(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記監視回路はさらに、前記スイッチング要素にわたる電圧が起動位相の間かつ前記増幅器回路が安定状態にあるまで前記しきい値より大きい場合に、前記スイッチング要素を開放位置に置くように構成された、請求項1に記載の装置。
前記監視回路は、前記スイッチング要素が前記第2の位相の間に閉じられていないと判定したことに応答して、前記第3の位相の間に前記スイッチング要素を閉じた位置に置くように構成された、請求項1に記載の装置。
前記スイッチング要素はゲート端子を含み、前記監視回路はさらに、前記ゲート端子を第1のゲート電圧で駆動することによって前記スイッチング要素に電流を通すように構成された、請求項1に記載の装置。
前記第1の位相は第1の期間を含み、前記第2の位相は前記第1の期間の後の第2の期間を含み、前記第3の位相は前記第1の期間と前記第2の期間の後の第3の期間を含む、請求項1に記載の装置。
スイッチング要素を開放するステップは前記スイッチング要素にわたって電流を流さないステップを含み、前記スイッチング要素を閉じるステップは前記スイッチング要素に電流を流すステップを含む、請求項10に記載の方法。
前記スイッチング要素を開放するかまたは閉じるステップは、開放位置または閉じた位置にある入力波形により駆動されるように構成されたゲート端子を有する電界効果トランジスタを含む、請求項10に記載の方法。
前記コントローラはさらに、前記ワイヤレス場に接続するように構成された可変数の受信機に起因した結合における変動に基づいて前記特性を監視するように構成された、請求項13に記載の装置。
前記入力波形信号の前記タイミングは、前記ドライバ回路の出力波形信号とマッチするように構成され、前記出力波形信号は、前記ドライバ回路にもたらされた前記負荷の反応変動を示す、請求項13に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面に示される様々な特徴部は、一定の縮尺で描かれていない可能性がある。したがって、様々な特徴部の寸法は、明確にするために、恣意的に拡大または縮小されている可能性がある。加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法、またはデバイスの構成要素のすべてを示していないことがある。最後に、同様の参照番号は、本明細書および図を通して同様の特徴部を示すために使用され得る。
【0015】
添付の図面に関する下記の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明として意図されており、本発明が実施され得る唯一の実施形態を表すように意図されていない。本説明全体にわたって使用される「例示的」という用語は、「例、実例、または例示として役立つ」ことを意味し、必ずしも、他の例示的な実施形態よりも好ましいか、または有利なものと解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的実施形態の完全な理解をもたらす目的で、具体的な詳細を含んでいる。本発明の例示的な実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得る。場合によっては、本明細書に提示する例示的な実施形態の新規性を曖昧にするのを回避するために、よく知られている構造およびデバイスは、ブロック図の形式で示されている。
【0016】
電力をワイヤレス伝達することは、物理的な電気導体を使用することなく、電場、磁場、電磁場などに関連する任意の形態のエネルギーを送信機から受信機に伝達することを指す可能性がある(たとえば、電力は、自由空間を通して伝達され得る)。電力伝達を実現するために、ワイヤレス場(たとえば、磁場)内に出力された電力は、「受信コイル」によって受信、捕捉、または結合され得る。
【0017】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、例示的なワイヤレス電力伝達システム100の機能ブロック図である。エネルギー伝達を可能にするための場106を生成するのに、電源(図示せず)から、送信機104に入力電力102を提供することができる。受信機108は、場106に結合し、出力電力110に結合されたデバイス(図示せず)によって蓄積または消費するための出力電力110を生成することができる。送信機104と受信機108の両方は、距離112だけ離されている。例示的な一実施形態では、送信機104および受信機108は、相互の共振関係に従って構成される。受信機108の共振周波数および送信機104の共振周波数が、ほぼ同じか、または極めて近いとき、送信機104と受信機108との間の伝送損失は最小となる。したがって、コイルが極めて近い(たとえば、数mm)ことが必要な大型のコイルを必要とする可能性がある純粋に誘導性のソリューションとは対照的に、より大きい距離にわたる、ワイヤレス電力伝達を可能にすることができる。したがって、共振誘導結合技法は、効率の改善、および様々な距離にわたる、様々な誘導コイル構成を用いた電力伝達を可能にすることができる。
【0018】
受信機108は、送信機104によって生成されたエネルギー場106に位置するとき、電力を受信することができる。場106は、送信機104によって出力されたエネルギーが受信機108によって捕捉され得る領域に対応する。場合によっては、場106は、以下でさらに説明するように、送信機104の「近接場」に相当する可能性がある。送信機104は、エネルギー伝送を出力するための送信コイル114を含む可能性がある。さらに、受信機108は、エネルギー伝送からのエネルギーを受信または捕捉するための受信コイル118を含む。近接場は、送信コイル114から電力を最小限に放射する、送信コイル114内の電流および電荷に起因する強い反応場(reactive field)が存在する領域に相当する可能性がある。場合によっては、近接場は、送信コイル114の約1波長(または波長の数分の一)内にある領域に相当する可能性がある。送信コイル114および受信コイル118は、それらに関連する適用例およびデバイスに応じてサイズを決定される。上述のように、効率的なエネルギー伝達は、電磁波のエネルギーの大部分を非近接場に伝播するのではなく、送信コイル114の場106のエネルギーの大部分を受信コイル118に結合することによって起こる可能性がある。場106内に位置するとき、送信コイル114と受信コイル118との間に、「結合モード」を発生させることができる。この結合が起こり得る、送信コイル114および受信コイル118の周りの領域を、本明細書では結合モード領域と呼ぶ。
【0019】
図2は、本発明の様々な例示的な実施形態による、
図1のワイヤレス電力伝達システム100に使用され得る例示的な構成要素の機能ブロック図である。送信機204は、発振器222とドライバ回路224とフィルタ/整合回路226とを含み得る送信回路206を含むことができる。発振器222は、周波数制御信号223に応答して調整され得る、468.75KHz、6.78MHz、または13.56MHzなどの所望の周波数の信号を生成するように構成され得る。発振器信号は、たとえば送信コイル214の共振周波数で送信コイル214を駆動するように構成されたドライバ回路224に提供され得る。ドライバ回路224は、発振器222から方形波を受け取り、正弦波を出力するように構成されたスイッチング増幅器である可能性がある。たとえば、ドライバ回路224は、E級増幅器である可能性がある。また、フィルタ/整合回路226は、高調波または他の不要な周波数をフィルタ除去し、送信機204のインピーダンスを送信コイル214に整合させるために含まれ得る。
【0020】
受信機208は、
図2に示すバッテリー236を充電するため、または受信機208に結合されたデバイス(図示せず)に電力供給するためにAC電力入力からDC電力出力を生成するための整合回路232と整流器/スイッチング回路234とを含み得る受信回路210を含むことができる。整合回路232は、受信回路210のインピーダンスを受信コイル218に整合させるために含まれ得る。加えて、受信機208および送信機204は、別々の通信チャネル219(たとえば、ブルートゥース、zigbee、セルラーなど)上で通信することができる。代替として、受信機208および送信機204は、ワイヤレス場206の特性を使用したバンド内信号伝達を介して通信することができる。
【0021】
以下でより十分に説明するように、最初に選択的に無効にすることが可能な関連する負荷(たとえば、バッテリー236)を有する可能性がある受信機208は、送信機204によって送信され受信機208によって受信される電力量がバッテリー236を充電するのに適しているかどうかを判定するように構成され得る。さらに、受信機208は、電力量が適切であると判定すると、負荷(たとえば、バッテリー236)を有効にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、受信機208は、バッテリー236を充電することなく、ワイヤレス電力伝達場から受信した電力を直接利用するように構成され得る。たとえば、近接場通信(NFC)または無線周波数識別デバイス(RFID)などの通信デバイスは、ワイヤレス電力伝達場から電力を受信し、ワイヤレス電力伝達場と相互作用することによって通信し、および/または送信機204もしくは他のデバイスと通信するために受信電力を利用するように構成され得る。
【0022】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、送信コイルまたは受信コイル352を含む、
図2の送信回路206または受信回路210の一部分の概略図である。
図3に示すように、例示的な実施形態に使用される送信回路または受信回路350は、コイル352を含むことができる。また、コイルは、「ループ」アンテナ352と呼ぶことができるか、または「ループ」アンテナ352として構成することができる。また、コイル352は、本明細書では、「磁気」アンテナもしくは誘導コイルと呼ぶことができるか、または「磁気」アンテナもしくは誘導コイルとして構成することができる。「コイル」という用語は、別の「コイル」に結合するためのエネルギーをワイヤレスに出力または受信することができる構成要素を指すことが意図される。コイルは、電力をワイヤレスに出力または受信するように構成されるタイプの「アンテナ」と呼ぶこともできる。コイル352は、空芯、またはフェライトコアなどの物理的コア(図示せず)を含むように構成され得る。空芯ループコイルは、コアの近傍に配置された無関係の物理デバイスに対して、より耐用性がある可能性がある。さらに、空芯ループコイル352により、他の構成要素をコア領域内に配置することが可能になる。加えて、空芯ループは、受信コイル218(
図2)を送信コイル214(
図2)の平面内に配置することをより容易にすることができ、送信コイル214(
図2)の結合モード領域が、より強力になる可能性がある。
【0023】
上述のように、送信機104と受信機108との間のエネルギーの効率的な伝達は、送信機104と受信機108との間の整合した共振またはほぼ整合した共振の間に起こる可能性がある。しかしながら、送信機104と受信機108との間の共振が整合しないときでも、エネルギーを伝達することができるが、効率に影響を及ぼす可能性がある。エネルギーの伝達は、送信コイルの場106からのエネルギーを、近傍にある受信コイルに結合することによって起こり、この場106は、送信コイルからのエネルギーを自由空間に伝播させる代わりに確立される。
【0024】
ループコイルまたは磁気コイルの共振周波数は、インダクタンスおよびキャパシタンスに基づいている。インダクタンスは単にコイル352によって生成されたインダクタンスである可能性があるが、キャパシタンスは、所望の共振周波数の共振構造を生成するためにコイルのインダクタンスに加えられ得る。非限定的な例として、共振周波数で信号358を選択する共振回路を生成するために、送信回路または受信回路350にキャパシタ354およびキャパシタ356を加えることができる。したがって、より大きい直径のコイルでは、共振を持続させるのに必要なキャパシタンスのサイズは、ループの直径またはインダクタンスが増加するにつれて減少する可能性がある。さらに、コイルの直径が増加するにつれて、近接場の効率的なエネルギー伝達面積が増加する可能性がある。他の構成要素を使用して形成される他の共振回路も考えられる。別の非限定的な例として、コイル352の2つの端子間に並列にキャパシタを配置することができる。送信コイルに関して、コイル352の共振周波数にほぼ対応する周波数を有する信号358は、コイル352への入力である可能性がある。
【0025】
一実施形態では、送信機104は、送信コイル114の共振周波数に対応する周波数を有する、時間変動する磁場を出力するように構成され得る。受信機が場106内にあるとき、時間変動する磁場は、受信コイル118内に電流を誘導することができる。上述のように、受信コイル118が送信コイル118の周波数で共振するように構成される場合、エネルギーを効率的に伝達することができる。受信コイル118内に誘導されたAC信号は、負荷を充電または負荷に電力供給するために提供され得るDC信号を生成するのに、上述のように整流され得る。
【0026】
図4は、本発明の例示的な実施形態による、
図1のワイヤレス電力伝達システムに使用され得る送信機404の機能ブロック図である。送信機404は、送信回路406および送信コイル414を含むことができる。送信コイル414は、
図3に示すコイル352である可能性がある。送信回路406は、送信コイル414の周りのエネルギー(たとえば、磁束)の発生をもたらす発振信号を提供することにより、送信コイル414にRF電力を提供することができる。送信機404は、任意の適切な周波数で動作することができる。例として、送信機404は、13.56MHzのISMバンドで動作することができる。
【0027】
送信回路406は、送信回路406のインピーダンス(たとえば、50オーム)を送信コイル414に整合させるための固定インピーダンス整合回路409と、高調波放射を受信機108(
図1)に結合されたデバイスの自己ジャミングを防ぐレベルまで低減させるように構成された低域フィルタ(LPF)408とを含むことができる。他の例示的な実施形態は、限定はしないが、他の周波数を通過させながら特定の周波数を減衰させるノッチフィルタを含む様々なフィルタトポロジーを含むことができ、コイル414への出力電力またはドライバ回路424によって引き出されたDC電流などの測定可能な送信指標に基づいて変化し得る適応インピーダンス整合を含むことができる。送信回路406は、発振器423によって決定されるRF信号を駆動するように構成されたドライバ回路424をさらに含む。送信回路406は、個別のデバイスまたは回路から構成することができるか、または代わりに、一体型アセンブリから構成することができる。送信コイル414から出力される例示的なRF電力は、2.5ワット程度である可能性がある。
【0028】
送信回路406は、特定の受信機に対する送信フェーズ(またはデューティサイクル)の間に発振器423を選択的に有効にするため、発振器423の周波数または位相を調整するため、及び、取り付けられた受信機を介して隣接するデバイスと対話するための通信プロトコルを実施するための出力電力レベルを調整するため、のコントローラ410をさらに含むことができる。コントローラ410は、本明細書ではプロセッサ410と呼ばれることもあることに留意されたい。発振器位相および送信経路内の関連する回路の調整により、特に、ある周波数から別の周波数に移行する際の帯域外放射の低減が可能になり得る。
【0029】
送信回路406は、送信コイル414によって生成された近接場の近傍の作動中の受信機の存在または不在を検出するための負荷感知回路416をさらに含むことができる。例として、負荷感知回路416は、以下でさらに説明するように、送信コイル414によって生成された場の近傍の作動中の受信機の存在または不在によって影響を及ぼされ得る、ドライバ回路424に流れる電流を監視する。ドライバ回路424上の負荷に対する変化の検出は、エネルギーを伝送するために発振器423を有効にすべきかどうか、および作動中の受信機と通信すべきかどうかを決定する際に使用するために、コントローラ410によって監視される。以下でより十分に説明するように、ドライバ回路424で測定される電流は、無効なデバイスが送信機404のワイヤレス電力伝達領域内に位置するかどうかを判定するために使用され得る。
【0030】
送信コイル414は、リッツ線とともに、または抵抗損を低く保つために選択された厚さ、幅、および金属のタイプを有するアンテナストリップとして実装され得る。一実装形態では、送信コイル414は、一般に、テーブル、マット、ランプ、または他の携帯型でない構成などの、より大きい構造と関連付けて構成され得る。したがって、送信コイル414は、一般に、実用的な寸法となるように「巻き」を必要としない可能性がある。送信コイル414の例示的な実装形態は、「電気的に小形」(すなわち、波長の数分の一)であり、共振周波数を規定するためにキャパシタを使用することにより、より低い使用可能な周波数で共振するように同調され得る。
【0031】
送信機404は、送信機404に関連し得る受信機デバイスの所在および状態に関する情報を収集および追跡することができる。したがって、送信回路406は、(本明細書ではプロセッサとも呼ばれる)コントローラ410に接続される、存在検出器480、密閉型検出器460、またはこれらの組合せを含むことができる。コントローラ410は、存在検出器480および密閉型検出器460からの存在信号に応答して、ドライバ回路424により送出される電力量を調整することができる。送信機404は、たとえば、ビル内にある従来のAC電力を変換するためのAC-DCコンバータ(図示せず)、従来のDC電源を送信機404に適した電圧に変換するためのDC-DCコンバータ(図示せず)などのいくつかの電源を介して、または従来のDC電源(図示せず)から直接電力を受け取ることができる。
【0032】
非限定的な例として、存在検出器480は、送信機404のカバー領域に挿入される、充電されるべきデバイスの最初の存在を感知するために利用される運動検出器である可能性がある。検出後、送信機404をオンにすることができ、デバイスによって受信されるRF電力は、所定の方法でRxデバイス上のスイッチを切り替えるために使用することができ、次に、送信機404の駆動点インピーダンスに対する変化をもたらす。
【0033】
別の非限定的な例として、存在検出器480は、たとえば、赤外線検出手段、運動検出手段、または他の適切な手段によって人を検出することが可能な検出器である可能性がある。いくつかの例示的な実施形態では、送信コイル414が特定の周波数で送信することができる電力量を制限する規定が存在する可能性がある。場合によっては、これらの規定は、人を電磁放射から守ることを意図されている。しかしながら、送信コイル414が、たとえば、ガレージ、工業の現場、店舗などの、人によって占有されないか、または人によって占有される頻度が低い領域に位置する環境が存在する可能性がある。これらの環境に人が居ない場合、通常の電力制限規定を超える、送信コイル414の電力出力を増加させることが許容される可能性がある。言い換えれば、コントローラ410は、人の存在に応答して、送信コイル414の電力出力を、規制レベルまたはそれ未満まで調整し、人が送信コイル414の電磁場から規制距離の外側に居る場合は、送信コイル414の電力出力を、規制レベルを超えるレベルまで調整することができる。
【0034】
非限定的な例として、密閉型検出器460(本明細書では、密閉型コンパートメント検出器または密閉型空間検出器と呼ぶことができる)は、包囲体が閉状態または開状態であるときを判定するための感知スイッチなどのデバイスである可能性がある。送信機が閉状態の包囲体内にあるとき、送信機の電力レベルを増加させることができる。
【0035】
例示的な実施形態では、送信機404がいつまでもオンのままでない方法を使用することができる。この場合、送信機404は、ユーザが決定した時間後に停止するようにプログラムされ得る。この特徴は、送信機404の周囲のワイヤレスデバイスが十分充電された後、送信機404、特にドライバ回路424が長く動作するのを防ぐ。このイベントは、リピータまたは受信コイルより送信された、デバイスが十分充電されたという信号を検出するための回路の故障によるものである可能性がある。別のデバイスが送信機404の周囲に置かれる場合に送信機404が自動的にシャットダウンするのを防ぐために、送信機404の自動停止機能は、送信機404の周囲で検出された運動の欠如の設定フェーズの後にだけ起動され得る。ユーザは、不活動時間間隔を決定し、その時間間隔を必要に応じて変化させることができる可能性がある。非限定的な例として、この時間間隔は、デバイスが最初に十分充電されたという仮定の下に、特定のタイプのワイヤレスデバイスを十分充電するのに必要な時間間隔よりも長い可能性がある。
【0036】
図5は、本発明の例示的な実施形態による、
図1のワイヤレス電力伝達システムに使用され得る受信機508の機能ブロック図である。受信機508は、受信コイル518を含み得る受信回路510を含む。受信機508は、それに受信電力を提供するためのデバイス550にさらに結合する。受信機508は、デバイス550の外部にあるものとして示されているが、デバイス550に統合することができることに留意されたい。エネルギーは、受信コイル518にワイヤレスに伝播され、次いで受信回路510の残りを介してデバイス550に結合され得る。例として、充電デバイスには、モバイルフォン、携帯型音楽プレーヤ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンピュータ周辺デバイス、通信デバイス(たとえば、ブルートゥースデバイス)、デジタルカメラ、補聴器(および他の医療用デバイス)などのデバイスが含まれ得る。
【0037】
受信コイル518は、送信コイル414(
図4)と同じ周波数で、または特定の周波数範囲内で共振するように同調され得る。受信コイル518は、送信コイル414と同様に寸法決定することができ、または関連するデバイス550の寸法に基づいて様々にサイズ決定することができる。例として、デバイス550は、送信コイル414の直径または長さよりも小さい直径寸法または長さ寸法を有するポータブル電子デバイスである可能性がある。そのような例では、受信コイル518は、同調キャパシタ(図示せず)のキャパシタンス値を低減させ、受信コイルのインピーダンスを増加させるために多巻きコイルとして実装され得る。例として、受信コイル518は、コイルの直径を最大化し、受信コイル518のループ巻き数(すなわち、巻回)および巻線間キャパシタンスを低減させるために、デバイス550のほぼ外周に配置され得る。
【0038】
受信回路510は、受信コイル518に対するインピーダンス整合をもたらすことができる。受信回路510は、受信したRFエネルギー源をデバイス550が使用するための充電電力に変換するための電力変換回路506を含む。電力変換回路506は、RF-DC変換器520を含み、DC-DC変換器522を含むこともできる。RF-DC変換器520は、受信コイル518で受信されたRFエネルギー信号を、V
rectで表される出力電圧を有する非交流電力に整流する。DC-DC変換器522(または他の電力調整器)は、整流されたRFエネルギー信号を、V
outおよびI
outで表される出力電圧および出力電流を有するデバイス550に適合するエネルギーポテンシャル(たとえば、電圧)に変換する。部分的および完全な整流器、調整器、ブリッジ、ダブラー、ならびにリニア変換器およびスイッチング変換器を含む、様々なRF-DC変換器が企図される。
【0039】
受信回路510は、受信コイル518を出力変換回路506に接続するか、あるいは出力変換回路506を切断するためのスイッチング回路512をさらに含むことができる。電力変換回路506から受信コイル518を切断することにより、デバイス550の充電を中断するだけでなく、送信機404(
図2)から「見た」「負荷」も変化する。
【0040】
上記で開示したように、送信機404は、送信機ドライバ回路424にもたらされるバイアス電流の変動を検出することができる負荷感知回路416を含む。したがって、送信機404は、受信機が送信機の近接場内に存在するときを判定するための機構を有する。
【0041】
複数の受信機508が送信機の近接場内に存在するとき、他の受信機をより効率的に送信機に結合させるために、1つまたは複数の受信機の装荷および除荷を時間多重化することが望ましい可能性がある。受信機508はまた、他の近くの受信機への結合を解消するか、または近くの送信機上の装荷を低減させるために覆われ得る。受信機のこの「除荷」は、本明細書では「クローキング」としても知られる。さらに、受信機508によって制御され送信機404によって検出される、除荷と装荷との間のこのスイッチングは、以下でより十分に説明するように、受信機508から送信機404への通信機構を提供することができる。加えて、プロトコルは、受信機508から送信機404にメッセージを送信することを可能にするスイッチングに関連し得る。例として、スイッチング速度は、100μ秒程度である可能性がある。
【0042】
例示的な実施形態では、送信機404と受信機508との間の通信は、従来の双方向通信(すなわち、結合場を使用したバンド内信号伝達)ではなく、デバイス感知/充電制御機構を指す。言い換えれば、送信機404は、エネルギーが近接場で利用可能であるかどうかを調整するために送信信号のオン/オフキーイングを使用することができる。受信機は、送信機404からのメッセージとして、これらのエネルギー変化を解釈する可能性がある。受信機側から、受信機508は、場から受け入れている電力量を調整するために、受信コイル518の同調および非同調を使用することができる。場合によっては、同調および非同調は、スイッチング回路512を介して達成され得る。送信機404は、場からの使用される電力のこの差を検出し、受信機508からのメッセージとして、これらの変化を解釈することができる。送信電力の変調および負荷挙動の他の形態を利用することができることに留意されたい。
【0043】
受信回路510は、送信機から受信機への情報信号伝達に対応し得る、受信エネルギーの変動を識別するために使用される、信号伝達検出器/ビーコン回路514をさらに含むことができる。さらに、受信回路510をワイヤレス充電用に構成するために、信号伝達/ビーコン回路514は、低減されたRF信号エネルギー(すなわち、ビーコン信号)の送信を検出するために、および低減されたRF信号エネルギーを、受信回路510内の電力供給されない回路または電力が枯渇した回路のいずれかを呼び起こすための公称電力に整流するために、使用することもできる。
【0044】
受信回路510は、本明細書で説明するスイッチング回路512の制御を含む、本明細書で説明する受信機508のプロセスを調整するためのプロセッサ516をさらに含む。また、受信機508のクローキングは、充電電力をデバイス550に提供する外部の有線充電ソース(たとえば、壁/USB電力)の検出を含む他のイベントが発生すると、起こる可能性がある。プロセッサ516は、受信機のクローキングを制御するのに加えて、ビーコン状態を判定し、送信機404から送信されたメッセージを抽出するためにビーコン回路514を監視することもできる。プロセッサ516は、さらに、性能の改善のためにDC-DC変換器522を調整することもできる。
【0045】
図6は、
図4の送信回路406に使用され得る送信回路600の一部分の概略図である。送信回路600は、
図4において上述のように、ドライバ回路624を含むことができる。上述のように、ドライバ回路624は、方形波を受け取り、送信回路650に提供する正弦波を出力するように構成され得るスイッチング増幅器である可能性がある。場合によっては、ドライバ回路624は、増幅器回路と呼ぶことができる。ドライバ回路624は、E級増幅器として示される。しかしながら、任意の適切なドライバ回路624は、本発明の実施形態に従って使用され得る。ドライバ回路624は、
図4に示すように、発振器423からの入力信号602によって駆動され得る。また、ドライバ回路624は、送信回路650を介して送出され得る最大電力を制御するように構成された駆動電圧V
Dを提供され得る。高調波を解消または低減させるために、送信回路600は、フィルタ回路626を含むことができる。フィルタ回路626は、3極(キャパシタ634、インダクタ632、およびキャパシタ636)低域フィルタ回路626である可能性がある。
【0046】
フィルタ回路626によって出力された信号は、コイル614を含む送信回路650に提供され得る。送信回路650は、ドライバ回路624によって提供されたフィルタ処理済み信号の周波数で共振する可能性がある、(たとえば、コイルのインダクタンスもしくはキャパシタンスによるか、または追加のキャパシタ構成要素による可能性がある)あるキャパシタンス620およびインダクタンスを有する直列共振回路を含むことができる。送信回路650の負荷は、可変抵抗器618によって表すことができる。この負荷は、送信回路650から電力を受け取るように置かれたワイヤレス電力受信機508の機能(function)である可能性がある。
【0047】
ドライバ回路624によって提示された負荷は、たとえば、電力を受け取るように置かれたワイヤレス電力受信機の数が可変であることにより変化するリアクタンスを有する可能性がある。この負荷のリアクタンスは、疎結合のワイヤレス電力伝達システム100では、大きく変化する可能性がある。ドライバ回路624の効率は、負荷のリアクタンスの変化に反応し、その変化により変動する可能性がある。たとえば、E級増幅器は、その上に位置する負荷に反応する可能性があり、実数または虚数のインピーダンスのいずれかにおいて負荷が過剰に変化する場合、損傷を受ける可能性がある。スイッチングデバイスは、過電圧、過電流、または過剰温度の動作によって損傷を受ける可能性がある。
【0048】
過剰温度動作は、負荷の変化を含む、いくつかの問題点によって生じる可能性がある。E級増幅器は、1組の複素インピーダンスにおいて高効率である可能性がある。インピーダンスのこの組では、E級増幅器は、単一の50%ゲートドライブのデューティサイクルを用いたゼロボルトスイッチング挙動を示す。E級増幅器は、ゼロボルトでオンになる可能性があり、E級増幅器が遮断された瞬間に、電圧がゼロに戻る。このことにより、効率的なスイッチング動作が可能になる可能性がある。
【0049】
図7は、様々な負荷特性を有するデバイスの両端間の電圧値のプロットを示す。
図7では、曲線Bは、理想的な負荷(すなわち、最適なスイッチング)におけるデバイスの両端間の電圧を表し、曲線Aは、過剰に容量性の負荷を表し、曲線Cは、過剰に誘導性の負荷を表す。理想的なインピーダンスのこの範囲外では、ゼロボルトスイッチングは、起こらない可能性がある。たとえば、負荷が過剰に容量性であるとき、理想的なゲートターンオンポイントは、50%ポイントよりも早く起こる可能性があり、したがって、デバイスは、固定されたゲートドライブが使用される場合、逆に駆動され、逆の導通に至る可能性がある。このことにより、スイッチングデバイスが逆方向では一般により損失が多いので、非効率になる。負荷が過剰に容量性であるとき、理想的なゲートターンオンポイントは、50%ポイントの後に生じる可能性があり、したがって、デバイスは、非ゼロ電圧でスイッチングされざるを得ない可能性がある。このことにより、スイッチング損失が増加する。
【0050】
一実施形態では、ドライバ回路624(
図6)などのE級電力増幅器(PA)の効率は、たとえば、
図7に示すように、PAの電界効果トランジスタ(FET)604のドレイン電圧の形状に主に依存する。ドレイン電圧のパルス幅がドライバ回路625のデューティサイクルに整合するとき、PAは、最大効率で動作する(曲線B)。一実施形態では、パルスは、FET604がオフになるときに起動するので、パルス幅を変化させることにより、パルスの立下りエッジのタイミングが変化する。パルスが細い場合、効率は、緩やかに下降する(曲線A)。パルスが極めて広い場合、オンになったFET604によってパルスが切り取られ、FET604の損失および考えられる損傷を引き起こす(曲線C)。
【0051】
極端に考えると、これらの付加損失は、過剰な加熱およびデバイス故障を引き起こす可能性がある。一実施形態によれば、過剰な加熱およびデバイス故障を避け、E級増幅器が理想的でない負荷の下でより高い効率で動作することを可能にするために、スイッチにおける実際の波形により十分に整合するようにゲートドライブ波形を変化させるように、適応型ゲートドライブを使用することができる。一実施形態では、論理回路は、
図8に示すように、ゲートドライブ波形を4つのフェーズに分割する。
【0052】
図8は、E級増幅器の例示的な波形を示す。
図8については、ワイヤレス充電回路900(
図9)に関して本明細書で説明するが、ゲート波形を4つのフェーズに分割するのに任意の回路を使用することができることが当業者には諒解されよう。
【0053】
図8を参照すると、第1のフェーズの間、スイッチT1(
図9)は、常に開である。このフェーズの間、通常のE級動作により、出力電圧が上昇することが予想される。第2および第3のフェーズの間、スイッチは、開のままである可能性があるが、ここで回路は、スイッチの両端間の電圧を適応的に感知する。スイッチの電圧が設定点またはしきい値未満に降下する場合、電圧は、ゼロに交差しようとする可能性が高い。一実施形態では、しきい値は、0V近くか、または0Vを少し超えて設定される。たとえば、しきい値は、スイッチの両端間の電圧が負になる直前にスイッチを閉にするのに十分な値に設定され得る。
【0054】
したがって、回路900(
図9)は、ゲートドライブをスイッチT1の両端間の電圧に適応させることができ、この電圧は、今度は出力負荷に依存する。したがって、フェーズ2および3の間、スイッチT1は、電圧がゼロの極めて近くまで下降したとき、オンになる可能性がある。一実施形態では、電圧検出器は、「早期」検出を提供するためにゼロより上の電圧に設定され得る。早期検出は、デバイスが実質的に0ボルトでオンになることができるように、任意の回路伝播遅延を相殺することができる。第4のフェーズの間、スイッチT1は、常に閉である。スイッチのオンおよびオフの時刻の保証を行うことにより、負荷とは無関係に、起動が起こり得る。
【0055】
第2または第3のフェーズの間に回路900がトリガされなかった場合、スイッチT1の両端間の電圧は決して、ほぼゼロ交差することがなかった。この過電圧条件は、検出することもでき、不良の負荷条件の間、増幅器をシャットダウンさせるのに使用することができ、したがって、増幅器を損傷から守る。場合によっては、この警告は、起動中、増幅器が安定な動作に入るまで無視される可能性がある。
【0056】
図9は、一実施形態による、ワイヤレス充電回路900の例示的な概略図である。図示のように、回路900は、タイミング発生器910と、第1のフリップフロップ920と、第2のフリップフロップ930と、ゲートドライバ940と、スイッチまたはゲートT1を含むE級増幅器950と、第1の演算増幅器960と、第2の抵抗器R2と、第3のキャパシタC3と、第3の抵抗器R3と、第4の抵抗器R4と、第2の演算増幅器970とを含む。様々な構成要素については、回路900に関して本明細書で説明するが、本開示の範囲内で1つまたは複数の構成要素を追加、除去、または再構成することができることが当業者には諒解されよう。たとえば、様々な構成要素の入力および出力のフェーズは、低アクティブ(active-low)および高アクティブ(active-high)の動作を容易にするように調整され得る。
【0057】
図9を参照すると、タイミング発生器910は、4つのフェーズを生成するように機能する。図示のように、タイミング発生器910は、2つの信号、Phase_1およびPhase_4を生成するように構成される。信号Phase_1は、
図8に関して上記で説明したように、第1のフェーズがアクティブであることを示すように機能する。信号フェーズ4は、第2のフェーズがアクティブであることを示すように機能する。一実施形態では、第2のフェーズまたは第3のフェーズがアクティブであることを明示的に示す信号が存在しない可能性がある。たとえば、回路900は、信号Phase_1も信号Phase_4もアクティブでない場合、適応型の第2および第3のフェーズにデフォルト設定され得る。一実施形態では、タイミング発生器910は、4つのフェーズを生成するように構成されたグレイコードカウンタを含むことができる。
【0058】
第1のフリップフロップ920は、第1のフェーズの間にスイッチT1を開にし、第4のフェーズの間にスイッチT1を閉にし、第2および第3のフェーズの間にスイッチT1を適応的に閉にするように機能することができる。第1のフリップフロップ920は、タイミング発生器910からの信号Phase_1に電気的に結合されるSET入力と、タイミング発生器910からの信号Phase_4に電気的に結合されるCLR入力と、電圧源に電気的に結合されるD入力(論理「1」を表す)と、第2の演算増幅器970からの信号Drain_Lowに電気的に結合されるクロック入力と、ゲートドライバ940に電気的に結合されるQ出力とを含むDフリップフロップである。
【0059】
信号Drain_Lowは、本明細書でより詳細に後述するように、スイッチT1の両端間の電圧がしきい値電圧であるか、またはそれ未満であることを示すように機能する。回路900が第2または第3のフェーズにあり、信号Phase_1およびPhase_2がアクティブでないとき、第1のフリップフロップ920の出力は、信号Drain_Lowに依存する。具体的には、信号Drain_Lowがアクティブであるとき、第1のフリップフロップ920は、スイッチT1を閉じるように出力Qを駆動する。
【0060】
第2のフリップフロップ930は、スロープフォールト(slope-fault)エラー状態を検出するように機能する。第1のフェーズでは、スイッチT1は、常に開であるべきである。したがって、信号Phase_1がアクティブである間に、スイッチT1の両端間の電圧がほぼゼロのしきい値電圧と交差する場合、回路900の動作に問題が生じる可能性がある。第2のフリップフロップ930は、タイミング発生器910からの信号Phase_1に電気的に結合されるD入力と、第2の演算増幅器970からの信号Drain_Lowに電気的に結合されるクロック入力と、信号Slope_Faultを駆動する出力Qとを含む。信号Phase_1がアクティブである間に、信号Drain_Lowがアクティブになる場合、第2のフリップフロップ930は、信号Slope_Faultをアクティブにすることによりエラー状態を示す。様々な実施形態では、1つまたは複数のエラー処理回路は、Slope_Faultの間に回路900をシャットダウンすることができる。
【0061】
ゲートドライバ940は、第1のフリップフロップ920からの出力Qに基づいてスイッチT2を駆動するように機能する。ゲートドライバ940は、スイッチT2を適切に駆動する任意の適切な方式で実装され得る。
【0062】
E級増幅器950は、RF_Loadを駆動するように機能する。一実施形態では、E級増幅器950は、ワイヤレス充電電力を受信機に提供する。E級増幅器950は、たとえばドライバ回路624(
図6)などの電力増幅器である可能性がある。図示のように、E級増幅器950は、スイッチまたはゲートT1、第1のインダクタL1、第1のキャパシタC1、第2のインダクタL2、第2のキャパシタC2、および第1の抵抗器R1を含む。スイッチT1の出力は、第2のキャパシタC2および第1の抵抗器R1を介して、第1の演算増幅器960および第2の演算増幅器970に電気的に結合される。第1の抵抗器R1および第2の抵抗器R2は、分圧器を形成し、スイッチT1の電圧分割された出力を表す信号Divided_Drainを生成することができる。
【0063】
第1の演算増幅器960は、スイッチT1の出力の過電圧状態を検出するように機能する。第1の演算増幅器960は、スイッチT1の電圧分割された出力(Divided_Drain)に電気的に結合される非反転入力と、過電圧基準電圧Overvoltage_Refに電気的に結合される反転入力と、信号Overvoltageを駆動する出力とを含む。Overvoltage_Refは、スイッチT1が駆動されるべきでない任意の基準電圧である可能性があり、信号Divided_Drainの分割電圧を構成する可能性がある。信号Divided_DrainがOvervoltage_Refよりも大きいとき、第1の演算増幅器960は、信号Overvoltageをアクティブにする。様々な実施形態では、1つまたは複数のエラー処理回路は、過電圧状態の間に回路900をシャットダウンすることができる。一実施形態では、過電圧状態は、不適切なRF_Loadによって生じる可能性がある。
【0064】
第2の演算増幅器970は、スイッチT1の出力がゼロラインと交差しようとしているときを検出するように機能する。具体的には、第2の演算増幅器970は、スイッチT1の両端間の電圧がほぼゼロのしきい値電圧未満に降下するとき、信号Drain_Lowをアクティブにするように構成される。第2の演算増幅器970は、Threshold基準電圧に電気的に結合される非反転入力と、スイッチT1の電圧分割された出力(Divided_Drain)に電気的に結合される反転入力と、信号Drain_Lowを駆動する出力とを含む。Threshold基準電圧は、たとえば、第3の抵抗器R3および第4の抵抗器R4を含む分圧器を使用して設定され得る。
【0065】
図10は、別の実施形態による、ワイヤレス充電回路1000の例示的な概略図である。
図10に示す実施形態によれば、位相検出器は、ゲートの立上りエッジおよびドレインの立下りを監視することができる。位相ロックループまたは遅延ロックループは、ドレインが降下した直後にゲートが上昇するようにゲートを調整する(align)ことができる。図示のように、回路1000は、位相検出器1010、およびスイッチまたはゲートT1を含むE級増幅器1020を含む。様々な構成要素については、回路1000に関して本明細書で説明するが、本開示の範囲内で1つまたは複数の構成要素を追加、除去、または再構成することができることが当業者には諒解されよう。たとえば、様々な構成要素の入力および出力の位相は、低アクティブおよび高アクティブの動作を容易にするように調整され得る。
【0066】
位相検出器1010は、ゲートT1の入力ゲート駆動信号と出力波形との間の位相差を検出するように機能する。位相検出器1010は、タイミング入力と、スイッチT1の出力に電気的に結合される入力と、位相検出出力とを含む。位相検出器1010は、入力ゲート駆動信号をサンプリングし、スイッチT1のドレインにおける出力波形をサンプリングし、これら2つを比較するように構成され得る。位相検出器1010は、ドレインが降下した直後にゲートが上昇するように、スイッチT1のゲートにおける信号のタイミングを調整するための位相差を出力することができる。様々な実施形態では、位相検出器1010は、位相ロックループ(PLL)および/または遅延ロックループ(DLL)の一部分を形成することができる。一実施形態では、スイッチT1のドレインにおける立下り電圧とゲートにおける立上がり電圧との間の遅延を調整することができる。位相検出器1010への1つまたは複数の入力を電圧分割することができる。
【0067】
E級増幅器1020は、RF_Loadを駆動するように機能する。一実施形態では、E級増幅器1020は、ワイヤレス充電電力を受信機に提供する。E級増幅器1020は、たとえばドライバ回路624(
図6)などの電力増幅器である可能性がある。図示のように、E級増幅器950は、スイッチまたはゲートT1、第1のインダクタL1、第1のキャパシタC1、第2のインダクタL2、および第2のキャパシタC2を含む。
【0068】
図11は、さらに別の実施形態による、ワイヤレス充電回路1100の例示的な概略図である。
図11に示す実施形態によれば、プログラム可能なゲートドライバは、ソフトウェア制御の下で、ゲートターンオン遅延を増加または減少させ、DC電力で除算されたアンテナ電流を見ることによりスイートスポットを探すことができる。選択されたデューティサイクルが最も高い比(アンテナ電流/DC電力)をもたらすとき、ゲートドライブタイミングが最適化されている。
【0069】
図11に示すように、回路1100は、プログラム可能なゲートドライブ1110と、スイッチまたはゲートT1を含むE級増幅器1120と、ドレイン電力検出器1130と、アンテナ電流検出器1140と、マイクロコントローラ1150とを含む。様々な構成要素については、回路1100に関して本明細書で説明するが、本開示の範囲内で1つまたは複数の構成要素を追加、除去、または再構成することができることが当業者には諒解されよう。たとえば、様々な構成要素の入力および出力の位相は、低アクティブおよび高アクティブの動作を容易にするように調整され得る。
【0070】
プログラム可能なゲートドライブ1110は、マイクロコントローラ1150から受け取ったプログラム可能なタイミングに応じてスイッチT1のゲートを駆動するように機能する。プログラム可能なゲートドライブ1110は、マイクロコントローラ1150からの駆動信号に電気的に結合されるプログラム可能な入力と、E級増幅器1120内のスイッチT1のゲートに電気的に結合される出力とを含む。
【0071】
E級増幅器1120は、たとえばアンテナを介して、RF_Loadを駆動するように機能する。一実施形態では、E級増幅器1020は、ワイヤレス充電電力を受信機に提供する。E級増幅器1020は、たとえばドライバ回路624(
図6)などの電力増幅器である可能性がある。図示のように、E級増幅器950は、スイッチまたはゲートT1、第1のインダクタL1、第1のキャパシタC1、第2のインダクタL2、および第2のキャパシタC2を含む。
【0072】
ドレイン電力検出器1130は、スイッチT1におけるDC消費電力(power draw)を検出するように機能する。ドレイン電力検出器1130は、スイッチT1の消費電力(power draw)を示すマイクロコントローラ1150に、出力を提供する。アンテナ電流検出器1140は、アンテナ(図示せず)における電流を検出するように機能する。アンテナ電流検出器1140は、アンテナにおける電流を示すマイクロコントローラ1150に出力を提供する。
【0073】
マイクロコントローラ1150は、E級増幅器1120の出力の測定された効率に基づいてスイッチT1のタイミングを制御するように機能する。一実施形態では、マイクロコントローラ1150は、アンテナの電流およびスイッチT1の消費電力に基づいて効率を測定するが、マイクロコントローラ1150は、任意の検出可能な値に基づいて効率を測定することができる。マイクロコントローラは、ドレイン電力検出器1130に電気的に結合される入力と、アンテナ電流検出器1140に電気的に結合される入力と、プログラム可能なゲートドライブ1110に電気的に結合される出力とを含む。一実施形態では、マイクロコントローラ1150は、プログラム可能なゲートドライブ1110のタイミングを調整し、効率の最大値を求めることができる。一実施形態では、マイクロコントローラ1150は、スイッチT1のDC電力で除算されたアンテナ電流として効率を測定することができる。マイクロコントローラ1150は、たとえばヒルクライミングアルゴリズム(hill-climbing algorithm)または当技術分野で知られている他の数学的な最適化アルゴリズムを使用して、プログラム可能なゲートドライブ1110を調整することにより効率最大値を求めることができる。
【0074】
図12は、増幅器の動作を制御する例示的な方法のフローチャート1200を示す。本方法は、
図1〜
図11に関して上述したデバイスの1つまたは複数上に実装することができる。本方法については、回路900(
図9)の要素を参照して後で説明するが、本明細書に記載するステップの1つまたは複数を実装するのに、他の構成要素が使用され得ることが当業者には諒解されよう。ブロックを、ある順序で起こるものとして説明することができるが、ブロックを並べ替え、ブロックを省略し、および/またはさらなるブロックを追加することができる。
【0075】
最初に、ブロック1202で、回路900は、E級増幅器950のスイッチT1の出力を監視する。別の実施形態では、位相検出ループ1010(
図10)は、スイッチT1の出力を監視することができる。さらに別の実施形態では、マイクロコントローラ1150(
図11)は、スイッチT1の出力を監視することができる。
【0076】
次に、ブロック1203で、回路900は、増幅器950の出力に基づいて有効化スイッチT1のタイミングを調整する。たとえば、適応型の第2および第3のフェーズの間、第1のフリップフロップ920は、スイッチの出力がほぼゼロのしきい値と交差するとき、スイッチT1を閉にすることができる。したがって、ブロック1206で、回路900は、スイッチの出力がゼロ交差点を超える第1のしきい値未満に降下するとき、スイッチT1を有効にする。別の実施形態では、位相検出ループ1010は、スイッチの出力に基づいてスイッチT1のタイミングを調整することができる。さらに別の実施形態では、マイクロコントローラ1150は、プログラム可能なゲートドライブ1110のタイミングを調整し、効率の最大値を求めることができる。
【0077】
図13は、
図1のワイヤレス電力伝達システム内で使用され得る例示的なワイヤレスデバイスの機能ブロック
図1300である。デバイス1300は、増幅器950の有効化スイッチT1の出力を監視するための手段1302と、増幅器950の出力に基づいて有効化スイッチT1のタイミングを調整するための手段1304と、スイッチT1の出力がゼロ交差点を超える第1のしきい値未満に降下する際にスイッチT1を有効にするための手段1306とを含む。
【0078】
一実施形態では、増幅器950の有効化スイッチT1の出力を監視するための手段1302は、
図12に示すブロック1202に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。増幅器950の有効化スイッチT1の出力を監視するための手段1302は、たとえば、第1および第2の演算増幅器960および970(
図9)、位相検出ループ1010(
図10)、ドレイン電力検出器1130(
図11)、アンテナ電流検出器1140、ならびにマイクロコントローラ1150のうちの1つまたは複数に相当する可能性がある。
【0079】
一実施形態では、増幅器950の出力に基づいて有効化スイッチT1のタイミングを調整するための手段1304は、
図12に示すブロック1204に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。増幅器950の出力に基づいて有効化スイッチT1のタイミングを調整するための手段1304は、たとえば、第1のフリップフロップ920(
図9)、位相検出ループ1010(
図10)、およびマイクロコントローラ1150(
図11)のうちの1つまたは複数に相当する可能性がある。
【0080】
一実施形態では、スイッチT1の出力がゼロ交差点を超える第1のしきい値未満に降下する際にスイッチT1を有効にするための手段1306は、
図12に示すブロック1206に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。スイッチT1の出力がゼロ交差点を超える第1のしきい値未満に降下する際にスイッチT1を有効にするための手段1306は、たとえば、第1のフリップフロップ920(
図9)、位相検出ループ1010(
図10)、およびマイクロコントローラ1150(
図11)のうちの1つまたは複数に相当する可能性がある。
【0081】
図14は、増幅器の動作を制御する例示的な方法のフローチャート1400を示す。本方法は、
図1〜
図11に関して上述したデバイスの1つまたは複数上に実装することができる。本方法については、回路900(
図9)の要素を参照して後で説明するが、本明細書に記載するステップの1つまたは複数を実装するのに、他の構成要素が使用され得ることが当業者には諒解されよう。ブロックを、ある順序で起こるものとして説明することができるが、ブロックを並べ替え、ブロックを省略し、および/またはさらなるブロックを追加することができる。
【0082】
最初に、ブロック1402で、回路900は、E級増幅器950のスイッチT1の出力を監視する。別の実施形態では、位相検出ループ1010(
図10)は、スイッチT1の出力を監視することができる。さらに別の実施形態では、マイクロコントローラ1150(
図11)は、スイッチT1の出力を監視することができる。
【0083】
次に、ブロック1403で、回路900は、スイッチT1の出力に基づいてスイッチT1のバイアス電圧を調整する。一実施形態では、増幅器は、スイッチT1のタイミングを容易には直接調整することができない共振ゲートドライブシステム(図示せず)を含むことができる。一実施形態では、増幅器950のDCオフセット量は、スイッチを閉にする際に出力波形をほぼゼロに調整するように調整され得る。一実施形態では、回路900は、増幅器950のDCオフセット量を調整することができる。別の実施形態では、マイクロコントローラ1150は、増幅器950のDCオフセット量を調整することができる。
【0084】
図15は、
図1のワイヤレス電力伝達システム内で使用され得る例示的なワイヤレスデバイスの機能ブロック
図1500である。デバイス1500は、増幅器950内のスイッチT1の出力を監視するための手段1502と、スイッチT1の出力に基づいてスイッチT1のバイアス電圧を調整するための手段1504とを含む。
【0085】
一実施形態では、増幅器950内のスイッチT1の出力を監視するための手段1502は、
図14に示すブロック1402に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。増幅器950内のスイッチT1の出力を監視するための手段1502は、たとえば、第1および第2の演算増幅器960および970(
図9)、位相検出ループ1010(
図10)、ドレイン電力検出器1130(
図11)、アンテナ電流検出器1140、ならびにマイクロコントローラ1150のうちの1つまたは複数に相当する可能性がある。
【0086】
一実施形態では、スイッチT1の出力に基づいてスイッチT1のバイアス電圧を調整するための手段1504は、
図14に示すブロック1404に関して上述した機能のうちの1つまたは複数を実行するように構成され得る。スイッチT1の出力に基づいてスイッチT1のバイアス電圧を調整するための手段1504は、たとえば、ドライバ224(
図2)および増幅器424(
図4)のうちの1つまたは複数に相当する可能性がある。
【0087】
上述のシステムはE級増幅器を使用するが、本明細書で説明したシステムおよび方法は、E級増幅器の使用に限定されず、様々な実施形態による増幅器の他の級および/またはタイプを利用することができることを諒解されたい。
【0088】
多種多様な技術および技法のうちのいずれかを使用して情報および信号を表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0089】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能に関して上記で説明されている。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装形態の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0090】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0091】
本明細書で開示された実施形態に関連して記載された方法またはアルゴリズムおよび機能のステップは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組合せで具現化することができる。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つもしくは複数の命令またはコードとして有形の非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいは非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD ROM、または、当技術分野で既知の任意の他の形態の記憶媒体中に常駐し得る。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサと一体であり得る。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザーで光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲の中に含まれるべきである。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC中に常駐し得る。ASICは、ユーザ端末中に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐し得る。
【0092】
本開示の概要を述べるために、本発明のいくつかの態様、利点、および新規の特徴について本明細書で説明してきた。本発明の任意の特定の実施形態に従って、そのような利点の必ずしもすべてを実現できない場合があることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも実現することなく、本明細書に教示される1つの利点または利点の群を実現または最適化するように具体化または実行され得る。
【0093】
上述の実施形態への様々な修正が容易に明らかになることになり、本明細書に定義する一般原理は、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴に一致する最大の範囲を与えるものである。