示した和音入力手段221、分布図作成手段222、順列作成手段223、数字ダイアグラム作成手段224、図形変換手段225、表示手段226を駆動制御して、第1の実施形態に係るギター演奏教習システムに用いるギター演奏教習データを作成させるギター演奏教習データ作成プログラムは、ギター演奏教習データ作成装置22を構成するコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。一方、ギター演奏教習データ作成に必要な種々の入出力データ、パラメータや演算途中のデータ等は、データ記憶装置に記憶させることができる。データ記憶装置には、
図5及び
図8(a)に示したようなフィンガーボード上の音の位置を英字表示で示したデータ、
図6に示すような
図5及び
図8(a)のデータに対応する五線譜上の音の位置を示すデータ、
図7及び
図8(b)に示すような、フィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換したデータ、
図9に示すような、整数値に変換したデータを横1列の数列にリスト化したデータ、
図10に示すような数字ダイアグラムの各位置をX−Y座標に変換するデータ等も格納されている。
【0019】
例えば、本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成プログラムは、コンピュータ読取り可能な外部記録媒体に保存し、この外部記録媒体に記録された内容をギター演奏教習データ作成装置22のプログラム記憶装置に読み込ませることにより、本発明の一連のギター演奏教習データ作成の処理を実行することができる。ここで、「コンピュータ読取り可能な外部記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような媒体などを意味する。具体的には、フレキシブルディスク、CD−ROM,MOディスク、カセットテープ、オープンリールテープなどが「コンピュータ読取り可能な外部記録媒体」に含まれる。例えば、ギター演奏教習データ作成装置22の本体は、フレキシブルディスク装置(フレキシブルディスクドライブ)及び光ディスク装置(光ディスクドライブ)を内蔵若しくは外部接続するように構成できる。フレキシブルディスクドライブに対してはフレキシブルディスクを、又光ディスクドライブに対してはCD−ROMをその挿入口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの外部記録媒体に格納されたプログラムをギター演奏教習データ作成装置22を構成するプログラム記憶装置にインストールすることができる。又、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばROMや、磁気テープ装置としてのカセットテープを外部記録媒体として用いることもできる。更に、外部記録媒体を用いる代わりに、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、ギター演奏教習データ作成プログラムをプログラム記憶装置に格納することが可能である。
【0020】
本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22はPC等のコンピュータスステムで構成可能であるので、図示を省略しているが、PCキーボード、マウス、ライトペン等の入力装置を更に備えていてもよい。具体的には、モニター23a上に表示された五線譜に対してマウスをクリックすることにより音符を入力することができる。又、出力装置としては、
図1に示したモニター23aの他に、プリンタ装置等を備えていてもよい。
【0021】
図2に示すように、第1の実施形態に係るギター演奏教習システムの演奏教習用ギター11は、と、ボディ(胴)123と、ボディ123の左側にネックジョイント(ネックヒール)を介して接続され、上面にフィンガーボードを設けた棹(ネック)122と、棹122の左側先端に接続されたヘッドストック(ヘッド)121を備える。
図2に示すように、第1の実施形態に係るギター演奏教習システムの演奏教習用ギター11は6弦のギターであるので、ヘッドストック121には6本のペグ(糸巻き)124a,124b,…,124fが設けられている。ボディ123の表板(トップ)125の棹122側の位置には弦の振動を電気信号に変換するピックアップ131が設けられ、ピックアップ131から離間して、弦を支え弦の振動をボディ123に伝えるブリッジ132が設けられている。更に、ブリッジ132から離間して、弦をボディ123に固定するテールピース133が設けられている。そして、
図2に示すように、表板125の右上に位置する領域には、タッチパネル(タッチボード)114が表板125の窓部にタッチパネル114の表面を露出して埋め込まれている。タッチパネル114には、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等の種々の方式のポインティングデバイス(入力装置)が採用可能である。抵抗膜方式と静電容量方式は、主に携帯電話やPDAやカーナビなどの小・中型機器に搭載されており、電磁誘導方式は、専用ペンを使用するタブレットPC向けであり、超音波表面弾性波方式と赤外線走査方式は、POSやATMなどの業務機器やFA機器など産業用途の大型機器に採用されているが、いずれのポインティングデバイスもタッチパネル114として使用可能である。又、タッチパネル114は、複数のポイントに同時に触れて入力することができるマルチタッチディスプレイの機能を有していてもよい。
【0022】
棹122の上面にはメイプル、ローズウッド、エポニー等の木材、或いは炭素繊維強化プラスティック等のフィンガーボード(指板)が設けられ、フィンガーボードの表面には、弦に直交する方向に洋銀や真鍮等の金属製の細い棒がフレットとして設けられている。フレットは、フィンガーボード上の弦を押さえる位置に、弦に垂直に取り付ける堅い突起となるように、フィンガーボードの表面に埋め込まれ、フレットとブリッジ132間の弦長変化により音程が決定される。以下の説明では、一例として25本のフレットがフィンガーボードに設けられた場合で、便宜上説明するが、フレットの本数は25本に限定されるものではなく、22本から30本等、ギターの種類により異なるのでフレットの本数は例示に過ぎないことに留意されたい。棹122の上面のフィンガーボードの各フレット間の矩形領域のそれぞれに、
図2に示すように、LED等の発光体…,L
1(m-3),L
1(m-2),L
1(m-1),L
1m,L
1(m+1),…,L
1(m+1),…,L
1(m+2),…,L
1(m+3),…,L
1(m+4),…,L
1(m+5),…,L
1(m+6)がマトリクス状に埋め込まれて発光源111が構成されている。6弦ギターの場合、25本のフレットがあるとすれば、25+1=26個の矩形領域のそれぞれに、6個ずつ発光体L
ijの(i=1〜6の整数;j=1〜26の整数)が埋め込まれるので、合計6×16=156個の発光体L
ijがマトリクス状に埋め込まれる。発光体L
ijがマトリクス状に埋め込まれることにより、第1の実施形態に係るギター演奏教習システムの演奏教習用ギター11では、発光体L
ijを所定の位置で点灯させることにより、所望のギター演奏教習データを表示できる。
【0023】
図3に示すように、ボディ123の内部には、タッチパネル114に接続されたCPU113と、CPU113に接続されたシフトレジスタ等の電子回路112が内蔵されている。LED駆動回路としての電子回路112が、マトリクス状に埋め込まれた発光体L
ijからなる発光源111のLEDドットマトリクス中の任意の発光体L
ijを選択的に所定の位置で点灯させる。LEDドットマトリクスの駆動方式により、電子回路112には公知の種々の回路が採用可能である。CPU113は記憶装置を備え、CPU113の記憶装置には、トレーニングメニューが記憶されている。トレーニングメニューは、例えば、スケール(音階)、コード(和音)、インターバル(旋律的音程)等に分割されている。タッチパネル114を用いてプログラムを選択し、CPU113の記憶装置に記憶されたトレーニングメニューを読み出すことができる。
図1に示したインターフェイス21aは、
図3に示した演奏教習用ギター11のボディ123に内蔵されたCPU113が備えるLEDドットマトリクス中の任意の発光体L
ijを選択的に所定の位置で点灯させるトレーニングプログラムと、
図1に示したギター演奏教習データ作成装置22を動作させるギター演奏教習データ作成プログラムとの同期をとるように機能する。
【0024】
例えば、タッチパネル114を用いてスケールトレーニングのプログラムを選択した場合は、
図1に示したモニター(表示装置)23aの画面には
図11に示す楽譜と共に、ダイアグラムが表示され、このダイアグラムは、同時に
図12に示すように、フィンガーボード上に表示される。則ち、タッチパネル114を用いて発光体L
ijを所定の位置で点灯させるように、電子回路112を駆動させ、電子回路112によって、所望のトレーニングメニューの音のアドレスに従って、ダイアグラムを
図12に示すように、フィンガーボード上に表示させることができる。
【0025】
又、例えば、タッチパネル114を用いて西洋古典音楽の協和音(コード)のトレーニングのプログラムを選択した場合は、
図1に示したモニター(表示装置)23aの画面には
図13に示す上段の楽譜の下に、ダイアグラムが1対1で表示される。
図13では、通常の音楽理論の表示に従って和音記号で和音が示されている。和音記号は主音に対する度数をローマ数字で表されるので、i度音を根音とする三和音をI、ii 度音を根音とする三和音をIIのように示され、七の和音の場合には、ローマ数字の右下に下付文字として7を添え、V
7のよう示される。転回音程の書き方には2通りあるが、
図13では、現在日本で一般的な書き方に従って、右上に上付文字として転回指数を添え、IV
2 のように示されている。
図13の左側中段の位置に示された右向き矢印は、時系列の経過(タイミング)を示す。則ち、
図13の右向き矢印の先端に接するように、矢印に直交する縦線が、協和音(コード)のトレーニングのプログラムの時系列の経過(タイミング)を意味している。
図13の左上(左端)の位置に、符号Aが付された波線が囲む和音記号Iの和音のダイアグラムは、
図13の矢印のタイミングでは、
図14に示すように、フィンガーボード上のヘッドストック121側の位置に表示される。則ち、タッチパネル114を用いて発光体L
ijを所定の位置で点灯させるように、電子回路112を駆動させ、電子回路112によって、所望のトレーニングメニューの音のアドレスに従って、ダイアグラムを
図14に示すように、和音記号Iの和音をフィンガーボード上に表示させることができる。
【0026】
更に、
図15の左側に近い中段の位置に示された右向き矢印は、
図13の右向き矢印よりも右に進行している。則ち、右向き矢印の先端に接するように、矢印に直交する縦線で時系列の経過(タイミング)を示したように、
図15はタイミング的に、
図13より進行した状況を模式的に示すものである。タイミングを除けば、
図15に表示されている内容は、
図13と実質的に同じであり、
図13と同様に、上段に楽譜が示され、上段の楽譜の下に、対応するダイアグラムが1対1で表示されている。但し、
図15の左上から2番目の符号Bが付された波線が囲む和音記号IV
7の和音のダイアグラムが、
図16に示すように、フィンガーボード上のボディ123側の位置に追加して表示される。則ち、指51aによって、
図13の左上の符号Aが付された波線が囲む和音記号Iの和音(フォーム)を押弦した状態で、更に、和音記号IV
7の和音のダイアグラムが、
図16に示すように、フィンガーボード上に追加して表示される。則ち、電子回路112によって、フィンガーボード上に、和音記号Iの和音に引き続き、和音記号IV
7の和音が、時間の進行に伴って追加表示される。
【0027】
更に、
図17の中段の位置に示された右向き矢印は、
図15の右向き矢印よりも更に右側方向に進行している。則ち、右向き矢印の先端に接するように、矢印に直交する縦線で時系列の経過(タイミング)を示したように、
図17はタイミング的に
図15より進行した状況を模式的に示すものである。タイミングを除けば、
図17に表示されている内容は、
図13及び
図15と実質的に同じであり、
図13及び
図15と同様に、上段に楽譜が示され、上段の楽譜の下に、対応するダイアグラムが1対1で表示されている。但し、
図17の左上から3番目の符号Cが付された波線が囲む和音記号V
73の和音のダイアグラムが、
図18に示すようにフィンガーボード上に追加して表示される。
図18に示す時系列の段階では、
図13及び
図15において、フィンガーボード上のヘッドストック121側の位置に表示されていた和音記号Iの和音のダイアグラムは消えている。則ち、
図18に示す時系列のタイミングでは、指51bによって、
図15の左上の符号Bが付された波線が囲む和音記号IV
7の和音(フォーム)を押弦した状態で、更に、和音記号V
73の和音のダイアグラムが、
図18に示すように、フィンガーボード上に追加して表示される。則ち、電子回路112は、フィンガーボード上に、和音記号IV
7の和音に引き続き、和音記号V
73の和音を、時間の進行に伴って追加表示するとともに、和音記号Iの和音のダイアグラムを消すように動作する。
図18から分かるように、符号Bが付された和音記号IV
7の和音(フォーム)を押弦した状態では、和音記号V
73の和音のダイアグラムの一部が指51bによって隠されてしまうので、この場合は、フィンガーボード上ではなく、
図1に示したモニター23aの画面上で、符号Cが付された和音記号V
73の和音のダイアグラムを確認するのが好ましい。
【0028】
<ギター演奏教習データの作成方法>
図4のフローチャート、
図5〜
図10及び
図19〜
図27を用いて、本発明の第1の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明する。なお、以下に述べるギター演奏教習データの作成方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の作成方法により、実現可能であることは勿論である。
【0029】
(イ)先ず、
図1に示したギター演奏教習データ作成装置22に接続されたプログラム記憶装置(図示省略。)に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムを起動する。そして、ギター演奏教習データ作成プログラムは、
図1に示したギター演奏教習データ作成装置22を構成する演算制御装置220aの和音入力手段221を駆動して、ステップS101において、和音を入力する。ここで、プログラム記憶装置に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムには、通常の音楽制作ソフトと同様な五線譜を表示するアプリケーションプログラムが含まれている。よって、
図1に示したモニター(表示装置)23aの画面に、ギター演奏教習データ作成プログラムを用いて五線譜を表示し、モニター23aの画面上の五線譜に対してマウスをクリックしたことにより生成される電気信号を用いて、ギター演奏教習データ作成プログラムは和音入力手段221に和音を、
図19に示すように、順次入力させる。和音入力手段221が入力した和音は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0030】
(ロ)次に、ステップS102において、ギター演奏教習データ作成プログラムは
図1に示した演算制御装置220aの分布図作成手段222に、データ記憶装置から
図5に示したようなフィンガーボード上の音の位置を英字表示で示したデータ、
図6に示したような五線譜上の音の位置を示すデータ、
図7に示したような、フィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換したデータ、及びステップS101において入力した和音を読み出させる。ここで、
図5は、フレットの本数が25本の場合の6弦ギターのフィンガーボード上の音の位置を示す。12フレット〜23フレットまでは、0フレット〜11フレットまでの配列が繰り返され、24,25フレットは、0,1フレットの配列が繰り返されている。
図6は
図5に対応する五線譜上の音の位置を示す。則ち
図6(a)は
図5の第6弦の0フレット(最低音)〜21フレットまで、
図6(b)は
図5の第2弦の3フレット〜23フレットまで、
図6(c)は
図5の第1弦の19フレット〜24フレットまで等の1フレットで半音上がる配列に対応させることができる。そして、
図5及び
図6の各音のアドレスのデータの対応関係と
図7の数値データから、演奏教習用ギター11のフィンガーボード上の音のアドレスと照らし合わせて、
図20に示すような、各音の分布図を作成する。ここで、
図7は、
図5に示したフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に1対1に対応させて変換したデータである。
図20では、各音の分布図としてソプラノ31,62,87,118,149、アルト8,33,64,95,126、テノール16,47,78、バス36が示されている。分布図作成手段222が作成した
図20に示すような分布図は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0031】
(ハ)そして、ステップS103において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220aの順列作成手段223に、データ記憶装置から
図8(a)に示したようなフィンガーボード上の音の位置を英字表示で示したデータ、
図8(b)に示すような、フィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換したデータ、
図9に示すような、整数値に変換したデータを横1列の数列にリスト化したデータ、及びステップS102において作成した分布図を読み出させる。そして、
図8(a),
図8(b),
図9に示す変換データを用いて、分布図作成手段222が作成した分布図から整数値の順列を作成する。
図8(a)は、
図5に示したフィンガーボード上の音の位置を再出しているが、
図20の分布図に対応するソプラノA
3、アルトC
2、テノールE
2、バスA
1の音の位置を○で囲んで示している。
図8(b)は、
図8(a)に示したフィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に1対1に対応させて変換したデータである。
図9は、
図8(b)を横1列の数列にリスト化したデータである。
図9において、上から、A,B,C,D,E,Fの4列の数列のリストが示されている。例えば、
(a)
図20の分布図のバス36(5フレットのA
1=36)をルート(根音)として、テノール16,47,78を検索(選択)する。なお以下において「ルート(根音)」の用語が出現するが、厳密には「バス(BASS)」と記載すべきである。しかしながら、本明細書中では、便宜上「ルート(根音)」の用語を用いることとする。
図9の横1列の数列リストから、テノール78はバス36と同じ、Fの数列リスト上にあり同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、テノール78を削除し、
図21(a)に示すように、バス36に対しテノール16,47を抽出する。
図21(a)に示すように抽出されたテノール16,47は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0032】
(b)
図20の分布図のテノール16から、アルト8,33,64,95,126を検索する。
図9の横1列の数列リストから、アルト64はテノール16と同じ、Dの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト64を削除し、Dの数列リスト上にあるソプラノ118も押弦不可能であり削除する。更に、アルト126はテノール78と同じ、Fの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、アルト126を削除し、
図21(b)に示すように、テノール16に対しアルト8,33,95を抽出する。
図21(b)に示すように抽出されたアルト8,33,95は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0033】
(c)同様に、
図20の分布図のテノール47から、アルト8,33,64,95,126を検索する。
図9の横1列の数列リストから、アルト95はテノール47と同じ、Eの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、アルト95を削除し、Eの数列リスト上にあるソプラノ149も削除する。更に、アルト126はテノール78と同じ、Fの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、アルト126を削除し、
図21(c)に示すように、テノール47に対しアルト8,33,64を抽出する。
図21(b)に示すように抽出されたアルト8,33,64は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0034】
(d)
図20の分布図のアルト8から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図9の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト8と同じ、Bの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、ソプラノ62を削除する(Dの数列リスト上にあったソプラノ118は既に削除されている。)。そして、
図21(d)に示すように、アルト8に対しソプラノ31,87,149を抽出する。
図21(d)に示すように抽出されたソプラノ31,87,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。同様に、
図20の分布図のアルト33から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図9の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト33と同じ、Cの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、ソプラノ87を削除する(Dの数列リスト上にあったソプラノ118は既に削除されている。)。そして、
図21(d)に示すように、アルト33に対しソプラノ31,62,149を抽出する。
図21(d)に示すように抽出されたソプラノ31,62,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0035】
同様に、
図20の分布図のアルト95から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図9の横1列の数列リストから、ソプラノ149はアルト95と同じ、Eの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、ソプラノ149を削除する(Dの数列リスト上にあったソプラノ118は既に削除されている。)。そして、
図21(d)に示すように、アルト95に対しソプラノ31,62,87を抽出する。
図21(d)に示すように抽出されたソプラノ31,62,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0036】
(e)同様に、
図21(c)でテノール47に対しアルト8,33,64を抽出した場合において、
図20の分布図のアルト8から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図9の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト8と同じ、Bの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、ソプラノ62を削除する(Eの数列リスト上にあったソプラノ149は既に削除されている。)。そして、
図21(d)に示すように、アルト8に対しソプラノ31,87,118を抽出する。
図21(d)に示すように抽出されたソプラノ31,87,118は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。同様に、
図20の分布図のアルト33から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図9の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト33と同じ、Cの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、ソプラノ87を削除する(Eの数列リスト上にあったソプラノ149は既に削除されている。又、アルト64と同じ、Dの数列リスト上にあるソプラノ118も削除する。)。そして、
図21(d)に示すように、アルト33に対しソプラノ31,62を抽出する。
図21(d)に示すように抽出されたソプラノ31,62は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。同様に、
図20の分布図のアルト64から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図9の横1列の数列リストから、ソプラノ118はアルト64と同じ、Dの数列リスト上にあり、押弦不可能であるので、ソプラノ118を削除する(Eの数列リスト上にあったソプラノ149は既に削除されている。)。そして、
図21(e)に示すように、アルト64に対しソプラノ31,62,87を抽出する。
図21(e)に示すように抽出されたソプラノ31,62,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0037】
図21(d)と
図21(e)から、
図22に示した(A)〜(Q)の17通りの順列が列挙されることが分かる。順列作成手段223が作成した(A)〜(Q)の17通りの順列は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0038】
(ニ)更に、ステップS104において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220aの数字ダイアグラム作成手段224に、データ記憶装置からステップS103において作成した(A)〜(Q)の17通りの順列を読み出させ、
図8(b)の1〜156の整数値のデータを用いて、順列作成手段223が作成した17通りの順列を、
図23及び
図24に順次示す17個の数字ダイアグラムを、それぞれ作成する。則ち、
図22に示した(A)の順列は、
図23(a)の数字ダイアグラムに対応し、
図22に示した(B)の順列は、
図23(b)の数字ダイアグラムに対応し、
図22に示した(C)の順列は、
図23(c)の数字ダイアグラムに対応し、(中略)…、
図22に示した(I)の順列は、
図23(i)の数字ダイアグラムに対応し、
図22に示した(J)の順列は、
図24(j)の数字ダイアグラムに対応し、
図22に示した(K)の順列は、
図24(k)の数字ダイアグラムに対応し、…(中略)…、
図22に示した(Q)の順列は、
図24(q)の数字ダイアグラムに対応する。数字ダイアグラム作成手段224が作成した17個の数字ダイアグラムは、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0039】
(ホ)更に、ステップS105において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220aの図形変換手段225に、データ記憶装置から
図10に示すような数字ダイアグラムの各位置をX−Y座標に変換するデータ及びステップS104において作成した17個の数字ダイアグラムを読み出させる。そして、
図10に示したフィンガーボード上の音の位置を示す数字ダイアグラムをX−Y座標に変換するデータを用い、数字ダイアグラム作成手段224が作成した17個の数字ダイアグラムを、
図25及び
図26の17個の図形に変換する。
図10に示すX−Y座標変換データを用いると、
図22に示す36=(5.5,0.0),16=(2.5,2.0),8=(1.5,4.0),33=(5.5,3.0),95=(15.5,1.0),31=(5.5.5.0),62=(10.5,4.0),87=(14.5,3.0),149=(24.5,1.0),47=(7.5,1.0),64=(10.5,2.0),118=(19.5,2.0)のX−Y座標となる。そこで、
図23及び
図24に示された17個の数字ダイアグラムに表現された、それぞれの数字のX−Y座標=(a,b)の値を、円の不等式
(X−a)
2+(Y−b)
2 ≦ r
2 ……(1)
に代入し、式(1)が定義する領域で、円を塗りつぶしたドットの形状を形成している。そして、このドットの配列でダイアグラムを作図し、
図25及び
図26の17個の図形に変換する。円を塗りつぶしたドットの作図に際しては、
図2に示したフィンガーボード上のフレットと弦が囲んで定義する1辺の長さ=1の正方形の大きさを考慮している。則ち、フィンガーボード上の正方形一つ分の1/4の大きさの半径の円(ドット)となるように、式(1)においてr=0.25の値を用いている。則ち、
図25(a)のダイアグラムの図形は、
図23(a)の数字ダイアグラムの各数字をr=0.25の円を塗りつぶしたドットの配列で表示した図形に対応し、
図25(b)のダイアグラムの図形は、
図23(b)の数字ダイアグラムの各数字をドットの配列で表示した図形に対応し、
図25(c)のダイアグラムの図形は、
図23(c)の数字ダイアグラムの各数字をドットの配列で表示した図形に対応し、…(中略)…、
図25(i)のダイアグラムの図形は、
図23(i)の数字ダイアグラムの各数字をドットの配列で表示した図形に対応し、
図26(j)のダイアグラムの図形は、
図24(j)の数字ダイアグラムの各数字をドットの配列で表示した図形に対応し、
図26(k)のダイアグラムの図形は、
図24(k)の数字ダイアグラムの各数字をドットの配列で表示した図形に対応し、…(中略)…、
図26(q)のダイアグラムの図形は、
図24(q)の数字ダイアグラムの各数字をドットの配列で表示した図形に対応する。図形変換手段225が変換した17個のダイアグラムの図形は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0040】
(ヘ)そして、ステップS106において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220aの表示手段226に、ステップS105において変換したr=0.25の円を塗りつぶしたドットの配列で表示された17個のダイアグラムの図形を、データ記憶装置から読み出させ、図形変換手段225が変換したすべての図形(ダイアグラム)に優先順位をつける。優先順位は、
図25及び
図26の17個の図形(ダイアグラム)を押弦可能なフォームの順にする。又最優先フォームの図形(ダイアグラム)を1種類選択する。ステップS106では、この優先順位に従って、
図27に示すように整理して、モニター23aの画面上及び棹122の上面のフィンガーボード上にダイアグラムの図形を表示させる信号を発信する。この結果、ステップS106では、更に、モニター23aの画面上及びフィンガーボード上に、
図27に示すような、それぞれドットの配列で表示された17個のダイアグラムの図形が、押弦可能なフォームの順に、順次表示される。なお、
図27では、白黒図面への図示の便宜上、ドットを黒丸で表示し、黒丸の配列でダイアグラムが示されているが、実際のダイアグラムは黒丸で表示される必要はない。例えば、
図2に示した発光体L
ijの2次元マトリクスが赤色LEDの配列で構成されていれば、実際のダイアグラムは赤色のドットで表示され、発光体L
ijの2次元マトリクスが緑色LEDの配列で構成されていれば、実際のダイアグラムは緑色のドットで表示され、発光体L
ijの2次元マトリクスが黄色LEDの配列で構成されていれば、実際のダイアグラムは黄色のドットで表示される等、種々の色のドットの配列でダイアグラムを表現可能である。同様に、モニター23aの画面上においても、任意の色のドットを選択してダイアグラムを図示することが可能である。
【0041】
<ギター演奏教習データ作成プログラム>
図4に示した一連のギター演奏教習データ作成方法の操作は、
図4と等価なアルゴリズムのギター演奏教習データ作成プログラムにより、
図1に示した演算制御装置(CPU)220aを制御して実行できる。既に述べた通り、このギター演奏教習データ作成プログラムは、第1の実施形態に係る演算制御装置(CPU)220aを構成するコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。又、このプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を演算制御装置(CPU)220aのプログラム記憶装置に読み込ませることにより、第1の実施形態に係る一連のギター演奏教習データ作成方法の処理を実行することができる。ここで、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような媒体などを意味する。例えば、演算制御装置(CPU)220aの本体は、フレキシブルディスク装置(フレキシブルディスクドライブ)及び光ディスク装置(光ディスクドライブ)を内蔵若しくは外部接続するように構成できる。フレキシブルディスクドライブに対してはフレキシブルディスクを、又光ディスクドライブに対してはCD−ROMをその挿入口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムを演算制御装置(CPU)220aを構成するプログラム記憶装置にインストールすることができる。又、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばROMや、磁気テープ装置を用いることもできる。更に、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成プログラムをプログラム記憶装置に格納することが可能である。
【0042】
以上の説明の通り、第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22によれば、難解なフィンガーボード上のメカニズムを俯瞰的に数学的にとらえ、ギタリストにとって最も困難な和声のフィンガーボード上での運指のスキル向上に必要な演奏教習用のデータが作成できる。これにより、更に第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22を備えるギター演奏教習システム、第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22を用いたギター演奏教習データ作成方法、及び第1の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22を動作させるためのギター演奏教習データ作成プログラムを提供することができる。
【0043】
(第1の実施形態の変形例)
図示を省略しているが、本発明の第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習システムは、
図1に示した構成と同様に演奏教習用ギター(トレーニングギター)11と、演奏教習用ギター11に配線32を介して接続されたインターフェイス21aと、インターフェイス21aに配線35を介して接続されたギター演奏教習データ作成装置22と、ギター演奏教習データ作成装置22に配線37を介して接続されたモニター(表示装置)23aと、インターフェイス21aに配線34を介して接続されたMIDIキーボード等のピアノ鍵盤型キーボード15とを備える。演奏教習用ギター11とピアノ鍵盤型キーボード15とは、互いに配線33を介して接続されている。更に、演奏教習用ギター11には配線31を介してヘッドフォン16aが接続され、ピアノ鍵盤型キーボード15には配線36を介してヘッドフォン16bが接続されている。
【0044】
しかしながら、
図1に示した和音を入力する処理を実行する和音入力手段221と、演奏教習用ギター11のフィンガーボード上の音のアドレスと照らし合わせて各音の分布図を作成する分布図作成手段222と、分布図作成手段222が作成した分布図から順列を作成する順列作成手段223と、順列作成手段223が作成した順列から各組み合わせの数字ダイアグラムを作成する数字ダイアグラム作成手段224と、数字ダイアグラム作成手段224が作成した数字ダイアグラムを図形に変換する図形変換手段225と、図形変換手段225が図形に変換したすべての数字ダイアグラムに優先順位をつけ、整理して表示させる信号を発信する表示手段226を有する演算制御装置(CPU)220aに加えて、
図28に示すように、楽譜導出用演算制御装置(CPU)220bを更に備え、
図30(a)に示すようなダイアグラムを、
図30(b)に示すような音符に変換することができる。
【0045】
楽譜導出用CPU220bは、
図28に示すように、
図30(a)に示すようなCPU220aが作成したダイアグラムを入力するダイアグラム入力手段231と、ダイアグラム入力手段231の入力したダイアグラムの各ドットの位置座標をそれぞれアドレスの数字(整数値)表示に変換するアドレス数字表示変換手段232と、アドレス数字表示変換手段232が変換したアドレスの数字表示を、更に、アドレスの英字表示に変換するアドレス英字表示変換手段233と、アドレス英字表示変換手段233が変換したアドレスの英字表示を、
図30(b)に示すような音符に変換する音符変換手段234と、音符変換手段234が変換した音符を表示させる信号を発信する表示手段236を備えるプロセッサである。
図28に示したダイアグラム入力手段231、アドレス数字表示変換手段232、アドレス英字表示変換手段233、音符変換手段234、表示手段236も、プログラム記憶装置(図示省略)に記憶されたギター演奏教習データ作成プログラムによって、駆動制御されて、第1の実施形態の変形例に係るギター演奏教習システムに用いるギター演奏教習データが作成される。
【0046】
<楽譜の導出方法>
図29のフローチャート、
図30〜
図34を用いて、本発明の第1の実施形態の変形例に係る楽譜の導出方法を説明する。なお、以下に述べる楽譜の導出方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の作成方法により、実現可能であることは勿論である。
(イ)先ず、
図28に示したギター演奏教習データ作成装置22に接続されたプログラム記憶装置(図示省略。)に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムを起動する。そして、ギター演奏教習データ作成プログラムは、
図28に示したギター演奏教習データ作成装置22を構成する楽譜導出用CPU220bのダイアグラム入力手段231を駆動して、ステップS201において、CPU220aが作成したダイアグラムを入力する。ダイアグラム入力手段231が入力したダイアグラムは、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0047】
(ロ)次に、ステップS202において、ギター演奏教習データ作成プログラムは
図28に示した楽譜導出用CPU220bのアドレス数字表示変換手段232に、データ記憶装置からステップS201において入力したダイアグラムを読み出させ、
図7に示すフィンガーボード上の音の位置座標を1〜156の整数値に対応させたデータを用いて、
図31(a)に示すダイアグラムの各ドットの位置座標を、それぞれ
図31(b)に示すような、アドレスの数字表示に変換し、
図32(a)に示すダイアグラムの各ドットの位置座標を、それぞれ
図32(b)に示すような、アドレスの数字表示に変換する。アドレス数字表示変換手段232が作成した
図31(b)、
図32(b)に示すようなアドレスの数字表示は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0048】
(ハ)そして、ステップS203において、ギター演奏教習データ作成プログラムは楽譜導出用CPU220bのアドレス英字表示変換手段233に、データ記憶装置からステップS202において変換したアドレスの数字表示を読み出させ、
図5に示すフィンガーボード上の音のアドレスの英字表示のデータと、
図7に示す音の位置座標を整数値に対応させたデータとを対応させて、アドレス数字表示変換手段232が変換したアドレスの数字表示からアドレスの英字表示に変換する。
図5は、フレットの本数が25本の場合の6弦ギターのフィンガーボード上の音の位置を、英字表示で示す。アドレス英字表示変換手段233は、
図31(b)に示したアドレスの数字表示を、
図33(a)に示すアドレスの英字表示に変換し、
図32(b)に示したアドレスの数字表示を、
図33(b)に示すアドレスの英字表示に変換する。アドレス英字表示変換手段233が変換した
図33(a)及び
図33(b)に示すような、フィンガーボード上の音のアドレスの英字表示のデータは、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0049】
(ニ)更に、ステップS204において、ギター演奏教習データ作成プログラムは楽譜導出用CPU220bの音符変換手段234に、データ記憶装置からステップS203において変換した、
図33(a)及び
図33(b)に示すようなアドレスの英字表示のデータを読み出させ、
図5に示すフィンガーボード上の音のアドレスの英字表示のデータと
図6に示した五線譜上の音の位置との対応関係から、
図35(a)及び
図35(b)に示すような音符に、それぞれ変換する。この結果、
図34(a)に示した音のアドレスの英字表示のデータが
図34(b)に音符に変換され、
図35(a)に示した音のアドレスの英字表示のデータが
図35(b)に音符に変換される。音符変換手段234が変換した音符は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0050】
(ホ)
図29のフローチャートでは図示を省略しているが、次いで、ギター演奏教習データ作成プログラムは楽譜導出用CPU220bの表示手段236に、ステップS204において変換した音符を、データ記憶装置から読み出させ、モニター23aの画面上にダイアグラムの図形を表示させる信号を発信する。この結果、モニター23aの画面上に、
図34(b)及び
図35(b)に示すような音符が表示される。
【0051】
<ギター演奏教習データ作成プログラム>
図29に示した第1の実施形態の変形例に係る楽譜の導出方法を実行する一連の処理は、
図29と等価なアルゴリズムのギター演奏教習データ作成プログラムにより、
図28に示した演算制御装置(CPU)220aを制御すれば、楽譜を導出することができる。既に述べた通り、このギター演奏教習データ作成プログラムは、第1の実施形態の変形例に係る演算制御装置(CPU)220bを構成するコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。又、このプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を演算制御装置(CPU)220bのプログラム記憶装置に読み込ませることにより、楽譜の導出方法に係る一連のギター演奏教習データ作成方法の処理を実行することができる。更に、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、楽譜の導出方法に係るギター演奏教習データ作成プログラムをプログラム記憶装置に格納することが可能である。
【0052】
(第2の実施形態)
全システムの図示を省略しているが、本発明の第2の実施形態に係るギター演奏教習システムは、
図1に示したのと実質的に同様に、演奏教習用ギター(トレーニングギター)11と、演奏教習用ギター11に配線32を介して接続されたインターフェイス21aと、インターフェイス21aに配線35を介して接続されたギター演奏教習データ作成装置22と、ギター演奏教習データ作成装置22に配線37を介して接続されたモニター(表示装置)23aと、インターフェイス21aに配線34を介して接続されたMIDIキーボード等のピアノ鍵盤型キーボード15とを備える。演奏教習用ギター11とピアノ鍵盤型キーボード15とは、互いに配線33を介して接続されている。更に、演奏教習用ギター11には配線31を介してヘッドフォン16aが接続され、ピアノ鍵盤型キーボード15には配線36を介してヘッドフォン16bが接続されている。
【0053】
図38に示す通り、ギター演奏教習データ作成装置22は、和音を入力する処理を実行する和音入力手段221と、和音入力手段によって入力された和音の各音を、演奏教習用ギター11のフィンガーボード上の音のアドレスと照らし合わせて、各音の分布図を作成する分布図作成手段222と、分布図作成手段222が作成した分布図から順列(組み合わせ)を作成する順列作成手段223と、順列作成手段223が作成した順列から各組み合わせの数字ダイアグラム(アドレスダイアグラム)を作成する数字ダイアグラム作成手段224と、数字ダイアグラム作成手段224が作成した数字ダイアグラムを図形に変換する図形変換手段225と、図形変換手段225が図形に変換したすべての数字ダイアグラムに優先順位をつけるための定義にかけ、最優先ダイアグラムを決定し、整理して表示させる信号を発信する表示手段226と、バス(BASS)から見て上方にある声部の音のアドレスが、同一弦上にある場合、重複するアドレスの音のデータを除外してデータを抽出し、抽出されたアドレスのデータを格納する重複アドレス除外手段227とを有する演算制御装置(CPU)220cを備えるプロセッサである。ここで、重複アドレス除外手段227は、順列作成手段223の内部構造としてのハードウェア資源であっても、順列作成手段223の外部構造としてのハードウェア資源として、順列作成手段223と連携して動作するハードウェア資源でも構わない。重複アドレス除外手段227が順列作成手段223の内部構造として機能する場合は、第2の実施形態に係るギター演奏教習システムの演算制御装置220cは、第1の実施形態に係るギター演奏教習システムの演算制御装置220aと実質的に均等である。
【0054】
第1の実施形態に係るギター演奏教習システムと同様に、第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22は、パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータシステムで実現することができる。PCでギター演奏教習データ作成装置22を構成した場合は、
図1に示したモニター23aがギター演奏教習データ作成装置22に内蔵、若しくはギター演奏教習データ作成装置22と一体に構成されていてもよい。又、図示を省略しているが、第1の実施形態に係るギター演奏教習システムと同様に、本発明の第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22には、プログラム記憶装置やデータ記憶装置が接続、若しくは内蔵されている。したがって、
図38に示した和音入力手段221、分布図作成手段222、順列作成手段223、数字ダイアグラム作成手段224、図形変換手段225、表示手段226、重複アドレス除外手段227を駆動制御して、第2の実施形態に係るギター演奏教習システムに用いるギター演奏教習データを作成させるギター演奏教習データ作成プログラムは、ギター演奏教習データ作成装置22を構成するコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。
【0055】
一方、ギター演奏教習データ作成に必要な種々の入出力データ、パラメータや演算途中のデータ等は、データ記憶装置に記憶させることができる。データ記憶装置には、
図41(a),42(a),43(a)に示したようなフィンガーボード上の音の位置を英字表示で示したデータ、
図41(b),42(b),43(b)に示すような、フィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換したデータ、
図41(c),42(c),43(c)に示すような、整数値に変換したデータを横1列の数列にリスト化したデータ等も格納されている。そして、本発明の第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成プログラムは、コンピュータ読取り可能な外部記録媒体に保存し、この外部記録媒体に記録された内容をギター演奏教習データ作成装置22のプログラム記憶装置に読み込ませることにより、本発明の一連のギター演奏教習データ作成の処理を実行することができる。本発明の第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22はPC等のコンピュータスステムで構成可能であるので、図示を省略しているが、PCキーボード、マウス、ライトペン等の入力装置を更に備えていてもよいこと、或いは、演奏教習用ギター11の構造等他の構成は第1の実施形態に係るギター演奏教習システムと実質的に同様であるので重複した説明を省略する。
【0056】
第2の実施形態に係るギター演奏教習システムのギター演奏教習データ作成装置22を構成する重複アドレス除外手段227は、分布図作成手段222が作成した
図41(a),42(a),43(a)に示すような分布図を基礎として、以下のように、プログラム記憶装置(図示省略。)に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムの命令に従って、バス(BASS)から見て上方にある声部の音のアドレスが、同一弦上にある場合、重複するアドレスの音のデータを除外し、抽出したデータを、順にデータ記憶装置に格納する。以下の記載においても「ルート(根音)」の用語が出現するが、既に述べたように、厳密には「バス(BASS)」と記載すべきである。しかしながら、本明細書中では、便宜上「ルート(根音)」の用語を用いて説明する:
(a)先ず、
図41(a)の分布図のバス22,53,84から、則ち、3フレットのF
2=22,8フレットのF
2=53,13フレットのF
2=84をルート(根音)として、テノールB
2=2,27,58,89,120を検索する。先ず、3フレットのF
2=22,をルート(根音)とした場合、
図41(c)の横1列の数列リストから、テノール58はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、テノール58を削除し、バス22に対しテノール2,27,89,120を抽出する。抽出されたテノール2,27,89,120は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。同様に、8フレットのF
2=53をルート(根音)とした場合、
図41(c)の横1列の数列リストから、テノール89はバス53と同じ、Eの数列リスト上にあり同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、テノール89を削除し、バス53に対しテノール2,27,58,120を抽出する。抽出されたテノール2,27,58,120は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、13フレットのF
2=84をルート(根音)とした場合、
図41(c)の横1列の数列リストから、テノール120はバス84と同じ、Fの数列リスト上にあり同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、テノール120を削除し、バス84に対しテノール2,27,58,89を抽出する。抽出されたテノール2,27,58,89は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0057】
(b)ここで、3フレットのF
2=22,をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出した場合に戻る。則ち、テノール2に着目し、
図42(a)の分布図のテノール2から、アルト20,45,76,107,138を検索する。
図42(c)の横1列の数列リストから、アルト20はテノール2と同じ、Bの数列リスト上にあり、アルト76はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト20、76を削除し、表1に示すようにテノール2に対しアルト45,107,138を抽出する。
【0058】
【表1】
表1に示すように抽出されたアルト45,107,138は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、3フレットのF
2=22,をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出した場合のテノール27に着目し、
図42(a)の分布図のテノール27から、アルト20,45,76,107,138を検索する。
図42(c)の横1列の数列リストから、アルト45はテノール27と同じ、Cの数列リスト上にあり、アルト76はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト45,76を削除し、表2に示すようにテノール27に対しアルト20,107,138を抽出する。
【0059】
【表2】
表2に示すように抽出されたアルト20,107,138は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、3フレットのF
2=22,をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出した場合のテノール89に着目し、
図42(a)の分布図のテノール89から、アルト20,45,76,107,138を検索する。
図42(c)の横1列の数列リストから、アルト107はテノール89と同じ、Eの数列リスト上にあり、アルト76はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト107,76を削除し、表3に示すようにテノール89に対しアルト20,45,138を抽出する。
【0060】
【表3】
表3に示すように抽出されたアルト20,45,138は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、3フレットのF
2=22,をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出した場合のテノール120に着目し、
図42(a)の分布図のテノール120から、アルト20,45,76,107,138を検索する。
図42(c)の横1列の数列リストから、アルト138はテノール120と同じ、Fの数列リスト上にあり、アルト76はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト138,76を削除し、表4に示すようにテノール120に対しアルト20,45,107を抽出する。
【0061】
【表4】
表4に示すように抽出されたアルト20,45,107は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0062】
(c)次に、3フレットのF
2=22をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出し、更に、表1に示すように、テノール2に対しアルト45,107,138を抽出した場合に戻る。先ず、アルト45に着目し、
図43(a)の分布図のアルト45から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト45と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ62はテノール2と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,87,118を削除し、表5に示すようにアルト45に対しソプラノ31,149を抽出する。
【0063】
【表5】
表5に示すように抽出されたソプラノ31,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表1に示すように、テノール2に対しアルト45,107,138を抽出した場合のアルト107に着目し、
図43(a)の分布図のアルト107から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ149はアルト107と同じ、Eの数列リスト上にあり、ソプラノ62はテノール2と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,87,118を削除し、表6に示すようにアルト107に対しソプラノ31,87を抽出する。
【0064】
【表6】
表6に示すように抽出されたソプラノ31,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表1に示すように、テノール2に対しアルト45,107,138を抽出した場合のアルト138に着目し、
図43(a)の分布図のアルト138から、ソプラノ31,87,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ62はテノール2と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,118を削除し、表7に示すようにアルト138に対しソプラノ31,87,149を抽出する。
【0065】
【表7】
表7に示すように抽出されたソプラノ31,87,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。データ記憶装置の内部では自動的に表5〜7のデータがまとめられて、表8のようなデータとなって保存される。
【表8】
【0066】
(d)次に、3フレットのF
2=22をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出し、更に、表2に示すように、テノール27に対しアルト20,107,138を抽出した場合に戻る。先ず、アルト20に着目し、
図43(a)の分布図のアルト20から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト20と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ87はテノール27と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,87,118を削除し、表9に示すようにアルト20に対しソプラノ31,149を抽出する。
【0067】
【表9】
表9に示すように抽出されたソプラノ31,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表2に示すように、テノール27に対しアルト20,107,138を抽出した場合のアルト107に着目し、
図43(a)の分布図のアルト107から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ149はアルト107と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ87はテノール27と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,87,118を削除し、表10に示すようにアルト107に対しソプラノ31,62を抽出する。
【0068】
【表10】
表10に示すように抽出されたソプラノ31,62は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表2に示すように、テノール27に対しアルト20,107,138を抽出した場合のアルト138に着目し、
図43(a)の分布図のアルト138から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ87はテノール27と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ87,118を削除し、表11に示すようにアルト138に対しソプラノ31,62,149を抽出する。
【0069】
【表11】
表11に示すように抽出されたソプラノ31,62,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。データ記憶装置の内部では自動的に表9〜11のデータがまとめられて、表12のようなデータとなって保存される。
【表12】
【0070】
(e)次に、3フレットのF
2=22をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出し、更に、表3に示すように、テノール89に対しアルト20,45,138を抽出した場合に戻る。先ず、アルト20に着目し、
図43(a)の分布図のアルト20から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト20と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ149はテノール89と同じ、Eの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,149,118を削除し、表13に示すようにアルト20に対しソプラノ31,87を抽出する。
【0071】
【表13】
表13に示すように抽出されたソプラノ31,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表3に示すように、テノール89に対しアルト20,45,138を抽出した場合のアルト45に着目し、
図43(a)の分布図のアルト45から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト45と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ149はテノール89と同じ、Eの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,87,118を削除し、表14に示すようにアルト45に対しソプラノ31,62を抽出する。
【0072】
【表14】
表14に示すように抽出されたソプラノ31,62は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表3に示すように、テノール89に対しアルト20,45,138を抽出した場合のアルト138に着目し、
図43(a)の分布図のアルト138から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ149はテノール89と同じ、Eの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,118を削除し、表15に示すようにアルト138に対しソプラノ31,62,87を抽出する。
【0073】
【表15】
表15に示すように抽出されたソプラノ31,62,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。データ記憶装置の内部では自動的に表13〜15のデータがまとめられて、表16のようなデータとなって保存される。
【表16】
【0074】
(f)次に、3フレットのF
2=22をルート(根音)として、テノール2,27,89,120を抽出し、更に、表4に示すように、テノール120に対しアルト20,45,107を抽出した場合に戻る。先ず、アルト20に着目し、
図43(a)の分布図のアルト20から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト20と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,118を削除し、表30に示すようにアルト20に対しソプラノ31,87,149を抽出する。
【0075】
【表17】
表30に示すように抽出されたソプラノ31,87,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表4に示すように、テノール120に対しアルト20,45,107を抽出した場合のアルト45に着目し、
図43(a)の分布図のアルト45から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト45と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ87,118を削除し、表18に示すようにアルト45に対しソプラノ31,62,149を抽出する。
【0076】
【表18】
表18に示すように抽出されたソプラノ31,62,149は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表4に示すように、テノール120に対しアルト20,45,107を抽出した場合のアルト107に着目し、
図43(a)の分布図のアルト107から、ソプラノ31,62,149,87,118,149を検索する。
図43(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ149はアルト107と同じ、Eの数列リスト上にあり、ソプラノ118はバス22と同じ、Dの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,118を削除し、表19に示すようにアルト107に対しソプラノ31,62,87を抽出する。
【0077】
【表19】
表19に示すように抽出されたソプラノ31,62,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。データ記憶装置の内部では自動的に表30〜15のデータがまとめられて、表20のようなデータとなって保存される。
【表20】
更に、データ記憶装置の内部では自動的に表8,12,16,20のデータがまとめられて、3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合は、表21のような30通りのデータとなって保存される。
【表21】
同様にして、8フレットのF
2=53をルート(根音)とした場合は、データ記憶装置の内部に表22のような30通りのデータが保存される。
【表22】
又、同様な手順で、13フレットのF
2=84をルート(根音)とした場合は、データ記憶装置の内部に表23のような34通りのデータが保存される。
【表23】
【0078】
以上の通り、第2の実施形態に係るギター演奏教習システムのギター演奏教習データ作成装置22を構成する重複アドレス除外手段227は、順列作成手段223の内部構造として機能、或いは、順列作成手段223と連携して動作することにより、分布図作成手段222が作成した分布図を基礎として、バス(BASS)から見て上方にある声部の音のアドレスが、同一弦上にある場合、重複するアドレスの音のデータを除外し、抽出したアドレスの音のデータを、順にデータ記憶装置に格納する。この結果、3フレットのF
2=22,8フレットのF
2=53,13フレットのF
2=84をルート(根音)とした場合の合計として、最終的に表21〜表23に示したような、94通りの順列(アドレスデータの組み合わせ)のデータを得ることができる。
【0079】
<ギター演奏教習データの作成方法>
図39のフローチャート、
図40〜
図54を用いて、本発明の第2の実施形態に係るギター演奏教習データの作成方法を説明する。なお、以下に述べるギター演奏教習データの作成方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の作成方法により、実現可能であることは勿論である。
【0080】
(イ)先ず、
図38に示したギター演奏教習データ作成装置22に接続されたプログラム記憶装置(図示省略。)に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムを起動する。そして、ギター演奏教習データ作成プログラムは、
図38に示したギター演奏教習データ作成装置22を構成する演算制御装置220cの和音入力手段221を駆動して、ステップS301において、和音を入力する。ここで、プログラム記憶装置に格納されたギター演奏教習データ作成プログラムには、通常の音楽制作ソフトと同様な五線譜を表示するアプリケーションプログラムが含まれている。よって、
図1に示したモニターと同様なモニターの画面に、ギター演奏教習データ作成プログラムを用いて五線譜を表示し、モニターの画面上の五線譜に対してマウスをクリックしたことにより生成される電気信号を用いて、ギター演奏教習データ作成プログラムは和音入力手段221に和音を、
図40に示すように、順次入力させる。和音入力手段221が入力した和音は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0081】
(ロ)次に、ステップS302において、ギター演奏教習データ作成プログラムは
図38に示した演算制御装置220cの分布図作成手段222に、データ記憶装置から
図41(a).42(a),43(a)に示したフィンガーボード上の音の位置を英字表示で示したデータ、及びステップS301において入力した和音を読み出させる。そして、
図41(a).42(a),43(a)の各音のアドレスのデータと和音入力手段221が入力した和音とを照らし合わせて、各音の分布図を
図41(a).42(a),43(a)上に作成する。
図41(a).42(a),43(a)では、各音の分布図としてソプラノA
3=31,62,87,118,149、アルトD
2=20,45,76,107,138、テノールB
2=2,27,58,89,120、バスF
2=22,53,84に対応する英字表示のアドレスが丸で囲んで示され、他の英字表示のアドレスは見やすくするために、図示を省略している。分布図作成手段222が作成した
図41(a).42(a),43(a)に示すような分布図は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0082】
(ハ)そして、ステップS303において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220cの重複アドレス除外手段227に、データ記憶装置から
図41(b).42(b),43(b)に示すような、フィンガーボード上の音の位置を1〜156の整数値に変換したデータ、
図41(c).42(c),43(c)に示すような、整数値に変換したデータを横1列の数列にリスト化したデータ、及びステップS302において作成した分布図を読み出させる。そして、重複アドレス除外手段227は、順列作成手段223の内部構造として機能、或いは、順列作成手段223と連携して動作することにより、バス(BASS)から見て上方にある声部の音のアドレスが、同一弦上にある場合、重複するアドレスの音のデータを除外し、抽出する。則ち、重複アドレス除外手段227は、分布図作成手段222が作成した分布図を基礎として、3フレットのF
2=22,8フレットのF
2=53,13フレットのF
2=84からなるバス(BASS)から見て上方にある声部の音のアドレスが、同一弦上にある場合、重複するアドレスの音のデータを除外し、抽出したアドレスの音のデータを、順にデータ記憶装置に格納することにより、ステップS304において、最終的に表21〜表23のような94通りの順列(アドレスデータの組み合わせ)のデータを、データ記憶装置に格納して得る。
【0083】
(ニ)更に、ステップS305において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220cの数字ダイアグラム作成手段224に、データ記憶装置からステップS303〜S304において作成した94通りの順列を読み出させ、
図41(b).42(b),43(b)に示したような1〜156の整数値のデータを用いて、重複アドレス除外手段227と順列作成手段223とが作成した94通りの順列を、94個の数字ダイアグラムに変換(表現)して作成する(
図23及び
図24に例示した数字ダイアグラムと同様な数字ダイアグラムを作成する。)。数字ダイアグラム作成手段224が作成した94個の数字ダイアグラムは、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0084】
(ホ)更に、ステップS306において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220cの図形変換手段225に、データ記憶装置から
図10に示したような数字ダイアグラムの各位置をX−Y座標に変換するデータ(第1の実施形態参照。)及びステップS305において作成した94個の数字ダイアグラムを読み出させる。そして、
図10に示したと同様な、数字ダイアグラムをX−Y座標に変換するデータを用い、数字ダイアグラム作成手段224が作成した94個の数字ダイアグラムを、ドットの配列からなるダイアグラムの図形に変換する。8フレットのF
2=53,13フレットのF
2=84をルート(根音)とした場合については、図示を省略しているが、3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合は、A〜Z,a〜dの30通りの順列に対応して、
図44〜46の30個の図形に変換される。この際、第1の実施形態と同様に、数字ダイアグラムに表現された、それぞれの数字のX−Y座標=(a,b)の値を、式(1)が定義した円の不等式が規定する領域で円を塗りつぶして、ドットを描画している。則ち、X−Y座標=(a,b)を中心とする円を定義し、この円を塗りつぶしたドットによって、数字ダイアグラムを、
図44〜46に示すような、ドットの配列からなるダイアグラムの図形として表現し、ダイアグラムを作成している。図形変換手段225が変換した94個のダイアグラムの図形は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0085】
(ヘ)3フレットのF
2=22をルート(根音)とした場合は、
図47(b)に示すように4弦ルートが定義される。又、8フレットのF
2=53をルート(根音)とした場合は、
図47(b)に示すように5弦ルートが定義され,13フレットのF
2=84をルート(根音)とした場合は、6弦ルートが定義される。ステップS307において、ギター演奏教習データ作成プログラムは演算制御装置220cの表示手段226に、ステップS306においてドットの配列で表示された94個のダイアグラムの図形を、データ記憶装置から読み出させ、図形変換手段225が変換したすべての図形(ダイアグラム)に優先順位をつける。ステップS307における優先順位の決定は11個の音域I〜XIに依存する。音域I〜XIによって、どのように優先順位が決められるかの詳細は後述する(第2の実施形態の説明の最後において、
図55〜
図65に11個の音域I〜XIを示しながら、具体的に記載する。)。ここでは、
図47(a)に示したステップS401及びステップS402にしたがって、フレット数による篩分けをし、フレット数が3フレット、5フレット及び7フレットに渡る場合を優先して、第1準則として、「5弦ルート」→「6弦ルート」→「4弦ルート」順に決める場合を例示的に説明する。即ち、ステップS401ではフレット数が3フレット、5フレット及び7フレットであるかを判定し、フレット数が3フレット、5フレット及び7フレットである場合は、ステップS403に進む。ステップS401でフレット数が3フレット、5フレット及び7フレットではないと判定された場合は、ステップS402に進む。こうして、レット数が3フレット、5フレット及び7フレットではない場合はステップS402において1グループに囲まれる。ステップS403〜ステップS405に至る手順で、ステップS403の5弦ルートを決める手順を最優先する理由は、ギタリストにとっては、5弦〜2弦の4本の弦でソプラノ、アルト、テノール、バスの4声部をカバーするのが基本であるからである。次にステップS404の6弦ルートを決める手順が優先される。ステップS405の4弦ルートは合奏などで、バス(BASS)を出せる楽器がある場合に有効であるが、通常は優先順位は低い。ステップS403〜ステップS405が示す第1準則に従って優先順位が決められると、
図48(a)〜(c)に示すように並べられる。表示手段226が優先順位を決める第2準則は、使用フレットの少ない順に並べることである。表示手段226が優先順位を決める第3準則は、使用フレット数が同じ場合は、使用弦が下から並んでいるものを優先することである。表示手段226が優先順位を決める第4準則は、表示ダイアグラム数を例えば、5個づつ等、数を限定して表示することである。ステップS308では、第1準則〜第4準則によって決められる優先順位に従って、モニターの画面上及び棹122の上面のフィンガーボード上にダイアグラムの図形を表示させる信号を発信する。この結果、ステップS308では、更に、モニターの画面上及びフィンガーボード上に94個のダイアグラムの図形が、表示手段226が定めた優先順位にしたがって、順次表示される。
【0086】
<開放弦をバス(BASS)とする場合>
ギターは演奏する上で0フレットの開放弦(最低音)E
1,A
1,D
1,G
2,B
2,E
3を用いる場合がある。開放弦は、低音として使うと響きがよい、オルガンポイントとして使うと効果的、スケールやアルペジオでポジション移動が必要な時に移動を楽にする、コードの一風変わったヴォイシングを可能にする等の特徴がある。よく使われる開放弦としては、「ミ、ラ、レ、ソ、シ、ミ」(E,A,D,G,B,E)や、弦を一音下げた「レ、ラ、レ、ソ、シ、ミ」(D,A,D,G,B,E)がある。和音はルート(根音)を省略する場合もあるが、NRで表示される。根音を省略した場合は、その上の音がルート(根音)として定義される。以下においては、
図1に示したモニターと同様なモニターの画面に五線譜を表示し、モニターの画面上の五線譜に対してマウスをクリックして、和音入力手段221によって、開放弦A
1=5をルート(根音)とする和音が、
図49に示すように入力されたとして、説明する。
【0087】
(a)先ず、
図50(a)の分布図のバス5,30から、則ち、0フレットの開放弦のA
1=5,4フレットのA
1=30をルート(根音)として、テノールF
2=16,47,78を検索する。ここで、0フレットの開放弦のA
1=5をルート(根音)とした場合、
図50(c)の横1列の数列リストから、テノール47はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、テノール47を削除し、バス5に対しテノール16,78を抽出する。
【0088】
(b)次に、テノール16に着目し、
図51(a)の分布図のテノール16から、アルト8,33,64,95,126を検索する。
図51(c)の横1列の数列リストから、アルト64はテノール16と同じ、Dの数列リスト上にあり、アルト95はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト64、95を削除し、表24に示すようにテノール16に対しアルト8,33,126を抽出する。
【0089】
【表24】
表24に示すように抽出されたアルト8,33,126は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、テノール78に着目し、
図51(a)の分布図のテノール78から、アルト8,33,64,95,126を検索する。
図51(c)の横1列の数列リストから、アルト126はテノール78と同じ、Fの数列リスト上にあり、アルト95はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、アルト126,95を削除し、表25に示すようにテノール78に対しアルト8,33,64を抽出する。
【表25】
表25に示すように抽出されたアルト8,33,64は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0090】
(c)次に、0フレットの開放弦のA
1=5をルート(根音)として、テノール16,78を抽出し、更に、表24に示すように、テノール16に対しアルト8,33,126を抽出した場合に戻る。先ず、アルト8に着目し、
図52(a)の分布図のアルト8から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図52(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト8と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ118はテノール16と同じ、Dの数列リスト上にあり、ソプラノ149はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,118,149を削除し、表26に示すようにアルト8に対しソプラノ31,87を抽出する。
【0091】
【表26】
表26に示すように抽出されたソプラノ31,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表24に示すように、テノール16に対しアルト8,33,126を抽出した場合のアルト33に着目し、
図52(a)の分布図のアルト33から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図52(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト33と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ118はテノール16と同じ、Dの数列リスト上にあり、ソプラノ149はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ87,118,149を削除し、表27に示すようにアルト33に対しソプラノ31,62を抽出する。
【0092】
【表27】
表27に示すように抽出されたソプラノ31,62は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表24に示すように、テノール16に対しアルト8,33,126を抽出した場合のアルト126に着目し、
図52(a)の分布図のアルト126から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図52(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ118はテノール16と同じ、Dの数列リスト上にあり、ソプラノ149はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,118を削除し、表28に示すようにアルト126に対しソプラノ31,62,87を抽出する。
【0093】
【表28】
表28に示すように抽出されたソプラノ31,62,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。データ記憶装置の内部では自動的に表26〜28のデータがまとめられて、表29のようなデータとなって保存される。
【表29】
【0094】
(d)次に、0フレットの開放弦のA
1=5をルート(根音)として、テノール16,78を抽出し、更に、表25に示すように、テノール78に対しアルト8,33,64を抽出した場合に戻る。先ず、アルト8に着目し、
図52(a)の分布図のアルト8から、ソプラノ31,62,87,118,149を検索する。
図52(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ62はアルト8と同じ、Bの数列リスト上にあり、ソプラノ149はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ62,149を削除し、表30に示すようにアルト8に対しソプラノ31,62,118を抽出する。
【0095】
【表30】
表30に示すように抽出されたソプラノ31,62,118は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表25に示すように、テノール78に対しアルト8,33,64を抽出した場合のアルト33に着目し、
図52(a)の分布図のアルト33から、ソプラノ31,62,118,87,118,149を検索する。
図52(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ87はアルト33と同じ、Cの数列リスト上にあり、ソプラノ149はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,87を削除し、表31に示すようにアルト33に対しソプラノ31,62,118を抽出する。
【0096】
【表31】
表31に示すように抽出されたソプラノ31,62,118は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、表25に示すように、テノール78に対しアルト8,33,64を抽出した場合のアルト64に着目し、
図52(a)の分布図のアルト64から、ソプラノ31,62,118,87,118,149を検索する。
図52(c)の横1列の数列リストから、ソプラノ118はアルト64と同じ、Dの数列リスト上にあり、ソプラノ149はバス5と同じ、Eの数列リスト上にあり、それぞれ同弦上の配列となるため押弦不可能である。よって、ソプラノ149,118を削除し、表32に示すようにアルト64に対しソプラノ31,62,87を抽出する。
【0097】
【表32】
表32に示すように抽出されたソプラノ31,62,87は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。データ記憶装置の内部では自動的に表30〜32のデータがまとめられて、表33のようなデータとなって保存される。
【表33】
更に、データ記憶装置の内部では自動的に表29と表33のデータがまとめられて、表34のようなA〜Pの16通りのデータとなって保存される。
【表34】
【0098】
以上のように、重複アドレス除外手段227は、分布図作成手段222が作成した分布図を基礎として、0フレットの開放弦のA
1=5,4フレットのA
1=30からなるバス(BASS)から見て上方にある声部の音のアドレスが、同一弦上にある場合、重複するアドレスの音のデータを除外し、抽出したアドレスの音のデータを、順にデータ記憶装置に格納することにより、最終的に表34のような16通りの順列のデータを、データ記憶装置に格納して得る。その後、
図39に示したフローチャートのステップS305において、演算制御装置220cの数字ダイアグラム作成手段224は、データ記憶装置から16通りの順列を読み出し、
図50(b).51(b),52(b)に示したような整数値のデータを用いて、16通りの順列を、16個の数字ダイアグラムに変換(表現)して作成する。数字ダイアグラム作成手段224が作成した16個の数字ダイアグラムは、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、
図39に示したフローチャートのステップS306において、演算制御装置220cの図形変換手段225は、データ記憶装置から
図10に示したような数字ダイアグラムの各位置をX−Y座標に変換するデータ及びステップS305において作成した16個の数字ダイアグラムを読み出す。そして、フィンガーボード上の音の位置を示す数字ダイアグラムをX−Y座標に変換するデータを用い、数字ダイアグラム作成手段224が作成した16個の数字ダイアグラムを、ドットの配列からなるダイアグラムの図形に変換する。則ち、表34のA〜Pの16通りの順列に対応して、
図53,54の16個の図形に変換される。この際、第1の実施形態と同様に、式(1)が定義した円の不等式が規定する領域で円を塗りつぶして、ドットを描画する。図形変換手段225が変換した16個のダイアグラムの図形は、ギター演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0099】
そして、
図39に示したフローチャートのステップS307において、演算制御装置220cの表示手段226は、ステップS306においてドットの配列で表示された16個のダイアグラムの図形を、データ記憶装置から読み出し、図形変換手段225が変換したすべての図形(ダイアグラム)に優先順位をつける。則ち、開放弦がルートの場合は、第1準則の「5弦ルート」→「6弦ルート」→「4弦ルート」の順ではなく、第2準則の「使用フレットの少ない順に並べること」が優先順位の決定における最重要準則となる。上記の例では表26と表28は、共に5フレットまでを使用しているが、第3準則の「使用フレット数が同じ場合は、使用弦が下から並んでいるものを優先すること」により、表28→表27→表26の順に表示の順番が決まる。そして、
図39に示したフローチャートのステップS308において、モニターの画面上及びフィンガーボード上に16個の図形が、表28→表27→表26の順に、順次表示される。
【0100】
<音域と優先順位の関係>
(I)
図55(a)の五線譜上に示すように、本明細書では
図55の太い実線で囲んだE
1〜Ab
1までの音を「音域I」に含まれる音として定義している。
図55(b)は6弦のギターのフィンガーボード上の音の位置を整数値に変換した英字表示データであり、フィンガーボード上の1箇所の音域に含まれるE
1〜Ab
1までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで、音域Iを表示している。
【表35】
図39のステップS307及びステップS308において、
図55に示された音域Iを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように6弦ルートのみとなる。又、4声体の場合も、表36に示すように音域Iを表示する優先順位は、6弦ルートのみとなる。
【表36】
【0101】
(II) 音域IIは、
図56(a)に示すように、五線譜上において「音域I」の右側(高音側)に隣接する音域として定義される、太い実線で囲んだA
1〜Db
1までの音を含む音域である。
図56(b)の整数値に変換された英字表示データでは、6弦のギターのフィンガーボード上の2箇所の音域にそれぞれ含まれるA
1〜Db
1までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで、音域IIを示している。ステップS307及びステップS308において、
図56に示された音域IIを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように5弦ルート→6弦ルートの順となる。又、4声体の場合も、表36に示すように音域IIを表示する優先順位は、5弦ルート→6弦ルートの順となる。
【0102】
(III) 「音域II」の右側(高音側)に隣接する「音域III」は、
図57(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたD
1〜Gb
1までの音を含む音域である。
図57(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における3箇所の音域にそれぞれ含まれるD
1〜Gb
1までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域IIIを示している。
図57に示された音域IIIを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように5弦ルート→4弦ルート→6弦ルートの順となる。一方、4声体の場合は、表36に示すように音域IIIを表示する優先順位は、5弦ルート→6弦ルート→4弦ルートの順となる。
【0103】
(IV) 「音域III」の高音側に隣接する「音域IV」は、
図58(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたG
2〜B
2までの音を含む音域である。
図58(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における4箇所の音域にそれぞれ含まれるG
2〜B
2までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域IVを示している。
図58に示された音域IVを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように4弦ルート→5弦ルート→3弦ルート→6弦ルートの順となる。一方、4声体の場合は、表36に示すように音域IVを表示する優先順位は、4弦ルート→5弦ルート→6弦ルートの順となる。
【0104】
(V) 「音域IV」の高音側に隣接する「音域V」は、
図59(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたB
2〜Eb
2までの音を含む音域である。
図59(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における5箇所の音域にそれぞれ含まれるB
2〜Eb
2までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域Vを示している。
図59に示された音域Vを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように4弦ルート→3弦ルート→5弦ルート→6弦ルートの順となる。一方、4声体の場合は、表36に示すように音域Vを表示する優先順位は、4弦ルート→5弦ルート→6弦ルートの順となる。
【0105】
(VI) 「音域V」の高音側に隣接する「音域VI」は、
図60(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたE
3〜F
3までの音を含む音域である。
図60(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における6箇所の音域にそれぞれ含まれるE
3〜F
3までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域VIを示している。
図60に示された音域VIを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように4弦ルート→3弦ルート→5弦ルート→6弦ルートの順となる。一方、4声体の場合は、表36に示すように音域VIを表示する優先順位は、4弦ルート→5弦ルート→6弦ルートの順となる。
【0106】
(VII) 「音域VI」の高音側に隣接する「音域VII」は、
図61(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたF#
3〜Bb
3までの音を含む音域である。
図61(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における5箇所の音域にそれぞれ含まれるF#
3〜Bb
3までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域VIIを示している。
図61に示された音域VIIを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように3弦ルート→4弦ルート→5弦ルートの順となる。一方、4声体の場合は、表36に示すように音域VIIを表示する優先順位は、4弦ルート→5弦ルートの順となる。
【0107】
(VIII) 「音域VII」の高音側に隣接する「音域VIII」は、
図62(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたB
3〜Eb
4までの音を含む音域である。
図62(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における4箇所の音域にそれぞれ含まれるB
3〜Eb
4までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域VIIIを示している。
図62に示された音域VIIIを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように3弦ルート→4弦ルートの順となる。一方、4声体の場合は、表36に示すように音域VIIIを表示する優先順位は、4弦ルートのみとなる。
【0108】
(IX) 「音域VIII」の高音側に隣接する「音域IX」は、
図63(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたE
4〜Ab
4までの音を含む音域である。
図63(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における3箇所の音域にそれぞれ含まれるE
4〜Ab
4までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域IXを示している。
図63に示された音域IXを表示する優先順位は、3声体の場合、表35に示すように3弦ルートのみとなるが、4声体の場合は、表36に示すように音域IXを表示する優先順位は存在しない。
【0109】
(X) 「音域IX」の高音側に隣接する「音域X」は、
図63(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたA
4〜C
4までの音を含む音域である。
図63(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における2箇所の音域にそれぞれ含まれるA
4〜C
4までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域Xを示している。3声体の場合を表35に示すように、4声体の場合を表36に示すように、いずれも音域Xを表示する優先順位が存在しない。
【0110】
(XI) 「音域X」の高音側に隣接する「音域XI」は、
図64(a)の五線譜上に示すように、太い実線で囲まれたC#
4〜E
5までの音を含む音域である。
図64(b)の整数値に変換された英字表示データでは、フィンガーボード上における1箇所の音域に含まれるC#
4〜E
5までの音の整数値変換データを太い実線で囲んで音域XIを示している。3声体の場合を表35に、4声体の場合を表36に示すように、いずれも音域XIを表示する優先順位が存在しない。
【0111】
<ギター演奏教習データ作成プログラム>
図39に示した一連のギター演奏教習データ作成方法の操作は、
図39と等価なアルゴリズムのギター演奏教習データ作成プログラムにより、
図38に示した演算制御装置(CPU)220aを制御して実行できる。既に述べた通り、このギター演奏教習データ作成プログラムは、第2の実施形態に係る演算制御装置(CPU)220cを構成するコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。又、第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を演算制御装置(CPU)220cのプログラム記憶装置に読み込ませることにより、第2の実施形態に係る一連のギター演奏教習データ作成方法の処理を実行することができる。更に、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、このギター演奏教習データ作成プログラムをプログラム記憶装置に格納することが可能である。
【0112】
以上の通り、第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22によれば、難解なフィンガーボード上のメカニズムを俯瞰的に数学的にとらえ、ギタリストにとって最も困難な和声のフィンガーボード上での運指のスキル向上に必要な演奏教習用のデータが作成できる。これにより、更に第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22を備えるギター演奏教習システム、第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22を用いたギター演奏教習データ作成方法、及び第2の実施形態に係るギター演奏教習データ作成装置22を動作させるためのギター演奏教習データ作成プログラムを提供することができる。
【0113】
(第3の実施形態)
全システムの図示を省略しているが、本発明の第3の実施形態に係る演奏教習システムは、
図1に示したのと実質的に同様に、演奏教習用ギター(トレーニングギター)11と、演奏教習用ギター11に配線32を介して接続されたインターフェイス21aと、インターフェイス21aに配線35を介して接続された演奏教習データ作成装置22と、演奏教習データ作成装置22に配線37を介して接続されたモニター(表示装置)23aと、インターフェイス21aに配線34を介して接続されたMIDIキーボード等のピアノ鍵盤型キーボード15とを備える。演奏教習用ギター11とピアノ鍵盤型キーボード15とは、互いに配線33を介して接続されている。更に、演奏教習用ギター11には配線31を介してヘッドフォン16aが接続され、ピアノ鍵盤型キーボード15には配線36を介してヘッドフォン16bが接続されている(
図1参照。)。
【0114】
図66に示すとおり、演奏教習データ作成装置22は、和音を入力する和音入力手段221と、音域表に従いバス(BASS)のアドレスを決定するバスアドレス決定手段241と、
図81等に示した選択アドレス表を定義として、各音程の選択位置を決定する音程選択位置決定手段242と、音程選択位置決定手段242が決定した各音程の選択位置から数字ダイアグラム(アドレスダイアグラム)を作成する数字ダイアグラム作成手段224と、数字ダイアグラム作成手段224が作成した数字ダイアグラムを図形に変換する図形変換手段225と、図形変換手段225変換した図形を、各弦のバス別に整理して表示させる信号を発する表示手段243とを有する演算制御装置(CPU)220dを備えるプロセッサである。
【0115】
第1及び第2の実施形態に係る演奏教習システムと同様に、第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置22は、パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータシステムで実現することができる。PCで演奏教習データ作成装置22を構成した場合は、
図1に示したモニター23aが演奏教習データ作成装置22に内蔵、若しくは演奏教習データ作成装置22と一体に構成されていても良い。又、図示を省略しているが、第1及び第2の実施形態に係る演奏教習システムと同様に、本発明の第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置22には、プログラム記憶装置やデータ記憶装置が接続、若しくは内蔵されている。したがって、
図66に示した和音入力手段221、バスアドレス決定手段241、音程選択位置決定手段242、数字ダイアグラム作成手段224、図形変換手段225、表示手段243を駆動制御して、第3の実施形態に係る演奏教習システムに用いる演奏教習データを作成させる演奏教習データ作成プログラムは、演奏教習データ作成装置22を構成するコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。一方、演奏教習データ作成に必要な種々の入出力データ、パラメータや演算途中のデータ等は、データ記憶装置に記憶させることができる。
【0116】
そして、本発明の第3の実施形態に係る演奏教習データ作成プログラムは、コンピュータ読取り可能な外部記録媒体に保存し、この外部記録媒体に記録された内容を演奏教習データ作成装置22のプログラム記憶装置に読み込ませることにより、本発明の一連の演奏教習データ作成の処理を実行することができる。本発明の第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置22はPC等のコンピュータスステムで構成可能であるので、図示を省略しているが、PCキーボード、マウス、ライトペン等の入力装置を更に備えていても良いこと、或いは、演奏教習用ギター11の構造等他の構成は第1の実施形態に係る演奏教習システムと実質的に同様であるので重複した説明を省略する。
【0117】
<演奏教習データの作成方法>
図67のフローチャートを用いて、本発明の第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法を説明する。なお、以下に述べる演奏教習データの作成方法は、一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲内であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の作成方法により、実現可能であることは勿論である。
【0118】
(イ)先ず、
図66に示した演奏教習データ作成装置22に接続されたプログラム記憶装置(図示省略。)に格納された演奏教習データ作成プログラムを起動する。そして、演奏教習データ作成プログラムは、
図66に示した演奏教習データ作成装置22を構成する演算制御装置220dの和音入力手段221を駆動して、ステップS501において、和音を入力装置を介して入力する。ここで、プログラム記憶装置に格納された演奏教習データ作成プログラムには、通常の音楽制作ソフトと同様な五線譜を表示するアプリケーションプログラムが含まれている。よって、
図1に示したモニターと同様なモニターの画面に、演奏教習データ作成プログラムを用いて五線譜を表示し、モニターの画面上の五線譜に対してマウスをクリックしたことにより生成される電気信号を用いて、演奏教習データ作成プログラムは和音入力手段221に和音を、順次入力させる。和音入力手段221が例えば
図68に示すように入力した和音は、演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0119】
(ロ)次に、演算制御装置(CPU)220dのバスアドレス決定手段241は、ステップS502において、
図55〜
図65に示したような音域表に従い、バス(BASS)のアドレスを決定する。バスのアドレスは、演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、演算制御装置(CPU)220dの音程選択位置決定手段242は、
図81等に示した選択アドレス表を定義として、ステップS503において、各音程の選択位置を決定する。決定された各音程の選択位置は、演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
図81は
図57に示した音域IIIのD
1をバス(BASS)のアドレスとした場合の選択アドレス表である。
【0120】
(ハ)その後、演算制御装置(CPU)220dの数字ダイアグラム作成手段224は、音程選択位置決定手段242が決定した各音程の選択位置から、ステップS504において数字ダイアグラム(アドレスダイアグラム)を作成する。数字ダイアグラムは、演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。更に、演算制御装置(CPU)220dの図形変換手段225は、ステップS505において、数字ダイアグラム作成手段224が作成した数字ダイアグラムを
図84(b),
図84(c),
図85(b),
図86(b),
図87(b),
図89(b),
図80(b),
図91(b)等に示した図形に変換する。変換された図形は、演奏教習データ作成装置22に接続されたデータ記憶装置(図示省略。)に格納される。
【0121】
(ニ)そして、演算制御装置(CPU)220dの表示手段243は、ステップS506において、図形変換手段225変換した図形を、各弦のバス別に整理して表示させる信号を発する。この結果、ステップS506では、
図1に示したのと同様なモニターの画面上及びフィンガーボード上に図形が各弦のバス別に整理されて、順次表示される。
【0122】
第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置22によれば、各コードのフォームの変化と各位置が明確にして表示することができる。この結果、ギタリストのハーモニーとメカニズムの難解さを整理して把握することを手助けすることができる。
【0123】
図67のステップS502〜ステップS504に至る、入力された和音をダイアグラムに変換するプログラムを
図68〜
図82を用いて説明する。
図68に示したような楽譜の各和音の音程間のインターバルは、
図69のような、縦に積層された3つの□の、それぞれの中に数字が記載された積音程表示で示される。
図69において、3つの□のそれぞれの中に記載された数字は、それぞれの和音の音程間のインターバル、即ち、各和音のバス(BASS)からテノール間のインターバル、テノールからアルト間のインターバル、アルトからソプラノ間のインターバルである。
図68及び
図69では変ホ長調・ハ短調の調号によって調(キー)が確定されているが、
図70ではト音記号の横に3本の縦線からなる全調性記号が示されている。
図70の和音では、バス(BASS)からテノール間のインターバルが3度、テノールからアルト間のインターバルが3度、アルトからソプラノ間のインターバルが3度の場合で、積音程表示では、縦に積層された3つの□のそれぞれの中に数字3が記載される。
【0124】
図70に示した和音は、
図71に示すように長3度(a)、短3度(b)、長3度(c)、短3度(d)、長3度(e)、短3度(f)、長3度(g)、短3度(h)の8つのコードを含む。
図71の8つのコード長3度(a)、短3度(b)、長3度(c)、短3度(d)、長3度(e)、短3度(f)、長3度(g)、短3度(h)のそれぞれは、
図72に示す積音程構造である。
図72に例示したような積音程構造のコードは、調号によって決定される。例えば、長調ならば、
図73に示すような7つの所属調A,D,G,C,F,Bフラット,Eフラットに所属する。
図73の上段の7つの所属調A,D,G,C,F,Bフラット,Eフラットに対応して、下段のコード番号IV,I,V,II,VI,III,VIIが決定される。コード番号IV,I,V,II,VI,III,VIIが決定されると各音程は決定される。
【0125】
図73の上段に例示したような所属調に所属する以外のコードはドッペルドミナント等の変化和音であり、シャープやフラット等の臨時記号を付して記譜される。「ドッペル」とはドイツ語で“二重”を意味し(英語のダブル)、ドミナントのドミナントであり、ある調の属音に対して属音関係をもつ音を意味する。その調に属しているものが「ダイアトニック」と呼ばれ、そうでないものは「ノン・ダイアトニック」と呼ばれる。
図83には、長調の場合における、Cを基調としたダイアトニック音階(全音階)上の各音の記譜上の変化と、実質的な変化との関係を示している。
【0126】
第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法のプログラムは、従来の音楽制作ソフトの下部構造(ピアノの鍵盤)をギターのフィンガーボードに移し替えたものを前提としており、従来の音楽制作ソフトと同様に、最初に、
図73の上段の所属調の調号を入力する。したがって、第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法の実際のプログラムは、
図73の上段に例示したような調号によって所属調が決まる。又、各音程間の度数も「長」「短」「完」「増」「減」として決定される。ただし、各調号別に説明すると、複雑な解説となるので、第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法の原理説明としては、
図74〜
図81に示すような全調整記号を用いて、簡略化した説明にする。
【0127】
図57に示した音域IIIのD
1をバス(BASS)として、第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法における記譜方法を説明する。以下の説明では、
図74に示したように、バスからテノール間のインターバルが12度まで、テノールからアルト間のインターバルが8度まで、アルトからソプラノ間のインターバルが8度までであることを前提としている(定義ゼロ)。なお、バスからテノール間のインターバルについては、14度まで良いとする理論書もある。
【0128】
(i)先ず、D
1をバス(BASS)として、テノール音を、それぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度と順に積み上げ、2声体を作成し、
図75に示すように横一列に配列した1次元の表を作成する。
(ii)次に、
図75の1次元の表の2声体の各音に、アルト音を、それぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げ、3声体を作成し、
図76に示すような2次元マトリクスを作成する。
図76の2次元マトリクスの行方向(横方向)が、
図75の1次元の配列に対応し、
図76の2次元マトリクスの列方向(縦方向)が、アルト音の2度〜8度までの積み上げに対応する。
図76の2次元マトリクスには全部で11×7=77種の3声体が表示されている。
【0129】
(iii)次に、
図76の77種の3声体の各音に、ソプラノ音を、それぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げ、4声体を作成すると3次元マトリクスが作成できる。そのうち、
図77では、
図76の2次元マトリクスの2列目の列方向の丸数字で示された8番目〜14番目に対し、それぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げた場合の4声体が2次元マトリクスとして部分表示されている。
図77の2次元マトリクスの行方向(横方向)が、
図76にAの符号を付した破線の四角で囲まれた2列目の列方向の配列に対応し、
図77の2次元マトリクスの列方向(縦方向)が、ソプラノ音の2度〜8度までの積み上げに対応する。同様に、
図78では、
図76の2次元マトリクスにおいて、Bの符号を付した破線の四角で囲まれた5列目の列方向の3声体の配列、即ち、5列目に丸数字で示された22番目〜28番目の3声体の配列に対し、それぞれ2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度と順に積み上げた場合の4声体が2次元マトリクスとして部分表示されている。
【0130】
図78の2次元マトリクスの行方向(横方向)が、
図76の5列目の列方向の配列に対応し、
図78の2次元マトリクスの列方向(縦方向)が、ソプラノ音の2度〜8度までの積み上げに対応する。
図77及び
図78の2次元マトリクス表示は3次元マトリクスの一部を示すものであり、実際の3次元マトリクス表示では、全部で11×7×7=539種の4声体が表示される。
図74の定義に従い、アルト音が1度、ソプラノ音が1度積み上げる場合も含めると、3次元マトリクス表示において、全部で11×8×8=768種の4声体が成立する。
【0131】
図77の2次元マトリクスによる部分表示では、○の中に記載されたA〜Z,a〜wの11×7=77種の4声体が表示されているが、
図79にその一部を例示的に示した表の1コマ、1コマにこれらの77種の4声体が対応する。
図79において左上がりの対角線で示したコマはアドレスが存在しないことを示し、4声体が成立しないことを意味している。
図79は、
図77の表の2行・2列目の交点に位置する、バス(BASS)からテノール間のインターバルが3度、テノールからアルト間のインターバルが3度、アルトからソプラノ間のインターバルが3度の場合についての、
図81の定義Iに基づく番号表である。
図57では音域IIIとしてD
1〜Gb
2の7つの音が示されているが、
図79の表においても、D
1〜Gb
2の7つの音それぞれについて定義Iに基づく番号表が示されている。
【0132】
図79の表の上段側に示したB,T,A,Sはそれぞれバス、テノール、アルト、ソプラノを意味する。例えば左端の音D
1に関しては、D
1のバス(BASS)としてはバス4,35,66が対応することが示されているが、バス4については、テノール、アルト、ソプラノのアドレスが存在しないので、4声体が成立しないことが分かる。一方、D
1のバス35については、テノール28とテノール22が積み上げられ、テノール28にはアルト21とアルト15が積み上げられることが分かる。又、テノール22にはアルト15とアルト9が積み上げられることが分かる。更に、テノール28に対して積み上げられるアルト21にはソプラノ20とソプラノ14のアドレスが積み上げられ、テノール28に対して積み上げられるアルト15にはソプラノ14とソプラノ8のアドレスが積み上げられることが分かる。同様に、テノール22に対して積み上げられるアルト21にはソプラノ20とソプラノ14のアドレスが対応し、テノール22に対して積み上げられるアルト9にはソプラノ8とソプラノ2のアドレスが対応することが分かる。
【0133】
更にD1のバス66については、テノール59とテノール53が積み上げられ、テノール59にはアルト52とアルト46が積み上げられることが分かる。又、テノール53にはアルト46とアルト40が積み上げられることが分かる。更に、テノール59に対して積み上げられるアルト52にはソプラノ45とソプラノ39のアドレスが積み上げられ、テノール59に対して積み上げられるアルト46にはソプラノ39とソプラノ33のアドレスが積み上げられることが分かる。同様に、テノール53に対して積み上げられるアルト46にはソプラノ39とソプラノ33のアドレスが対応し、テノール53に対して積み上げられるアルト40にはソプラノ33とソプラノ27のアドレスが対応することが分かる。
【0134】
ギターの各弦間の音程は
図80に示すように、6弦〜3弦までの各弦の音は完全4度音程、3弦〜2弦までの各弦の音は長3度音程、2弦〜1弦までの各弦の音は完全4度音程となっている。
図80(b)の横線が上から1〜6弦を示しているので、
図80(a)において、6弦→5弦=E→A、5弦→4弦=A→D、4弦→3弦=D→G、2弦→1弦=B→Eは完全4度音程で、3弦→2弦=G→Bのみが長3度音程になっていることが分かる。
【0135】
図81の各マス(コマ)において、6本の横線が上から1〜6弦を示し、横線に直交する縦線がフレットを示している。音程選択位置決定手段242が
図81等に示した選択アドレス表を定義(定義I)として、各音程の選択位置を決定する際には、シャープの場合は右方向に1マス進み、フラットの場合は左方向に1マス後退する(定義II)。ダブルシャープの場合は右方向に2マス進み、ダブルフラットの場合は左方向に1マス後退する。
【0136】
図74を用いて説明したように、定義ゼロでは、バスからテノール間のインターバルが12度までが限度、テノールからアルト間のインターバルは8度までが限度、アルトからソプラノ間のインターバルが8度までが限度であることを前提としている。バスからテノール間のインターバルが6度、テノールからアルト間が6度、アルトからソプラノ間が6度となる積音表示から、バスからテノール間のインターバルが8度、テノールからアルト間が8度、アルトからソプラノ間が8度となる積音表示までの和音については、バスは6弦上にアドレスを選択し、ソプラノは、
1弦上に位置を選択する(定義III)。
【0137】
更に、この場合、
図82(a)の右側において、符号(B)を付した和音のように、バスからテノール間のインターバルが9度、テノールからアルト間が6度、アルトからソプラノ間が6度となる積音表示から、バスからテノール間のインターバルが12度、テノールからアルト間が8度、アルトからソプラノ間が8度となる積音表示までの和音については、バスは6弦上にアドレスを選択し、アルトは2弦上にアドレスを選択し、ソプラノは1弦上にアドレスを選択する(定義III)。なお、
図82(a)の左側において、符号(A)を付した和音は、バスからテノール間のインターバルが6度、テノールからアルト間が6度、アルトからソプラノ間が3度となる積音表示に対応するが、アルトからソプラノ間が3度の場合は、必然的にソプラノが6弦上に位置するので、定義IIIの対象外となる。
【0138】
図84(b)は、第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られた2種類のフォームを例示的に示している。即ち、
図84(a)の左側の(B)部と示したコード番号IVのAメジャーの和音に対応するフォームであり、5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームが成立することを示している。
図84(c)は
図84(a)の右側の(C)部と示したコード番号IVのAメジャーの和音に対応する4弦、5弦及び6弦をそれぞれバスとした場合の3種類のフォームを示している。又、
図85(b)は、
図85(a)に示したコード番号Iの和音に対応する5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示し、
図86(b)は、
図86(a)に示したコード番号Vの和音に対応する5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示す。
【0139】
同様に、
図87(b)は、第3の実施形態に係る演奏教習データの作成方法によって得られ結果を例示的に示す図であり、
図87(a)に示したコード番号IIのドッペルドミナントの和音に対応する2種類のフォーム、即ち5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示す。又、
図88(b)は、
図88(a)に示したコード番号IIの和音に対応する5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示す。更に、
図89(b)は、
図89(a)に示したコード番号VIの和音に対応する5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示し、
図90(b)は、
図90(a)に示したコード番号IIIの和音に対応する5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示し、
図91(b)は、
図91(a)に示したコード番号VIIの和音に対応する5弦をバスとした場合と6弦をバスとした場合の2種類のフォームを示す。
図84(b),
図84(c),
図85(b),
図86(b),
図87(b),
図89(b),
図80(b),
図91(b)等に示されたフォーム(図形)は、
図1に示したのと同様なモニターの画面上及びフィンガーボード上に各弦のバス別に整理されて、順次表示される。
【0140】
以上のように、第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置22によれば、
図84(b),
図84(c),
図85(b),
図86(b),
図87(b),
図89(b),
図80(b),
図91(b)等の各コード毎のフォームの変化と音の位置を明確にして表示することができる。この結果、第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置22は、ギタリストがハーモニーとメカニズムの難解さを整理して把握することを手助けすることができる。
【0141】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0142】
例えば、第1の実施形態において、
図1に示したように演奏教習用ギター11と、演奏教習用ギター11に配線32を介して接続されたインターフェイス21aと、インターフェイス21aに配線35を介して接続されたギター演奏教習データ作成装置22と、ギター演奏教習データ作成装置22に配線37を介して接続されたモニター23aと、インターフェイス21aに配線34を介して接続されたピアノ鍵盤型キーボード15とを備えるギター演奏教習システムの構成を例示的に説明したが、本発明のギター演奏教習システムは
図1に示した構成に限定されるものではなく、ピアノ鍵盤型キーボード15やピアノ鍵盤型キーボード15に接続されたヘッドフォン16bを省略してもよい。
【0143】
或いは、ピアノ鍵盤型キーボード15を省略して、
図36に示すように、代わりに、演奏教習用ギター11にミキサー18を接続し、このミキサー18に増幅器(アンプ)又はスピーカー19を接続してもよい。
図36においては、演奏教習用ギター11とミキサー18にはヘッドフォン16dが接続され、ギター演奏教習データ作成装置22にはヘッドフォン16cが接続されている。
図36に示す構成は、本発明のギター演奏教習データ作成プログラムのアプリケーションソフトウェアに通常の音楽制作ソフトと同様な音源がある場合に効果的である。他は、演奏教習用ギター11にインターフェイス21bが接続され、インターフェイス21bにギター演奏教習データ作成装置(PC)22が接続され、ギター演奏教習データ作成装置(PC)22にモニター23bとヘッドフォン16cが接続された構成であるので、基本的に第1の実施形態に係るギター演奏教習システムと同様な構成であり、インターフェイス21bは、
図3に示した演奏教習用ギター11のボディ123に内蔵されたCPU113が備えるLEDドットマトリクス中の任意の発光体L
ijを選択的に所定の位置で点灯させるトレーニングプログラムと、本発明のギター演奏教習データ作成プログラムとの同期をとるように機能する。
【0144】
或いは、
図37に示すように、モニター23cにギター演奏教習データ作成装置(PC)を内蔵した構成としてもよい。
図37において、演奏教習用ギター11にミキサー18が接続され、このミキサー18に増幅器(アンプ)又はスピーカー19を接続されている特徴は
図36と同様である。
図37においては、ミキサー18にヘッドフォン16fが接続され、モニター23cにヘッドフォン16eが接続されている。
図37に示す構成も、本発明のギター演奏教習データ作成プログラムのアプリケーションソフトウェアに通常の音楽制作ソフトと同様な音源がある場合に効果的であり、ミキサー18及び増幅器(アンプ)又はスピーカー19を介して、音源からの音を出力させることができる。
図37においても、インターフェイス21cは、
図3に示した演奏教習用ギター11のボディ123に内蔵されたCPU113が備えるLEDドットマトリクス中の任意の発光体L
ijを選択的に所定の位置で点灯させるトレーニングプログラムと、本発明のギター演奏教習データ作成プログラムとの同期をとるように機能する。
【0145】
図37では、モニター23cにギター演奏教習データ作成装置(PC)を内蔵した構成を示したが、
図2に示したタッチパネル114をモニター23cと一体化してもよい。則ち、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)からなるモニター23cの表面全体に電界を形成し、タッチした部分の表面電荷の変化をとらえて静電容量方式の位置検出を行うポインティングデバイスを設けることにより、モニター23cの表面にタッチパネル114と等価な入力装置の機能を設けてもよい。或いは、モニター23cのガラス面やフィルム面に電圧を加え、タッチ部の導通による押された位置検出を行う抵抗膜方式のポインティングデバイスを設けることにより、モニター23cの表面にタッチパネル114と等価な入力装置の機能を設けてもよい。いずれの場合も、表面にタッチパネルの機能を有するモニターを、
図2に示したように、演奏教習用ギター11のボディ123の表板125の一部に埋め込んでもよく、譜面台に搭載可能なようなタブレット型等の薄型ディスプレイにして、演奏教習用ギター11とは別構成になるようにしてもよい。表面にタッチパネルの機能を有するモニターを、演奏教習用ギター11の表板125の一部に埋め込む場合は、
図3に示したCPU113に
図1に示したギター演奏教習データ作成装置(PC)22の機能を組み込むようにすれば、コンパクトな構成が実現できる。
【0146】
又、上記の第1〜第3の実施形態では、モニター23aの画面に、ギター演奏教習データ作成プログラムを用いて五線譜を表示し、モニター23aの画面上の五線譜に対してマウスをクリックして和音を入力する場合で説明したが、マウスを用いずに、タッチパネルの機能を有するモニター23a,23b,23cの表面に五線譜を表示した後、五線譜に直接、指やペン先などを触れて、和音を入力するようにしてもよい。
【0147】
更に、
図93(b),
図94(b),
図95(b),
図96(b),
図97(b)に例示したようなダイアグラム(フォーム)を、
図93(a),
図94(a),
図95(a),
図96(a),
図97(a)に示した和音と共にデータベースに格納しておき、和音を入力することにより、データベースからダイアグラムを検索するようにしてもよい。図示を省略しているが、通常のコンピュータシステムと同様な種々の主記憶装置又は補助記憶装置を、データベースを格納するデータ記憶装置として用いれば良い。データ記憶装置は、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどで構成することができる。
【0148】
即ち、
図92のフローチャートに示すように、あらかじめ、ステップS601において、演算制御装置のダイアグラム入力手段(図示省略)を駆動して、データ記憶装置に設けられたデータベースに、
図93〜
図97に示した和音とダイアグラム(フォーム)を入力装置を介して入力しておく。そして、ステップS602において、演算制御装置の和音入力手段(図示省略)を駆動して入力装置を介して和音を入力し、ステップS603において、入力された和音を用いて、演算制御装置のダイアグラム検索手段(図示省略)に、データ記憶装置に設けられたデータベースからダイアグラムを検索させるようにすれば良い。そして、ステップS603の検索結果を用いて、ステップS604において、演算制御装置のダイアグラム決定手段(図示省略)にダイアグラムを決定させればよい。その後、第1〜第3の実施形態に係る演奏教習データ作成装置と同様に、演算制御装置の表示手段を用いて、
図1に示したのと同様なモニターの画面上及びフィンガーボード上に決定された図形を各弦のバス別に整理して順次表示するようにすればよい。
【0149】
図92のフローチャートに示すような手順によっても、各コードのフォームの変化と各音の位置を明確にして表示することができるので、ギタリストがハーモニーとメカニズムの難解さを整理して把握することができる。則ち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。