特許第6441799号(P6441799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441799
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】搾乳器システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   A61M1/06
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-532445(P2015-532445)
(86)(22)【出願日】2013年9月23日
(65)【公表番号】特表2015-529124(P2015-529124A)
(43)【公表日】2015年10月5日
(86)【国際出願番号】EP2013069758
(87)【国際公開番号】WO2014044858
(87)【国際公開日】20140327
【審査請求日】2016年9月21日
(31)【優先権主張番号】12185597.7
(32)【優先日】2012年9月24日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/704,729
(32)【優先日】2012年9月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ベイロー,ミシール ディルク アウグスティニュス
(72)【発明者】
【氏名】シルウィンド,レイチェル エステル
(72)【発明者】
【氏名】ポッペリール,レオナルデュス マリア
(72)【発明者】
【氏名】アールデルス,アルノルト
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0283112(US,A1)
【文献】 特表2005−521480(JP,A)
【文献】 米国特許第05071403(US,A)
【文献】 米国特許第05094591(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搾乳器システムのための作動ユニットであって、ハウジング及び該ハウジング内で受けられる真空ポンプを含み、前記ハウジングは、管を取り付けるための連結装置、及び、管を巻きつけることができる外表面を有し、前記外表面の少なくとも一部は、座屈なしで前記管を前記ハウジングの周りに巻きつけることができるようにカーブし、前記外表面はくぼみを含み、さらに、前記連結装置は前記くぼみの中に置かれ、前記連結装置に近位の前記管の一部が座屈しないように、前記管が前記連結装置に接続された場合に前記くぼみの表面が前記管をガイド且つ支持するように前記くぼみの表面は全ての方向において前記連結装置から離れるに従いカーブするラッパ形状を有し、
カーブした前記外表面の少なくとも一部は複数の直線的な表面を含み、該複数の直線的な表面は、巻きつけられる前記管が座屈しない又はよじれないようにする角度で互いに接続されている、作動ユニット。
【請求項2】
カーブした前記外表面の少なくとも一部は丸みを含む、請求項1に記載の作動ユニット。
【請求項3】
前記外表面は、直線的な表面をさらに含む、請求項1に記載の作動ユニット。
【請求項4】
前記外表面は、前記ハウジングの周りに巻きつけられた管を保持するように構成されるへりを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項5】
前記外表面は、前記ハウジングの周りに前記管をガイドするための少なくとも1つの隆起部を有して形成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項6】
前記連結装置は、前記くぼみから延びるホローピンを、前記管の中に前記ピンを挿入することによって管を前記ピンに取り付けることができるように含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の作動ユニット。
【請求項7】
前記ホローピンは、前記くぼみの表面と一体形成される、請求項6に記載の作動ユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の作動ユニット並びに管を含む搾乳器システムであって、前記管は、前記連結装置に取り付け可能な第1の末端及び第2の末端を有し、当該搾乳器システムは、前記管が前記ハウジングの周りに巻きつけられた場合に前記管の第2の末端を固定するように構成される取付け部材をさらに含む、搾乳器システム。
【請求項9】
前記取付け部材は、前記管の第2の末端を前記管の別の部分に取り付けるように構成される、請求項8に記載の搾乳器システム。
【請求項10】
前記取付け部材は、前記管の第2の末端を前記ハウジングに取り付けるように構成される、請求項8に記載の搾乳器システム。
【請求項11】
前記取付け部材は、圧出ユニットの本体に取り外し可能に取り付けることができるように構成されるキャップを含む、請求項8に記載の搾乳器システム。
【請求項12】
前記キャップは、前記管の第2の末端に取付け可能であり、さらに、前記キャップは、前記管の第2の末端が前記管の別の部分に取り付け可能であるようにクリップを含む、請求項11に記載の搾乳器システム。
【請求項13】
前記取付け部材は、前記管が前記ハウジングの周りに巻きつけられた場合に、前記管の第2の末端で前記管の第1の末端を取り付けるように構成される、請求項8に記載の搾乳器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搾乳器システムに関し、特に、搾乳器を作動させるための作動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
搾乳器システムは、圧出ユニットとして作用する搾乳器、及び、搾乳器を作動させるための作動ユニットを含む。圧出ユニットは、乳房を受ける漏斗、及び、圧出母乳が回収される容器を有する。作動ユニットは、モーターによって駆動される真空ポンプを含む。使用中、真空ポンプは、乳房に対して真空状態を適用し、母乳が圧出されるのを可能にする。真空状態は、直接又は圧出ユニット内に置かれる膜を介して乳房に適用され、膜は変形し、従って、漏斗において真空状態が生じるようにする。
【0003】
搾乳器システムは、典型的には、母乳と接触している搾乳器システムのいかなる部分も各使用後に滅菌することができるように、及び、使用されていない場合に便利な場所において搾乳器システムを保管することができるように、組み立てられ且つ解体されるよう構成される。しかし、解体された状態で搾乳器システムを保管する場合に、搾乳器システムの一部を傷つけるか又は失うリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を実質的に軽減するか又は克服する作動ユニット及び搾乳器システムを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、搾乳器システムのための作動ユニットが提供され、当該作動ユニットは、ハウジング及び該ハウジング内で受けられる真空ポンプを含み、ハウジングは、管を取り付けるための連結装置、及び、管を巻きつけることができる外表面を有し、外表面の少なくとも一部は、座屈(buckling)なしでハウジングの周りに管を巻きつけることができるようにカーブし、外表面はくぼみを含み、さらに、連結装置はそのくぼみの中に置かれ、連結装置に近位の管の一部が座屈しないように、管が連結装置に接続された場合にくぼみの表面が管をガイド且つ支持するようにくぼみの表面は連結装置から離れるに従いカーブする
【0006】
これは、ハウジングの周りに管をきれいに巻きつけることができるため、搾乳器システムが使用中でない場合に作動ユニットを容易に収納する、保管する又は運ぶことができるという利点を提供する。ハウジングの周りに管を巻きつけることによって、管を失うリスクが最小限にされる。さらに、ハウジングの外表面のカーブした部分が、管を傷つける恐れがある座屈を生じさせないように管を妨げる。座屈は、管のへこみ、よじれ又は折りたたみを含むとして理解されることになる。
【0007】
ハウジングの外表面の少なくとも一部がカーブした搾乳器システムのための作動ユニットは、例えばUS6,547,756 B1、WO2010/083485 A2、US 2008/0090445 A1及びDE 10 2004 030 692 B3から、それ自体既知であるということに留意されたい。
【0008】
本発明は、さらに、連結装置から離れるに従い広がるくぼみの表面が、使用中及び保管される場合に管が座屈するか又はよじれるのを防ぐように、ハウジングから離れていかなる方向でも管をガイド且つ支持するという利点を提供する。さらに、いかなる方向においてもハウジングの周りに管を巻きつけるのを可能にする。加えて、使用者は、管の長さの中にいる限り、ハウジングに対していかなる方向においても位置することができる。
【0009】
一実施形態において、カーブした外表面の少なくとも一部は、互いに斜角で延びる複数の直線部分を含んでもよい。
【0010】
これは、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に、複数の直線部分を含む外表面のカーブした部分が、管を傷つける恐れがある座屈を生じさせないように管を妨げるという利点を提供する。
【0011】
代わりの実施形態において、カーブした外表面の少なくとも一部は、丸み(radius)を含んでもよい。
【0012】
これは、ハウジングの外表面のこのカーブした部分が、管を傷つける恐れがある座屈を生じさせないように管を妨げるという利点を提供する。
【0013】
別の実施形態において、外表面は、直線部分をさらに含んでもよい。
【0014】
これは、カーブした部分及び直線部分がどちらも、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に管を支持するという利点を提供する。
【0015】
一実施形態において、外表面は、連続的にカーブしていてもよい。
【0016】
これは、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に管を連続的に支持することができるという利点を提供する。
【0017】
別の実施形態において、外表面は、ハウジングの周りに巻きつけられた管を保持するようにへりを有する。
【0018】
これは、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に、管がハウジングからすべり落ちるのを防ぐのにへりが寄与するという利点を提供する。
【0019】
好ましくは、外表面は、ハウジングの周りに管をガイドするために、少なくとも1つの隆起部を有して形成される。
【0020】
これは、ハウジングの周りに管がきれいに巻きつけられるように、隆起部がハウジングの周りに管をガイドするという利点を提供する。さらに、隆起部は、管がハウジングからすべり落ちるのを防ぐのに寄与するように管を支持する。
【0021】
好ましくは、連結装置は、くぼみから延びるホローピンを、管の中にピンを挿入することによって管をピンに取り付けることができるように含む。
【0022】
これは、管がハウジングに取り外し可能に取り付けられる、及び、管が真空ポンプと流体連通しているという利点を提供する。
【0023】
好ましくは、ホローピンは、くぼみの表面と一体形成される。
【0024】
これは、ハウジングは、組み立てられるのが容易であり、さらに、清潔にしておくことがより容易であるという利点を提供する。
【0025】
一実施形態において、ハウジングの外表面は、連続的な外周面であってもよい。
【0026】
これは、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に、集中応力の領域を有さないように外表面によって連続的に支持されるという利点を提供する。
【0027】
一実施形態において、外表面は、円周的にカーブしていてもよい。
【0028】
本発明の別の態様によると、上記の作動ユニット及び管を含む搾乳器システムが提供され、管は、連結装置に取り付け可能な第1の末端及び第2の末端を有し、さらに、搾乳器システムは、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に管の第2の末端を固定するように構成される取付け部材を含む。
【0029】
これは、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に、作動ユニット及び管を容易にしまいこむ、保管する又は運ぶことができるように、その巻きつけられた位置で固定することができるという利点を提供する。さらに、だらりとぶらさがった部分はなく、さもなければそれは傷つけられ得る。加えて、ハウジングの周りに管が巻きつけられた場合に、管は容易に巻きを解くことができ且つすぐに使用することができるということが使用者に合図される。
【0030】
一実施形態において、取付け部材は、管の第2の末端を管の別の部分に取り付けるように構成されてもよい。
【0031】
別の実施形態において、取付け部材は、管の第2の末端をハウジングに取り付けるように構成されてもよい。
【0032】
一実施形態において、取付け部材は、ハウジングと一体形成されてもよい。
【0033】
これは、ハウジングの周りに巻きつけられた位置で管を固定することができる、及び、取付け部材を誤って失うことはできないという利点を提供する。
【0034】
好ましくは、取付け部材は、圧出ユニットの本体に取り外し可能に取り付けることができるように構成されたキャップを含む。
【0035】
これは、キャップも安全に保管するか又は運ぶことができるという利点を提供する。
【0036】
好都合なことに、キャップは、管の第2の末端に取り付け可能であってもよく、さらに、キャップは、管の第2の末端が管の別の部分に取り付け可能であるようにクリップを含んでもよい。
【0037】
キャップ及び管は、概して圧出母乳と接触しないため、圧出母乳と接触する搾乳器システムの他の部分と違って解体され且つ滅菌される必要はない。取付け部材がキャップ及びクリップを含み、さらに、巻きつけられた位置で管を固定するために取付け部材が使用される実施形態において、搾乳器が保管される場合にキャップを誤って失うリスクが最小限にされるという利点が提供される。
【0038】
好ましくは、クリップは、キャップと一体形成される。
【0039】
これは、ハウジングからの巻きを解くように管にさせ得る、クリップのキャップからの分離を行うことができないという利点を提供する。
【0040】
一実施形態において、取付け部材は、管がハウジングの周りに巻きつけられた場合に、管の第2の末端で管の第1の末端を取り付けるように構成されてもよい。
【0041】
これは、ハウジングの周りに巻きつけられた管を固定するために管の末端がハウジングに取り付けられる必要はないという利点を提供する。
【0042】
本発明の前記及び他の態様が、以下に記載の実施形態から明らかになり、さらに、以下に記載の実施形態を参考にして説明される。
【0043】
次に、本発明の実施形態が、単に例として、付随の図面を参考にして記載される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施形態による搾乳器システムを示した図である。
図2】本発明の一実施形態による作動ユニットを示した図である。
図3】作動ユニットのハウジングの周りに巻きつけられた管を有する図2における作動ユニットを示した図である。
図4】作動ユニットの連結装置及びくぼみを示した図である。
図5】一実施形態によるくぼみの表面の形状を例示した図である。
図6図2乃至4において示された作動ユニットの断面を例示した図である。
図7】別の実施形態による作動ユニットの断面を例示した図である。
図8】さらに別の実施形態による作動ユニットの断面を例示した図である。
図9】取り付け部材の一実施形態を示した図である。
図10】別の実施形態による取り付け部材の一実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
次に、図面を参照すると、一実施形態による搾乳器システムが図1において示されている。搾乳器システム1は、管4を介して接続される圧出ユニット2及び作動ユニット3を含む。
【0046】
圧出ユニット2は、本体7、使用者の乳房を受けるための漏斗5、及び、圧出母乳を回収するための容器6で形成される。漏斗5及び容器6は本体7に接続される。本体7は、真空チャンバ(図示せず)を含む。可撓性の膜又は隔壁(図示せず)が、真空チャンバ内に置かれる。
【0047】
作動ユニット3は、制御装置(図示せず)、電源(図示せず)、モーター(図示せず)及び真空ポンプ(図示せず)を含む。制御装置は、電源、モーター及び真空ポンプの作動を制御する。使用中、真空ポンプは、膜が変形するように、本体7内に置かれた膜に対して真空状態を適用する。可撓性の膜は、漏斗5において真空状態を生じさせるように変形し、それは次に、乳房に対して真空状態を適用し、それは、母乳が圧出されるのを可能にする。膜は、作動ユニット3に通じる管4内に圧出母乳が流れるのも防ぐ。一実施形態において、膜は、膜が変形するに従い反転する。しかし、代わりの実施形態において、膜は反転しない。
【0048】
搾乳器システムは、間接的に乳房に対して真空状態が適用されるように膜を含むとして記載されているけれども、代わりの実施形態において、直接使用者の女房に対して真空状態が適用されるということが理解されるべきである。この実施形態において、搾乳器システムは膜を含まず、さらに、真空ポンプによって生じさせられた真空状態は直接乳房に対して適用される。
【0049】
次に、図2を参照すると、作動ユニット3は、底壁8、頂壁9、及び、底壁8と頂壁9との間を延びる側壁10を有するハウジングを含む。底壁8、頂壁9及び側壁10は、少なくとも制御装置、真空ユニット又は真空ポンプ及び電源を保持するための空間を画定する。底壁8、頂壁9及び側壁10は、一体形成するか、又は、別々に製造し、その後、組み立ててハウジングを作ることができる。
【0050】
頂壁9及び底壁8は、いかなる形状のものであってもよい。
【0051】
ハウジングの側壁10は、ハウジングの外面が楕円を形成するように連続的にカーブした外表面11を有する。カーブした外表面は、管4が、管4の座屈なしで作動ユニット3のハウジングの周りに巻きつけられるのを可能にする。従って、搾乳器システム1が使用され且つ解体されて収納される場合に、ハウジングの側壁10の外表面の周りに管4を巻きつけることができる。ハウジングの周りに巻きつけられた管4は、図3において示されている。
【0052】
外表面11は、連続的又は円周的にカーブしているとして先に記載されてきたけれども、本発明の範囲は、一部のみがカーブしているハウジングの側壁の外表面も含むということが意図される。例えば、外表面は直線部分も含んでよい。一実施形態において、外表面は、ハウジングの外面が長方形又は長円形であるように、外表面の2つのカーブした部分及び2つの直線部分を含む。外表面は、或いは、ハウジングの外面が円形、楕円形若しくは卵形であるように形作られてもよく、又は、さらに代わりの実施形態において、外表面は、ハウジングが正方形であるがコーナーがカーブしたか若しくは丸みのあるように形作られるということも理解されたい。
【0053】
上記の実施形態のいずれにおいても側壁の外表面11のカーブした部分は面取り部であるということが正しく理解されたい。さらに、上記の実施形態のいずれにおいても外表面のカーブした部分は、円周的にカーブしているように丸みを含んでもよい。上記の実施形態のカーブした部分は、或いは、角度を有して互いに接続される複数の直線的な表面を含んでもよいということも予想される。この実施形態において、複数の直線的な表面は、管がハウジングの周りに巻きつけられた場合に、管が座屈するか又はよじれるのを前記複数の直線的な表面を含むカーブした部分が防ぐように、ある角度で互いに接続される。
【0054】
図2において見られるように、外表面は、底壁8と接する第1の縁12、及び、頂壁9と接する第2の縁13を含む。第1及び第2の縁12、13は平行であるが、これは任意である。さらに、第1及び第2の縁12、13は、管4がハウジングの周りに巻きつけられる方向に対して平行であるが、これも任意であるということが正しく理解されるべきである。
【0055】
第1の縁12に隣接して、外表面は、連結装置15が置かれるくぼみ14を有して形成される。図4及び6において最もよく見られるように、連結装置15は、管4の開いた末端の中にピン16を挿入することによって管4をピン16に接続することができるように、くぼみ14を通って延びるホローピン16である。代わりの実施形態において、連結装置は、ハウジング内の通路又は穴であり、そこを通して管の末端を挿入することができる。連結装置15の機能は、真空ポンプと気体又は流体連通するように、管4をハウジングに取り付けることである。
【0056】
くぼみ14は、図5において例示されているように、くぼみ14の表面17がらっぱ形のもの又は部分的な円錐曲線回転体として形成されるように、連結装置15から離れるに従い広がるか又はカーブする表面17を有する。くぼみの表面17は、全ての方向に連結装置15又はピン16から離れるに従いカーブする。表面17の曲率は、全ての方向において同じであってもよいか、又は或いは、表面17の曲率は、方向間で異なってもよい。連結装置15から離れるに従い広がるか又はカーブしているくぼみ14の表面17の利点は、使用中又は保管された場合に連結装置15に近位の管4の一部が座屈しない又はよじれないように、連結装置15に接続された場合に管4をガイドするか又は支持するということである。管4が座屈しない又はよじれないように要求される表面17の曲率半径は、管4の可撓性及び大きさ次第である。
【0057】
くぼみ14及び連結装置15は、図2において見られるように、第1の縁12に隣接して置かれる。これは、くぼみ14及び連結装置15が第1及び第2の縁から等距離に置かれる場合よりも大きな外表面11の表面領域の周りに管4が巻きつけられるのを可能にする。しかし、第1の縁12に隣接して置かれているくぼみ14及び連結装置15に本発明は限定されないということを理解されたい。代わりの実施形態において、くぼみ14及び連結装置15は、第2の縁に隣接して置かれ、さらに別の代わりの実施形態において、くぼみ14及び連結装置15は、第1及び第2の縁12、13間である距離をおいて置かれる。
【0058】
外表面は、さらに、図2において最もよく見られるように、へり又は肩状のもの18を有して形成される。へりは、第1の縁12に隣接しているが、へり18は、或いは、第2の縁13に隣接していてもよく、又は、12と13との間である距離をおいてあってもよいということを正しく理解されたい。別の代わりの実施形態において、第1のへりが第1の縁12に隣接して形成され、さらに、第2のへりが第2の縁13に隣接して形成される。1つのへり18又は複数のへりは、ハウジングの周りに巻きつけられた管4がハウジング上に保持されるのに寄与する。従って、1つ又は複数のへりは、ハウジングの周りに巻きつけられた場合に管4がハウジングからすべり落ちるのを防ぐ。
【0059】
ハウジングの外表面11は、管4がハウジングの周りに巻きつけられる方向に平行に延びる1つ又は複数の隆起部を有して形成されてもよい。1つ又は複数の隆起部は、ハウジングの周りに管4をガイドする。さらに、1つ又は複数の隆起部は、管がハウジングからすべり落ちるのを防ぐのに寄与するように管4を支持する。
【0060】
図7において例示された代わりの実施形態において、作動ユニット25のハウジングは、管がハウジングの周りに巻きつけられた場合に管4と連続的に接触しない外表面26を含む。この実施形態において、外表面26は、管がハウジングの周りに巻きつけられた場合に管と接触しない作動ユニット25の中心に向かって延びる中心部分27を有する。
【0061】
図8において例示されたさらに別の代わりの実施形態において、連結装置15は、環状の突出部28によって形成されるくぼみ内に置かれる。くぼみは、図6を参考にして記載される実施形態と類似の連結装置15から離れるに従い広がるか又はカーブする表面29を有するため、この実施形態のくぼみの表面29も、連結装置15に近位の管の一部が、使用及び保管中に、座屈しない又はよじれないように、連結装置に接続された場合に管をガイド及び支持する。連結装置15は、図8において例示されているようにピンであってもよく、又は、開口部若しくは穴であってもよく、そこを通して管は挿入される。
【0062】
上記の実施形態のいずれによる搾乳器システム1も、以下に記載されるように、そのハウジングの周りに巻きつけられた位置で管4を固定するための、又は、本体7に管の末端を固定するための取付け部材をさらに含んでもよい。取付け部材は、その巻きつけられた位置で又は本体7に、管を直接若しくは間接的に固定してもよい。
【0063】
搾乳器システムの一実施形態において、管4の第1の末端は、上記のように連結装置15に取り付けられる。これは、ハウジングの周りに巻きつけられている場合に管4に対して係留点を提供する。搾乳器システムは、例えば、ハウジングの周りに巻きつけられた管をその巻きつけられた位置で維持することができ、そのため搾乳器システムを容易に保管することができるように、管4の別の部分又はハウジングに管4の第2の末端を取り付けるよう構成される取付け部材をさらに含む。或いは、取付け部材は、例えば搾乳器システムが使用中である場合に、管の第2の末端を本体7に取り付けるように構成される。取付け部材は、本体7又は作動ユニットのハウジングと一体形成することができるクリップであってもよい。管4の第2の末端を管の別の部分に取り付けるように構成されたクリップ30の例が、図10において示されている。クリップ30は、管の周りを掴むように構成された2つのアーム31、32の対を含む。
【0064】
別の実施形態において、取付け部材は、図9において見られるようにキャップ20を含む。キャップ20は、管4の第2の末端に取り付け可能な通気道を含む。キャップ20は、キャップが本体7に取り付けられた場合にキャップ20が圧出ユニット3の真空チャンバの上部を形成するように、圧出ユニット3の本体7に取り外し可能に取り付けることができるようさらに構成される。従って、キャップ20が本体7に取り付けられ且つ真空ポンプが作動させられた場合に、空気が、キャップ20の通気道を通って且つ管4の中に真空チャンバからポンプで吸い出され、それが、膜に変形させるか又は反転させる。これは、圧出ユニットの漏斗5において生成される間接的な真空状態を生じさせる。膜の存在のため、キャップ20及び管4は、概して圧出母乳と接触せず、従って、解体され且つ滅菌される必要があるということはあり得ない。取付け部材は、図9において見られるようにクリップ21をさらに含む。キャップ20は、射出成形によってクリップ21と一体形成することができる。
【0065】
管4の第1の末端がハウジングに取り付けられ、さらに、管4の第2の末端がキャップ20に取り付けられる場合、使用後に、管4を傷つけることなく作動ユニット3を保管することができるように、管4をハウジングの周りに巻きつけることができるということが使用者に合図される。さらに、取付け部材がキャップ20及びクリップを含む場合、さらに、取付け部材は巻きつけられた位置で管を固定するために使用されるため、搾乳器が保管される場合にキャップを誤って失うリスクが減らされる。
【0066】
代わりの実施形態において、管4の第1の末端は、連結装置15に接続されない。この実施形態において、管4は、ハウジングの周りに巻きつけられ、さらに、管の第2の末端で管の第1の末端を取り付けるように構成された取付け部材によってその巻きつけられた位置で固定される。取付け部材は、図10において例示されているようにクリップであってもよい。
【0067】
取付け部材は、管4がハウジングの周りに巻きつけられた場合に、作動ユニット3及び管4を容易にしまいこむ、保管する又は運ぶことができるように、その巻きつけられた位置で固定することができるという利点を提供する。さらに、だらりとぶらさがった部分はなく、さもなければそれは傷つけられ得る。加えて、管4がハウジングの周りに巻きつけられた場合に、管は容易に巻きを解くことができ且つすぐに使用することができるということが使用者に合図される。
【0068】
代わりの例示されていない実施形態において、作動ユニットはさらに電気ケーブル又は連結装置を介して主電源に接続可能であるということがさらに予想される。この実施形態において、上記の実施形態のいずれによる作動ユニットの外表面も、加えて又は或いは、作動ユニットのハウジングの周囲に電気ケーブルを巻きつけるために使用することができる。従って、搾乳器システム1が使用されてきた且つ解体されてしまいこまれる場合に、管4及び/又は電気ケーブルは、ハウジングの側壁10の外表面の周りに巻きつけることができる。
【0069】
上記の搾乳器システムは1つの連結装置及び1つの管を含むよう記載されてきたけれども、上記の実施形態のいずれによる搾乳器システムも、使用者が同時に両方の乳房から母乳を圧出することができるように、第2のくぼみ内に置かれる第2の連結装置をさらに含むということ、及び、第2の管の第1の末端は連結装置に取付け可能であり、さらに、第2の管の第2の末端は第2の圧出ユニットに取り付け可能であるということが予想される。
【0070】
上記の説明において管と関連して「座屈」という用語は、へこみ、よじれ又は折りたたみを含み且つカバーするということが理解されたい。従って、カーブした外表面の一部は、座屈、へこみ、よじれ又は折りたたみなしで管がハウジングの周りに巻きつけられるのを可能にする。
【0071】
「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外しないということ、及び、不定冠詞はその複数形を除外しないということが正しく理解されることになる。1つのプロセッサは、特許請求の範囲において列挙されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属項において記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、特許請求の範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
【0072】
請求項は本願において特定の特徴の組み合わせに系統だてて述べられてきたけれども、本発明の開示の範囲は、いかなる請求項においても現在請求されている同じ発明に関していようがいまいが、さらに、本発明のように同じ技術的問題のどれか若しくはその全てを和らげようが和らげまいが、本明細書において明確に、暗示的に、又は、そのいかなる一般化で開示されたいかなる新規の特徴又はいかなる新規の特徴の組み合わせも含むということが理解されるべきである。出願人は、本明細書によって、本願又はそこから引き出されるいかなるさらなる出願の遂行の間にも、新たな請求項をそのような特徴及び/又は特徴の組合せに系統だてて述べることができると注意を与える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10