(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記タンク回路の前記共振周波数、前記電力の前記動作周波数、前記電力の前記デューティサイクル、及び、前記電力の前記レール電圧のうち少なくとも2つを変えるように構成されたこと
を特徴とする請求項1に記載の非接触電源。
前記コントローラは、前記タンク回路の前記共振周波数、前記電力の前記動作周波数、前記電力の前記デューティサイクル、及び、前記電力の前記レール電圧を変えるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の非接触電源。
前記タンク回路の前記共振周波数、前記電力の前記動作周波数、前記電力の前記デューティサイクル、及び、前記電力の前記レール電圧のうち少なくとも2つは、さらに、前記電力の前記動作周波数及び前記電力の前記レール電圧と定められることを特徴とする請求項2に記載の非接触電源。
前記タンク回路の前記共振周波数、前記電力の前記動作周波数、前記電力の前記デューティサイクル、及び、前記電力の前記レール電圧のうち少なくとも2つは、さらに、前記電力の前記動作周波数及び前記電力の前記デューティサイクルと定められることを特徴とする請求項2に記載の非接触電源。
前記タンク回路及び前記コントローラに接続された回路センサであって、前記タンク回路における電力の特性を示す入力を前記コントローラに提供する回路センサをさらに含み、
前記コントローラは、前記タンク回路の前記共振周波数、前記電力の前記動作周波数、及び、前記電力の前記レール電圧のうち前記少なくとも1つのものとは別のものを、前記タンク回路における電力の特性を示す前記入力に応じて、変えるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の非接触電源。
【背景技術】
【0004】
非接触エネルギー伝送システム(CEETS)は、何の物理的な接続もなく、一つの装置から他の装置へ電気エネルギーを伝達する。機械的な接続が全くないので、CEETSは、従来のエネルギーシステムよりも多くの利点を持つ。電源の分離による火花又は感電の危険が殆どないので、それらは、一般的にはより安全である。それらはまた、接触が全くないので、磨耗するまでにより長い寿命を持つ傾向がある。これらの利点のため、CEETSは、歯ブラシから携帯電話、電車に至るまであらゆる物に使用されている。
【0005】
CEETSは、電源、及び遠隔装置から構成される。遠隔装置は、バッテリ、マイクロコンデンサ、又は任意の他の充電式エネルギー源のような充電式装置とすることができるであろう。そのかわりに、CEETSは、遠隔装置に直接電力を供給することもできるであろう。
【0006】
CEETSの一種は、磁気誘導を使用して、エネルギーを伝達する。電源内の一次巻線からのエネルギーは、充電式装置内の二次巻線に、誘導的に伝達される。二次巻線は、一次巻線から物理的に間隔をあけて配置されるので、大気を通じて、誘導結合が生じる。
【0007】
一次巻線と二次巻線との間に物理的な接続がなければ、従来のフィードバック制御は存在しない。従って、CEETSでの一次巻線から二次巻線へのエネルギー伝達の制御は困難である。
【0008】
一つの一般的な解決策は、一形式の装置専用のCEETSを設計することである。例えば、充電式歯ブラシのためのCEETSは、歯ブラシを充電するためにのみ設計されるが、これに対して、充電式電話のためのCEETSは、特定の形式の電話でのみ作動する。この解決策は、CEETが一つの特定の装置で効果的に作動することを可能にする一方で、電源が様々な遠隔装置で作動することを可能にするのに充分柔軟ではない。
【0009】
さらに、遠隔装置は、様々なタスクを実行することのできる電子装置とすることができるので、遠隔装置との通信が望ましい。そのようなシステムの一つが、米国特許第6,597,076号で説明され、そこでは、CEETによって電力を供給されるアクチュエータが、最新のアクチュエータ情報に関する情報を提供するために、プロセスコンピュータと通信する。遠隔装置は、中央演算処理装置に置かれた送受信機と通信する。しかしながら、CEETとアクチュエータとの間の直接通信は、提供されない。
【0010】
米国特許第5,455,466号に示すシステムでは、携帯電子装置が、CEETから電力を受け取る。コンピュータと携帯電子装置との間の通信は、CEETを介して提供される。CEETは、携帯電子装置とコンピュータとの間のパイプラインとして作動する。CEETは、そのCEETの動作に関する情報を、遠隔装置から獲得しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらの従来技術のシステムは、通信を提供する一方で、CEETの動作に役立ち得る情報を遠隔装置が供給する方法又は手段を提供しない。例えば、可変電力出力を持つCEETは、遠隔装置からの電力要求を使って、その電力出力を調整することにより、より効率よく動作することができるであろう。従って、CEETが、遠隔装置から電力要求を獲得するために、その遠隔装置と通信することを可能にすることは、非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
非接触電源は、可変共振周波数、及び電力を遠隔装置に伝達するための一次巻線を持つ共振回路を持つ。非接触電源はまた、遠隔装置と通信するための受信機も持つであろう。遠隔装置は、制御装置に電力情報を送る。次に、制御装置は、電力情報に応じて、共振回路の動作を変更する。このように、制御装置は、遠隔装置での作動のための電源を厳密に較正して、非接触電源から遠隔装置への高効率の電力伝達を提供することが出来る。
【0014】
非接触電源は、インバータ、及び電源、さらに、そのインバータに結合された共振回路を持つことができるであろう。高効率の電力伝達を実現するために、制御装置は、電源のレール電圧、インバータの動作の周波数、インバータのデューティサイクル、加えて、共振回路の共振周波数を変更することができる。
【0015】
非接触電源にはまた、遠隔装置から受け取られた電力情報を格納するためのメモリを与えることができる。
【0016】
非接触電源はまた、多数の遠隔装置で作動することもできるであろう。次に、非接触電源は、遠隔装置の各々から電力情報を受け取るであろう。遠隔装置の各々についての電力情報のリストが保持される。そのリストに基づいて、制御装置は、レール電圧、共振周波数、又はデューティサイクルについての最適な設定を定める。
【0017】
非接触電源はまた、ワークステーションと通信するための通信インターフェースも持つであろう。制御装置は、送受信機を介して、ワークステーションと遠隔装置との間に、通信リンクを作成するであろう。
【0018】
遠隔装置は、遠隔装置制御装置、及び、二次巻線可変インピーダンスを持つ二次巻線を持つ。遠隔装置制御装置は、二次巻線可変インピーダンスを変化させることができる。遠隔装置は、非接触電源と通信するための遠隔装置送受信機を持つ。遠隔装置制御装置は、非接触電源からの情報に基づいて、二次巻線可変インピーダンスを変化させる。遠隔装置の制御装置はまた、非接触電源からの情報に基づいて、遠隔装置の動作をディスエーブルにすることもできるであろう。従って、また、遠隔装置を高効率で作動させることもできるであろう。
【0019】
従って、システムは、電源、ならびにその電源に取り付けられた装置、の両方の最適化を可能にする。
【0020】
各遠隔装置が、電力使用情報を制御装置に送り、次に、その電力使用情報に応じて、非接触電源を適応させることにより、この非接触電源及び遠隔装置は作動する。非接触電源の適応は、デューティサイクル、インバータ周波数、共振周波数、又はレール電圧を変えることを含む。
【0021】
電源はまた、非接触電源が複数の遠隔装置に電力を供給できるかどうか、を確認することができるであろう。確認できない場合には、遠隔装置の幾つかをオフにすることができるであろう。
【発明の効果】
【0022】
非接触電源、遠隔装置、及び、その電源及び遠隔装置を作動させる方法は、極めて有効、かつ非常に柔軟な、電源から様々な装置に電圧を加える方法という結果になる。非接触電源への負荷の付加又は除去に、絶えず適応させることにより、非接触電源は、高効率のままである。
【0023】
図面の詳細な説明を参照することにより、本発明のこれら及び他の目的、利点、及び特徴が、より容易に理解及び認識されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
開示の目的のため、共振探索安定回路に関して、特に、引用によりその全体として本出願に組み入れられる「誘導結合安定回路」という名称の米国特許出願第10/246,155号で説明する誘導安定器に関して、本発明を説明する。しかしながら、本発明は、他の誘導安定回路での使用によく適している。
【0026】
本発明の一実施形態による適応誘導安定器10の一般的な構成を示すブロック図を、
図1に示す。示すように、適応誘導安定器10は、一般的には、回路の動作を制御するマイクロプロセッサ12、磁界を生成するための多タップ一次巻線14、一次巻線14に与えられる信号を生成する波形器及び駆動下位回路16、一次巻線14に与えられた信号を監視し、対応するフィードバックをマイクロプロセッサ12に提供する電流感知下位回路18、波形器及び駆動下位回路16内のキャパシタンス値を調整するためのキャパシタンススイッチ20、及び、多タップ一次巻線14のインダクタンスを調整するためのインダクタンススイッチ22を含む。マイクロプロセッサは、様々な供給業者から広く入手できる従来のマイクロプロセッサである。
【0027】
キャパシタンススイッチ20は、一般的には、コンデンサの2つのバンク、及びトランジスタのような複数のスイッチを含み、それらのスイッチは、その2つのコンデンサバンクの値を制御するようにマイクロプロセッサ12によって選択的に作動可能である。各バンクにおけるコンデンサを、可能なキャパシタンス値の所望の範囲及び分布に依って、直列又は並列に配置することができる。コンデンサの第一のバンクが、コンデンサ271と置き換わる。同様に、コンデンサの第二のバンクが、添付の特許出願に示す既存の共振探索安定器のコンデンサ272と置き換わる。実質的に、キャパシタンススイッチ20は、既存の共振探索安定器のコンデンサ271及び272を可変コンデンサにし、その値は、マイクロプロセッサ12によって制御される。そのかわりに、説明したキャパシタンススイッチ20を、可変キャパシタンスを提供することのできる他の回路で置き換えることもできる。
【0028】
インダクタンススイッチ22は、一般的には、多タップ一次巻線14、及びトランジスタのような複数のスイッチを含み、それらのスイッチは、一次巻線14のインダクタンスの値を制御するように、マイクロプロセッサ12によって選択的に作動可能である。多タップ一次巻線14は、既存の共振探索安定器の一次巻線270と置き換わる。事実上、インダクタンススイッチ22は、一次巻線14の巻数を変えることにより、既存の共振探索安定器の一次巻線270を可変インダクタンスコイルにし、その値は、マイクロプロセッサ12によって制御される。そのかわりに、説明したインダクタンススイッチ22を、可変インダクタンスを提供することのできる他の回路で置き換えることもできる。
【0029】
一般的な動作では、マイクロプロセッサ12は、電流感知下位回路18から入力を受け取るようにプログラムされ、それは、一次巻線14に与えられた電流を示している。マイクロプロセッサ12は、キャパシタンススイッチ20及びインダクタンススイッチ22を、回路に利用可能なキャパシタンス値及びインダクタンス値の範囲全体にわたって循環するように、別々に調整するようにプログラムされる。マイクロプロセッサ12は、電流感知回路18からの入力を監視し続け、さらに、キャパシタンス値及びインダクタンス値を調整して、どの値が一次巻線14に最適な電流を提供するか定める。次に、マイクロプロセッサ12は、適応安定器を最適設定にロックする。
【0030】
前記特許出願の共振探索誘導安定器を、適応誘導安定回路10の実施形態に適応させるのに必要な変更の幾つかを、
図2の概略図に示す。
【0031】
米国特許出願第10/246,155号では、既存の共振探索安定器をずっと詳細に説明しているが、これに対して、回路の全体像は、本発明のより完全な理解に役立つであろう。安定フィードバック回路は、点Aにおいて接続され、制御回路は、点Bにおいて接続される。発振器144は、駆動146を介して、半ブリッジインバータ148に交流信号を提供する。半ブリッジインバータは、タンク回路150に電力を供給する。電流感知回路218は、発振器144にフィードバックを提供する。フィードバック回路、制御回路、発振器、半ブリッジインバータ、駆動及び電流感知回路218、加えて、他の補助回路は、上で引用された特許出願において、より完全に説明される。
【0032】
図2では、位相遅延を、Eにおいて挿入することができ、遅延線として制御することができるであろう。この遅延を使用して、位相を絞り、二次振幅を制御することができる。Fにおいて、スイッチキャパシタンスは、可変一次インダクタンスに基づいて、共振周波数を調整することができる。単純なトランジスタを使用して、キャパシタンスのスイッチを入れる及び切ることができる。負荷を整合させるように、一次インダクタが変化する時、キャパシタンスも変わる。Gにおいて、一次インダクタンスを切り替えて、二次回路で必要とされる電力を調整することができる。RFID又は直接通信は、必要とされる負荷を指示することができる。その負荷情報を用いて、制御プロセッサは、要求された電力を提供するために必要とされるように、インダクタンスを調整することができる。トランジスタ、及びマイクロプロセッサによって制御される一次インダクタの多タップを使って、インダクタンスを切り替えることができる。
【0033】
適応誘導安定回路の動作シーケンスを、
図3と絡めて、より詳細に説明する。動作において、図示されたシステムは、一次巻線14に電力を与える前に、負荷が存在することを確認するまで停止する。これは電力を節約し、各誘導動力装置に、一次巻線に隣接するリードスイッチを作動させる磁気を提供することにより、行うことができる。そのかわりに、誘導動力装置が存在するときに、ユーザが電源に関与することができるように、ユーザ作動スイッチ(示されていない)を提供することもできる。更なる代替として、スイッチが、一次巻線の近くに置かれて、その存在を信号で送るとき、そのスイッチを機械的に作動させるように、誘導動力装置を構成することもできる。更なる代替として、切換機構を取り除くことができ、かつ、安定回路は、負荷の存在に関わらず、一次巻線14に電力を提供することができる。
【0034】
電源回路が作動されると、一次巻線に与えられる電流を最適化するように、回路は、その周波数を調整する。初期キャパシタンス及びインダクタンス値で、適切な動作周波数が定められた後、マイクロプロセッサは、安定回路をその動作周波数にロックし、次に、多タップ一次巻線によって利用可能なインダクタンス値の範囲全体にわたって循環し始める。インダクタンス値のどの変化の後も、マイクロプロセッサは、動作周波数をロック解除し、安定回路が共振を探索することを可能にし、一次巻線に最適な電流を提供する周波数に落ち着く。マイクロプロセッサは、どの値が一次巻線に最適な電流を提供するか定めるまで、利用可能なインダクタンス値全体にわたって循環し続ける。一実施形態では、順次走査処理を使用して、適切なインダクタンス値を定める。その走査処理を最低インダクタンス値で開始し、インダクタンス値の変化が、一次巻線に与えられる電流の減少という結果になるまで、インダクタンス値を順次上げていくことにより、これを実現する。次に、マイクロプロセッサは、最大電流が実現された一インダクタンス値まで、下げ戻るであろう。そのかわりに、走査処理を、最高インダクタンス値で始め、インダクタンス値の変化が、一次巻線に与えられた電流の減少という結果になるまで、インダクタンス値を順次下げていくこともできる。次に、マイクロプロセッサは、最大電流が実現された一インダクタンス値まで上がり戻るであろう。更なる代替として、マイクロプロセッサは、各インダクタンス値全体にわたってステップして、その対応する電流を定め、各値全体にわたってステップした後、一次巻線に最大電流を提供したインダクタンス値に戻ることもできる。
【0035】
適切なインダクタンス値が定められた後、マイクロプロセッサは、回路を所定のインダクタンス値にロックし、キャパシタンス値全体にわたって循環し始める。一実施形態では、マイクロプロセッサは、順次走査技術を使って、一次巻線に最大電流を与えるキャパシタンスを定める。インダクタンス値についての走査処理に関して上で説明したように、その走査処理は、最低キャパシタンス値から上向きに、又は、最高キャパシタンス値から下向きに進行するであろう。順次走査処理の代替として、マイクロプロセッサは、各キャパシタンス値全体にわたってステップして、その対応する電流を定め、各値全体にわたってステップした後、一次巻線に最大電流を提供したキャパシタンス値に戻ることができる。
【0036】
この実施形態では、適切なインダクタンス値が定められると、安定回路の周波数は、変化することが許されない。そのかわりに、キャパシタンス値のどの変化の後にも、安定回路が共振を探索することを可能にするように、マイクロプロセッサをプログラムすることもできる。
【0037】
代替の実施形態では、電源回路のキャパシタンス値のみ、又はインダクタンス値のみの調整を提供するように、マイクロプロセッサをプログラムすることもできる。前者の代替では、多タップ一次巻線を、従来の単タップ一次巻線で置き換えることができ、インダクタンススイッチを取り除くことができる。後者の代替では、コンデンサバンクを、コンデンサの単一セットで置き換えることができ、キャパシタンススイッチを取り除くことができる。更なる代替の実施形態では、インダクタンスを調整する前に、キャパシタンスを調整するように、マイクロプロセッサをプログラムすることもできる。
【0038】
上で示すように、本発明は、共振探索安定器と絡めた使用に限定されない。他の応用例では、電流センサを安定器内に組み込んで、一次巻線に与えられている電流を示す入力を、マイクロプロセッサに提供することもできる。共振探索安定器なしでの動作では、マイクロプロセッサは、様々なキャパシタンス値、及びインダクタンス値全体にわたって、別個に循環して、一次巻線に最適な電力を提供する値を定めるであろう。
【0039】
更なる代替の実施形態では、適応誘導安定器10は、それ自身が位相を絞り、二次振幅を制御することを可能にする位相遅延回路(示されていない)を含むこともできる。位相遅延回路は、遅延線、又は、演算増幅器210に続く波
形器及び駆動回路16に接続されたデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むであろう。
【0040】
図4.5と絡めて、本発明の更なる代替の実施形態を説明する。この実施形態では、適応誘導安定器10'、及び誘導動力装置は、例えば従来のRF通信又は直接通信を使って、通信できる能力を持つ。
【0041】
図4は、適応誘導安定器10'の一般的な構成部品を示すブロック図である。適応誘導安定器10'は、スイッチ一次インダクタンス及び一次コイル22'から分離した通信コイル(示されていない)を含む。通信コイルは、一次巻線の一部とすることができるであろう。通信コイルは、マイクロプロセッサ12'に接続され、それは、誘導動力装置から情報を受け取り、その情報に基づいて、適応誘導安定器10'の動作を生み出すように、プログラムされる。誘導動力装置はまた、一次巻線から電力を受け取る二次巻線から分離し得る、又はそれと一体化し得る通信コイルを含む。誘導動力負荷、及び適応誘導電源10'は、例えば、標準の通信回路及び標準の通信プロトコルを使った従来の通信技術及び装置を使って、通信する。
【0042】
以下に示すようなことを除いて、適応安定器10'の動作は、一般的には、上で説明した安定器10の動作と同一である。安定器10'の動作の一般的なステップを示すフローチャートを、
図5に示す。その通信能力の使用によって、誘導動力装置は、負荷のワット数のような負荷情報を、適応誘導安定器10'に中継することができる。適応誘導安定器10'は、適切なキャパシタンス値及びインダクタンス値を定めることにおいて、この情報を使用することができる。より具体的には、この情報を使用して、スイッチ一次インダクタンス及び一次コイル22'の一次巻線が、修正ワット数で動作していることを確実にすることができる。そうでない場合には、スイッチ一次インダクタンス及び一次コイル22'のスイッチ一次インダクタンス、及びキャパシタンススイッチ20'を使用して、一次巻線のワット数を調整することができる。この実施形態は、一次巻線を必ずしも可能最高電流値で駆動するわけではないので、幾つかの応用例では、上で説明した適応誘導安定器10よりも改善された動作を提供するであろう。むしろ、この実施形態は、一次巻線の電力出力を、誘導動力装置の電力要求と一致させ、それは、全電力が要求されない時、電力を減らし、エネルギーを節約できることを意味する。
【0043】
図1-5の前記システムを、
図6-9を参照して、さらに拡張及び説明する。
【0044】
図6は、本発明の一実施形態を実装する適応非接触エネルギー伝送システムを示している。非接触電源305は、遠隔装置306に誘導結合される。非接触電源305はまた、ワークステーション307にも接続される。そして次に、ネットワーク308がワークステーション307に接続される。
【0045】
一実施形態では、非接触電源305が、ワークステーション307と遠隔装置306との間で通信リンクを確立し、遠隔装置306へ、及び遠隔装置306から、情報を伝達することを可能にする。遠隔装置306がPDA(携帯情報端末)である場合には、PDAからの情報を、ワークステーション307とやり取りすることができるであろう。例えば、PDAは、充電している間、カレンダー及びアドレスリストを自動的に同期させることができるであろう。更なる例として、遠隔装置306がMP3プレーヤである場合には、MP3プレーヤが充電されている間、そのMP3プレーヤへ、又はそのMP3プレーヤから、音楽をダウンロードすることができるであろう。
【0046】
図7は、複数の遠隔装置と通信するための通信手段を持つ適応非接触エネルギー伝送システムの実施形態のブロック図を示している。
【0047】
適応非接触エネルギー伝送システムは、非接触電源305、及び遠隔装置338、340、342を持つ。
【0048】
良く知られるように、電源310は、DC(直流)電力をインバータ312に提供するDC電源である。インバータ312は、DC電力を、AC(交流)電力に変換する。インバータ312は、タンク回路314にAC電力を供給するAC電源として作動する。タンク回路314は共振回路である。タンク回路314は、遠隔装置338の二次巻線316に誘導結合される。
【0049】
遠隔装置338、340、342の二次巻線は、全く鉄心を持たない。破線320は、遠隔装置338、340、342と電源305との間のエアギャップを示している。
【0050】
回路センサ324は、タンク回路314の出力に結合される。回路センサ324はまた、制御装置326にも結合される。回路センサ324は、電源の動作パラメータに関する情報を提供する。例えば、回路センサが、電流センサであって、タンク回路314内の電流の位相、周波数、及び振幅に関する情報を提供することもできるであろう。
【0051】
制御装置326は、インテル8051、又はモトローラ6811、又はそれらのマイクロコントローラの多数の変形のいずれかのような、以下に説明する機能を実行するようにプログラムされた多数の汎用マイクロコントローラのいずれか1つとすることができるであろう。制御装置326は、チップ上に、ROM(読み取り専用メモリ)及びRAN(ランダムアクセスメモリ)を持つことができるであろう。制御装置326は、適応誘導電源内の様々な機能を制御するための一連のアナログ及びデジタル出力を持つこともできるであろう。
【0052】
制御装置326は、メモリ327に接続される。制御装置326はまた、駆動回路328に結合される。駆動回路328は、インバータ312の動作を管理する。駆動回路328は、インバータ312の周波数及びタイミングを管理する。制御装置326はまた、電源310にも結合される。制御装置326は、電源310のレール電圧を操作することができる。よく知られるように、電源310のレール電圧を変化させることにより、インバータ312の出力の振幅もまた変化する。
【0053】
最後に、制御装置326は、タンク回路314の可変インダクタ330、及び可変コンデンサ332に結合される。制御装置326は、可変インダクタ330のインダクタンス、又は可変コンデンサ332のキャパシタンスを変更することができる。可変インダクタ330のインダクタンス、及び可変コンデンサ332のキャパシタンスを変更することにより、タンク回路314の共振周波数を変えることができる。
【0054】
タンク回路314は、第一の共振周波数、及び第二の共振周波数を持つことができるであろう。タンク回路はまた、幾つかの共振周波数を持つこともできるであろう。本出願で使用される限り、「共振周波数」という語は、タンク回路314が共振する周波数帯域を参照する。よく知られるように、タンク回路は共振周波数を持つが、周波数の範囲内で共振し続けるであろう。タンク回路314は、可変インピーダンスを持つ少なくとも1つの可変インピーダンス要素を持つ。可変インピーダンスを変えることにより、タンク回路の共振周波数が変わるであろう。可変インピーダンス要素は、可変インダクタ330又は可変コンデンサ332、又はその両方とすることができるであろう。
【0055】
可変インダクタ330は、サイリスタ制御可変インダクタ、圧縮性可変インダクタ、平行成層鉄心可変インダクタ、選択固定インダクタをタンク回路314内に置くことができる一連のインダクタ及びスイッチ、又は、任意の他の制御可能な可変インダクタとすることができるであろう。可変コンデンサは、スイッチキャパシタアレイ、選択固定コンデンサをタンク回路314内に置くことのできる一連の固定コンデンサ及びスイッチ、又は、任意の他の制御可能な可変コンデンサとすることができるであろう。
【0056】
タンク回路314はまた、一次巻線334を含む。一次巻線334、及び可変インダクタ330は、分離して示されている。そのかわりに、一次巻線334、及び可変インダクタ330を、単一要素に結合することもできるであろう。タンク回路314は、直列共振タンク回路として示されている。並列共振タンク回路もまた、使用することができるであろう。
【0057】
電源送受信機336もまた、制御装置に結合される。電源送受信機336は、双方向通信を可能にする装置ではなく、単純に、情報を受け取るための受信機とすることもできるであろう。電源送受信機336は、様々な遠隔装置338、340、342と通信する。明らかに、三より多い、又は少ない装置を、そのシステムで使用することができるであろう。
【0058】
この実施形態では、非接触電源305はまた、ワークステーション307への接続のための通信インターフェース311を持つ。通信インターフェース311は、USB、ファイアワイヤ、又はRS-232のような多数の良く知られた、又は固有のインターフェースのうちのいずれかとすることができるであろう。ワークステーション307は、ネットワーク308に接続される。ネットワーク308は、LAN(ローカルエリアネットワーク)、又はインターネットとすることができるであろう。
【0059】
非接触電源305はまた、通信制御装置313も持つことができるであろう。通信制御装置313は、通信インターフェース311、及び電源送受信機336を通るデータ入力及び出力を管理する。通信制御装置313は、コード変換、プロトコル変換、バッファリング、データ圧縮、エラーチェック、同期、及び経路選択のような必須の制御機能を実行し、加えて、管理情報を収集する。通信制御装置313は、遠隔装置338、340、342とワークステーション307、又はネットワーク308内の任意の他の装置との間で、通信セッションを確立する。通信制御装置313は、フロントエンドプロセッサとすることができるであろう。制御装置326の能力によっては、通信制御装置313は、制御装置326内で実行されるソフトウェアモジュールとすることもできるであろう。
【0060】
図8は、遠隔装置338のブロック図を示している。遠隔装置338は、さらに、遠隔装置340、342の代表例でもある。遠隔装置338は、負荷350を含む。負荷350は、可変二次巻線353から電力を受け取る。負荷350は、充電式バッテリ、又は任意の他の種類の負荷とすることができるであろう。
【0061】
可変二次巻線353は、鉄心なしが好ましく、それは、可変二次巻線353が、より広範囲の周波数にわたって動作することを可能にする。可変二次巻線353は、可変インダクタとして示されているが、とはいえ、その可変インダクタの代わりに、他の形式の装置も使用することができるであろう。
【0062】
遠隔装置制御装置352は、可変二次巻線353のインダクタンス、及び、負荷350の動作を制御する。例えば、遠隔装置制御装置352は、可変二次巻線353のインダクタンスを変更する、又は、負荷350をオン又はオフすることができる。制御装置326と同様に、遠隔装置制御装置352は、インテル8051又はモトローラ6811、或いは、それらマイクロコントローラの多くの変形のうちのいずれかのような、以下に説明する機能を実行するようにプログラムされた多数の汎用マイクロコントローラのうちのいずれか1つとすることができるであろう。制御装置352は、チップ上に、ROM(読み取り専用メモリ)、及びRAM(ランダムアクセスメモリ)を持つことができるであろう。制御装置352はまた、適応誘導電源内の様々な機能を制御するための一連のアナログ及びデジタル出力を持つこともできるであろう。
【0063】
メモリ354は、とりわけ、遠隔装置338についての装置ID(識別子)番号、及び電力情報を含む。電力情報は、遠隔装置338における電圧、電流、及び消費電力の情報を示すであろう。負荷350が充電式バッテリである場合には、メモリ354は、放電率及び充電率を含むであろう。
【0064】
遠隔装置338はまた、遠隔送受信機356を含む。遠隔送受信機356は、電源送受信機336から情報を受信、及び、電源送受信機336へ情報を送信する。WIFI、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、又はセルラのような無数の様々な方法で、遠隔送受信機356、及び電源送受信機336をリンクすることができるであろう。さらに、一次巻線又は二次巻線に接続された更なるコイルを介して、送受信機は通信することができるであろう。又は、電力は、電源305によって遠隔装置338、340、342に運ばれているので、多くの様々な電力船システムのうちのいずれか1つを介して通信することもできるであろう。
【0065】
そのかわりに、遠隔送受信機356は、単純に、送受信機336へ情報を送るための無線送信機とすることもできるであろう。例えば、遠隔送受信機356は、RFID(無線認証)タグとすることもできるであろう。
【0066】
プロセッサ357は、遠隔装置338の機能構成部品を表している。例えば、遠隔装置338がデジタルカメラである場合には、プロセッサ357は、そのデジタルカメラ内のマイクロプロセッサとすることができるであろう。遠隔装置338がMP3プレーヤである場合には、プロセッサ357は、デジタル信号プロセッサ、又は、MP3ファイルを音声に変換するためのマイクロプロセッサ及びその関連回路、とすることができるであろう。遠隔装置338がPDAである場合には、プロセッサ357は、PDAの機能を提供するためのマイクロプロセッサ及びその関連回路であろう。プロセッサ357は、メモリ354にアクセスすることができるであろう。
【0067】
プロセッサ357はまた、第二の装置送受信機356にも結合される。従って、プロセッサ357は、第二の装置送受信機356を通して、非接触電源305と通信することができ、これにより、ワークステーションのような、電源305に接続された如何なる他の装置とも通信することができるであろう。
【0068】
通信インターフェース311の存在により、遠隔装置338は、ワークステーション307、又はネットワーク308に伝達することができるであろう。遠隔装置338とワークステーション307との間の通信をイネーブルにするために、制御装置326は、送受信機336を介して、遠隔装置338への通信リンクを確立するであろう。
【0069】
図9は、通信能力を持つ適応非接触エネルギー伝送システムの動作を示している。
【0070】
非接触電源305は、開始した(ステップ400)後、送受信機336を介して、全ての遠隔装置をポーリングする。ステップ402。ステップ402は連続的とすることができ、そこでは、遠隔装置が存在する場合のみ、ステップ404への前進が起こるであろう。そのかわりに、ポーリングを繰り返す前に、以下のステップを実行することもできるが、その動作は、ヌルセットについて実行されるであろう。何らかの遠隔装置が存在する場合には、それは、その遠隔装置から電力使用情報を受け取る。ステップ404。
【0071】
電力使用情報は、遠隔装置338についての電圧、電流、及び電力要求に関する実際の情報を含むことができるであろう。そのかわりに、電力使用情報を、単純に、遠隔装置338のID番号とすることもできるであろう。その場合には、制御装置326は、そのID番号を受け取り、メモリ327内に含まれる表から、遠隔装置338についての電力要求をルックアップする。
【0072】
全ての装置をポーリングして、各装置についての電力情報を受け取った後、次に、非接触電源305は、いずれかの装置がもはや存在しないかどうか確認する。その場合には、遠隔装置リストが更新される。ステップ408。
【0073】
制御装置326で保持される遠隔装置リストを、
図10に示す。遠隔装置リストは、各遠隔装置338、340、342についての装置ID、電圧、電流、及びステータスを含むことができるであろう。装置番号は、制御装置326によって割り当てられる。装置IDは、遠隔装置338、340、342から受け取られる。2つの遠隔装置が同じ形式である場合には、その装置IDは同じとすることができるであろう。電圧及び電流は、その装置に電力を供給するのに必要な電圧又は電流の量である。電圧及び電流は、遠隔装置338、340、342によって直接伝送されることができる、又は、メモリ327内で保持される遠隔装置のデータベースへのキーとして装置IDを使用することにより、得られることができるであろう。ステータスは、装置の現在のステータスである。例えば、装置ステータスは、「オン」、「オフ」、「充電」等とすることができるであろう。
【0074】
次に、非接触電源305は、いずれかの装置のステータスが変わったかどうか確認する。ステップ410。例えば、遠隔装置338は、充電式バッテリを持つことができるであろう。その充電式バッテリが完全に充電された時、遠隔装置338は、もはや電力を必要としないであろう。従って、そのステータスは、「充電」から「オフ」に変わるであろう。装置のステータスが変わる場合には、遠隔装置リストが更新される。ステップ412。
【0075】
次に、非接触電源305は、何らかの新しい装置が存在するかどうか確認する。ステップ414。その場合には、遠隔装置リストが更新される。ステップ416。次に、遠隔装置リストがチェックされる。ステップ418。リストが更新されていない場合には、システムは、再び装置をポーリングし、このプロセスが再開される。ステップ402。
【0076】
リストが更新されている場合には、遠隔装置による電力使用が変わり、従って、非接触電源305によって供給される電力もまた変わるはずである。制御装置326は、遠隔装置リストを使って、全ての遠隔装置の電力要求を確認する。次に、全ての装置に適切に電力供給するようにシステムを再構築できるかどうか定める。ステップ420。
【0077】
非接触電源305が、遠隔装置の全てに電力を供給できる場合には、制御装置326が、インバータ周波数、デューティサイクル、共振周波数、及びレール電圧についての設定を算出する。さらに、制御装置は、遠隔装置338、340、342の二次巻線353の可変インピーダンスについての最良設定を定める。ステップ422。次に、そのインバータ周波数、デューティサイクル、共振周波数、及びレール電圧をセットする。ステップ424。それはまた、遠隔装置338、340、342を、二次巻線353の可変インピーダンスを所望のレベルにセットするように指示する。ステップ424。
【0078】
その一方で、非接触電源305が、遠隔装置の全てに電力を供給することができない場合には、制御装置326は、システム全体についての可能な最良電力設定を定める。ステップ426。次に、遠隔装置338、340、342のうちの一又はそれ以上に、オフする、又はその消費電力を変えるように指示するであろう。制御装置は、遠隔装置338、340、342の二次巻線353の可変インピーダンスについての最良設定を定める。ステップ428。次に、そのシステムについてのインバータ周波数、デューティサイクル、共振周波数、及びレール電圧をセットする。ステップ430。制御装置は、遠隔装置338、340、342に、二次巻線353の可変インピーダンスを所望のレベルにセットするように指示する。次に、システムは、装置をポーリングすることに戻り、そのプロセスを繰り返す。ステップ402。
【0079】
上記説明は、好ましい実施形態についてのものである。添付の特許請求の範囲で定められる本発明の技術的範囲から外れることなく、様々な代替及び変更が成され得り、それらは、均等論を含む特許法の主義により、解釈されるべきである。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を使った単数形の請求要素への如何なる参照も、その要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。