特許第6441708号(P6441708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441708
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 15/04 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   G11C15/04 601A
【請求項の数】1
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-35377(P2015-35377)
(22)【出願日】2015年2月25日
(65)【公開番号】特開2016-157500(P2016-157500A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新居 浩二
【審査官】 篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07126834(US,B1)
【文献】 特開2007−019166(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/050663(WO,A1)
【文献】 特開2008−192218(JP,A)
【文献】 特開平08−212791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置され、各々が2ビットの情報を保持可能に構成された複数のメモリセルを備え、
各前記メモリセルは、
1ビットの情報を保持可能に構成された第1のセルと、
他の1ビットの情報を保持可能に構成され、前記第1のセルの列方向に隣接する第2のセルとを含み、
列方向に沿って延在し、前記第1および第2のセルの両方に接続されるビット線対と、
行方向に沿って延在し、前記第1および第2のセルのそれぞれに接続される第1および第2のワード線と、
行方向に沿って延在するとともに、行方向に隣接するメモリセルで共通に用いられるマッチ線と、
列方向に沿って延在し、データ検索時に検索データを伝達するサーチ線と、
前記サーチ線および前記マッチ線と接続され、前記第1および第2のセルの保持する情報と前記サーチ線に伝達される検索データとの比較結果に基づいて第1の電圧にプリチャージされた前記マッチ線を第2の電圧に駆動する論理演算セルと、
前記サーチ線に対応して設けられ、前記検索データに従って前記サーチ線を前記第1の電圧により駆動するサーチ線ドライバと、
前記マッチ線と接続され、前記マッチ線と前記第1の電圧との間の電位差に基づいてデータ検索結果を出力する検知回路とをさらに備え、
前記マッチ線は、
前記第1および第2のセルの保持する情報と前記サーチ線に伝達される検索データとが一致する場合には、前記サーチ線に対する前記第1の電圧の駆動により前記プリチャージされた電圧よりも上昇し、
前記第1および第2のセルの保持する情報と前記サーチ線に伝達される検索データとが不一致の場合には、前記論理演算セルにより前記第2の電圧に駆動し、
前記論理演算セルは、前記マッチ線と電源線との間にそれぞれ接続され、前記データ検索時に前記第1および第2のセルの保持する情報と前記検索データとのそれぞれの比較結果に基づいて前記マッチ線を駆動する第1および第2の論理ユニットを含み、
前記電源線は、データ検索時に前記第2の電圧に設定され、データマスク時に前記第1の電圧に設定される、半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体記憶装置に関し、特に、3値連想メモリ(TCAM:Ternary Content Addressable Memory)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、アドレス検索機能を備えた連想メモリ(CAM:Content Addressable Memory)の需要が高まっている。特に、1メモリセル中に0、1、Xの3つの値を保持できる3値連想メモリTCAMの要求が高まってきている。このような、TCAMは、SoC(System on a Chip)分野で特にルータ、ネットワークスイッチなどのシステムLSIに用いられることが多い(特許文献1〜6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−272386号公報
【特許文献2】特開2002−373494号公報
【特許文献3】米国特許第6154384号明細書
【特許文献4】特開2003−141879号公報
【特許文献5】特開平7−220483号公報
【特許文献6】特表2005−501369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、TCAMにおいてもメモリ容量が増加しており、TCAMの高集積化が求められている。
【0005】
TCAMには、検索データを伝達するサーチ線が設けられ、メモリセルに保持されたデータと検索データとの一致/不一致に従ってマッチ線の電位が変化することを検出することによりデータ検索結果を判定することが可能である。
【0006】
この点で、マッチ線は、検索データを伝達するサーチ線との間のカップリング容量の影響を受けて電位が変動する可能性があり、データ検索結果の判定が難しくなる可能性がある。さらに、メモリ容量の増加に伴いマッチ線に接続されるメモリセルの数が増加するため上記マッチ線の電位の変動が大きくなる。
【0007】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、精度の高いデータ検索が可能な半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0008】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施例によれば、半導体記憶装置は、行列状に配置され、各々が2ビットの情報を保持可能に構成された複数のメモリセルを備える。各メモリセルは、1ビットの情報を保持可能に構成された第1のセルと、他の1ビットの情報を保持可能に構成され、第1のセルの列方向に隣接する第2のセルとを含む。半導体記憶装置は、列方向に沿って延在し、第1および第2のセルの両方に接続されるビット線対と、行方向に沿って延在し、第1および第2のセルのそれぞれに接続される第1および第2のワード線と、行方向に沿って延在するマッチ線と、列方向に沿って延在し、データ検索時に検索データを伝達するサーチ線対とを備える。半導体記憶装置は、サーチ線対とマッチ線と接続され、第1および第2のセルの保持する情報とサーチ線対に伝達される検索データとの比較結果に基づいてマッチ線を駆動する論理演算セルと、サーチ線対に対応して設けられ、サーチ線対を駆動するサーチ線ドライバとをさらに備える。サーチ線ドライバは、第1および第2の電圧の間の第3の電圧にサーチ線対をプリチャージした状態で検索データに従ってサーチ線対の一方および他方のサーチ線を第1の電圧および第2の電圧にそれぞれ駆動する。
【発明の効果】
【0010】
一実施例によれば、サーチ線ドライバは、第1および第2の電圧の間の第3の電圧にサーチ線対をプリチャージした状態で検索データに従ってサーチ線対の一方および他方のサーチ線を第1の電圧および第2の電圧にそれぞれ駆動するためマッチ線の電位変動を抑制して精度の高いデータ検索が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る半導体記憶装置100の概略構成を示したブロック図である。
図2】実施形態1に基づくメモリセルMC0♯0の構成を示した回路図である。
図3図1のメモリアレイの一部の配置を説明するための図である。
図4】実施形態1におけるメモリセルの動作を説明するための図である。
図5】実施形態1に基づくデータ検索前のソース線対および電源線VSLの電位を説明する図である。
図6】実施形態1に基づくデータ検索時における電位の変化を説明する図である。
図7】実施形態1の変形例1に基づくメモリセルMCP0♯0の構成を示した回路図である。
図8】実施形態2に基づく半導体記憶装置の構成を示す概略ブロック図である。
図9】メモリアレイMA1における互いに隣接するメモリセルMC0♯0とMC0♯1との関係を示した回路図である。
図10】実施形態2におけるメモリセルの動作を説明するための図である。
図11】実施形態2におけるメモリアレイのウェル、拡散領域DF、ポリシリコンPO、コンタクトホールCTの配置を示した平面図である。
図12】実施形態2に基づくメモリアレイのコンタクトホールCT、第1金属配線層および第2金属配線層と接続するコンタクトホールの配置を示した平面図である。
図13】実施形態2に基づくメモリアレイのコンタクトホールCT、第2金属配線層の配置を示した平面図である。
図14】実施形態2に基づく第2金属配線層と上層との間のコンタクトホールの配置を示した平面図である。
図15】実施形態2に基づく第3金属配線層とコンタクトホールの配置を示した平面図である。
図16】実施形態3に基づくプリチャージ&エンコード回路108におけるデータ読出の回路構成を説明する図である。
図17】実施形態4に基づくメモリアレイの一部の配置を説明するための図である。
図18】実施形態4に基づく電源線ドライバVSLDの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0013】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る半導体記憶装置100の概略構成を示したブロック図である。
【0014】
図1を参照して、半導体記憶装置100は、行デコーダ102と、書込回路106と、サーチドライバ104と、プリチャージ&エンコード回路108と、メモリアレイMA0とを含む。
【0015】
行デコーダ102は、アドレス信号A<0:2>を受けてワード線WL0〜WL7の活性化を行なう。
【0016】
書込回路106は、入力データDI0に応じてビット線BL0,/BL0を駆動し入力データ信号DI1に応じてビット線対BL1,/BL1を駆動する。
【0017】
サーチドライバ104は、検索データ信号SDI0に応じてサーチ線対SL0,/SL0を駆動し検索データ信号SDI1に応じてサーチ線対SL1,/SL1を駆動する。
【0018】
メモリアレイMA0は、行列状に配置された複数のメモリセルを含む。
また、メモリアレイMA0は、ワード線WL0〜WL7,ビット線対BL0,/BL0およびBL1,/BL1、サーチ線対SL0,/SL0およびSL1,/SL1、マッチ線ML0〜ML3を含む。
【0019】
プリチャージ&エンコード回路108は、マッチ線ML0〜ML3をプリチャージするとともにマッチ線ML0〜ML3に出力される検索結果をエンコードする。
【0020】
メモリアレイMA0は説明の簡単のため、2列4行配置した例を示す。メモリアレイMA0は、第1列目に配置されるメモリセルMC0♯0〜MC0♯3と、第2列目に配置されるメモリセルMC1♯0〜MC1♯3とを含む。ここで♯0〜♯3はエントリと呼ばれるアドレス番地である。たとえば♯0は0番地のアドレスを示し、データの読出および書込動作時においてはメモリセルMC0♯0およびMC1♯0の2つのTCAMセルが同時にアクセスされることになる。
【0021】
各メモリセルは記憶データとマスクデータの2ビットを記憶している。記憶データは検索データと比較の対象となるデータである。マスクデータは、比較を行なうか否かをビットごとに設定するためのデータである。
【0022】
ワード線WL0,WL2,WL4,WL6は記憶データの読出および書込時に活性化されるワード線である。一方、ワード線WL1,WL3,WL5,WL7はマスクデータの読出および書込時に活性化されるワード線である。
【0023】
1列目のメモリセルMC0♯0〜MC0♯3に対してはビット線対BL0,/BL0およびサーチ線対SL0,/SL0が共通して接続される。2列目のメモリセルMC1♯0〜MC1♯3に対してはビット線対BL1,/BL1とサーチ線対SL1,/SL1とが共通して接続される。
【0024】
1行目すなわちアドレス♯0に対応するメモリセルMC0♯0,MC1♯0に対してはワード線WL0,WL1およびマッチ線ML0が共通して接続される。同様に2行目のメモリセルMC0♯1,MC1♯1に対してはワード線WL2,WL3およびマッチ線ML1が共通して接続される。また3行目のメモリセルMC0♯2,MC1♯2に対してはワード線WL4,WL5およびマッチ線ML2が共通して接続される。またさらに4行目のメモリセルMC0♯3,MC1♯3に対してはワード線WL6,WL7およびマッチ線ML3が共通して接続される。
【0025】
なお、図1では、検索データSDI0,SDI1、入力データDI0,DI1およびアドレス信号A<0:2>は端子から入力される例を示したが、たとえばシステムLSI中にこのようなCAMが組込まれた場合には他のブロックから与えられる構成でもよい。また、読出しに関する構成については図示しないが、書込回路に並列にセンスアンプ等が配置され書込んだ記憶データやマスクデータを読み出すこともできる。
【0026】
また、説明の簡単のため2列の構成を示したがこの2列を単位として繰返し配置することで1アドレス当りのビット数を増加させてもよい。
【0027】
図2は、実施形態1に基づくメモリセルMC0♯0の構成を示した回路図である。
図2を参照して、メモリセルMC0♯0は、1ビットの記憶データを保持可能に構成されたデータセルDCと、1ビットのマスクビット情報を保持可能に構成されデータセルDCとビット線に沿う列方向に隣接するマスクデータセルMDCとを含む。
【0028】
メモリセルMC0♯0は、さらに、列方向に沿って延在し、データセルDCおよびマスクデータセルMDCの両方に接続されるビット線対BL0,/BL0と、行方向に沿って延在しデータセルDCに接続されるワード線WL0と、行方向に沿って延在しマスクデータセルMDCに接続されるワード線WL1と、ビット線対BL0,/BL0に平行に延在し検索データを伝達するサーチ線対SL0,/SL0とを含む。
【0029】
メモリセルMC0♯0は、さらに、ワード線に平行なマッチ線ML0と、データセルDCおよびマスクデータセルMDCの両方に対して行方向に隣接しデータセルDCおよびマスクデータセルMDCの保持する情報と検索データとに応じた結果をマッチ線ML0に出力する論理演算セルLCとを含む。
【0030】
後にレイアウト図を用いて詳細に説明するが、メモリセルを構成するトランジスタのゲートは行方向に沿って延在し、メモリセルの各々が形成される領域は複数のウェルを含み複数のウェルの各々は列方向に隣接するメモリセルの対応するウェルと連続するように形成される。その結果メモリアレイにおいて各ウェルは列方向に細長く延在することになる。
【0031】
データセルDCは、NチャネルMOSトランジスタN01〜N04と、PチャネルMOSトランジスタP01,P02とを含む。
【0032】
NチャネルMOSトランジスタN03は、記憶ノードA0とビット線BL0との間に接続されゲートにワード線WL0が接続される。NチャネルMOSトランジスタN04は、記憶ノードB0とビット線/BL0との間に接続されゲートにワード線WL0が接続される。PチャネルMOSトランジスタP01は、電源ノードVDDと記憶ノードA0との間に接続されゲートが記憶ノードB0に接続される。NチャネルMOSトランジスタN01は、記憶ノードA0と接地ノードVSSとの間に接続されゲートが記憶ノードB0に接続される。PチャネルMOSトランジスタP02は、電源ノードVDDと記憶ノードB0との間に接続されゲートが記憶ノードA0に接続される。NチャネルMOSトランジスタN02は、記憶ノードB0と接地ノードVSSとの間に接続されゲートが記憶ノードA0に接続される。
【0033】
マスクデータセルMDCは、NチャネルMOSトランジスタN11〜N14と、PチャネルMOSトランジスタP11,P12とを含む。NチャネルMOSトランジスタN13は、記憶ノードA1とビット線BL0との間に接続されゲートにワード線WL1が接続される。NチャネルMOSトランジスタN14は、記憶ノードB1とビット線/BL0との間に接続されゲートにワード線WL1が接続される。PチャネルMOSトランジスタP11は、電源ノードVDDと記憶ノードA1との間に接続されゲートが記憶ノードB1に接続される。NチャネルMOSトランジスタN11は、記憶ノードA1と接地ノードVSSとの間に接続されゲートが記憶ノードB1に接続される。PチャネルMOSトランジスタP12は、電源ノードVDDと記憶ノードB1との間に接続されゲートが記憶ノードA1に接続される。NチャネルMOSトランジスタN12は、記憶ノードB1と接地ノードVSSとの間に接続されゲートが記憶ノードA1に接続される。
【0034】
論理演算セルLCは、NチャネルMOSトランジスタN05,N06,N15,N16とを含む。
【0035】
NチャネルMOSトランジスタN05,N06は、マッチ線ML0と電源線VSLとの間に直列に接続され、ゲートにそれぞれ記憶ノードB0とサーチ線SL0とが接続される。
【0036】
NチャネルMOSトランジスタN15,N16は、マッチ線ML0と電源線VSLとの間に直列に接続され、ゲートにそれぞれ記憶ノードB1とサーチ線/SL0とが接続される。
【0037】
図2において、サーチ線対SL0,/SL0のそれぞれのサーチ線間には、イコライズ回路(EQ)が設けられる。後述するが所定のタイミングで当該イコライズ回路(EQ)が活性化され、サーチ線間が電気的に結合される。
【0038】
なお、図1における他のメモリセルは、対応するワード線、マッチ線、ビット線およびサーチ線が接続される点が異なるが内部の回路構成は同様であるので説明は繰返さない。
【0039】
図3は、図1のメモリアレイの一部の配置を説明するための図である。
図3を参照して、メモリセルMC0♯0とメモリセルMC1♯0とは行方向に互いに隣接して配置される。各TCAMセル列に対して対応するサーチ線が各々配置されている。すなわちメモリセルMC0♯0に対してはサーチ線対SL0,/SL0がメモリセル中に配置される。メモリセルMC1♯0に対してはサーチ線対SL1,/SL1がメモリセル中に配置されている。また、マッチ線は各セル行毎に1本配線される。すなわち図3に示される第1行目のメモリセル行(メモリセルMC0♯0,メモリセルMC1♯0)に対してはマッチ線ML0が配置される。
【0040】
図4は、実施形態1におけるメモリセルの動作を説明するための図である。
図3および図4を参照して、アドレス♯0に対しての動作を簡単に説明する。
【0041】
まず、アドレス♯0に対するデータ書込時においてはワード線WL0が「H」レベルに活性化され、ワード線WL1は「L」レベルに非活性化される。また、アドレス♯0以外に対応するワード線WL2〜WL7は「L」レベルに非活性化される。そして、ビット線BL0には書込むデータビットD0に対応するレベルが与えられ、ビット線/BL0にはその反転レベルが与えられる。また、ビット線BL1にはデータビットD1に対応するレベルが与えられ、ビット線/BL1にはその反転レベルが与えられる。
【0042】
また、サーチ線対SL0,/SL0,SL1,/SL1はすべて「L」レベルに設定される。そしてマッチ線MLは特にレベルを定めなくても良いが、好ましくはプリチャージされた「H」レベルに維持される。
【0043】
このようにワード線等が制御されることにより、メモリセルMC0♯0のデータセルDCにはデータビットD0が書込まれ、メモリセルMC1♯0のデータセルDCにはデータビットD1が書込まれる。なお、読出時においてはビット線が図示されないセンスアンプによってその電位差が増幅されてデータビットD0,D1が読出される。
【0044】
まず、アドレス♯0に対するマスクデータのデータ書込時においてはワード線WL1が「H」レベルに活性化されワード線WL0は「L」レベルに非活性化される。またアドレス♯0以外に対応するワード線WL2〜WL7は「L」レベルに非活性化される。そして、ビット線BL0には書込むマスクデータビットMD0に対応するレベルが与えられ、ビット線/BL0にはその反転レベルが与えられる。またビット線BL1にはマスクデータビットMD1に対応するレベルが与えられ、ビット線/BL1にはその反転レベルが与えられる。
【0045】
また、サーチ線対SL0,/SL0,SL1,/SL1はすべて「L」レベルに設定される。そしてマッチ線MLは特にレベルを定めなくても良いが、好ましくはプリチャージされた「H」レベルに維持される。
【0046】
このようにワード線等が制御されることにより、メモリセルMC0♯0のマスクデータセルMDCにはマスクデータビットMD0が書込まれ、メモリセルMC1♯0のマスクデータセルMDCにはマスクデータビットMD1が書込まれる。なお、データ読出時においてはビット線が図示されないセンスアンプによってその電位差が増幅されてマスクデータビットMD0,MD1が読出される。
【0047】
続いて、データサーチ時について説明する。データサーチ時においては、サーチ線により与えられる検索データと複数のアドレス♯0〜♯3の記憶データが一括して比較され各アドレスのメモリセルが保持する内容が検索データと一致するか否かが1サイクルで出力される。この場合においてワード線WL0〜WL7はすべて「L」レベルに設定され、ビット線BL0,BL1は好ましくは「H」レベルに設定される。
【0048】
サーチ線SL0は、検索データビットSD0に対応するレベルに設定され、サーチ線/SL0はその反転レベルに設定される。また、サーチ線SL1は、検索データビットSD1に対応するレベルに設定され、サーチ線/SL1はその反転レベルに設定される。その結果、アドレス♯0に対応するメモリセルのいずれか1つでも不一致のものがあれば、プリチャージされたマッチ線ML0がワイヤードOR論理によって「L」レベルに変化する。すべてのデータビットが一致したか、またはマスクデータが書込まれていた場合には、プリチャージされたマッチ線ML0は、プリチャージされた状態を維持し、その結果、出力OUTは「H」レベルとなる。
【0049】
図5は、実施形態1に基づくデータ検索前のソース線対および電源線VSLの電位を説明する図である。
【0050】
図5に示されるように、データ検索前において電源線VSLは、1/2VDDにプリチャージされる。また、サーチ線対SL0,/SL0は、1/2VDDにプリチャージされる。
【0051】
本例においては、サーチ線対SL0,/SL0を1/2VDDにプリチャージした状態から検索データに従って一方および他方を電源線VDDおよび接地線VSSの電位に設定する。
【0052】
図6は、実施形態1に基づくデータ検索時における電位の変化を説明する図である。
図6に示されるように、データ検索前において電源線VSL,サーチ線対SL0,/SL0を1/2VDDにプリチャージした状態で、検索データに従ってサーチ線対SL0,/SL0の一方および他方を電源線VDDおよび接地線VSSの電位に設定する。
【0053】
サーチ線対SL0,/SL0の一方を電源線VDDの電位に設定することによりカップリング容量によりマッチ線ML0の電位が浮き上がるが、サーチ線対SL0,/SL0の他方を接地線VSSの電位に設定することによりカップリング容量によりマッチ線ML0の電位が下がるため相殺されてマッチ線ML0の変動を抑制することが可能である。
【0054】
マッチ線ML0に接続されるメモリセルの個数が増加した場合であっても相殺されるためマッチ線ML0の変動を抑制することが可能である。
【0055】
なお、本例においては、データ検索前(初期状態)において電源線VSLの電位を1/2VDDに設定する。
【0056】
この点で、メモリセルMC0#0に記憶されるデータに関して、記憶ノードB0,B1が「H」レベルに設定されている場合には、記憶ノードB0のゲートと接続されるNチャネルMOSトランジスタN05および記憶ノードB1のゲートと接続されるNチャネルMOSトランジスタN15が導通する。
【0057】
本例においては、サーチ線対SL0,/SL0は、1/2VDDにプリチャージされているためNチャネルMOSトランジスタN06,N16のソースがゲート電圧よりも低い場合には、NチャネルMOSトランジスタN06,N16が導通する。
【0058】
したがって、NチャネルMOSトランジスタN05,N15とNチャネルMOSトランジスタN06,N16とが導通するとデータ検索前においてマッチ線ML0の電位が電源線VSLと電気的に結合される可能性がある。
【0059】
それゆえ、本例においては、データ検索前において、NチャネルMOSトランジスタN06,N16が導通しないように電源線VSLの電位を1/2VDDに設定する。
【0060】
そして、データ検索時には、電源線VSLの電位を接地線VSSの電位に設定する。
そして、次のデータ検索前に電源線VSLの電位を再び、1/2VDDに設定する。
【0061】
一方で、サーチ線対SL0,/SL0に関しては、データ検索後、イコライズ回路(EQ)を活性化する。これによりサーチ線対SL0,/SL0のサーチ線間が電気的に結合される。これにより、サーチ線対SL0,/SL0の一方のサーチ線が電源線VDDの電位、他方のサーチ線が接地線VSSの電位に設定されるため互いに結合されて、サーチ線SL0,/SL0の電位が1/2VDDに設定される。
【0062】
したがって、データ検索後にプリチャージする必要はなく、サーチ線対SL0,/SL0をプリチャージするための消費電力を抑えることができる。また、サーチ線対SL0,/SL0のサーチ線を互いに電気的に結合することにより電源線VDDと接地線VSSとの間の中間電位に設定することが可能であり、プリチャージ用の回路を設ける必要が無く、部品点数を少なくすることが可能である。
【0063】
(変形例1)
図7は、実施形態1の変形例1に基づくメモリセルMCP0♯0の構成を示した回路図である。
【0064】
図7を参照して、メモリセルMCP0♯0は、メモリセルMC0#0と比較して、論理演算セルLCを論理演算セルLC#に置換した点が異なる。
【0065】
具体的には、NチャネルMOSトランジスタN05,N06と、NチャネルMOSトランジスタN15,N16との接続関係を入れ替えた点が異なる。
【0066】
具体的には、NチャネルMOSトランジスタN05は、マッチ線ML0と接続され、NチャネルMOSトランジスタN06は、電源線VSLと接続される。
【0067】
NチャネルMOSトランジスタN15は、マッチ線ML0と接続され、NチャネルMOSトランジスタN16は、電源線VSLと接続される。
【0068】
当該構成においては、ソース線対SL0,/SL0と接続されるNチャネルMOSトランジスタは、別のNチャネルMOSトランジスタを介してマッチ線ML0と接続される。
【0069】
したがって、カップリング容量による電位の浮き上がりは、NチャネルMOSトランジスタを介してマッチ線ML0に伝達される。
【0070】
この点で、検索データと記憶ノードで保持されるデータとが一致する場合には、NチャネルMOSトランジスタは導通しないためマッチ線ML0に対してカップリング容量による浮き上がりは生じない。
【0071】
また、検索データと記憶ノードで保持されるデータとが不一致の場合には、NチャネルMOSトランジスタが導通するが、不一致の場合には、マッチ線ML0は接地線VSSの電位に設定されるため電位の浮き上がりがマッチ線ML0に影響を与えることはない。
【0072】
したがって、当該構成により、マッチ線ML0との間に別のNチャネルMOSトランジスタが設けられているため当該浮き上がりがマッチ線ML0に与える影響を抑制することが可能である。
【0073】
<実施形態2>
図8は、実施形態2に基づく半導体記憶装置の構成を示す概略ブロック図である。
【0074】
図8を参照して、半導体記憶装置200は、アドレス信号A<0:1>に応じてワード線WL0〜WL3を選択的に活性化する行デコーダ202と、検索データSDI0,SDI1に応じてサーチ線対SL0,/SL0、SL1,/SL1を駆動するサーチドライバ204とを含む。
【0075】
半導体記憶装置200は、さらに書込回路206と、メモリアレイMA1と、プリチャージ&エンコード回路208とを含む。
【0076】
書込回路206は、入力データDI0A,DI1AおよびDI0B,DI1Bに応じてビット線対BL0A,/BL0A、BL0B,/BL0B、BL1A,/BL1A、BL1B,/BL1Bを駆動する。
【0077】
メモリアレイMA1は、行列状に配置された複数のメモリセルと、ワード線WL0〜WL3、サーチ線対SL0,/SL0、SL1,/SL1およびビット線対BL0A,/BL0A、BL0B,/BL0B、BL1A,/BL1A、BL1B,/BL1Bを含む。
【0078】
プリチャージ&エンコード回路208は、メモリアレイMA1から延在するマッチ線ML0〜ML3をプリチャージするとともにこれらに出力される一致結果をエンコードする。
【0079】
メモリアレイMA1は実施形態1のアレイ構成を少し変形配置した例である。物理的には2行4列のTCAMセルが配置される。したがって、縦横の寸法は、図1に示した実施形態1の場合に比べて、横幅が2倍、縦幅が2分の1倍の大きさとなる。
【0080】
アドレス番地は下側の第1行目が♯0および♯1番地に割当てられており、上側の第2行目は♯2および♯3番地に割当てられている。各行において行方向に隣接するメモリセルはアドレス番地が異なる点が実施形態1との相違点である。
【0081】
一方、マッチ線は1行4セルに物理配置されたTCAMセルに対して2本配線される。 具体的には、マッチ線ML0,ML1は第1行のメモリセルに対して配置されている。このうち、マッチ線ML0は、アドレス♯0に対応するメモリセルMC0♯0,MC1♯0に接続されている。また、マッチ線ML1は、アドレス♯1に対応するメモリセルMC0♯1およびMC1♯1に接続されている。
【0082】
また、マッチ線ML2,ML3は、第2行のメモリセルに対して配置されている。このうち、マッチ線ML2は、アドレス♯2に対応するメモリセルMC0♯2,MC1♯2に接続されている。また、マッチ線ML3は、アドレス♯3に対応するメモリセルMC0♯3およびMC1♯3に接続されている。
【0083】
このように各行においてマッチ線を2セル単位で交互に接続した構成をなしている。
このように物理配置は実施形態1の場合と異なるが、サーチ機能としては全く同じ振る舞いをこのメモリアレイは行なう。
【0084】
すなわち、サーチ線対SL0、/SL0とサーチ線対SL1、/SL1との2組配線されており、マッチ線ML0〜ML3の4本配線されており、データサーチ機能については同じ動作をする。
【0085】
一方、データ読出とデータ書込については動作が異なる。実施形態1ではメモリセルMC0♯0とメモリセルMC0♯1とは、別々のワード線に接続されているため同時にデータ読出およびデータ書込を実行することはできない。一方、実施形態2においてはメモリセルMC0♯0とメモリセルMC0♯1の2セルのワード線が共通に配線され、ビット線対は、各々別に配線されているので、この2セルのデータを同時にデータ読出したり、データ書込を実行することができる。
【0086】
これにより1サイクルで2つの番地に同時にデータ書込、データ読出したりすることができるためデータ書込を実行するサイクル数の削減効果がある。
【0087】
また、サーチ線の長さが実施形態1の場合と比べて半分で済むので、配線容量を抑えることも可能である。これにより高速化および低消費電力化を図ることができる。
【0088】
図9は、メモリアレイMA1における互いに隣接するメモリセルMC0♯0とMC0♯1との関係を示した回路図である。
【0089】
図10は、実施形態2におけるメモリセルの動作を説明するための図である。図9図10を参照してより詳細にメモリセルの動作説明を行なう。
【0090】
まず、アドレス♯0および♯1に同時にデータを書込む場合には、ワード線WL0「H」レベルに活性化され、ワード線WL1は「L」レベルに非活性化される。ワード線WL2〜WL3に関してはアドレスが異なるため「L」レベルに非活性化される。
【0091】
そして、ビット線BL0Aは、アドレス♯0に書込む0ビット目のデータD0♯0に対応するレベルに設定され、ビット線/BL0Aは、その反転レベルに設定される。ビット線BL0Bは、アドレス♯1に書込む0ビット目のデータD0♯1に対応するレベルに設定され、ビット線/BL0Bは、その反転レベルに設定される。
【0092】
また、ビット線BL1Aは、アドレス♯0に書込む1ビット目のデータD1♯0に対応するレベルに設定され、ビット線/BL1Aは、その反転レベルに設定される。
【0093】
ビット線BL1Bは、アドレス♯1に書込む1ビット目のデータD1♯1に対応するレベルに設定され、ビット線/BL1Bは、その反転レベルに設定される。
【0094】
データ書込時においては、サーチ線対SL0,/SL0,SL1,/SL1はすべて「L」レベルに非活性化される。そして、マッチ線MLについてはレベルは問わないが好ましくは「H」レベルにプリチャージされた状態に保持される。
【0095】
次に、アドレス♯0および♯1に同時にマスクデータを書込む場合について説明する。 このときワード線WL0は、「L」レベルに非活性化され、ワード線WL1は「H」レベルに活性化される。書込対象のアドレスではないのでワード線WL2〜WL3については「L」レベルに非活性化される。
【0096】
このときビット線BL0Aは、アドレス♯0に書込む0ビット目のマスクデータであるデータMD0♯0に対応するレベルに設定され、ビット線/BL0Aは、その反転レベルに設定される。ビット線BL0Bは、アドレス♯1に書込む0ビット目のマスクデータであるデータMD0♯1に対応するレベルに設定され、ビット線/BL0Bは、その反転レベルに設定される。
【0097】
また、ビット線BL1Aは、アドレス♯0に書込む1ビット目のマスクデータであるデータMD1♯0に対応するレベルに設定され、ビット線/BL1Aは、その反転レベルに設定される。ビット線BL1Bは、アドレス♯1に書込む1ビット目のマスクデータであるデータMD1♯1に対応するレベルに設定され、ビット線/BL1Bはその反転レベルに設定される。
【0098】
このときサーチ線SL0,/SL0,SL1,/SL1は、「L」レベルに非活性化されており、マッチ線MLは、レベルは問わないが、好ましくは「H」レベルにプリチャージされている。
【0099】
これに対して、データサーチ時にはメモリアレイMA1のすべてのメモリセルに対してデータ比較が行なわれる。このときワード線WL0〜WL3はすべて「L」レベルに非活性化される。ビット線BL0A,BL0B,BL1A,BL1Bおよび/BL0A,/BL0B,/BL1A,/BL1Bは、レベルは問わないが、好ましくはすべて「H」レベルにプリチャージされた状態となっている。
【0100】
このときサーチ線SL0は、検索データの0ビット目であるデータSD0に対応するレベルに設定され、サーチ線/SL0は、その反転レベルに設定される。また、サーチ線SL1は、検索データの1ビット目であるデータSD1に対応するレベルに設定され、サーチ線/SL1は、その反転レベルに設定される。
【0101】
そして、マッチ線MLは、サーチデータが該当するアドレスにおいてすべて一致した場合に「H」レベルとなり該当するアドレスのいずれかのビットにおいて不一致が生ずると、プリチャージされていたマッチ線の電荷が引抜かれ、マッチ線は出力信号OUTとして「L」レベルを出力する。
【0102】
また、該当アドレスにマスクデータが書かれていた場合には一致したときと同様、「H」レベルとなる。
【0103】
本例においては、サーチ線対SL0,/SL0を1/2VDDにプリチャージした状態から検索データに従って一方および他方を電源線VDDおよび接地線VSSの電位に設定する。
【0104】
サーチ線対SL0,/SL0の一方を電源線VDDの電位に設定することによりカップリング容量によりマッチ線ML0の電位が浮き上がるが、サーチ線対SL0,/SL0の他方を接地線VSSの電位に設定することによりカップリング容量によりマッチ線ML0の電位が下がるため相殺されてマッチ線ML0の変動を抑制することが可能である。
【0105】
マッチ線ML0に接続されるメモリセルの個数が増加した場合であっても相殺されるためマッチ線ML0の変動を抑制することが可能である。
【0106】
また、本例においては、データ検索前において、NチャネルMOSトランジスタN06,N16が導通しないように電源線VSLの電位を1/2VDDに設定する。
【0107】
そして、データ検索時には、電源線VSLの電位を接地線VSSの電位に設定する。
そして、次のデータ検索前に電源線VSLの電位を再び、1/2VDDに設定する。
【0108】
一方で、サーチ線対SL0,/SL0に関しては、データ検索後、イコライズ回路(EQ)を活性化する。これによりサーチ線対SL0,/SL0のサーチ線間が電気的に結合される。これにより、サーチ線対SL0,/SL0の一方のサーチ線が電源線VDDの電位、他方のサーチ線が接地線VSSの電位に設定されるため互いに結合されて、サーチ線SL0,/SL0の電位が1/2VDDに設定される。
【0109】
したがって、データ検索後にプリチャージする必要はなく、サーチ線対SL0,/SL0をプリチャージするための消費電力を抑えることができる。また、サーチ線対SL0,/SL0のサーチ線を互いに電気的に結合することにより電源線VDDと接地線VSSとの間の中間電位に設定することが可能であり、プリチャージ用の回路を設ける必要が無く、部品点数を少なくすることが可能である。
【0110】
図11図15は、実施形態2におけるメモリアレイのレイアウト構成を積層方向に分割して示す概略平面図である。
【0111】
図11は、実施形態2におけるメモリアレイのウェル、拡散領域DF、ポリシリコンPO、コンタクトホールCTの配置を示した平面図である。
【0112】
図11に示されるように、TCAMセル2ビット分すなわちメモリセルMC0♯0と、これにX方向に隣接するメモリセルMC0♯1が示されている。なお、図11においてコンタクトホールCT,多結晶シリコン(ポリシリコン)PO,拡散領域DFの一つを代表として符号を付してある。
【0113】
メモリセルMC0♯0,メモリセルMC0♯1の各々はX−X軸によってデータビットとマスクビットとに分割される。データビットとマスクビットとは、従来の6個のトランジスタで構成されたシングルポートSRAMのレイアウトと同様に構成することができる。
【0114】
メモリセルMC0♯0では、X方向中央部分にNウェルNW0があり、その内部にPチャネルMOSトランジスタが形成される。そのNウェルNW0の両側にはPウェルPW0,PW1が配置され、PウェルPW0,PW1の内部にはNチャネルMOSトランジスタが形成される。また、データサーチ機能のためのサーチトランジスタはPウェルPW1内にNチャネルMOSトランジスタで形成されている。ここで、ウェルは同じ列内の他のメモリセルのウェルと連続するので、ウェルの延在方向はビット線やサーチ線の延在方向と同じであり、ワード線やマッチ線と直交する方向となる。
【0115】
より詳細に説明すると、半導体基板の表面に、メモリセルMC0♯0に対して1つのNウェルNW0とそのNウェルNW0を挟む2つのPウェルPW0,PW1が形成されている。また、Y軸に対してメモリセルM0♯1はメモリセルMC0♯0と線対称に配置されており、PウェルPW1は共有される。さらに、NウェルNW0に対応するNウェルNW1とPウェルPW0に対応するPウェルPW2とが形成されている。
【0116】
データセルDCに対応して、PチャネルMOSトランジスタP01,P02はNウェルNW0内に形成されている。また、NチャネルMOSトランジスタN02,N04はPウェルPW0内に形成されており、NチャネルMOSトランジスタN01,N03,N05,N06はPウェルPW1内に配置されている。
【0117】
NチャネルMOSトランジスタN01は、1対のN型拡散領域FL201,FL211よりなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンゲートとを有している。N型拡散領域FL201は、コンタクトホールCTを介して接地ノードVSSに電気的に結合される。
【0118】
NチャネルMOSトランジスタN03は、1対のN型拡散領域FL221,FL211からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されるゲートとを有する。このゲートは、コンタクトホールCTを介してワード線WL0に電気的に結合される。また、N型拡散領域FL221は、コンタクトホールCTを介してビット線BL0に電気的に結合される。
【0119】
NチャネルMOSトランジスタN04は、1対のN型拡散領域FL220,FL210からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、コンタクトホールCTを介してワード線WL0と電気的に結合される。また、N型拡散領域FL220は、コンタクトホールCTを介してビット線/BL0と電気的に結合される。
【0120】
NチャネルMOSトランジスタN02は、1対のN型拡散領域FL200,FL210からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。N型拡散領域FL200は、コンタクトホールCTを介して接地ノードVSSに電気的に結合される。
【0121】
PチャネルMOSトランジスタP01は、P型拡散領域FL113,FL111からなるソースおよびドレインと、これらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートはNチャネルMOSトランジスタN01のゲートと連続するポリシリコンで形成されている。P型拡散領域FL113は、コンタクトホールCTを介して電源ノードVDDに電気的に接続される。
【0122】
PチャネルMOSトランジスタP02は、1対のP型拡散領域FL110,FL112からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、NチャネルMOSトランジスタN02のゲートと連続するポリシリコンで形成されコンタクトホールCTを介してP型拡散領域FL111と電気的に接続される。また、P型拡散領域FL112は、コンタクトホールCTを介して電源ノードVDDと電気的に接続される。また、P型拡散領域FL110は、コンタクトホールCTを介してPチャネルMOSトランジスタP01のポリシリコンゲートに電気的に接続される。
【0123】
NチャネルMOSトランジスタN05は、1対のN型拡散領域FL240,FL202からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、PチャネルMOSトランジスタP01,NチャネルMOSトランジスタN01のゲートと共通するポリシリコンで形成されている。N型拡散領域FL202は、コンタクトホールCTを介して接地ノードVSSと電気的に結合されている。
【0124】
NチャネルMOSトランジスタN06は、N型拡散領域FL230,FL240からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、コンタクトホールCTを介してサーチ線SL0に電気的に接続される。また、N型拡散領域FL230は、コンタクトホールCTを介してマッチ線MLに電気的に接続される。
【0125】
また、マスクデータセルMDCに対応して、PチャネルMOSトランジスタP11,P12はNウェルNW0内に形成されている。また、NチャネルMOSトランジスタN12,N14はPウェルPW0内に形成されており、NチャネルMOSトランジスタN11,N13,N15,N16はPウェルPW1内に配置されている。NチャネルMOSトランジスタN11は、1対のN型拡散領域FL206,FL216よりなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンゲートとを有している。N型拡散領域FL206は、コンタクトホールCTを介して接地ノードVSSに電気的に結合される。
【0126】
NチャネルMOSトランジスタN13は、1対のN型拡散領域FL221,FL216からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されるゲートとを有する。このゲートは、コンタクトホールCTを介してワード線WL1に電気的に結合される。また、N型拡散領域FL221は、先に述べたようにコンタクトホールCTを介してビット線BL0に電気的に結合される。
【0127】
NチャネルMOSトランジスタN14は、1対のN型拡散領域FL225,FL215からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、コンタクトホールCTを介してワード線WL1と電気的に結合される。また、N型拡散領域FL225は、コンタクトホールCTを介してビット線/BL0と電気的に結合される。
【0128】
NチャネルMOSトランジスタN12は、1対のN型拡散領域FL200,FL215からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。N型拡散領域FL200は、先に述べたようにコンタクトホールCTを介して接地ノードVSSに電気的に結合される。
【0129】
PチャネルMOSトランジスタP11は、P型拡散領域FL118,FL116からなるソースおよびドレインと、これらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、NチャネルMOSトランジスタN11のゲートと連続するポリシリコンで形成されている。P型拡散領域FL118は、コンタクトホールCTを介して電源ノードVDDに電気的に接続される。
【0130】
PチャネルMOSトランジスタP12は、1対のP型拡散領域FL115,FL112からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、NチャネルMOSトランジスタN12のゲートと連続するポリシリコンで形成されコンタクトホールCTを介してP型拡散領域FL116と電気的に接続される。またP型拡散領域FL112は、先に述べたようにコンタクトホールCTを介して電源ノードVDDと電気的に接続される。また、P型拡散領域FL115はコンタクトホールCTを介してPチャネルMOSトランジスタP11のポリシリコンゲートに電気的に接続される。
【0131】
NチャネルMOSトランジスタN15は、1対のN型拡散領域FL245,FL207からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、PチャネルMOSトランジスタP11,NチャネルMOSトランジスタN11のゲートと共通するポリシリコンで形成されている。N型拡散領域FL207は、コンタクトホールCTを介して接地ノードVSSと電気的に結合されている。
【0132】
NチャネルMOSトランジスタN16は、N型拡散領域FL230,FL245からなるソースおよびドレインとこれらの間に配置されるポリシリコンで形成されたゲートとを有する。このゲートは、コンタクトホールCTを介してサーチ線/SL0に電気的に接続される。また、N型拡散領域FL230は、先に述べたようにコンタクトホールCTを介してマッチ線MLに電気的に接続される。
【0133】
各N型拡散領域は、PウェルPW0,PW1,PW2の活性領域内にN型不純物を注入することにより形成される。また、各P型拡散領域は、NウェルNW0,NW1の活性領域内にP型不純物を注入することにより形成される。
【0134】
なお、メモリセルMC0♯1についてはトランジスタや拡散領域の配置についてはメモリセルMC0♯0とY軸に対して線対称な配置となっているので説明は繰返さない。
【0135】
図12は、実施形態2に基づくメモリアレイのコンタクトホールCT、第1金属配線層および第2金属配線層と接続するコンタクトホールの配置を示した平面図である。
【0136】
図12に示されるように、点線領域で示されるコンタクトホールCTは、下層と接続されることを示し、実線領域で示されるコンタクトホールCTは、上層と接続される。以下の図においても同様である。Y−Y軸方向に沿って第1金属配線層100〜119等が配置されている場合が示されている。
【0137】
NチャネルMOSトランジスタN04のゲートは、コンタクトホールCT4を介して第1金属配線層M100と接続される。第1金属配線層M100は、コンタクトホールCT21を介して第2金属配線層と接続される。
【0138】
NチャネルMOSトランジスタN04のソースは、コンタクトホールCT5を介してビット線BLを形成する第1金属配線層M112と接続される。
【0139】
NチャネルMOSトランジスタN14のソースは、コンタクトホールCT1を介してビット線BLを形成する第1金属配線層M112と接続される。
【0140】
NチャネルMOSトランジスタN14のゲートは、コンタクトホールCT2を介して第1金属配線層M110と接続される。第1金属配線層M110は、コンタクトホールCT20を介して第2金属配線層と接続される。
【0141】
NチャネルMOSトランジスタN12およびNチャネルMOSトランジスタN02のドレインを形成するN型拡散領域FL200は、コンタクトホールCT3を介して第1金属配線層M111と接続される。第1金属配線層M111は、コンタクトホールCT22およびCT23を介して第2金蔵配線層に形成される電源線(VSS)と接続される。
【0142】
PチャネルMOSトランジスタP01のソースを形成するP型拡散領域FL113は、コンタクトホールCT8を介して第1金属配線層M113と接続される。
【0143】
PチャネルMOSトランジスタP11のソースを形成するP型拡散領域FL118は、コンタクトホールCT6を介して第1金属配線層M113と接続される。
【0144】
PチャネルMOSトランジスタP12,P02のソースを形成するP型拡散領域FL112は、コンタクトホールCT7を介して第1金属配線層M113と接続される。
【0145】
第1金属配線層M113は、コンタクトホールCT24〜CT26を介して第2金属配線層に形成される電源線(VDD)と接続される。
【0146】
NチャネルMOSトランジスタN01のソースは、コンタクトホールCT13を介して第1金属配線層M115と接続される。第1金属配線層M115は、コンタクトホールCT27を介して第2金属配線層に形成される電源線(VSS)と接続される。
【0147】
NチャネルMOSトランジスタN03およびNチャネルMOSトランジスタN13のドレインを形成するN型拡散領域FL221は、コンタクトホールCT11を介してビット線/BLを形成する第1金属配線層M114と接続される。
【0148】
NチャネルMOSトランジスタN11のソースは、コンタクトホールCT9を介して第1金属配線層M115と接続される。
【0149】
NチャネルMOSトランジスタN13のゲートは、コンタクトホールCT10を介して第1金属配線層M116と接続される。第1金属配線層M116は、コンタクトホールCT28を介してワード線を形成する金属配線層と接続される。
【0150】
NチャネルMOSトランジスタN03のゲートは、コンタクトホールCT12を介して第1金属配線層M101と接続される。第1金属配線層M101は、コンタクトホールCT29を介してワード線を形成する金属配線層と接続される。
【0151】
NチャネルMOSトランジスタN15のソースは、コンタクトホールCT14を介して第1金属配線層M117に形成される電源線(VSL)と接続される。
【0152】
NチャネルMOSトランジスタN05のソースは、コンタクトホールCT16を介して
第1金属配線層M117に形成される電源線(VSL)と接続される。
【0153】
NチャネルMOSトランジスタN06およびNチャネルMOSトランジスタN16のドレインを形成するN型拡散領域FL230は、コンタクトホールCT15を介して第1金属配線層M102と接続される。第1金属配線層M102は、コンタクトホールCT30を介してマッチ線を形成する金属配線層と接続される。
【0154】
NチャネルMOSトランジスタN16のゲートは、コンタクトホールCT17を介して第1金属配線層M118と接続される。第1金属配線層M118は、コンタクトホールCT31を介して上層のソース線/SLを形成する金属配線層と接続される。
【0155】
NチャネルMOSトランジスタN06のゲートは、コンタクトホールCT18を介して第1金属配線層M103と接続される。第1金属配線層M103は、コンタクトホールCT32を介して上層のソース線SLを形成する金属配線層と接続される。
【0156】
第1金属配線層にビット線対BL0A,/BL0A,BL0B,/BL0Bおよび電源線VSLが配置される。
【0157】
図13は、実施形態2に基づくメモリアレイのコンタクトホールCT、第2金属配線層の配置を示した平面図である。
【0158】
図13に示されるように、Y−Y軸方向に沿って第2金属配線層120〜129等が配置されている場合が示されている。
【0159】
第2金属配線層M120は、コンタクトホールCT20を介して第1金属配線層M110と接続される。第2金属配線層M120は、コンタクトホールCTを介して上層のワード線WL1を形成する金属配線層と接続される。
【0160】
第2金属配線層M128は、コンタクトホールCT21を介して第1金属配線層M100と接続される。第2金属配線層M128は、コンタクトホールCTを介して上層のワード線WL0を形成する金属配線層と接続される。
【0161】
第2金属配線層M121は、コンタクトホールCT22およびCT23を介して第1金属配線層M111と接続される。第2金属配線層M121は、電源線VSSを形成する。
【0162】
第2金属配線層M122は、コンタクトホールCT24〜CT26を介して第1金属配線層M113と接続される。第2金属配線層M122は、電源線VDDを形成する。
【0163】
第2金属配線層M123は、コンタクトホールCT27を介して第1金属配線層M115と接続される。第2金属配線層M123は、電源線VSSを形成する。
【0164】
第2金属配線層M124は、コンタクトホールCT28を介して第1金属配線層M116と接続される。第2金属配線層M124は、コンタクトホールCTを介して上層のワード線WL1を形成する金属配線層と接続される。
【0165】
第2金属配線層M127は、コンタクトホールCT29を介して第1金属配線層M101と接続される。第2金属配線層M127は、コンタクトホールCTを介して上層のワード線WL0を形成する金属配線層と接続される。
【0166】
第2金属配線層M126は、コンタクトホールCT30を介して第1金属配線層M102と接続される。第2金属配線層M126は、コンタクトホールCTを介して上層のマッチ線ML0を形成する金属配線層と接続される。
【0167】
第2金属配線層M125は、コンタクトホールCT31を介して第1金属配線層M118と接続される。第2金属配線層M125は、ソース線/SLを形成する。
【0168】
第2金属配線層M129は、コンタクトホールCT32を介して第1金属配線層M103と接続される。第2金属配線層129は、ソース線SLを形成する。
【0169】
第2金属配線層に電源線VSS,VDDおよびソース線対SL,/SLが配置される。
図14は、実施形態2に基づく第2金属配線層と上層との間のコンタクトホールの配置を示した平面図である。
【0170】
図14に示されるように、第2金属配線層120には、コンタクトホールCT40が設けられ、第3金属配線層に形成されるワード線WL1と接続される。
【0171】
第2金属配線層128には、コンタクトホールCT41が設けられ、第3金属配線層に形成されるワード線WL0と接続される。
【0172】
第2金属配線層124には、コンタクトホールCT42が設けられ、第3金属配線層に形成されるワード線WL1と接続される。
【0173】
第2金属配線層127には、コンタクトホールCT43が設けられ、第3金属配線層に形成されるワード線WL0と接続される。
【0174】
第2金属配線層126には、コンタクトホールCT44が設けられ、第3金属配線層に形成されるマッチ線ML0と接続される。
【0175】
図15は、実施形態2に基づく第3金属配線層とコンタクトホールの配置を示した平面図である。
【0176】
図15に示されるように、X−X軸方向に沿って第3金属配線層130〜133が配置されている場合が示されている。
【0177】
第3金属配線層130は、マッチ線ML1を形成する。
第3金属配線層131は、ワード線WL1を形成し、コンタクトホールCT40,CT42等と接続される。
【0178】
第3金属配線層132は、マッチ線ML0を形成し、コンタクトホールCT44と接続される。
【0179】
第3金属配線層133は、ワード線WL0を形成し、コンタクトホールCT41,CT43等と接続される。
【0180】
第3金属配線層にワード線WL0,WL1,マッチ線ML0,ML1が配置される。
なお、メモリセルMC0♯1の内部の金属配線層については、サーチ線SLおよびビット線BLについて対応のサーチ線およびビット線が接続される点が異なるが、配線パターンの配置についてはY軸にメモリセルMC0♯0と線対称の配置を有しているためその説明は繰返さない。
【0181】
また、以上説明したようにレイアウトを構成することにより、高集積化されたTCAMメモリアレイを第3金属配線層までで実現することができる。配線層数を抑えることができると、製造コストを抑えることができる。
【0182】
図5に示した各ゲートの向きをX軸に沿う方向に揃えることができるので、エッチングむら等による加工ばらつきや、マスクずれに起因するトランジスタ形成サイズの変化等のばらつきを小さくすることができる。
【0183】
さらに、ビット線、サーチ線の長さを短くできるので配線容量を小さくでき、サーチ線やビット線の充放電による電力消費を抑えることができる。また、配線容量を小さくすることにより高速化が図れるという利点もある。
【0184】
<実施形態3>
上記の実施形態1においては、サーチ線対SL,/SLを1/2VDDにプリチャージして、サーチ線対SL,/SLとマッチ線MLとの間におけるカップリング容量に起因するマッチ線MLに対する電圧変動を抑制する方式について説明した。
【0185】
一方で、サーチ線対SL,/SLとマッチ線MLとの間におけるカップリング容量に起因するマッチ線MLに対する電圧変動を利用してデータ読出を実行することも可能である。
【0186】
図16は、実施形態3に基づくプリチャージ&エンコード回路108におけるデータ読出の回路構成を説明する図である。
【0187】
図16(A)に示されるように、4本のマッチ線ML0〜ML3に対応して4個のセンスアンプSAが設けられる。
【0188】
各センスアンプSAは、対応するマッチ線とダミーマッチ線DMLとの間の電位差を増幅した結果を出力する。
【0189】
ダミーマッチ線DMLは、センスアンプSAの基準電位を設定するために設けられ、電源線VDDの電位に設定される。
【0190】
センスアンプSAは、対応するML0〜ML3の電位と電源線VDDの電位との間の電位差を検知し、増幅した結果を出力する。
【0191】
図16(B)に示されるように対応するマッチ線MLは、一致している場合にはプリチャージされている電源線VDDの電位から浮き上がった状態となる。
【0192】
一方、不一致の場合には、対応するマッチ線MLは、接地電圧VSSの側に下降する。
ここで、ダミーマッチ線DMLの電位は、電源線VDDであり、対応するマッチ線MLとの浮き上がった電位差が増幅されて、増幅結果が出力される。
【0193】
一方、不一致の場合には、対応するマッチ線MLの電位は電源線VDDよりも低い値となるため当該電位差が増幅されて、増幅結果が出力される。
【0194】
本実施形態3に基づく構成により、センスアンプSAの基準電圧として、電源線VDDの電位を用いることが可能となる。
【0195】
したがって、センスアンプSAの基準電圧を生成するための基準電圧生成回路を別に設ける必要はなく、部品点数を少なくして、簡易な構成でデータ読出を実行することが可能である。
【0196】
<実施形態4>
本実施形態4においては、マスクビット列を制御する方式について説明する。
【0197】
マスクビット列は、列単位でマスキングし、データ検索時において一致/不一致の判定を行わない列である。
【0198】
図17は、実施形態4に基づくメモリアレイの一部の配置を説明するための図である。 図17を参照して、各列に対応して電源線VSLを制御する電源線ドライバVSLDを設けた場合が示されている。
【0199】
図18は、実施形態4に基づく電源線ドライバVSLDの構成を説明する図である。
図18(A)を参照して、電源線ドライバVSLDは、NAND回路NDと、AD回路ADと、インバータIVと、NチャネルMOSトランジスタN1と、PチャネルMOSトランジスタP1とを含む。
【0200】
NAND回路NDは、列選択信号CAとインバータIV1を介するマスク信号MSKの反転信号との入力を受けてNAND論理演算結果をPチャネルMOSトランジスタP1に出力する。
【0201】
AND回路ADは、インバータIV2を介する列選択信号CAの反転信号とマスク信号MSKとの入力を受けてAND論理演算結果をNチャネルMOSトランジスタN1に出力する。
【0202】
列選択信号CAが「H」レベルでマスク信号MSKが「L」レベルに設定される場合には、PチャネルMOSトランジスタP1が導通する。これにより電源電圧VDDと電源線VSLとが電気的に結合される。
【0203】
列選択信号CAが「L」レベルでマスク信号MSKが「H」レベルに設定される場合には、NチャネルMOSトランジスタN1が導通する。これにより接地電圧VSSと電源線VSLとが電気的に結合される。
【0204】
図18(B)を参照して、ここでは、マスクビット列とサーチビット列との比較が示されている。マスクビット列については、電源線VDDの電位に設定される。サーチビット列については、接地線VSSの電位に設定される。
【0205】
マスクビット列を電源線VDDの電位に設定することにより、当該マスクビット列はマッチ線ML0の電位を維持する。したがって、接地線VSSへの引き抜きは行われずに一致/不一致の判定は行われない。
【0206】
当該構成により、電源線VSLの電位を制御することにより容易にマスクビット列の設定が可能である。
【0207】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0208】
100,200 半導体記憶装置、102,202 行デコーダ、104,204 サーチドライバ、106,206 書込回路、108,208 プリチャージ&エンコード回路。
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