特許第6441863号(P6441863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441863
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/06 20060101AFI20181210BHJP
   H02N 2/04 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   B06B1/06 Z
   H02N2/04
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-174262(P2016-174262)
(22)【出願日】2016年9月7日
(65)【公開番号】特開2017-205750(P2017-205750A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2016年9月7日
(31)【優先権主張番号】201620457997.8
(32)【優先日】2016年5月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ホンシン
(72)【発明者】
【氏名】シュウ、ロングァン
(72)【発明者】
【氏名】タン、クン
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−112530(JP,U)
【文献】 特開平11−192455(JP,A)
【文献】 特開2013−161384(JP,A)
【文献】 特開平09−225401(JP,A)
【文献】 特開2005−339298(JP,A)
【文献】 特表2002−507849(JP,A)
【文献】 特開2010−162508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/06
H02N 2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイスクリーン及び前記ディスプレイスクリーンと積層設置された中枠を含む電子デバイスであって、
前記電子デバイスは、前記中枠と間隔を隔てて設置された支持アームと、前記支持アームに固定された圧電アクチュエータと、前記中枠と前記支持アームとの間に設置された突起部とをさらに含み、前記突起部は前記中枠に固定され、前記支持アームの一端は前記突起部に接続され、前記中枠は前記ディスプレイスクリーンをカバーして設置され、前記突起部、前記支持アーム及び前記圧電アクチュエータは順次に前記中枠に積層設置され、前記支持アームは、前記中枠に向かう下表面及び前記下表面に対向設置された上表面を含み、前記圧電アクチュエータは前記上表面に固定され、前記電子デバイスは質量ブロックをさらに含み、前記質量ブロックは前記支持アームにおける、前記突起部から離れる一端に設置され、前記質量ブロックは、前記支持アームの前記上表面に固定保持され、前記質量ブロックは、前記圧電アクチュエータと間隔を隔てて設置され、その間隔の大きさは、前記突起部、前記支持アーム及び前記圧電アクチュエータの大きさ、並びに前記圧電アクチュエータの重量に応じて調節されていることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記突起部の、前記中枠における正射影面積は前記圧電アクチュエータの、前記中枠における正射影面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記支持アームと前記突起部は片持梁構造を形成することを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記支持アームは長尺状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記突起部と前記支持アームは一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記突起部と前記中枠は一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能装置に関し、特に、電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルインターネット時代の到来に伴い、スマートモバイルデバイスの数が絶えずに増加している。多くのモバイルデバイスのうち、携帯電話は疑いもなく、最もよく見られ、最もポータブルなモバイル端末装置である。現在、携帯電話の使用者から携帯電話に対する多機能の要求がますます高くなっているが、機能が多いほど、携帯電話内部に取り付けた素子が多くなり、これによって、その内部空間が素子に対する要求を満たさなくなった。圧電アクチュエータは、携帯電話内部において大きな空間を占める素子として、周辺部品、例えばフロントカメラ、距離センサ、イヤホンジャック等の設置に影響を与えている。
【0003】
関連技術において、圧電アクチュエータは、それと協同する部品を駆動するように、上下振動する必要があり、圧電アクチュエータは直接的にデバイスのガラス中枠の裏面に貼付されており、それは中枠と間隔を隔てずに設置され、圧電アクチュエータの駆動力に大きく影響し、装置の発音性能に影響するだけでなく、周辺デバイスの設置スペースに影響する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014−509458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、上記の技術的問題を解決するために、新型の電子デバイスを提供する必要がある。
【0006】
本発明は、片持梁構造を用いて発音性能を向上させる電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の技術案は以下のとおりである。
【0008】
好ましくは、電子デバイスであって、ディスプレイスクリーン及び前記ディスプレイスクリーンと積層設置された中枠を含み、前記電子デバイスは、前記中枠と間隔を隔てて設置された支持アームと、前記支持アームに固定された圧電アクチュエータと、前記中枠と前記支持アームとの間に設置された突起部とをさらに含み、前記突起部は、前記中枠に固定され、前記支持アームの一端は前記突起部に接続されている。
【0009】
好ましくは、前記突起部の、前記中枠における正射影面積は前記圧電アクチュエータの、前記中枠における正射影面積よりも小さい。
【0010】
好ましくは、前記支持アームと前記突起部は片持梁構造を形成する。
【0011】
好ましくは、前記支持アームは長尺状をなしている。
【0012】
好ましくは、前記支持アームは、前記中枠に向かう下表面及び前記下表面に対向設置された上表面を含み、前記圧電アクチュエータは前記上表面に固定されている。
【0013】
好ましくは、前記突起部と前記支持アームは一体成形されている。
【0014】
好ましくは、前記突起部と前記中枠は一体成形されている。
【0015】
好ましくは、前記電子デバイスは質量ブロックをさらに含み、前記質量ブロックは前記支持アームにおける、前記突起部から離れる一端に設置されている。
【0016】
好ましくは、前記質量ブロックは、前記支持アームの前記上表面に固定保持されている。
【0017】
好ましくは、前記質量ブロックは、前記圧電アクチュエータと間隔を隔てて設置されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は以下の通りである。中枠と圧電アクチュエータとの接続箇所に、前記支持アームと前記突起部により形成された片持梁構造、又は前記中枠と前記突起部により形成された片持梁構造を設置することにより、前記圧電アクチュエータを前記中枠と間隔を隔てて設置し、これにより、前記電子デバイスの出力する駆動力を増加させ、効果的に前記電子デバイスの品質を向上させる。ここで、前記片持梁構造としては、前記突起部と支持アームにより一体成形してもよいだけでなく、前記突起部と前記中枠により一体成形してもよく、これにより、前記支持アームの製造を簡単にし、製造コストを低減させる。前記突起部の、前記中枠における正射影面積が前記圧電アクチュエータよりも小さいため、効果的に前記電子デバイスの内部空間を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明における電子デバイスに係る実施例1の分解斜視図である。
図2図1に示す電子デバイスが組立後の斜視構成を示す模式図である。
図3図2に示す電子デバイスのA−A線における断面構成を示す模式図である。
図4】本発明における電子デバイスの実施例2の分解斜視図である。
図5図4に示す電子デバイスが組立後の斜視構成を示す模式図である。
図6図5に示す電子デバイスのA´−A´線における断面構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施例1>
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明についてさらに説明する。
【0021】
図1を参照すると、図1は本発明における電子デバイスに係る実施例1の分解斜視図である。本発明は電子デバイス100を提供し、該電子デバイスはガラスパネル1、ディスプレイスクリーン2、フレーム3、中枠4、支持アーム5、突起部6、圧電アクチュエータ7及び質量ブロック8を含む。
【0022】
図2を参照すると、図2図1に示す電子デバイスが組立後の斜視構成を示す模式図である。前記ガラスパネル1は前記フレーム3と積層設置され、前記ディスプレイスクリーン2は前記中枠4と積層設置され、且つ前記フレーム3内に設置され、前記ディスプレイスクリーン2は前記ガラスパネル1に積層設置され、前記突起部6、前記支持アーム5及び前記圧電アクチュエータ7は順次に前記中枠4に積層設置されている。
【0023】
前記中枠4は平板状をなしており、前記ディスプレイスクリーン2をカバーして設置され、且つ前記フレーム3の内部に嵌設されている。
【0024】
前記支持アーム5の形状は複数種であってもよく、前記圧電アクチュエータ7を支持し、且つ前記圧電アクチュエータ7を上下駆動させればよい。本実施例において、前記支持アーム5は長尺状をなしており、前記中枠4と間隔を隔てて設置されている。
【0025】
図3を参照すると、図3図2に示す電子デバイスのA−A線における断面構成を示す模式図である。前記支持アーム5は前記中枠4に向かう下表面52及び前記下表面52に対向設置された上表面51を含み、前記圧電アクチュエータ7は前記上表面51に固定されている。
【0026】
前記支持アーム5は前記突起部6と一体成形されており、前記支持アーム5と前記突起部6とは片持梁構造(符号を付けず)を形成し、具体的には、前記片持梁構造は、一端における前記突起部6は前記中枠4と固定接続され、他端は宙に浮いている。
【0027】
前記突起部6の形状は円柱体、長方体等であってもよく、その前記中枠4への正射影面積は、前記圧電アクチュエータ7の前記中枠4への正射影面積よりも小さく、これにより、その内部空間の使用率を保証する。
【0028】
前記片持梁構造により、前記圧電アクチュエータ7を前記中枠4と間隔を隔てて設置し、これにより、空間があって、前記圧電アクチュエータ7が上下運動し、より大きな駆動力を出力できるようにし、効果的に前記電子デバイス100の品質を向上させる。前記圧電アクチュエータ7は前記片持梁構造により前記中枠4の上に宙に浮いており、前記中枠4に直接的に張り付けられておらず、前記片持梁構造により、前記電子デバイス100の性能を向上させるだけでなく、内部部品の設置スペースを節約することができる。
【0029】
前記圧電アクチュエータ7は片状体であり、逆圧電効果を有し、即ち、印加電界の付勢力により、機械的変形が発生する。前記圧電アクチュエータ7は圧電材料により製造され、圧電材料は一般的に圧電結晶体、圧電セラミックス及び有機高分子圧電材料を含む。前記圧電アクチュエータ7の形状は前記支持アーム5の形状にマッチングしており、前記圧電アクチュエータ7の取付固定を便利にし、一方で、部品の設置スペースの有効利用率を向上させることができ、前記圧電アクチュエータ7は円形、矩形、レーストラック形状等の形状にしてもよく、本実施例において、前記圧電アクチュエータ7は長尺状である。
【0030】
前記質量ブロック8は長方形の板状構造であり、前記支持アーム5における、前記突起部6から離れる一端に貼設されており、即ち、前記片持梁構造の宙に浮いている一端に貼設されており、且つ、前記質量ブロック8は前記支持アーム5の前記上表面51に固定されている。このように設置することにより、前記質量ブロック8を安定的に固定保持することができ、前記圧電アクチュエータ7の振動の安定性を保証し、前記片持梁構造の共振周波数を調節し、最終の発音性能を調節する。
【0031】
前記質量ブロック8は前記圧電アクチュエータ7と一定の距離を隔てて設置されており、その距離の大きさは、前記突起部6、前記支持アーム5及び前記圧電アクチュエータ7の大きさ、並びに圧電アクチュエータ7の重量に応じて調節され、これにより、前記圧電アクチュエータ7が湾曲振動する時に、前記質量ブロック8に衝突ことがなく、圧電アクチュエータ7の振動効果も保証する。
<実施例2>
図4を参照するとと、図4は本発明における電子デバイスの実施例2の分解斜視図である。前記電子デバイス100´はガラスパネル1´、ディスプレイスクリーン2´、フレーム3´、中枠4´、支持アーム5´、突起部6´、圧電アクチュエータ7´及び質量ブロック8´を含む。
【0032】
図5を参照すると、図5図4に示す電子デバイスが組立後の斜視構成を示す模式図である。前記ガラスパネル1´は前記フレーム3´と積層設置され、前記ディスプレイスクリーン2´は前記中枠4´と積層設置され、且つ前記フレーム3´内に設置されており、前記ディスプレイスクリーン2´は前記ガラスパネル1´に積層設置され、前記突起部6´、前記支持アーム5´及び前記圧電アクチュエータ7´は順次に前記中枠4´に積層設置されている。
【0033】
前記支持アーム5´は、一端が前記突起部6´に積層設置され、他端が宙に浮いている。
【0034】
図6を参照すると、図6図5に示す電子デバイスのA´−A´線における断面構成を示す模式図である。前記支持アーム5´は長尺状をなしており、前記中枠4´に向かう下表面52´及び前記下表面52´に対向設置された上表面51´を含み、前記圧電アクチュエータ7´は前記上表面51´に固定されている。
【0035】
前記突起部6´は長方体構造をなしており、前記突起部6´は前記中枠4´と一体成形されている。前記突起部6´の前記中枠4´への正射影面積は前記圧電アクチュエータ7´の前記中枠4´への正射影面積よりも小さい。
【0036】
前記突起部6´が前記中枠4´と一体成形されている構成や前記支持アーム5´が簡単な長尺状であることは、このようにすると、前記支持アーム5´の製造成形をより便利に、行いやすくする。
【0037】
前記圧電アクチュエータ7´の構造や接続方式は実施例1と同じである。
【0038】
前記質量ブロック8´の構造や接続方式は実施例1と同じである。
【0039】
本発明は新型の電子デバイスを提供し、中枠4と圧電アクチュエータ7との接続箇所に前記支持アーム5と前記突起部6により形成された片持梁構造、又は前記中枠4´と前記突起部6´により形成された片持梁構造を設置することにより、前記圧電アクチュエータ7を前記中枠4と間隔を隔てて設置し、前記電子デバイス100の出力する駆動力を増加させ、効果的に前記電子デバイス100の品質を向上させる。ここで、前記片持梁構造は前記突起部6と支持アーム5により一体成形してもよいだけでなく、前記突起部6´と前記中枠4´により一体成形してもよく、これにより、前記支持アーム5´の製造を簡単にし、製造コストを低減させる。前記突起部6の、前記中枠4における正射影面積は前記圧電アクチュエータ7よりも小さく、これにより、効果的に前記電子デバイス100の内部空間を節約することができる。
【0040】
上述したのは本発明の実施形態に過ぎず、ここで明確にすべきなのは、当業者にとって、本発明の創造的発想から脱逸しない前提で、改良してもよいが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1、1´ ガラスパネル
2、2´ ディスプレイスクリーン
3、3´ フレーム
4、4´ 中枠
5、5´ 支持アーム
51、51´ 上表面
52、52´ 下表面
6、6´ 突起部
7、7´ 圧電アクチュエータ
8、8´ 質量ブロック
100、100´ 電子デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6