特許第6441714号(P6441714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441714
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20181210BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H01R13/64
   H01R13/648
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-46043(P2015-46043)
(22)【出願日】2015年3月9日
(65)【公開番号】特開2016-167364(P2016-167364A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(72)【発明者】
【氏名】清水 金好
(72)【発明者】
【氏名】堀井 利昭
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6220988(JP,B2)
【文献】 特開2005−315653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 13/648
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタを含む第1コネクタ部と、前記第1コネクタに嵌合する第2コネクタを含む第2コネクタ部とを有し、検出装置によって、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが互いに嵌合している状態である嵌合完了状態と嵌合していない状態である未嵌合状態とが検出される電気的接続装置であって、
前記第1コネクタ部には、前記検出装置に流れる電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が流れる第1電流路が形成され、
前記第2コネクタ部には、前記検出装置に流れる電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が流れる第2電流路が形成され、
前記検出装置は、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが前記嵌合完了状態にあるか又は前記未嵌合状態にあるかの検出を、前記第1電流路及び前記第2電流路を流れる前記誘導電流に基づいて行い、
前記第1電流路は、前記第1コネクタに形成されたコネクタ側電流路と、前記第1コネクタが実装される基板に形成された基板側電流路と、を有していることを特徴とする、電気的接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気的接続装置において、
前記第1電流路及び前記第2電流路は、前記嵌合完了状態及び前記未嵌合状態の一方の状態のときに閉ループ状の電流路である第3電流路を形成する一方、前記嵌合完了状態及び前記未嵌合状態の他方の状態のときに前記第3電流路の形成が解除された状態となることを特徴とする、電気的接続装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電気的接続装置において、
前記第3電流路の形状及び大きさは、前記検出装置に形成されたループ状の電流路の形状及び大きさに基づいて設定されていることを特徴とする、電気的接続装置。
【請求項4】
請求項1から3のうち1項記載の電気的接続装置において、
前記コネクタ側電流路は、前記第1コネクタが有するシェルによって構成されていることを特徴とする、電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのコネクタを有し、該2つのコネクタが嵌合することにより2つの接続対象を電気的に接続する電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタの嵌合状態が検査可能なように構成された電気的接続装置として、例えば特許文献1に開示されるようなものが知られている。この電気的接続装置では、一対のコネクタが互いに嵌合した状態において、一方のコネクタ側に設けられた嵌合検知端子と、他方のコネクタ側に設けられたショート端子とが接触する。この状態において、外部回路によって嵌合検知端子及びショート端子に所定の電圧を印加し、両者の間に電流が導通することを確認することにより、一対のコネクタが嵌合していることを検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−056718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1の場合、外部回路によって、嵌合検知端子及びショート端子に直接的に電圧を印加する必要がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、電気的接続装置内に設けられた電流路に外部回路によって直接的に電圧を印加することなく、コネクタの嵌合状態を検出することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る電気的接続装置は、第1コネクタを含む第1コネクタ部と、前記第1コネクタに嵌合する第2コネクタを含む第2コネクタ部とを有し、検出装置によって、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが互いに嵌合している状態である嵌合完了状態と嵌合していない状態である未嵌合状態とが検出される電気的接続装置であって、前記第1コネクタ部には、前記検出装置に流れる電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が流れる第1電流路が形成され、前記第2コネクタ部には、前記検出装置に流れる電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が流れる第2電流路が形成され、前記検出装置は、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタが前記嵌合完了状態にあるか又は前記未嵌合状態にあるかの検出を、前記第1電流路及び前記第2電流路を流れる前記誘導電流に基づいて行い、前記第1電流路は、前記第1コネクタに形成されたコネクタ側電流路と、前記第1コネ
クタが実装される基板に形成された基板側電流路と、を有している。また、この構成では、第1コネクタ部に含まれる複数の部品(第1コネクタ及び基板)に跨るように第1電流路を形成することができるため、第1電流路の設計の自由度を向上させることができる。
【0007】
この構成では、以下のようにして、一対のコネクタ(第1コネクタ及び第2コネクタ)の嵌合状態が確認される。具体的には、まず、検査対象となる電気的接続装置が、検出装置に対して所定の位置にセットされる。この状態において、検出装置に交流電流が流れると、当該交流電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が、第1電流路及び第2電流路を流れる。そして、検出装置では、第1電流路及び第2電流路を流れる誘導電流によって生成される反作用磁束によって変化する、当該検出装置を流れる交流電流、の変化度合が検出され、その変化度合に応じて、コネクタが嵌合した状態である嵌合完了状態と、コネクタが嵌合していない状態である未嵌合状態とが検出される。すなわち、この構成によれば、各コネクタに形成された第1電流路及び第2電流路に直接的に電圧を印加することなく、コネクタの嵌合状態を確認することができる。
【0008】
従って、この構成によると、電気的接続装置内に設けられた電流路に外部回路によって直接的に電圧を印加することなく、コネクタの嵌合状態を検出することができる。
【0009】
(2)好ましくは、前記第1電流路及び前記第2電流路は、前記嵌合完了状態及び前記未嵌合状態の一方の状態のときに閉ループ状の電流路である第3電流路を形成する一方、前記嵌合完了状態及び前記未嵌合状態の他方の状態のときに前記第3電流路の形成が解除された状態となる。
【0010】
誘導電流は、当該誘導電流が流れる電流路がループ状に形成されている場合に比較的多く流れる。よってこの場合、当該誘導電流によって生成される反作用磁束も増加し、その結果、検出装置を流れる交流電流の変化度合も大きくなる。すなわち、この構成によれば、コネクタの嵌合前後での誘導電流値の変化度合が大きくなるため、コネクタの嵌合完了状態と未嵌合状態とを正確に区別して検出することができる。
【0011】
(3)更に好ましくは、前記第3電流路の形状及び大きさは、前記検出装置に形成されたループ状の電流路の形状及び大きさに基づいて設定されている。
【0012】
第3電流路の形状及び大きさを、検出装置に形成されたループ状の電流路の形状及び大きさに合うように設定すると、検出装置の検出感度を向上させることができる。よって、この構成によれば、コネクタの嵌合完了状態と未嵌合状態とをより正確に区別して検出することができる。
【0015】
(4)更に好ましくは、上記(1)から(3)のうち1項記載のコネクタ側電流路は、前記第1コネクタが有するシェルによって構成されている。
【0016】
この構成では、コネクタ側電流路をシェルによって構成することができる。すなわち、この構成によれば、コネクタのシェルをコネクタ側電流路としても機能させることができるため、新たにコネクタ側電流路を形成する必要がなくなる。よって、この構成によれば、第1コネクタ部の構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気的接続装置内に設けられた電流路に外部回路によって直接的に電圧を印加することなく、コネクタの嵌合状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る電気的接続装置の斜視図である。
図2図1に示す電気的接続装置の第1コネクタ部及び第2コネクタ部を示す図であって、嵌合が解除された状態の第1コネクタ部及び第2コネクタ部を示す図である。
図3】第1コネクタ部を前側から視た図である。
図4図3のIV−IV線における断面図である。
図5】第2コネクタ部のソケットハウジング及びケーブルと、短絡コンタクトとを分解して示す斜視図である。
図6】第2コネクタ部の縦断面図であって、短絡コンタクトの端子部を含む平面で切断した縦断面図である。
図7】短絡コンタクトの斜視図である。
図8】メス型コネクタとオス型コネクタとが嵌合する際の動作を説明するための図であって、図8(A)はメス型コネクタとオス型コネクタとが嵌合する前の状態を示す図、図8(B)はメス型コネクタとオス型コネクタとが嵌合する直前の状態を示す図、図8(C)はメス型コネクタとオス型コネクタとが嵌合した状態を示す図、である。
図9】第1電流路及び第2電流路について説明するための図であって、シェル、シェル用ランド、接続ライン、及び短絡コンタクトを模式的に示す図である。図9(A)は、メス型コネクタ及びオス型コネクタが未嵌合状態のときの第1電流路及び第2電流路を示す図であり、図9(B)は、メス型コネクタ及びオス型コネクタが嵌合完了状態のときの第1電流路及び第2電流路を示す図である。
図10】検出装置が有する閉ループ状のコイル部を模式的に示す図である。
図11】電気的接続装置の嵌合状態を検出装置によって検出する際の検査の様子を示す模式図であって、(A)は、電気的接続装置がベルトコンベアによって搬送されている状態を示す図、(B)は、電気的接続装置が検出装置の下側まで搬送された状態を示す図、である。
図12】変形例に係る電気的接続装置が有する第1コネクタ部及び第2コネクタ部を示す図であって、両者が嵌合していない状態を示す図であり、図12(A)は斜視図、図12(B)は正面図である。
図13図12に示す電気的接続装置の断面図であって、図13(A)は図12(B)のXIIIA−XIIIA線における断面図であり、図13(B)は図13(A)のXIIIB−XIIIB線における断面図である。
図14】嵌合完了状態にある電気的接続装置を示す図であって、図14(A)は斜視図、図14(B)は正面図である。
図15図14に示す電気的接続装置の断面図であって、図15(A)は図14(B)のXVA−XVA線における断面図であり、図15(B)は図15(A)のXVB−XVB線における断面図である。
図16】電気的接続装置のうち第1電流路及び第2電流路のみを示す斜視図であって、図16(A)は、未嵌合状態のときの電気的接続装置における第1電流路と第2電流路との位置関係を示す図、図16(B)は、嵌合完了状態のときの電気的接続装置における第1電流路と第2電流路との位置関係を示す図、である。
図17】変形例に係る電気的接続装置が有する第1コネクタ部及び第2コネクタ部を示す図であって、図17(A)は側面図、図17(B)は図17(A)のXVIIB−XVIIB線における断面図、である。
図18】嵌合完了状態となる直前の電気的接続装置を示す図であって、図18(A)は側面図、図18(B)は図18(A)のXVIIIB−XVIIIB線における断面図、図18(C)は図18(B)のXVIIIC部の拡大図、である。
図19】嵌合完了状態の電気的接続装置を示す図であって、図19(A)は側面図、図19(B)は図19(A)のXIXB−XIXB線における断面図、図19(C)は図19(B)のXIXC部の拡大図、である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、2つのコネクタを有し、該2つのコネクタが嵌合することにより2つの接続対象を電気的に接続する電気的接続装置に広く適用できる。
【0020】
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係る電気的接続装置1の斜視図である。また、図2は、図1に示す電気的接続装置1の第1コネクタ部10及び第2コネクタ部20を示す図であっ
て、嵌合が解除された状態の第1コネクタ部10及び第2コネクタ部20を示す図である。
【0021】
本実施形態に係る電気的接続装置1は、第1コネクタ部10側の接続対象(図示省略)と、第2コネクタ部20側の接続対象(図示省略)とを電気的に接続するためのものである。電気的接続装置1において、第1コネクタ部10と第2コネクタ部20とを嵌合させて電気的接続装置1を嵌合完了状態とすることにより、第1コネクタ部10側のコンタクトと第2コネクタ部20側のコンタクトとが接触する。これにより、2つの接続対象を電気的に接続することができる。
【0022】
なお、以下では、各図において、説明の便宜上、前と記載された矢印が指示する方向を前側又は前方と称し、後と記載された矢印が指示する方向を後側又は後方と称し、右と記載された矢印が指示する方向を右側と称し、左と記載された矢印が指示する方向を左側と称し、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方と称し、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方と称する。
【0023】
電気的接続装置1は、図1及び図2に示すように、第1コネクタ部10と、第2コネクタ部20と、を備えている。上述のように、第1コネクタ部10には、図示しない接続対象(機器等)が電気的に接続されている。一方、第2コネクタ部20には、図示しない接続対象(機器等)が電気的に接続されている。
【0024】
[第1コネクタ部の構成]
図3は、第1コネクタ部10を前側から視た図である。また、図4は、図3のIV−IV線における断面図である。図1から図4を参照して、第1コネクタ部10は、基板2と、メス型コネクタ11(第1コネクタ)と、を備えている。
【0025】
基板2は、メス型コネクタ11が実装される部材であって、例えば一例として、絶縁性を有する基材の表面にレジストが設けられることにより形成された部材である。図1及び図2を参照して、基板2には、シェル用ランド3a,3bと、端子用ランド5と、が形成されている。各ランド3a,3b,5は、導電性を有する材料によって形成されている。シェル用ランド3a,3bには、メス型コネクタ11のシェル13,14がはんだ付けされる。シェル用ランド3a,3bは、左右方向に離間して配置されている。端子用ランド5には、メス型コネクタ11のコンタクト15がはんだ付けされる。
【0026】
また、基板2には、接続ライン4が形成されている。接続ライン4は、上述したランド3a,3b,5同様、導電性を有する材料によって形成されている。接続ライン4は、基板2に形成されたプリント配線によって構成されている。接続ライン4は、一端側がシェル用ランド3aに接続されている一方、他端側がシェル用ランド3bに接続されている。すなわち、接続ライン4は、2つのシェル用ランド3a,3bを電気的に接続している。
【0027】
メス型コネクタ11は、第2コネクタ部20のソケットハウジング22が挿入される凹状に形成されている。メス型コネクタ11は、メスハウジング12と、該メスハウジング12を覆うように設けられた2つのシェル13,14(第1シェル13及び第2シェル14)と、複数のオス型コンタクト15と、を有している。
【0028】
メスハウジング12は、図4に示すように、後方に向かって開口する開口部12aが形成された略箱状に形成されている。メスハウジング12は、絶縁性を有する樹脂材料等によって構成されている。また、メスハウジング12の上側の壁部には、前後方向に延びる2本のスリット12bが形成されている。スリット12bは、メスハウジング12における左右方向の中央部分に、左右方向に間隔をあけて形成されている。各スリット12bは
、メスハウジング12の上側の壁部を上下方向に貫通している。なお、図4においては、2本のスリット12bのうちの一方のみを図示している。
【0029】
第1シェル13及び第2シェル14は、それぞれ、導電性を有する板状の金属材料がプレス加工により折曲されることにより形成された部材である。
【0030】
第1シェル13は、上板部13aと、側板部13bと、脚部13cとを有し、これらが一体に設けられている。上板部13aは、前後方向及び左右方向に広がる矩形板状の部分として設けられている。側板部13bは、前後方向及び上下方向に広がる矩形板状の部分として設けられている。側板部13bの上側の端部は、上板部13aの左側の端部と連続して設けられている。脚部13cは、前後方向及び左右方向に広がる片状の部分として設けられている。脚部13cは、側板部13bの下側における前後方向中央部分から左側へ延びるように設けられている。第1シェル13は、脚部13cがシェル用ランド3aにはんだ付けされることにより、基板2に固定される。
【0031】
第1シェル13の上板部13aには、片持ち梁状に形成された梁部13dが形成されている。梁部13dは、その前側の端部が上板部13aと連続して設けられ、後方へ向かって斜め下方へ延びるように形成されている。梁部13dの先端部である梁部先端部13eは、メスハウジング12のスリット12bを介して、該メスハウジング12の開口部12a内に露出している。
【0032】
第2シェル14は、上板部14aと、側板部14bと、脚部14cとを有し、これらが一体に設けられている。上板部14aは、前後方向及び左右方向に広がる矩形板状の部分として設けられている。側板部14bは、前後方向及び上下方向に広がる矩形板状の部分として設けられている。側板部14bの上側の端部は、上板部14aの右側の端部と連続して設けられている。脚部14cは、前後方向及び左右方向に広がる片状の部分として設けられている。脚部14cは、側板部14bの下側における前後方向中央部分から右側へ延びるように設けられている。第2シェル14は、脚部14cがシェル用ランド3bにはんだ付けされることにより、基板2に固定される。
【0033】
第2シェル14の上板部14aには、片持ち梁状に形成された梁部14dが形成されている。梁部14dは、その前側の端部が上板部14aと連続して設けられ、後方へ向かって斜め下方へ延びるように形成されている。梁部14dの先端部である梁部先端部14eは、メスハウジング12のスリット12bを介して、該メスハウジング12の開口部12a内に露出している。
【0034】
第1シェル13及び第2シェル14は、それぞれが基板2にはんだ付けされた状態において、メスハウジング12の上面及び側面を覆うように設けられる。この状態において、第1シェル13の上板部13aと、第2シェル14の上板部14aとの間には、僅かな隙間Gが形成される(図1及び図3参照)。
【0035】
各オス型コンタクト15は、導電性を有する細長い板状の金属部材が折曲されて形成された部材である。各オス型コンタクト15は、一端側の部分が端子用ランド5にはんだ付けされる一方、他端側の部分が、メスハウジング12における前側の壁部を貫通し、図4に示すように、その先端部分がメスハウジング12の開口部12a内に露出している。オス型コンタクト15の先端部分は、第2コネクタ部20のメス型コンタクト34と接触するコンタクト部16として設けられている。
【0036】
[第2コネクタ部の構成]
図5は、第2コネクタ部20のソケットハウジング22及びケーブル30と、短絡コン
タクト35とを分解して示す斜視図である。また、図6は、第2コネクタ部20の縦断面図であって、短絡コンタクト35の端子部38を含む平面で切断した縦断面図である。第2コネクタ部20は、オス型コネクタ21(第2コネクタ)と、複数のケーブル30と、短絡コンタクト35と、を備えている。オス型コネクタ21は、ソケットハウジング22を有している。
【0037】
ソケットハウジング22は、絶縁性を有する樹脂材料等によって略ブロック状に形成された部材である。ソケットハウジング22には、該ソケットハウジング22の後面から前方へ向かって延びる複数の穴部22aが形成されている。各穴部22aには、ケーブル30の端部に取り付けられたメス型コンタクト34が圧入され、該穴部22a内で固定されている。また、ソケットハウジング22には、各穴部22aに対応する貫通孔部23が形成されている。各貫通孔部23は、該ソケットハウジング22の前面から後方へ向かって延びて、前記穴部22aに連通している。
【0038】
また、ソケットハウジング22には、片持ち梁状に形成されたロックバネ部24が形成されている。ロックバネ部24は、ソケットハウジング22の上面部分に形成されている。ロックバネ部24は、後側の部分がソケットハウジング22の上面と連続して設けられるとともに、前側の部分が上下方向に撓むように形成されている。ロックバネ部24における前後方向中央部分には、上方に突出する爪部25が形成されている。爪部25は、被係合部として設けられ、メスハウジング12の上側の壁部における内側の部分に形成された係合部(図示省略)と係合することにより、第2コネクタ部20が後方へ抜けるのを防止する。第1コネクタ11及び第2コネクタ21は、このようにロックバネ部24の爪部25と係合部とが係合したときに、第1コネクタ11のコンタクト15と第2コネクタ21のコンタクト34とが接触するように構成されている。
【0039】
また、図5を参照して、ソケットハウジング22には、短絡コンタクト35が収容されるコンタクト収容部26が形成されている。コンタクト収容部26は、ロックバネ部24と、ソケットハウジング22との間に形成された隙間部分によって構成されている。コンタクト収容部26は、前後方向及び左右方向に広がる水平部26aと、前後方向及び上下方向に広がる2つの垂直部26bと、によって構成されている。水平部26aは、前側から後側へ向かって延びるように形成されている。垂直部26bは、上方から視てスリット状に形成されている。
【0040】
複数のケーブル30は、それぞれが、ソケットハウジング22に形成された複数の穴部22aのそれぞれに対応して設けられている。各ケーブル30の先端部には、メス型コンタクト34が取り付けられている。具体的には、ケーブル30の被覆部31には、メス型コンタクト34がカシメ等によって固定されている。また、ケーブル30の導電線32には、メス型コンタクト34がはんだ付け或いはカシメ等によって固定されている。これにより、ケーブル30の導電線32とメス型コンタクト34とが電気的に接続される。
【0041】
メス型コンタクト34は、前後方向に延びる略筒状の金属材料によって形成されている。メス型コンタクト34の開口部は、ソケットハウジング22の貫通孔部23を介して前方へ向かって開口している。メス型コンタクト34の開口部には、第1コネクタ部10のコンタクト部16が挿入される。これにより、メス型コンタクト34とコンタクト部16が接触するため、2つの接続対象が電気的に接続される。
【0042】
図7は、短絡コンタクト35の斜視図である。短絡コンタクト35は、板状の金属材料がプレス加工により折曲された部材で構成されている。短絡コンタクト35は、平板部36と、突出部37と、一対の端子部38,39とを有し、これらが一体に設けられている。
【0043】
平板部36は、左右方向にやや長い矩形状に形成された部分である。突出部37は、平板部36における左右方向中央部分から後方に向かって突出するように設けられている。一対の端子部38,39は、平板部36における左右方向の各端部から後方に向かって延びるように形成されている。各端子部38,39の先端側の部分には、上方へ向かって膨出する部分が形成されている。この部分は、第1コネクタ部10及び第2コネクタ部20が嵌合した状態において、各シェル13,14に形成された梁部13d,14dの梁部先端部13e,14eと接触するコンタクト部38a,39aとして設けられている。第1コネクタ部10及び第2コネクタ部20が嵌合してロックバネ部24がメスハウジング12にロックされた状態において、コンタクト部38aは梁部先端部13eに接触し、コンタクト部39aは梁部先端部14eに接触する。
【0044】
図5を参照して、短絡コンタクト35は、平板部36が水平部26aに位置し、且つ各端子部38,39が垂直部26bに位置するように、コンタクト収容部26に収容される。このように短絡コンタクト35がコンタクト収容部26に収容された状態において、コンタクト部38a,39aは、コンタクト収容部26の垂直部26bからやや上方へ突出して外部へ露出する。また、この状態において、突出部37は、ソケットハウジング22に形成された穴部(図示省略)に挿入される。これにより、突出部37の抜け止め部37aが当該穴部に引っ掛かるため、短絡コンタクト35がソケットハウジング22から離脱してしまうことを防止できる。
【0045】
[コネクタの嵌合時の動作]
図8は、メス型コネクタ11とオス型コネクタ21とが嵌合する際の動作を説明するための図であって、図8(A)はメス型コネクタ11とオス型コネクタ21とが嵌合する前の状態を示す図、図8(B)はメス型コネクタ11とオス型コネクタ21とが嵌合する直前の状態を示す図、図8(C)はメス型コネクタ11とオス型コネクタ21とが嵌合した状態を示す図、である。すなわち、図8(A)及び図8(B)に示す状態では、メス型コネクタ11とオス型コネクタ21とは未嵌合状態となっている。一方、図8(C)に示す状態では、メス型コネクタ11とオス型コネクタ21とは嵌合完了状態となっている。
【0046】
オス型コネクタ21をメス型コネクタ11に嵌合する場合には、オス型コネクタ21において貫通孔部23が形成されている側の部分を、メス型コネクタ11の開口部12a側から挿入する(図8(A)参照)。図8(A)に示す状態において、オス型コネクタ21を更にメス型コネクタ11側へ押圧すると、ロックバネ部24の爪部25が、ソケットハウジング22の上壁における内側の部分によって下方へ押し下げられる(図8(B)参照)。これに伴い、短絡コンタクト35もロックバネ部24によって下方へ押し下げられるため、短絡コンタクト35のコンタクト部38a,39aも下方へ押し下げられる(図8(B)参照)。
【0047】
そして、図8(B)に示す状態において、オス型コネクタ21を更にメス型コネクタ11側へ押圧すると、ソケットハウジング22の上壁における内側の部分によって下方へ押し下げられていた爪部25が元の位置に戻り、ソケットハウジング22の係合部(図示省略)と係合する。これにより、ロックバネ部24がメスハウジング12にロックされた状態となるため、メス型コネクタ11とオス型コネクタ21とが嵌合して嵌合完了状態となる。また、このとき、短絡コンタクト35の下方への押圧も解除されるため、該短絡コンタクト35のコンタクト部38a,39aも元の位置に戻り、図8(C)に示すように、各シェル13,14の梁部先端部13e,14eに当接する。なお、図8(C)では、第1シェル13の梁部先端部13eとコンタクト部38aとが当接している状態のみが図示されている。
【0048】
[シェル、短絡コンタクト等によって構成される電流路について]
図9は、第1電流路6及び第2電流路7について説明するための図であって、シェル13,14、シェル用ランド3a,3b、接続ライン4、及び短絡コンタクト35を模式的に示す図である。図9(A)は、メス型コネクタ11及びオス型コネクタ21が未嵌合状態のときの第1電流路6及び第2電流路7を示す図であり、図9(B)は、メス型コネクタ11及びオス型コネクタ21が嵌合完了状態のときの第1電流路6及び第2電流路7を示す図である。
【0049】
第1電流路6は、図9に示すように、シェル13,14、シェル用ランド3a,3b、及び接続ライン4によって構成される電流路である。一方、第2電流路7は、短絡コンタクト35によって構成される電流路である。また、図9(B)に示すように、2つのコネクタ11,21が嵌合完了状態にある場合には、第1電流路6及び第2電流路7の端部同士が互いに接触して、閉ループ状の電流路8が構成される。これらの電流路6,7,8には、詳しくは後述する検出装置50を流れる電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が流れる。なお、シェル13,14によってコネクタ側電流路が形成され、シェル用ランド3a,3b及び接続ライン4によって基板側電流路が形成されている。
【0050】
本実施形態に係る電気的接続装置1は、検出装置50によって、2つのコネクタ11,21が嵌合完了状態にあるか又は未嵌合状態にあるかが検出される。やや詳しくは、電気的接続装置1では、検出装置50を流れる電流に起因する誘導電流が、第1電流路6及び第2電流路7を流れる。上記誘導電流の値は、閉ループ状の電流路8が形成されている場合(すなわち2つのコネクタ11,21が嵌合完了状態にある場合)と、第1電流路6及び第2電流路7が離間している場合(すなわち2つのコネクタ11,21が未嵌合状態にある場合)とで、異なる値となる。検出装置50は、この特性を利用して、電気的接続装置1の嵌合状態(嵌合完了状態であるか未嵌合状態であるか)を検出する。
【0051】
なお、閉ループ状の第3電流路8を構成するシェル13,14及び短絡コンタクト35に用いられる材料としては、上述した誘導電流が流れやすい金属材料、例えば鉄、或いはニッケル等が好ましい。
【0052】
図10は、検出装置50が有する閉ループ状のコイル部51を模式的に示す図である。検出装置50は、図示しない電源部を有し、当該電源部によってコイル部51に交流電流が流れるように構成されている。また、検出装置50は、図示しない検出部を有している。コイル部51に交流電流が流れて磁界が生成されると、その磁界によって電流路6,7,8に誘導電流が流れ、その誘導電流によって反作用磁束が発生する。検出部は、その反作用磁束によって変化するコイル部51の交流電流の変化度合を検出し、その変化度合に応じて、2つのコネクタ11,21が嵌合完了状態にあるか又は未嵌合状態にあるかを検出する。
【0053】
コイル部51は、図10に示すように、略矩形状に形成されている。このコイル部51の形状及び大きさは、嵌合完了状態にある2つのコネクタ11,21によって構成されるループ状の第3電流路8の形状及び大きさに基づいて設定される。具体的には、コイル部51の形状及び大きさは、ループ状の電流路8を上方から視た場合における、当該電流路8に沿うような形状及び大きさに形成されている。
【0054】
[コネクタの嵌合検査]
図11は、電気的接続装置1の嵌合状態を検出装置50によって検出する際の検査の様子を示す模式図であって、(A)は、電気的接続装置1がベルトコンベア55によって搬送されている状態を示す図、(B)は、電気的接続装置1が検出装置50の下側まで搬送
された状態を示す図、である。
【0055】
電気的接続装置1の嵌合検査では、例えば一例として、メス型コネクタ11及びオス型コネクタ21が嵌合した状態の複数の電気的接続装置1が、ベルトコンベア55によって一方向へ順次、搬送される(図11(A)参照)。そして、この嵌合検査では、電気的接続装置1が、検出装置50の下側まで搬送された状態(図11(B)参照)において、当該電気的接続装置1の嵌合状態が検出される。
【0056】
図11(B)に示す状態では、図9及び図10を参照して、電気的接続装置1の電流路8は、上下方向から視て、検出装置50のコイル部51と概ね重なる位置となる。このとき、コイル部51を流れる交流電流に起因して流れる電流路8の誘導電流によって、比較的多くの反作用磁束が発生する。検出装置50は、その反作用磁束によって比較的大きく変化するコイル部51の電流を検出することにより、2つのコネクタ11,21が嵌合完了状態にあることを検出する。
【0057】
一方、2つのコネクタ11,21が完全に嵌合しておらず、未嵌合状態となっている場合、検出装置50は、以下のようにして電気的接続装置1の未嵌合状態を検出する。具体的には、図9を参照して、電気的接続装置1が未嵌合状態にある場合には、第1電流路6及び第2電流路7が互いに接続された状態となっておらず、閉ループ状の電流路8が形成されていない状態となる。そうすると、当該電気的接続装置1が図11(B)のように検出装置50の下側まで搬送されても、十分な量の反作用磁束が形成されず、コイル部51の電流変化は微小なものとなる。この場合、検出装置50は、電気的接続装置1の未嵌合状態を検出し、ブザー鳴動或いは警告灯点灯等によって、電気的接続装置1の未嵌合状態を警告する。
【0058】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る電気的接続装置1では、検査対象となる電気的接続装置1が、検出装置50に対して所定の位置にセットされる(図11(B)参照)。この状態において、検出装置50のコイル部51に交流電流が流れると、当該交流電流によって生成される磁界の変化によって誘導される誘導電流が、第1電流路6及び第2電流路7を流れる。そして、検出装置50では、第1電流路6及び第2電流路7を流れる誘導電流によって生成される反作用磁束によって変化するコイル部51での交流電流の変化度合が検出され、その変化度合に応じて、コネクタ11,21が嵌合した状態である嵌合完了状態と、コネクタが嵌合していない状態である未嵌合状態とを検出する。すなわち、電気的接続装置1によれば、各コネクタ11,21に形成された第1電流路6及び第2電流路7に直接的に電圧を印加することなく、コネクタ11,21の嵌合状態を確認することができる。
【0059】
従って、電気的接続装置1によれば、一対のコネクタ11,21のそれぞれに設けられた電流路6,7に電流を流すために、外部回路によって当該電流路に直接的に電圧を印加することなく、コネクタ11,21の嵌合状態を検出できる。
【0060】
また、一般的に、誘導電流は、当該誘導電流が流れる電流路がループ状に形成されている場合に比較的多く流れるため、当該誘導電流によって生成される反作用磁束も増加し、その結果、検出装置50を流れる交流電流の変化度合も大きくなる。すなわち、電気的接続装置1のように、コネクタ11,21の嵌合前後で閉ループ状の第3電流路の形成及び未形成が切り替えられるような構成とすることで、コネクタ11,21の嵌合前後での誘導電流値の変化度合を大きくできる。よって、電気的接続装置1によれば、コネクタ11,21の嵌合完了状態と未嵌合状態とを正確に区別して検出することができる。
【0061】
また、電気的接続装置1では、第3電流路8の形状及び大きさを、検出装置50のコイル部51の形状及び大きさに合うように設定している。こうすると、検出装置50の検出感度を向上させることができるため、コネクタ11,21の嵌合完了状態と未嵌合状態とをより正確に区別して検出することができる。
【0062】
また、電気的接続装置1によれば、第1コネクタ部10に含まれる2つの部品(第1コネクタ11及び基板2)に跨るように第1電流路6を形成することができるため、第1電流路6の設計の自由度を向上させることができる。
【0063】
また、電気的接続装置1によれば、コネクタ側電流路をシェル13,14によって構成することができる。すなわち、電気的接続装置1によれば、コネクタ11のシェル13,14をコネクタ側電流路としても機能させることができるため、新たにコネクタ側電流路を形成する必要がなくなる。よって、電気的接続装置1によれば、第1コネクタ部10の構成を簡素化することができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0065】
[変形例]
(1)図12は、変形例に係る電気的接続装置1aが有する第1コネクタ部10a及び第2コネクタ部20aを示す図であって、両者が嵌合していない状態を示す図であり、図12(A)は斜視図、図12(B)は正面図である。また、図13は、図12に示す電気的接続装置1aの断面図であって、図13(A)は図12(B)のXIIIA−XIIIA線における断面図であり、図13(B)は図13(A)のXIIIB−XIIIB線における断面図である。また、図14は、嵌合完了状態にある電気的接続装置1aを示す図であって、図14(A)は斜視図、図14(B)は正面図である。また、図15は、図14に示す電気的接続装置1aの断面図であって、図15(A)は図14(B)のXVA−XVA線における断面図であり、図15(B)は図15(A)のXVB−XVB線における断面図である。また、図16は、電気的接続装置1aのうち第1電流路6a及び第2電流路7aのみを示す斜視図であって、図16(A)は、未嵌合状態のときの電気的接続装置1aにおける第1電流路6aと第2電流路7aとの位置関係を示す図、図16(B)は、嵌合完了状態のときの電気的接続装置1aにおける第1電流路6aと第2電流路7aとの位置関係を示す図、である。
【0066】
上記実施形態では、第1コネクタ部10に形成される第1電流路6を、メス型コネクタ11が有するシェル13,14と、基板2に形成されたシェル用ランド3a,3b及び接続ライン4で構成したが、これに限らない。具体的には、図16等に示すように、第1電流路6aを、メス型コネクタ11aに設けられた略C字状の金属部材によって形成してもよい。なお、本変形例では、第2電流路7aは、オス型コネクタ21aに設けられた直線状の金属部材によって形成している。本変形例では、嵌合完了状態において、図16に示すように、第1電流路6a及び第2電流路7aによって、閉ループ状の第3電流路8aが形成される。そして、本変形例でも、上述した実施形態に係る電気的接続装置1の場合と同様、誘導電流を利用して、コネクタ11a,21aの嵌合状態が検出される。
【0067】
以上のように、本変形例に係る電気的接続装置1aによっても、上述した実施形態に係る電気的接続装置1の場合と同様、外部回路によって電流路6a,7a,8aに直接的に電圧を印加することなく、コネクタ11a,21aの嵌合状態を検出できる。
【0068】
(2)図17は、変形例に係る電気的接続装置1bが有する第1コネクタ部10b及び第2コネクタ部20bを示す図であって、図17(A)は側面図、図17(B)は図17(A)のXVIIB−XVIIB線における断面図、である。また、図18は、嵌合完了状態となる
直前の電気的接続装置1bを示す図であって、図18(A)は側面図、図18(B)は図18(A)のXVIIIB−XVIIIB線における断面図、図18(C)は図18(B)のXVIIIC部の拡大図、である。また、図19は、嵌合完了状態の電気的接続装置1bを示す図であって、図19(A)は側面図、図19(B)は図19(A)のXIXB−XIXB線における断面図、図19(C)は図19(B)のXIXC部の拡大図、である。
【0069】
本変形例に係る電気的接続装置1bのメス型コネクタ11bは、通常のオス型コンタクト15a(2つの接続対象を電気的に接続するためのコンタクト)とは別に、検出用コンタクト17を有している。検出用コンタクト17は、第1コネクタ部10b及び第2コネクタ部20bの嵌合状態を検出するために用いられるコンタクトである。
【0070】
検出用コンタクト17は、金属材料で構成されたピン状のコンタクト本体18と、コンタクト本体18の外周を覆う絶縁体で構成された絶縁部19と、を有している。検出用コンタクト17は、オス型コンタクト15aと同様、基板2を上下方向に貫通した状態で該基板2に固定されている。絶縁部19は、コンタクト本体18において基板2よりも上方に突出している部分のうち、先端部18aを除く部分を覆っている。
【0071】
本変形例に係る電気的接続装置1bでは、メス型コネクタ11bとオス型コネクタ21bとが嵌合する直前の状態(図18参照)において、検出用コンタクト17の先端部18aに、第2コネクタ部20bのメス型コンタクト41が接触する。これにより、メス型コンタクト41と検出用コンタクト17とが電気的に接続される。また、本変形例では、メス型コンタクト41と検出用コンタクト17とを電気的に接続する電流ライン(図示省略)が形成されている。すなわち、本変形例では、図18に示す状態(未嵌合状態)において、検出用コンタクト17、メス型コンタクト41、及び上述した電流ラインによって、閉ループ状の第3電流路が形成される。
【0072】
一方、電気的接続装置1bでは、第1コネクタ部10bと第2コネクタ部20bとが嵌合した嵌合完了状態(図19参照)において、検出用コンタクト17の絶縁部19に、第2コネクタ部20bのメス型コンタクト41が接触する。これにより、メス型コンタクト41と検出用コンタクト17との電気的な接続が解除され、上述した閉ループ状の第3電流路の一部が電気的に切断された状態となる。
【0073】
そして、本変形例に係る電気的接続装置1bでは、検出装置50によって、以下のようにして未嵌合状態と嵌合完了状態とが検出される。具体的には、電気的接続装置1bが未嵌合状態の場合、上述のように閉ループ状の第3電流路が形成される。従って、検出装置50は、コイル部51に流れる電流の変化が大きい場合には、電気的接続装置1bが未嵌合状態にあることを検出する。一方、電気的接続装置1bが嵌合完了状態の場合には、閉ループ状の第3電流路が形成されない。従って、検出装置50は、コイル部51に流れる電流の変化が小さい場合には、電気的接続装置1bが嵌合完了状態にあることを検出する。
【0074】
以上のように、本変形例に係る電気的接続装置1bによっても、上述した実施形態に係る電気的接続装置1の場合と同様、外部回路によって電気的接続装置1b側の電流路に直接的に電圧を印加することなく、コネクタ11b,21bの嵌合状態を検出できる。
【0075】
なお、本変形例において、絶縁部19をコンタクト本体18の先端部に形成してもよい。この場合、未嵌合状態の電気的接続装置において流れる誘導電流の値は小さくなる一方、嵌合完了状態の電気的接続装置において流れる誘導電流の値は大きくなる。よって、コイル部51を流れる交流電流の変化が大きい場合に嵌合完了状態であると検出し、且つコイル部51を流れる交流電流の変化が小さい場合に半嵌合状態であると検出するように、
検出装置50を構成することで、電気的接続装置の嵌合完了状態と未嵌合状態とを検出することができる。
【0076】
(4)上記実施形態では、それぞれが開ループ状に形成された第1電流路6及び第2電流路7がコネクタの嵌合後において閉ループ状になって該第1電流路6及び第2電流路7を流れる誘導電流の値が大きくなることを利用して、コネクタの嵌合状態を検出した。しかし、これに限らず、例えば、一対のコネクタのそれぞれに閉ループ状の電流路を形成してもよい。この場合、コネクタの嵌合前後で2つの電流路の相対的な位置関係が変化して各電流路に流れる誘導電流の値が変化することを利用して、コネクタの嵌合状態が検出される。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、2つのコネクタを有し、該2つのコネクタが嵌合することにより2つの接続対象を電気的に接続する電気的接続装置として広く適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
1,1a,1b 電気的接続装置
6,6a 第1電流路
7,7a 第2電流路
10,10a,10b 第1コネクタ部
11,11a,11b メス型コネクタ(第1コネクタ)
20,20a,20b 第2コネクタ部
21,21a,21b オス型コネクタ(第2コネクタ)
50 検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19