(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態について説明する。
【0015】
図1に本実施形態の無線中継装置10の構成例を示す。本実施形態の無線中継装置10は、アンテナ11、アンテナ制御部12および親機方向推定部13により構成される。
【0016】
アンテナ11は、通信データを送信する電波を送信する部分である。親機方向推定部13は無線親機の親機方向を推定する部分である。アンテナ制御部12は、無線子機向けに通信データを送信するとき、電波の送信方向を、親機方向を除く方向に制御する部分である。
【0017】
このように無線中継装置10を構成することによって、無線中継装置10は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0018】
次に、
図2に本実施形態の無線中継装置10の動作の例を示す。
【0019】
まず、無線中継装置10の親機方向推定部13は、無線親機の親機方向を推定する(ステップS101)。そして、無線子機向けに通信データを送信するとき(ステップS102でYES)、アンテナ11が送信する電波の送信方向を、親機方向を除く方向に制御する(ステップS103)。
【0020】
このように無線中継装置10を動作させることによって、無線中継装置10は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0021】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、無線中継装置は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0022】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。本実施形態では、第一の実施形態の無線中継装置10について、さらに具体的に説明する。
【0023】
まず、
図1を用いて、本実施形態の無線中継装置10の構成例について説明する。無線中継装置10の構成例は、第一の実施形態と同様である。
【0024】
無線中継装置10は、無線親機の電波を中継する装置である。たとえば、無線LAN(Local Area Network)の中継器が無線中継装置10に該当する。無線中継装置10は、無線親機からの電波を受信し、無線子機向けに再送する。また、無線子機が無線中継装置10を検出できるように、定期的にビーコン信号を送信する。
【0025】
アンテナ11は、通信データを送信する電波を送信する部分である。アンテナ11では、無線親機あるいは無線子機からの電波を受信し、また、無線親機あるいは無線子機向けに電波を送信する。アンテナ11は、1本のアンテナあるいは複数のアンテナのいずれで構成しても良い。
【0026】
親機方向推定部13は、無線親機の親機方向を推定する部分である。親機方向の推定方法については後述する。
【0027】
アンテナ制御部12は、無線子機向けに通信データを送信するとき、電波の送信方向を、親機方向を除く方向に制御する部分である。たとえば、無線子機向けにビーコン信号を送信するときや中継電波を送信するとき、アンテナ11は、アンテナ制御部12によって制御された送信方向へ電波を送信する。
【0028】
このように無線中継装置10を構成することによって、無線中継装置10は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0029】
次に、
図3を用いて、無線中継装置10の動作の例について説明する。
図3のステップS203からステップS205は、
図2のステップS101からステップS103に該当する。
【0030】
まず、無線中継装置10は、無線親機のビーコン信号を受信し、無線親機に接続要求を送信する(ステップS201)。この時点では、無線親機の親機方向は不明のため、全方向に電波を送信する。そして、無線親機と無線中継装置10との間で接続処理を行い、接続を確立する(ステップS202)。
【0031】
次に、親機方向推定部13は、無線親機の親機方向を推定する(ステップS203)。そして、無線子機向けにビーコン信号や中継データ等の通信データを送信するとき(ステップS204でYES)、アンテナ11が送信する電波の送信方向を、親機方向を除く方向に制御する(ステップS205)。たとえば、
図4のように、親機方向の反対方向を送信方向とする。
【0032】
また、無線親機に通信データを送信するときは(ステップS206でYES)、アンテナ11が送信する電波の送信方向を、親機方向へ制御する(ステップS207)。これにより、無線親機向けに電波を送信するときには、親機方向の反対方向には電波を送信しないことになるため、親機方向の反対方向では、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0033】
アンテナ11が1本のアンテナから構成されるときは、ステップS205およびステップS207において、アンテナの送信方向を制御する。つまり、無線親機と無線子機のどちらに送信するかによって、アンテナの送信方向を切り替える。
【0034】
アンテナ11が無線親機用のアンテナと無線子機用のアンテナから構成されるときは、ステップS205では無線子機用のアンテナの送信方向を制御し、ステップS207では無線親機用のアンテナの送信方向を制御する。推定した親機方向によって、より親機方向に近い方向に相対的に位置するアンテナを無線親機用、他方を無線子機用としても良い。
【0035】
アンテナ11を複数アンテナにより構成し、ビームフォーミング機能によってアンテナ11の送信方向を制御するようにしても良い。
【0036】
次に、無線親機の親機方向の推定方法について説明する。親機方向の推定方法には、任意の方法を利用可能である。以下に推定方法の例を挙げるが、これら以外の方法を利用することも可能である。
【0037】
図5に親機方向の推定方法の例を示す。この方法では、アンテナ11の送信方向を変えて試験信号を送信し、無線親機の受信状況が最良の送信方向を親機方向と推定する。
【0038】
まず、あらかじめ、受信状況を確認する方向(確認方向)を複数決めておく。そして、親機方向推定部13は、未確認の方向があれば(ステップS301でYES)、アンテナ制御部12を介してアンテナ11の送信方向を所定の確認方向へ変更する(ステップS302)。次に、親機方向推定部13は、アンテナ11を介して、無線親機へ試験信号を送信する(ステップS303)。無線親機では、試験信号の受信状況を確認し、受信状況データを無線中継装置10へ送信する。そして、無線中継装置10では受信状況データを受信し、受信状況を記憶する(ステップS304)。
【0039】
未確認の方向がなくなれば(ステップS301でNO)、ステップS304で記憶した受信状況の中で、受信状況が最良の確認方向を親機方向とする(ステップS305)。
【0040】
受信状況としては、受信信号強度、C/N比(Carrier to Noise Ratio)、S/N比(Signal to Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)、MER(Modulation Error Ratio)や、これらを組み合わせた指標等を利用可能である。
【0041】
また、
図6のように、アンテナ11の受信方向を変更し、親機電波の受信状況を取得して親機方向を推定することも可能である。
【0042】
図6の方法では、まず、あらかじめ、受信状況を確認する方向(確認方向)を複数決めておく。そして、親機方向推定部13は、未確認の方向があれば(ステップS401でYES)、アンテナ制御部12を介してアンテナ11の受信方向を所定の確認方向へ変更する(ステップS402)。そして、親機方向推定部13は、無線親機からの電波を受信し、受信状況を取得し、記憶する(ステップS403)。
【0043】
未確認の方向がなくなれば(ステップS401でNO)、ステップS403で記憶した受信状況の中で、受信状況が最良の方向を親機方向とする(ステップS404)。
【0044】
また、無線中継装置10が複数の無線親機の電波を受信でき、それらの無線親機の位置情報を取得できるときは、たとえば
図7のように、各無線親機の受信信号強度と位置情報とから無線中継装置10の位置を推定し、親機の方向を推定することも可能である。
【0045】
図7の方法では、まず、複数の無線親機からの電波の受信信号強度を取得する(ステップS501)。次に、それらの無線親機の位置情報を取得する(ステップS502)。たとえば、接続している無線親機経由で位置情報サーバから位置情報を取得する等の方法で位置情報を取得する。
【0046】
次に、取得した位置情報と受信信号強度とから、無線中継装置10の位置を推定する(ステップS503)。そして、接続している無線親機の位置情報と無線中継装置10の位置とから、親機方向を推定する(ステップS504)。
【0047】
このように無線中継装置10を動作させることによって、無線中継装置10は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0048】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、第一の実施形態と同様に、無線中継装置は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0049】
また、本実施形態では、無線中継装置は、無線親機に通信データを送信するとき、親機方向に電波の送信方向を制御する。これにより、親機方向を除く方向には、無線親機向けの電波を送信しないことになる。そのため、無線親機を除く方向において、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0050】
また、全方向に無線中継装置の電波を送信する場合には、無線子機が無線親機の電波の送信範囲内に位置していても、ビーコン信号の強度によっては無線子機が無線中継装置に接続することがある。これに対し、本実施形態の無線中継装置は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。そのため、無線子機が無線親機の電波の送信範囲に位置するときには、無線子機を無線親機に接続させることが可能になる。無線子機は、無線親機に接続することで、無線中継装置に接続する場合より高速に無線通信を利用することが可能になる。
【0051】
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。本実施形態は、第二の実施形態に対して、より適切な位置に無線中継装置を移動させるための推奨移動方向を利用者へ提示する機能を追加した形態である。
【0052】
まず、
図8に本実施形態の無線中継装置20の構成例を示す。無線中継装置20は、アンテナ11、アンテナ制御部12、親機方向推定部13および推奨方向提示部24により構成される。アンテナ11、アンテナ制御部12および親機方向推定部13については第二の実施形態と同様のため説明を省略する。
【0053】
推奨方向提示部24は、無線親機からの親機電波の受信信号強度と親機方向推定部13で推定した親機方向に基づいて、無線中継装置20の推奨移動方向を決定し、利用者へ提示する部分である。
【0054】
たとえば、無線親機からの親機電波の受信信号強度が所定の値より大きいとき、親機方向と反対の方向を利用者に提示し、無線中継装置20の親機方向と反対の方向への移動を促す。このようにすると、
図9の矢印のように、無線中継装置20を無線親機から離れる方向に移動させ、無線親機の送信電波と無線中継装置20の送信電波が混在する部分(斜線の部分)を減少させることができる。そのため、無線周波数をより効率的に利用することが可能になる。
【0055】
また、無線親機からの親機電波の受信信号強度が所定の値より小さいとき、親機方向を利用者に提示し、無線中継装置20の親機方向への移動を促すことで、無線親機からの電波の受信状況を改善することも可能である。
【0056】
推奨方向を利用者へ提示する方法には、LED(Light Emitting Diode)やLCD(liquid crystal display)等、どのような方法を利用しても良い。たとえば、複数のLEDのうちのいずれかを点灯させることで推奨移動方向を提示しても良いし、LCDに推奨移動方向を矢印等で表示しても良い。
【0057】
このように無線中継装置20を構成することによって、無線中継装置20は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0058】
また、本実施形態では、無線中継装置20の推奨移動方向を利用者に提示する。そのため、無線親機の送信電波と無線中継装置の送信電波が混在する部分を減少させて無線周波数をより効率的に利用することが可能になる。また、無線親機からの電波の受信状況を改善することが可能になる。
【0059】
次に、
図10に無線中継装置20の推奨方向提示動作の例を示す。
【0060】
無線中継装置20の推奨方向提示部24では、無線親機からの電波の受信信号強度が所定の値(第一の値)を超えているか否かを確認する(ステップS601)。受信信号強度は、親機方向推定部13が取得した無線親機の受信信号強度を使用しても良いし、推奨方向提示部24が取得しても良い。受信信号強度が所定の値を超えている場合、利用者へ親機方向と反対方向を提示する(ステップS602)。
【0061】
受信信号強度が所定の値以下の場合、受信信号強度が所定の値(第二の値)未満か否かを確認する(ステップS603)。受信信号強度が所定の値未満の場合、利用者へ親機方向を提示する(ステップS604)。
【0062】
ステップS603で受信信号強度が所定の値以上だった場合、適切な位置に無線中継装置20が存在するため、推奨移動方向は提示しない。適切な位置であることを利用者に提示しても良い。
【0063】
図10の推奨方向提示動作は、親機方向推定部13が推定した親機方向を使用するため、親機方向推定完了以降で実施することが可能である。たとえば、無線中継装置20が
図3のように動作する場合、ステップS203の完了以降で実施可能である。
【0064】
利用者が推奨移動方向に従って無線中継装置20を移動した後に新たな位置で親機方向を推定できるよう、親機方向推定動作と推奨方向提示動作を繰り返し実施することも可能である。この場合の無線中継装置20の動作例を
図11に示す。
図11のステップS701からステップS703まで、および、ステップS706からステップS709までは、
図3のステップS201からステップS203まで、および、ステップS204からステップS207までと同様である。
【0065】
図11の動作例では、親機方向の推定後、推奨方向の提示動作(ステップS704)を行い、設置が完了するまで(ステップS705)親機方向の推定(ステップS703)と推奨方向の提示(ステップS704)を繰り返す動作となっている。
【0066】
設置完了か否かは、たとえば、受信信号強度が適正範囲内か否かにより判断する。あるいは、利用者に設置完了を入力させたり、所定時間経過後に自動的に設置完了としたりすることも可能である。あるいは、親機方向の変化が所定時間ない場合や、受信信号強度の変化が所定の範囲内の状態で所定時間継続した場合などを設置完了と判断することも可能である。
【0067】
このように無線中継装置20を動作させることによって、無線中継装置20は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0068】
また、本実施形態では、無線中継装置20の推奨移動方向を利用者に提示する。そのため、無線親機の送信電波と無線中継装置の送信電波が混在する部分を減少させて無線周波数をより効率的に利用することが可能になる。また、無線親機からの電波の受信状況を改善することが可能になる。
【0069】
以上で説明したように、本発明の第三の実施形態では、第一、第二の実施形態と同様に、無線中継装置は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0070】
また、本実施形態では、無線中継装置の推奨移動方向を利用者に提示する。そのため、無線親機の送信電波と無線中継装置の送信電波が混在する部分を減少させて無線周波数をより効率的に利用することが可能になる。また、無線親機からの電波の受信状況を改善することが可能になる。
【0071】
[第四の実施形態]
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。本実施形態は、第二あるいは第三の実施形態に対して、送信電力の調整要求を無線親機へ送信する機能を追加した形態である。
【0072】
図12に本実施形態の無線中継装置30の構成例を示す。無線中継装置30はアンテナ11、アンテナ制御部12、親機方向推定部13および電力調整要求部35により構成される。アンテナ11、アンテナ制御部12および親機方向推定部13については第二の実施形態と同様のため説明を省略する。
【0073】
図12の構成例では、第二の実施形態の無線中継装置10の構成例(
図1)に対して、電力調整要求部35を追加している。第三の実施形態の無線中継装置20の構成例(
図8)に対して電力調整要求部35を追加して
図13のように無線中継装置30を構成することも可能である。
【0074】
電力調整要求部35は、無線親機の送信電力の調整要求をアンテナ11経由で無線親機へ送信する部分である。電力調整要求部35では、無線親機の電波の受信電界強度に基づいて、送信電力の調整要求を無線親機へ送信する。
【0075】
たとえば、無線親機の電波の受信信号強度が所定の値より大きいとき、無線親機に対して送信電力を下げる要求を行う。このようにすると、
図14の矢印のように、無線親機の送信範囲を狭め、無線親機の送信電波と無線中継装置20の送信電波が混在する部分(斜線の部分)を減少させることができるため、無線周波数をより効率的に利用することが可能になる。
【0076】
また、無線親機の電波の受信信号強度が所定の値より小さいとき、無線親機に対して送信電力を上げる要求を行うことも可能である。このようにすると、無線親機からの電波の受信状況を改善することが可能になる。
【0077】
このように無線中継装置30を構成することによって、無線中継装置30は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0078】
また、本実施形態では、無線親機の電波の受信信号強度によって、送信電力の調整要求を無線親機へ送信する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の電波が混在する部分を減らして、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。また、受信状況を改善することが可能になる。
【0079】
次に、
図15に本実施形態の無線中継装置30の電力調整要求動作の動作例を示す。
【0080】
無線中継装置30の電力調整要求部35では、無線親機からの電波の受信信号強度を取得し、所定の値(第一の値)を超えているか否かを判断する(ステップS801)。そして、所定の値を超えているとき、送信電力を下げるよう無線親機に対して要求する(ステップS802)。このとき、送信電力をどの程度下げて欲しいかの下げ幅を要求と合わせて送信しても良い。
【0081】
また、受信信号強度が所定の値(第一の値)以下のとき、受信信号強度が所定の値(第二の値)未満か否かを判断する(ステップS803)。そして、所定の値未満のとき、送信電力を上げるよう無線親機に対して要求する(ステップS804)。
【0082】
ステップS803で所定の値以上だった場合には、受信信号強度は適正範囲であるため、電力調整要求は送信しない。あるいは、適正範囲であった旨を無線親機へ通知しても良い。
【0083】
図15の電力調整要求動作は、接続している無線親機に対して行うため、無線親機との接続完了以降に行うと良い。たとえば、無線中継装置30が
図3のように動作する場合、ステップS202の完了以降で実施可能である。
【0084】
図16に無線中継装置30の動作の例を示す。
図16のステップS901からステップS903まで、および、ステップS906からステップS909までは、
図3のステップS201からステップS203まで、および、ステップS204からステップS207までと同様である。
【0085】
図16の動作例では、親機方向の推定後、電力調整が完了するまで(ステップS905)電力調整要求の送信動作(ステップS904)を行う動作となっている。
【0086】
調整完了か否かは、たとえば、受信信号強度が適正範囲内か否かにより判断する。あるいは、利用者に調整完了を入力させたり、所定時間経過後に自動的に調整完了としたりすることも可能である。あるいは、受信信号強度の変化が所定の範囲内の状態で所定時間継続した場合などを調整完了と判断することも可能である。
【0087】
なお、無線親機では、他の無線中継装置からも電力調整要求を受信する可能性がある。そのため、無線親機は、二台以上の無線中継装置が接続している場合には、無線中継装置からの要求の通りに送信電力を調整するのではなく、接続している他の無線中継装置への影響が少なくなるように送信電力を調整することが望ましい。特に、送信電力の低下要求を受信した場合には、送信電力の低下により、他の無線中継装置の受信状況を悪化させる可能性があるため、無線親機は他の無線中継装置への影響を考慮した上で送信電力を調整すると良い。
【0088】
たとえば、送信電力を徐々に下げ、他の無線中継装置から送信電力の増加要求を受信した場合に、増加要求を受信する前の状態で送信電力の低下を完了する方法などが考えられる。また、無線親機から接続している無線中継装置に対して送信電力を低下させて良いか問い合わせを行い、すべての無線中継装置が許可した場合に送信電力を低下させる方法なども考えられる。
【0089】
無線親機がビームフォーミング機能を備えている場合には、電力調整要求があった無線中継装置の方向のみ送信電力を調整しても良い。また、このとき、電力調整要求とともに親機方向を受信し、親機方向と反対の方向の送信電力を調整することも可能である。
【0090】
また、
図13の無線中継装置30のように推奨方向提示機能と電力調整要求機能を組み合わせて使用する場合は、たとえば、まず推奨方向提示動作を行い、設置完了後、電力調整要求機能を行う方法が考えられる。また、電力調整要求動作で調整完了後に推奨方向提示動作を行ったり、推奨方向提示動作と電力調整要求動作をたとえば利用者の指示によって繰り返したりすることも可能である。
【0091】
図17に、設置完了後に電力調整要求動作を行う場合の無線中継装置30の動作例を示す。ステップS902までおよびステップS906以降は
図16と同様のため、
図17では図示を省略する。ステップS911からステップS913までは
図11のステップS703からステップS705、ステップS914からステップS915は
図16のステップS904からステップS905と同様である。
【0092】
図17の例では、第二の実施形態と同様に、設置が完了するまで(ステップS913)親機方向の推定(ステップS911)と推奨方向の提示(ステップS912)を繰り返す。そして、設置完了後、調整電力調整が完了するまで(ステップS915)電力調整要求の送信動作(ステップS914)を行う。
【0093】
このように無線中継装置30を動作させることによって、無線中継装置30は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。これにより、無線中継装置が無線子機向けに送信する電波は親機方向には送信されなくなる。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0094】
また、本実施形態では、無線親機の電波の受信信号強度によって、送信電力の調整要求を無線親機へ送信する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の電波が混在する部分を減らして、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。また、受信状況を改善することが可能になる。
【0095】
以上で説明したように、本発明の第四の実施形態では、第一から第三の実施形態と同様に、無線中継装置は、無線子機向けに通信データを送信するとき、親機方向を除く方向に電波の送信方向を制御する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の無線子機向けの電波との混在を軽減し、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。
【0096】
また、本実施形態では、無線親機の電波の受信信号強度によって、送信電力の調整要求を無線親機へ送信する。そのため、無線親機の電波と無線中継装置の電波が混在する部分を減らして、無線周波数を効率的に利用することが可能になる。また、受信状況を改善することが可能になる。
【0097】
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態における無線中継装置(10、20、30)を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、無線中継装置は、物理的または機能的に少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現してもよい。また、無線中継装置は、専用の装置として実現してもよい。また、無線中継装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現しても良い。
【0098】
図18は、本発明の各実施形態の無線中継装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置50は、通信インタフェース51、入出力インタフェース52、演算装置53、記憶装置54および不揮発性記憶装置55およびドライブ装置56を備える。
【0099】
通信インタフェース51は、各実施形態の無線中継装置が、有線あるいは/および無線で外部装置と通信するための通信手段である。なお、無線中継装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース51経由で相互に通信可能なように接続しても良い。
【0100】
入出力インタフェース52は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0101】
演算装置53は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置である。演算装置53は、たとえば、不揮発性記憶装置55に記憶された各種プログラムを記憶装置54に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0102】
記憶装置54は、演算装置53から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置54は、揮発性のメモリ装置であっても良い。
【0103】
不揮発性記憶装置55は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記録することが可能である。
【0104】
ドライブ装置56は、たとえば、後述する記録媒体57に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
【0105】
記録媒体57は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0106】
本発明の各実施形態は、たとえば、
図18に例示した情報処理装置50により無線中継装置を構成し、この無線中継装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0107】
この場合、無線中継装置に対して供給したプログラムを、演算装置53が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、無線中継装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置50で構成することも可能である。
【0108】
さらに、上記プログラムを記録媒体57に記録しておき、無線中継装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置55に格納されるよう構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して無線中継装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0109】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【0110】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0111】
(付記1)
通信データを送信する電波を送信するアンテナと、
無線親機の親機方向を推定する親機方向推定部と、
無線子機向けに前記通信データを送信するとき、前記電波の送信方向を、前記親機方向を除く方向に制御するアンテナ制御部と
を備えることを特徴とする無線中継装置。
【0112】
(付記2)
前記アンテナ制御部は、前記無線親機へ前記通信データを送信するとき、前記送信方向を前記親機方向に制御する
ことを特徴とする付記1に記載の無線中継装置。
【0113】
(付記3)
前記無線親機からの親機電波の受信信号強度に基づいて、前記無線中継装置の推奨移動方向を提示する推奨方向提示部
を備えることを特徴とする付記1あるいは付記2に記載の無線中継装置。
【0114】
(付記4)
前記推奨方向提示部は、前記受信信号強度が所定の値より大きいとき、前記推奨移動方向を前記親機方向と反対方向とする
ことを特徴とする付記3に記載の無線中継装置。
【0115】
(付記5)
前記推奨方向提示部は、前記受信信号強度が所定の値より小さいとき、前記推奨移動方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記3あるいは付記4に記載の無線中継装置。
【0116】
(付記6)
前記無線親機からの親機電波の受信信号強度に基づいて、前記無線親機へ前記無線親機の送信電力の調整を要求する電力調整要求部
を備えることを特徴とする付記1から付記5のいずれかに記載の無線中継装置。
【0117】
(付記7)
前記電力調整要求部は、前記受信信号強度が所定の値より大きいとき、前記送信電力を下げるよう前記無線親機へ要求する
ことを特徴とする付記6に記載の無線中継装置。
【0118】
(付記8)
前記電力調整要求部は、前記受信信号強度が所定の値より小さいとき、前記送信電力を上げるよう前記無線親機へ要求する
ことを特徴とする付記6あるいは付記7に記載の無線中継装置。
【0119】
(付記9)
前記親機方向推定部は、前記アンテナの受信方向を所定の複数の確認方向に順次変更して前記無線親機からの親機電波の受信状況を取得し、前記受信状況が最良となる前記確認方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記1から付記8のいずれかに記載の無線中継装置。
【0120】
(付記10)
前記親機方向推定部は、前記送信方向を所定の複数の確認方向に順次変更して前記無線親機へ前記通信データを送信し、前記無線親機での前記無線中継装置の前記電波の受信状況を含む受信状況データを受信し、前記受信状況が最良となる前記確認方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記1から付記8のいずれかに記載の無線中継装置。
【0121】
(付記11)
前記受信状況は、受信信号強度、C/N比(Carrier to Noise Ratio)、S/N比(Signal to Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)、MER(Modulation Error Ratio)のうちの少なくとも一つより算出される
ことを特徴とする付記9あるいは付記10に記載の無線中継装置。
【0122】
(付記12)
前記親機方向推定部は、複数の前記無線親機からの親機電波の受信信号強度を取得し、前記受信信号強度と前記無線親機の位置情報に基づいて接続する前記無線親機の前記親機方向を推定する
ことを特徴とする付記1から付記8のいずれかに記載の無線中継装置。
【0123】
(付記13)
前記アンテナは、第一のアンテナと第二のアンテナを備え、
前記アンテナ制御部は、前記第一のアンテナあるいは前記第二のアンテナのうち一方の前記送信方向を前記親機方向に制御し、他方の前記送信方向を、前記親機方向を除く方向に制御する
ことを特徴とする付記1から付記12のいずれかに記載の無線中継装置。
【0124】
(付記14)
前記アンテナ制御部は、前記第一のアンテナと前記第二のアンテナのうち、より前記親機方向に相対的に近い方の前記送信方向を前記親機方向に制御する
ことを特徴とする付記13に記載の無線中継装置。
【0125】
(付記15)
前記アンテナは、ビームフォーミング機能を備え、
前記アンテナ制御部は、前記ビームフォーミング機能により前記送信方向を制御する
ことを特徴とする付記1から付記14のいずれかに記載の無線中継装置。
【0126】
(付記16)
付記1から付記15のいずれかに記載の無線中継装置と前記無線親機とを備える
ことを特徴とする無線中継システム。
【0127】
(付記17)
無線親機の親機方向を推定し、
無線子機向けに通信データをアンテナから送信するとき、前記アンテナの電波の送信方向を、前記親機方向を除く方向に制御する
ことを特徴とする無線中継方法。
【0128】
(付記18)
前記無線親機へ前記通信データを送信するとき、前記送信方向を前記親機方向に制御する
ことを特徴とする付記17に記載の無線中継方法。
【0129】
(付記19)
前記無線親機からの親機電波の受信信号強度に基づいて、無線中継装置の推奨移動方向を提示する
ことを特徴とする付記17あるいは付記18に記載の無線中継方法。
【0130】
(付記20)
前記受信信号強度が所定の値より大きいとき、前記推奨移動方向を前記親機方向と反対方向とする
ことを特徴とする付記19に記載の無線中継方法。
【0131】
(付記21)
前記受信信号強度が所定の値より小さいとき、前記推奨移動方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記19あるいは付記20に記載の無線中継方法。
【0132】
(付記22)
前記無線親機からの親機電波の受信信号強度に基づいて、前記無線親機へ前記無線親機の送信電力の調整を要求する
ことを特徴とする付記17から付記21のいずれかに記載の無線中継方法。
【0133】
(付記23)
前記受信信号強度が所定の値より大きいとき、前記送信電力を下げるよう前記無線親機へ要求する
ことを特徴とする付記22に記載の無線中継方法。
【0134】
(付記24)
前記受信信号強度が所定の値より小さいとき、前記送信電力を上げるよう前記無線親機へ要求する
ことを特徴とする付記22あるいは付記23に記載の無線中継方法。
【0135】
(付記25)
前記アンテナの受信方向を所定の複数の確認方向に順次変更して前記無線親機からの親機電波の受信状況を取得し、前記受信状況が最良となる前記確認方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記17から付記24のいずれかに記載の無線中継方法。
【0136】
(付記26)
前記送信方向を所定の複数の確認方向に順次変更して前記無線親機へ前記電波を送信し、前記無線親機での前記無線中継装置の前記電波の受信状況を含む受信状況データを受信し、前記受信状況が最良となる前記確認方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記17から付記24のいずれかに記載の無線中継方法。
【0137】
(付記27)
前記受信状況は、受信信号強度、C/N比(Carrier to Noise Ratio)、S/N比(Signal to Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)、MER(Modulation Error Ratio)のうちの少なくとも一つより算出される
ことを特徴とする付記25あるいは付記26に記載の無線中継方法。
【0138】
(付記28)
複数の前記無線親機からの親機電波の受信信号強度を取得し、前記受信信号強度と前記無線親機の位置情報に基づいて接続する前記無線親機の前記親機方向を推定する
ことを特徴とする付記17から付記24のいずれかに記載の無線中継方法。
【0139】
(付記29)
前記アンテナが第一のアンテナと第二のアンテナを備えるとき、
前記第一のアンテナあるいは前記第二のアンテナのうち一方の前記送信方向を前記親機方向に制御し、他方の前記送信方向を、前記親機方向を除く方向に制御する
ことを特徴とする付記17から付記28のいずれかに記載の無線中継方法。
【0140】
(付記30)
前記第一のアンテナと前記第二のアンテナのうち、より前記親機方向に相対的に近い方の前記送信方向を前記親機方向に制御する
ことを特徴とする付記29に記載の無線中継方法。
【0141】
(付記31)
前記アンテナがビームフォーミング機能を備えるとき、
前記ビームフォーミング機能により前記送信方向を制御する
ことを特徴とする付記17から付記30のいずれかに記載の無線中継方法。
【0142】
(付記32)
コンピュータに、
無線親機の親機方向を推定する親機方向推定機能と、
無線子機向けに通信データをアンテナから送信するとき、前記アンテナの電波の送信方向を、前記親機方向を除く方向に制御するアンテナ制御機能と
を実現させることを特徴とする無線中継プログラム。
【0143】
(付記33)
前記アンテナ制御機能は、前記無線親機へ前記通信データを送信するとき、前記送信方向を前記親機方向に制御する
ことを特徴とする付記32に記載の無線中継プログラム。
【0144】
(付記34)
コンピュータに、
前記無線親機からの親機電波の受信信号強度に基づいて、無線中継装置の推奨移動方向を提示する推奨方向提示機能
を実現させることを特徴とする付記32あるいは付記33に記載の無線中継プログラム。
【0145】
(付記35)
前記推奨方向提示機能は、前記受信信号強度が所定の値より大きいとき、前記推奨移動方向を前記親機方向と反対方向とする
ことを特徴とする付記34に記載の無線中継プログラム。
【0146】
(付記36)
前記推奨方向提示機能は、前記受信信号強度が所定の値より小さいとき、前記推奨移動方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記34あるいは付記35に記載の無線中継プログラム。
【0147】
(付記37)
コンピュータに、
前記無線親機からの親機電波の受信信号強度に基づいて、前記無線親機へ前記無線親機の送信電力の調整を要求する電力調整要求機能
を実現させることを特徴とする付記32から付記36のいずれかに記載の無線中継プログラム。
【0148】
(付記38)
前記電力調整要求機能は、前記受信信号強度が所定の値より大きいとき、前記送信電力を下げるよう前記無線親機へ要求する
ことを特徴とする付記37に記載の無線中継プログラム。
【0149】
(付記39)
前記電力調整要求機能は、前記受信信号強度が所定の値より小さいとき、前記送信電力を上げるよう前記無線親機へ要求する
ことを特徴とする付記37あるいは付記38に記載の無線中継プログラム。
【0150】
(付記40)
前記親機方向推定機能は、前記アンテナの受信方向を所定の複数の確認方向に順次変更して前記無線親機からの親機電波の受信状況を取得し、前記受信状況が最良となる前記確認方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記32から付記39のいずれかに記載の無線中継プログラム。
【0151】
(付記41)
前記親機方向推定機能は、前記送信方向を所定の複数の確認方向に順次変更して前記無線親機へ前記電波を送信し、前記無線親機での無線中継装置の前記電波の受信状況を含む受信状況データを受信し、前記受信状況が最良となる前記確認方向を前記親機方向とする
ことを特徴とする付記32から付記39のいずれかに記載の無線中継プログラム。
【0152】
(付記42)
前記受信状況は、受信信号強度、C/N比(Carrier to Noise Ratio)、S/N比(Signal to Noise Ratio)、BER(Bit Error Rate)、MER(Modulation Error Ratio)のうちの少なくとも一つより算出される
ことを特徴とする付記40あるいは付記41に記載の無線中継プログラム。
【0153】
(付記43)
前記親機方向推定機能は、複数の前記無線親機からの親機電波の受信信号強度を取得し、前記受信信号強度と前記無線親機の位置情報に基づいて接続する前記無線親機の前記親機方向を推定する
ことを特徴とする付記32から付記39のいずれかに記載の無線中継プログラム。
【0154】
(付記44)
前記アンテナが第一のアンテナと第二のアンテナを備えるとき、
前記アンテナ制御機能は、前記第一のアンテナあるいは前記第二のアンテナのうち一方の前記送信方向を前記親機方向に制御し、他方の前記送信方向を、前記親機方向を除く方向に制御する
ことを特徴とする付記32から付記43のいずれかに記載の無線中継プログラム。
【0155】
(付記45)
前記アンテナ制御機能は、前記第一のアンテナと前記第二のアンテナのうち、より前記親機方向に相対的に近い方の前記送信方向を前記親機方向に制御する
ことを特徴とする付記44に記載の無線中継プログラム。
【0156】
(付記46)
前記アンテナがビームフォーミング機能を備えるとき、
前記アンテナ制御機能は、前記ビームフォーミング機能により前記送信方向を制御する
ことを特徴とする付記32から付記45のいずれかに記載の無線中継プログラム。