(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バルブキャリア(46)は、入口端部(66)において内部円錐(68)を有し、この内部円錐(68)は、シール面を形成し、また、前記燃料通路(76)に隣接しており、また、
前記供給ライン(16)は、前記燃料噴射バルブ(10)に隣接したほうの端部領域において、外側円錐(72)を有しており、この外側円錐(72)は、前記バルブキャリア(46)の前記内部円錐(68)に、シールするように載置されるシール面を形成している、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記円錐状シール外面(60)、及び、前記内部円錐(68)は、前記バルブキャリア(46)の漏斗状の管端フランジ(62)上に形成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
一方では、前記高圧力入口(34)の前記円錐状シール面(44)と、前記バルブキャリア(46)の前記円錐状シール外面(60)との間において、他方では、前記バルブキャリア(46)の前記内部円錐(68)と、前記供給ライン(16)の前記外側円錐(72)との間において、0.5°から2°の円錐の角度差(α、β)があり、
これにより、其々の場合において、環状シール面(64)が、其々の円錐(44、60;68、72)間の接触面において、最小直径で形成される、ことを特徴とする請求項2または3に記載の装置。
前記凹部(40)は、前記高圧力空間(36)の少なくとも一部を形成し、また、前記モジュラユニット(56)は、前記高圧力空間(36)内に挿入されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の装置。
バルブプレート(84’)として構成された前記チェックバルブ部材(84)は、半径方向外向きに開いており、前記縦軸(28)の方向に燃料を通す、少なくとも1つの開口(92)を有しており、
また、前記保持部材(50)は、前記バルブプレート(84’)に隣接したほうの端部領域において、前記バルブプレート(84’)へ向かう方向に開いており、半径方向に燃料を通す、少なくとも1つの溝(96)を有し、
前記チェックバルブ(48)が開いたときに、可能な限り絞りがなく燃料が流れることを可能にする、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
前記燃料噴射バルブ(10)の前記ハウジング(18)は、噴射バルブ座面(122)を有し、前記高圧力空間(36)に連結された、ノズルボディ(30)を支持し、また、
前記噴射バルブ座面(122)と、前記縦軸(28)の方向において移動可能なように配置される噴射バルブ部材(120)は、協働し、
閉鎖バネ(128)が、前記噴射バルブ部材(120)によって支持され、前記噴射バルブ部材(120)に、前記噴射バルブ座面(122)の方向に方向付けられる閉鎖力を加え、また、
前記閉鎖バネ(128)の閉鎖力に逆らって、前記噴射バルブ部材(120)を、前記噴射バルブ座面(122)から浮かび上がらせ、燃料を噴射するために、前記ハウジング(18)内に、電気制御アクチュエータ(118)によって制御される油圧制御装置(132)が存在する、ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の装置。
前記バルブキャリア(46)は、前記ハウジング(18)または前記連結ハウジング部(156)と共に、前記高圧力空間(36)に向かう方向において、前記径方向出口(190)の下流に、狭いギャップ(102)の範囲を定めて、
少なくとも過渡的過程において、前記高圧力空間(36)を油圧分離するか、または、適切な場合に、前記接続ライン(176)から、個別の前記貯蔵チャンバ(38)を油圧分離する、ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【発明の概要】
【0015】
この本発明の目的は、請求の範囲の請求項1の特徴を有する装置によって実現される。
【0016】
この装置は、高圧力入口、凹部、及び、高圧力入口に接続された高圧力空間を備えたハウジングを有する、燃料噴射バルブ、好ましくは、同一構造の複数の燃料噴射バルブを有する。
凹部は、好ましくは、高圧力空間の少なくとも一部を形成する。
燃料噴射バルブは、燃料通路を有するバルブキャリア、及び、チェックバルブが割り当てられる。
このチェックバルブは、好ましくは、バルブキャリア内に配置される。
燃料噴射バルブに燃料を供給するための供給ラインは、締付要素によって、高圧力入口に向かう方向に装着され、高圧力入口と流体接続される。
【0017】
高圧力入口は、ハウジング内部から外側に向かって広がる円錐状シール面を有する。
換言すると、高圧力入口は、内部円錐を形成する。
バルブキャリアは、外周面において円錐状シール外面を有し、このシール外面は、高圧力入口の円錐状シール面にシールするように載置される。
締付要素は、バルブキャリアに対して供給ラインを押し付け、また、高圧力入口に対してバルブキャリアを押し付ける。
【0018】
バルブキャリアは、さらに、入口端部において内部円錐を有し、この内部円錐は、シール面を同様に形成する。
供給ラインは、燃料噴射バルブに隣接したほうの端部領域において、外側円錐を有しており、この外側円錐は、バルブキャリアの内部円錐に、シールするように載置されるシール面を形成する。
【0019】
バルブキャリアは、供給ラインとハウジングとの間で固定されるように、保持される。
高圧力シールを形成するための、一方におけるバルブキャリアとハウジングとの間の接触、及び、他方における供給ラインとバルブキャリアとの間の接触は、締付要素(例えば、ユニオンナット)が、高圧力入口に向かう方向に供給ラインを装着するという事実によって、実現される。
【0020】
供給ラインが、本来の位置で燃料噴射バルブに接続される場合のみ、ハウジングにバルブキャリアを固定することは、有益であろう。
しかしながら、この固定は、バルブキャリアが高圧力入口の円錐状シール面にシールするように載置されるように、力を加えることが可能であっても、この力を加える必要がない。
【0021】
好ましくは、バルブキャリアは、漏斗状の管端フランジを有しており、この管端フランジ上に、円錐状シール外面と内部円錐の双方が、形成される。
これは、スペースを取らない実施形態をもたらし、また、供給ラインの外側円錐と、漏斗状の管端フランジにおける高圧力入口の円錐状シール面との間で、最適な圧力と応力分散を可能にする。
これにより、簡素な方法で確実な高圧力シールを実現することが可能になる。
【0022】
また、高圧力入口の円錐状シール面は、好ましくは、ハウジング上に、凹部の一部として形成される。これは、特に簡素でスペースを取らない実施形態をもたらす。
【0023】
一方における、高圧力入口の円錐状シール面と、バルブキャリアの円錐状シール外面との間のシール効果、及び、他方における、バルブキャリアの内部円錐と、供給ラインの外側円錐との間のシール効果は、其々の場合において、0.5°から2°の円錐の角度差がある場合、つまり、2つの接触する円錐面が、径方向において外側に開いた対応する角度で封止される場合に、特に効果的に実現されることができる。
これにより、其々の場合において、環状シール面が、対応するテーパ間の接触面において、最小直径で形成される。
【0024】
バルブキャリアは、好ましくは、チェックバルブと、バルブキャリアに取り付けられ、また、好ましくは、さらなる燃料通路を有する保持部材と共に、自己内蔵型のカートリッジタイプのモジュラユニットとして形成される。
従って、このアセンブリ済みのモジュラユニットは、凹部内、または、燃料噴射バルブのハウジングの高圧力空間内に挿入されることができ、すなわち、それ自体が挿入される。
【0025】
これは、ハウジングの構造を簡素化することができ、また、特に、モジュラユニットを分離して、燃料噴射バルブ全体をあらかじめ組み立てることができる。従って、ハウジングにモジュラユニットを取り付けるのみでよい。
【0026】
また、これは、モジュラユニット自体が、切り離して検査されることができる利益を有し、またさらに、チェックバルブの簡素な交換が可能である。
【0027】
好適な実施形態として、モジュラユニットは、好ましくは保持部材によって支持され、また、保持部材に取り付けられた、燃料用フィルタを有する。
【0028】
この場合、モジュラユニットは、バルブキャリア、チェックバルブ、保持部材、及び、燃料用フィルタによって形成される。
【0029】
好適な実施形態として、燃料用フィルタは、カップ型のフィルタボディを有し、さらなる燃料通路は、このフィルタボディによって範囲が定められるキャビティ内に通じる。
【0030】
フィルタボディは、特に、多数(例えば、少なくとも2000個)のマイクロホールを備える。
【0031】
好ましくは、環状チェックバルブ座面が、バルブキャリア上に形成され、この環状チェックバルブ座面は、バルブキャリアと保持部材との間に配置されるチェックバルブ部材と協働する。
【0032】
さらなる好適な選択肢として、チェックバルブ部材は、バルブプレートとして構成され、また、このバルブプレートは、好ましくは、中心に絞り通路を備える。
この絞り通路は、燃料通路と流体接続され、これにより、チェックバルブが閉鎖されているときでさえ、供給ラインと流体接続される。
【0033】
さらなる好適な選択肢として、バルブプレートに、閉鎖方向に作用する力を加える閉鎖バネが、好ましくは、バルブプレートと保持部材との間で機能する。
しかしながら、この力は、小さいものであり、単に、圧力が平衡しているときに、バルブプレートがチェックバルブ座面に載置されることを確実にする。
【0034】
好適には、バルブプレートは、半径方向外向きに開いており、縦軸の方向に燃料を通す、少なくとも1つの開口、好ましくは、円周方向に分布した3つ(または3つ以上)の開口を有する。
これは、開放位置にあるバルブプレートと、バルブキャリアまたはバルブプレートを包囲する保持部材との間で、燃料を、低抵抗で非制限的に流すことを可能にする。
この開口またはこれら複数の開口は、チェックバルブ座面の半径方向外側に配置される。
【0035】
保持部材は、バルブプレートに隣接したほうの端部領域において、バルブプレートへ向かう方向に開いており、半径方向に燃料を通す、少なくとも1つの溝、好ましくは、円周方向に分布した3つ(または3つ以上)の溝を有する。
これは、チェックバルブが開いたときに、可能な限り抵抗がなく燃料が流れることを可能にする。
【0036】
特に好適な選択肢として、燃料噴射バルブ内の高圧力空間は、燃料を貯蔵するための個別の貯蔵チャンバを有する。
この種の個別の貯蔵チャンバの構造、及び、貯蔵チャンバと、チェックバルブ及び絞りとの相互作用が、国際公開第2007/009279号パンフレット、及び、国際公開第2009/033304号パンフレットに詳細に記述されている。
本発明の背景として、上述した文献に対する配慮が明確になされている。
【0037】
上述したモジュラユニットは、好ましくは、特に燃料用フィルタによって、この個別の貯蔵チャンバ内に突出する。
【0038】
好適な実施形態として、燃料噴射バルブのハウジングは、高圧力空間に連結されたノズルボディを支持し、また、このノズルボディ上に、燃料噴射バルブは、形成される。
縦軸の方向において移動可能なように配置される噴射バルブ部材は、燃料噴射バルブと協働する。
好ましくは、圧縮バネとして構成された閉鎖バネが、噴射バルブ部材によって支持され、噴射バルブ部材に、噴射バルブ座面の方向に方向付けられる閉鎖力を加える。
圧縮バネの閉鎖力に逆らって、噴射バルブ部材を、噴射バルブ座面から浮かび上がらせ、燃料を噴射するために、ハウジング内に、油圧制御装置が存在する。
この油圧制御装置は、同様にハウジング内に配置された電気制御アクチュエータによって、公知の方法で制御される。
【0039】
これらのアクチュエータ及び油圧制御装置は、あらゆる方法、特に、上述したスイス連邦特許出願2012 0174/12号と、国際公開第2007/009279号パンフレット、国際公開第2010/088781号パンフレット、国際公開第2008/046238号パンフレット、国際公開第2006/108309号パンフレット、国際公開第2006/058444号パンフレット、国際公開第2005/080785号パンフレット、国際公開第2005/019637号パンフレット、国際公開第2005/003550号パンフレット、または、国際公開第2004/099603号パンフレットにおいて、開示された様態で、設計されることができる。
【0040】
本発明の一実施形態として、ハウジングは、一方で、ノズルボディを支持するバルブハウジングを有しており、
このバルブハウジング内に、噴射バルブ部材、閉鎖バネ、アクチュエータ、及び、制御装置が、配置されており、また、バルブハウジング上に、シール面として機能する円錐状接触圧力面が、形成される。
このシール面から、燃料用の高圧力空間が、バルブハウジング内に広がる。
ハウジングは、他方で、圧力接触部を有しており、
この圧力接触部の連結ハウジング部に、高圧力入口が、形成されており、また、圧力接触部の縦軸は、バルブハウジングの縦軸に対して横方向に、好ましくは直角に延びる。
連結ハウジング部は、高圧力入口から離れたほうの端部領域において、同様にシール面を形成する、円錐状嵌合接触圧力面を有する。
この嵌合接触圧力面は、接触圧力面にシールするように載置され、また、
個別の貯蔵チャンバ、または、個別の貯蔵チャンバの一部が、備えられる場合、連結ハウジング部内に形成される。
燃料は、圧力接触部を介して、高圧力空間に供給される。
【0041】
この実施形態においても、バルブキャリアは、円錐状シール外面によって、好ましくは、圧力連結ハウジング部に形成された円錐状シール面に載置される。
また、供給ラインの外側円錐は、好ましくは、バルブキャリアの内部円錐に載置される。また、供給ラインは、締付要素によって、高圧力入口に向かう方向に、つまり、連結ハウジング部に向かう方向に、装着される。
【0042】
圧力接触部を備えた燃料噴射バルブの実施形態に関して、本発明では、国際公開第2009/033304号パンフレットに対する配慮がなされており、その開示内容は、その全体を参照として本明細書に組み込む。
【0043】
好ましくは、ハウジング、または、連結ハウジング部は、高圧力出口を有し、
この高圧力出口は、高圧力入口に隣接して配置され、また、好ましくは絞りなし、すなわち妨げられずに、高圧力入口と流体接続しており、
高圧力出口に接続された高圧力接続ラインを介して、燃料を、さらなる噴射バルブに供給する。
この実施形態における動作モードは、国際公開第2007/009279号パンフレット、及び、国際公開第2009/033304号パンフレットに記述されている。
【0044】
好ましくは、高圧力出口は、内部円錐を有し、この内部円錐は、ハウジング、または、連結ハウジング部上に形成され、また、この内部円錐上に、接続ラインの外側円錐が、シールするように載置される。
【0045】
好ましくは、バルブキャリアは、内部円錐とチェックバルブとの間に、径方向出口を有しており、
この径方向出口は、燃料通路から始まり、また、ハウジングまたは連結ハウジング部内の接続ラインを介して、高圧力出口と流体接続している。
これにより、供給ラインは、ほとんど抵抗がない絞りなしで、接続ラインと接続される。
【0046】
好ましくは、バルブキャリアは、ハウジングまたは連結ハウジング部と共に、燃料噴射バルブ内の燃料の流れ方向から見て、径方向出口の下流に、狭いギャップの範囲を定める。
これにより、高圧力空間または個別の貯蔵チャンバは、少なくとも過渡的過程において、接続ラインから油圧分離される。
【0047】
本発明の一実施形態として、内燃機関の燃焼チャンバに高圧燃料を間欠的に噴射するための装置であって、この装置は、
高圧力入口、凹部、及び、高圧力空間を備えたハウジングを有する、燃料噴射バルブと、
燃料通路を有し、チェックバルブを備える、バルブキャリアと、
燃料を燃料噴射バルブに供給するための供給ラインと、
高圧力入口に向かう方向に、供給ラインを装着する締付要素と、
を有しており、
チェックバルブは、可能な限り絞りがなく、また、反対方向の流れを少なくとも制限して、燃料が、高圧力入口から燃料通路を介して高圧力空間へ、流れることを可能にする。
高圧力入口は、好ましくはハウジングの縦軸に対して直角に延びるシール面内に配置される環状シール面を有しており、バルブキャリアは、ステップ型の狭小において、環状シール外面を有しており、
この環状シール外面は、環状シール面が配置されるシール面内に配置され、高圧力入口の環状シール面にシールするように載置される。
締付要素は、バルブキャリアに対して供給ラインを押し付け、また、高圧力入口に対してバルブキャリアを押し付けるか、または、
締付要素は、燃料用の供給ボアを内部に有する中間連結部に対して、供給ラインを押し付け、また、この中間連結部は、高圧力入口に対してバルブキャリアを押し付ける。
【0048】
この実施形態における装置は、好ましくは、請求項2の特徴が備えられる。
【0049】
また、好ましくは、バルブキャリアまたは中間連結部の内部円錐と、供給ラインの外側円錐との間において、0.5°から2°の円錐の角度差(α、β)があり、
これにより、環状シール面が、これらのテーパの接触面において、最小直径で形成される。
【0050】
この環状シール面は、好ましくは、ハウジング内に形成される。
【0051】
前の4つの段落に従った装置は、好ましくは、請求項6から18のいずれかの特徴を備え、従属関係の参照は、それに応じて適用される。
【0052】
本発明の一実施形態として、内燃機関の燃焼チャンバに高圧燃料を間欠的に噴射するための装置であって、この装置は、
高圧力入口、凹部、及び、高圧力空間を備えたハウジングを有する、燃料噴射バルブと、
燃料通路を有し、チェックバルブを備える、バルブキャリアと、
燃料を燃料噴射バルブに供給するための供給ラインと、
高圧力入口に向かう方向に、供給ラインを装着する締付要素と、
を備え、
チェックバルブは、可能な限り絞りがなく、また、反対方向の流れを少なくとも制限して、燃料が、高圧力入口から燃料通路を介して高圧力空間へ、流れることを可能にする。
高圧力入口は、円錐状シール面を有しており、バルブキャリアは、外周面において円錐状シール外面を有し、この円錐状シール外面は、高圧力入口の円錐状シール面にシールするように載置される。
ハウジングに取り付けられ、また、燃料用の供給ボアを内部に有する中間連結部に対して、締付要素は、供給ラインを押し付け、また、
この中間連結部は、バルブキャリアの円錐状シール外面によって、高圧力入口に対してバルブキャリアを押し付ける。
【0053】
この実施形態において、好ましくは、中間連結部は、雄ネジを備え、連結ハウジング部の対応する相手ネジにネジ留めされる。
【0054】
好ましくは、中間連結部は、全体がハウジング内に配置され、また、締付要素は、雄ネジによって、相手ネジにネジ留めされる。
【0055】
好ましくは、中間連結部は、入口端部において内部円錐を有し、この内部円錐は、シール面を形成し、また、供給ボアに隣接しており、
供給ラインは、燃料噴射バルブに隣接したほうの端部領域において、外側円錐を有しており、この外側円錐は、中間連結部の内部円錐に、シールするように載置されるシール面を形成する。
【0056】
好ましくは、バルブキャリアは、入口端部において内部円錐を有し、この内部円錐は、シール面を形成し、また、燃料通路に隣接しており、
中間連結部は、燃料噴射バルブに隣接したほうの端部領域において、外側円錐を有しており、この外側円錐は、バルブキャリアの内部円錐に、シールするように載置されるシール面を形成する。
【0057】
さらに好適な選択肢として、円錐状シール外面、及び、内部円錐は、バルブキャリアの漏斗状の管端フランジ上に形成される。
【0058】
好ましくは、高圧力入口の円錐状シール面と、バルブキャリアの円錐状シール外面との間、バルブキャリアの内部円錐と、中間連結部の外側円錐との間、そして、中間連結部の内部円錐と、供給ラインの外側円錐との間の、其々の場合において、0.5°から2°の円錐の角度差(α、β)があり、
これにより、其々の場合において、環状シール面が、其々のテーパ間の接触面において、最小直径で形成される。
【0059】
前の7つの段落に従った装置は、好ましくは、請求項6から18のいずれかの特徴を備え、従属関係の参照は、それに応じて適用される。
【0060】
本発明の一実施形態として、内燃機関の燃焼チャンバに高圧燃料を間欠的に噴射するための装置であって、この装置は、
高圧力入口、凹部、及び、高圧力空間を備えたハウジングを有する、燃料噴射バルブと、
燃料通路を有し、チェックバルブを備える、バルブキャリアと、
燃料を燃料噴射バルブに供給するための供給ラインと、
高圧力入口に向かう方向に、供給ラインを装着する締付要素と、
を有しており、
チェックバルブは、可能な限り絞りがなく、また、反対方向の流れを少なくとも制限して、燃料が、高圧力入口から燃料通路を介して高圧力空間へ、流れることを可能にする。
高圧力入口は、円錐状シール面を有しており、バルブキャリアは、外周面において、円錐状シール外面及びネジを有する。
バルブキャリアは、このネジによって、ハウジングの相手ネジにネジ留めされ、
これにより、円錐状シール外面は、高圧力入口の円錐状シール面にシールするように載置される。
締付要素は、バルブキャリアに対して供給ラインを押し付ける。
【0061】
本発明におけるすべての実施形態において、チェックバルブは、バルブキャリアに割り当てられる、つまり、チェックバルブは、バルブキャリアに支持される。
【0062】
この場合、締付要素は、好ましくは、ネジとして構成され、同様に、相手ネジにネジ留めされる。
【0063】
前の2つの段落に従った装置は、好ましくは、請求項2、または、4から18のいずれかの特徴を備え、従属関係の参照は、それに応じて適用される。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1から3は、本発明に従った装置の第1実施形態としての、内燃機関14における燃焼チャンバ12に高圧燃料を間欠噴射するための燃料噴射バルブ10、及び、この燃料噴射バルブ10に接続された供給ライン16を示している。
当然ながら、この装置は、供給ラインが其々に割り当てられた複数の燃料噴射バルブ10を有することができる。
【0066】
供給ライン16は、一端において、高圧供給装置、具体的には例えば、国際公開第2007/009279号パンフレットから公知である種類の高圧ポンプに接続されている。
これに関して、本発明では、この国際公開第2007/009279号パンフレットにおける開示に対する配慮が明確になされている。
【0067】
燃料噴射バルブ10は、貯蔵ボディ20を備えたハウジング18を有しており、連結部22及び貯蔵部24が、貯蔵ボディ20と一体的に形成されており、つまり、これらの部位は、ワンピースである。
【0068】
ハウジング18は、さらに、中間ボディ26を有する。この中間ボディ26は、燃料噴射バルブ10の縦軸28の方向から見たときに、連結部22から離れたほうの側の貯蔵部24上に載置されている。
【0069】
ハウジング18は、さらに、ノズルボディ30を支持する。このノズルボディ30は、貯蔵ボディ20から離れたほうの中間ボディ26の外側において支持されており、また、ユニオンナット32によってハウジング18に締め付けられている。
図に示されている例示的な実施形態として、中間ボディ26は、ユニオンナット32内に配置されている。また、ノズルボディ30が中間ボディ26をシールするように中間ボディ26に支持され、かつ、中間ボディ26が貯蔵ボディ20に支持されるように、ユニオンナット32は、貯蔵ボディ20にネジ留めされている。
【0070】
高圧力入口34が、ハウジング18の連結部22に形成されており、また、この高圧力入口34は、燃料噴射バルブ10の高圧力空間36に連通している。
【0071】
この高圧力空間36は、貯蔵ボディ20内の個別の貯蔵チャンバ38を有する。
この種の貯蔵チャンバ38の構造及び動作モードは、国際公開第2007/009279号パンフレットから公知であり、その開示内容は、その全体を参照として本明細書に組み込む。
【0072】
止まり穴形態の凹部40が、貯蔵ボディ20の連結部22側端部から、貯蔵ボディ20内に延びている。この凹部40は、縦軸28に関して回転対称であり、縦軸28の方向に延び、また、個別の貯蔵チャンバ38の範囲を定める。
また、個別の貯蔵チャンバ38の底部から、縦軸28に対して傾斜して延びた導管部42が、ノズルボディ30に燃料を供給するために、中間ボディ26に延びている。
【0073】
凹部40は、縦軸28の方向において貯蔵ボディ20の自由端に向かって見たときに、連結部22において広がるように、形成されている。その結果、高圧力入口34において円錐状シール面44(
図2参照)が、形成される。
この円錐状シール面44の開口角度α(
図3参照)は、図に示されている例示的な実施形態として、約60°である。
円錐状シール面44は、貯蔵ボディ20に、従って、ハウジング18に内端円錐を形成する。
【0074】
燃料噴射バルブ10は、さらに、バルブキャリア46、及び、このバルブキャリア46内に配置されたチェックバルブ48を有する。
バルブキャリア46に取り付けられたものは、保持部材50である。この保持部材50は、一部分が燃料用フィルタ52を支持し、また、この燃料用フィルタ52は、この実施形態において、複数のマイクロホール54を有するカップ型のフィルタボディ52’として構成されている。
【0075】
好ましくは、20から50μmの直径を有する、少なくとも2000個のマイクロホール54が、存在する。
しかしながら、フィルタ52は、さらに、
図10から13に示され、後述されるようなロッド型のフィルタ53として設計されてもよい。
【0076】
本発明の例示的な実施形態として示されているバルブキャリア46は、チェックバルブ48、保持部材50、及び、フィルタ52と共に、
図9に示されているものと類似した、自己内蔵型のカートリッジタイプのモジュラユニット56として設計されている。
【0077】
このモジュラユニット56は、凹部40内に、従って、高圧力空間36内に挿入され、個別の貯蔵チャンバ38の範囲を定める。
【0078】
縦軸28に関して回転対称に設計されているバルブキャリア46は、外周面58において、円錐状シール外面60を有する。この円錐状シール外面60は、図に示されている例示的な実施形態として、バルブキャリア46の入口側の漏斗状の管端フランジ62上に、形成されている。
バルブキャリア46は、外部円錐を形成するシール外面60によってシール面44をシールするように支持される。円錐状シール外面60の角度βは、角度αより小さい角度に設計されており、また、この円錐の角度差は、好ましくは、0.5°から2°である。
その結果、これら2つのテーパにおける共通接触面が、最小直径で環状シール面64を形成するため(
図3参照)、とりわけよい密閉性が、得られる。
【0079】
バルブキャリア46は、さらに、入口端部66において内部円錐68を有する。この内部円錐68は、シール面を形成し、また、図に示されている例示的な実施形態として、円錐状シール外面60と同様に、管端フランジ62上に形成されている。
内部円錐68の開口角度は、円錐状シール面44の開口角度αと同様に、約60°である。
【0080】
特に海洋用途に必要とされることがあるが、対象としている例示的な実施形態として、供給ライン16は、燃料の如何なる漏出も監視する二重壁の構造から成る。
内管70は、極めて高圧力で燃料を送ることを目的としている。内管70の両端部領域の其々において、内管70は、シール面を形成し、また、内管70の端部に向かってテーパ状になる外側円錐72を有する。
【0081】
燃料噴射バルブ10に隣接したほうの内管70の端部領域における、内管70の外側円錐72によって、内管70は、バルブキャリア46の内部円錐68にシールするように載置される。
【0082】
円錐状シール面44と円錐状シール外面60を接続するために説明した方法と同様に、内管70の外側円錐72の角度は、バルブキャリア46の内部円錐68の角度より小さい角度に設計されており、また、この円錐の角度差は、好ましくは、0.5°から2°である。
これにより、これら2つのテーパにおける共通接触面が、円錐状シール状面44と円錐状シール外面60と同様に、最小直径で環状シール面を形成する。
【0083】
供給ライン16は、連結ナット74’として設計された締付要素74によって、貯蔵ボディ20に取り付けられており、特に、これにより、内管70は、燃料噴射バルブ10の方向に装着される。
その結果、内管70は、内管70の外側円錐72によって、バルブキャリア46の内部円錐68にシールするように載置される。また、バルブキャリア46は、バルブキャリア46のシール外面60によって、燃料噴射バルブ10のシール面44にシールするように載置される。
これにより、バルブキャリア46、従って、モジュラユニット56は、燃料噴射バルブ10のハウジング18と供給ライン16との間で直接的に固定保持される。
【0084】
縦軸28に関して少なくとも概ね回転対称であるように設計されている、バルブキャリア46は、縦軸28を中心として外側円錐72からチェックバルブ48の空間78に通じる、燃料通路76を有する。
このチェックバルブ48の空間78は、一方はバルブキャリア46によって、また、他方は保持部材50によって、範囲を定められている。保持部材50は、バルブキャリア46の内部円錐68から離れたほうのバルブキャリア46の端部にネジ留めされている。
【0085】
チェックバルブ48の空間78内への燃料通路76の開口部において、バルブキャリア46上に形成されているのは、燃料通路76の開口部を包む、平坦な環状チェックバルブ座面80である。
図に示されている例示的な実施形態として、バルブキャリア46は、さらに、このチェックバルブ座面80を包む、環状逃げ溝82を有する。
【0086】
チェックバルブ48は、さらに、チェックバルブ部材84を有する(
図4参照)。このチェックバルブ部材84は、チェックバルブ48の空間78内に配置されており、また、図に示されている例示的な実施形態として、バルブプレート84’として構成されている。
チェックバルブ48が閉鎖される場合、チェックバルブ部材84すなわちバルブプレート84’は、チェックバルブ座面80にシールするように載置される。
【0087】
チェックバルブ部材84は、図に示されている例示的な実施形態として、バルブプレート84’を貫通した中心貫通ボアとして設計された、絞り通路86が備えられている。
この絞り通路86によって、高圧力空間36すなわち個別の貯蔵チャンバ38は、チェックバルブ48が閉鎖されたときでさえ、高圧力入口34と(絞られた様態で)流体連通している。
【0088】
チェックバルブ部材84の燃料通路76から離れたほうの側において、一端部が支持された、圧縮バネ88が存在する。この圧縮バネ88は、他端部が保持部材50によって支持されている。
圧縮バネ88は、チェックバルブ48に対して閉鎖バネとして機能し、また、チェックバルブ48が、平衡した圧力において、チェックバルブ座面80に載置されることを確実にする。
【0089】
縦軸28を中心として、保持部材50は、さらなる燃料通路90を有する。この燃料通路90は、チェックバルブ48の空間78から保持部材50の自由端に通じている。
このさらなる燃料通路90の断面積は、燃料通路76の断面積と同じか、または、より大きい。
【0090】
さらなる燃料通路90は、チェックバルブ48の空間78に隣接したほうの端部領域において、ステップ型の広がりを有する。圧縮バネ88は、この広がりの中に収容されており、また、圧縮バネ88は、このステップ型の広がりにおけるステップ(段)上に、一端部が支持されている。
【0091】
また、チェックバルブ48側のほうの保持部材50の端部は、保持部材50が、チェックバルブ48の開位置においてバルブプレート84’用のストッパを構成するために、チェックバルブ座面80から間隔が空けられている。
この開位置において、チェックバルブ座面80とバルブプレート84’によって範囲が定められる通過流断面積は、燃料通路76の断面積と少なくとも同じか、または、好ましくはより大きい。
【0092】
省スペース構造を実現する一方で、高圧力入口34から高圧力空間36への、燃料の流れ損失をできる限り少なくするために、バルブプレート84’は、図に示されている例示的な実施形態として(
図4参照)、3つの開口92を有する。これら3つの開口92は、円周方向に均等に分布し、半径方向外向きに開いており、縦軸28の方向に燃料を通す。
3つの開口92間において、バルブプレート84’の半径方向の外側リムが、縦軸28に対して丸く形成されている。
これにより、バルブプレート84’の回転位置と横方向の位置に関係なく、バルブプレート84’と保持部材50の壁との間に十分大きな通路が、作られる。
【0093】
さらに
図4から特に明らかとなるのは、保持部材50が、ネジ山94に隣接し、また、チェックバルブ48の空間78に隣接するほうの端部領域において、縮小した外径を有することである。この縮小した外径は、流れの観点から、十分大きな環状空間を、この縮小した外径とバルブキャリア46の壁との間に形成するためのものである。
この領域において、保持部材50は、さらに、3つの溝96を有する。これら3つの溝96は、円周方向に分布し、半径方向に燃料を通し、また、バルブプレート84’へ向かう方向に開いている。
これらの部品形状は、バルブプレート84’の回転位置と横方向の位置に関係なく、チェックバルブ78から、さらなる燃料通路90への燃料の通過流断面積を十分大きくする。
【0094】
単に完全を期すためであるが、保持部材50が工具によってバルブキャリア46に締め付けられることを可能にするために、保持部材50は、バルブキャリア46の対応する雌ネジにネジ留めされるネジ山94と、保持部材50の自由端部との間において、多角形、具体的には六角形に設計されている。
ネジ山94とこの多角形との間におけるステップ(段)98は、バルブキャリア46のストッパとして機能し、また、アセンブリされた状態においてバルブキャリア46に対する軸方向相対位置を定める。
【0095】
フィルタ52は、保持部材50の円筒形自由端部領域に取り付けられている。
このフィルタ52は、複数のマイクロホール54を有するカップ型のフィルタボディ52’を有する。このフィルタボディ52’は、好ましくは、保持部材50に溶接される。
【0096】
バルブキャリア46は、管端フランジ62に隣接した部位から、保持部材50に隣接した端部まで、概ね中間部にステップ(段)を含んだ、半径方向外側への円筒形状を有する。
管端フランジ62に隣接した部位の外径は、このバルブキャリア46のステップに至るまでの、ステップに続く部分において、燃料噴射バルブ10内に向かう方向に見て、ガイド部100より小さい。
【0097】
このガイド部100と、ハウジング18すなわちハウジング18の貯蔵ボディ20との間に、狭いギャップ102が存在する。
ガイド部100は、アセンブリの間に、モジュラユニット56が高圧力空間36内、すなわち、凹部40内及び貯蔵チャンバ38内に導入されることを容易にし、また、モジュラユニット56の向きを調整する。
また、本発明において、ガイド部100なしで済ませることも可能であろう。
【0098】
完全を期すために、供給ライン16が燃料噴射バルブ10に連結されていないときに、ハウジング18にねじ留めされた複数のねじ104が、これらの頭部によってハウジング18上にモジュラユニット56を保持することを言及しておく。
【0099】
図1に見られるように、燃料噴射バルブ10は、ブラケット106を用いて公知の方法で、内燃機関14のシリンダヘッド上で固く保持される。
【0100】
また、例示的な実施形態として示されている電気接続部108が、ハウジング18の貯蔵ボディ20上に、配置されている。貯蔵ボディ20から、接続ダクト110が、貯蔵チャンバ38の範囲を定める壁の中を通って、中間ボディ26に隣接した端部まで、縦軸28と平行に延びている。
制御線112が、電気接続部108からダクト110に通されており、この制御線112は、貯蔵ボディ20の他端部における接続接点114まで延びる。
【0101】
完全を期すために、この他端部側において、貯蔵ボディ20は、止まり穴状の中央凹部を有しており、この中央凹部は、中間ボディ26に向かって開放されており、また、この中央凹部内に圧縮バネ116が配置されていることを言及しておく。
この圧縮バネ116は、電気制御アクチュエータ装置118を固く保持するように機能する。このアクチュエータ装置118は、接続接点114に連結されており、また、中間ボディ26内の対応する凹部内に収容されている。
【0102】
この種のアクチュエータ装置118は、広く公知であり、本発明の場合、国際公開第2008/046238号パンフレットの
図5に示された様態で設計されており、また、このパンフレットに詳述されている。
このアクチュエータ装置118の構成及び動作モードに関する注意事項が、この文書に明確に示されている。
しかしながら、異なる構造のアクチュエータ装置が、用いられてもよい。
【0103】
縦軸28と平行に、アクチュエータ装置118用の凹部に隣接して、中間ボディ26の中を通って延びるのは、さらなる導管部42’である。この導管部42’は、導管部42と流体連通しており、また、他端部において、ノズルボディ30によって範囲が定められる高圧力空間の一部に開放されている。
【0104】
縦軸28の方向に移動可能なように、この高圧力空間の一部内に配置されるのは、針状構造の噴射バルブ部材120である。この噴射バルブ部材120は、公知の方法で、ノズルボディ30上に形成された噴射バルブ座面122と協働する。
噴射停止状態において、噴射バルブ部材120は、噴射バルブ座面122上に載置され、これにより、燃料が高圧力空間36から燃焼チャンバ12内へ出ることを防止する。
噴射状態において、噴射バルブ部材120は、噴射バルブ座面122から一時的に上昇され、それによって、燃料が、公知の方法でノズルボディ30に形成された噴射ノズルの中を通って、燃焼チャンバ12内へ噴射される。
【0105】
噴射バルブ部材120は、噴射バルブ座面122から離れたほうの端部領域において、ピストン124を形成している。このピストン124は、緊密な滑り嵌めとして、ガイドスリーブ126内にガイドされている。
ガイドスリーブ126上で支持されるのは、圧縮バネとして設計された閉鎖バネ128である。この閉鎖バネ128は、噴射バルブ部材120の他端部において支持され、噴射バルブ部材120に、噴射バルブ座面122の方向に方向付けられるバネ力を加える。
【0106】
ガイドスリーブ126は、閉鎖バネ128によって、他端部において中間プレートに対してシールするように押される。
ピストン124、ガイドスリーブ126、及び、中間プレートは、制御空間130の範囲を定める。
【0107】
軸方向における噴射バルブ部材120の動作を制御するために、制御空間130内の圧力が、油圧制御装置132を用いて調整される。
このため、制御装置132は、中間バルブ部材を備えた中間バルブ134を有する。この中間バルブ部材は、中間プレート上に形成され、高圧力空間36から制御空間130内へ燃料を導く高圧力通路を、開放位置において開き、そして、閉鎖位置において、高圧力空間36から制御空間130を分離するために、制御空間130を閉鎖する。
【0108】
また、中間バルブ部材は、制御空間130が小さな流れ断面を通ってバルブ空間136に継続的に接続される制限通路を除いて、バルブ空間136から制御空間130を恒久的に分離する。
【0109】
アクチュエータ装置118は、制御線112に接続され、制御ステム140を駆動する、電磁石138を有する。
噴射停止状態において、この制御ステム140は、バルブ空間136から低圧力出口を閉鎖する。
電磁石138が駆動された状態、換言すると噴射状態において、制御ステム140は、低圧力出口を開き、この出口を通ってバルブ空間136から流れ出た燃料が、公知の方法で低圧力戻りラインを通って低圧力燃料タンクに運ばれる。
【0110】
図1に示されているような燃料噴射バルブ10の詳細な構成及び動作モードは、例えば、国際公開第2007/098621号パンフレット及び国際公開第2008/046238号パンフレットに詳述されている。
これらの文書において開示されている他の実施形態及びさらなる公知の実施形態が、本発明における燃料噴射バルブ10として同様に用いられてもよい。
【0111】
二重壁を備えて実施される供給ライン16の構成及び動作モードは、従来技術に相当し、また、例えば、先の国際公開第2013/117311号パンフレットにおいて、その詳細が記載されている。
【0112】
燃料の如何なる漏れも監視することができるように、供給ライン16は、二重壁の構造から成る。
内管70は、極めて高圧力下で燃料を運ぶことを目的としたものである。
この内管70は、(薄い壁の)外管142内に延びており、
図2に特に示されているように、この外管142と内管70との間に漏れリターンギャップ144が存在する。
【0113】
供給ライン16は、両端部の各々において、連結ナット74及び75を其々有する。締付要素74を形成する、燃料噴射バルブ10と同側にある連結ナット74’は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20の対応する雄ねじにねじ留めするための雌ねじを有する。
また、もう一方の連結ナット75は、例えば、国際公開第2007/009279号パンフレットから公知の種類の、供給要素または供給ブロックにネジ留めするための雄ネジを有する。従って、連結ナット75は、連結ネジ75という用語を用いてもよい。
【0114】
また、燃料噴射バルブ10に割り当てられる連結ナット74’は、半径方向において内側に開いた円周方向溝を有しており、この円周方向溝内に、Oリング146が、挿入されている。
このOリング146は、ネジから燃料が漏れることを避けるために、アセンブリされた状態において、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20の対応するシール面と接触する。
同様の様式で、もう一方の連結ナット75は、外側に開いた円周方向溝を有しており、この円周方向溝内に、Oリング146’が、挿入されている。
【0115】
連結ナット74’の中を通るのは、ナット通路148であり、内管70が、このナット通路148を通って延び、ギャップを形成している。
ナット通路148は、両端部における軸方向端部領域において、直径がより大きくなる設計から成る。
外管142は、燃料噴射バルブ10から離れたほうの、ナット通路148の端部領域に嵌合される。連結ナット74’と外管142との間で機能するさらなるOリング146’’は、燃料がナット通路148から周囲に漏れることを防止する(
図2参照)。
【0116】
燃料噴射バルブ10に隣接したほうのナット通路148の端部領域において、締付スリーブ150が、中央部分において、外側円錐72に隣接したほうの内管70の端部領域に、ねじ留めされている。
締付スリーブ150は、供給ライン16の自由端部から離れたほうの端部領域において、4つの溝状漏れ凹部152を有する。これらの凹部152は、十文字に互いに対向して配置され、また、半径方向に貫通している。
ここで、締付スリーブ150は、連結ナット74’の対応する円錐面と接触する、幅が狭くなったテーパを備えた外面が提供されている。
【0117】
アセンブリされた状態において、締付スリーブ150を介した連結ナット74’によって、内管70の外側円錐72は、バルブキャリア46の内側テーパ68に漏れないように、保持され、また、バルブキャリア46のシール外面60は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20の円錐状シール面44に漏れないように、保持される。
これらのいずれかまたは双方のシールが漏れた場合、漏れ燃料は、ナット通路148を通って、漏れリターンギャップ144内へ流れ、また、漏れリターンギャップ144から、公知の方法で、漏れ監視センサ、好ましくは低圧力燃料タンクに戻る。
【0118】
本発明に従った燃料噴射装置の他の実施形態が、
図5及び6に示されている。燃料噴射バルブ10のハウジング18は、バルブハウジング154、及び、圧力接触部158の連結ハウジング部156を有する。
【0119】
この種のバルブハウジング154及び圧力接触部158を有する燃料噴射バルブ10が、国際公開第2009/033304号パンフレットから公知である。
この燃料噴射バルブ10の構成及び動作モードは、この文書に詳細に開示されており、また、その開示内容は、全体を参照として本明細書に組み込まれると見なす。
【0120】
図1から3に示される上述した実施形態と比較して、この実施形態における連結ハウジング部156は、個別の貯蔵チャンバ38を備えるが、電気接続部108、ダクト110、制御線112、接続接点114、及び、圧縮バネ116用の凹部を備えていない、貯蔵ボディ20によって形成されている。
【0121】
従って、
図5及び6に示されている実施形態におけるバルブハウジング154は、貯蔵ボディ20の代わりに、連結ボディ160を有する。この連結ボディ160は、一端部がノズルボディ30(
図1参照)に隣接している。また、アクチュエータ装置118を備えた中間ボディ26が、ノズルボディ30上に載置されている。
この中間ボディ26は、ユニオンナット32内に配置されている。このユニオンナット32は、
図1に示される上述した様態と同様の様態で、一端部がノズルボディ30において支持され、また、他端部が連結ボディ160にねじ留めされている。
【0122】
また、電気接続部108が、連結ボディ160に取り付けられている。
本発明における他の様態として、
図5に示されているバルブハウジング154の内部は、
図1のハウジング18と同様の様態で設計されてもよい。
【0123】
また、シール面として設計された円錐状接触圧力側面162が、連結ボディ160上に形成されている。
供給ライン16からバルブハウジング154への高圧油圧接続が、圧力接触部158によって実行される。
【0124】
圧力接触部158の縦軸158’は、バルブハウジング154の縦軸28に対して直角に延びている。また、縦軸158’は、接触圧力面162に対して回転軸を形成している。
【0125】
連結ハウジング部156は、バルブハウジング154に隣接した端部領域において、円錐状嵌合接触圧力面164が成形されている。この円錐状嵌合接触圧力面164は、シール面として同様に作用し、また、接触圧力面162にシールするように載置される。
【0126】
連結ハウジング部156の内部において、凹部40が、個別の貯蔵チャンバ38、または、個別の貯蔵チャンバ38の少なくとも一部として形成されている。この個別の貯蔵チャンバ38、または、個別の貯蔵チャンバ38の少なくとも一部から、導管部分が、連結ハウジング部156の自由端部に向かって延び、バルブハウジング154の内部の圧力空間に接続されている。
図1に示されている実施形態と同様の様態で、個別の貯蔵チャンバ38の第2部分が、バルブハウジング154内に存在してもよい。
【0127】
完全を期すために、2つの貫通穴168を有する締付フランジ166が、連結ハウジング部156から突出していることを言及しておく。
これらの貫通穴168は、複数の締付ねじを受け入れるためのものである。これら複数の締付ねじは、締付フランジ166上に載置されるこれらの頭部において支持され、また、バルブハウジング154と漏れないように接触して圧力接触部158を保持するように、シリンダヘッドにネジ留めされる。
【0128】
図6に示されている実施形態に従って、
図1から3、特に
図3に示されている実施形態と同様の様態で、連結ハウジング部156内の凹部40は、縦軸158’の方向に延び、また、個別の貯蔵チャンバ38の少なくとも一部分を形成している。この連結ハウジング部156内の凹部40は、連結部22内の連結側に円錐状シール面44を有する。
凹部40内に対応する形状で挿入されているのは、自己内蔵型のモジュラユニット56である。このモジュラユニット56は、
図1から3を参照して上述したモジュラユニット56と同一の設計から成り、また、同一のシール様態で保持されている。
【0129】
バルブキャリア46が、シール外面60によって円錐状シール面44上に載置されている。
アセンブリされた状態において、
図1から3を参照して上述した実施形態と同様に、供給ライン16の内管70は、外側円錐72によってバルブキャリア46の内部円錐68と係合され、また、シールするように内部円錐68に載置されている。
【0130】
バルブキャリア46を保持して、それによって、モジュラユニット56を、連結ハウジング部156に固定した様態で保持するために、供給ライン16が接続されていないときでさえ、複数のネジ104が、このハウジング156に留められ、連結ハウジング部156に、バルブキャリア46の一端部が支持された保持リング170を引き寄せる。この解決法は、本発明における全ての実施形態で用いられることができる。
【0131】
供給ライン16が連結ハウジング部156に接続される領域において、
図1から3に示された実施形態に対する唯一の違いは、雌ネジが、連結ハウジング部156内の接続凹部内に形成されていることである。
締付要素74を形成する連結ネジ74’’が、連結ナット74’の代わりの雄ネジとして、この連結ハウジング部156内の雌ネジにネジ留めされている。このネジ留めは、さもなくば連結ナット74’と同一の設計である。
換言すると、供給ライン16の連結領域は、
図1から3に示された実施形態に従った、燃料噴射バルブ10から離れたほうの、供給ライン16の端部における連結領域と同様に、設計されている。
【0132】
図7及び8は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、本発明に従った他の実施形態における燃料噴射装置の連結ハウジング部156の連結部22を示している。
ここで、燃料噴射バルブ10は、この連結部22を除いて、
図1〜3、5及び6に示され、それらに対応して記載されたものと同様に、設計されることができる。
【0133】
高圧力要素34が、縦軸28、または、
図6を参照して上述したような縦軸158’を中心とした高圧力入口34としてハウジング18に形成されている。
しかしながら、対象としている実施形態において、供給ライン16が接続されていないときも、バルブキャリア46は、保持リング170なしで、ネジ104の頭部によって凹部40内に保持されている。
【0134】
高圧力出口172が、高圧力入口34と平行に、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156に形成され、また、この高圧力出口172は、高圧力入口34に対して横方向にオフセットされている。
これに対応する様態として、ハウジング18は、連結部22の設計のような頭部から成り、また、横方向の延伸部を有する。
【0135】
高圧力出口172の形状は、高圧力入口34の形状と類似している。
高圧力出口172の底部から始まる、円錐テーパ状シール面174が存在する。このテーパ状シール面174は、バルブキャリア46の内部円錐68と同様の形状を有する。
テーパ状シール面174は、供給ライン16と同一の設計である接続ライン176の外側円錐72と接触するように機能する。
この接続ライン176は、さらなる燃料噴射バルブ10に燃料供給するために用いられ、また、概略的にのみ図に示されている。
【0136】
油圧接続部177が、シール面174から凹部40までハウジング18内を延びている。
凹部40内への開口部は、縦軸28または158’の方向から見て、外径が小さくなるように、バルブキャリア46において、つまり、管端フランジ62すなわちシール外面60とガイド部100との間において、定められている(
図3参照)。
【0137】
図に示されている例示的な実施形態として、接続部177は、凹部40に開口された径方向ボア178、及び、縦方向ボア178’から成る。この縦方向ボア178’は、円錐状シール面174の一端部から始まり、径方向ボア178に開口し、また、高圧力出口172の連結軸172’を中心としている。
横方向ボア178は、ハウジング18の外側面に隣接した端部領域において、より大きくなる断面を有し、また、この領域において、ステップ形状に内側に狭くなるように設計されている。
【0138】
この端部領域の内側端部に配置されているのは、シーリングボール180である。このシーリングボール180は、この端部領域にネジ留めされ、径方向ボア178が高圧に関して封止されるようにシールされる接触圧力プラグ182によって、保持されている。
このため、径方向ボア178は、この端部領域に隣接した円錐テーパ状シール面を有することができ、このテーパ状シール面に対して、シーリングボール180が押し付けられる。
【0139】
シーリングボール180の周囲に広がる環状空間の、接触圧力プラグ182に面したほうの側から延び、また、連結軸172’と平行であるのは、高圧力出口172の底部に通じる、半径方向から見た縦方向漏れボア184である。
この縦方向漏れボア184は、シール面174の外側にある高圧力出口172用のハウジング18の凹部に通じており、また、漏れ監視開口部をそこに形成している。
【0140】
また、互いに通じている複数の傾斜漏れボア186が、高圧力入口34及び高圧力出口172を形成しているハウジング18の複数の凹部の底部から、相互に面した側へ延びている。
完全を期すために、これらの複数の傾斜漏れボア186の開口部が、半径方向においてシール面174の外側、または、円錐状シール面44の外側に配置され、また、同様に漏れ監視開口部を形成していることを言及しておく。
【0141】
当然のことながら、縦方向漏れボア184や複数の傾斜漏れボア186のような漏れボアは、漏れ監視がなしで済む場合、必要でない。
この場合、供給ライン16及び接続ライン176は、どちらも二重壁構造から成る必要がなく、従って、外管142を有さない。
【0142】
いずれかのシールまたは内管70から漏れが生じた場合、この漏れ燃料は、漏れリターンギャップ144を通って漏れ監視装置へ流れる。
これに関しては、国際公開第2013/117311号パンフレットにおける開示内容に対する配慮がなされている。
【0143】
図1から6に示された実施形態と異なる実施形態としてのバルブキャリア46は、少なくとも1つの径方向出口190を有する(
図8参照)。
図8において、縦軸28の方向において、一方として管端フランジ62すなわちシール外面60及び内部円錐68と、他方としてガイド部100との間に、交差して延びた4つの径方向出口190が、例示的な実施形態として示されている。
これにより、この1つ以上の径方向出口が、内部円錐68とチェックバルブ48との間に配置され、また、燃料通路76(従って供給ライン16)と、高圧力出口172(すなわち接続ライン176)との間の、好適な絞りのない接続が、可能となる。
【0144】
この実施形態において、バルブキャリア46のガイド部100は、燃料噴射バルブ10内への流れ方向において径方向出口190の下流に存在する。また、このガイド部100は、この実施形態と異なる上述した実施形態におけるガイド部100より長く、また、ギャップ102は、より狭まるように、好ましくは設計される。
これらの寸法によって、問題のないバルブキャリア46すなわちモジュラユニット56の取り付けと、個別の貯蔵チャンバ38と接続ライン176との間の油圧分離の双方が、少なくとも過渡的過程において簡素な方法で可能となる。
【0145】
他の様態として、この実施形態におけるモジュラユニット56は、上述した燃料噴射バルブ10の他の実施形態のモジュラユニット56と、同一の構造から構成されてもよい。
【0146】
図9は、
図7及び8に従った実施形態におけるモジュラユニット56を示した斜視図である。
上述したように、モジュラユニット56は、バルブキャリア46、バルブキャリア46内に存在しているチェックバルブ48、バルブキャリア46にネジ留めされた保持部材50、及び、保持部材50によって支持されたフィルタ52から成る。
【0147】
ガイド部100の領域において、2つの相互に対向した面取り部192が、バルブキャリア46上に形成されている。これらの面取り部192は、終端部が開口したレンチを係合させるのに役立ち、保持部材50が堅く締められることを可能にする。
【0148】
図1から6に従った実施形態におけるモジュラユニット56は、バルブキャリア46が径方向出口190を有さず、また、ガイド部100の全長がより短くてもよいが、これと同一の構造を有してもよい。
【0149】
このアセンブリ済みの自己内蔵型のモジュラユニット56は、ハウジング18の円錐状シール面44上に、バルブキャリア46のシール外面60が載置されるまで、問題なく凹部40内に挿入されることができる。
【0150】
複数のマイクロホール54を備えたフィルタボディ52’の代わりに、ロッド型フィルタ53が、他の実施形態として、フィルタ52として備えられてもよい。
図10から13に示されている実施形態として、このロッド型フィルタ53及び保持部材50は、互いに一体的に、つまりワンピースで形成されている。
その結果、ロッド型フィルタ53は、モジュラユニット56のさらなる一部であり、また、高圧力入口34の方向から、バルブキャリア46及びチェックバルブ48と共に凹部40内に挿入されることができる。
【0151】
しかしながら、欧州特許第2 188 516号公報に、
図7を参照して記載されているように(符号72及び72’を参照)、ロッド型フィルタ53が、自己内蔵型部材として設計され、また、凹部40内で締り嵌めを用いて保持される可能性があることを言及しておく。
この場合、モジュラユニット56は、バルブキャリア46、チェックバルブ48、及び、さらなる燃料通路90を備えた保持部材50を含む。
【0152】
図10から13に示されている実施形態として、さらなる燃料通路90を備えた保持部材50、ネジ山94、複数の開口溝96、及び、多角形外形を有するステップ(段)98は、関連する
図1から3、及び、特に
図4から7に示されて記載されたものと同一の構造から成る。
この説明された保持部材50の一端部に一体的に隣接するのは、軸方向における止まり穴の様態で、さらなる燃料通路90を閉鎖するロッド型フィルタ53である。
その代わりに、3つの径方向通路194が、さらなる燃料通路90から、保持部材50と、ハウジング18すなわちハウジング18の貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156との間の環状空間内へ延びている。この3つの径方向通路194は、燃料の流れ方向に対して傾斜している。
【0153】
注目すべきは、
図13において、より明確にするために、そこに示されているハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156が、この場合効果的に、ロッド型フィルタ53からより長い間隔で示されていることである。
【0154】
ロッド型フィルタ53は、円筒状の構成から成り、その外周において、複数の縦方向溝196、196’を有する。これらの縦方向溝196、196’は、円周方向に分配され、また、高圧力空間36及び径方向通路194に交互に開口している。しかし、縦方向溝196、196’は、一端部において、実質的に閉じており、また、軸方向に見てロッド型フィルタ53の全長のかなりの部分を互いに覆っている。
【0155】
この覆い領域において、ロッド型フィルタ53の外径は、軸端部領域198及び198’の外径より、わずかに小さい設計となっている。これらの軸端部領域198及び198’は、縦方向溝196及び196’を実質的に閉じている。
この覆い領域における縮小された外径は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156と共に、フィルタギャップ200の範囲を定める。このフィルタギャップ200は、燃料が複数の縦方向溝196’から複数の縦方向溝196内へ流れるが、固形粒子を保持することを可能にする。
【0156】
2つの端部領域198及び198’における、ロッド型フィルタ53と、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156との間の間隔Aは、約5〜10マイクロメータである。ここで、2つの端部領域198及び198’は、いずれの領域も開いている複数の縦方向溝196、196’の領域の外側に存在している。
この、ロッド型フィルタ53と、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156との間の間隔Aの幅は、約30〜40マイクロメータ、特に約35マイクロメータであることが望ましい。
【0157】
また、供給ライン16すなわち内管70を、
図1から3及び
図6から8に示された実施形態のものより、より小さな外径で設計する可能性がある。また、圧力状況により必要とされる場合(実質的に常に必要とされる場合)、内管70をより小さな内径で設計する可能性がある(
図15、16、及び17をさらに参照)。
この場合、個別の貯蔵チャンバ38の容量は、これに対応して大きい、すなわち、より大きな設計であることが望ましい。
【0158】
この場合においても、供給ライン16の外側円錐72、すなわち、内管70は、締付要素74によって、バルブキャリア46の内部円錐68、すなわち、バルブキャリア46の管端フランジ62に対してシールするように押し付けられる。
これにより、バルブキャリア46の円錐状シール外面60、すなわち、バルブキャリア46の管端フランジ62は、さらに、ハウジング18の円錐状シール面44に対して押し付けられる。
【0159】
しかしながら、この場合、供給ライン16すなわち内管70が、貯蔵チャンバ38内の圧力に対して低すぎて、確実にシールする様態で、バルブキャリア46を、ハウジング18に対して押し込むことができない可能性がある。そのため、例えば、
図6に示されている保持リング170が、これに対応してより強固に作られることができ、また、これに対応してハウジング18に、より安定した様態で取り付けられることができる。
これにより、圧力サージの場合でさえも、シール外面60と円錐状シール面44との間で漏れのないシールを確実にする。
【0160】
図14は、
図6と関連して記載された燃焼噴射装置と、複数の相違点を有するが、それら以外は同一構成の燃焼噴射装置の一実施形態を示している。
これらの相違点は、バルブキャリア46の管端フランジ62が、半径方向外側に円筒状の構造であることと、入口側から離れたほうの端部において、シール外面60’が、縦軸28または158’に対して直角に延びたシール面として存在し、また、管端フランジ62においてステップ型に狭まる環状シール面として構成されていることと、これに対応した様態で、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156の連結部22が、管端フランジ62を収容するために、凹部40において円筒状部分を有しており、この円筒状部分は、管端フランジ62とのシール面として、環状シール面44’を形成するためのステップ型の狭小を含んでいることである。
【0161】
上述したように、この実施形態においても、バルブキャリア46は、入口端部66においてシール面を形成する内部円錐68を有する。この内部円錐68は、供給ライン16すなわち内管70の外側円錐72とシールするように接触する。
【0162】
この実施形態においても、雄ネジを備えた連結ネジ74’’として構成されている締付要素74は、バルブキャリア46に対して供給ライン16すなわち内管70を押し付け、また、環状シール面44’に対してバルブキャリア46を押し付ける。
この場合においても、連結部22が適切に構成されると、締付要素74は、
図1から3に示されているような、連結ナット74’として構成されてもよい。
【0163】
本発明における他の態様として、
図14に示されている燃料噴射装置は、他の図に示されそれらの図に対応して記載されている他の実施形態と同様に構成されてもよい。
【0164】
この実施形態においても、保持リング170及び複数のネジ104は、モジュラユニット56を定位置に保持するのみのためでなく、供給ライン16が取り外されているが、接触圧力が増大して、管端フランジ62のシール外面60’がシール面44‘に押し付けられている場合に、この増大した圧力に対応するために、より強固に構成されてもよい。
【0165】
図15及び16は、バルブキャリア46の円錐状シール外面60が、中間連結部202によって、高圧力入口34における円錐状シール面44に対してシールするように押し付けられている、2つの実施形態を示している。
これらの実施形態は、(二重壁構造でない場合の)供給ライン16、または、二重壁構造の供給ライン16の内管70が、比較的小さな直径で構成されている場合に、好ましくは用いられる。
この態様において、より大きな直径を有する
図1から3及び
図6から8における供給ライン16が、用いられてもよい。
【0166】
図15及び16における実施形態において、供給ライン16の外径、または、供給ライン16の内管70の外径は、凹部40の円筒形領域(円錐状連結部の外側)における直径より大きい。
しかしながら、ここで、供給ライン16の外径、または、内管70の外径は、凹部40の円筒形領域における直径より小さくてもよい。
【0167】
この実施形態における燃料噴射バルブ10、特にバルブキャリア46を備えたモジュラユニット56は、他の図を参照して上述されたものと同一の構成から成る。
【0168】
上述したように、連結部22において、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156内の凹部40は、円錐状シール面44を有する。また、この円錐状シール面44に、バルブキャリア46は、バルブキャリア46の円錐状シール外面60によって、シールするように載置されている。
【0169】
しかしながら、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156と、バルブキャリア46が、さらに、
図14に示されたように構成されてもよいことを言及しておく。
【0170】
ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20または連結ハウジング部156は、シール面44に隣接した連結部22において、自由端部に面した雌ネジを有する。この雌ネジ内に、中間連結部202が、これに対応する雄ネジによってねじ留めされる。この、中間連結部202の雄ネジは、
図7、8、及び14の実施形態における連結ネジ74’’と同様のものである。
【0171】
外側円錐72が、中間連結部202上の、燃料噴射バルブ、従ってバルブキャリア46に隣接した端部領域において、形成されている。この外側円錐72は、特に
図1から3及び
図6から8と関連して上述されたように、バルブキャリア46の内部円錐68とシールするように接触する。
また、これと同様の外側円錐72が、供給ライン16すなわち内管70上に形成されている。
【0172】
内部テーパ状シール面204が、中間連結部202上の、外側円錐72から離れたほうの端部において、ワンピースの構造で、形成されている。この内部テーパ状シール面204上に、供給ライン16の内管70が、内管70の外側円錐72によって、シールするように載置される。
【0173】
縦軸28または158’を中心として、中間連結部202の中を通って延びるのは、燃料を、供給ライン16から燃料噴射バルブ10へ、つまり、燃料噴射バルブ10のモジュラユニット56へ供給するための供給ボア208である。
【0174】
図15に示されている実施形態において、中間連結部202は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の上部に突出している。
図1から3に示され、これらの図に対応して記載されたように、締付スリーブ150によって内部テーパ状シール面204に対して内管70を押し付ける、連結ナット74’が、中間連結部202の対応する雄ネジにネジ留めされている。
【0175】
ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156と、連結ナット74’との間の中間連結部202上に形成されているのは、外縁206である。この外縁206は、半径方向において、連結ナット74’、及び、ハウジング18の、連結ナット74’に隣接したほうの側の端部領域を越えて突出しており、また、この外縁206上に、工具の適用面(例えば多角形)が、終端部が開口したレンチを使用するために形成されている。
【0176】
従って、中間連結部202は、簡素な方法において十分な力で、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156にネジ留めされることができる。
【0177】
供給ライン16が、漏れ燃料を戻すために、内管70及び外管142を備えた、2重壁構造から成る場合に、2つのOリング146が、対応する複数の円周溝内に挿入されている。これら複数の円周溝は、半径方向外側に向かって開いており、中間連結部202上に備えられている。
これら2つのOリング146は、一方では中間連結部202と、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156との間で、他方では、中間連結部202と、連結ナット74’との間で、シールを形成している。
【0178】
この場合、漏れボア210が、中間連結部202内に形成されており、この漏れボア210は、ナット通路148を介して、漏れリターンギャップ144を、漏れ空間212に連結している。この漏れ空間212は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156、バルブキャリア46、及び、中間連結部202によって範囲が定められたギャップ形態である。
【0179】
これにより、中間連結部202側における高圧力空間36から漏れ出る燃料の全ては、上述したように、供給ライン16の漏れリターンギャップ144を介して、供給ライン16に戻される。
【0180】
図16に示されている実施形態において、中間連結部202は、
図15に示されている実施形態より、軸方向においてより短い構造であり、また、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の連結部22内に配置されている。
【0181】
中間連結部202の、内部テーパ状シール面204と、雄ネジとの間における端部は、平坦構造である。
3つの止まり穴214が、この端部から、縦軸28または158’と平行に延び、また、半径方向において内部テーパ状シール面204と雄ネジとの中間を概ね中心として、広がっている。また、これら3つの止まり穴214は、円周方向に分配されている。
【0182】
これら3つの止まり穴214は、対応するピン型のソケットレンチと係合するために用いられる。このソケットレンチの複数のピンは、止まり穴214内で係合して、中間連結部202の外側円錐72がバルブキャリア46の内部円錐68をシールするように載置され、また、バルブキャリア46が、円錐状シール面44上でバルブキャリア46の外部シール面60によってシールするように載置されるように、中間連結部202を締め付けることができる。
【0183】
締付要素74は、
図6から8及び
図14に示された実施形態と同一の構造である。また、締付要素74は、締付スリーブ150によって、中間連結部202の内部テーパ状シール面204に対して、供給ライン16の内管70の外側円錐72を押し付ける、締め付けネジ74’’として設計されている。
【0184】
接続ライン176を介してさらなる燃料噴射バルブ10に燃料供給するために、
図15及び16に示されている実施形態において、バルブキャリア46は、
図7及び8と関連して説明された、複数の径方向出口190が備えられている。
しかしながら、この方法によって提供されるべき、さらなる燃料噴射バルブ10が存在しない場合、
図1から3、6、及び14に示されているように、バルブキャリア46は、これら複数の径方向出口190なしで形成されてもよい。
【0185】
この点において、
図15及び16に示されている実施形態において、バルブキャリア46と、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156が、縦軸28、158’に対して直角に延びる面上に配置されたシール面60’及び44’を備えて構成されることが可能であり、それによって、この実施形態が、
図14に示された実施形態に相当することを言及しておく。
【0186】
さらなる燃料噴射バルブ10に燃料供給するために、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の連結部22は、
図7を参照して上述された連結部22と同一の構造、つまり、高圧力出口178を有する構造であってもよい。
【0187】
図15及び16は、さらなる燃料噴射バルブ10に燃料供給するための、代わりの解決策を示しており、また、この解決策は、他の実施形態において用いられてもよい。
【0188】
縦軸28または158’の方向から見て、少なくとも概ね、バルブキャリア46の径方向通路190の高さにおいて、径方向ボア178が存在しており、この径方向ボア178は、凹部40から、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の壁の中を通って延びる油圧接続部177を形成している。
径方向ボア178の径方向における外側端部領域は、円錐状シール面174として設計されており、この円錐状シール面174上に、接続ライン176の内管70が、外側円錐72によってシールするように載置されている。
【0189】
ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156は、クランプ216によって包囲されている。このクランプ216は、クランプ216の径方向通路218が、径方向ボア178と位置合わせされるように配置されている。
【0190】
径方向通路218の領域において、クランプ216は、雌ネジを備えている。この雌ネジに、連結ネジ74’’として構成されている締付要素74が、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156に対してシールするように内管70を押し付けるように、ネジ留めされている。
【0191】
クランプ216を、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156に追加的に取り付けるために、クランプ216は、好ましくは径方向通路218の反対側に、ネジを備えるボアを有することができる。
このボア内に、ネジ220が、好ましくはシールするように挿入され、ステムの自由端部に相当するネジ220の丸い先端が、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の対応するくぼみ内に係合する。
【0192】
供給ライン16及び接続ライン176が、二重壁構造から成り、如何なる漏れ燃料も戻されることが可能な場合に、径方向ボア178と径方向通路218の上下に配置された、複数のOリング146が、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156と、クランプ216との間に、シールを形成し、漏れ燃料が漏れ出すことを防ぐ。
【0193】
この場合、
図15を参照して上述したように、中間連結部202は、さらに、漏れボア210を備え、また、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156は、
図16に示された実施形態においても複数の漏れ通路を備える。
これにより、漏れ空間212を介して接続ライン176と、供給ライン16の漏れリターンギャップ144との間に、漏れ連結部を構成する。
【0194】
完全を期すために、
図16に示された実施形態において、中間連結部202、及び、連結ネジ74’’として設計されている供給ライン16の締付要素74は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の連結部22における同一の雌ネジにネジ留めされていることを言及しておく。
【0195】
図17に示された実施形態において、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156は、
図16に示され、この図と関連して記載されたものと同一の構造である。
【0196】
また、この実施形態におけるバルブキャリア46は、
図16に示された中間連結部202と一体構造である、つまり、バルブキャリア46と中間連結部202がワンピースに成形されていることを除いて、
図16に示されたバルブキャリア46と同一の構造である。
【0197】
従って、バルブキャリア46は、バルブキャリア46のシール外面60に隣接した、雄ネジを備えた円筒状部分222を有する。この円筒状部分222は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の連結部22内の対応する雌ネジにネジ留めされている。
これにより、バルブキャリア46は、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156の円錐状シール面44上に、バルブキャリア46のシール外面60によって、シールするように載置される。
【0198】
また、上述した複数の実施形態とは対照的に、供給ライン16の内管70、接続ライン176の内管70、及び、これらに対応する締付要素74は、異なる構造から成る。
内管70の自由端部領域における塑性変形によって、環状接触圧力リング224が、径方向に突出している。その一方で、この環状接触圧力リング224に隣接し、自由端部まで延びた外側円錐72が、内管70に形成されている。
【0199】
ここで、連結ナット74’として構成されてもよいが、連結ネジ74’’として構成されている締付要素74は、締付要素74に形成された環状接触圧力面226によって、接触圧力リング224と、対応する方法で直接接触する。これにより、ハウジング18すなわち貯蔵ボディ20、または、連結ハウジング部156とシール接触する内管70を保持する。
【0200】
完全を期すために、
図16の実施形態において中間連結部202に形成された複数の止まり穴214が、この実施形態では、バルブキャリア46に形成され、バルブキャリア46自体が締め付けられることが可能であることを言及しておく。
【0201】
図17に従った実施形態においても、供給ライン16は、図に示すように、漏れ燃料を戻すために、外管142、及び、燃料を運ぶ内管70を備えた二重壁構造から構成されることができる。
この場合、上述した実施形態から公知なように、複数の漏れボア210が、それに応じて備えられる。
【0202】
しかしながら、単一の壁で、供給ライン16と、適切な場合に接続ライン176を実施することも可能である。この場合、供給ライン16は、内管70の構造に相当する。
また、本発明は、以下の複数の実施形態に関連するものである。
【0203】
A.
内燃機関の燃焼チャンバに高圧燃料を間欠的に噴射するための装置であって、該装置は、
高圧力入口(34)、凹部(40)、及び、高圧力空間(36)を備えたハウジング(18)を有する、燃料噴射バルブ(10)と、
燃料通路(76)を有し、チェックバルブ(48)を備える、バルブキャリア(46)と、
燃料を前記燃料噴射バルブ(10)に供給するための供給ライン(16)と、
前記高圧力入口(34)に向かう方向に、前記供給ライン(16)を装着する締付要素(74)と、
を有しており、
前記チェックバルブ(48)は、可能な限り絞りがなく、また、反対方向の流れを少なくとも制限して、燃料が、前記高圧力入口(34)から前記燃料通路(76)を介して前記高圧力空間(36)へ、流れることを可能にし、
前記バルブキャリア(46)は、前記チェックバルブ(48)と、前記バルブキャリア(46)に取り付けられた保持部材(50)と共に、自己内蔵型のカートリッジタイプのモジュラユニット(56)として構成され、
また、前記ハウジング(18)の前記凹部(40)内に、それ自体が挿入されることを特徴とする装置。
【0204】
B.
前記モジュラユニット(56)は、前記高圧力入口(34)の方向から、前記凹部(40)内に挿入されることを特徴とする実施形態Aに記載の装置。
【0205】
C.
前記保持部材(50)は、さらなる燃料通路(90)を有することを特徴とする実施形態AまたはBに記載の装置。
【0206】
D.
前記モジュラユニット(56)は、燃料用フィルタ(52)、特に、複数のマイクロホール(54)を備えたカップ型のフィルタボディ(52’)を有し、
このフィルタ(52)は、前記保持部材(50)によって支持され、また、適切な場合に、前記さらなる燃料通路(90)を介して、このフィルタ(52)に燃料を流す、ことを特徴とする実施形態AからCのいずれかに記載の装置。
【0207】
E.
前記凹部(40)は、前記高圧力空間(36)の少なくとも一部を形成し、また、前記モジュラユニット(56)は、前記高圧力空間(36)内に挿入されることを特徴とする実施形態AからDのいずれかに記載の装置。
【0208】
F.
前記チェックバルブ(48)の環状チェックバルブ座面(80)が、前記バルブキャリア(46)上に形成されており、
前記チェックバルブ座面(80)と協働するチェックバルブ部材(84)が、好ましくは、バルブプレート(84’)として構成されており、また、
前記チェックバルブ部材(84)は、絞り通路(86)を備えて、前記バルブキャリア(46)と前記保持部材(50)との間に配置される、ことを特徴とする実施形態AからEのいずれかに記載の装置。
【0209】
G.
バルブプレート(84’)として構成された前記チェックバルブ部材(84)は、半径方向外向きに開いており、前記縦軸(28)の方向に燃料を通す、少なくとも1つの開口(92)、好ましくは、円周方向に分布した3つの開口(92)を有しており、
また、前記保持部材(50)は、前記バルブプレート(84’)に隣接したほうの端部領域において、前記バルブプレート(84’)へ向かう方向に開いており、半径方向に燃料を通す、少なくとも1つの溝(96)、好ましくは、円周方向に分布した3つの溝(96)を有し、
前記チェックバルブ(48)が開いたときに、可能な限り絞りがなく燃料が流れることを可能にする、ことを特徴とする実施形態Fに記載の装置。
【0210】
H.
前記高圧力入口(34)は、円錐状シール面(44)を有しており、前記バルブキャリア(46)は、外周面(58)において円錐状シール外面(60)を有し、このシール外面(60)は、前記高圧力入口(34)の前記円錐状シール面(44)にシールするように載置され、
前記バルブキャリア(46)は、入口端部(66)において内部円錐(68)を有し、この内部円錐(68)は、シール面を形成し、また、前記燃料通路(76)に隣接しており、また、
前記供給ライン(16)は、前記燃料噴射バルブ(10)に隣接したほうの端部領域において、外側円錐(72)を有しており、この外側円錐(72)は、前記バルブキャリア(46)の前記内部円錐(68)に、シールするように載置されるシール面を形成しており、
前記締付要素(74)は、前記バルブキャリア(46)に対して前記供給ライン(16)を押し付け、また、前記高圧力入口(34)に対して前記バルブキャリア(46)を押し付ける、ことを特徴とする実施形態AからGのいずれかに記載の装置。
【0211】
I.
前記円錐状シール外面(60)、及び、前記内部円錐(68)は、前記バルブキャリア(46)の漏斗状の管端フランジ(62)上に形成されることを特徴とする実施形態Hに記載の装置。
【0212】
J.
前記高圧力入口(34)の前記円錐状シール面(44)は、前記ハウジング(18)上に形成されていることを特徴とする実施形態HまたはIに記載の装置。
【0213】
K.
一方では、前記高圧力入口(34)の前記円錐状シール面(44)と、前記バルブキャリア(46)の前記円錐状シール外面(60)との間において、他方では、前記バルブキャリア(46)の前記内部円錐(68)と、前記供給ライン(16)の前記外側円錐(72)との間において、0.5°から2°の円錐の角度差(α、β)があり、
これにより、其々の場合において、環状シール面(64)が、其々のテーパ(44、60;68、72)間の接触面において、最小直径で形成される、ことを特徴とする実施形態HからJのいずれかに記載の装置。
【0214】
L.
前記高圧力空間(36)は、燃料を貯蔵するための個別の貯蔵チャンバ(38)を有し、また、
前記モジュラユニット(56)は、好ましくは、この貯蔵チャンバ(38)内に突出している、ことを特徴とする実施形態AからKのいずれかに記載の装置。
【0215】
M.
前記燃料噴射バルブ(10)の前記ハウジング(18)は、噴射バルブ座面(122)を有し、前記高圧力空間(36)に連結された、ノズルボディ(30)を支持し、また、
前記噴射バルブ座面(122)と、前記縦軸(28)の方向において移動可能なように配置される噴射バルブ部材(120)は、協働し、
閉鎖バネ(128)が、前記噴射バルブ部材(120)によって支持され、前記噴射バルブ部材(120)に、前記噴射バルブ座面(122)の方向に方向付けられる閉鎖力を加え、また、
前記閉鎖バネ(128)の閉鎖力に逆らって、前記噴射バルブ部材(120)を、前記噴射バルブ座面(122)から浮かび上がらせ、燃料を噴射するために、前記ハウジング(18)内に、電気制御アクチュエータ(118)によって制御される油圧制御装置(132)が存在する、ことを特徴とする実施形態AからLのいずれかに記載の装置。
【0216】
N.
前記ハウジング(18)は、一方で、前記ノズルボディ(30)を支持するバルブハウジング(154)を有しており、
前記バルブハウジング(154)内に、前記噴射バルブ部材(120)、前記閉鎖バネ(128)、前記アクチュエータ(118)、及び、前記制御装置(132)が、配置されており、また、前記バルブハウジング(154)上に、シール面として機能する円錐状接触圧力面(162)が、形成されており、
前記ハウジング(18)は、他方で、圧力接触部(158)を有しており、
前記圧力接触部(158)の連結ハウジング部(156)に、前記高圧力入口(34)が、形成されており、また、前記圧力接触部(158)の縦軸(158’)は、前記バルブハウジング(154)の前記縦軸(28)に対して横方向に、好ましくは直角に、延びており、
前記連結ハウジング部(156)は、前記高圧力入口(34)から離れたほうの端部領域において、円錐状嵌合接触圧力面(164)を有しており、前記円錐状嵌合接触圧力面(164)は、前記接触圧力面(162)にシールするように載置され、また、
適切な場合に、前記モジュラユニット(56)は、前記連結ハウジング部(156)内に挿入され、また、
適切な場合に、個別の前記貯蔵チャンバ(20)は、前記連結ハウジング部(156)内に少なくとも部分的に形成される、ことを特徴とする実施形態Mに記載の装置。
【0217】
O.
前記ハウジング(18)、または、前記連結ハウジング部(156)は、高圧力出口(172)を有し、
前記高圧力出口(172)は、前記高圧力入口(34)に隣接して配置され、また、好ましくは絞りなしで、前記高圧力入口(34)と流体接続しており、
前記高圧力出口(172)に接続された高圧力接続ライン(176)を介して、燃料を、さらなる噴射バルブ(10)に供給する、ことを特徴とする実施形態AからNのいずれかに記載の装置。
【0218】
P.
前記バルブキャリア(46)は、前記内部円錐(68)と前記チェックバルブ(48)との間に、径方向出口(190)を有しており、
前記径方向出口(190)は、前記燃料通路(76)から始まり、また、前記ハウジング(18)または前記連結ハウジング部(156)内の接続ライン(176)を介して、前記高圧力出口(172)と流体接続している、ことを特徴とする実施形態Oに記載の装置。
【0219】
Q.
前記バルブキャリア(46)は、前記ハウジング(18)または前記連結ハウジング部(156)と共に、前記高圧力空間(36)に向かう方向において、前記径方向出口(190)の下流に、狭いギャップ(102)の範囲を定めて、
少なくとも過渡的過程において、前記高圧力空間(36)を油圧分離するか、または、適切な場合に、前記接続ライン(176)から、個別の前記貯蔵チャンバ(38)を油圧分離する、ことを特徴とする実施形態Pに記載の装置。