(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記傾斜面部分と上記平面部分との接続部に、両者を滑らかに接続する円弧面部分を備えている、ことを特徴とする請求項2または3に記載のバッテリパックのファンユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のようにファンの回転軸がパックケースの底面と平行となるように構成したファンユニットにおいては、ファンの径によってバッテリパックの上下方向に沿ったファンユニットの大きさが概ね決まってしまい、上下方向に沿った小型化が困難である。例えば、バッテリモジュールをパックケース内に平積み形式で配置してバッテリパックの上下方向の寸法を小さくしようとした場合に、ファンユニットの上下方向の小型化が困難であることから、バッテリパックの設計の自由度が制限される。
【0008】
一方、特許文献2においては、非常に狭い偏平な入口側のダクトを通して案内された空気が、直角に向きを変えてファンに流入する形となっているので、ファンの効率が非常に悪くなり、必要な吐出量を確保するためには、ファンの大型化や電力消費の増加さらには騒音の悪化などが生じてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、バッテリモジュールが複数収容されるパックケースの内部に配設され、該パックケース内で空気を循環させるバッテリパックのファンユニットであって、
回転軸がファンユニットの底面と直交する姿勢でもってファンユニットの下部に配設された電動モータと、
上記電動モータの外周側に嵌合する略円筒状をなし、上記電動モータによる回転に伴って上端の中心開口部から吸入した空気を外周側へ送風するファンと、
上記電動モータおよび上記ファンが収容され、パックケース内に向かって開口する吸入口から上記中心開口部へ吸入空気を案内する入口側ダクト部を有するとともに、上記ファンの接線方向に沿って吐出空気を案内する出口側ダクト部を有するケースと、
を備えており、
上記吸入口は、上記ファンよりも高い位置において該ファンの半径方向に延びた細長い形状をなし、
上記入口側ダクト部は、上記吸入口の左右の側縁から上記ファンの側方へ至る左右の側壁と、上記吸入口の上縁から下降して上記中心開口部の上方へ至る天井壁と、を備え、
上記天井壁は、上記電動モータの回転軸上での内側面の高さ位置が、上記吸入口の下縁の高さ位置よりも低くなっている、ことを特徴としている。
【0010】
このような構成では、吸入口から流入した空気は、入口側ダクト部の天井壁に沿って案内されて、吸入口よりも相対的に下方に位置するファンの中心開口部に導かれる。そして、ファンの回転に伴って、出口側ダクト部へと吐出される。また天井壁は、電動モータの回転軸上では、その内側面(換言すれば天井面)の高さ位置が吸入口よりも低く、ファンの回転軸が底面と直交する構成であることと相俟って、上下方向の寸法が小さなものとなる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、ファンの効率を悪化させることなくファンユニットの上下方向寸法の小型化が図れ、バッテリパックの設計の自由度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、この発明に係るファンユニットを備えたバッテリパック1の全体的な構成を示している。このバッテリパック1は、比較的小型の電気自動車に適用されるもので、略長方形状をなすパックケース2内に複数のバッテリモジュール3が収容されて構成されている。
【0015】
パックケース2は、
図1に示すように、下半部を構成するパックケースロア2Aと、上半部を構成するパックケースアッパ2Bと、に2分割して構成されており、それぞれ、十分な剛性を有するように例えばアルミニウム合金などの金属材料を用いて皿状に一体に鋳造されている。これらのパックケースロア2Aおよびパックケースアッパ2Bは、周囲のフランジ4,5を互いに突き合わせた上で図示せぬボルトを締結することによって、一体に組み立てられる。
【0016】
パックケース2は、平面視において細長い長方形をなすが、その長辺が車両進行方向に沿った姿勢で図示せぬ車両に搭載される。例えば、車体フロアの中央部に車両前後方向に沿って設けられるフロアトンネル部に沿った形でもって、車両フロアの下面側に取り付けられる。
【0017】
ここで、以下の説明の便宜のために、
図1に付記したように、細長いパックケース2の長辺に沿った方向を「前後方向L」と、細長いパックケース2の短辺に沿った方向を「幅方向W」と、これらと直交する方向を「上下方向H」と、それぞれ定義し、以下の説明では、極力これらの用語を用いることとする。「前後方向L」は、「車両進行方向」、「車両の前後方向」、「パックケース2の長手方向」と実質的に同義であり、「幅方向W」は、「車両の幅方向」、「パックケース2の幅方向」と実質的に同義である。「上下方向H」は、「高さ方向」と同義である。また、
図1の左側が車両の前方、
図1の右側が車両の後方、となるので、パックケース2の前・後についても、
図1の左側を「前」、
図1の右側を「後」とする。
【0018】
従って、パックケース2は、前後方向Lの寸法が幅方向Wの寸法よりも小さく、かつ上下方向Hの寸法が幅方向Wの寸法よりも小さな、偏平な略長方形状をなしている。
【0019】
バッテリモジュール3は、一対の主面(最も面積の大きな面)が長方形をなす偏平な箱形に構成されており、平積み形式(バッテリモジュール3の主面がパックケース2の底面に実質的に平行となる配置形式。横置き形式ともいう。)でもってパックケース2内に並べられている。詳しくは、幅方向Wに2個のバッテリモジュール3が並べられているとともに、前後方向Lに3個のバッテリモジュール3が並べられており、かつ上下方向Hには、複数段、例えば2段にバッテリモジュール3が積層されている。つまり、上下2段に積層されたバッテリモジュール3のスタックが、平面視では、2×3の形で計6箇所に配置されており、計12個のバッテリモジュール3がパックケース2内に収容されている。ここでは、各々のスタックを特定するために、各スタックに、便宜上、A1,A2,B1,B2,C1,C2、の符号を付す。
【0020】
なお、各スタックの上下方向Hの積層段数は、車体フロアの形状などから定まる任意の数に各スタック毎に設定することが可能であり、これによって、パックケースアッパ2Bの上面の凹凸形状や高さひいては車両フロアの設計の自由度が高く得られる。
【0021】
バッテリモジュール3は、金属製のケース内に複数の単電池を収容したものであり、偏平な長方形をなすケースの短辺側の側面に正負の端子11がそれぞれ矩形の突起状に突出して設けられている。モジュール3に収容される単電池としては、図示しないが、例えば、シート状の正極および負極をセパレータを介して交互に多数積層してなる電極積層体を、ラミネートフィルムからなる可撓性を有する外装体の内部に電解液とともに収容した偏平なリチウムイオン電池が用いられている。複数の偏平な単電池は、バッテリモジュール3の厚さ方向つまり
図1では上下方向Hに積層されている。
【0022】
パックケース2内において、各バッテリモジュール3は、いずれもバッテリモジュール3の長辺が前後方向Lに沿った向きでもって配置されており、幅方向Wに隣り合う2つのスタックないしバッテリモジュール3は、殆ど隙間のない形に互いに近接している。つまり、2つのスタックA1,A2は長辺となる側面同士が互いに隣接しており、同様に、2つのスタックB1,B2も長辺となる側面同士が互いに隣接し、2つのスタックC1,C2も長辺となる側面同士が互いに隣接している。各スタックは、図示せぬブラケットを介してパックケースロア2Aに固定支持されている。
【0023】
各バッテリモジュール3の端子11は、上述したようにバッテリモジュール3の短辺側の側面に設けられているので、各バッテリモジュール3は、いずれも、端子11がパックケース2の前後方向Lを向いた姿勢となっている。より具体的には、
図3に示すように、スタックA1,A2における4つのバッテリモジュール3は、端子11を備えた短辺側の側面が後方を向いた向きに配置され、スタックB1,B2,C1,C2における8つのバッテリモジュール3は、端子11を備えた短辺側の側面が前方を向いた向きに配置されている。
【0024】
前後方向Lに隣り合う2つのスタックないしバッテリモジュール3の間、つまり、スタックA1,A2とスタックB1,B2との間ならびにスタックB1,B2とスタックC1,C2との間には、それぞれ、端子11に対するバスバーやハーネス(いずれも図示せず)の接続作業に必要な間隙12,13が幅方向Wに沿って連続した通路状に形成されている。換言すれば、スタックA1,A2とスタックB1,B2は、前後方向Lに適宜な間隔をもって互いに離れて配置され、同様に、スタックB1,B2とスタックC1,C2は、前後方向Lに適宜な間隔をもって互いに離れて配置されている。
【0025】
後側に位置するスタックC1,C2は、パックケース2の後端に比較的近接している。これに対し、前側のスタックA1,A2は、パックケース2の前端から前後方向Lに離れて位置しており、両者間の空間に、パックケース2内で冷却風を循環させるファンユニット15と、複数のリレーを内部に格納したジャンクションボックス21と、が収容されている。これらのファンユニット15およびジャンクションボックス21は、パックケース2の幅方向Wに並んで配置されており、右側つまりスタックA1の側にジャンクションボックス21が位置し、左側つまりスタックA2の側にファンユニット15が位置している。換言すれば、パックケース2の前側の端部にファンユニット15およびジャンクションボックス21が配置され、これらよりも後側の空間にバッテリモジュール3のスタックA1〜C2が配置されている。
【0026】
ファンユニット15は、後述するように円筒状のファンを備えたいわゆるシロッコファン形式のものであり、前後方向Lに沿って細長く延びた矩形の吸入口18が、幅方向Wの一方へ向かって開口している。詳しくは、吸入口18は、ジャンクションボックス21の側へ向かって開口しており、特に、ファンユニット15の高い位置に設けられている。吸入口18には、後述するように外部から冷媒が供給されるエバポレータ19が設けられており、パックケース2内で循環する冷却風の冷却を行っている。
【0027】
ファンユニット15の吐出側には、さらに送風ダクト25が接続されている。送風ダクト25は、パックケース2の一方の長辺に沿って前後方向Lに直線的に延びており、スタックA2,B2,C2の側面に向かってそれぞれ開口する吹出口26を3箇所に備えている。
【0028】
ジャンクションボックス21は、偏平な箱形のケース内に多数のリレーやフューズを格納したものであり、その上下方向Hの寸法はファンユニット15の上下方向Hの寸法に比較して小さい。従って、ファンユニット15の吸入口18は、ジャンクションボックス21に比較して相対的に高い位置に開口しており、ジャンクションボックス21に向かって開口しているものの、ジャンクションボックス21に覆われることはない。一実施例では、ジャンクションボックス21の上面よりも吸入口18の下縁が高い位置にある。
【0029】
また、パックケースロア2Aの前端部には、一対の側壁7,8を互いに連結するように幅方向Wに沿って直線状に延びた補強バー31が設けられている。この補強バー31は、両端部がパックケースロア2Aのフランジ4にそれぞれ図示せぬブラケットを介して固定支持されている。そして、この補強バー31は、
図3に示すように、ジャンクションボックス21の上方を横切って配置されている。つまり、ジャンクションボックス21は、その前後方向Lの一端部が補強バー31の下方に入り込んだ形に配置されている。なお、ファンユニット15の吸入口18は、補強バー31よりも上方で開口している。
【0030】
上記のように構成された実施例のバッテリパック1においては、車両進行方向(前後方向L)に沿って細長いパックケース2内に、平積み形式でバッテリモジュール3を収容し、かつ端子11を前後方向Lに向けた配置としたことにより、上下方向Hの寸法の設計の自由度が高く得られるとともに、幅方向Wの寸法を小さくすることができ、例えば車体フロアの床面積が限られている小型の車両への搭載が容易となる。
【0031】
また、ファンユニット15によって供給される冷却風は、
図3に矢印で示すように、基本的にパックケース2の外周に沿って流れるとともに、スタックA1,A2とスタックB1,B2との間の間隙12およびスタックB1,B2とスタックC1,C2との間の間隙13を通って幅方向Wに流れる。なお、パックケースロア2Aの側壁7とスタックA1,B1,C1との間には、図示せぬハーネス類の配置のために適宜な間隙が保たれており、これによって前後方向Lに直線的に連続した流路が構成されている。従って、パックケース2内での冷却風の流れが単純であり、流れに伴う圧力損失が比較的小さくなることから、小型つまり小容量のファンユニット15でもって十分な冷却が可能となる。これにより、例えば、冷却に伴う騒音の低減、消費電力の抑制、などが図れる。
【0032】
幅方向Wに沿った流路を構成するスタック間の前後方向Lの間隙12,13は、上述したように、端子11の接続作業に必要な空間を兼ねており、従って、バッテリパック1の小型化と冷却風流路の確保との両立の上で有利である。
【0033】
ここで、バッテリモジュール3とともに発熱部位であるジャンクションボックス21は、パックケース2内での冷却風の流れの最下流、換言すれば、ファンユニット15の吸入口18の直前に位置している。ジャンクションボックス21は、一般にバッテリモジュール3よりも高温となるので、バッテリモジュール3周囲を通過してある程度温度上昇した冷却風であっても、バッテリモジュール3との温度差を比較的大きく確保できることから、冷却風による効果的な冷却作用が得られる。従って、ジャンクションボックス21を冷却風の流れの最下流に配置することで、限られた容量の冷却風によりバッテリモジュール3とジャンクションボックス21との双方を効果的に冷却することができる。また、ファンユニット15の吸入口18は、ジャンクションボックス21よりも相対的に高い位置に開口しており、ファンユニット15への吸入を阻害しない。冷却風は、
図3に矢印で示すように、ジャンクションボックス21の上面に沿って流れ、ジャンクションボックス21を冷却する。ファンユニット15に戻ってきた高温の空気は、エバポレータ19における冷媒との熱交換により冷却された上で、再度、バッテリモジュール3へ向けて送り出される。
【0034】
なお、図示例は、パックケース2の長辺に沿った送風ダクト25を具備しているが、この送風ダクト25を省略することも可能である。この場合、パックケースロア2Aの側壁8とスタックA2,B2,C2との間に、やはり図示せぬハーネス類の配置のために間隙が確保されるため、この間隙が前後方向Lに直線的に延びた流路となり、
図3の矢印と全く同様に冷却風が循環する。
【0035】
次に、
図4〜
図8を参照して、本発明の要部であるファンユニット15の構成について説明する。このファンユニット15は、下部に配設された電動モータ41と、この電動モータ41によって回転駆動される略円筒状のファン42と、これらの電動モータ41とファン42とが収容される合成樹脂製のケース43と、を主体として構成されている。
【0036】
上記電動モータ41は、
図6に示すように、軸方向寸法が径方向寸法よりも小さな偏平な円盤型のモータからなり、その中心の回転軸41aがファンユニット15の底面に対し直交(ひいてはパックケースロア2Aの底面に対し直交)する姿勢でもってケース43の底部に取り付けられている。円盤状をなす電動モータ41の上部の周縁は、テーパ状の円錐面に形成されている。
【0037】
ファン42は、
図6,
図9に示すように、全体として略円筒状をなすように多数の略矩形の翼が周方向に並んで配列されたいわゆる円筒状の多翼ファンであり、個々の翼は、ファン42の軸方向に沿って細長い矩形の板状をなし、かつ半径線に対し所定角度傾いている。従って、一方向に回転することにより、内周側から外周側へ送風する公知のシロッコファンを構成している。ファン42は、全体が合成樹脂によって一体に成形されており、中心部に、略円錐形をなすコーン部42aを備えている。このコーン部42aは、その下半部が、電動モータ41の外周に僅かな隙間を介して嵌合しており、かつ上端部が電動モータ41の回転軸41aに取り付けられている。コーン部42aの下端縁は周囲の翼列に連結されており、これによって、円筒状に配列された翼列全体が支持されている。また、ファン42の上端面においては、円筒状に配列された翼列の内周側が中心開口部42bとして開口しており、ここから流入した空気がコーン部42aに沿って外周の翼列へ案内され、翼の回転に伴って外周側へ吐出されるようになっている。
【0038】
なお、ファン42は、図示するように、軸方向(上下方向H)の寸法が外周面の直径よりも短い。つまり上下方向Hの高さが直径よりも小さな円筒状をなす。また、電動モータ41は、下端のフランジ部分を除き、大部分がファン42の内周側に収容されている。従って、電動モータ41とファン42とを組み合わせた状態において、その上下方向Hの寸法は、小さなものとなっている。
【0039】
ケース43は、下側部分を構成するボディ45と、上側部分を構成するカバー46と、ファン42の上端面に沿って配置された円環状のファンカバー47と、の3つの部材から大略構成されている。これらの部材は、個々に合成樹脂にて成形され、図示せぬネジによる結合あるいは接着等によって一体に組み立てられている。
【0040】
ボディ45は、上記ファン42が電動モータ41とともに収容される略円筒状のファン収容部48を有し、かつこのファン収容部48の周方向の一部に、ファン42の接線方向に沿って延びる出口側ダクト部49が形成されている。ファンカバー47は、ファン42の上端面にほぼ沿った高さ位置においてボディ45側のファン収容部48および出口側ダクト部49の上面を覆うように構成されており、
図6,
図9に示すように、ファンカバー47は、ファン42の中心開口部42bに対応する円形の開口部を備えている。なお、このファンカバー47の大部分はカバー46の内側にあり、出口側ダクト部49の上面部分のみが外部に露出している。吐出空気を案内する出口側ダクト部49の先端には、前述した送風ダクト25が接続される。
【0041】
ケース43において、電動モータ41の回転軸41aを挟んで出口側ダクト部49とは反対側となる側には、ボディ45とカバー46とを組み合わせてなる入口側ダクト部50が形成されている。この入口側ダクト部50は、
図6,
図8等に示すように、ファン収容部48から上方に立ち上がった形に形成されており、その先端が、上述した吸入口18として開口している。吸入口18は、ファン42の上端面よりも高い位置にあり、ファン42の半径方向に沿って細長く延びた矩形をなしている。この吸入口18には、上述したように、空気と冷媒との熱交換を行う熱交換コアであるエバポレータ19が配設されている。より詳しくは、吸入口18に、上部壁51a,下部壁51b,一対の左右側壁51c,51cによって囲まれた矩形の筒状をなすエバポレータ収容部51が形成されており、このエバポレータ収容部51内にエバポレータ19が嵌合している。筒状のエバポレータ収容部51は、回転軸41a中心線と直交する方向つまりファンユニット15の底面と平行な方向を指向している。また吸入口18ならびにエバポレータ19の幅は、
図4および
図5から明らかなように、ファン42の直径よりも大きなものとなっている。
【0042】
入口側ダクト部50は、吸入口18詳しくはエバポレータ19の出口側端面と、ファン42の中心開口部42bと、を斜めに接続するものであり、エバポレータ収容部51出口側端面における上縁から下降してファン42の上方へ至る天井壁53と、エバポレータ収容部51の左右側壁51cに連続して延び、かつファン42を囲むファン収容部48に滑らかに連続する左右の側壁54,55と、エバポレータ収容部51出口側端面における下縁から下降して先端がファン収容部48の上端寄りの位置に接続された底壁56と、によって四方を囲まれたダクト状に形成されている。天井壁53は、カバー46の一部として構成され、底壁56は、ボディ45の一部として構成されている。側壁54,55は、大部分がカバー46によって構成され、一部がボディ45によって構成されている。
図7に示すように、側壁54,55は、電動モータ41の回転軸41aと平行な面となる。
【0043】
天井壁53は、全体として傾斜面ないしスロープ状のものとなるが、より具体的には、エバポレータ収容部51の上縁から下方へほぼ一定の角度で傾斜した傾斜面部分53aと、電動モータ41の回転軸41aの方向と直交する平面をなす平面部分53bと、から構成されている。
【0044】
平面部分53bは、ファン42の一部つまり出口側ダクト部49寄りの部分の上方を覆うように形成され、
図6に示すように、ファン42の上端面にほぼ沿って位置するファンカバー47との間に、吸入空気の通路となる比較的小さな間隙を有している。この平面部分53bは、出口側ダクト部49側の外縁が、ファン収容部48の外形に沿った円弧形をなしている。図示例では、平面部分53bは、ファン42の中心つまり電動モータ41の回転軸41aの上方位置まで平面を保つように形成されており、従って、
図5に示す平面図においては、平面部分53bは実質的に半円形をなしている。
【0045】
傾斜面部分53aと平面部分53bとは、電動モータ41の回転軸41aの上方位置において互いに接続されている。両者の接続部には、両者を滑らかに接続する円弧面部分53cが設けられている。円弧面部分53cは、曲率半径の中心が
図6においてケース43の外側に位置し、ケース43の内側へ向かって凸となる円弧面をなす。また
図5の平面図においては、円弧面部分53cは、吸入口18やエバポレータ19と平行に延びた帯状の領域に設けられている。
【0046】
ここで、平面部分53bの内側面(天井面)の高さ位置は、
図6に示すように、吸入口18の下縁の高さ位置よりも僅かに低く設定されている。つまりスロープ状をなす天井壁53の内側面は、電動モータ41の回転軸41a上での高さ位置が、吸入口18の下縁の高さ位置よりも低くなっている。その一方で、天井壁53は、円弧面部分53cを介して平面部分53bに達するまでは、平面部分53bよりも高い位置にあり、底壁56との間に、上下方向Hの寸法が大きな入口側ダクト部50を構成している。
【0047】
ケース43の下部には、側方へ細長く延びる冷媒用コネクタ58がボディ45とカバー46とによって構成されている。この冷媒用コネクタ58は、エバポレータ19に冷媒を循環させるための冷媒供給管59および冷媒出口管60(
図9参照)が内部を通っており、先端のコネクタ部58aに車両側の冷媒配管が接続されるようになっている。コネクタ部58aは、
図1〜
図3には図示していないが、パックケースロア2Aの前端面に露出した形に配設される。
【0048】
上記のように構成されたファンユニット15においては、軸方向寸法が径よりも小さいファン42および電動モータ41が、回転軸41aを底面に対し直交させた姿勢で搭載されているため、ファンユニット15の高さ寸法がファン42の径に制約されず、その設計の自由度が高くなる。従って、前述したように、複数のバッテリモジュール3を平積み形式で配置したバッテリパック1に好適である。そして、吸入口18をファン42よりも上方に配置する一方で、天井壁53の吸入口18寄りの部分を傾斜面部分53aとし、回転軸41aよりも反対側の部分を平面部分53bとして吸入口18の下縁よりも低い高さ位置としたので、ファンユニット15の上下方向Hの小型化とファン42の効率確保とを両立させることができる。
【0049】
すなわち、回転軸41aよりも出口側ダクト部49寄りの領域では、平面部分53bとして高さが十分に低くなっているため、例えば、
図1に示すように、パックケースアッパ2Bの対応部位に凹部61を設けたり、あるいはパックケース2内で他の部品を収容するなどして、天井壁53上方の空間を有効に活用することができる。
【0050】
一方、ファン42の回転軸41aから吸入口18寄りの領域では、入口側ダクト部50の上下方向Hの寸法が大きく与えられており、ファン42よりも上方に位置するエバポレータ19を通過した後の空気が、その流れを向きを変えつつファン42の中心開口部42bに滑らかに流入する。従って、平面部分53bの高さを低くしたことによるファン42の効率悪化は少ない。特に、ファン42よりも高い位置にあるエバポレータ19の出口側端面から中心開口部42bに空気が直線的に流入し得るので、平面部分53bでの通路断面積が狭くても、十分に高い効率が得られる。
【0051】
また吸入口18が高い位置にあることで、前述したように、パックケース2内で隣接するジャンクションボックス21に阻害されずに空気の吸入が可能であり、またジャンクションボックス21の上面に沿って冷却風を流すようにして、パックケース2内全体に冷却風を効率よく循環させることができる。
【0052】
なお、上記実施例ではファンユニット15の吸入口18に空気冷却用のエバポレータ19を備えているが、本発明は、エバポレータ19を内蔵しない単純なファンユニットにおいても同様に適用できる。また、空気の加熱を行うヒータをファンユニットに内蔵させることもできる。